JP3100209B2 - 真空蒸着用偏向電子銃装置 - Google Patents
真空蒸着用偏向電子銃装置Info
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Landscapes
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空中で金属等を蒸発
させる熱源として用いる偏向電子銃装置に関し、電子線
照射装置にも応用可能なものである。
させる熱源として用いる偏向電子銃装置に関し、電子線
照射装置にも応用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の真空蒸気用偏向電子銃のカソード
には、主に高融点金属のタンタル(Ta)やタングステン
(W)が用いられている為、加熱に必要なビーム電流を
得るためには、タングステンで2500〜2700K、タンタル
で2300〜2500Kの高温に加熱しなければならなかった。
また、カソードの加熱方式は、直接通電方式又は電子衝
撃方式となるため、前者ではカソード寿命が短く、後者
では加熱機構が複雑となっていた。
には、主に高融点金属のタンタル(Ta)やタングステン
(W)が用いられている為、加熱に必要なビーム電流を
得るためには、タングステンで2500〜2700K、タンタル
で2300〜2500Kの高温に加熱しなければならなかった。
また、カソードの加熱方式は、直接通電方式又は電子衝
撃方式となるため、前者ではカソード寿命が短く、後者
では加熱機構が複雑となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】タングステンやタンタ
ルに代わる低温動作カソードとして、電子顕微鏡等に用
いられる六ホウ化ランタン(LaB6)を使用することが
考えられている。しかし、六ホウ化ランタンをカソード
として使用すると、蒸発物がイオン化して低エネルギの
イオンがカソードまで達し、カソード表面にイオン蒸着
することにより、ビーム電流が経時的に低減するという
課題がある。
ルに代わる低温動作カソードとして、電子顕微鏡等に用
いられる六ホウ化ランタン(LaB6)を使用することが
考えられている。しかし、六ホウ化ランタンをカソード
として使用すると、蒸発物がイオン化して低エネルギの
イオンがカソードまで達し、カソード表面にイオン蒸着
することにより、ビーム電流が経時的に低減するという
課題がある。
【0004】即ち、図2の従来法の欄に示すように電子
ビームの衝突によりイオン化された金属イオンM+は、
カソード12の負電位により吸引され、カソード表面に
蒸着物Mとして付着する。ここで、カソード12がタン
グステンで2500〜2700Kの温度に加熱される場合、付着
した蒸発物Mはカソード12の加熱温度域で蒸発するた
め、時間の経過により次第に除去され、ビーム電流Iは
あまり低減することはない。ところが、1350〜1600℃で
動作する六ホウ化ランタンのような低温動作カソードで
は、カソードの負電位により吸引して付着した蒸発物は
蒸発しないため殆ど除去されず、イオン蒸着により電子
放出面積が減少するとともにビーム電流Iはその初期値
I0から低減する問題があった。尚、図中、11はカソ
ード加熱用フィラメントである。
ビームの衝突によりイオン化された金属イオンM+は、
カソード12の負電位により吸引され、カソード表面に
蒸着物Mとして付着する。ここで、カソード12がタン
グステンで2500〜2700Kの温度に加熱される場合、付着
した蒸発物Mはカソード12の加熱温度域で蒸発するた
め、時間の経過により次第に除去され、ビーム電流Iは
あまり低減することはない。ところが、1350〜1600℃で
動作する六ホウ化ランタンのような低温動作カソードで
は、カソードの負電位により吸引して付着した蒸発物は
蒸発しないため殆ど除去されず、イオン蒸着により電子
放出面積が減少するとともにビーム電流Iはその初期値
I0から低減する問題があった。尚、図中、11はカソ
ード加熱用フィラメントである。
【0005】この為、従来の真空蒸気用偏向電子銃にお
いては、六ホウ化ランタンによるカソードは実用化され
ていないのが現状である。本発明は、上記従来技術に鑑
みてなされたものであり、上記課題を解決して低温動作
カソードを実用化する真空蒸着用偏向電子銃装置を提供
することを目的とする。
いては、六ホウ化ランタンによるカソードは実用化され
ていないのが現状である。本発明は、上記従来技術に鑑
みてなされたものであり、上記課題を解決して低温動作
カソードを実用化する真空蒸着用偏向電子銃装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明の構成は真空中においてカソードから発生した電子
ビームを磁場により偏向してターゲットに照射し、前記
ターゲットが蒸発した蒸発物を被蒸着物に蒸着させる真
空蒸着用偏向電子銃装置において、前記カソードとして
付着した蒸発物が蒸発しない程度の低温で動作する低温
動作カソードを使用し、また、前記カソードを収納する
電子銃室と前記ターゲット及び被蒸着物を収納する蒸着
室とを分離すると共に真空ポンプを各々接続して真空排
気する一方、前記電子銃室と前記蒸着室との間の壁面に
前記電子ビームを通過させる電子ビーム通過スリットを
形成し、更に、前記電子銃室における前記電子ビームの
軌道に向かって微量の不活性ガスを導入するノズル、ビ
ーム電流を検出するビーム電流検出器及び前記ビーム電
流検出器により検出されるビーム電流が一定値となるよ
うにガスボンベから前記ノズルへ不活性ガスを導入する
流量制御装置よりなるカソード表面自動クリーニング装
置を設けたことを特徴とする。ここで、前記低温動作カ
ソードとしては、六ホウ化ランタンからなることが望ま
しい。
発明の構成は真空中においてカソードから発生した電子
ビームを磁場により偏向してターゲットに照射し、前記
ターゲットが蒸発した蒸発物を被蒸着物に蒸着させる真
空蒸着用偏向電子銃装置において、前記カソードとして
付着した蒸発物が蒸発しない程度の低温で動作する低温
動作カソードを使用し、また、前記カソードを収納する
電子銃室と前記ターゲット及び被蒸着物を収納する蒸着
室とを分離すると共に真空ポンプを各々接続して真空排
気する一方、前記電子銃室と前記蒸着室との間の壁面に
前記電子ビームを通過させる電子ビーム通過スリットを
形成し、更に、前記電子銃室における前記電子ビームの
軌道に向かって微量の不活性ガスを導入するノズル、ビ
ーム電流を検出するビーム電流検出器及び前記ビーム電
流検出器により検出されるビーム電流が一定値となるよ
うにガスボンベから前記ノズルへ不活性ガスを導入する
流量制御装置よりなるカソード表面自動クリーニング装
置を設けたことを特徴とする。ここで、前記低温動作カ
ソードとしては、六ホウ化ランタンからなることが望ま
しい。
【0007】
【実施例】以下、本発明について図面に示す実施例を参
照して詳細に説明する。図1に本発明の一実施例を示
す。同図に示すように電子銃室9と蒸着室21とは分離
されると共に電子銃室9には差動排気用真空ポンプ1
0、蒸着室21には真空容器用真空ポンプ20がそれぞ
れ接続され、各室を真空排気している。蒸着室21の底
面には、ターゲット(蒸着源)16を滞留する水冷るつ
ほ17が配置されると共にその天井部には、被蒸着物1
7が吊り下げられている。
照して詳細に説明する。図1に本発明の一実施例を示
す。同図に示すように電子銃室9と蒸着室21とは分離
されると共に電子銃室9には差動排気用真空ポンプ1
0、蒸着室21には真空容器用真空ポンプ20がそれぞ
れ接続され、各室を真空排気している。蒸着室21の底
面には、ターゲット(蒸着源)16を滞留する水冷るつ
ほ17が配置されると共にその天井部には、被蒸着物1
7が吊り下げられている。
【0008】一方、電子銃室9には、低温動作カソード
2を備えた電子銃5が設けられている。即ち、低温動作
カソード2の後方にカソード加熱用フィラメント1が配
置されると共にその前方にはアノード4がそれぞれ配置
されており、更に、ビーム形成用電極としてウェーネル
ト3が配置されている。低温動作カソード2は、本実施
例では六ホウ化ランタン(LaB6)により構成され、必
要な電流密度が得られる1350℃〜1600℃まで加熱され
る。低温動作カソードとしては、六ホウ化ランタンに限
らず、付着した蒸発物が蒸発しない程度の低温で動作す
るカソードが使用可能である。カソード加熱用フィラメ
ント1、アノード4は、それぞれ電子銃電源8を構成す
るカソード加熱用電源6、加速電源7に接続している。
従って、カソード加熱用フィラメント1にカソード加熱
用電源6から通電して、低温動作カソード2を輻射加熱
することができ、また、アノード4に加速電源7の正の
高電圧を印加し、カソード2から熱電子を引き出し加速
することができる。
2を備えた電子銃5が設けられている。即ち、低温動作
カソード2の後方にカソード加熱用フィラメント1が配
置されると共にその前方にはアノード4がそれぞれ配置
されており、更に、ビーム形成用電極としてウェーネル
ト3が配置されている。低温動作カソード2は、本実施
例では六ホウ化ランタン(LaB6)により構成され、必
要な電流密度が得られる1350℃〜1600℃まで加熱され
る。低温動作カソードとしては、六ホウ化ランタンに限
らず、付着した蒸発物が蒸発しない程度の低温で動作す
るカソードが使用可能である。カソード加熱用フィラメ
ント1、アノード4は、それぞれ電子銃電源8を構成す
るカソード加熱用電源6、加速電源7に接続している。
従って、カソード加熱用フィラメント1にカソード加熱
用電源6から通電して、低温動作カソード2を輻射加熱
することができ、また、アノード4に加速電源7の正の
高電圧を印加し、カソード2から熱電子を引き出し加速
することができる。
【0009】更に、加速さた電子ビーム15を磁場Bに
より270°偏向させるビーム偏向用磁場発生器23が
設けられており、偏向した電子ビーム15は水冷銅るつ
ぼ17中のターゲット(蒸着源)に照射されることにな
る。ターゲット15は、この熱で加熱溶融し、蒸発して
蒸気18となり、上方の被蒸着物19に蒸着される。ま
た、電子ビーム15が90°偏向した位置における、電
子銃室9と蒸着室21と間の壁面には、電子ビーム15
を通過させる電子ビームスリット14が形成されてい
る。
より270°偏向させるビーム偏向用磁場発生器23が
設けられており、偏向した電子ビーム15は水冷銅るつ
ぼ17中のターゲット(蒸着源)に照射されることにな
る。ターゲット15は、この熱で加熱溶融し、蒸発して
蒸気18となり、上方の被蒸着物19に蒸着される。ま
た、電子ビーム15が90°偏向した位置における、電
子銃室9と蒸着室21と間の壁面には、電子ビーム15
を通過させる電子ビームスリット14が形成されてい
る。
【0010】更に、電子銃室9には、カソード表面自動
クリーニング装置が設けられている。即ち、電子ビーム
15の軌道上に不活性ガスを導入するスパッタ用ガスノ
ズル11が設けられると共にこのスパッタ用ガスノズル
11はガス微小流量制御装置12を介してスパッタ用ガ
スボンベ13に接続している。不活性ガスとしては、A
r,He等が使用できる。更に、電子銃熱源8には、ビー
ム電流を検出するビーム電流検出器22が設けられてお
り、その電流値は前記ガス微量流量制御装置11へ入力
される。ガス微量流量制御装置11は、ビーム電流検出
器22により得られた電流値が一定となるように、ガス
ボンベ13からノズル11へのガス流量を制御するもの
である。
クリーニング装置が設けられている。即ち、電子ビーム
15の軌道上に不活性ガスを導入するスパッタ用ガスノ
ズル11が設けられると共にこのスパッタ用ガスノズル
11はガス微小流量制御装置12を介してスパッタ用ガ
スボンベ13に接続している。不活性ガスとしては、A
r,He等が使用できる。更に、電子銃熱源8には、ビー
ム電流を検出するビーム電流検出器22が設けられてお
り、その電流値は前記ガス微量流量制御装置11へ入力
される。ガス微量流量制御装置11は、ビーム電流検出
器22により得られた電流値が一定となるように、ガス
ボンベ13からノズル11へのガス流量を制御するもの
である。
【0011】ここで、図2の本発明の欄に示すようにス
パッタ用ガスノズル11から電子ビーム軌道上に不活性
ガス、例えば、アルゴンArを導入すると、導入された
アルゴンArは電子ビーム15によりイオン化されてア
ルゴンイオンAr+となり、低温動作カソード2の負電位
に向かって加速される。この為、アルゴンイオンAr
+は、カソード表面に衝突し、その表面に付着した蒸着
物Mを弾き飛ばすことになる。このようにカソード表面
の蒸着物MがアルゴンイオンAr+により取り除かれるこ
とにより、電子放出面積が回復しビーム電流量Iはその
初期値I0に回復することになる。
パッタ用ガスノズル11から電子ビーム軌道上に不活性
ガス、例えば、アルゴンArを導入すると、導入された
アルゴンArは電子ビーム15によりイオン化されてア
ルゴンイオンAr+となり、低温動作カソード2の負電位
に向かって加速される。この為、アルゴンイオンAr
+は、カソード表面に衝突し、その表面に付着した蒸着
物Mを弾き飛ばすことになる。このようにカソード表面
の蒸着物MがアルゴンイオンAr+により取り除かれるこ
とにより、電子放出面積が回復しビーム電流量Iはその
初期値I0に回復することになる。
【0012】また、ビーム電流検出器22により得られ
た電流値が一定となるように、ガス微量流量制御装置1
1は、不活性ガスの導入を制御するため、不活性ガスが
過剰に導入されることはない。更に、蒸発室21と電子
銃室9とは分離されているため、不活性ガスを電子銃室
9へ導入することにより、蒸着室21の圧力が大きく変
動することはない。尚、低温動作カソード2としては、
上記実施例では六ホウ化ランタンを使用するが、その他
に、Ba含侵カソード(Ba-W)を使用することができ
る。このBa含侵カソードが低温で動作するメカニズム
は、多孔質Wに含侵したBaが電子放出面に滲み出して
単原子層を作り、ここから電子放出を行うことによるも
のである。従って、上述したようにイオン蒸着した物質
をスパッタリングにより除去すると、場合に依っては、
電子放出を行う単原子層を除去することもあるため、何
らかの処置を施すことが望ましい。尚、六ホウ化ランタ
ンは、LaB6焼結体であるため、過大なスパッタリング
を行っても、電子放出量に影響することはない。
た電流値が一定となるように、ガス微量流量制御装置1
1は、不活性ガスの導入を制御するため、不活性ガスが
過剰に導入されることはない。更に、蒸発室21と電子
銃室9とは分離されているため、不活性ガスを電子銃室
9へ導入することにより、蒸着室21の圧力が大きく変
動することはない。尚、低温動作カソード2としては、
上記実施例では六ホウ化ランタンを使用するが、その他
に、Ba含侵カソード(Ba-W)を使用することができ
る。このBa含侵カソードが低温で動作するメカニズム
は、多孔質Wに含侵したBaが電子放出面に滲み出して
単原子層を作り、ここから電子放出を行うことによるも
のである。従って、上述したようにイオン蒸着した物質
をスパッタリングにより除去すると、場合に依っては、
電子放出を行う単原子層を除去することもあるため、何
らかの処置を施すことが望ましい。尚、六ホウ化ランタ
ンは、LaB6焼結体であるため、過大なスパッタリング
を行っても、電子放出量に影響することはない。
【0013】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明は、六ホウ化ランタンのような低温駆
動カソードが使用可能となるため、カソード加熱温度が
低下し、カソード加熱機構が簡便となる。更に、円板
状、角棒状等のブロック状カソードが採用可能となり、
イオンスパッタリングによる損傷が生じても板厚貫通す
るまで使用できるため、直接通電方式のコイル状やワイ
ヤ状のカソードに比較して、カソード寿命が向上する利
点がある。また、カソード形状を任意に選ぶことが可能
となり、線状の電子ビームを得るリニア電子銃の制作が
容易となる。このため、電子銃の低コスト化と共に電子
銃の長寿命化により連続運転が可能となり、生産効率が
大幅に向上する。
たように、本発明は、六ホウ化ランタンのような低温駆
動カソードが使用可能となるため、カソード加熱温度が
低下し、カソード加熱機構が簡便となる。更に、円板
状、角棒状等のブロック状カソードが採用可能となり、
イオンスパッタリングによる損傷が生じても板厚貫通す
るまで使用できるため、直接通電方式のコイル状やワイ
ヤ状のカソードに比較して、カソード寿命が向上する利
点がある。また、カソード形状を任意に選ぶことが可能
となり、線状の電子ビームを得るリニア電子銃の制作が
容易となる。このため、電子銃の低コスト化と共に電子
銃の長寿命化により連続運転が可能となり、生産効率が
大幅に向上する。
【図1】本発明の一実施例をに係る真空蒸着用偏向電子
銃装置を示す構成図である。
銃装置を示す構成図である。
【図2】本発明と従来法について、その動作原理とビー
ム電流変化率とを比較して示す説明図である。
ム電流変化率とを比較して示す説明図である。
1 カソード加熱用フィラメント 2 低温動作カソード 3 ウェーネルト 4 アノード 5 電子銃 6 カソード加熱用電源 7 加速電源 8 電子銃電源 9 電子銃室 10 差動排気用真空ポンプ 11 スパッタ用ガスノズル 12 ガス微小流量制御装置 13 スパッタ用ガスボンベ 14 電子ビーム通過スリット 15 電子ビーム 16 ターゲット(蒸着源) 17 水冷銅るつぼ 18 蒸気 19 被蒸着物 20 真空容器用真空ポンプ 21 蒸着室 22 ビーム電流検出器 23 ビーム偏向用磁場発生器 B 磁界 M+ 金属イオン Ar+ アルゴンイオン I ビーム電流 I0 ビーム電流の初期値
フロントページの続き (72)発明者 今野 茂生 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日 本電子株式会社内 (72)発明者 高島 徹 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日 本電子株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−13567(JP,A) 特開 平2−217465(JP,A) 特開 平4−160151(JP,A) 特開 昭57−138760(JP,A) 特開 平3−185302(JP,A) 特開 平2−155147(JP,A) 実開 昭60−97765(JP,U) 実公 平3−22900(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01J 37/06 H01J 37/30 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 真空中においてカソードから発生した電
子ビームを磁場により偏向してターゲットに照射し、前
記ターゲットが蒸発した蒸発物を被蒸着物に蒸着させる
真空蒸着用偏向電子銃装置において、前記カソードとし
て付着した蒸発物が蒸発しない程度の低温で動作する低
温動作カソードを使用し、また、前記カソードを収納す
る電子銃室と前記ターゲット及び被蒸着物を収納する蒸
着室とを分離すると共に真空ポンプを各々接続して真空
排気する一方、前記電子銃室と前記蒸着室との間の壁面
に前記電子ビームを通過させる電子ビーム通過スリット
を形成し、更に、前記電子銃室における前記電子ビーム
の軌道に向かって微量の不活性ガスを導入するノズル、
ビーム電流を検出するビーム電流検出器及び前記ビーム
電流検出器により検出されるビーム電流が一定値となる
ようにガスボンベから前記ノズルへ不活性ガスを導入す
る流量制御装置よりなるカソード表面自動クリーニング
装置を設けたことを特徴とする真空蒸着用偏向電子銃装
置。 - 【請求項2】 前記低温動作カソードは、六ホウ化ラン
タンからなることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着
用偏向電子銃装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03338230A JP3100209B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 真空蒸着用偏向電子銃装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03338230A JP3100209B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 真空蒸着用偏向電子銃装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05171423A JPH05171423A (ja) | 1993-07-09 |
JP3100209B2 true JP3100209B2 (ja) | 2000-10-16 |
Family
ID=18316155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03338230A Expired - Fee Related JP3100209B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 真空蒸着用偏向電子銃装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3100209B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190074760A (ko) * | 2017-12-20 | 2019-06-28 | 한국세라믹기술원 | 복수의 타겟 구조체를 이용한 진공증착장치 |
Families Citing this family (37)
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