JP2689929B2 - 蒸発源 - Google Patents
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子銃からの電子ビーム
を蒸発物質に当て、この蒸発物質を蒸発させるようにし
た蒸発源に関するものである。
を蒸発物質に当て、この蒸発物質を蒸発させるようにし
た蒸発源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続蒸着工法による生産におい
ては、エネルギー源としてエレクトロンビーム(以下、
EBと略す)を使用する工法が生産性からして適してい
るが、このEBの発生は、例えば、タングステンフィラ
メントに通電することにより加熱されエレクトロンが飛
び出し、電場で加速されてEBとなる。また、例えば、
チタン蒸着を連続して行う場合には、蒸着表面積を拡大
させるため10-4Torr程度の低真空で蒸着を行うよ
うにしている。すなわち、図2に示すように、ルツボ5
にチタンのような蒸発物質6を入れ、そしてルツボ5を
陽極とし、電子銃の陰極フィラメント1からのエレクト
ロンをアノード2で加速し、偏向磁石3によりEB4を
前記チタンのような蒸発物質6上に導き、そしてこのチ
タンのような蒸発物質6をEB4との衝撃により蒸発さ
せ、前記ルツボ5の上方に配置された基材7に付着させ
ている。なお、前記蒸発物質6による蒸気が電子銃のフ
ィラメント1に当たることによるフィラメント1の破損
と汚れを避けるために、フィラメント1は直接蒸気に晒
されない位置に配置し、そしてフィラメント1からのエ
レクトロンを前記偏向磁石3が形成する磁場で偏向して
チタンのような蒸発物質6に導くようにしている。
ては、エネルギー源としてエレクトロンビーム(以下、
EBと略す)を使用する工法が生産性からして適してい
るが、このEBの発生は、例えば、タングステンフィラ
メントに通電することにより加熱されエレクトロンが飛
び出し、電場で加速されてEBとなる。また、例えば、
チタン蒸着を連続して行う場合には、蒸着表面積を拡大
させるため10-4Torr程度の低真空で蒸着を行うよ
うにしている。すなわち、図2に示すように、ルツボ5
にチタンのような蒸発物質6を入れ、そしてルツボ5を
陽極とし、電子銃の陰極フィラメント1からのエレクト
ロンをアノード2で加速し、偏向磁石3によりEB4を
前記チタンのような蒸発物質6上に導き、そしてこのチ
タンのような蒸発物質6をEB4との衝撃により蒸発さ
せ、前記ルツボ5の上方に配置された基材7に付着させ
ている。なお、前記蒸発物質6による蒸気が電子銃のフ
ィラメント1に当たることによるフィラメント1の破損
と汚れを避けるために、フィラメント1は直接蒸気に晒
されない位置に配置し、そしてフィラメント1からのエ
レクトロンを前記偏向磁石3が形成する磁場で偏向して
チタンのような蒸発物質6に導くようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、このようにEB
の衝撃により蒸発物質を蒸発させる電子銃のフィラメン
トとしては、一般に低電圧で大電力のビーム(すなわ
ち、ビーム電流の大きいビーム)が得られるように、大
きいものが使用される。例えば、円板状のものや、図5
(a)(b)に示すような波形状や、図6(a)(b)
に示すような渦巻状のものが用いられる。しかしなが
ら、このようなフィラメントは前記蒸着操作中に断線す
るもので、すなわち、前記EB4の衝撃によりチタンの
ような蒸発物質6が蒸発するが、この時に、蒸気の一部
や雰囲気ガス(例えば、アルゴンガス)がEBの衝撃に
より陽イオン化し、この陽イオンが前記フィラメント1
とチタンのような蒸発物質6の間のEBの偏向軌道に沿
って負の高電圧が印加された前記フィラメント1に向か
い、そしてこのフィラメント1に衝突し、スパッタして
断線させる。この際、前記陽イオンはエレクトロンより
かなり質量が大きいため、完全に偏向しきれない。その
ため、陽イオンが偏向加速される軌道(図2の点線8で
示す軌道に沿った陽イオン流)はEB4の偏向軌道の外
側の径の大きな軌道となり、そしてこの軌道を通ってフ
ィラメント1に衝突する。したがって、図3の点線9に
示すように、フィラメント1の中心より下部がイオンボ
ンバードにより断線する。
の衝撃により蒸発物質を蒸発させる電子銃のフィラメン
トとしては、一般に低電圧で大電力のビーム(すなわ
ち、ビーム電流の大きいビーム)が得られるように、大
きいものが使用される。例えば、円板状のものや、図5
(a)(b)に示すような波形状や、図6(a)(b)
に示すような渦巻状のものが用いられる。しかしなが
ら、このようなフィラメントは前記蒸着操作中に断線す
るもので、すなわち、前記EB4の衝撃によりチタンの
ような蒸発物質6が蒸発するが、この時に、蒸気の一部
や雰囲気ガス(例えば、アルゴンガス)がEBの衝撃に
より陽イオン化し、この陽イオンが前記フィラメント1
とチタンのような蒸発物質6の間のEBの偏向軌道に沿
って負の高電圧が印加された前記フィラメント1に向か
い、そしてこのフィラメント1に衝突し、スパッタして
断線させる。この際、前記陽イオンはエレクトロンより
かなり質量が大きいため、完全に偏向しきれない。その
ため、陽イオンが偏向加速される軌道(図2の点線8で
示す軌道に沿った陽イオン流)はEB4の偏向軌道の外
側の径の大きな軌道となり、そしてこの軌道を通ってフ
ィラメント1に衝突する。したがって、図3の点線9に
示すように、フィラメント1の中心より下部がイオンボ
ンバードにより断線する。
【0004】このような断線が発生した場合、フィラメ
ントの交換には、蒸着装置のルツボ、蒸着物質を酸化等
の変質が起きないように冷却し、その後、真空を解除し
て常圧に戻し、そして新しいフィラメントに交換し、再
び断線前の真空蒸着条件に戻して蒸着を再開しなければ
ならず、したがって、長時間の作業ロスが生じるととも
に、このような断線によりその蒸着膜は不良品となる場
合もあり、経済的にも、かつ操作的にも著しく不利とな
る、とりわけ、このような断線に基づくフィラメント寿
命の短命化は、連続蒸着工法による生産において連続使
用に耐えられない。そして、フィラメントの寿命が短い
ことは連続蒸着時間が短くなり、作業性・生産性がきわ
めて悪いという問題を有するものである。
ントの交換には、蒸着装置のルツボ、蒸着物質を酸化等
の変質が起きないように冷却し、その後、真空を解除し
て常圧に戻し、そして新しいフィラメントに交換し、再
び断線前の真空蒸着条件に戻して蒸着を再開しなければ
ならず、したがって、長時間の作業ロスが生じるととも
に、このような断線によりその蒸着膜は不良品となる場
合もあり、経済的にも、かつ操作的にも著しく不利とな
る、とりわけ、このような断線に基づくフィラメント寿
命の短命化は、連続蒸着工法による生産において連続使
用に耐えられない。そして、フィラメントの寿命が短い
ことは連続蒸着時間が短くなり、作業性・生産性がきわ
めて悪いという問題を有するものである。
【0005】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、電子銃のフィラメントの寿命を延ばす
ことができる蒸発源を提供することを目的とするもので
ある。
なされたもので、電子銃のフィラメントの寿命を延ばす
ことができる蒸発源を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の蒸発源は、電子放出方向に垂直な平面状に形
成されたフィラメントを有する電子銃からの電子ビーム
を加速し、適宜偏向して蒸発物質に当て、この蒸発物質
を蒸発させるようにした蒸発源において、前記フィラメ
ントを、同一線径のもので前記蒸発物質の蒸発時に発生
する陽イオンの偏向軌道に当たる部分が空白となる形状
に構成したものである。
に本発明の蒸発源は、電子放出方向に垂直な平面状に形
成されたフィラメントを有する電子銃からの電子ビーム
を加速し、適宜偏向して蒸発物質に当て、この蒸発物質
を蒸発させるようにした蒸発源において、前記フィラメ
ントを、同一線径のもので前記蒸発物質の蒸発時に発生
する陽イオンの偏向軌道に当たる部分が空白となる形状
に構成したものである。
【0007】
【作用】上記本発明の蒸発源に使用される電子銃のフィ
ラメントは、蒸発物質の蒸発時に発生する陽イオンの偏
向軌道に当たる部分が空白となる形状に構成しているた
め、10-4Torr程度の低真空雰囲気中においてEB
蒸着を行っても、陽イオンはフィラメントに衝突しな
い。したがって、フィラメントはイオンボンバードされ
ないので、長時間断線することがない。
ラメントは、蒸発物質の蒸発時に発生する陽イオンの偏
向軌道に当たる部分が空白となる形状に構成しているた
め、10-4Torr程度の低真空雰囲気中においてEB
蒸着を行っても、陽イオンはフィラメントに衝突しな
い。したがって、フィラメントはイオンボンバードされ
ないので、長時間断線することがない。
【0008】
【実施例】図1(a)(b)は本発明の一実施例におけ
る蒸発源の一部を構成する電子銃のフィラメントの形状
を示す平面図及び斜視図であり、図4は同フィラメント
の他の形状を示すものである。そしてこの形状のフィラ
メントを図2に示すEB蒸着装置の電子銃のフィラメン
トとして、陽イオンがこのフィラメントに衝突しない方
向に取り付ける。
る蒸発源の一部を構成する電子銃のフィラメントの形状
を示す平面図及び斜視図であり、図4は同フィラメント
の他の形状を示すものである。そしてこの形状のフィラ
メントを図2に示すEB蒸着装置の電子銃のフィラメン
トとして、陽イオンがこのフィラメントに衝突しない方
向に取り付ける。
【0009】フィラメント1は抵抗体として通電により
加熱されてエレクトロンを出すため、従来のフィラメン
トと同一条件で同一のEB出力を得るためには、同一取
付け位置でEB4の発生量、発生範囲及び中心値が同一
であることが必要であり、線径、長さ、形状にも制約を
受ける。また、フィラメント1は高温になるため、熱ス
トレスにより破損が生じない形状にも制約を受ける。さ
らに、EB4の加速されるアノード2側から見たフィラ
メント1の全面から放出されるエレクトロンはルツボ5
へのEB4の有効エレクトロンビームとなる。しかもフ
ィラメント1は、その各部分が対向するアノード2の各
部分より等距離にある方がEB4の位置を制御し易く、
そしてフィラメント1の各部分が互いに密集している方
がEB4のエネルギーが集中して効率的であることか
ら、平面状の波形状や渦巻状となる。そして、本発明で
は加速された陽イオンがフィラメント1に衝突してイオ
ンボンバードされることを避けるためにフィラメント1
の形状を改善している。本発明は、このような条件のも
と種々の検討を行った結果、見い出したものである。す
なわち、図1(a)(b)及び図4に示すような平面状
の波形状をなすフィラメント1において、チタンのよう
な蒸発物質6の蒸発時に発生する陽イオンが通る部分
(図3及び図4の点線9で表わした部分)、すなわち、
同一線径のものでフィラメント1の中心より下部を線の
ない形状、つまり空白となる形状に構成している。ま
た、熱ストレスを受けても断線しないように角のない形
状としている。
加熱されてエレクトロンを出すため、従来のフィラメン
トと同一条件で同一のEB出力を得るためには、同一取
付け位置でEB4の発生量、発生範囲及び中心値が同一
であることが必要であり、線径、長さ、形状にも制約を
受ける。また、フィラメント1は高温になるため、熱ス
トレスにより破損が生じない形状にも制約を受ける。さ
らに、EB4の加速されるアノード2側から見たフィラ
メント1の全面から放出されるエレクトロンはルツボ5
へのEB4の有効エレクトロンビームとなる。しかもフ
ィラメント1は、その各部分が対向するアノード2の各
部分より等距離にある方がEB4の位置を制御し易く、
そしてフィラメント1の各部分が互いに密集している方
がEB4のエネルギーが集中して効率的であることか
ら、平面状の波形状や渦巻状となる。そして、本発明で
は加速された陽イオンがフィラメント1に衝突してイオ
ンボンバードされることを避けるためにフィラメント1
の形状を改善している。本発明は、このような条件のも
と種々の検討を行った結果、見い出したものである。す
なわち、図1(a)(b)及び図4に示すような平面状
の波形状をなすフィラメント1において、チタンのよう
な蒸発物質6の蒸発時に発生する陽イオンが通る部分
(図3及び図4の点線9で表わした部分)、すなわち、
同一線径のものでフィラメント1の中心より下部を線の
ない形状、つまり空白となる形状に構成している。ま
た、熱ストレスを受けても断線しないように角のない形
状としている。
【0010】このようなフィラメント1を図2のEB蒸
着装置の電子銃に取り付ける時、EB4の偏向軌道の中
心軸の下部(円弧の外側)に当たる部分とこのフィラメ
ント1の空白となっている部分とが対応するようにフィ
ラメント1を取り付ける。このようにすることにより、
電子銃のフィラメント1からのエレクトロンはアノード
2で加速され、偏向磁石3によりチタンのような蒸発物
質6上に導かれる。この時、実際上、前記フィラメント
1からのエレクトロンはこのフィラメント1と前記アノ
ード2間の電界、及びフィラメント1とグリッド(図示
せず)の電界により集束され、この集束されたEB4が
前記蒸発物質6上に導かれる。そして、この際、蒸発物
質6の蒸気の一部や雰囲気ガス(例えば、アルゴンガ
ス)がEB4の衝撃によりイオン化し、この陽イオンが
前記フィラメント1とアノード2間の負の高電圧により
加速され、前記フィラメント1とチタンのような蒸発物
質6との間のEB4の偏向軌道の外側のイオン偏向軌道
(図2の点線8で示すこの軌道に沿った陽イオン流)に
沿って前記フィラメント1の方向に進む。そしてこのイ
オン偏向軌道に沿って加速されてきた陽イオンは、前記
フィラメント1と前記アノード2間の電界、及び前記フ
ィラメント1とグリッド(図示せず)の電界により集束
され、その大部分が前記イオン偏向軌道に沿ったフィラ
メント1の空白となっている部分を通過して行く。した
がって、フィラメント1の陽イオンによるスパッタは起
きない。
着装置の電子銃に取り付ける時、EB4の偏向軌道の中
心軸の下部(円弧の外側)に当たる部分とこのフィラメ
ント1の空白となっている部分とが対応するようにフィ
ラメント1を取り付ける。このようにすることにより、
電子銃のフィラメント1からのエレクトロンはアノード
2で加速され、偏向磁石3によりチタンのような蒸発物
質6上に導かれる。この時、実際上、前記フィラメント
1からのエレクトロンはこのフィラメント1と前記アノ
ード2間の電界、及びフィラメント1とグリッド(図示
せず)の電界により集束され、この集束されたEB4が
前記蒸発物質6上に導かれる。そして、この際、蒸発物
質6の蒸気の一部や雰囲気ガス(例えば、アルゴンガ
ス)がEB4の衝撃によりイオン化し、この陽イオンが
前記フィラメント1とアノード2間の負の高電圧により
加速され、前記フィラメント1とチタンのような蒸発物
質6との間のEB4の偏向軌道の外側のイオン偏向軌道
(図2の点線8で示すこの軌道に沿った陽イオン流)に
沿って前記フィラメント1の方向に進む。そしてこのイ
オン偏向軌道に沿って加速されてきた陽イオンは、前記
フィラメント1と前記アノード2間の電界、及び前記フ
ィラメント1とグリッド(図示せず)の電界により集束
され、その大部分が前記イオン偏向軌道に沿ったフィラ
メント1の空白となっている部分を通過して行く。した
がって、フィラメント1の陽イオンによるスパッタは起
きない。
【0011】(表1)は、基材7にチタンのような蒸発
物質6を蒸着する場合、本発明のフィラメントを使用し
た場合と、従来のような図6(a)(b)に示す渦巻状
フィラメントを使用した場合のデータを表わしたもの
で、真空条件として真空度5.0×10-4Torr、ア
ルゴンガス雰囲気中、EB出力6.0KWで蒸着を実施
し、フィラメントが切断するまでの時間を表わした。
物質6を蒸着する場合、本発明のフィラメントを使用し
た場合と、従来のような図6(a)(b)に示す渦巻状
フィラメントを使用した場合のデータを表わしたもの
で、真空条件として真空度5.0×10-4Torr、ア
ルゴンガス雰囲気中、EB出力6.0KWで蒸着を実施
し、フィラメントが切断するまでの時間を表わした。
【0012】
【表1】
【0013】この(表1)のデータから明らかなよう
に、本発明のフィラメントは従来のフィラメントに比
べ、10倍以上の長寿命化が図られた。
に、本発明のフィラメントは従来のフィラメントに比
べ、10倍以上の長寿命化が図られた。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子放出
方向に垂直な平面状に形成されたフィラメントを有する
電子銃からの電子ビームを加速し、適宜偏向して蒸発物
質に当て、この蒸発物質を蒸発させるようにした蒸発源
において、前記フィラメントを、同一線径のもので前記
蒸発物質の蒸発時に発生する陽イオンの偏向軌道に当た
る部分が空白となる形状に構成しているため、低真空雰
囲気中においてEB蒸着を行っても、陽イオンがフィラ
メントに衝突することはなくなり、したがって、フィラ
メントがイオンボンバードされることはなくなるため、
フィラメントは長時間断線することなく、フィラメント
の寿命を著しく延ばすことが可能となる。その結果、経
済的にも操作的にも著しく有利となるばかりではなく、
連続蒸着工法による連続蒸着時間も長くなって、作業性
・生産性を著しく向上させることができるものである。
方向に垂直な平面状に形成されたフィラメントを有する
電子銃からの電子ビームを加速し、適宜偏向して蒸発物
質に当て、この蒸発物質を蒸発させるようにした蒸発源
において、前記フィラメントを、同一線径のもので前記
蒸発物質の蒸発時に発生する陽イオンの偏向軌道に当た
る部分が空白となる形状に構成しているため、低真空雰
囲気中においてEB蒸着を行っても、陽イオンがフィラ
メントに衝突することはなくなり、したがって、フィラ
メントがイオンボンバードされることはなくなるため、
フィラメントは長時間断線することなく、フィラメント
の寿命を著しく延ばすことが可能となる。その結果、経
済的にも操作的にも著しく有利となるばかりではなく、
連続蒸着工法による連続蒸着時間も長くなって、作業性
・生産性を著しく向上させることができるものである。
【0015】また、フィラメントは形状の改良であるた
め、同一線径のもので構成することができ、これによ
り、従来のようにフィラメントの電子放出面の中央部を
補強する目的で高融点金属円板を別個に取り付けたり、
あるいはフィラメントの電子放出面の中央部の線の直径
を他の部分より適宜大きくするという煩わしさはなくな
るため、フィラメントの生産性ならびに製造コストの面
で非常に有用なものを得ることができるものである。
め、同一線径のもので構成することができ、これによ
り、従来のようにフィラメントの電子放出面の中央部を
補強する目的で高融点金属円板を別個に取り付けたり、
あるいはフィラメントの電子放出面の中央部の線の直径
を他の部分より適宜大きくするという煩わしさはなくな
るため、フィラメントの生産性ならびに製造コストの面
で非常に有用なものを得ることができるものである。
【図1】(a)本発明の一実施例における蒸発源の一部
を構成する電子銃のフィラメントの形状を示す平面図 (b)同斜視図
を構成する電子銃のフィラメントの形状を示す平面図 (b)同斜視図
【図2】EB蒸着装置の概略構成図
【図3】従来のEBフィラメントの切断位置を説明する
ための説明用平面図
ための説明用平面図
【図4】本発明の一実施例における蒸発源の一部を構成
する電子銃のフィラメントの他の形状例を示す説明平面
図
する電子銃のフィラメントの他の形状例を示す説明平面
図
【図5】(a)従来の波形状のフィラメントの平面図 (b)同斜視図
【図6】(a)従来の渦巻状のフィラメントの平面図 (b)同斜視図
1 フィラメント 2 アノード 3 偏向磁石 4 EB 5 ルツボ 6 蒸発物質 7 基材 8 陽イオン流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 信義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 田島 巖 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭59−66847(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】 電子放出方向に垂直な平面状に形成され
たフィラメントを有する電子銃からの電子ビームを加速
し、適宜偏向して蒸発物質に当て、この蒸発物質を蒸発
させるようにした蒸発源において、前記フィラメント
を、同一線径のもので前記蒸発物質の蒸発時に発生する
陽イオンの偏向軌道に当たる部分が空白となる形状に構
成した蒸発源。 - 【請求項2】 電子放出方向に垂直な平面状に形成され
たフィラメントを有する電子銃からの電子ビームを加速
し、適宜偏向して蒸発物質に当て、この蒸発物質を蒸発
させるようにした蒸発源において、前記フィラメント
を、前記電子ビームの偏向による円弧の外側に当たる部
分と対応する部分が空白となる形状に構成した蒸発源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311820A JP2689929B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 蒸発源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311820A JP2689929B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 蒸発源 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP585388A Division JP2600242B2 (ja) | 1988-01-14 | 1988-01-14 | アルミ電解コンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07201297A JPH07201297A (ja) | 1995-08-04 |
JP2689929B2 true JP2689929B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=18021802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6311820A Expired - Lifetime JP2689929B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 蒸発源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2689929B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004192903A (ja) * | 2002-12-10 | 2004-07-08 | Prazmatec:Kk | 電子銃 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5966847U (ja) * | 1982-10-28 | 1984-05-04 | 日本電子株式会社 | 電子銃 |
-
1994
- 1994-12-15 JP JP6311820A patent/JP2689929B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07201297A (ja) | 1995-08-04 |
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