JP3100126B2 - トンネル掘削機の簡易エレクタ装置 - Google Patents

トンネル掘削機の簡易エレクタ装置

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JP3100126B2
JP3100126B2 JP09227349A JP22734997A JP3100126B2 JP 3100126 B2 JP3100126 B2 JP 3100126B2 JP 09227349 A JP09227349 A JP 09227349A JP 22734997 A JP22734997 A JP 22734997A JP 3100126 B2 JP3100126 B2 JP 3100126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、トンネル掘削機
の簡易エレクタ装置に関し、特にトンネル内面に円弧状
に湾曲した支保部材をリング状に組付ける為の簡易エレ
クタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、比較的硬質の岩盤等にトンネル
を掘削するトンネル掘削機としては、オープン型トンネ
ル掘削機と、シールド型トンネル掘削機とが適用され
る。特開平8−312289号公報にも記載のように、
オープン型トンネル掘削機は、カッターヘッド、掘削機
本体、カッターヘッドを駆動する機構、掘削機本体から
後方へ延びるメインフレーム(メインビーム)、このメ
インフレームの後部に装備されたグリッパー装置、グリ
ッパー装置と掘削機本体とを連結し掘進の推進力を発生
させる複数のスラストジャッキ、トンネル内面にセグメ
ントを覆工するエレクタ装置と同様のエレクタ装置等を
備えている。このエレクタ装置は、本体フレームと、本
体フレームに旋回可能に装備されたエレクタ本体と、エ
レクタ本体を旋回駆動する旋回機構とを有する。
【0003】硬質の岩盤にオープン型トンネル掘削機に
より掘削する場合は、トンネル内面をセグメントで覆工
する必要はなく、トンネルの長さ方向適当間隔おきにH
型鋼等の支保部材をリング状に組付け、トンネル内面に
モルタル等を吹付けて崩落や肌落ち等が生じないように
する。この場合、エレクタ装置により、トンネルの底部
側から順に、円弧状に湾曲した支保部材をエレクタ本体
で1本ずつ把持してトンネル内面に移動させて組付け、
その後エレクタ本体を周方向へ旋回移動させてから次の
支保部材を組付け、その支保部材を組付け済みの支保部
材にボルト結合するのを繰り返して、支保部材を全周に
亙ってリング状に組付ける。但し、この場合、支保部材
を地山にアンカーボルト等で固定する訳ではなく、支保
部材をほぼリング状に組付けた状態で周方向に拡張する
ことでトンネル内面に組付けることになる。
【0004】シールド型トンネル掘削機は、カッターヘ
ッド、前胴と中胴と後胴とを含む掘削機本体、カッター
ヘッドを駆動する機構、掘削機本体の後部に装備された
グリッパー装置、グリッパー装置から前胴へ掘進の推進
力を発生させる複数のスラストジャッキ、トンネル内面
にセグメントを覆工するエレクタ装置を備えている。こ
のエレクタ装置は、前記同様に、本体フレームと、本体
フレームに旋回可能に装備されたエレクタ本体と、エレ
クタ本体を旋回駆動する旋回機構とを有する。このシー
ルド型トンネル掘削機により比較的崩落し易い地盤を掘
削する場合は、トンネル内面をセグメントで覆工しなが
ら掘削するが、硬質の岩盤を掘削する場合は、トンネル
内面をセグメントで覆工する必要はなく、オープン型ト
ンネル掘削機と同様に、エレクタ装置を介して、トンネ
ルの長さ方向適当間隔おきにH型鋼等の支保部材をリン
グ状に組付け、トンネル内面にモルタル等を吹付けて崩
落や肌落ち等が生じないようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、エレク
タ装置を介してトンネル内面に支保部材を組付ける際
に、エレクタ本体により支保部材を所定位置にセットで
きるものの、そのセットされた支保部材は、セット済み
の支保部材の端部にボルト連結を介して支持するため、
エレクタ本体による支持が無くなると、支保部材が倒れ
たり、落下したりする虞がある。そこで、数人の人手に
より各支保部材を支えながら支保部材を全周にセット
し、最後にリング状にセットした支保部材を周方向に拡
張してトンネル内面に押しつけることで支保部材を安定
的に固定する。それ故、大重量の各支保部材を人手を介
して支えながら組付けるため、作業能率が低く、作業を
安全に進めることが難しい。
【0006】エレクタ装置は、エレクタ本体をエレクタ
フレームを介して旋回させることでセグメントや支保部
材を1本ずつ組付け対象位置にセットできるだけであ
り、セグメントで覆工する場合には、覆工済みのセグメ
ントに組付け中のセグメントを固定することができる
が、支保部材はトンネル長さ方向に所定間隔おきに設け
られる関係上、覆工済みのリング状の支保部材に組付け
中の支保部材を固定することは不可能であり、エレクタ
装置はリング状にセットした支保部材を支持し得るよう
にはなっていない。
【0007】本発明の目的は、支保部材をトンネル内面
にリング状に組付ける際に能率的に安全に組付けること
のできる安価な簡易エレクタ装置を提供することであ
る。
【0008】請求項1のトンネル掘削機の簡易エレクタ
装置は、トンネル掘削機に装備され、トンネル内面に円
弧状に湾曲した支保部材をリング状に組付ける為の簡易
エレクタ装置であって、トンネルの内周面の少なくとも
上半部の内側付近に沿って配設され、外周側に支保部材
を案内するガイド溝を有するガイド部材と、前記ガイド
部材のガイド溝に沿ってワイヤを繰り出し可能であり、
その繰り出したワイヤを支保部材に連結した状態で巻取
ることにより支保部材をガイド部材のガイド溝に沿って
移動させるウインチ装置とを備えたものである。
【0009】前記ガイド部材は、トンネルの内周面の少
なくとも上半部の内側付近に沿って配設されるが、トン
ネル内周面の下半部側に延長されていてもよく、全周に
わたるように配設されていてもよい。ガイド部材の外周
側に形成したガイド溝に沿って支保部材を案内すること
ができる。ウインチ装置は、ガイド部材のガイド溝に沿
ってワイヤを繰り出し可能で、その繰り出したワイヤを
支保部材に連結した状態で巻取ることにより支保部材を
ガイド部材のガイド溝に沿って移動させる。
【0010】ここで、例えば、複数の円弧状の支保部材
の端部同士をピン連結し、先頭の支保部材をウインチ装
置のワイヤで巻取ってガイド溝に沿って引っ張っていく
と、後続の支保部材もガイド溝に沿って引っ張られてい
き、トンネルの内周面の内側付近にほぼリング状にセッ
トされてガイド部材で支持される。その後、何らかの手
段により、複数の支保部材をトンネルの内周面へ押圧し
て組付ければよい。前記ガイド部材がトンネルの内周面
の少なくとも上半部にあれば、複数の円弧状の支保部材
を連結したものを引っ張って移動させ、トンネルの内周
面の内側付近に位置させた状態に支持することができる
ので、支保部材を人手で支えたりする必要がなく、ウ
チ装置により能率的に複数の支保部材を移動させて組
付けることができる。
【0011】請求項2のトンネル掘削機の簡易エレクタ
装置は、請求項1の発明において、前記ウインチ装置
は、複数のピン連結された支保部材をガイド部材のガイ
ド溝に沿って移動させることを特徴とするものである。
ガイド部材の端部同士をピン連結しておき、先頭の支保
部材をウインチ装置で引っ張っていくことにより、先頭
の支保部材から後続の支保部材までの複数の支保部材を
ガイド部材のガイド溝に沿って移動させることができ
る。そして、一部の支保部材をガイド部材で支持し、そ
の他の支保部材をガイド部材で支持された支保部材の両
側に垂れ下げた状態に支持することができる。
【0012】請求項3のトンネル掘削機の簡易エレクタ
装置は、請求項1又は2の発明において、前記トンネル
掘削機はトンネルの内面にセグメントを組付ける為のエ
レクタ装置を有し、前記ガイド部材はエレクタ装置に対
してトンネル掘進方向と反対側の近くに配設され、前記
エレクタ装置は支保部材の組付けに利用されることを特
徴とするものである。ガイド部材を、エレクタ装置に対
してトンネル掘進方向と反対側の近くに配設するため、
エレクタ装置と干渉することなくガイド部材を配置する
ことができ、エレクタ装置を支保部材の組付けに有効活
用することができる。
【0013】請求項4のトンネル掘削機の簡易エレクタ
装置は、請求項3の発明において、前記ガイド部材とウ
インチ装置は、トンネル掘削機の掘削機本体からトンネ
ル掘進方向と反対方向へ延びるメインフレームに取外し
可能に設けられたことを特徴とするものである。例え
ば、ガイド部材をエレクタ装置の本体フレームにボルト
結合しておき、ウインチ装置もガイド部材やその他の部
材にボルト結合しておけば、ガイド部材とウインチ装置
を簡単に取り外すことができる。それ故、トンネル内面
をセグメントで覆工する場合など、ガイド部材とウイン
チ装置を使用する必要がなく、それらがエレクタ装置に
とって邪魔になるときには、それらを取り外すことがで
きる。
【0014】請求項5のトンネル掘削機の簡易エレクタ
装置は、請求項1又は2の発明において、前記ガイド部
材の複数個所に、支保部材をトンネル内面へ押圧する押
圧手段を夫々設けたことを特徴とするものである。前記
押圧手段は、例えば、ガイド部材の一部を分割してなる
ガイド部材分割体と、このガイド部材分割体をトンネル
径方向へ進退駆動する油圧シリンダ等で構成することが
できる。ガイド部材に沿って複数の支保部材をほぼリン
グ状にセットした状態で、複数の押圧手段によりそれら
支保部材をトンネル内面へ押圧して組付けることができ
る。但し、複数の押圧手段を同時に作動させてもよく、
上側の押圧手段から下側の押圧手段に亙って順々に作動
させてもよい。
【0015】請求項6のトンネル掘削機の簡易エレクタ
装置は、請求項2の発明において、前記複数のピン連結
された支保部材であってトンネルの内面近くにセットさ
れた複数の支保部材の一端部と他端部とを周方向に離隔
するように駆動する拡張装置を設けたことを特徴とする
ものである。前記拡張装置により、複数のピン連結され
た支保部材であってトンネルの内面近くにセットされた
複数の支保部材の一端部と他端部とを周方向に離隔する
ように駆動すると、複数の支保部材がトンネル内面側へ
拡張して押圧されるので複数の支保部材をトンネル内面
にリング状に簡単に能率的に組付けることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るオー
プン型トンネル掘削機は、比較的硬い硬岩を掘削してト
ンネルを掘る機械であり、本実施形態のオープン型トン
ネル掘削機の簡易エレクタ装置は、このトンネルの内面
にH型鋼製の円弧状の複数の支保部材をリング状に組付
ける為のものである。尚、掘削機の掘進方向を前方と
し、その前方に向かって左右を左右として、以下説明す
る。また、簡易エレクタ装置以外の構成は、通常のオー
プン型トンネル掘削機のものと同様であるので簡単に説
明する。
【0017】図1に示すように、このオープン型トンネ
ル掘削機1は、掘削機本体2と、掘削機本体2の前端側
に回動自在に設けられたカッターヘッド3と、カッター
ヘッド3を回転駆動する為のカッター駆動装置4と、掘
削機本体2から後方に延びるメインフレーム5と、メイ
ンフレーム5の後部に装備されたグリッパー装置6と、
グリッパー装置6からメインフレーム5に対して掘進の
推力を発生させる左右2対のスラストジャッキ7と、メ
インフレーム5の後端部に設けられたリヤサポート8
と、メインフレーム5に設けられたエレクタ装置9と、
このエレクタ装置9の後側付近に配設された本願特有の
簡易エレクタ装置10と、切羽やトンネル坑壁にボーリ
ングを行う為のボーリング装置11等を有する。
【0018】掘削機本体2について説明すると、図1に
示すように、カッターヘッド3は、前端面に岩盤掘削用
の多数のローラカッター16と、リング状のヘッドフレ
ーム17と、リング状の被支持部18と、リングギヤ1
9等を有する。掘削機本体2は、円筒状のスキンプレー
ト20と、スキンプレート20の内部の前部に固着され
た隔壁21と、隔壁21の前方に形成されたチャンバ2
2と、カッターヘッド3のリング状の被支持部18をベ
アリングメタルを介して支持するリング状の支持部23
と、その他の補強フレーム等を備えている。
【0019】カッター駆動装置4は、隔壁21の外周部
に前後方向向きに固着された油圧又は電動モータからな
る複数のカッター駆動モータ4aを備え、これらカッタ
ー駆動モータ4aの出力軸のピニオン4bが被支持部1
8に固着されたリングギヤ19に噛合され、複数のカッ
ター駆動モータ4aによりリングギヤ19を介してカッ
ターヘッド3を正逆回転駆動するように構成してある。
また、複数のフロントグリッパー及び複数のシールドジ
ャッキ(図示略)も設けられている。
【0020】図1に示すように、中空状のメインフレー
ム5は、その前端が隔壁21に固着されて隔壁21から
掘削機本体2の中心部を通って後方に延びており、メイ
ンフレーム5の前部は後方に向かって段階的に細くな
り、メインフレーム5の後部は大きさ一定の矩形断面で
ある。メインフレーム5の内部には、カッターヘッド3
で掘削した岩石を後方へ運び出すためのベルトコンベヤ
12が設けられ、ベルトコンベヤ12はチャンバ22か
ら延び、メインフレーム5内を通って延び、ベルトコン
ベヤ12から受け取った岩石を後方へ搬送するベルトコ
ンベヤも設けられている。
【0021】次に、掘削時に推進力を発生させるととも
に非掘削時にグリッパー装置6を移動させるスラストジ
ャッキ7について説明する。左側のグリッパーシュー2
4をメインフレーム5の前部の左側部に連結する上下1
対のスラストジャッキ7が設けられ、各スラストジャッ
キ7のシリンダ本体はメインフレーム5のブラケットに
ピン結合され、ピストンロッドはグリッパーシュー24
のブラケットにピン結合されている。右側のグリッパー
シュー24をメインフレーム5の前部の右側部に連結す
る上下1対のスラストジャッキ7が設けられ、各スラス
トジャッキ7のシリンダ本体はメインフレーム5のブラ
ケットにピン結合され、ピストンロッドはグリッパーシ
ュー24のブラケットにピン結合されている。
【0022】前記グリッパー装置6について説明する。
図1に示すように、グリッパー装置6は、メインフレー
ム5の後部に前後に摺動可能に支持され、グリッパー装
置6は、メインフレーム5に外嵌された角筒状のグリッ
パーキャリア25と、トンネルTの坑壁をグリップする
ための左右1対のグリッパーシュー24と、グリッパー
キャリア25に装備され左右1対のグリッパーシュー2
4を左右の坑壁に対して進退駆動する複数のグリッパー
ジャッキ(図示略)とを備えている。
【0023】前記エレクタ装置9は、メインフレーム5
に周方向に旋回可能に固定された環状のエレクタフレー
ム26と、このエレクタフレーム26に付設されたエレ
クタ本体27とを有し、エレクタフレーム26の外周部
にはチェーン式のラックが形成され、油圧モータの回転
駆動力によりラック・ピニオン機構を介して周方向へ旋
回する。エレクタ本体27は、セグメントを把持してト
ンネルTの内面へ移動させて組付ける機能を有し、エレ
クタ装置9は通常のトンネル掘削機やシールド掘進機の
ものと同様のものである。
【0024】次に、本願特有の簡易エレクタ装置10に
ついて説明する。図2、図3に示すように、簡易エレク
タ装置10は、円弧状に湾曲させたH型鋼である支保部
材を複数本トンネルTの内面(坑壁)にリング状に組付
ける為の装置である。この簡易エレクタ装置10は、ト
ンネルTの内周面付近に円弧状に配置されたガイド部材
30と、このガイド部材30をメインフレーム5に固定
する複数の支持フレーム31〜38と、ウインチ装置3
9と、後述の拡張装置40等で構成されている。ガイド
部材30の外周部には角溝形のガイド溝30aが形成さ
れ、ガイド部材30は溝を外周側に向けた溝型鋼からな
り、ガイド部材30はトンネルTの上半部と右側下部上
側部分とに亙って約240度の円弧状をなし、頂部には
エレクタ本体27が上下動する為の分断部30bが設け
られている。エレクタ本体27にはガイド部材30と同
断面形状の短いガイド部27aが取付けられている。
【0025】前記支持フレームとしては、中段部左側の
2本の支持フレーム31,32と、上部の2本の支持フ
レーム33,34と、中段部右側の2本の支持フレーム
35,36と、ガイド部材30の終端部をメインフレー
ム5に連結する支持フレーム37,38とが設けられ、
ガイドフレーム30の始端部は支持フレーム31と一体
形成されている。これら支持フレーム31〜36,38
はメインフレーム5にボルト結合にて固定されている。
【0026】ウインチ装置39は、支持フレーム37に
固定的に装備され、ウインチ装置39から繰り出された
ワイヤ39aは、支持フレーム37に付設されたシーブ
39bを経由してガイド溝30a内へ導入されガイド溝
30aを通ってガイド部材30の始端側へ延ばされ、こ
のワイヤ39aにより円弧状の支保部材41aがガイド
部材30に沿って引張り上げられる。先頭の1番目の支
保部材41aの先端にはワイヤ39aの先端のフックを
掛ける為のU形金具42が固着されている。
【0027】トンネルを所定長さ掘削する毎に、簡易エ
レクタ装置10により、複数の支保部材41a〜41e
をトンネル内面にリング状に組付ける手順について、図
3〜図7を参照して説明する。最初に、図3に示すよう
に、1番目の支保部材41aの先端のU形金具42にワ
イヤ39aの先端のフックを掛け、ウインチ装置39で
ワイヤ39aを巻取りつつ支保部材41aをガイド溝3
0aで案内しながらガイド部材30に沿って引張り上
げ、支保部材41aの終端が図3の点A付近に位置する
まで巻取った時点でウインチ装置39を停止し、2番目
の支保部材41bの先端を支保部材41aの終端にピン
結合する。尚、そのピン結合の為に支保部材41aの終
端部内面と支保部材41bの先端部内面には小さなブラ
ケットが予め固着されている。以下に説明するピン結合
部についても同様である。
【0028】次に、そのピン結合後に、ウインチ装置3
9によりワイヤ39aを更に巻取っていき、支保部材4
1bの終端が図3の点A付近に位置するまで巻取った時
点でウインチ装置39を停止し、3番目の支保部材41
cの先端を支保部材41bの終端にピン結合する。次
に、再度ウインチ装置39によりワイヤ39aを巻取っ
ていくと、1番目の支保部材41aの先端が図3のB点
付近に達し、ウインチ装置39で巻取り不能になった時
点でウインチ装置39を停止させ、ワイヤ39aのフッ
クを例えば支保部材41aの終端部付近に予め固着して
あるU形金具に掛け直してから、ウインチ装置39によ
りワイヤ39aを更に巻取って、図4に示すように、2
番目の支保部材41bがガイド部材30の頂部側に位置
し、支保部材41bの両端から1番目,3番目の支保部
材41a,41cがガイド溝30aに沿って垂れ下がる
状態になったときに、ウインチ装置39を停止させる。
この状態では、トンネルの底部側に支保部材41d,4
1eが組付けられていない。
【0029】次に、図5に示すように、エレクタ装置9
のエレクタ本体27で2番目の支保部材41bの中央部
を上方へ坑壁まで持ち上げ、図6に示すように、トンネ
ルTの底部側に4番目の支保部材41dを搬入し、その
支保部材41dの終端を支保部材41aの先端に当接さ
せ、拡張装置40により3番目の支保部材41cの終端
と、4番目の支保部材41dの先端とを周方向に離隔す
るように駆動して支保部材41a〜41dをトンネルT
の内周面(坑壁)へ拡張させる。
【0030】次に、図7に示すように、前記の拡張の結
果3番目の支保部材41cと4番目の支保部材41dと
の間に生じた隙間に5番目の短い支保部材41eを組み
込んで5本の支保部材41a〜41eを坑壁に密着する
リング状に組付ける。この状態で、支保部材41a〜4
1eの端面同士は面接触的に当接することになる。前記
拡張装置40は、油圧シリンダを主体として構成され、
そのシリンダ本体を4番目の支保部材41dの内面のブ
ラケットにピン連結し、ピストンロッドを3番目の支保
部材41cの内面のブラケットにピン連結した状態で、
ピストンロッドを伸長させることで拡張を行う。尚、リ
ング状に組付けられた支保部材41a〜41eは既設の
リング状の支保部材に周方向適当間隔おきの複数のタイ
ロッドにて連結され、トンネルの内面にはモルタルが吹
付けられる。
【0031】尚、図4、図5からも判るように、ガイド
部材30のうちの支持フレーム36よりも下側の部分は
殆ど機能していないことから、ガイド部材30は少なく
ともトンネルTの上半部の内面側に設ければよい。ま
た、ガイド部材30をトンネルTの内面付近に設ければ
よいが、複数の支保部材41a〜41eをトンネルTの
坑壁に密着後に、トンネル掘削機1と一体的に簡易エレ
クタ装置10も前進させる必要があるので、ガイド部材
30はトンネルTの内面との間に支保部材部材41a〜
41eの径方向幅以上の隙間を空けた状態に装備するこ
とが必要である。また、前記ウインチ装置39を配置す
る位置は一例に過ぎず、図3の点C付近にウインチ装置
39を配置すれば、ワイヤ39aの先端のフックを支保
部材41aの先端のU形金具42に掛けたまま、最後ま
で引っ張ることができる。
【0032】以上の簡易エレクタ装置10によれば、簡
単な構造のガイド部材30を介して複数の支保部材41
a〜41cを案内し、ウインチ装置39により複数のピ
ン結合した支保部材41a〜41cをガイド部材30の
ガイド溝30aに沿って能率的に引張り上げ、図4のよ
うな状態に支持することができる。その後、その後エレ
クタ装置9を有効活用して支保部材41a〜41cを持
ち上げ、簡単な拡張装置40により複数の支保部材41
a〜41eをトンネルTの内面にリング状に拡張して組
付けることができる。
【0033】それ故、人手により支保部材を支える等の
必要もなく、安全に能率的に支保部材41a〜41eを
組付けることができる。尚、前記簡易エレクタ装置10
を使用する必要がなく邪魔になる場合には、複数の支持
フレーム31〜38をメインフレーム5に固定するボル
ト結合を解除することで、簡易エレクタ装置10の全体
を簡単に取り外すこともできる。
【0034】次に、前記の簡易エレクタ装置10を部分
的に変更した変更形態の簡易エレクタ装置10Aについ
て、図8〜図12に基づいて説明する。但し、前記簡易
エレクタ装置10のものと同様の構成要素に同一符号を
付して説明を省略する。図8、図9に示すように、3本
の支保部材41a〜41cをトンネルTの内面へ押圧す
る為に、ガイド部材30の内側に、周方向に約45度お
きに6組の押圧機構45が設けられている。各押圧機構
45は、ガイド部材30を分割した短い分割ガイド部材
46を、油圧シリンダ47によりトンネルTの半径方向
へ進退駆動できるように構成したものであり、油圧シリ
ンダ47は取付け部材48,49を介して支持フレーム
31〜36,38に固定され、分割ガイド部材46の部
位においてガイド部材30の前後両面には円弧状の連結
板50が固着され、ガイド部材30の連続性が確保され
ている。
【0035】油圧シリンダ47のピストンロッド47a
を退入させると、分割ガイド部材46は図8に示すよう
にガイド部材30と連続するガイド位置になって連結板
50間に係合し、ガイド溝30aが滑らかに連なる。ピ
ストンロッド47aを伸長させると、分割ガイド部材4
6がトンネルTの内面近傍まで進出した押圧位置にな
り、支保部材41a〜41cをトンネルTの内面へ押圧
することができる。
【0036】前記分割ガイド部材46を押圧位置からガ
イド位置に復帰させやすくするために、分割ガイド部材
46の周方向両端部は、図示のように傾斜状に形成さ
れ、分割ガイド部材46の内周側辺が外周側辺よりも短
く形成されている。但し、連結板50にも案内用の傾斜
部を形成することが望ましい。尚、この実施形態の場
合、エレクタ装置9のエレクタ本体27を使用する必要
がないので、エレクタ本体27は例えば図9に示す位置
に退避している。但し、最も上側の押圧機構45を省略
し、その代わりにエレクタ本体27を適用することがで
きる。また、図9の点Dの付近にも押圧機構45を設け
てもよいが、作業者の通路の為の空間を確保する為に省
略してある。
【0037】この簡易エレクタ装置10Aにより、複数
の支保部材41a〜41eをトンネルTの内面にリング
状に組付ける場合、ウインチ装置39を用いて前記簡易
エレクタ装置10と同様にして、図9、図10に示すよ
うに1番目〜3番目の支保部材41a〜41cを引張り
上げる。次に図11に示すように、上側の3組の押圧機
構45の各油圧シリンダ47のピストンロッド47aを
伸長させて、2番目の支保部材41bをトンネルTの内
面に押圧して組付ける。
【0038】次に図12に示すように、左側の1組の押
圧機構45と右側の2組の押圧機構45の各油圧シリン
ダ47のピストンロッド47aを伸長させて3番目の支
保部材41cと1番目の支保部材41aをトンネルTの
内面に押圧して組付け、その後、前記実施形態と同様
に、4番目の支保部材41dと5番目の支保部材41e
を拡張装置40を介して又は拡張装置40を用いずに組
付ける。その後、全部の押圧機構45の油圧シリンダ4
7のピストンロッド47aを退入させる。
【0039】この変更形態の簡易エレクタ装置10Aに
よれば、6組の押圧機構45により1番目〜3番目の支
保部材41a〜41cをトンネルTの内面に簡単に能率
的に押圧して組付けることができる。しかも、各押圧機
構45は油圧シリンダ47と分割ガイド部材46とを主
体とする簡単な構成であるので、設備費の面で有利であ
る。その他、前記実施形態の簡易エレクタ装置10と同
様の効果を奏する。
【0040】本発明の第2実施形態について図面を参照
して説明する。このトンネル掘削機の簡易エレクタ装置
は、比較的硬い硬岩を掘削するシールド型トンネル掘削
機に設けられたものである。尚、トンネル掘削機の掘進
方向を前方とし、その前方に向かって左右を左右として
以下説明する。
【0041】図13に示すように、シールド型トンネル
掘削機50は、掘削機本体51、掘削機本体51の前端
側に回転自在に装備されたカッターヘッド52、カッタ
ーヘッド52を回転駆動する為のカッター駆動装置5
3、フロントグリッパー54およびメイングリッパー5
5、前胴69と後胴73を連結するとともに掘進の推進
力を発生させる複数のスラストジャッキ56、複数のシ
ールドジャッキ57、ベルトコンベア58とコンベアケ
ース59、エレクタ装置60、本願特有の簡易エレクタ
装置61、等を備えている。尚、前記簡易エレクタ装置
61以外の構成は通常のシールド型トンネル掘削機のも
のと同様であるので簡単に説明する。
【0042】図13に示すように、カッターヘッド52
は、多数のローラカッター65と、環状のヘッドフレー
ム66と、環状の被支持部67と、被支持部67に固着
されたリングギヤ68等を有する。掘削機本体51に関
して、掘削機本体51は、円筒状の前胴69と、この前
胴69の後端側の円筒状の中胴70と、前胴69に固着
の環状ウェブ材71から後方へ延び且つ中胴70の内側
に配設された内側中胴72と、中胴70と後胴73とを
連結する中折れ部74と、円筒状の後胴73と、後胴7
3の後端から後方へ延びるテールプレート75とを含
む。
【0043】図13に示すように、前胴69の内部の前
部には隔壁76及び外周隔壁77が設けられ、前胴69
には外周隔壁77の後方に環状ウェブ材71が設けら
れ、隔壁76の前側にはチャンバ78が形成され、隔壁
76にはカッターヘッド52の被支持部67をベアリン
グメタルを介して支持する環状の支持部79が設けら
れ、その他の補強フレーム等も設けられている。内側中
胴72は複数の補強材で補強され、中胴70は複数の補
強材で補強され、後胴73の内側には、環状ウェブ材8
0,81が設けられている。
【0044】図13に示すように、カッター駆動装置5
3は、隔壁76の外周部に前後方向向きに固着された油
圧または電動モータからなる複数のカッター駆動モータ
を備え、これらカッター駆動モータの出力軸のピニオン
53aがリングギヤ68に噛合され、複数のカッター駆
動モータによりリングギヤ68を介してカッターヘッド
52が正逆回転駆動される。複数のスラストジャッキ5
6は、前胴69の環状ウェブ材71と後胴73の環状ウ
ェブ材80とを連結するように設けられており、トンネ
ルTの内面をセグメントで覆工しないオープン方式にて
掘削する際に、掘進の推進力を発生させるとともに、ト
ンネルTを左方または右方へ湾曲させる際には左右のス
ラストジャッキ56のストローク差を介して湾曲させ
る。
【0045】図13に示すように、複数のシールドジャ
ッキ57は、トンネルTの内面をセグメントで覆工しな
がらシールド方式で掘削する際に覆工済みのセグメント
の前端で反力をとって掘進の推進力を発生させるもの
で、後胴73の内面付近に後方向きに配設され、各シー
ルドジャッキ57のジャッキ本体は環状ウェブ材81に
固定され、ピストンロッドの先端に偏心金具が連結さ
れ、その偏心金具の球面座にはスプレッダーがピン連結
され、スプレッダーでセグメントの前端を押圧すること
で掘進の反力を発生させる。尚、符号82は前胴69と
後胴73とが相対回動しないように連結するキー機構で
あり、符号83はトルクジャッキである。
【0046】図13に示すように、フロントグリッパー
54は、スラストジャッキ56を収縮させる際に坑壁を
グリップするためのもので、外周隔壁77と環状ウェブ
材80の間に配設されている。前記メイングリッパー5
5は、トンネル掘削時に坑壁をグリップするためのもの
で、後胴73の環状ウェブ材80,81の間に対抗する
位置に配設され、メイングリッパー55は、左右1対の
グリッパーシューと、これらグリッパーシューを左右の
坑壁に対して進退させる複数のグリッパージャッキとを
備えている。前記ベルトコンベア58は、掘削した岩石
を後方へ搬送する為のもので、ベルトコンベア58は矩
形断面状のコンベアケース59内に沿って配設され、チ
ャンバ78から後方上り状に傾斜して延び、複数組のベ
ルトコンベアはトンネル掘削機50の後方まで延設され
ている。
【0047】次に、エレクタ装置60について説明する
と、エレクタ装置60は、シールド方式で掘削する際に
トンネルの内面にセグメントを組付けて覆工する為のも
のである。図14、図15に示すように、エレクタ装置
60は、リング状のエレクタフレーム87と、このエレ
クタフレーム87に付設されたエレクタ本体88等から
なり、エレクタフレーム87は後胴73のテールプレー
ト75等に周方向に旋回可能に設けられ、このエレクタ
フレーム87の外周部にはチェーン式ラックがあり、テ
ールプレート75側のモータの出力軸のピニオンをチェ
ーン式ラックに噛合させてラック・ピニン機構で周方
向に旋回させる。エレクタ本体88は、セグメントを把
持する把持部を有し、エレクタ本体88は平行リンクに
て連結され、油圧シリンダにてトンネル径方向へ移動可
能である。尚、エレクタ本体88にはセグメントを把持
する把持部が装備される他、ボルトやナットを締結する
締結機が装備されることもある。
【0048】次に、本願特有の簡易エレクタ装置61に
ついて詳しく説明する。図14〜図16に示すように、
簡易エレクタ装置61は、オープン方式でトンネルを掘
削する際に、トンネルTの内面にH型鋼を湾曲させた円
弧状の複数の支保部材(前記実施形態と同様の支保部
材)をリング状に組付ける為のものである。この簡易エ
レクタ装置61は、テールプレート75の内側付近に配
設されたガイド部材90と、このガイド部材90を環状
ウェブ材81に支持する複数の支持フレーム91と、ガ
イド部材90に装備されたウインチ装置92、エレクタ
本体88に設けられる摺動装置93等で構成されてい
る。
【0049】図13〜図15に示すように、ガイド部材
90は、トンネルTの内面付近に沿って円弧状に配設さ
れ、ガイド部材90は溝を外周側に向けた溝型鋼で構成
され、ガイド部材90の外周部には角溝状のガイド溝9
0aが形成されている。ガイド部材90はトンネルTの
少なくとも上半部の内側付近に配設されればよいが、本
実施形態のガイド部材90は、トンネルTの上半部と右
側中段部との内側付近に約240度円弧状に設けられて
いる。ガイド部材90の始端部は内側へ湾曲し、ガイド
部材90の終端部は内方へ水平に延びて、ウインチ取付
け部90bが形成されている。ガイド部材90は前後方
向向きの複数の支持フレーム91により支持され、複数
の支持フレーム91は後胴73の環状ウェブ材81にボ
ルト結合にて固定されている。
【0050】ガイド部材90の頂部側には所定幅の分断
部90cが形成され、その分断部90cにエレクタ本体
88に装備した摺動装置93が配置されている。ガイド
部材90の下端側のウインチ取付け部90bにはウイン
チ装置92が設けられ、ウインチ装置92から繰り出さ
れたワイヤ92aはガイド部材90に付設されたシーブ
92bを経由してガイド部材90のガイド溝90aへ導
入されガイド溝90a内を始端側まで延び、そのワイヤ
92aの先端にはフックが設けられている。
【0051】図13〜図15に示すように、エレクタ本
体88に装備される摺動装置93は、支保部材94a〜
94cを案内するガイド部93aであってガイド部材9
0とほぼ同断面形状のガイド部93aと、このガイド部
93aをテールプレート75の後端よりも後方まで移動
可能に案内する案内部93bと、ガイド部93aを案内
部93bに沿ってテールプレート75の後端よりも後方
まで移動駆動するロッドレス型油圧シリンダとを有し、
摺動装置93をエレクタ本体88によりトンネルTの内
面側へ移動駆動できるように構成してある。
【0052】次に、トンネルTを所定長さ掘削する毎
に、簡易エレクタ装置61を用いて、複数の支保部材9
4a〜94eをトンネル内面に組付ける手順について図
15〜図20に基づいて説明する。前記実施形態の簡易
エレクタ装置10で支保部材41a〜41cをガイド部
材30に沿って引張り上げる場合と同様に、1番目の支
保部材94aと2番目の支保部材94bと3番目の支保
部材94cとをウインチ装置92とガイド部材90とを
介して引張り上げると、図16に示すように、2番目の
支保部材94bがガイド部材90の頂部側に支持され、
1番目,3番目の支保部材94a,94cが支保部材9
4bの両側に垂れ下がった状態になる。
【0053】次に、図17に示すように、エレクタ本体
88と摺動装置93により、支保部材94a〜94cを
持ち上げて2番目の支保部材94bをガイド部材90か
ら上側へ外し、1番目,3番目の支保部材94a,94
cの下部を手動にて側方へ押してガイド部材90のガイ
ド溝90aから外した状態に保持し、次に図18に示す
ように、摺動装置93により支保部材94a〜94cを
後方へ移動させるとともに1番目,3番目の支保部材9
4a,94cの下部を手動にて後方へ押動させることに
より、これら支保部材94a〜94cをテールプレート
75の後端よりも少し後側の所定の取付け位置まで移動
させ、その後、図19に示すように、前記実施形態と同
様に、4番目の支保部材94dをセット後、油圧シリン
ダからなる拡張装置95を介して支保部材94a〜94
dをトンネルTの内面に拡張し、最後に5番目の支保部
材94eを組付ける。
【0054】トンネル内面をセグメントで覆工しつつシ
ールド方式で掘削する際には、簡易エレクタ装置61が
不要になるため、図21に示すように、複数の支持フレ
ーム91を環状ウェブ材81に連結するボルト結合を解
除して複数の支持フレーム91、ガイド部材90、ウイ
ンチ装置92、摺動装置93等をトンネル掘削機50か
ら取外してもよい。
【0055】以上の簡易エレクタ装置61によれば、基
本的には前記簡易エレクタ装置10と同様の効果が得ら
れるうえ、エレクタ装置60に摺動装置93を追加的に
装備し、テールプレート75の内側の安全な場所で支保
部材94a〜94cをほぼリング状にトンネルTの内面
近くまで持ち上げてから摺動装置93と僅かな人力によ
りテールプレート75の後方まで移動させてトンネルT
の内面に組付けることができる。そして、ガイド部材9
0の内側には、比較的広い空間が空くので、資材のハン
ドリングや作業者の交通の面で有利である。しかも、不
使用の際にはガイド部材90やウインチ装置92や摺動
装置93を取外しておくこともできる。
【0056】尚、前記簡易エレクタ装置61の摺動装置
93を省略し、簡易エレクタ装置として前記簡易エレク
タ装置10Aを適用し、複数の支持フレーム91は油圧
シリンダを介して所定ストローク伸縮可能に構成して、
簡易エレクタ装置10Aをテールプレート75の内側の
位置と、テールプレート75の後端よりも後方の位置と
に亙って位置切換え可能に構成してもよい。
【0057】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、トンネルの
内周面の少なくとも上半部の内側付近に沿って配設さ
れ、外周側に支保部材を案内するガイド溝を有するガイ
ド部材と、前記ガイド部材のガイド溝に沿ってワイヤを
繰り出し可能であり、その繰り出したワイヤを支保部材
に連結した状態で巻取ることにより支保部材をガイド部
材のガイド溝に沿って移動させるウインチ装置とを設け
たので、トンネルの内面に複数の支保部材をリング状に
組付ける際に、支保部材をガイド部材のガイド溝に沿っ
てウインチ装置により移動させ、ガイド部材により支保
部材を支持することができるから、安全に能率的に組付
けることができる。しかも、簡単なガイド部材やウイン
チ装置を主体とする構成であるので、安価に製作でき、
設備費の面で有利である。
【0058】請求項2の発明によれば、複数のピン連結
された支保部材をガイド部材のガイド溝に沿って移動さ
せるので、ガイド部材の端部同士をピン連結し、先頭の
支保部材をウインチ装置で引っ張っていくことにより、
先頭の支保部材から後続の支保部材までの複数の支保部
材をガイド部材のガイド溝に沿って移動させることがで
きる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0059】請求項3の発明によれば、前記ガイド部材
を、エレクタ装置に対してトンネル掘進方向と反対側の
近くに配設したので、エレクタ装置と干渉することなく
ガイド部材を配置することができ、エレクタ装置を支保
部材の組付けに有効活用することができる。その他請求
項1又は2と同様の効果を奏する。
【0060】請求項4の発明によれば、前記ガイド部材
とウインチ装置を、トンネル掘削機の掘削機本体からト
ンネル掘進方向と反対方向へ延びるメインフレームに
外し可能に設けたので、トンネル内面をセグメントで覆
工する場合など、ガイド部材とウインチ装置を使用する
必要がなく、それらがエレクタ装置にとって邪魔になる
ときには、それらを取り外すことができる。その他請求
項3と同様の効果を奏する。
【0061】請求項5の発明によれば、前記ガイド部材
の複数個所に、支保部材をトンネル内面へ押圧する押圧
手段を夫々設けたので、ガイド部材に沿って複数の支保
部材をほぼリング状にセットした状態で、複数の押圧手
段によりそれら支保部材をトンネル内面へ押圧して能率
的に安全に組付けることができる。その他請求項1又は
2と同様の効果を奏する。
【0062】請求項6の発明によれば、複数のピン連結
された支保部材であってトンネルの内面近くにセットさ
れた複数の支保部材の一端部と他端部とを周方向に離隔
するように駆動する拡張装置を設けたので、この拡張装
置により、複数の支保部材をトンネル内面側へ拡張して
押圧することで複数の支保部材をトンネル内面にリング
状に簡単に能率的に組付けることができる。その他請求
項2と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のオープン型トンネル掘削機
の縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】簡易エレクタ装置と支保部材(巻き上げ開始)
の背面図である。
【図4】簡易エレクタ装置と支保部材(引張り上げ状
態)の背面図である。
【図5】簡易エレクタ装置と支保部材(頂部押し上げ状
態)の背面図である。
【図6】簡易エレクタ装置と支保部材(拡張中の状態)
の背面図である。
【図7】簡易エレクタ装置と支保部材(拡張完了状態)
の背面図である。
【図8】変更形態の簡易エレクタ装置の要部の斜視図で
ある。
【図9】変更形態の簡易エレクタ装置と支保部材(巻き
上げ開始)の背面図である。
【図10】変更形態の簡易エレクタ装置と支保部材(引
張り上げ状態)の背面図である。
【図11】変更形態の簡易エレクタ装置と支保部材(頂
部押し上げ状態)の背面図である。
【図12】変更形態の簡易エレクタ装置と支保部材(拡
張完了状態)の背面図である。
【図13】別実施形態のシールド型トンネル掘削機の縦
断面図である。
【図14】図13のXIV − XIV線断面図である。
【図15】図14のトンネル掘削機の簡易エレクタ装置
と支保部材(巻き上げ開始)の背面図である。
【図16】図14のトンネル掘削機の簡易エレクタ装置
と支保部材(引張り上げ状態)の背面図である。
【図17】図14のトンネル掘削機の簡易エレクタ装置
と支保部材(頂部押し上げ状態)の背面図である。
【図18】図14のトンネル掘削機の要部と簡易エレク
タ装置の縦断面図である。
【図19】図14のトンネル掘削機の簡易エレクタ装置
と支保部材(拡張中の状態)の背面図である。
【図20】図14のトンネル掘削機の簡易エレクタ装置
と支保部材(拡張完了状態)の背面図である。
【図21】図14のトンネル掘削機の要部の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
T トンネル 1 オープン型トンネル掘削機 9 エレクタ装置 10,10A, 簡易エレクタ装置 30 ガイド部材 30a ガイド溝 39 ウインチ装置 39a ワイヤ 40 拡張装置 41a〜41e 支保部材 45 押圧装置 50 シールド型トンネル掘削機 60 エレクタ装置 61 簡易エレクタ装置 90 ガイド部材 90a ガイド溝 92 ウインチ装置 92a ワイヤ 95 拡張装置 94a〜94e 支保部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−158693(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル掘削機に装備され、トンネル内
    面に円弧状に湾曲した支保部材をリング状に組付ける為
    の簡易エレクタ装置であって、 トンネルの内周面の少なくとも上半部の内側付近に沿っ
    て配設され、外周側に支保部材を案内するガイド溝を有
    するガイド部材と、 前記ガイド部材のガイド溝に沿ってワイヤを繰り出し可
    能であり、その繰り出したワイヤを支保部材に連結した
    状態で巻取ることにより支保部材をガイド部材のガイド
    溝に沿って移動させるウインチ装置と、 を備えたことを特徴とするトンネル掘削機の簡易エレク
    タ装置。
  2. 【請求項2】 前記ウインチ装置は、複数のピン連結さ
    れた支保部材をガイド部材のガイド溝に沿って移動させ
    ることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機の
    簡易エレクタ装置。
  3. 【請求項3】 前記トンネル掘削機はトンネルの内面に
    セグメントを組付ける為のエレクタ装置を有し、前記ガ
    イド部材はエレクタ装置に対してトンネル掘進方向と反
    対側の近くに配設され、前記エレクタ装置は支保部材の
    組付けに利用されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のトンネル掘削機の簡易エレクタ装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイド部材とウインチ装置は、トン
    ネル掘削機の掘削機本体からトンネル掘進方向と反対方
    向へ延びるメインフレームに取外し可能に設けられたこ
    とを特徴とする請求項3に記載のトンネル掘削機の簡易
    エレクタ装置。
  5. 【請求項5】 前記ガイド部材の複数個所に、支保部材
    をトンネル内面へ押圧する押圧手段を夫々設けたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機の簡
    易エレクタ装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のピン連結された支保部材であ
    ってトンネルの内面近くにセットされた複数の支保部材
    の一端部と他端部とを周方向に離隔するように駆動する
    拡張装置を設けたことを特徴とする請求項2に記載のト
    ンネル掘削機の簡易エレクタ装置。
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