JP3098631U - コルゲートチューブ装着具 - Google Patents

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牧野 晶
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サニア工業株式会社
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Abstract

【課題】内径の小さいコルゲートチューブにも使用し易くする。
【解決手段】本体1は、左右の側面を指L1、L2で摘む板状にし、本体1の前端は、コルゲートチューブtの軸方向のスリットsに分け入る先細の横断面形状の楔部2にし、本体1の下端は、コルゲートチューブt内を軸方向に前進する円弧縦断面形状の案内部3にし、本体1は、右側又は左側の片面に、電線束wの一部分を挿入する電線溝4を本体1の前端又は上端から後端又は下端に貫通し、電線溝4の後端又は下端から突出する電線束wを案内部3の後側に配置する構成にした。また、案内部3は、左右の端部をそれぞれ本体1の左右の側面より突出し、その突出端部にコルゲートチューブtのスリットsの内側縁を引っ掛ける構成にした。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、電線の束にコルゲートチューブを被せる装着具に関する。
【0002】
【従来の技術】
コルゲートチューブは、ハーネスとも言われる電線束を保護する合成樹脂成形品の波形管で、弾性のある管壁に電線束挿入用のスリットを軸方向に形成している。
【0003】
コルゲートチューブの装着具は、特許文献1や特許文献2に開示されているように、弾性のある樹脂板をU字形状断面に湾曲し、前後方向に貫通する半円筒板の底部と、その左右の両側から立ち上がる平板の側板部とを形成している。
【0004】
装着具の底部には、両側の側板部の間から電線束を挿入し、コルゲートチューブを被せる電線束を前後方向に貫通する構成にしている。
【0005】
装着具の両側の側板部は、左右に並列し、外側から指で挟むと内側に湾曲して左右の上辺が近接する構成にしている。左右の側板部は、それぞれ、直角三角形状にしてその上辺を前下りの斜線にし、斜線の上辺にフランジを外向きに突出して形成している。側板部は、左右の上辺部をコルゲートチューブのスリットに挿入すると共に、左右のフランジをスリットの左右の内側縁に引っ掛けて、コルゲートチューブのスリットを周方向に広げる構成にしている。
【0006】
電線束にコルゲートチューブを被せるときには、装着具の底部に電線束を前後方向に貫通する。装着具の左右の側板部は、内側に湾曲して左右の上辺の後端部を近接し、その左右のフランジ付き上辺部に、その後端からコルゲートチューブの前端を差し込む。すると、コルゲートチューブの前端部は、スリットが周方向に広がる。
【0007】
次に、コルゲートチューブの前端部は、装着具の側板部のフランジ付き上辺部に嵌合した状態で、その上辺部に沿って前下りに前進させる。すると、コルゲートチューブの前端部は、スリットが周方向に広がった状態で、装着具の底部の前側に突出している電線束に突き当たり、その電線束に馬乗りになる。
【0008】
コルゲートチューブは、前端部又はその後側の一部分が装着具の側板部のフランジ付き上辺部に嵌合した状態で、更に前進させる。すると、コルゲートチューブの前端部は、装着具の側板部のフランジ付き上辺部を通過し、それ自身の弾性でスリットが閉鎖する。コルゲートチューブの前端部が装着具の底部前側の電線束を被覆することになる。
【0009】
コルゲートチューブは、装着具の側板部のフランジ付き上辺部を後側から前側に通過する部分が、順次、装着具の前側に突出している電線束に嵌合して被さる。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−245840号公報
【特許文献2】
特開平10−106367号公報
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、従来のコルゲートチューブ装着具は、内径の小さいコルゲートチューブには使用し難い。
【0012】
上記の従来の装着具は、内径の小さいコルゲートチューブに使用するときには、両側の側板部のフランジ付き上辺部を、小径のコルゲートチューブ内に挿入するため、側板部とフランジを薄くし、フランジの突出長さを短くしなければならない。内径が3mm程度の小径コルゲートチューブ用に設計すると、側板部の厚さとフランジの突出長さの和が内径の半分、1.5mm程度になり、側板部の厚さが非常に薄くなり、フランジの突出長さが非常に短くなる。
【0013】
U字形状湾曲板の装着具は、側板部がこのように薄くなると、取り扱い難くなる。また、フランジの突出長さがこのように短くなると、フランジがコルゲートチューブのスリット内側縁から外れ易くなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
1)図7に例示するように、本体1は、左右の側面を指L1、L2で摘む板状にし、
本体1の前端は、コルゲートチューブtの軸方向のスリットsに分け入る先細の横断面形状の楔部2にし、
本体1の下端は、コルゲートチューブt内を軸方向に前進する円弧縦断面形状の案内部3にし、
本体1は、右側又は左側の片面に、電線束wの一部分を挿入する電線溝4を本体1の前端又は上端から後端又は下端に貫通し、電線溝4の後端又は下端から突出する電線束wを案内部3の後側に配置する構成にしたことを特徴とするコルゲートチューブ装着具。
【0015】
2)上記のコルゲートチューブ装着具において、
案内部3は、左右の端部をそれぞれ本体1の左右の側面より突出し、その突出端部にコルゲートチューブtのスリットsの内側縁を引っ掛ける構成にしたことを特徴とする。
【0016】
【考案の効果】
本考案のコルゲートチューブ装着具を使用するときは、電線溝に電線束の一部分を挿入し、電線溝の後端又は下端から突出する電線束を案内部の後側に配置し、本体の左右の側面を指で摘み、電線溝を指で覆って電線束の電線溝挿入部分を本体に保持する。
【0017】
次に、本体の楔部をコルゲートチューブの端部のスリットに差し込むと共に、本体の案内部をコルゲートチューブの端部内に挿入し、本体と電線束の電線溝挿入部分をコルゲートチューブに対して移動し、本体の案内部を、コルゲートチューブ内をその軸方向に前進させる。すると、案内部の後側に位置する電線束は、コルゲートチューブ内に引き込まれる。電線束にコルゲートチューブが被せられる。
【0018】
本考案のコルゲートチューブ装着具は、内径の小さいコルゲートチューブにも使用し易い。
【0019】
内径の小さいコルゲートチューブに使用するときには、本体の厚さと案内部の径は、コルゲートチューブの内径の半分程度にする必要がなく、コルゲートチューブの内径程度にすれば良い。この程度の寸法では、従来品のように取り扱いが難しくなることはない。
【0020】
【考案の実施の形態】
コルゲートチューブは、合成樹脂成形品の波形管で、弾性のある管壁に電線束挿入用のスリットを軸方向に形成している。電線束は、自動車に使用されるハーネスであり、複数本の電線の束である。
【0021】
図1〜図5に示すコルゲートチューブ装着具は、合成樹脂成形品である。装着具の本体1は、左右の側面を親指と人差指で摘むほぼ平板の板状にしている。板状の本体1は、後下端を切り欠いて、前後方向長さを、下端で短く、上端で長くしている。
【0022】
本体1の前端は、コルゲートチューブの軸方向のスリットに分け入る楔部2にしている。楔部2は、横断面形状を先細三角形状にしている。
【0023】
本体1の下端は、コルゲートチューブ内を軸方向に前進する案内部3にしている。案内部3は、縦断面形状を円弧形状にしている。
【0024】
円弧縦断面形状の案内部3は、左右方向の径を本体1の厚さより少し大きくし、左右の端部をそれぞれ本体1の左右の側面より突出している。案内部3をコルゲートチューブ内に入れると、案内部3の左右の突出端部にコルゲートチューブのスリットの左右の内側縁が引っ掛かり、案内部3がスリットから外側に抜け出し難くなる。
【0025】
本体1は、右側の片面に、電線束の一部分を挿入する電線溝4を後下がりの斜め方向に貫通している。電線溝4は、前端ないし上端を本体1の前上端に配置し、後端ないし下端を本体1の後下端、案内部3の後端位置に配置している。
【0026】
実施例では、コルゲートチューブ装着具の寸法は、図3と図4に示すように、厚さが3mm、高さが15mmで、長さが20mmである。コルゲートチューブは、内径が3mmである。
【0027】
このコルゲートチューブ装着具1を使用するときは、図6に示すように、電線溝4に電線束wの一部分を挿入し、電線溝4の後端ないし下端から突出する電線束wの大部分を案内部3の後側に配置する。
【0028】
そして、図7に鎖線で示すように、装着具1の左右の側面を一方の手の親指L1と人差指L2で摘み、電線溝4を親指L1で覆って、電線束wの電線溝挿入部分を装着具1に押し付けて保持する。他方の片手の親指R1と人差指R2でコルゲートチューブtの端部を摘む。
【0029】
次に、両手の操作で、楔部2をコルゲートチューブtの端部のスリットsに差し込むと共に、案内部3をコルゲートチューブtの端部内に挿入し、図8に示すように、装着具1と電線束wの電線溝挿入部分をコルゲートチューブtに対してその軸方向に相対的に移動し、案内部3を、コルゲートチューブt内をその軸方向に前進させる。すると、案内部3の後側に位置する電線束wは、コルゲートチューブt内に引き込まれる。
【0030】
装着具1と電線束wがコルゲートチューブtに対して前進するに従って、コルゲートチューブt内に引き込まれる電線束wの長さが増加する。コルゲートチューブtのスリットsは、装着具1が挟み込まれると、その挟み込み部分とその付近では周方向に広がり、装着具1が通過すると、装着具1から後方に離れた部分では、それ自身の弾性で閉鎖する。
【0031】
装着具1と電線束wがコルゲートチューブtに対して前進すると、電線束wにコルゲートチューブtが被せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施形態におけるコルゲートチューブ装着具の右側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】同コルゲートチューブ装着具の左側面図。
【図5】同コルゲートチューブ装着具の概略斜視図。
【図6】同コルゲートチューブ装着具の電線溝に電線束を挿入した状態の概略斜視図。
【図7】同コルゲートチューブ装着具をコルゲートチューブに差し込む直前の状態の概略斜視図。
【図8】同コルゲートチューブ装着具をコルゲートチューブに差し込んだ状態の概略斜視図。
【符号の説明】
1 コルゲートチューブ装着具、本体
2 楔部
3 案内部
4 電線溝
w 電線束
t コルゲートチューブ
s コルゲートチューブのスリット
L1、R1 親指
L2、R2 人差指

Claims (2)

  1. 本体は、左右の側面を指で摘む板状にし、
    本体の前端は、コルゲートチューブの軸方向のスリットに分け入る先細の横断面形状の楔部にし、
    本体の下端は、コルゲートチューブ内を軸方向に前進する円弧縦断面形状の案内部にし、
    本体は、右側又は左側の片面に、電線束の一部分を挿入する電線溝を本体の前端又は上端から後端又は下端に貫通し、電線溝の後端又は下端から突出する電線束を案内部の後側に配置する構成にしたことを特徴とするコルゲートチューブ装着具。
  2. 案内部は、左右の端部をそれぞれ本体の左右の側面より突出し、その突出端部にコルゲートチューブのスリットの内側縁を引っ掛ける構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のコルゲートチューブ装着具。
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