JPH11111558A - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
セラミック電子部品の製造方法Info
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- JPH11111558A JPH11111558A JP26955097A JP26955097A JPH11111558A JP H11111558 A JPH11111558 A JP H11111558A JP 26955097 A JP26955097 A JP 26955097A JP 26955097 A JP26955097 A JP 26955097A JP H11111558 A JPH11111558 A JP H11111558A
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Abstract
をほぼ完全に除去することにより、構造欠陥や電気特性
の劣化のないセラミック電子部品を提供することを目的
とする。 【解決手段】 セラミック原料とポリエチレンとを用い
てセラミック誘電体層1となるセラミックシートを形成
し、内部電極2と交互に積層して積層体を得る。次にこ
の積層体をポリエチレンの分解温度以上かつ酸素濃度が
100ppm以下の雰囲気中に保持して、積層体中のポ
リエチレンを除去する。次いで積層体を内部電極2の平
衡酸素分圧以下で焼成して焼結体を得た後、外部電極3
を形成する。
Description
ックコンデンサなどのセラミック電子部品の製造方法に
関するものである。
ンサの一部切欠斜視図であり、1はセラミック誘電体
層、2は内部電極、3は外部電極であり、内部電極2は
各々外部電極3に接続されている。
製造方法について説明する。まずセラミック誘電体層1
となるセラミックシートを誘電体材料と、ポリビニルブ
チラール等のバインダ成分と、ベンジルブチルフタレー
ト等の可塑剤成分と、溶剤成分等とを混合して形成す
る。次にセラミックシート上に、ニッケル内部電極とな
るニッケルペーストを複数形成する。次いでこのように
複数の内部電極2が形成されたセラミックシートを積層
し、積層体を得る。その後この積層体中のバインダ、可
塑剤、溶剤等の有機成分を除去することを目的として、
大気中300〜350℃にて脱バインダを行った後に、
ニッケルが酸化しない還元雰囲気で焼成して焼結体を得
る。最後に焼結体の両端面に外部電極3を形成すること
で積層セラミックコンデンサとなる。
気中での脱バインダ工程は、有機成分を除去する工程で
ありながら、同時に内部電極2であるニッケルを極端に
多く酸化させてしまう。そしてこの時のニッケルの酸化
膨張によって積層体に微小なクラックが発生し、焼成に
おいて修復するばかりか、より大きなクラックとなり積
層セラミックコンデンサとしての機能を果さなくなる。
また逆にニッケルが酸化しないような雰囲気や大気中3
00℃以下で脱バインダを行うとニッケルの酸化は抑制
されるが、有機成分が十分に除去されない。この残留有
機成分は、焼成工程において、チタン酸バリウムを還元
し、半導体化するために焼成後、絶縁抵抗の劣化や信頼
性試験における絶縁抵抗の劣化を早める原因となる。
せず、残留有機成分をほぼ完全に除去することにより、
構造欠陥や電気特性の劣化のないセラミック電子部品を
提供することを目的とするものである。
に本発明のセラミック電子部品の製造方法は、少なくと
もセラミック原料とポリエチレンとを含有するセラミッ
クシートと導電体層とを積層して積層体を得る第1の工
程と、次にこの積層体を前記ポリエチレンの分解温度以
上かつ酸素濃度が100ppm以下の雰囲気中に前記積
層体を保持する第2の工程と、次いで前記積層体を前記
導電体層の平衡酸素分圧以下で焼成して焼結体を得る第
3の工程とを備えたものであり、ポリエチレンは、大気
中では酸化分解によってガス化するが、酸素が十分に無
い雰囲気中においても熱分解させることができるため、
第2の工程で導電体層を極端に酸化させず、ポリエチレ
ンをほぼ完全に除去できることにより、上記目的を達成
することができる。
少なくともセラミック原料とポリエチレンとを含有する
セラミックシートと導電体層とを積層して積層体を得る
第1の工程と、次にこの積層体を前記ポリエチレンの分
解温度以上で、かつ酸素濃度が100ppm以下の雰囲
気中に前記積層体を保持する第2の工程と、次いで前記
積層体を前記導電体層の平衡酸素分圧以下で焼成して焼
結体を得る第3の工程とを備えたセラミック電子部品の
製造方法であり、構造欠陥や電気特性の劣化のないセラ
ミック電子部品を得ることができる。
分解温度は200℃とする請求項1に記載のセラミック
電子部品の製造方法であり、構造欠陥や電気特性の劣化
のないセラミック電子部品を得ることができる。
いて、最高温度を導電体層の融点かあるいはセラミック
原料の焼結温度のどちらか低い方の温度以下とする請求
項1あるいは請求項2に記載のセラミック電子部品の製
造方法。
属を用いて形成する請求項1〜請求項3のいずれか一つ
に記載のセラミック電子部品の製造方法であり、導電体
層が過度に酸化するのを防止することができるものであ
る。
ケルを内部電極とする積層セラミックコンデンサを例に
図1を用いて説明する。
4000000のポリエチレンと、チタン酸バリウムを
主成分とする誘電体粉末とを用いて形成した多孔度が7
0%であるセラミックシート上に、印刷法により、複数
ニッケルよりなる内部電極2を形成する。このセラミッ
クシートは図1においてセラミック誘電体層1となるも
のである。この時のセラミックシートの厚みは15μ
m、内部電極2の厚みは3μmである。これらのセラミ
ックシートをこのセラミックシートを挟んで、内部電極
2が交互に対向するように150枚積み重ね、仮積層体
を得る。その後、一軸プレス機にてゲージ圧で20MP
aの範囲で加圧して積層体を得る。この時の仮積層体と
接するプレス面の凹凸は、40μm以下に研磨されてお
り、プレス上、下面間の間隔のばらつきは、40μm以
下に制御されている。十分な圧力が加わったことを確認
して積層体を最高温度を150℃まで昇温する。最高温
度での保持時間は、15分程度で十分である。その後、
縦3.2mm、横1.6mmとなるようなチップ形状に切断
し、窒素ガスおよび水素ガスを用いてニッケルが過度に
酸化しないように酸素濃度を制御しながら加熱し、脱バ
イを行う。次いで、脱バイ工程と同様に窒素ガスおよび
水素ガスを用いてニッケルが酸化しないように雰囲気で
焼成し、焼結体の両端面に外部電極3を形成した後、メ
ッキを施し、完成品に至る。
結体の構造欠陥および絶縁抵抗の劣化との関係を従来の
ポリビニルブチラール樹脂を用いた場合と比較して示し
ている。
安とし、それ以下のものを劣化と見なしている。(表
1)からも明らかなように最高温度が200〜500
℃、酸素濃度が5〜200ppmの間で、ポリビニルブ
チラール樹脂をバインダとして用いた場合には、酸素濃
度が100ppmを越えると構造欠陥が発生し、構造欠
陥が発生しない雰囲気にすると絶縁抵抗が劣化する傾向
にあり、構造欠陥の抑制と絶縁抵抗劣化を防止すること
は両立しないことが分かる。一方、本発明では従来法と
同様100ppmを越える酸素濃度の時に構造欠陥が発
生する傾向にあるが、従来法と異なるのは、構造欠陥が
発生しないように低酸素雰囲気にしても絶縁抵抗が劣化
しないことである。なぜならばポリエチレンは、200
℃以上であれば100ppm以下の酸素濃度でも十分に
分解され、一方、ニッケルは200℃以上で酸素濃度が
100ppm以下の場合でも酸化するが、酸化の割合が
少ないために構造欠陥を引き起こすことはないからであ
る。
記載する。 (1)ポリエチレンは、大気中では酸化分解によってガ
ス化するが、酸素が十分に無い雰囲気中においても熱分
解させることができる。そこで本発明ではバインダ成分
として、ポリエチレンを用いることにより、ニッケルを
過度に酸化させずにバインダを除去させることが可能と
なる。ニッケルが酸化しないことによって、構造欠陥の
発生を抑制することができ、低酸素濃度においてもポリ
エチレンが熱分解するために焼成時にチタン酸バリウム
を還元し、半導体化させることはない。 (2)内部電極2としてニッケルを用いたが、銅あるい
はニッケルと銅の合金などの卑金属を用いても良い。も
ちろん銀、パラジウムなどの貴金属を用いても良いが、
本発明は、貴金属よりも酸化しやすい卑金属を内部電極
2として用いる場合により顕著な効果が得られる。 (3)内部電極2が容易に酸化しないように酸素濃度を
制御するために、本発明においては、窒素ガス及び水素
ガスを用いたが、他にも炭酸ガス、水蒸気などを用いて
酸素濃度を制御しても同様の効果が得られる。 (4)本発明においては、酸素濃度を100ppm以下
にして、積層体中のポリエチレンを除去するが、酸素濃
度は10ppm以下にすることがより好ましい。 (5)本発明においては、積層体中のポリエチレンを除
去する際、ポリエチレンの分解温度である200℃以
上、内部電極2の融解温度あるいはセラミックシートの
焼結温度のどちらか低い方の温度以下にしなければなら
ない。また、200℃以上に加熱するときは200℃以
上においてその昇温速度は400/h以下、好ましくは
200℃/h以下にすることにより、積層体の急激な変
化を防止し、構造欠陥の発生を防ぐことができる。 (6)本発明においては、チップ形状に切断した積層体
を焼成する際、少なくとも降温過程に入るまでの間、す
なわちセラミックシートが焼結するまでは、酸素濃度が
内部電極の平衡酸素分圧以下となるようになる必要があ
る。なぜならばセラミックシートが焼結するまでは、積
層体中に酸素が侵入しやすく、内部電極2が酸化されや
すくなるからである。 (7)本実施の形態においては、積層セラミックコンデ
ンサを例に説明したが、積層バリスタ、積層サーミス
タ、積層フィルタ、フェライト部品、セラミック多層基
板などのセラミック電子部品についても同様の効果が得
られる。
気中では酸化分解によってガス化するが、酸素が十分に
無い雰囲気中においても熱分解させることができるた
め、導電体層を極端に酸化させずに、積層体中のポリエ
チレンをほぼ完全に除去できる。
いセラミック電子部品を提供することができる。
るニッケルを内部電極とする積層チップコンデンサの歩
留まり向上に対して絶大な効果がある。
斜視図
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくともセラミック原料とポリエチレ
ンとを含有するセラミックシートと導電体層とを積層し
て積層体を得る第1の工程と、次にこの積層体を前記ポ
リエチレンの分解温度以上で、かつ酸素濃度が100p
pm以下の雰囲気中に前記積層体を保持する第2の工程
と、次いで前記積層体を前記導電体層の平衡酸素分圧以
下で焼成して焼結体を得る第3の工程とを備えたセラミ
ック電子部品の製造方法。 - 【請求項2】 ポリエチレンの分解温度は200℃とす
る請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。 - 【請求項3】 第2の工程において、最高温度は導電体
層の融点かあるいはセラミック原料の焼結温度のどちら
か低い方の温度以下とする請求項1あるいは請求項2に
記載のセラミック電子部品の製造方法。 - 【請求項4】 導電体層は、卑金属を用いて形成する請
求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のセラミック電
子部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09269550A JP3075230B2 (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | セラミック電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09269550A JP3075230B2 (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | セラミック電子部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11111558A true JPH11111558A (ja) | 1999-04-23 |
JP3075230B2 JP3075230B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=17473948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09269550A Expired - Lifetime JP3075230B2 (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | セラミック電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3075230B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005317490A (ja) * | 2004-04-01 | 2005-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板 |
JP2005317491A (ja) * | 2004-04-01 | 2005-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板 |
WO2006013793A1 (ja) * | 2004-08-03 | 2006-02-09 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板 |
-
1997
- 1997-10-02 JP JP09269550A patent/JP3075230B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005317490A (ja) * | 2004-04-01 | 2005-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板 |
JP2005317491A (ja) * | 2004-04-01 | 2005-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板 |
WO2006013793A1 (ja) * | 2004-08-03 | 2006-02-09 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板 |
KR100804840B1 (ko) * | 2004-08-03 | 2008-02-20 | 히다치 가세고교 가부시끼가이샤 | 도전 페이스트 및 그것을 이용한 전자부품 탑재기판 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3075230B2 (ja) | 2000-08-14 |
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