JP3099439B2 - 電子写真用マゼンタトナー - Google Patents

電子写真用マゼンタトナー

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JP3099439B2
JP3099439B2 JP03193109A JP19310991A JP3099439B2 JP 3099439 B2 JP3099439 B2 JP 3099439B2 JP 03193109 A JP03193109 A JP 03193109A JP 19310991 A JP19310991 A JP 19310991A JP 3099439 B2 JP3099439 B2 JP 3099439B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファンクションカラ
ー,フルカラー、またはマルチカラー電子写真用トナー
で、一成分方式,二成分方式にかかわらず鮮明な色調が
得られるマゼンタトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機分野でもカラー化が進展
し、良質な色再現性を有する電子写真用カラートナーが
要望されている。そのうち、カラー電子写真用マゼンタ
トナー用着色剤として必要な条件としては、 (1)優れた分光反射特性をもっていること。
【0003】(2)耐光性,耐熱性などの耐候性に優れ
ていること。 (3)結着樹脂への相溶性が良好で透明性であること。
【0004】(4)ブリード性のないこと。 (5)複写機の現像システムにマッチングしているこ
と。
【0005】(6)毒性のないこと。 などがあげられる。
【0006】従来のカラー電子写真用マゼンタ着色剤と
しては、ローダミン系染顔料,チオインジゴ系顔料,キ
ナクリドン系染顔料,その他の染顔料が使用されてい
る。
【0007】例えば、特公昭49−46951号公報に
は、キナクリドン系顔料の記載があり、特開昭55−2
6574号公報には、チオインジゴ顔料に関しての記載
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
のマゼンタトナーでは、上記の(1)〜(6)の条件を
満足するものはなかった。
【0009】本発明はこのような課題を解決するもの
で、明度、とくに彩度の鮮かな色度を確保し、かつシリ
コンゴムローラーを染色せず、耐光性,耐熱性などの耐
候性に優れたマゼンタトナーを提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、C.I.Solvent Red4
9に分類されるローダミン系染料とC.I.Pigme
nt Red57:1に分類される顔料とを含有するよ
うにしたものである。
【0011】また、上記のマゼンタトナー組成物の色度
が、L*50.0〜80.0、a*61.0〜80.
0、b*−10.0〜40.0、c*60.0〜80.
0を満足するようにしたものである。
【0012】
【作用】C.I.Solvent Red49に分類さ
れる赤色染料は、鮮明なマゼンタ色を呈するが、この染
料のみでは耐候性に一部問題を残している。したがって
C.I.Pigment Red 57:1系の顔料と
の組合せにより、色の彩度を保持しながら耐候性をカバ
ーすることができる。したがって両者を含有するトナー
で印字をした場合、鮮明なマゼンタ色を得ることが可能
となる。
【0013】また、この色材の組合せは負帯電性を示
し、負帯電性トナー用の色材として最適である。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を説明する。
【0015】本発明は、C.I.Solvent Re
d49に分類されるローダミン系の染料にC.I.Pi
gment Red 57:1系の顔料を共に含有する
マゼンタトナーで、その混合比は1:0.5〜0.5:
1の範囲が望ましい。
【0016】また、上記の着色剤添加量は、樹脂100
重量部に対して、色材合計量で0.1〜10.0重量部
が望ましいが、さらに望ましくは3.0〜6.0重量部
である。0.1重量部以下では発色特性が得られず濃度
が確保できなくなり、10重量部以上では染料系の樹脂
に対する溶解度,分散性が低下し、ブリードアウトなど
の問題を発生しやすくなる。
【0017】上記添加比率であれば、トナー組成物の色
度を、L*50.0〜80.0、a*61.0〜80.
0、b*−10.0〜−40.0、c*60.0〜8
0.0を満足することが可能である。
【0018】また、本発明の結着樹脂としては、公知の
ものがすべて使用可能である。例えば、ポリスチレン,
ポリ−α−メチルスチレン,クロロポリスチレン,スチ
レン−クロロスチレン共重合体,スチレン−プロピレン
共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−
塩化ビニル共重合体,スチレン−酢酸ビニル共重合体,
スチレン−マレイン酸共重合体,スチレン−アクリル酸
エステル共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体,スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体,スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、エポキシ樹
脂,ウレタン変性エポキシ樹脂,シリコーン変性エポキ
シ樹脂,ポリエステル樹脂,塩化ビニル樹脂,スチレン
−酢酸ビニル共重合体,ロジン変性マレイン酸樹脂,フ
ェニール樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレン,アイオ
マー樹脂,ポリウレタン樹脂,シリコーン樹脂,ケトン
樹脂,エチレン−エチルアクリレート共重合体,キシレ
ン樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,テルペン樹脂,フ
ェノール樹脂,脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、等が
単独または混合されて使用できる。特に本事例に好まし
いものとしては、スチレン−アクリル酸エステル系樹
脂,スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂,ポリエス
テル樹脂がある。
【0019】また、本現像剤を二成分用トナーとして使
用する場合、キャリアとしては公知のものが使用でき
る。例えば、表面酸化または未酸化の鉄または鉄とニッ
ケル,銅,亜鉛,コバルト,マンガン,クロム,希土類
などの金属およびそれらの合金、または酸化物およびフ
ェライトなどが使用できる。またこれらの表面を種々の
樹脂でコーティングしたものも使用できる。
【0020】また、必要に応じて現像剤に対してコロイ
ダルシリカなどの流動性改質剤をトナーに対して0.0
1〜6.00重量%(特に好ましくは0.1〜1.0重
量%)程度添加してもさしつかえない。
【0021】以下に本発明の実施例をさらに具体的に説
明する。また以下の配合量の表示はすべて重量部であ
る。
【0022】(実施例1) ・スチレン−アクリル酸エステル系樹脂 100部 (商品名 ハイマ−TBL−500,三洋化成社製) ・ポリプロピレン 4部 (商品名 ビスコール550−P,三洋化成社製) ・帯電制御剤 2部 (商品名 E−84,オリエント化学社製) ・C.I.Solvent Red49/ 5部 C.I.Pigment Red 57:1=1/1 (商品名 Oil Pink 312、オリエント化学社製/ ブリリアントカーミン6BG、東洋インク社製) 上記の材料を、ヘンシェルミキサーで均一に分散し、分
散物を2軸押出機などで溶融混練し、冷却後ジェットミ
ルなどで微粉砕し、分級機により平均粒径11μmの分
級品を得た。この分級品に0.3%k疎水性シリカ(商
品名 R972,日本アエロジル社製)をヘンシェルミ
キサーで外添し、マゼンタトナーを得た。このトナーを
フェライトキャリア(FL−150,日本鉄粉社製)と
混合し、現像剤とした。この現像剤を用いてレーザープ
リンター(商品名 KX−P4450,松下電器産業社
製)で連続20,000枚印字を行った。得られた印字
の色調は鮮明なマゼンタ色であり、マゼンタトナーとし
て十分使用可能な色調を有していた。
【0023】このマゼンタトナーを用いて印字した印字
物の耐光性を調べるために、サンシャインウェザーメー
ターを用いて、50時間の強制照射テストを行ったが、
マゼンタ色の退色は認められなかった。耐熱性を評価す
るため50℃雰囲気の恒温槽中に12日間保存したが色
調の劣化はなく、耐熱性にも問題はなかった。これらの
結果より耐候性が優れていることがわかる。
【0024】(実施例2) ・飽和ポリエステル樹脂 100部 (ポリエスター HP−300,日本合成化学工業社製) ・ポリプロピレン 4部 (ビスコール 550−P,三洋化成社製) ・帯電制御剤 2部 (ボントロン E−84,オリエント化学社製) ・C.I.Solvent Red49/ 3部 C.I.Pigment Red 57:1=1/1 (商品名 Oil Pink 312、オリエント化学社製/ ブリリアントカーミン6BG、東洋インク社製) 上記の材料を実施例1と同様にトナー化し、実施例1と
同様の評価テストを行った。その結果、色調,耐光性,
耐熱性ともに十分満足できる結果であった。
【0025】(実施例3) ・スチレン−アクリル酸エステル系樹脂 100部 (商品名 ハイマー TB−1000,三洋化成社製) ・ポリプロピレン 4部 (商品名 ビスコール 500−P,三洋化成社製) ・帯電制御剤 4部 (商品名 カヤチャージ N−3,日本化薬社製) ・C.I.Solvent Red49/ 2部 C.I.Pigment Red 57:1=1/1 (商品名 Oil Pink 312、オリエント化学社製/ ブリリアントカーミン6BG、東洋インク社製) 上記の材料を実施例1と同様にトナー化し、実施例1と
同様の評価テストを行った。その結果、色調,耐光性,
耐熱性ともに十分満足できる結果であった。
【0026】(比較例1) ・スチレン−アクリル酸エステル系樹脂 100部 (商品名 ハイマー TB−1000,三洋化成社製) ・ポリプロピレン 4部 (商品名 ビスコール 550−P,三洋化成社製) ・帯電制御剤 2部 (商品名 ボントロン E−84,オリエント化学社製) ・C.I.Solvent Red49 5部 (商品名 Oil Pink 312,オリエント化学社製) 上記の材料を実施例1と同様にトナー化し、実施例1と
同様の評価テストを行った。その結果、鮮明な色調は得
られたが、耐光性が悪くサンシャインウェザーメーター
試験において印字画像濃度を比較すると、未照射では
1.60の濃度が、30時間後で0.90に低下してお
り濃度低下が著しかった。
【0027】(比較例2) ・ポリエステル樹脂 100部 (商品名 ハイマー ES−508,三洋化成社製) ・ポリプロピレン 2部 (商品名 ビスコール 550−P,三洋化成社製) ・帯電制御剤 4部 (商品名 カヤチャージ N−3,日本化薬社製) ・C.I.Pigment Red 57:1 5部 (商品名 ブリリアントカーミン6BG、東洋インク社製) 上記の材料を実施例1と同様にトナー化し、実施例1と
同様の評価テストを行った。その結果、耐光性,耐熱性
は良好であったが、鮮明な色調が得られなかった。
【0028】
【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に、本発明のマゼンタトナーを用いることにより、良好
な色調,耐候性を有するトナーを得ることができ、この
色材の組合せにより二成分系現像剤、さらには一成分用
トナーとしても広く使用することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−299869(JP,A) 特開 昭64−9466(JP,A) 特開 昭64−72169(JP,A) 特開 平3−87841(JP,A) 特開 平2−291569(JP,A) 特開 平2−293865(JP,A) 特開 昭63−301960(JP,A) 特開 昭57−130044(JP,A) 特開 昭61−80262(JP,A) 特開 昭63−58357(JP,A) 特開 昭63−173066(JP,A) 特開 昭63−247758(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C.I.Solvent Red49に分
    類されるローダミン系染料とC.I.Pigment
    Red57:1に分類される顔料とを含有してなる電子
    写真用マゼンタトナー。
  2. 【請求項2】請求項1記載のマゼンタトナー組成物の色
    度が、L*50.0〜80.0、a*61.0〜80.
    0、b*−10.0〜40.0、c*60.0〜80.
    0を満足する電子写真用マゼンタトナー。
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