JP3099208U - 回路基板のサイド電極構造 - Google Patents

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遠藤 全昭
古田 敏朗
千尋 和夫
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Abstract

【課題】サイド電極の形成が一定となり、精度の良好な回路基板のサイド電極構造を提供する。
【解決手段】本考案の回路基板のサイド電極構造は、絶縁材からなる回路基板1と、この回路基板1の外周縁部1aに設けられた凹部2と、この凹部2内の端面1bに設けられたサイド電極3とを備え、凹部2の底辺2aは、回路基板1の外周縁部1aと略平行な直線状をなし、サイド電極3が少なくとも直線状の底辺2aに位置する端面1bに形成されたため、サイド電極3の製造時、曲率の無い底辺2aに位置した導電ペースト8が吸引されても、従来のような円形状の縁に沿って導電ペーストが破断する、ということが無く、端面1bへのサイド電極3の形成が一定となり、精度の良いサイド電極3が得られる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はテレビチューナ等の電子機器に使用して好適な回路基板のサイド電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回路基板のサイド電極構造の図面を説明すると、図6は従来の回路基板のサイド電極構造を示す要部の平面図、図7は従来の回路基板のサイド電極構造を示す要部の断面図である。
【0003】
また、図8は従来の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第1工程を示す説明図、図9は従来の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第2工程を示す説明図、図10は従来の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第2工程を示す説明図である。
【0004】
次に、従来の回路基板のサイド電極構造の構成を図6,図7に基づいて説明すると、絶縁材からなる四角形状の回路基板51は、外周縁部51aと、この外周縁部51aに設けられた半円形状の凹部51bを有する。
【0005】
この凹部51b内の端面51cには、サイド電極52が設けられた構成となっている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
次に、このような構成を有する従来の回路基板のサイド電極構造の製造方法を図8〜図10に基づいて説明すると、先ず、図8に示すように、複数個の回路基板51の集合体である大版基板55を用意し、回路基板51の隣り合う箇所には、凹部51bを形成するための円形状の透孔56を設けると共に、回路基板51の隣り合う境界線には、分割溝57を設ける。
【0007】
そして、第1工程では、図8に示すように、導電ペースト58が印刷によって、透孔56を跨った状態で、隣り合う双方の回路基板51の表面に形成される。
【0008】
次に、第2工程では、図9に示すように、吸引装置(図示せず)によって、大版基板55の透孔56の下方から矢印A方向に吸引すると、透孔56上で跨った導電ペースト58が透孔56内に吸引され、更に、吸引動作を続けると、図10に示すように、吸引された導電ペースト58が透孔56内の端面51cに形成される。
【0009】
その後、分割溝57に沿って大版基板55を切断(分割)すると、図6,図7に示すように、半円形状の凹部51b内の端面51cにサイド電極52を有した回路基板51が形成される。(例えば、特許文献1参照)
【0010】
従来のように、半円形状の凹部51b内にサイド電極52が形成されるものにあっては、サイド電極52の製造方法において、導電ペースト58が円形状の透孔56内に吸引されるようになる。
【0011】
しかし、この導電ペースト58の吸引時、透孔56は、曲率が大きな円形状であるため、吸引された導電ペースト58は、円形状の縁に沿って破断(導電ペースト58の外側から内側へと)され、その結果、端面51cへのサイド電極52の形成にバラツキを生じるものであった。
【0012】
【特許文献1】
特許2867749号公報
【0013】
【考案が解決しようとする課題】
従来の回路基板のサイド電極構造は、半円形状の凹部51b内にサイド電極52が形成されるため、その製造時、吸引された導電ペースト58は、透孔56の円形状の縁に沿って破断され、その結果、端面51cへのサイド電極52の形成にバラツキを生じ、精度の良いサイド電極が得られ無いという問題がある。
【0014】
そこで、本考案はサイド電極の形成が一定となり、精度の良好な回路基板のサイド電極構造を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、絶縁材からなる回路基板と、この回路基板の外周縁部に設けられた凹部と、この凹部内の端面に設けられたサイド電極とを備え、前記凹部の底辺は、前記回路基板の前記外周縁部と略平行な直線状をなし、前記サイド電極が少なくとも直線状の前記底辺に位置する前記端面に形成された構成とした。
【0016】
また、第2の解決手段として、前記凹部は、直線状の前記底辺の両端部から前記外周縁部の間において、円弧状の凹み部を有した構成とした。
また、第3の解決手段として、前記外周縁部と前記凹み部とが交わる箇所、及びその箇所の周辺部には、前記サイド電極の非形成領域が設けられた構成とした。
また、第4の解決手段として、前記回路基板がセラミック基板によって形成された構成とした。
【0017】
【考案の実施の形態】
本考案の回路基板のサイド電極構造の図面を説明すると、図1は本考案の回路基板のサイド電極構造を示す要部の平面図、図2は本考案の回路基板のサイド電極構造を示す要部の断面図である。
【0018】
また、図3は本考案の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第1工程を示す説明図、図4は本考案の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第2工程を示す説明図、図5は本考案の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第3工程を示す説明図である。
【0019】
次に、本考案の回路基板のサイド電極構造の構成を図1,図2に基づいて説明すると、セラミック基板等の絶縁材からなる四角形状の回路基板1は、外周縁部1aと、この外周縁部1aに設けられた凹部2を有する。
【0020】
この凹部2は、外周縁部1aと略平行な直線状の底辺2aと、底辺2aの両端部から外周縁部1aの間に設けられた円弧状の凹み部2bとで構成され、凹部2は、楕円形が半分に切断されたような形状となっている。
【0021】
銀等の導電ペーストからなるサイド電極3は、凹部2内の直線状の底辺2aに位置する端面1bに設けられている。
そして、回路基板1の表面にいて、外周縁部1aと凹み部2bとが交わる箇所1c、及びその箇所1cの周辺部1dには、サイド電極3の非形成領域Rが設けられている。
【0022】
このような構成を有する回路基板1は、ここでは図示しないが、配線用の導電パターンが形成されると共に、種々の電子部品が搭載されて、所望の電気回路が形成されたものとなっている。
【0023】
次に、このような構成を有する本考案の回路基板のサイド電極構造の製造方法を図3〜図5に基づいて説明すると、先ず、第1工程では、図3に示すように、複数個の回路基板1の集合体である大版基板5を用意し、回路基板1の隣り合う箇所には、凹部2を形成するための楕円形状の透孔6を設けると共に、回路基板1の隣り合う境界線には、分割溝7を設ける。
【0024】
次に、第2工程では、図4に示すように、導電ペースト8が印刷によって、透孔6上を跨った状態で、隣り合う双方の回路基板1の表面に形成される。
【0025】
次に、第3工程では、図5に示すように、吸引装置(図示せず)によって、大版基板5の透孔6の下方から矢印A方向に吸引すると、透孔6上で跨った導電ペースト8が透孔56内に吸引され、吸引された導電ペースト8が透孔6内の端面1bに形成される。
【0026】
その後、分割溝7に沿って大版基板5を切断(分割)すると、図1,図2に示すように、凹部2内の底辺2aに位置する端面1bにサイド電極3を有した回路基板1が形成される。
【0027】
本考案のように、凹部2内にサイド電極3が形成されるものにあっては、サイド電極3の製造方法において、導電ペースト8が楕円形状の透孔6内に吸引されるようになる。
【0028】
しかしながら、楕円形状の透孔6は、直線状の対向する一対の直線辺部6aと、この一対の直線辺部6aを半円形辺部6bとで構成されており、半円形辺部6bでは、曲率が大きくなっているが、直線辺部6aでは曲率が無く、また、この直線辺部6aと半円形辺部6bとの繋ぎ目近傍では、曲率が極めて小さい。
【0029】
従って、この導電ペースト8の吸引時、曲率の無い直線辺部6aに位置した導電ペースト8が吸引されても、従来のような円形状の縁に沿って導電ペーストが破断する、ということが無く、端面1bcへのサイド電極3の形成が一定となり、精度の良いサイド電極3が得られる。
【0030】
なお、上記実施例では、直線辺部6a(直線状の底辺2a)にサイド電極3を設けたもので説明したが、サイド電極3が曲率が極めて小さい直線辺部6a(直線状の底辺2a)と半円形辺部6b(円上の凹み部2b)との繋ぎ目近傍にまで延長して形成されたものでも良い。
【0031】
【考案の効果】
本考案の回路基板のサイド電極構造は、絶縁材からなる回路基板と、この回路基板の外周縁部に設けられた凹部と、この凹部内の端面に設けられたサイド電極とを備え、凹部の底辺は、回路基板の外周縁部と略平行な直線状をなし、サイド電極が少なくとも直線状の底辺に位置する端面に形成されたため、サイド電極の製造時、曲率の無い底辺に位置した導電ペーストが吸引されても、従来のような円形状の縁に沿って導電ペーストが破断する、ということが無く、端面へのサイド電極の形成が一定となり、精度の良いサイド電極が得られる。
【0032】
また、凹部は、直線状の底辺の両端部から外周縁部の間において、円弧状の凹み部を有したため、底辺と円弧状の凹み部のと繋ぎ目近傍の曲率が極めて小さく、従って、導電ペースト(サイド電極)の形成範囲を広くできると共に、導電ペーストの印刷範囲にバラツキが生じても、導電ペーストの破断が少なく、精度の良いサイド電極が得られる。
また、円弧状の凹み部によって、大版基板の切断時、外周縁部と凹み部とが交わる箇所に切断応力が集中して、大版基板の切断が容易に、且つ、確実にできる。
【0033】
また、外周縁部と凹み部とが交わる箇所、及びその箇所の周辺部には、サイド電極の非形成領域が設けられたため、大版基板の切断箇所には、サイド電極が存在せず、大版基板の切断が容易に、且つ、確実にできる。
【0034】
また、回路基板がセラミック基板によって形成されたため、特に、小型化された回路基板のサイド電極に使用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の回路基板のサイド電極構造を示す要部の平面図。
【図2】本考案の回路基板のサイド電極構造を示す要部の断面図。
【図3】本考案の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第1工程を示す説明図。
【図4】本考案の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第2工程を示す説明図。
【図5】本考案の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第3工程を示す説明図。
【図6】従来の回路基板のサイド電極構造を示す要部の平面図。
【図7】従来の回路基板のサイド電極構造を示す要部の断面図。
【図8】従来の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第1工程を示す説明図。
【図9】従来の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第2工程を示す説明図。
【図10】従来の回路基板のサイド電極構造に係り、その製造方法の第2工程を示す説明図。
【符号の説明】
1 回路基板
1a 外周縁部
1b 端面
1c 交わる箇所
1d 周辺部
2 凹部
2a 底辺
2b 円弧状の凹み部
3 サイド電極
R 非形成領域
5 大版基板
6 透孔
6a 直線辺部
6b 半円形辺部
7 分割溝
8 導電ペースト

Claims (4)

  1. 絶縁材からなる回路基板と、この回路基板の外周縁部に設けられた凹部と、この凹部内の端面に設けられたサイド電極とを備え、前記凹部の底辺は、前記回路基板の前記外周縁部と略平行な直線状をなし、前記サイド電極が少なくとも直線状の前記底辺に位置する前記端面に形成されたことを特徴とする回路基板のサイド電極構造。
  2. 前記凹部は、直線状の前記底辺の両端部から前記外周縁部の間において、円弧状の凹み部を有したことを特徴とする請求項1記載の回路基板のサイド電極構造。
  3. 前記外周縁部と前記凹み部とが交わる箇所、及びその箇所の周辺部には、前記サイド電極の非形成領域が設けられたことを特徴とする請求項2記載の回路基板のサイド電極構造。
  4. 前記回路基板がセラミック基板によって形成されたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の回路基板のサイド電極構造。
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