JPH05230654A - 合金皮膜のイオンプレーティング方法および装置 - Google Patents
合金皮膜のイオンプレーティング方法および装置Info
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- JPH05230654A JPH05230654A JP4036179A JP3617992A JPH05230654A JP H05230654 A JPH05230654 A JP H05230654A JP 4036179 A JP4036179 A JP 4036179A JP 3617992 A JP3617992 A JP 3617992A JP H05230654 A JPH05230654 A JP H05230654A
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- C23C14/22—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
- C23C14/24—Vacuum evaporation
- C23C14/28—Vacuum evaporation by wave energy or particle radiation
- C23C14/30—Vacuum evaporation by wave energy or particle radiation by electron bombardment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】真空中で走行する広幅帯板に合金皮膜を高速で
安定してイオンプレーティングする方法および装置を提
供する。 【構成】電子ビーム照射装置から照射された電子ビーム
により2以上の坩堝内の材料を同時に蒸発させ、蒸発し
た合金材料の粒子が通過する絞り開口部を通過させ、フ
ード状電極に印加された正電圧を印加して、各坩堝から
蒸発した合金材料の粒子を同時にイオン化させて、帯板
上に合金皮膜を形成する。
安定してイオンプレーティングする方法および装置を提
供する。 【構成】電子ビーム照射装置から照射された電子ビーム
により2以上の坩堝内の材料を同時に蒸発させ、蒸発し
た合金材料の粒子が通過する絞り開口部を通過させ、フ
ード状電極に印加された正電圧を印加して、各坩堝から
蒸発した合金材料の粒子を同時にイオン化させて、帯板
上に合金皮膜を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空中で走行する帯板、
特に広幅帯板に合金皮膜を高速で安定してイオンプレー
ティングする方法および装置に関するものである。
特に広幅帯板に合金皮膜を高速で安定してイオンプレー
ティングする方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】真空中で合金皮膜をめっきする方法として
真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の
技術がある。これらの方法によれば、従来の湿式めっき
では不可能であった合金皮膜はもちろんのこと、任意の
組成の合金めっきが可能である。しかしこの中でスパッ
タリングは成膜速度が遅いため、実生産規模の高速で成
膜するには真空蒸着あるいはイオンプレーティングが適
している。
真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の
技術がある。これらの方法によれば、従来の湿式めっき
では不可能であった合金皮膜はもちろんのこと、任意の
組成の合金めっきが可能である。しかしこの中でスパッ
タリングは成膜速度が遅いため、実生産規模の高速で成
膜するには真空蒸着あるいはイオンプレーティングが適
している。
【0003】一方、真空蒸着で合金皮膜をめっきする方
法としては、一つの坩堝に合金材料を挿入して蒸発させ
る方法と、複数の坩堝に合金を構成する金属元素を入
れ、それらを同時に蒸発させる方法があり、これらはい
ずれも公知の技術である。(例えば、シラー、ハイジッ
シ共著:真空蒸着、p14−15、アグネ)前者の方法
は蒸気圧が近接した材料の場合以外は合金組成の長時間
制御が困難なため、多種の材料を安定して蒸発し合金皮
膜を形成するには後者の方法が有利である。
法としては、一つの坩堝に合金材料を挿入して蒸発させ
る方法と、複数の坩堝に合金を構成する金属元素を入
れ、それらを同時に蒸発させる方法があり、これらはい
ずれも公知の技術である。(例えば、シラー、ハイジッ
シ共著:真空蒸着、p14−15、アグネ)前者の方法
は蒸気圧が近接した材料の場合以外は合金組成の長時間
制御が困難なため、多種の材料を安定して蒸発し合金皮
膜を形成するには後者の方法が有利である。
【0004】ところが、一般に真空蒸着で成膜した合金
膜は堅く脆い膜になるため、加工を施すと皮膜に割れや
剥離が発生してしまう。このため、帯板に合金膜を真空
蒸着でめっきした材料は、加工を伴う用途では性能の劣
化が著しく、実使用に供するのは困難であった。
膜は堅く脆い膜になるため、加工を施すと皮膜に割れや
剥離が発生してしまう。このため、帯板に合金膜を真空
蒸着でめっきした材料は、加工を伴う用途では性能の劣
化が著しく、実使用に供するのは困難であった。
【0005】イオンプレーティングは、蒸着粒子が真空
蒸着に比べ高速で基材に入射するため、密着性だけでな
く加工性にも優れた膜が得られることが確かめられてお
り(材料とプロセス.Vol.2.p.1636-1637(1989))、合金
膜の成膜方法として期待される。しかしながら、これま
で金属膜や化合物膜のイオンプレーティング方法は数多
く提案されているが、合金膜を実生産規模の高速で安定
して広幅帯板にイオンプレーティングする方法は未だ確
立されていない。
蒸着に比べ高速で基材に入射するため、密着性だけでな
く加工性にも優れた膜が得られることが確かめられてお
り(材料とプロセス.Vol.2.p.1636-1637(1989))、合金
膜の成膜方法として期待される。しかしながら、これま
で金属膜や化合物膜のイオンプレーティング方法は数多
く提案されているが、合金膜を実生産規模の高速で安定
して広幅帯板にイオンプレーティングする方法は未だ確
立されていない。
【0006】特公昭57−57553号は、加熱源とし
て電子銃を用い、電極を坩堝近傍に配置して蒸発材をイ
オン化して化合物膜を成膜する方法を提案している。し
かし、複数の坩堝で同時に異種金属を蒸発させ、各蒸発
粒子を同時にイオン化する方法については提示されてお
らず、またこの方法では高速成膜時に放電が不安定にな
るため、小規模なバッチ処理にしか適用できず、広幅の
帯板に高速で安定してイオンプレーティングするのは困
難である。
て電子銃を用い、電極を坩堝近傍に配置して蒸発材をイ
オン化して化合物膜を成膜する方法を提案している。し
かし、複数の坩堝で同時に異種金属を蒸発させ、各蒸発
粒子を同時にイオン化する方法については提示されてお
らず、またこの方法では高速成膜時に放電が不安定にな
るため、小規模なバッチ処理にしか適用できず、広幅の
帯板に高速で安定してイオンプレーティングするのは困
難である。
【0007】特開昭63−45365号は、図2に概略
を示すように、坩堝3全体を上方に開口部8を持つ内部
室6で覆い、開口部8より噴出する蒸気流を、開口部8
上部にある正電極9でイオン化すると共に、内部室内お
よび開口部上部のガス導入口14a、bより反応ガスを
噴出させることにより、化合物膜を成膜する方法を提案
し、高速成膜時の安定化を図っている。しかし、ここで
も複数の坩堝による合金成膜を可能にするイオンプレー
ティング方法については提示されておらず、またこの方
法では、内部室6上方の電極9は坩堝3から距離が遠い
ため、蒸発材料4から発生する熱電子を十分に加速する
ことができず、特に高速成膜時に坩堝近傍の蒸気圧が高
まり、電子の平均自由行程が短くなると急激にイオン化
率が低下してしまい、イオンプレーティングの効果が得
られないという問題があった。
を示すように、坩堝3全体を上方に開口部8を持つ内部
室6で覆い、開口部8より噴出する蒸気流を、開口部8
上部にある正電極9でイオン化すると共に、内部室内お
よび開口部上部のガス導入口14a、bより反応ガスを
噴出させることにより、化合物膜を成膜する方法を提案
し、高速成膜時の安定化を図っている。しかし、ここで
も複数の坩堝による合金成膜を可能にするイオンプレー
ティング方法については提示されておらず、またこの方
法では、内部室6上方の電極9は坩堝3から距離が遠い
ため、蒸発材料4から発生する熱電子を十分に加速する
ことができず、特に高速成膜時に坩堝近傍の蒸気圧が高
まり、電子の平均自由行程が短くなると急激にイオン化
率が低下してしまい、イオンプレーティングの効果が得
られないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決するためになされたもので、帯板、特に
広幅帯板に合金皮膜を高速かつ安定して、しかも高いイ
オン化率でイオンプレーティングし、優れた膜質の合金
膜を得るイオンプレーティング方法および装置を得るこ
とを目的とする。
の問題点を解決するためになされたもので、帯板、特に
広幅帯板に合金皮膜を高速かつ安定して、しかも高いイ
オン化率でイオンプレーティングし、優れた膜質の合金
膜を得るイオンプレーティング方法および装置を得るこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
に沿って鋭意研究をした結果、走行する帯板の進行方向
に沿って2つ以上の坩堝を近接して並べ、それらの坩堝
の中に合金の成分となる材料をそれぞれ挿入し、各坩堝
内の材料を電子ビームにより同時に蒸発させると共に、
坩堝上方に蒸気流を収束させる機能を持ったフード状電
極を置き、これに正電圧を印加することにより、高速成
膜時にも安定して、高いイオン化率で合金膜をイオンプ
レーティングできることを見いだし、本発明を完成した
ものである。
に沿って鋭意研究をした結果、走行する帯板の進行方向
に沿って2つ以上の坩堝を近接して並べ、それらの坩堝
の中に合金の成分となる材料をそれぞれ挿入し、各坩堝
内の材料を電子ビームにより同時に蒸発させると共に、
坩堝上方に蒸気流を収束させる機能を持ったフード状電
極を置き、これに正電圧を印加することにより、高速成
膜時にも安定して、高いイオン化率で合金膜をイオンプ
レーティングできることを見いだし、本発明を完成した
ものである。
【0010】
【作用】すなわち、坩堝上方にフード状電極を置くこと
により、蒸気流の拡散が抑えられ、特に高速成膜時の蒸
発材表面の変化による蒸気の乱れが抑制されるため、合
金組成のばらつきが減少すると共に放電が安定する。さ
らに、高速成膜時に蒸発材表面の蒸気圧が著しく上昇
し、そのため蒸発材表面から発生する熱電子および電子
ビームの反射電子の平均自由行程が短くなっても、フー
ド状電極の一端が坩堝に近接しているため、なお十分に
電子を加速することが可能となり、高いイオン化率を維
持することができる。
により、蒸気流の拡散が抑えられ、特に高速成膜時の蒸
発材表面の変化による蒸気の乱れが抑制されるため、合
金組成のばらつきが減少すると共に放電が安定する。さ
らに、高速成膜時に蒸発材表面の蒸気圧が著しく上昇
し、そのため蒸発材表面から発生する熱電子および電子
ビームの反射電子の平均自由行程が短くなっても、フー
ド状電極の一端が坩堝に近接しているため、なお十分に
電子を加速することが可能となり、高いイオン化率を維
持することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図1に示す実施例を参照して
説明する。図示するイオンプレーティング装置は、真空
雰囲気を保持する真空槽1内に配置されており、その内
部上方を帯板11が真空シール部14を貫通して走行す
るようになっている。帯板としては、低炭素鋼板、ステ
ンレス鋼板、磁性鋼板、Fe−Ni合金薄板、Al薄
板、Ti薄板などの金属帯板などが挙げられるが、適当
な冷却機構を有すれば、高分子フィルムなどにも適用が
可能であり、特に限定するものではない。真空シール部
14は、真空槽1に隣接する真空槽の圧力が、真空槽1
と同程度であれば特に必要としない。
説明する。図示するイオンプレーティング装置は、真空
雰囲気を保持する真空槽1内に配置されており、その内
部上方を帯板11が真空シール部14を貫通して走行す
るようになっている。帯板としては、低炭素鋼板、ステ
ンレス鋼板、磁性鋼板、Fe−Ni合金薄板、Al薄
板、Ti薄板などの金属帯板などが挙げられるが、適当
な冷却機構を有すれば、高分子フィルムなどにも適用が
可能であり、特に限定するものではない。真空シール部
14は、真空槽1に隣接する真空槽の圧力が、真空槽1
と同程度であれば特に必要としない。
【0012】真空槽1内の下部には坩堝3a、3bが帯
板の進行方向に添って並んで配置され、この中に所望す
る合金の成分を有する蒸発材料4a、4bがそれぞれ入
っている。本発明でのイオンプレーティングに好適な合
金として、Ti−Cr、Ti−Ni、Ti−Al、Co
−Cr、Zn−Mgなど、従来の方法では密着性、加工
性に難がある場合に極めて有効である。蒸発材料には、
例えば、Ti、Hf、Ta、W、V、Zr、Ni、C
o、Fe、Cr、Al、Mn、Mg、、Znなどが挙げ
られるが、中でも加熱蒸発時に熱電子の発生量の大きい
高融点金属が適している。ただし、蒸発材料はこれらに
限るものではなく、所望する合金に応じて、例えば金属
以外の化合物(窒化物、酸化物、炭化物など)を用いる
ことも可能である。坩堝3a、3bの幅方向の寸法は帯
板と同等もしくはそれ以上であることが望ましい。
板の進行方向に添って並んで配置され、この中に所望す
る合金の成分を有する蒸発材料4a、4bがそれぞれ入
っている。本発明でのイオンプレーティングに好適な合
金として、Ti−Cr、Ti−Ni、Ti−Al、Co
−Cr、Zn−Mgなど、従来の方法では密着性、加工
性に難がある場合に極めて有効である。蒸発材料には、
例えば、Ti、Hf、Ta、W、V、Zr、Ni、C
o、Fe、Cr、Al、Mn、Mg、、Znなどが挙げ
られるが、中でも加熱蒸発時に熱電子の発生量の大きい
高融点金属が適している。ただし、蒸発材料はこれらに
限るものではなく、所望する合金に応じて、例えば金属
以外の化合物(窒化物、酸化物、炭化物など)を用いる
ことも可能である。坩堝3a、3bの幅方向の寸法は帯
板と同等もしくはそれ以上であることが望ましい。
【0013】真空槽1の片側には電子銃12が装着さ
れ、電子ビーム7はここでは図示されていない偏向磁界
により坩堝方向に曲げられ、蒸発材料4a、4bの表面
に交互に照射するようになっている。電子銃は、1台で
複数の坩堝に電子ビームの照射を行なう場合はピアス式
電子銃が適しているが、2台以上の電子銃を用いる場合
はこれに限るものではない。
れ、電子ビーム7はここでは図示されていない偏向磁界
により坩堝方向に曲げられ、蒸発材料4a、4bの表面
に交互に照射するようになっている。電子銃は、1台で
複数の坩堝に電子ビームの照射を行なう場合はピアス式
電子銃が適しているが、2台以上の電子銃を用いる場合
はこれに限るものではない。
【0014】坩堝3a、3bと帯板11との間にはフー
ド形状をした電極9が配置されている。電極9の材質
は、坩堝からの輻射熱およびイオン化に伴う発熱に十分
に耐えうるために、水冷機構を有する銅であることが望
ましい。この電極9は電子ビーム7が通る側部を一部開
口し、かつ上部に開口部8を有している。ただし、電子
ビーム7が通る側部の開口は必須のものではなく、例え
ば、電子ビーム7が電極9と坩堝3a、3bの間を通っ
て蒸発材料4a、4bに照射される場合は必要としな
い。また上部開口部8の幅方向の寸法は、帯板の幅と同
等もしくはそれ以上である。電極9は直流電源13の正
極側に、坩堝3a、3bは直流電源13の負極側に接続
され、坩堝3a、3bは同時にアースに接続している。
ド形状をした電極9が配置されている。電極9の材質
は、坩堝からの輻射熱およびイオン化に伴う発熱に十分
に耐えうるために、水冷機構を有する銅であることが望
ましい。この電極9は電子ビーム7が通る側部を一部開
口し、かつ上部に開口部8を有している。ただし、電子
ビーム7が通る側部の開口は必須のものではなく、例え
ば、電子ビーム7が電極9と坩堝3a、3bの間を通っ
て蒸発材料4a、4bに照射される場合は必要としな
い。また上部開口部8の幅方向の寸法は、帯板の幅と同
等もしくはそれ以上である。電極9は直流電源13の正
極側に、坩堝3a、3bは直流電源13の負極側に接続
され、坩堝3a、3bは同時にアースに接続している。
【0015】この装置では、真空槽1内に配置された坩
堝3a、3b内の蒸発材料4a、4bに、電子銃12か
ら電子ビーム7を交互に照射して、蒸発材料4a、4b
を同時に蒸発させる。電子ビーム7は、帯板の幅方向の
膜厚分布が均一になり、同時に皮膜が所望の組成になる
ように、予め最適化した走査モードで照射される。蒸発
材料4a、4bから発生した熱電子を、正電圧を印加し
た電極9により加速し、蒸発粒子と衝突することによっ
てこれをイオン化する。この時、電子ビームの偏向磁界
は熱電子をトラップすることにより蒸発粒子との衝突確
率を高め、イオン化を促進する効果を持つ。イオン化し
た材料蒸気はフード状電極9により収束され、気相状態
で混合し、合金蒸気17となって帯板11に付着する。
この時、帯板11に負の電圧を印加しておくことは、イ
オン化した蒸発粒子を帯板11に向けて加速するため、
皮膜の密着性、加工性を向上する効果を持つ。
堝3a、3b内の蒸発材料4a、4bに、電子銃12か
ら電子ビーム7を交互に照射して、蒸発材料4a、4b
を同時に蒸発させる。電子ビーム7は、帯板の幅方向の
膜厚分布が均一になり、同時に皮膜が所望の組成になる
ように、予め最適化した走査モードで照射される。蒸発
材料4a、4bから発生した熱電子を、正電圧を印加し
た電極9により加速し、蒸発粒子と衝突することによっ
てこれをイオン化する。この時、電子ビームの偏向磁界
は熱電子をトラップすることにより蒸発粒子との衝突確
率を高め、イオン化を促進する効果を持つ。イオン化し
た材料蒸気はフード状電極9により収束され、気相状態
で混合し、合金蒸気17となって帯板11に付着する。
この時、帯板11に負の電圧を印加しておくことは、イ
オン化した蒸発粒子を帯板11に向けて加速するため、
皮膜の密着性、加工性を向上する効果を持つ。
【0016】この装置では、坩堝3a、3b上方にフー
ド形状の電極9を設けているので、蒸気流の拡散が防止
され、特に高速蒸発時の蒸発材表面の変化による蒸気の
乱れが抑制されるため、合金組成のばらつきが減少する
と共に放電が安定する。さらに電極9自体がフードの機
能を有するため構造が簡単になり、長時間安定性に寄与
する。またフード状電極の一端が坩堝近傍に位置してい
るため、高速成膜時に蒸発材表面の蒸気圧が上昇し、蒸
発材表面から発生する熱電子および電子ビームの反射電
子の平均自由行程が短くなっても、なお十分に電子を加
速することが可能となり、高いイオン化率を維持するこ
とができる。
ド形状の電極9を設けているので、蒸気流の拡散が防止
され、特に高速蒸発時の蒸発材表面の変化による蒸気の
乱れが抑制されるため、合金組成のばらつきが減少する
と共に放電が安定する。さらに電極9自体がフードの機
能を有するため構造が簡単になり、長時間安定性に寄与
する。またフード状電極の一端が坩堝近傍に位置してい
るため、高速成膜時に蒸発材表面の蒸気圧が上昇し、蒸
発材表面から発生する熱電子および電子ビームの反射電
子の平均自由行程が短くなっても、なお十分に電子を加
速することが可能となり、高いイオン化率を維持するこ
とができる。
【0017】次に、図1に示す装置を用いて合金膜をイ
オンプレーティングした結果を、図2の装置を用いた場
合と比較して述べる。ここで、帯板としてステンレス鋼
板、蒸発材料はTiとCrを用いた。TiとCrに照射
する電子ビームの各々の滞留時間は、予備実験により合
金組成との関係を予め調べて決めた。電極9の電圧は+
50Vとした。イオン化率は成膜高速度とイオンプレー
ティング中に帯板に流れる電流から算出した。また、帯
板には、−100Vの電圧を印加した。
オンプレーティングした結果を、図2の装置を用いた場
合と比較して述べる。ここで、帯板としてステンレス鋼
板、蒸発材料はTiとCrを用いた。TiとCrに照射
する電子ビームの各々の滞留時間は、予備実験により合
金組成との関係を予め調べて決めた。電極9の電圧は+
50Vとした。イオン化率は成膜高速度とイオンプレー
ティング中に帯板に流れる電流から算出した。また、帯
板には、−100Vの電圧を印加した。
【0018】本発明の装置に於て電子銃の出力80kW
でイオンプレーティングしたところ、成膜速度が8μm
/分でイオン化率は35%であった。この時、比較例の
装置では成膜速度は同様であったが、イオン化率は8%
であった。
でイオンプレーティングしたところ、成膜速度が8μm
/分でイオン化率は35%であった。この時、比較例の
装置では成膜速度は同様であったが、イオン化率は8%
であった。
【0019】また、電子銃出力150kWで行なったと
きは、本発明の装置では成膜速度が20μm/分でイオ
ン化率が28%であったのに対し、比較例の装置ではイ
オン化率が3%に低下した。
きは、本発明の装置では成膜速度が20μm/分でイオ
ン化率が28%であったのに対し、比較例の装置ではイ
オン化率が3%に低下した。
【0020】このとき成膜した合金膜の密着性と加工性
の試験結果を、真空蒸着で成膜した膜の結果と合わせて
第1表に示す。第1表により、本発明の装置でイオンプ
レーティングした合金膜は、高速で成膜してもイオン化
率が高いため、比較例に比べ密着性が優れているたけで
なく、特に優れた加工性が得られることがわかる。な
お、上記実施例では2個の坩堝を近接して配置している
が、3個以上近接して配置したものでも良い。
の試験結果を、真空蒸着で成膜した膜の結果と合わせて
第1表に示す。第1表により、本発明の装置でイオンプ
レーティングした合金膜は、高速で成膜してもイオン化
率が高いため、比較例に比べ密着性が優れているたけで
なく、特に優れた加工性が得られることがわかる。な
お、上記実施例では2個の坩堝を近接して配置している
が、3個以上近接して配置したものでも良い。
【0021】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、電極にフードの機能をもたせているので、特に広幅
帯板に合金皮膜を高速かつ安定して、しかも高いイオン
化率でイオンプレーティングすることが可能になり、そ
の結果優れた膜質の合金膜が得られる効果がある。
ば、電極にフードの機能をもたせているので、特に広幅
帯板に合金皮膜を高速かつ安定して、しかも高いイオン
化率でイオンプレーティングすることが可能になり、そ
の結果優れた膜質の合金膜が得られる効果がある。
【0022】
【表1】
【図1】図1は本発明に係るイオンプレーティング装置
の概略図。
の概略図。
【図2】図2は従来のイオンプレーティング装置の概略
図。
図。
1…真空槽、2…排気系、3a…坩堝、3b…坩堝、4
a…蒸発材料、4b…蒸発材料、7…電子ビーム、8…
開口部、9…電極、11…帯板、12…電子銃、13…
直流電源、14真空シール、17…合金蒸気、
a…蒸発材料、4b…蒸発材料、7…電子ビーム、8…
開口部、9…電極、11…帯板、12…電子銃、13…
直流電源、14真空シール、17…合金蒸気、
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【手続補正書】
【提出日】平成4年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
Claims (4)
- 【請求項1】 真空中で走行する帯板に合金皮膜をイオ
ンプレーティングする装置において、 帯板の走行方向に沿って近接して配置され、その中に前
記合金皮膜を構成する成分の少なくとも1つを有する材
料がそれぞれ挿入されている少なくとも2つの坩堝と、 各坩堝内の材料に電子ビームを照射して、これら材料を
同時に蒸発させる電子ビーム照射装置と、 坩堝と帯板との間に設置され、帯板に面した上方に蒸発
粒子が通過する絞り開口部を有するフード状電極と、 このフード状電極に正電圧を印加する印加装置とを具備
して、 各坩堝から発生する蒸発粒子を同時にイオン化させて、
帯板にイオンプレーティングすることを特徴とする合金
皮膜のイオンプレーティング装置。 - 【請求項2】 真空中で走行する帯板に合金皮膜をイオ
ンプレーティングする方法において、 請求項1に記載のイオンプレーティング装置を準備する
工程と、 電子ビーム照射装置から照射された電子ビームによりこ
の装置の各坩堝内の材料を同時に蒸発させる工程と、 蒸発した合金材料の粒子が通過する絞り開口部を通過す
る工程と、 フード状電極に正電圧を印加して、各坩堝から蒸発した
合金材料の粒子を同時にイオン化させる工程とを具備し
た合金皮膜のイオンプレーティング方法。 - 【請求項3】 電子ビームを坩堝に向けて偏向させる磁
界発生機構を有する請求項1に記載の装置。 - 【請求項4】 帯板に−50Vから−1000Vの電圧
を印加する請求項2に記載の方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4036179A JPH05230654A (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 合金皮膜のイオンプレーティング方法および装置 |
US07/885,512 US5227203A (en) | 1992-02-24 | 1992-05-19 | Ion-plating method and apparatus therefor |
KR1019920008859A KR950000010B1 (ko) | 1992-02-24 | 1992-05-25 | 이온도금법 및 그 방법을 위한 장치 |
DE4217450A DE4217450C3 (de) | 1992-02-24 | 1992-05-26 | Ionenbedampfungsverfahren und Vorrichtung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4036179A JPH05230654A (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 合金皮膜のイオンプレーティング方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230654A true JPH05230654A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12462514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4036179A Pending JPH05230654A (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 合金皮膜のイオンプレーティング方法および装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05230654A (ja) |
KR (1) | KR950000010B1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015501372A (ja) * | 2011-09-29 | 2015-01-15 | ナイトライド ソリューションズ インコーポレイテッド | 無機材料、それを作製する方法及び装置、並びにその使用 |
RU2727412C1 (ru) * | 2019-07-04 | 2020-07-21 | Юрий Феодосович Ясенчук | Способ получения антикоррозионного покрытия на изделиях из монолитного никелида титана |
-
1992
- 1992-02-24 JP JP4036179A patent/JPH05230654A/ja active Pending
- 1992-05-25 KR KR1019920008859A patent/KR950000010B1/ko not_active IP Right Cessation
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015501372A (ja) * | 2011-09-29 | 2015-01-15 | ナイトライド ソリューションズ インコーポレイテッド | 無機材料、それを作製する方法及び装置、並びにその使用 |
RU2727412C1 (ru) * | 2019-07-04 | 2020-07-21 | Юрий Феодосович Ясенчук | Способ получения антикоррозионного покрытия на изделиях из монолитного никелида титана |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR930018051A (ko) | 1993-09-21 |
KR950000010B1 (ko) | 1995-01-07 |
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