JP3098559B2 - 脂肪肝予防又は治療剤 - Google Patents

脂肪肝予防又は治療剤

Info

Publication number
JP3098559B2
JP3098559B2 JP03064839A JP6483991A JP3098559B2 JP 3098559 B2 JP3098559 B2 JP 3098559B2 JP 03064839 A JP03064839 A JP 03064839A JP 6483991 A JP6483991 A JP 6483991A JP 3098559 B2 JP3098559 B2 JP 3098559B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty liver
acid
diglyceride
agent
liver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP03064839A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04300828A (ja
Inventor
昌一 村田
孝司 鬼沢
啓恵 本多
一也 大辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP03064839A priority Critical patent/JP3098559B2/ja
Publication of JPH04300828A publication Critical patent/JPH04300828A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3098559B2 publication Critical patent/JP3098559B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂肪肝の予防又は治療剤
に関し、更に詳細に肝臓の脂質濃度の上昇を防止する作
用を有し、安全性の高い脂肪肝の予防又は治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪肝
は、肝細胞内に脂質が多量に蓄積した状態をいい、慢性
肝炎、肝硬変等の原因の一つであることから、その予防
及び治療は極めて重要である。かかる脂肪肝の原因とし
ては、アルコールの過剰摂取、過栄養、薬剤の副作用、
糖尿病等の他、低栄養も挙げられる。原因が過栄養の場
合、その治療法として糖質、脂質等の摂取を減らすこと
が考えられるが、逆にあまり脂質摂取を低下させると肝
臓での内因性脂質の合成が増加し、脂肪肝が生ずるとい
われている。このように、脂肪肝の治療は、栄養のコン
トロールが難しく、簡便な予防又は治療手段の開発が熱
望されていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる実状において本発
明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ジ
グリセリドが、投与量が多くとも少なくとも肝臓の脂質
濃度の上昇を防止し、かつ安全性の高いものであること
を見出し、本発明を完成した。
【0004】すなわち、本発明は下記の(1)式で表わ
されるジグリセリドを有効成分とする脂肪肝予防又は治
療剤を提供するものである。
【0005】本発明の脂肪肝予防又は治療剤に用いられ
るジグリセリドは次の一般式(1)で表わされる。
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、R1、R2及びR3のうち2個はオ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエ
ン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれるアシル基を示
し、残余は水素原子を示す〕
【0008】かかるジグリセリドの製造法は、特に制限
されないが、例えば油脂とグリセリンの混合物をアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下
でエステル交換反応させるか、あるいは脂肪酸又は脂肪
酸エステルとグリセリンとの混合物にリパーゼを作用さ
せてエステル化反応を行なうことにより製造される。エ
ステル交換反応の具体例を挙げれば、リノール酸高含有
トリグリセリド 100部とリノレン酸高含有トリグリセリ
ド 100部との混合物に精製グリセリン30〜100部(好ま
しくは約50部)を配合し、触媒としてCa(OH)2 を0.2 部
添加し、窒素気流減圧下で 230℃、30分間攪拌を続けて
ランダムエステル交換反応を行う。冷却後脱グリセリン
し、薄膜式分子蒸留にてモノグリセリドを除去する。蒸
留残渣物として濃度85%のジグリセリドを得る。本製造
で用いるリノール酸高含有トリグリセリドとしてサフラ
ワー油、大豆油、トウモロコシ油等が挙げられるが、特
にサフラワー油が好ましい。またリノレン酸高含有トリ
グリセリドとしてアマニ油、シソ油、トウハゼ油、エノ
油等が挙げられるが、特にアマニ油が好ましい。
【0009】また、リパーゼによるエステル化反応の具
体例を挙げれば、グリセリン1モルに対し脂肪酸又は脂
肪酸エステル 1.5モル以上を添加した混合物に、リパー
ゼを脂肪酸又は脂肪酸エステル1gに対し 200〜1000un
its 添加し、40℃で21時間攪拌を続けてエステル化反応
を行なう。反応終了物よりリパーゼをろ別後、未反応脂
肪酸又は脂肪酸エステル及びモノグリセリドを分子蒸留
にて除去することにより、ジグリセリドを得る。使用す
る脂肪酸は、目的とするジグリセリドに応じて選択すれ
ばよい。また、脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜3
の低級アルコール類とのエステルが好ましい。ここで炭
素数1〜3の低級アルコールとしては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど
が挙げられる。これらの脂肪酸又は脂肪酸エステルは単
独又は2種以上混合して用いることができる。また、リ
パーゼとしては、固定化又は菌体内1,3−位選択的リ
パーゼが挙げられる。固定化1,3−位選択的リパーゼ
は1,3−位選択的リパーゼを公知の方法で固定化する
ことにより得られる。固定化のための公知の方法は、例
えば「固定化酵素」千畑一郎編集、講談社刊、9〜85頁
及び「固定化生体触媒」千畑一郎編、講談社刊、12〜10
1 頁に記載されているが、イオン交換樹脂により固定す
る方法が好ましいものとして例示される。固定化に用い
られる1,3−位選択的リパーゼとしては、リゾプス
(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergtllus )属、
ムコール(Mucor )属等の微生物由来のリパーゼ、膵臓
リパーゼ等がある。例えばリゾプス・デレマー(Rhizop
us delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizopus jap
onicus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus ntge
r)、ムコール・ジャパニカス(Mucorjavanicus )、ム
コール・ミーハイ(Mucor miehei)などを起源とするリ
パーゼを使用することができる。市販の固定化1,3−
位選択的リパーゼとしては、ノボ・インダストリーA.
S.社製の商品名「Lipozyme 3A 」がある。菌体内1,
3−位選択的リパーゼは、微生物菌体に1,3−位選択
的リパーゼが吸着又は結合したもので、市販品として
は、大阪細菌研究所製の商品名「オリパーゼ」がある。
これらのうちイオン交換樹脂で固定化したリパーゼを用
いるのが特に好ましい。得られたジグリセリド粗生成物
中のジグリセリド含量は、蒸留法又はケイ酸カラムクロ
マトグラフ法により増加させることができる。
【0010】これらのジグリセリドのラットにおける経
口急性毒性は10g/kg体重以上であり、安全性の高いもの
である。
【0011】本発明の脂肪肝予防又は治療剤は、経口、
非経口の何れの方法によっても投与することができ、経
口投与用の剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤及びシロップ剤等が挙げられ、非経口投与用
の剤型としては注射剤、経腸用製剤等が挙げられる。こ
れらの調製には通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢
剤、色素、希釈剤などが用いられる。
【0012】賦形剤としてはブドウ糖、乳糖などが、崩
壊剤としてデンプン、アルギン酸ナトリウムなどが、滑
沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、硫酸パラフィ
ン、タルクなどが、結合剤としてはジメチルセルロー
ス、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどが用いられ
る。投与量は通常成人においてジグリセリドとして1日
1g〜70gであるが、年齢、症状等により増減すること
ができる。また、食事成分、栄養剤中にジグリセリドを
配合して投与することもでき、この場合、通常のトリグ
リセリドの50重量%以上をジグリセリドに置き換えるこ
とにより配合するのが好ましい。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】参考例1 ジグリセリドの製造: なたね油(ヨウ素価168 )375gにグリセリン125gを配合
し、全系に対して 0.1重量%の水酸化カルシウムを添加
して、窒素雰囲気下、 230℃で30分間攪拌を続けてラン
グムエステル交換反応を行なった。冷却後、反応物を分
液ロートに移して分層後、下層を除去した。更に10%ク
エン酸水溶液 500ml加えて攪拌し、放置分離後、上層部
を脱水ろ過し、粗なたね油脂肪酸組成ジグリセリドを得
た。更に粗なたね油脂肪酸組成ジグリセリドを 190℃、
0.01mmHgの条件下で薄膜式分子蒸留器に通して、本発明
に適するジグリセリドを含有する反応生成物を165g得
た。得られた反応生成物の脂肪酸組成及び含有分子種を
表1及び表2にそれぞれ示す。なお、これらの表中には
トリグリセリドとしてなたね油についての分析結果を併
せて示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】実施例1 表3に示す組成の食餌でWistar系雄性ラットを3週間飼
育し、肝臓の脂質濃度を測定した。その結果を表4に示
す。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】その結果、通常の脂質(トリグリセリド)
を投与した場合には、その投与量が少なくとも、多くと
も肝臓の脂質濃度は上昇した。これに対し、ジグリセリ
ドを投与すると、その投与量が少ない場合も、多い場合
も通常の脂質を投与した場合に比べ肝臓中の脂質濃度は
低下し、ジグリセリドに脂肪肝の予防作用が認められ
た。
【0021】実施例2 錠剤: 軟カプセル剤組成 ゼラチン 70.0% グリセリン 22.9% パラオキシ安息香酸メチル 0.15% パラオキシ安息香酸プロピル 0.15% 水 適量 計 100% 上記成分を成る、軟カプセル剤皮の中に参考例1の製造
物 500mg(ジグリセリドとして 395mg含有)を常法によ
り充填し、軟カプセル剤を製造した。
【0022】
【発明の効果】本発明の脂肪肝予防又は治療剤によれ
ば、安全で、かつ容易に肝臓中の脂質濃度を低下させる
ことができ、脂肪肝を有効に予防又は治療することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大辻 一也 栃木県宇都宮市平松本町466−14 (56)参考文献 特開 昭56−18939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/231 A61K 31/232 A61P 1/16 CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3のうち2個はオレイン酸、リ
    ノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコ
    サヘキサエン酸から選ばれるアシル基を示し、残余は水
    素原子を示す〕で表わされるジグリセリドを有効成分と
    する脂肪肝予防又は治療剤。
JP03064839A 1991-03-28 1991-03-28 脂肪肝予防又は治療剤 Expired - Lifetime JP3098559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03064839A JP3098559B2 (ja) 1991-03-28 1991-03-28 脂肪肝予防又は治療剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03064839A JP3098559B2 (ja) 1991-03-28 1991-03-28 脂肪肝予防又は治療剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04300828A JPH04300828A (ja) 1992-10-23
JP3098559B2 true JP3098559B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=13269808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03064839A Expired - Lifetime JP3098559B2 (ja) 1991-03-28 1991-03-28 脂肪肝予防又は治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3098559B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4129566B2 (ja) 1997-09-05 2008-08-06 大塚製薬株式会社 肝臓脂肪蓄積抑制組成物及び肝臓脂肪蓄積抑制用食品添加剤
US6762203B2 (en) 1999-08-03 2004-07-13 Kao Corporation Oil composition
JP3752127B2 (ja) 2000-03-21 2006-03-08 花王株式会社 油脂組成物
JP3718113B2 (ja) 2000-07-13 2005-11-16 花王株式会社 油脂組成物の固液分別法
JP2002104965A (ja) * 2000-09-27 2002-04-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 脂肪肝予防・改善機能を有する組成物
JP4054524B2 (ja) 2000-12-15 2008-02-27 花王株式会社 酸性水中油型乳化組成物
US6956058B2 (en) 2001-04-26 2005-10-18 Kao Corporation Method for improving insulin resistance
TWI331903B (en) 2002-07-01 2010-10-21 Kao Corp Acidic oil-in -water type emulsified compositions
JP2004331510A (ja) * 2003-04-30 2004-11-25 Sansho Pharmaceutical Co Ltd カプセル
JP4634065B2 (ja) * 2004-05-14 2011-02-16 花王株式会社 アディポネクチン低下抑制剤
JP2007112806A (ja) * 2006-11-27 2007-05-10 Kao Corp 体脂肪燃焼促進剤
JP4719715B2 (ja) * 2007-05-18 2011-07-06 花王株式会社 油脂組成物
JP2010241832A (ja) * 2010-07-20 2010-10-28 Kao Corp アディポネクチン低下抑制剤
MY165832A (en) 2010-10-12 2018-05-17 Sime Darby Malaysia Berhad Process for fractional crystallisation of palm-based diacylglycerol fat
US20160008392A1 (en) 2013-03-01 2016-01-14 Hayashibara Co., Ltd. Agent for lifestyle-related disease and oral composition comprising same
JP7021975B2 (ja) * 2018-02-26 2022-02-17 花王株式会社 エステル交換油脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04300828A (ja) 1992-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3098560B2 (ja) 体重増加抑制剤
JP3098559B2 (ja) 脂肪肝予防又は治療剤
US7807718B2 (en) Glyceride esters for the treatment of diseases associated with reduced neuronal metabolism of glucose
US7767427B2 (en) Production method of oil or fat containing polyunsaturated fatty acid-containing triglyceride
KR101989390B1 (ko) 뇌기능 저하에 기인하는 증상이나 질환의 예방 또는 개선작용을 가지는 조성물
US8236854B2 (en) Lipid-improving agent and composition containing lipid-improving agent
AU2005283696B2 (en) Composition with preventive or improvement effect on stress-induced brain function impairment and related symptoms or diseases
US8367729B2 (en) Composition with preventive or improvement effect on symptoms or diseases associated with stress-induced behavior disorders
JP3098561B2 (ja) 血清トリグリセリド濃度低下剤
KR101204748B1 (ko) 고도 불포화 지방산을 고농도로 함유하는 트리글리세라이드 유지의 제조방법
JPH0761954B2 (ja) コレステロール低下または上昇抑制剤
US20050215641A1 (en) Compositions comprising reverse isomers of conjugated linoleic acid
JP2005132758A (ja) 血管の老化に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物
JP3098558B2 (ja) 下痢予防又は治療剤
JPH06247849A (ja) 免疫増強剤
JP3098571B2 (ja) 経腸栄養剤組成物
JP3133358B2 (ja) 経腸栄養剤組成物
JP2005206476A (ja) 肝障害を伴う肝臓疾患の予防又は改善剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080811

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080811

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090811

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090811

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100811

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 11