JP3098559B2 - 脂肪肝予防又は治療剤 - Google Patents
脂肪肝予防又は治療剤Info
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Description
に関し、更に詳細に肝臓の脂質濃度の上昇を防止する作
用を有し、安全性の高い脂肪肝の予防又は治療剤に関す
る。
は、肝細胞内に脂質が多量に蓄積した状態をいい、慢性
肝炎、肝硬変等の原因の一つであることから、その予防
及び治療は極めて重要である。かかる脂肪肝の原因とし
ては、アルコールの過剰摂取、過栄養、薬剤の副作用、
糖尿病等の他、低栄養も挙げられる。原因が過栄養の場
合、その治療法として糖質、脂質等の摂取を減らすこと
が考えられるが、逆にあまり脂質摂取を低下させると肝
臓での内因性脂質の合成が増加し、脂肪肝が生ずるとい
われている。このように、脂肪肝の治療は、栄養のコン
トロールが難しく、簡便な予防又は治療手段の開発が熱
望されていた。
明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ジ
グリセリドが、投与量が多くとも少なくとも肝臓の脂質
濃度の上昇を防止し、かつ安全性の高いものであること
を見出し、本発明を完成した。
されるジグリセリドを有効成分とする脂肪肝予防又は治
療剤を提供するものである。
るジグリセリドは次の一般式(1)で表わされる。
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエ
ン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれるアシル基を示
し、残余は水素原子を示す〕
されないが、例えば油脂とグリセリンの混合物をアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下
でエステル交換反応させるか、あるいは脂肪酸又は脂肪
酸エステルとグリセリンとの混合物にリパーゼを作用さ
せてエステル化反応を行なうことにより製造される。エ
ステル交換反応の具体例を挙げれば、リノール酸高含有
トリグリセリド 100部とリノレン酸高含有トリグリセリ
ド 100部との混合物に精製グリセリン30〜100部(好ま
しくは約50部)を配合し、触媒としてCa(OH)2 を0.2 部
添加し、窒素気流減圧下で 230℃、30分間攪拌を続けて
ランダムエステル交換反応を行う。冷却後脱グリセリン
し、薄膜式分子蒸留にてモノグリセリドを除去する。蒸
留残渣物として濃度85%のジグリセリドを得る。本製造
で用いるリノール酸高含有トリグリセリドとしてサフラ
ワー油、大豆油、トウモロコシ油等が挙げられるが、特
にサフラワー油が好ましい。またリノレン酸高含有トリ
グリセリドとしてアマニ油、シソ油、トウハゼ油、エノ
油等が挙げられるが、特にアマニ油が好ましい。
体例を挙げれば、グリセリン1モルに対し脂肪酸又は脂
肪酸エステル 1.5モル以上を添加した混合物に、リパー
ゼを脂肪酸又は脂肪酸エステル1gに対し 200〜1000un
its 添加し、40℃で21時間攪拌を続けてエステル化反応
を行なう。反応終了物よりリパーゼをろ別後、未反応脂
肪酸又は脂肪酸エステル及びモノグリセリドを分子蒸留
にて除去することにより、ジグリセリドを得る。使用す
る脂肪酸は、目的とするジグリセリドに応じて選択すれ
ばよい。また、脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜3
の低級アルコール類とのエステルが好ましい。ここで炭
素数1〜3の低級アルコールとしては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど
が挙げられる。これらの脂肪酸又は脂肪酸エステルは単
独又は2種以上混合して用いることができる。また、リ
パーゼとしては、固定化又は菌体内1,3−位選択的リ
パーゼが挙げられる。固定化1,3−位選択的リパーゼ
は1,3−位選択的リパーゼを公知の方法で固定化する
ことにより得られる。固定化のための公知の方法は、例
えば「固定化酵素」千畑一郎編集、講談社刊、9〜85頁
及び「固定化生体触媒」千畑一郎編、講談社刊、12〜10
1 頁に記載されているが、イオン交換樹脂により固定す
る方法が好ましいものとして例示される。固定化に用い
られる1,3−位選択的リパーゼとしては、リゾプス
(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergtllus )属、
ムコール(Mucor )属等の微生物由来のリパーゼ、膵臓
リパーゼ等がある。例えばリゾプス・デレマー(Rhizop
us delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizopus jap
onicus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus ntge
r)、ムコール・ジャパニカス(Mucorjavanicus )、ム
コール・ミーハイ(Mucor miehei)などを起源とするリ
パーゼを使用することができる。市販の固定化1,3−
位選択的リパーゼとしては、ノボ・インダストリーA.
S.社製の商品名「Lipozyme 3A 」がある。菌体内1,
3−位選択的リパーゼは、微生物菌体に1,3−位選択
的リパーゼが吸着又は結合したもので、市販品として
は、大阪細菌研究所製の商品名「オリパーゼ」がある。
これらのうちイオン交換樹脂で固定化したリパーゼを用
いるのが特に好ましい。得られたジグリセリド粗生成物
中のジグリセリド含量は、蒸留法又はケイ酸カラムクロ
マトグラフ法により増加させることができる。
口急性毒性は10g/kg体重以上であり、安全性の高いもの
である。
非経口の何れの方法によっても投与することができ、経
口投与用の剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤及びシロップ剤等が挙げられ、非経口投与用
の剤型としては注射剤、経腸用製剤等が挙げられる。こ
れらの調製には通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢
剤、色素、希釈剤などが用いられる。
壊剤としてデンプン、アルギン酸ナトリウムなどが、滑
沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、硫酸パラフィ
ン、タルクなどが、結合剤としてはジメチルセルロー
ス、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどが用いられ
る。投与量は通常成人においてジグリセリドとして1日
1g〜70gであるが、年齢、症状等により増減すること
ができる。また、食事成分、栄養剤中にジグリセリドを
配合して投与することもでき、この場合、通常のトリグ
リセリドの50重量%以上をジグリセリドに置き換えるこ
とにより配合するのが好ましい。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
し、全系に対して 0.1重量%の水酸化カルシウムを添加
して、窒素雰囲気下、 230℃で30分間攪拌を続けてラン
グムエステル交換反応を行なった。冷却後、反応物を分
液ロートに移して分層後、下層を除去した。更に10%ク
エン酸水溶液 500ml加えて攪拌し、放置分離後、上層部
を脱水ろ過し、粗なたね油脂肪酸組成ジグリセリドを得
た。更に粗なたね油脂肪酸組成ジグリセリドを 190℃、
0.01mmHgの条件下で薄膜式分子蒸留器に通して、本発明
に適するジグリセリドを含有する反応生成物を165g得
た。得られた反応生成物の脂肪酸組成及び含有分子種を
表1及び表2にそれぞれ示す。なお、これらの表中には
トリグリセリドとしてなたね油についての分析結果を併
せて示す。
育し、肝臓の脂質濃度を測定した。その結果を表4に示
す。
を投与した場合には、その投与量が少なくとも、多くと
も肝臓の脂質濃度は上昇した。これに対し、ジグリセリ
ドを投与すると、その投与量が少ない場合も、多い場合
も通常の脂質を投与した場合に比べ肝臓中の脂質濃度は
低下し、ジグリセリドに脂肪肝の予防作用が認められ
た。
物 500mg(ジグリセリドとして 395mg含有)を常法によ
り充填し、軟カプセル剤を製造した。
ば、安全で、かつ容易に肝臓中の脂質濃度を低下させる
ことができ、脂肪肝を有効に予防又は治療することがで
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の一般式 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3のうち2個はオレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコ
サヘキサエン酸から選ばれるアシル基を示し、残余は水
素原子を示す〕で表わされるジグリセリドを有効成分と
する脂肪肝予防又は治療剤。
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1991
- 1991-03-28 JP JP03064839A patent/JP3098559B2/ja not_active Expired - Lifetime
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