JP3098776U - 情報隠蔽帳票 - Google Patents

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Abstract

【課題】廉価に作製でき、かつ簡単な方法で確実に情報を隠蔽できる情報隠蔽帳票を提供する。
【解決手段】単片シート11の長手方向の両側縁部11a,11bに沿って剥離剤13を塗布し、単片シート11を幅方向に沿って形成した折り返しライン14に基づいて二つ折りすることで単片シート11上の情報表示面12を隠蔽するとともに、単片シート11を冊子状に複数枚重ね合わせ、剥離剤13に接する両側端面13a,13bに、接着剤に界面活性剤を添加した背糊15,15を塗工してセットバラを可能にする。
【選択図】 図1

Description

【考案の属する技術分野】
本考案は、秘匿性を有する情報を隠蔽でき、納品書や請求書として好適な情報隠蔽帳票に関する。
【従来の技術】
従来、納品書や請求書のように、購入品目や支払金額などの明細を通知する場合には、その明細を隠蔽するために図3に示すような方法を採用している。
すなわち、同図に示すように、単片シート1を折返しライン2に沿って折り返すことで、単片シート1に表示された情報を隠すものとしている。また、単片シート1を折り返しただけでは情報を他者に容易に盗み見られてしまう恐れがあるので、情報表示面3にはある程度の隠蔽力を持たせる必要がある。
その方法としては、例えば圧着剥離糊4を利用した擬似接着が知られている。この方法は、単片シート1の情報表示面3に熱溶融する圧着剥離糊4を事前に塗工し、折返しライン2に沿って単片シート1を折り返して専用シーラー機で情報表示面3を圧着するというものである。圧着された情報表示面3は所定の力で剥がせば見ることができるようになる。
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上述した圧着方法を採用した場合、使用する圧着剥離糊4が通常の接着剤に比べると高価である上に、圧着するための専用シーラー機が必要になることから作製コストが高くなってしまう。
また、圧着剥離糊4は一般に湿度が高い場合には接着力が強く、湿度が低い場合や酸化した場合には接着力が弱くなる性質があり、その接着力にバラツキがあるので、情報表示面3に圧着剥離糊4を塗工する際に圧着剥離力の調整が難しい。この情報表示面3の圧着剥離力の強弱によっては、使用時に単片シート1に破れや剥がれが発生したり、保管時に酸化によって経時劣化して剥がれが生じたりすることがある。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、廉価に作製でき、かつ簡単な方法で確実に情報を隠蔽できる情報隠蔽帳票を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本考案の請求項1に係る情報隠蔽帳票は、単片シートを幅方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートの長手方向の両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする。
また、本考案の請求項2に係る情報隠蔽帳票は、単片シートを長手方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートの幅方向の両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする。
また、本考案の請求項3に係る情報隠蔽帳票は、幅方向の両側縁部に沿って剥離剤を塗布した単片シートを剥離剤が外側を向くように長手方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートが複数枚重ね合わされて、前記単片シートの前記剥離剤に接する両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする。
また、本考案の請求項4に係る情報隠蔽帳票は、幅方向の両側縁部に沿って剥離剤を塗布した単片シートを剥離剤が外側を向くように長手方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートが複数枚重ね合わされて、前記単片シートの前記剥離剤に接する両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする。
この考案によると、単片シート上の情報表示面においては、用紙に浸透して接着する接着剤に界面活性剤を添加することで接着剤の用紙への浸透力が軽減されて剥離可能な擬似接着状態が得られる。また、単片シートを複数枚重ね合わせた場合、重なり合う単片シート同士の接触面においては、剥離剤を塗布することで接着剤の用紙間への過剰な浸透を防いで接着されることがなく、カッター等の刃具を用いなくても用紙間を分離すること(以下、「セットバラ」という)が可能になる。
このように、本考案によれば、高価な圧着剥離糊を使用せずに済み、圧着する専用シーラー機も不要であることから廉価に作製でき、かつ剥離剤と背糊の塗布箇所を限定するだけの簡単な方法で確実に情報を隠蔽できる。
【考案の実施の形態】
以下、本考案の一実施形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本考案に係る情報隠蔽帳票の作製工程を示す説明図であり、図2は同帳票の変形例を示す部分拡大図である。また、図1において、図中左側は同帳票の全体を示しており、図中右側は同帳票の側面を拡大して示している。
まず、図1(a)に示すように、この情報隠蔽帳票10は、矩形状の単片シート11を用いて作製される。単片シート11の片面には情報表示面12が設定されており、この情報表示面12に例えば購入品目や支払金額などの秘匿性を有する情報を表示することで納品書や請求書として適用できる。
そして、情報表示面12の裏面側には剥離剤13が塗布される。この剥離剤13は、単片シート11を複数枚重ね合わせて積層し、後述する背糊15を塗布する際に接着剤が帳票内に過剰に浸透するのを堰き止める役割を果たすとともに、各単片シート11,11,…のセットバラを容易にする役割を果たす。また、剥離剤13は、情報表示面12の範囲内に限定し、単片シート11の長手方向における両側縁部11a,11bに沿って所定幅でストライプ状に塗布される。本実施形態では、剥離剤13の一例として無色透明なインキであるハクリOPニス(T&K TOKA製、商品名)を用いてスクリーン印刷されている。
さらに、情報表示面12の略中央部分には、単片シート11の幅方向に沿って折返しライン14が設けられている。折返しライン14は情報表示面12と同一面であって、剥離剤13の塗布面とは反対面に形成される。すなわち、図1(b)に示すように、折返しライン14に基づいて単片シート11を二つ折りすることで、剥離剤13が外側を向いた状態で情報表示面12に表示された情報が隠蔽される。
続いて、図1(c)に示すように、二つ折りした状態の単片シート11を、情報表示面12の向きを揃えて冊子状に複数枚重ね合わせる。そして、重ね合わせた複数枚の単片シート11,11,…の長手方向において、剥離剤13に接する両側端面13a,13bに図示しない塗工ローラで背糊15を塗工する背糊加工が行なわれる。
本考案で使用する背糊15は接着剤に界面活性剤を添加して混練したものである。ベースとなる接着剤は、ポリエチレン樹脂等のホットメルト系接着剤や、アクリル樹脂等を主成分とする水系エマルジョンタイプの接着剤を使用できる。添加剤となる界面活性剤は、その性質を表わす指標として親水性と親油性の均衡を示すHLB(Hydrophile−Lipophile−Balance)が5〜25(望ましくは8〜20)の範囲内にある水溶性よりも油溶性に近いものが好適である。
接着剤に界面活性剤を添加する理由は、界面活性剤を添加しない通常の接着剤だけであると剥離剤13を塗布した剥がしたい箇所までも接着されてしまうのに対して、界面活性剤を添加することで剥離剤13を塗布した剥がしたい箇所は剥離でき、剥離剤13を塗布しない接着させたい箇所には必要な接着力が得られるようになるためである。このような作用効果が得られる理由は、本来なら紙に浸透して接着する接着剤が、界面活性剤を添加することで紙への浸透力が軽減されるためであると考えられる。
こうして、剥離剤13に接する両側端面13a,13bに塗工された背糊15は、上述した理由から剥離剤13が塗布されていない情報表示面12には浸透するが、剥離剤13が塗布された単片シート11同士の接触面には浸透しない。この浸透原理によって、図1(d)に示すように、情報表示面12が所定の接着力で接着された情報隠蔽帳票10を単片シート11同士の接触面P1,P2,…を介して簡単にセットバラにすることができる。
また、セットバラになった情報隠蔽帳票10は、接着されている情報表示面12を所定の力で剥がすことにより情報表示面12に表示されている秘匿性を有する情報を見ることができる。
さらに、情報表示面12の隠蔽力は背糊15の塗工幅によって可変できる。例えば、図2に示す単片シート11を側面から見たときに、同図(a)に示すように二つ折りした先端部の1箇所にのみ塗工した場合には隠蔽力が低く、同図(b)に示すように先端部と折返しラインの2箇所に塗工した場合、…、同図(c)に示すように先端部から折返しラインにかけて全面に塗工した場合のように徐々に隠蔽力を高くすることができる。この背糊15の塗工幅は、情報表示面12に表示される情報の内容や作製コストを考慮して適宜変更すれば良い。
なお、上述した実施形態では、単片シート11の長手方向の両側縁部11a,11bに沿って剥離剤13,13を塗布し、剥離剤13,13に接する長手方向の両側端面13a,13bに背糊15,15を塗工するものとしたが、これに替えて、単片シート11の幅方向の両側縁部に沿って剥離剤13,13を塗布し、剥離剤13,13に接する幅方向の両側端面に背糊15,15を塗工する構成を採用しても良い。この構成を採用すると、剥離剤13と背糊15の塗布量を減らした上で上述した実施形態の情報表示面12と同一面積の情報表示面を隠蔽できるという利点がある。
【考案の効果】
以上説明したように、本考案に係る情報隠蔽帳票によれば、情報表示面においては、接着剤に界面活性剤を添加した背糊を使用することで浸透力が軽減して剥離可能な擬似接着状態が得られ、重なり合う単片シート同士の接触面においては、剥離剤を塗布することで背糊の用紙間への過剰な浸透を防いで接着されず、簡単にセットバラが可能になる。このように、本考案に係る情報隠蔽帳票によれば、高価な圧着剥離糊を使用せずに済み、圧着する専用シーラー機も不要であることから廉価に作製でき、かつ剥離剤と背糊の塗布箇所を限定するだけの簡単な方法で確実に情報を隠蔽できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る情報隠蔽帳票の作製工程を示す説明図。
【図2】本考案に係る情報隠蔽帳票の変形例を示す部分拡大図。
【図3】従来の情報隠蔽方法を示す説明図。
【符号の説明】
10 情報隠蔽帳票
11 単片シート
12 情報表示面
13 剥離剤
14 折返しライン
15 背糊
P1,P2,… 単片シート同士の接触面

Claims (4)

  1. 単片シートを幅方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートの長手方向の両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする情報隠蔽帳票。
  2. 単片シートを長手方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートの幅方向の両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする情報隠蔽帳票。
  3. 長手方向の両側縁部に沿って剥離剤を塗布した単片シートを前記剥離剤が外側を向くように幅方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートが複数枚重ね合わされて、前記単片シートの前記剥離剤に接する両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする情報隠蔽帳票。
  4. 幅方向の両側縁部に沿って剥離剤を塗布した単片シートを剥離剤が外側を向くように長手方向に沿って折り返すことで前記単片シート上に表示された情報が隠蔽され、かつ前記単片シートが複数枚重ね合わされて、前記単片シートの前記剥離剤に接する両側端面に、接着剤に界面活性剤を添加した背糊が塗工されていることを特徴とする情報隠蔽帳票。
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