JP3098874B2 - 回収塗料の使用方法 - Google Patents
回収塗料の使用方法Info
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- JP3098874B2 JP3098874B2 JP04290340A JP29034092A JP3098874B2 JP 3098874 B2 JP3098874 B2 JP 3098874B2 JP 04290340 A JP04290340 A JP 04290340A JP 29034092 A JP29034092 A JP 29034092A JP 3098874 B2 JP3098874 B2 JP 3098874B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装ブース等で回収さ
れた回収塗料の使用方法に関するものである。
れた回収塗料の使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗装ブース内において塗料をスプレー塗
装する場合、被塗装物に塗着しない塗料のダストが多く
発生するが、この塗料ダストは塗装ブース内の洗浄水に
溶解乃至分散させて捕集されている。この洗浄水に捕集
される塗料ダストは多量であり、これを廃棄しようとす
れば排水処理等の廃棄にかかわる多額の費用が必要とな
り、また廃棄したとしても土中に埋める方法が主流であ
って環境汚染の問題が発生するおそれがあり、しかも有
用な塗料の損失ともなる。
装する場合、被塗装物に塗着しない塗料のダストが多く
発生するが、この塗料ダストは塗装ブース内の洗浄水に
溶解乃至分散させて捕集されている。この洗浄水に捕集
される塗料ダストは多量であり、これを廃棄しようとす
れば排水処理等の廃棄にかかわる多額の費用が必要とな
り、また廃棄したとしても土中に埋める方法が主流であ
って環境汚染の問題が発生するおそれがあり、しかも有
用な塗料の損失ともなる。
【0003】そこで水性塗料については洗浄水に捕集さ
れた塗料を回収して再利用することが従来から検討され
ている。例えば特開昭49−51324号公報等に開示
されるような回収方法が提案されている。すなわち、塗
料の噴霧されたものを水に捕集して得られる塗料希釈水
を逆浸透濾過膜や限外濾過膜などに通して水を超濾過
し、濃度を元の塗料と同程度に戻すようにして再生使用
できるようにしたものである。
れた塗料を回収して再利用することが従来から検討され
ている。例えば特開昭49−51324号公報等に開示
されるような回収方法が提案されている。すなわち、塗
料の噴霧されたものを水に捕集して得られる塗料希釈水
を逆浸透濾過膜や限外濾過膜などに通して水を超濾過
し、濃度を元の塗料と同程度に戻すようにして再生使用
できるようにしたものである。
【0004】このように洗浄水に捕集された塗料を超濾
過により濃縮して回収することによって再利用すること
が可能である。しかしこの方法は塗装ブースで使用され
る塗料の色が一色であれば有効であるが、実際には被塗
装物や塗装目的等に応じて塗料は各種の色のものが使用
されるのが一般的であり、各種の色の塗料が同じ塗装ブ
ースで塗装に供されることが多い。そしてこのような場
合には塗装ブース内の洗浄水に捕集された塗料複数のは
色が混合されて灰色になり、回収塗料は元の色とは異な
る色になっている。従って回収塗料を元の色の塗料と同
じように使用することはできない。
過により濃縮して回収することによって再利用すること
が可能である。しかしこの方法は塗装ブースで使用され
る塗料の色が一色であれば有効であるが、実際には被塗
装物や塗装目的等に応じて塗料は各種の色のものが使用
されるのが一般的であり、各種の色の塗料が同じ塗装ブ
ースで塗装に供されることが多い。そしてこのような場
合には塗装ブース内の洗浄水に捕集された塗料複数のは
色が混合されて灰色になり、回収塗料は元の色とは異な
る色になっている。従って回収塗料を元の色の塗料と同
じように使用することはできない。
【0005】このために、回収塗料の使い途としては、
上塗り塗膜で隠蔽されることになって特に色が問題とさ
れない下塗り塗料(あるいは中塗り塗料)に使用するの
が好適である。
上塗り塗膜で隠蔽されることになって特に色が問題とさ
れない下塗り塗料(あるいは中塗り塗料)に使用するの
が好適である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし回収塗料は上塗
り塗料とは異なる色であるために、回収塗料を下塗り塗
料として使用するにあたって、下塗り塗料の塗膜の色が
上塗り塗装の塗装色に影響しないように上塗り塗膜で完
全に隠蔽するには、上塗り塗料を一般的に25〜30μ
m以上の膜厚となるように厚塗りに塗装する必要があ
り、上塗り塗料の使用量を多く必要とすると共に、上塗
り塗膜の厚みに制限がある場合には回収塗料を下塗り塗
料として使用することができなくなるという問題があっ
た。
り塗料とは異なる色であるために、回収塗料を下塗り塗
料として使用するにあたって、下塗り塗料の塗膜の色が
上塗り塗装の塗装色に影響しないように上塗り塗膜で完
全に隠蔽するには、上塗り塗料を一般的に25〜30μ
m以上の膜厚となるように厚塗りに塗装する必要があ
り、上塗り塗料の使用量を多く必要とすると共に、上塗
り塗膜の厚みに制限がある場合には回収塗料を下塗り塗
料として使用することができなくなるという問題があっ
た。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、上塗り塗膜の塗膜厚を薄くしても塗装色に影響す
ることなく回収塗料を下塗り塗装や中塗り塗装に使用す
ることができる回収塗料の使用方法を提供することを目
的とするものである。
あり、上塗り塗膜の塗膜厚を薄くしても塗装色に影響す
ることなく回収塗料を下塗り塗装や中塗り塗装に使用す
ることができる回収塗料の使用方法を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回収塗料の
使用方法は、複数の色が混合された回収塗料を上塗り塗
装の下塗り又は中塗りとして塗装することによって回収
塗料を使用するにあたって、回収塗料の塗膜の平均反射
率と上塗り塗膜の平均反射率の差が±5%以内になるよ
うに回収塗料を調整することを特徴とするものである。
使用方法は、複数の色が混合された回収塗料を上塗り塗
装の下塗り又は中塗りとして塗装することによって回収
塗料を使用するにあたって、回収塗料の塗膜の平均反射
率と上塗り塗膜の平均反射率の差が±5%以内になるよ
うに回収塗料を調整することを特徴とするものである。
【0009】また本発明にあって、回収塗料に白塗料若
しくは黒塗料を添加することによって回収塗料の塗膜の
平均反射率を調整することができる。さらに本発明にあ
って、電着塗装を下塗りとして実施して加熱乾燥した後
に、中塗りとして回収塗料を使用することができる。以
下、本発明を詳細に説明する。
しくは黒塗料を添加することによって回収塗料の塗膜の
平均反射率を調整することができる。さらに本発明にあ
って、電着塗装を下塗りとして実施して加熱乾燥した後
に、中塗りとして回収塗料を使用することができる。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明において回収塗料としては、塗装ブ
ース内においてスプレー塗装する際に発生する塗料ダス
トを塗装ブース内の洗浄水に溶解乃至分散させて捕集
し、この塗料ダストを水に捕集して得られる塗料希釈水
を逆浸透濾過膜や限外濾過膜などに通して水を超濾過す
ることによって、濃度を元の塗料と同程度に戻すように
して回収されたものを用いることができるものである。
塗装ブース内では色の異なる複数種の塗料を使用するこ
とが多いために、塗装ブース内の洗浄水に捕集して回収
した塗料は複数の色が混合されて一般に灰色になってい
る。
ース内においてスプレー塗装する際に発生する塗料ダス
トを塗装ブース内の洗浄水に溶解乃至分散させて捕集
し、この塗料ダストを水に捕集して得られる塗料希釈水
を逆浸透濾過膜や限外濾過膜などに通して水を超濾過す
ることによって、濃度を元の塗料と同程度に戻すように
して回収されたものを用いることができるものである。
塗装ブース内では色の異なる複数種の塗料を使用するこ
とが多いために、塗装ブース内の洗浄水に捕集して回収
した塗料は複数の色が混合されて一般に灰色になってい
る。
【0011】本発明ではこの回収塗料を下塗り(あるい
は中塗り)として使用するが、上塗り塗装と下塗り塗装
の2コートの場合の下塗り塗料に用いるのは勿論である
が、上塗り塗装と中塗り塗装及び下塗り塗装の3コート
の場合には下塗り塗料の他に中塗り塗料としても使用す
ることができる。すなわち自動車塗装工程で用いられる
ごとく、電着塗装を下塗り塗装して乾燥・焼き付けした
後に、回収塗料を中塗り塗料として用い、次いで上塗り
塗料を塗装することもできるものである。要するに本発
明にあって回収塗料を使用する下塗り(あるいは中塗
り)とは、上塗り塗装よりも下側に塗装されるもの総て
を含むと定義されるものである。回収塗料の塗装塗膜の
平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との差が±
5%以内であれば、回収塗料はそのまま下塗り(あるい
は中塗り)として使用することができる。
は中塗り)として使用するが、上塗り塗装と下塗り塗装
の2コートの場合の下塗り塗料に用いるのは勿論である
が、上塗り塗装と中塗り塗装及び下塗り塗装の3コート
の場合には下塗り塗料の他に中塗り塗料としても使用す
ることができる。すなわち自動車塗装工程で用いられる
ごとく、電着塗装を下塗り塗装して乾燥・焼き付けした
後に、回収塗料を中塗り塗料として用い、次いで上塗り
塗料を塗装することもできるものである。要するに本発
明にあって回収塗料を使用する下塗り(あるいは中塗
り)とは、上塗り塗装よりも下側に塗装されるもの総て
を含むと定義されるものである。回収塗料の塗装塗膜の
平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との差が±
5%以内であれば、回収塗料はそのまま下塗り(あるい
は中塗り)として使用することができる。
【0012】ここで本発明において平均反射率とは次の
ように定義される。すなわち回収塗料の平均反射率は、
420〜680nmの波長の反射領域における20nm
おきの反射率の平均値として定義される。また上塗り塗
料の平均反射率は、反射率/波長の勾配が1より小さい
(<1)反射領域における20nmおきの反射率の平均
値として定義される。
ように定義される。すなわち回収塗料の平均反射率は、
420〜680nmの波長の反射領域における20nm
おきの反射率の平均値として定義される。また上塗り塗
料の平均反射率は、反射率/波長の勾配が1より小さい
(<1)反射領域における20nmおきの反射率の平均
値として定義される。
【0013】しかし、一般的には回収塗料の塗装塗膜の
平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との差は±
5%を超えるのが普通である。そこでこの場合には、回
収塗料の塗装塗膜の平均反射率を上塗りの塗装塗膜の平
均反射率に近づけるように、回収塗料を調整する必要が
ある。平均反射率を調整するには、回収塗料に白色塗料
あるいは黒色塗料を添加して混合することによっておこ
なうことができる。回収塗料の塗装塗膜の平均反射率が
上塗りの塗装塗膜の平均反射率よりも低い場合には、回
収塗料に白色塗料を添加混合して平均反射率を高めるよ
うにするものであり、また回収塗料の塗装塗膜の平均反
射率が上塗りの塗装塗膜の平均反射率よりも高い場合に
は、回収塗料に黒色塗料を添加混合して平均反射率を低
下させるようにするものである。このように回収塗料の
平均反射率を調整して、回収塗料の塗装塗膜の平均反射
率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との差が±5%にな
るようにする。
平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との差は±
5%を超えるのが普通である。そこでこの場合には、回
収塗料の塗装塗膜の平均反射率を上塗りの塗装塗膜の平
均反射率に近づけるように、回収塗料を調整する必要が
ある。平均反射率を調整するには、回収塗料に白色塗料
あるいは黒色塗料を添加して混合することによっておこ
なうことができる。回収塗料の塗装塗膜の平均反射率が
上塗りの塗装塗膜の平均反射率よりも低い場合には、回
収塗料に白色塗料を添加混合して平均反射率を高めるよ
うにするものであり、また回収塗料の塗装塗膜の平均反
射率が上塗りの塗装塗膜の平均反射率よりも高い場合に
は、回収塗料に黒色塗料を添加混合して平均反射率を低
下させるようにするものである。このように回収塗料の
平均反射率を調整して、回収塗料の塗装塗膜の平均反射
率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との差が±5%にな
るようにする。
【0014】そしてこのように平均反射率を調整した回
収塗料を下塗り(あるいは中塗り)として塗布して乾燥
することによって塗装した後に、この上に顔料を配合し
て着色調製した上塗り塗料を塗布して乾燥することによ
って、塗装をおこなうことができるものである。このよ
うに回収塗料を下塗りとして塗装するにあたって、回収
塗料の塗装塗膜の平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均
反射率との差が±5%以下になるようにしてあるため
に、回収塗料による下塗り塗膜が上塗り塗膜の塗装色に
与える影響が小さくなり、上塗り塗膜の膜厚が20μm
程度以下でも下塗り塗膜を完全に隠蔽することができ、
上塗り塗料を従来のように25〜30μm以上の厚塗り
に塗装する必要がなくなるものである。下塗り塗装と上
塗り塗装とを同色の塗料でおこなった場合の表面の塗装
色と、回収塗料を下塗り塗装に使用した場合の表面の塗
装色との色差が1.0以下であれば、回収塗料を下塗り
塗装に使用した塗装系は合格と判定することができる
が、色差を1.0以下にするためには、回収塗料の塗装
塗膜の平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との
差が±5%以下であることが必要であり、従って本発明
において平均反射率の差は±5%以下に限定されるもの
である。そしてこのように回収塗料の平均反射率を調整
するにあたっては、白色塗料あるいは黒色塗料を回収塗
料に添加することによって簡便におこなうことができる
ために、この調整は塗装のライン内においても簡単にお
こなうことができるものである。
収塗料を下塗り(あるいは中塗り)として塗布して乾燥
することによって塗装した後に、この上に顔料を配合し
て着色調製した上塗り塗料を塗布して乾燥することによ
って、塗装をおこなうことができるものである。このよ
うに回収塗料を下塗りとして塗装するにあたって、回収
塗料の塗装塗膜の平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均
反射率との差が±5%以下になるようにしてあるため
に、回収塗料による下塗り塗膜が上塗り塗膜の塗装色に
与える影響が小さくなり、上塗り塗膜の膜厚が20μm
程度以下でも下塗り塗膜を完全に隠蔽することができ、
上塗り塗料を従来のように25〜30μm以上の厚塗り
に塗装する必要がなくなるものである。下塗り塗装と上
塗り塗装とを同色の塗料でおこなった場合の表面の塗装
色と、回収塗料を下塗り塗装に使用した場合の表面の塗
装色との色差が1.0以下であれば、回収塗料を下塗り
塗装に使用した塗装系は合格と判定することができる
が、色差を1.0以下にするためには、回収塗料の塗装
塗膜の平均反射率と上塗り塗装の塗膜の平均反射率との
差が±5%以下であることが必要であり、従って本発明
において平均反射率の差は±5%以下に限定されるもの
である。そしてこのように回収塗料の平均反射率を調整
するにあたっては、白色塗料あるいは黒色塗料を回収塗
料に添加することによって簡便におこなうことができる
ために、この調整は塗装のライン内においても簡単にお
こなうことができるものである。
【0015】尚、回収塗料で下塗り塗装をおこなうにあ
たって、上塗り塗膜の膜厚は下塗り塗膜の膜厚と同じか
若しくは下塗り塗膜の膜厚よりも厚く設定するのが好ま
しい。また下塗り塗装をおこなってから上塗り塗装をお
こなうまでの間の時間は長い程好ましく、遠赤外線加熱
装置等の補助乾燥装置を用いて下塗り塗膜を完全に乾燥
させてから上塗り塗装をおこなうようにするのが好まし
い。そして、上記の例では回収塗料として塗装ブースの
洗浄水から回収したものを用いるようにしたが、回収塗
料としてはこれのみに限定されるものではなく、例えば
色の調合ミス等で廃棄の対象になる不良品塗料を回収塗
料として使用することができるものである。
たって、上塗り塗膜の膜厚は下塗り塗膜の膜厚と同じか
若しくは下塗り塗膜の膜厚よりも厚く設定するのが好ま
しい。また下塗り塗装をおこなってから上塗り塗装をお
こなうまでの間の時間は長い程好ましく、遠赤外線加熱
装置等の補助乾燥装置を用いて下塗り塗膜を完全に乾燥
させてから上塗り塗装をおこなうようにするのが好まし
い。そして、上記の例では回収塗料として塗装ブースの
洗浄水から回収したものを用いるようにしたが、回収塗
料としてはこれのみに限定されるものではなく、例えば
色の調合ミス等で廃棄の対象になる不良品塗料を回収塗
料として使用することができるものである。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によって例証する。 (実施例1,2、比較例1,2,3)クリーム色塗料、
ベイジュ色塗料、ライトブルー色塗料、ブラウン色塗料
の四色の塗料をスプレー塗装した塗装ブースの洗浄水か
ら、不揮発分濃度が55重量%になるように限外濾過し
て灰色(グレー)の塗料を回収した。この回収塗料の塗
装塗膜の光の波長に対する反射率を表1に示す。
ベイジュ色塗料、ライトブルー色塗料、ブラウン色塗料
の四色の塗料をスプレー塗装した塗装ブースの洗浄水か
ら、不揮発分濃度が55重量%になるように限外濾過し
て灰色(グレー)の塗料を回収した。この回収塗料の塗
装塗膜の光の波長に対する反射率を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1から、420〜680nmの波長領域
における20nmおきの反射率を平均すると29.4%
であり、回収塗料の塗装塗膜の平均反射率は29.4%
であった。次に、この回収塗料100重量部に対してチ
タン顔料を40重量%含有する調整用のホワイト塗料を
表2に示す配合量で添加混合することによって、調整済
み回収塗料1、調整済み回収塗料2、調整済み回収塗料
3、調整済み回収塗料4をそれぞれ調製した。各調整済
み回収塗料の平均反射率は表2に示す通りであった。
における20nmおきの反射率を平均すると29.4%
であり、回収塗料の塗装塗膜の平均反射率は29.4%
であった。次に、この回収塗料100重量部に対してチ
タン顔料を40重量%含有する調整用のホワイト塗料を
表2に示す配合量で添加混合することによって、調整済
み回収塗料1、調整済み回収塗料2、調整済み回収塗料
3、調整済み回収塗料4をそれぞれ調製した。各調整済
み回収塗料の平均反射率は表2に示す通りであった。
【0019】
【表2】
【0020】一方、上塗り塗料としてオレンジ色塗料を
用いた。このオレンジ色塗料の塗装塗膜の各波長におけ
る反射率は図1に示す通りであり、640〜700nm
の波長領域における20nmおきの反射率は表3の通り
であった。表3の反射率から計算したオレンジ色塗料の
平均反射率は50.7%であった。
用いた。このオレンジ色塗料の塗装塗膜の各波長におけ
る反射率は図1に示す通りであり、640〜700nm
の波長領域における20nmおきの反射率は表3の通り
であった。表3の反射率から計算したオレンジ色塗料の
平均反射率は50.7%であった。
【0021】
【表3】
【0022】そして、回収塗料を1ステージ塗料(下塗
り塗料)として表4に示す乾燥膜厚になるように塗布
し、140℃で20分間焼き付けた後に、オレンジ色塗
料を2ステージ塗料(上塗り塗料)として塗布して同様
に焼き付けることによって、2コート塗装をおこなっ
た。ここで、回収塗料とオレンジ色塗料の塗装塗膜の平
均反射率の差が5%以内の調整済み回収塗料2及び調整
済み回収塗料3はそれぞれ実施例1,2として、また回
収塗料とオレンジ色塗料の塗装塗膜の平均反射率の差が
5%を超える未調整回収塗料及び調整済み回収塗料1、
調整済み回収塗料4はそれぞれ比較例1,2,3として
使用した。また比較のために、1ステージ塗料と2ステ
ージ塗料としていずれもオレンジ色塗料を用い、表4に
示す乾燥膜厚になるように塗布して同様に焼き付けるこ
とによって2コート塗装をおこない、これをコントロー
ル1とした。
り塗料)として表4に示す乾燥膜厚になるように塗布
し、140℃で20分間焼き付けた後に、オレンジ色塗
料を2ステージ塗料(上塗り塗料)として塗布して同様
に焼き付けることによって、2コート塗装をおこなっ
た。ここで、回収塗料とオレンジ色塗料の塗装塗膜の平
均反射率の差が5%以内の調整済み回収塗料2及び調整
済み回収塗料3はそれぞれ実施例1,2として、また回
収塗料とオレンジ色塗料の塗装塗膜の平均反射率の差が
5%を超える未調整回収塗料及び調整済み回収塗料1、
調整済み回収塗料4はそれぞれ比較例1,2,3として
使用した。また比較のために、1ステージ塗料と2ステ
ージ塗料としていずれもオレンジ色塗料を用い、表4に
示す乾燥膜厚になるように塗布して同様に焼き付けるこ
とによって2コート塗装をおこない、これをコントロー
ル1とした。
【0023】実施例1,2及び比較例1,2,3におけ
る塗装表面の色と、コントロール1における塗装表面の
色との色差を測定した。結果を表4に示す。
る塗装表面の色と、コントロール1における塗装表面の
色との色差を測定した。結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】(実施例3,比較例4,5)上塗り塗料と
して赤色塗料を用いた。この赤色塗料の塗装塗膜の各波
長における反射率は図1に示す通りであり、640〜7
00nmの波長領域における20nmおきの反射率は上
記表3の通りであった。上記表3の反射率から計算した
オレンジ色塗料の平均反射率は35.6%であった。
して赤色塗料を用いた。この赤色塗料の塗装塗膜の各波
長における反射率は図1に示す通りであり、640〜7
00nmの波長領域における20nmおきの反射率は上
記表3の通りであった。上記表3の反射率から計算した
オレンジ色塗料の平均反射率は35.6%であった。
【0026】回収塗料として上記の未調整回収塗料及び
調整済み回収塗料1、調整済み回収塗料2を用い、回収
塗料を1ステージ塗料(下塗り塗料)として表5に示す
乾燥膜厚になるように塗布し、140℃で20分間焼き
付けた後に、赤色塗料を2ステージ塗料(上塗り塗料)
として塗布して同様に焼き付けることによって、2コー
ト塗装をおこなった。ここで、回収塗料と赤色塗料の塗
装塗膜の平均反射率の差が5%以内の調整済み回収塗料
1は実施例3として、また回収塗料と赤色塗料の塗装塗
膜の平均反射率の差が5%を超える未調整回収塗料及び
調整済み回収塗料2はそれぞれ比較例4,5として使用
した。また比較のために、1ステージ塗料と2ステージ
塗料としていずれも赤色塗料を用い、表5に示す乾燥膜
厚になるように塗布して同様に焼き付けることによって
2コート塗装をおこない、これをコントロール2とし
た。
調整済み回収塗料1、調整済み回収塗料2を用い、回収
塗料を1ステージ塗料(下塗り塗料)として表5に示す
乾燥膜厚になるように塗布し、140℃で20分間焼き
付けた後に、赤色塗料を2ステージ塗料(上塗り塗料)
として塗布して同様に焼き付けることによって、2コー
ト塗装をおこなった。ここで、回収塗料と赤色塗料の塗
装塗膜の平均反射率の差が5%以内の調整済み回収塗料
1は実施例3として、また回収塗料と赤色塗料の塗装塗
膜の平均反射率の差が5%を超える未調整回収塗料及び
調整済み回収塗料2はそれぞれ比較例4,5として使用
した。また比較のために、1ステージ塗料と2ステージ
塗料としていずれも赤色塗料を用い、表5に示す乾燥膜
厚になるように塗布して同様に焼き付けることによって
2コート塗装をおこない、これをコントロール2とし
た。
【0027】実施例3及び比較例4,5における塗装表
面の色と、コントロール2における塗装表面の色との色
差を測定した。結果を表5に示す。
面の色と、コントロール2における塗装表面の色との色
差を測定した。結果を表5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】表4及び表5にみられるように、回収塗料
と上塗り塗料の塗装塗膜の平均反射率の差が5%以下の
実施例1,2,3のものは、上塗り塗料の塗膜厚を14
〜15μmと薄くしても、コントロールとの間の色差が
1.0以下であり、塗装外観が合格になるものであっ
た。 (実施例4)下塗り塗料としてカチオン電着塗料(日本
ペイント株式会社製「パワートップU2600」)を用
いて、鋼板に電着塗装した後水洗して170℃、20分
間の条件で加熱硬化させた。この後に実施例3で用いた
回収塗料を中塗り塗料として実施例3と同様に塗装する
と共に実施例3で用いた上塗り塗料を同様に塗装した。
上塗り塗装と下塗り塗装の色差は0.4であり、実施例
3と同等の良好な結果を得た。
と上塗り塗料の塗装塗膜の平均反射率の差が5%以下の
実施例1,2,3のものは、上塗り塗料の塗膜厚を14
〜15μmと薄くしても、コントロールとの間の色差が
1.0以下であり、塗装外観が合格になるものであっ
た。 (実施例4)下塗り塗料としてカチオン電着塗料(日本
ペイント株式会社製「パワートップU2600」)を用
いて、鋼板に電着塗装した後水洗して170℃、20分
間の条件で加熱硬化させた。この後に実施例3で用いた
回収塗料を中塗り塗料として実施例3と同様に塗装する
と共に実施例3で用いた上塗り塗料を同様に塗装した。
上塗り塗装と下塗り塗装の色差は0.4であり、実施例
3と同等の良好な結果を得た。
【0030】
【発明の効果】上記のように本発明は、複数の色が混合
された回収塗料を上塗り塗装の下塗り又は中塗りとして
塗装することによって回収塗料を使用するにあたって、
回収塗料の塗膜の平均反射率と上塗り塗膜の平均反射率
の差が±5%以内になるように回収塗料を調整したの
で、回収塗料による下塗り塗膜(あるいは中塗り塗膜)
が上塗り塗膜の塗装色に与える影響が小さくなって上塗
り塗膜の膜厚が薄くても下塗り塗膜(中塗り塗膜)を隠
蔽することができ、上塗り塗膜の塗膜厚を薄くしても塗
装色に影響することなく回収塗料を下塗り塗装や中塗り
塗装に使用することができるものである。
された回収塗料を上塗り塗装の下塗り又は中塗りとして
塗装することによって回収塗料を使用するにあたって、
回収塗料の塗膜の平均反射率と上塗り塗膜の平均反射率
の差が±5%以内になるように回収塗料を調整したの
で、回収塗料による下塗り塗膜(あるいは中塗り塗膜)
が上塗り塗膜の塗装色に与える影響が小さくなって上塗
り塗膜の膜厚が薄くても下塗り塗膜(中塗り塗膜)を隠
蔽することができ、上塗り塗膜の塗膜厚を薄くしても塗
装色に影響することなく回収塗料を下塗り塗装や中塗り
塗装に使用することができるものである。
【図1】オレンジ色上塗り塗料と赤色上塗り塗料の光の
波長と反射率との関係を示すグラフである。
波長と反射率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡井 敏博 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 楫野 哲郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−213175(JP,A) 特開 昭54−7445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26
Claims (3)
- 【請求項1】 複数の色が混合された回収塗料を上塗り
塗装の下塗り又は中塗りとして塗装することによって回
収塗料を使用するにあたって、回収塗料の塗膜の平均反
射率と上塗り塗膜の平均反射率の差が±5%以内になる
ように回収塗料を調整することを特徴とする回収塗料の
使用方法。 - 【請求項2】 回収塗料に白塗料若しくは黒塗料を添加
することによって回収塗料の塗膜の平均反射率を調整す
ることを特徴とする請求項1に記載の回収塗料の使用方
法。 - 【請求項3】 電着塗装を下塗りとして実施して加熱乾
燥した後に、中塗りとして回収塗料を使用することを特
徴とする請求項1又は2に記載の回収塗料の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04290340A JP3098874B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 回収塗料の使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04290340A JP3098874B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 回収塗料の使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06134388A JPH06134388A (ja) | 1994-05-17 |
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Family
ID=17754792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04290340A Expired - Fee Related JP3098874B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 回収塗料の使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3098874B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004532110A (ja) * | 2001-04-20 | 2004-10-21 | メッツォ ペーパー、インク. | 顔料塗工液配合の制御方法及びシステム |
KR101630943B1 (ko) * | 2014-10-13 | 2016-06-16 | 주식회사 포스코 | 고산화성 금속소재의 마찰교반 용접장치 및 이를 활용한 마찰교반 용접방법 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003047895A (ja) * | 2001-08-08 | 2003-02-18 | Nippon Paint Co Ltd | 水性中塗り塗料のリサイクル方法 |
-
1992
- 1992-10-28 JP JP04290340A patent/JP3098874B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2004532110A (ja) * | 2001-04-20 | 2004-10-21 | メッツォ ペーパー、インク. | 顔料塗工液配合の制御方法及びシステム |
KR101630943B1 (ko) * | 2014-10-13 | 2016-06-16 | 주식회사 포스코 | 고산화성 금속소재의 마찰교반 용접장치 및 이를 활용한 마찰교반 용접방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06134388A (ja) | 1994-05-17 |
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