JP3099607B2 - セラミック電子部品のための熱処理方法 - Google Patents

セラミック電子部品のための熱処理方法

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JP3099607B2 JP05251840A JP25184093A JP3099607B2 JP 3099607 B2 JP3099607 B2 JP 3099607B2 JP 05251840 A JP05251840 A JP 05251840A JP 25184093 A JP25184093 A JP 25184093A JP 3099607 B2 JP3099607 B2 JP 3099607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セラミック成形体の
焼成や電極ペーストの焼付けなどのように、セラミック
電子部品の製造に際して付与される熱処理の方法に関す
るもので、特に、雰囲気制御のために水蒸気が導入され
る熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、積層セラミックコンデンサに
おいて、その内部電極に銅またはニッケルのような卑金
属を用いるものがある。このような積層セラミックコン
デンサを得るための焼成は、内部電極の酸化を防止する
ため、中性ないし還元性雰囲気中で実施されている。し
かしながら、このような雰囲気中での焼成では、セラミ
ック成形体に含まれるバインダを燃焼させて除去するこ
とが難しい。そのため、上述した雰囲気中に水蒸気を導
入することが行なわれている。
【0003】図2は、上述のように導入される水蒸気を
発生させるための従来の装置を示している。図2に示し
た水蒸気発生装置は、実質的に閉空間を与える貯留槽1
を備える。貯留槽1内には、水2が貯留され、また、水
2を所定の温度まで加熱するためのヒータ3が設けられ
る。貯留槽1内には、給気管4が導入され、給気管4に
連なる曝気管5が水2内に位置される。曝気管5には、
多数の細孔が設けられている。また、貯留槽1内であっ
て、水2の上方の空間と連通するように、排気管6が貯
留槽1から導出される。排気管6は、たとえば焼成のよ
うな熱処理を行なうための熱処理炉へと導かれる。
【0004】このような水蒸気発生装置において、給気
管4には、矢印7で示すように、上述した中性ないし還
元性雰囲気を与えるための窒素または水素ガスのような
雰囲気ガスが導入される。この雰囲気ガスは、曝気管5
の細孔から排出されるとき、水2内でバブリングを生じ
させる。これによって、水2の温度に対応した飽和水蒸
気を含む雰囲気ガスが、水2の上方から排気管6を通し
て、矢印8で示すように、図示しない熱処理炉に導入さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した水蒸気発生方
法によれば、飽和水蒸気量は、水2の温度に依存するた
め、この飽和水蒸気量を制御するためには、水2の温度
を上げたり下げたりしなければならない。しかしなが
ら、このような水2の温度上昇および下降には比較的時
間がかかる。特に、貯留槽1の容積が大きくなり、水2
の量が増えると、熱容量が増すため、温度上昇および下
降を迅速に行なうことができない。その結果、熱処理炉
に導入される飽和水蒸気量の制御を迅速に行なうことが
困難となり、そのため、熱処理条件に適した水蒸気量を
常に安定して熱処理炉に与え続けることが困難である。
【0006】このように、熱処理雰囲気における水蒸気
量が適正に制御されない場合、このような熱処理を経て
得られたセラミック電子部品において、層剥がれなどの
構造欠陥を招いたり、容量低下などの特性劣化を招いた
りする。
【0007】それゆえに、この発明の目的は、上述した
不都合を容易に回避できる、セラミック電子部品のため
の熱処理方法を提供しようとすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、セラミック
電子部品の製造に際して付与される熱処理であって、そ
の雰囲気中に水蒸気を導入しながら行なう、セラミック
電子部品のための熱処理方法に向けられるものであっ
て、上述した技術的課題を解決するため、超音波加湿器
で水を水蒸気にし、この水蒸気と雰囲気ガスをチャンバ
内で混合して水蒸気を含む雰囲気ガスにし、超音波加湿
器から発生される水蒸気量を電圧制御ユニットにおいて
制御される電圧によって変え、電圧制御ユニットでの電
圧の制御をプログラマブルコントローラによって行なう
ことを特徴としている。
【0009】
【作用】この発明では、超音波の振幅を変えるなどし
て、超音波によって発生される霧すなわち水蒸気の量を
制御することが行なわれる。
【0010】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、熱処理
雰囲気中に導入される水蒸気量を、迅速かつ安定的に制
御することができる。そのため、熱処理の温度プロファ
イルに迅速に追従させながら、水蒸気量を適正に制御す
ることができるようになり、そのため、熱処理を経由し
て得られたセラミック電子部品において、前述したよう
な構造欠陥や特性劣化を招くことを防止できる。また、
熱処理の温度プロファイルにおける温度上昇速度を高め
ても、それに適合した水蒸気量を安定して供給し続ける
ことができるので、熱処理時間の短縮を図れ、その結
果、セラミック電子部品の生産性の向上を図ることがで
きる。
【0011】
【実施例】図1は、この発明の一実施例によるセラミッ
ク電子部品のための熱処理方法において用いられる水蒸
気発生装置を示している。
【0012】この水蒸気発生装置は、金属質のチャンバ
11を備える。チャンバ11には、給気管12および排
気管13が接続される。また、チャンバ11の周囲に
は、ヒータ14が配置される。
【0013】チャンバ11には、また、霧導入口15を
介して、超音波加湿器16が接続される。超音波加湿器
16には、給水管17を介して水が供給される。超音波
加湿器16が発生する霧すなわち水蒸気の量は、電圧制
御ユニット18において制御される電圧によって変えら
れる。電圧制御ユニット18での電圧の制御は、プログ
ラマブルコントローラ19によって行なわれる。このよ
うに、プログラマブルコントローラ19を用いることに
よって、そこに設定されたプログラムに従って、超音波
加湿器16から発生される水蒸気量を、一定または任意
の態様で可変に制御することができる。
【0014】上述した構成によって、超音波加湿器16
から発生された霧は、霧導入口15を介して、チャンバ
11内に送られる。チャンバ11は、ヒータ14によっ
て、常時100℃以上に維持され、そのため、このよう
な霧が、チャンバ11内で結露することがない。他方、
中性ないし還元性雰囲気を与えるための雰囲気ガスが、
矢印20で示すように、給気管12を介して、チャンバ
11内に導入される。ここで、この雰囲気ガスと水蒸気
とが混合され、水蒸気を含む雰囲気ガスが、排気管13
を介して、矢印21で示すように、熱処理炉(図示せ
ず)へと供給される。
【0015】上述した排気管13を介して熱処理炉に供
給される雰囲気ガスに含まれる水蒸気量は、電圧制御ユ
ニット18により電圧を制御して、超音波加湿器16か
ら発生される水蒸気量を変えることにより、容易に制御
することができる。
【0016】以下、上述した実施例に従って実施された
実験例について説明する。 [実験例1]この実験例1では、この発明に係る熱処理
方法が、セラミック積層体の焼成に適用される。
【0017】BaTiO3 を主成分とするセラミックグ
リーンシートを積層して得られたもので、ニッケルを内
部電極に用いた積層セラミックコンデンサの成形体を作
製し、これを、還元性雰囲気中において1200〜13
50℃で焼成し、得られた積層セラミックコンデンサの
絶縁抵抗(IR)および静電容量を測定し、絶縁抵抗に
ついては、100MΩ未満のとき不良と評価し、静電容
量については、公称静電容量の0.8倍未満のとき不良
と評価した。
【0018】この発明の実施例による図1に示した水蒸
気発生装置を用いた焼成によれば、熱処理炉へのセラミ
ック成形体のチャージ数を1000個、5000個、1
0000個、20000個、と増加させても、絶縁抵抗
および静電容量のいずれにおいても、まったく不良を発
生しなかった。
【0019】これに対して、図2に示した水蒸気発生装
置を用いた焼成によれば、以下の表1に示すように、チ
ャージ数が増加するに従って、絶縁抵抗および静電容量
のいずれにおいても、不良の発生が増加した。
【0020】
【表1】
【0021】図2に示した従来方式では、チャージ数が
増加すると、炉内において燃焼させるべきカーボン量が
増加し、それに必要な水蒸気量を昇温速度に追従させる
ことができず、そのため、残留カーボン量が増加する。
その結果、このようなカーボンがより高温で急激に燃焼
し、層剥がれ、クラック、ボイド等の構造欠陥が発生
し、絶縁抵抗の不良に至るものである。また、このよう
に高温まで残ったカーボンは、内部電極を還元するた
め、内部電極が過焼結状態となり、内部電極の連続性が
低下し、静電容量が低下する。
【0022】このような結果から、この発明による場
合、チャージ数を増加させても、昇温速度を低くする必
要がないので、生産性の向上を期待できることがわか
る。
【0023】[実験例2]この実験例2では、この発明
に係る熱処理方法が、電極の焼付けに適用される。
【0024】実験例1で焼成されたチップに、外部電極
を形成すべく、Agペーストを塗布し、中性雰囲気中に
おいて600〜800℃の温度で焼付けた。これによっ
て得られた外部電極の半田付け性を、予熱温度を80〜
120℃とし、230℃の半田浴に2秒間浸漬すること
によって測定し、半田付着面積が90%未満のものを不
良と評価した。
【0025】その結果、図1に示した水蒸気発生装置を
用いて焼付け処理して得られた外部電極の場合には、試
料数50に対して、不良がまったく発生しなかった。こ
れに対して、図2に示した水蒸気発生装置を用いて焼付
け処理を行なった外部電極の場合には、試料数50に対
して5個の不良が発生し、不良率が10%となった。
【0026】従来方式において、不良が発生したのは、
焼付け処理において、ペーストに含まれるワニスが燃焼
しきらず、外部電極の表面にカーボンとして残ったため
である。このような結果から、この発明による方式は、
外部電極を形成するためのペーストに含まれる樹脂の分
解に対し、より有効であることがわかる。
【0027】なお、この発明による熱処理方法は、上述
した焼成や焼付けに限らず、たとえば、再酸化処理やそ
の逆の処理にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるセラミック電子部品
のための熱処理方法において用いられる水蒸気発生装置
の概略を示す図解図である。
【図2】従来のセラミック電子部品のための熱処理方法
に用いられる水蒸気発生装置の概略を示す図解図であ
る。
【符号の説明】
11 チャンバ 12 給気管 13 排気管 14 ヒータ 15 霧導入口 16 超音波加湿器 17 給水管 18 電圧制御ユニット 19 プログラマブルコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 4/40 H01G 13/00 - 13/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック電子部品の製造に際して付与
    される熱処理であって、その雰囲気中に水蒸気を導入し
    ながら行なう、セラミック電子部品のための熱処理方法
    において、超音波加湿器で水を水蒸気にし、この水蒸気と雰囲気ガ
    スをチャンバ内で混合して水蒸気を含む雰囲気ガスに
    し、 超音波加湿器から発生される水蒸気量を電圧制御ユニッ
    トにおいて制御される電圧によって変え、電圧制御ユニ
    ットでの電圧の制御をプログラマブルコントローラによ
    って行なう ことを特徴とする、セラミック電子部品のた
    めの熱処理方法。
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