JP3099281B2 - 自動車用シーリング材 - Google Patents

自動車用シーリング材

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JP3099281B2
JP3099281B2 JP04204272A JP20427292A JP3099281B2 JP 3099281 B2 JP3099281 B2 JP 3099281B2 JP 04204272 A JP04204272 A JP 04204272A JP 20427292 A JP20427292 A JP 20427292A JP 3099281 B2 JP3099281 B2 JP 3099281B2
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vinyl chloride
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plasticizers
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謙二郎 奥
憲吉 湯川
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Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
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Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
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  • Sealing Material Composition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用シーリング材に
関し、詳細にはシーリング材を自動車の鋼板繋ぎ目等に
塗布後に焼き付け乾燥した時の塗面が平滑にして美麗で
ある自動車用焼き付け乾燥型シーリング材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の鋼板合わせ目部分、
鋼板の末端折り曲げ部分等には防錆、防水処理のため塩
化ビニルプラスチゾル系シーリング材が広く使用されて
いる。塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材は、キャ
ビン内、トランクルーム床面、フロア下面等のように最
終的には塗装処理面が蔽隠されてしまう箇所もあるが、
その一方で鋼板合わせ目見映え部等のように、塗装の仕
上がりが外側より見えてしまう箇所もある。
【0003】近年自動車、特に乗用車の外側鋼板の塗装
品質の仕上がりは、市場の要求も相俟なって非常に高品
質なものになっている。シーリング材の塗装部位はあま
り目立たない箇所であり、面積も車体全体からみればそ
れ程大きくないが、防錆、防水という本来の性能に加え
て塗膜表面の仕上がり平滑性という物性も要求されつつ
ある、というのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
ほとんど着目されていなかった、シーリング材の仕上が
り平滑性を改良し、高い表面平滑性を有するシーリング
材を実現する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決せんと
して本発明者らは鋭意研究の結果、塩化ビニルプラスチ
ゾルの諸物性を試験研究の後、特に降伏値と表面張力が
仕上がり平滑性に密接に関係する事、当該数値が両方共
特定範囲に入る配合とする事によって高い平滑性が得ら
れる事を見出したものである。すなわち本発明は以下に
存する。
【0006】塩化ビニルプラスチゾル系の自動車用シー
リング材において、可塑剤に分子量7,000以上の
バチン酸系、アジビン酸系およびフタル酸系のポリエス
テル系可塑剤から選ばれた1つないしは複数のポリエス
テル系高分子可塑剤を含み、シーリング材の20℃にお
ける降伏値が6,000dyne/cm以下、及び表
面張力が100dyne/cm以上であることを特徴
とする塗装仕上げ面の高平滑性自動車用シーリング材。
【0007】 本発明で使用される塩化ビニル系樹脂は、
塩化ビニルの単独重合体でも、塩化ビニルと他モノマー
との共重合体でもよい。塩化ビニル系樹脂の配合量は、
25〜35重量%が適当である。塩化ビニル系樹脂の配
合量が25重量%未満では、シーリング材による塗膜の
形成が十分でなく、一方、35重量%を超えるときには
塗膜が硬くなりすぎる事がある。
【0008】 本発明では、塩化ビニル系樹脂に使用する
可塑剤にポリエステル系高分子可塑剤を含む事を必須と
する。分子量は7,000以上である事を必須とする。
分子量が7,000未満であると、シーリング材の降伏
値を6,000dyne/cm以下好ましくは2,0
00〜6,000dyne/cm、表面張力を100
dyne/cm以上に調整できない。また、ポリエス
テル系樹脂の主な組成は、セバチン酸系ポリエステル、
アジピン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルの
中から選択される樹脂を使用する。これらの中でもセバ
チン酸系ポリエステル樹脂の使用が好ましい。
【0009】 本発明に使用する、他の可塑剤としては、
通常塩化ビニル系シーリング材に使用される可塑剤が使
用できる。ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソブ
チルフタレート(DIBP)、などのフタル酸系エステ
ル可塑剤、ジオクチルアジペート(DOA)などのアジ
ピン酸系可塑剤が例示できる。高分子ポリエステル系可
塑剤を含む可塑剤の配合量は25〜35重量%が適当で
ある。可塑剤の配合量が25重量%未満であるとシーリ
ング材の塗膜が硬くなりすぎる事があり、一方、35重
量%を超えるときは、シーリング材の流動性が大きす
ぎ、塗膜形成が十分でない虞れが生じる。
【0010】 本発明ではこれら塩化ビニル系樹脂及び可
塑剤に、必要に応じて充填材を配合することができる。
本発明に使用できる充填材は、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、タルク、クレー、カオリン、亜鉛華、酸化チタ
ン、シリカ、アルミナ等の顔料類、マイカ等のリン片状
充填材、プラスチックバルーン、ガラスバルーン、シリ
カバルーン、シラスバルーン、炭素中空球等の中空状充
填材等が例示できる。
【0011】 本発明ではこれら塩化ビニル系樹脂及び可
塑剤に、必要に応じて添加剤を配合する事ができる。本
発明に使用できる添加剤は、塩化ビニル樹脂安定剤、ポ
リアミド、ポリオール、ブロックイソシアネート等の粘
着付与剤、紫外線吸収剤、吸湿剤、塗膜作業性向上のた
めの高沸点溶剤等が例示できる。当該添加剤の配合量
は、0〜10重量%とすることが好ましい。
【0012】 本発明のシーリング材は、バンバリーミキ
サー、プラネタリーミキサー、オープンニーダー、真空
ニーダー等の従来公知の混合分散機によって分散混練す
ることにより製造される。また、本発明になるシーリン
グ材を塗装するには、エアレスポンプ等により駆動する
高圧塗装機により、フローガンと呼ばれる専用塗装機に
よって塗装される。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明のより詳細な理解
に供する。当然のことながら本発明は以下の実施例のみ
に限定されるものではない。尚、シーリング材の降伏値
は、回転粘度計(例えばBH型回転粘度計)のロータ数
を変えた時の粘度をそれぞれ測定し、次の式1に従い算
出した。
【0014】
【式1】
【0015】また、表面張力の測定は、静的測定法中の
輪環法に準拠して行なった。
【0016】 [実施例1] 塩化ビニル重合体樹脂25重量%、数平均分子量7,2
00のセバチン酸系ポリエステル系可塑剤1重量%、ジ
オクチルフタレート29重量%、粘着付与剤5重量%、
炭酸カルシウム40重量%をプラネタリーミキサーにて
分散混合し、降伏値が5,600dyne/cm、表
面張力が120dyne/cmのシーリング材1を得
た。
【0017】 [実施例2] 塩化ビニル重合体樹脂25重量%、数平均分子量7,1
00のアジピン酸系ポリエステル系可塑剤1重量%、ジ
オクチルフタレート29重量%、粘着付与剤5重量%、
炭酸カルシウム40重量%をプラネタリーミキサーにて
分散混合し、降伏値が5,400dyne/cm、表
面張力が105dyne/cmのシーリング材2を得
た。
【0018】 [実施例3] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂25重量%、数平
均分子量7,400のフタル酸系ポリエステル系可塑剤
1重量%、ジオクチルフタレート29重量%、粘着付与
剤5重量%、炭酸カルシウム40重量%をプラネタリー
ミキサーにて分散混合し、降伏値が5,400dyne
/cm、表面張力が105dyne/cmのシーリ
ング材3を得た。
【0019】 [比較例1] 塩化ビニル重合体樹脂25重量%、ジオクチルフタレー
ト30重量%、粘着付与剤5重量%、炭酸カルシウム4
0重量%をプラネタリーミキサーにて分散混合し、降伏
値が7,500dyne/cm、表面張力が60dy
ne/cmのシーリング材4を得た。
【0020】 [試験方法] シーリング材1〜4を次の手順にて自動車に防水、防錆
処理を実施した。 1)化成処理、カオチン電着塗装を終了したボディーに
対して、鋼板合わせ見映え部、その他シーリング必要箇
所に、口径2mmのフローガンにて、塗装圧60kg/
cmで塗装し、140℃で15分焼付け硬化させた。 2)中塗塗料を静電塗装機にて塗装し、140℃で25
分焼付け約30μの塗膜を形成した。 3)上塗塗料を静電塗装機にて塗装し、140℃で25
分焼付け約30μの塗膜を形成した。 4)シーリング材塗装面の平滑性を、サーフェーサーア
ナリシスシステム(接触針を、シーリング材塗装面上を
移動させ、その移動量から表面荒さの測定値を求める)
にて測定した。 5)完成車にシャワー試験を行なった。試験結果を表1
に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明になる塩化ビニルプラスチゾル系
シーリング材は、表面の平滑性が極めて高く、塗装後の
仕上がり外観に優れる。また、塗装後に刷毛によってシ
ーリング材塗装面を均一に均す作業を施した場合にも刷
毛目がほとんど目立たず、平滑で美麗である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−272257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/10 C08L 27/06 C08L 67/02 - 67/03

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルプラスチゾル系の自動車用シー
    リング材において、可塑剤に分子量7,000以上の
    バチン酸系、アジビン酸系およびフタル酸系のポリエス
    テル系可塑剤から選ばれた1つないしは複数のポリエス
    テル系高分子可塑剤を含み、シーリング材の20℃にお
    ける降伏値が6,000dyne/cm以下、及び表
    面張力が100dyne/cm以上であることを特徴
    とする塗装仕上げ面の高平滑性自動車用シーリング材。
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