JP2588348Y2 - L字曲がりカバー通し用治具 - Google Patents

L字曲がりカバー通し用治具

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JP2588348Y2
JP2588348Y2 JP1993065350U JP6535093U JP2588348Y2 JP 2588348 Y2 JP2588348 Y2 JP 2588348Y2 JP 1993065350 U JP1993065350 U JP 1993065350U JP 6535093 U JP6535093 U JP 6535093U JP 2588348 Y2 JP2588348 Y2 JP 2588348Y2
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shaped bent
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秀男 田中
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、L字曲がりカバーに電
線を通す際に用いられる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】車両本体側から引き出され、例えばドア
内部に配索されるワイヤーハーネスを構成する電線は、
いわゆるL字曲がりカバーに通され、その引き出し方向
を変えて配線される。L字曲がりカバーは、全体として
略L字形状を有しており、電線を導入するための電線導
入孔と、電線導入孔に連通接続され、当該電線導入孔か
ら導入されてきた電線をその導入方向とは異なる方向に
導出させるための電線導出孔とを備えている。
【0003】電線をL字曲がりカバーに通す作業は、電
線の端部に端子金具を圧着した後の前加工工程で行われ
る。図4は、従来の電線をL字曲がりカバーに通す際の
作業手順を示す図である。同図を参照して、従来のL字
曲がりカバー通し作業では、L字曲がりカバー1の全長
よりも長い治具2が利用され、この治具2をL字曲がり
カバー1に挿通してL字曲がりカバー1を略真っ直ぐに
し、電線をL字曲がりカバー1の電線導入孔11から電
線導出孔12に通すことによりL字曲がりカバー通し作
業が達成される。治具2は、鉄等の金属材料からできて
おり、先端に電線を挿入するための電線挿入口21、及
び後端に電線を引き出すための電線引出口22を備えた
樋形状を有している。また、治具2の後端は、固定治具
3に溶接等により固着されてる。
【0004】具体的には、まず固定治具3を作業台4に
固定することにより、治具2を作業台4上にセットする
(図4(a)参照)。そして、治具2の滑りを良くする
ため、治具2の周面にベビーオイル等の潤滑油を塗布す
る。次に、治具2にL字曲がりカバー1を嵌め込み、L
字曲がりカバー1を略真っ直ぐにする(図4(b)参
照)。その後、電線を治具2の電線挿入口21から挿入
し、当該挿入した電線を電線引出口22から引き出す。
その結果、電線は、L字曲がりカバー1の電線導入孔1
1から電線導出孔12に通される。最後に、L字曲がり
カバー1を治具2から引き抜く。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電線をL字曲がりカバーに通すための作業方法では、治
具を比較的摩擦抵抗の大きい金属材料から構成している
ので、治具の滑りを良好にするために潤滑油を塗布しな
ければならない。そのため、L字曲がりカバーを治具に
嵌め込んだり、あるいはL字曲がりカバーを治具から引
き抜いたりするときに、L字曲がりカバーに油が付着し
汚れてしまう。
【0006】また、治具は、弾性変形し難い金属ででき
ているため、全体として、開口面積の狭いL字曲がりカ
バーの電線導入孔の孔径に合わせて作成されている。こ
れに伴って、治具の先端の電線挿入口の開口面積も狭く
なっており、電線を通しずらくなっている。そのため、
作業ロスが多く、作業効率の低下に繋がっている。さら
に、治具の電線挿入口は、L字曲がりカバーの電線導入
孔に合わせて狭くなっていることに伴って、L字曲がり
カバーを治具に嵌め込んだときに、L字曲がりカバーの
電線導入孔が拡開しない。そのため、L字曲がりカバー
が治具上で必要以上に延びてしまい、その分だけ治具と
の摩擦面M(図4(b)参照)が多くなる。その結果、
L字曲がりカバーを治具から引き抜く際に、作業者は手
を傷めてしまうことが多々ある。
【0007】本考案は、上記技術的課題に鑑みなされた
もので、清潔かつ安全に作業でき、しかも作業効率の向
上に貢献し得るL字曲がりカバー通し用治具の提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案によるL字曲がりカバー通し用治具は、全体と
して略L字形状を有しており、電線を導入させるための
電線導入口と、電線導入口に連通接続され、当該電線導
入口から導入されてきた電線をその導入方向とは異なる
方向に導出させるための電線導出口とを備えたL字曲が
りカバーに、電線を通す際に用いられるものであって
上記L字曲がりカバーよりも長く設けられ、L字曲がり
カバー通し作業時に、当該L字曲がりカバーに挿通さ
れ、上記電線をL字曲がりカバーに案内するための樋形
状をした案内体と、上記案内体の先端部から略中央部に
かけて、案内体の長手方向両側縁に沿って設けられ、案
内体をL字曲がりカバーに挿通する前の状態では、L字
曲がりカバーの上記電線導出口に挿入され得るように、
端部が互いに重なり合った縮径姿勢をとり、案内体をL
字曲がりカバーに挿通した後の状態では、L字曲がりカ
バーの上記電線導入口を拡開させた拡径姿勢をとり得る
一対の巻き片とを含むものである。
【0009】
【作用】上記課題解決手段において、L字曲がりカバー
の電線導出口側から案内体を挿通する。このとき、巻き
片は、端部が互いに重なり合った縮径姿勢をとっている
ので、案内体のL字曲がりカバーへの挿通を容易に行え
る。案内体のL字曲がりカバーへの挿通が完了した時点
で、案内体の巻き片は拡径姿勢をとる。その結果、L字
曲がりカバーの電線導入口は拡開し、それに伴ってL字
曲がりカバーが縮まる。その後、電線を案内体内に挿入
し、当該挿入した電線を案内体から引き出す。その結
果、電線は、L字曲がりカバーの電線導入口から電線導
出口に通される。この際、巻き片は拡径姿勢をとり、L
字曲がりカバーの電線導入口を拡開させているので、電
線通し作業は容易に行えるようになる。
【0010】最後に、L字曲がりカバーを治具から引き
抜く。この際、L字曲がりカバーは電線導入口が拡開す
るのに伴って縮んでいるので、L字曲がりカバーの治具
との摩擦面が少なくなっている。そのため、L字曲がり
カバーを治具から引き抜く際にも作業者は手を痛めるこ
とはない
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を添付図面を参照し
て詳細に説明する。本実施例のL字曲がりカバー通し用
治具は、図2に示すL字曲がりカバー10に電線を通す
際に用いられるものである。図2は、L字曲がりカバー
の斜視図である。同図を参照して、L字曲がりカバー1
0は、電線をその引き出し方向を変えて配線する際に用
いられるもので、ビニール等の合成樹脂で構成されてい
る。このL字曲がりカバー10は、全体として略L字形
状を有しており、電線を導入するための電線導入口10
1と、電線導入口101に連通接続され、当該電線導入
口101から導入されてきた電線をその導入方向とは異
なる方向に導出させるための電線導出口102とを備え
ている。電線導入口101の開口面積は、電線導出口1
02の開口面積よりも狭く設定されている。
【0012】図1は、本発明の一実施例に係るL字曲が
りカバー通し用治具の構成を示しており、同図(a)は
側面図、同図(b)は同図(a)のI−I線矢視断面図
である。図1を参照して、本実施例のL字曲がりカバー
通し用治具20は、全体として、例えば灘燃性ポリマー
等L字曲がりカバー10との摩擦抵抗の少ない合成樹脂
からできている。L字曲がりカバー通し用治具20に
は、L字曲がりカバー通し作業時に、当該L字曲がりカ
バー10に挿通され、電線をL字曲がりカバー10に案
内するための案内体30が備えられている。この案内体
30は、L字曲がりカバー10の全長よりも長く設けら
れており、先端に電線を挿入するための電線挿入口30
1、及び後端に電線を引き出すための電線引出口302
を備えた樋形状を有している。電線挿入口301及び電
線引出口302は、電線の挿入・引き出しが容易になる
ように、斜めにカットされている。
【0013】案内体30の先端部から略中央部にかけて
は、案内体30の長手方向両側縁に沿って一対の巻き片
40,40′が設けられている。この各巻き片40,4
0′は、案内体30をL字曲がりカバー10に挿通する
前の状態では、L字曲がりカバー10の電線導出口10
2に挿入され得るように、端部が互いに重なり合った縮
径姿勢をとる(図3(a)参照)。一方、各巻き片4
0,40′は、案内体30をL字曲がりカバー10に挿
通した後の状態では、L字曲がりカバー10の電線導入
口101を拡開させた拡径姿勢をとり(図3(b)参
照)。巻き片40,40′の先端部は、案内体30の電
線挿入口301のカット面と連続するように、斜めにカ
ットされている。これにより、電線の挿入はより容易と
なる。
【0014】ここで、上記L字曲がりカバー通し用治具
20の各部の具体的寸法について説明する。 巻き片40,40′が縮径姿勢をとったときの電線挿
入部の口径A(図1参照)は、L字曲がりカバー10の
電線導入口101の口径a(図2参照)の1.3〜1.
5倍程度が好ましい。
【0015】電線引出部の長さ(巻き片40,40′
がない部分)B(図1参照)は、L字曲がりカバー10
の折曲部b(図2参照)の1.3〜1.5倍程度が好ま
しい。 電線引出部の口径C(図1参照)は、上記電線挿入部
の口径Aの1/2程度が好ましい。
【0016】治具20の全長、即ち案内体30の長さ
L(図1参照):上記電線引出部の長さBの2〜2.5
倍程度が好ましい。 図3は、L字曲がりカバー通し用治具を利用したL字曲
がりカバー通し作業の作業手順を示す図である。同図を
参照して、L字曲がりカバー通し用治具20を利用して
L字曲がりカバー10に電線を通す際に作業手順につい
て説明する。まず、案内体30の先端電線挿入口301
をL字曲がりカバー10に対向させた状態で、L字曲が
りカバー10の電線導出口102側から治具20(案内
体30)を挿通する(図3(a)参照)。このとき、巻
き片40,40′は、端部が互いに重なり合った縮径姿
勢をとっているので、案内体30のL字曲がりカバー1
0への挿通を容易に行える。
【0017】案内体30のL字曲がりカバー10への挿
通が完了した時点で、案内体30の巻き片40,40′
は拡径姿勢をとる(図3(b)参照)。具体的には、L
字曲がりカバー10の電線導入口101の開口面積は、
電線導出口102の開口面積よりも狭く設定されている
ので、電線導入口101内にある巻き片40,40′の
後端部は電線導入口101の口壁の押圧力を受ける。こ
の反作用として、電線導入口101内から突出している
巻き片40,40′の先端部は拡径し、電線挿入口30
1が拡がる。その結果、電線導入口101は拡開し、そ
れに伴って治具20の中央にL字曲がりカバー10が縮
まる。
【0018】その後、電線を治具20の電線挿入口30
1から挿入し、当該挿入した電線を電線引出口302か
ら引き出す。その結果、電線は、L字曲がりカバー10
の電線導入口101から電線導出口102に通される。
この際、巻き片40,40′は電線挿入口301が拡げ
て拡径姿勢をとり、L字曲がりカバー10の電線導入口
101を拡開させているので、電線通し作業は容易に行
えるようになる。
【0019】最後に、L字曲がりカバー10を治具20
から引き抜く。この際、L字曲がりカバー10は電線導
入口101が拡開するのに伴って縮んでいるので、L字
曲がりカバー10の治具20との摩擦面が少なくなって
いる。そのため、L字曲がりカバー10を治具20から
引き抜く際にも作業者は手を傷めることはない。また、
治具20全体をL字曲がりカバー10との摩擦抵抗の少
ない合成樹脂から構成しているので、L字曲がりカバー
通し作業に先だって、治具20の滑りを良好にすべく治
具20の周面に潤滑油を塗布する必要がなくなる。その
結果、L字曲がりカバー10を治具20に嵌め込んだ
り、あるいはL字曲がりカバー10を治具20から引き
抜いたりするときに、L字曲がりカバー10に油が付着
して汚れることはない。
【0020】このように、本実施例のL字曲がりカバー
通し用治具20を用いてL字曲がりカバー通し作業を行
えば、清潔かつ安全に作業でき、しかも作業効率の向上
に繋がる。なお、本考案は、上記実施例に限定されるも
のではなく、本考案の範囲内で多くの修正及び変更を加
え得ることは勿論である。
【0021】
【考案の効果】以上の説明から明らかな通り、本考案に
よると、清潔かつ安全に作業でき、しかも作業効率の向
上に貢献し得るといった優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るL字曲がりカバー通し
用治具の構成を示しており、同図(a)は側面図、同図
(b)は同図(a)のI−I線矢視断面図である。
【図2】L字曲がりカバーの斜視図である。
【図3】L字曲がりカバー通し用治具を利用したL字曲
がりカバー通し作業の作業手順を示す図である。
【図4】従来の電線をL字曲がりカバーに通す際の作業
手順を示す図である。
【符号の説明】
10 L字曲がりカバー 101 電線導入口 102 電線導出口 20 L字曲がりカバー通し用治具 30 案内体 40,40′ 巻き片

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体として略L字形状を有しており、電線
    を導入させるための電線導入口と、電線導入口に連通接
    続され、当該電線導入口から導入されてきた電線をその
    導入方向とは異なる方向に導出させるための電線導出口
    とを備えたL字曲がりカバーに、電線を通す際に用いら
    れるものであって 上記L字曲がりカバーよりも長く設けられ、L字曲がり
    カバー通し作業時に、当該L字曲がりカバーに挿通さ
    れ、上記電線をL字曲がりカバーに案内するための樋形
    状をした案内体と、 上記案内体の先端部から略中央部にかけて、案内体の長
    手方向両側縁に沿って設けられ、案内体をL字曲がりカ
    バーに挿通する前の状態では、L字曲がりカバーの上記
    電線導出口に挿入され得るように、端部が互いに重なり
    合った縮径姿勢をとり、案内体をL字曲がりカバーに挿
    通した後の状態では、L字曲がりカバーの上記電線導入
    口を拡開させた拡径姿勢をとり得る一対の巻き片とを含
    むことを特徴とするL字曲がりカバー通し用治具。
JP1993065350U 1993-12-07 1993-12-07 L字曲がりカバー通し用治具 Expired - Lifetime JP2588348Y2 (ja)

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