JP3098561B2 - 血清トリグリセリド濃度低下剤 - Google Patents
血清トリグリセリド濃度低下剤Info
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Description
濃度を低下させるための薬剤に関する。
のトリグリセリド濃度は、コレステロール濃度と並んで
動脈硬化症の原因として重要である。また、血清トリグ
リセリド濃度が高い症状は、糖尿病、腎炎の二次的症状
の一つとしても注目されている。血清トリグリセリド濃
度は、食事の影響が強く、薬物のみで完全にコントロー
ルすることは困難であるといわれており、薬物以上に食
事として摂取する脂質の質が重要視されている。このよ
うな観点から、リノール酸、リノレン酸を中心とする高
度不飽和脂肪酸の摂取による血清トリグリセリド低下が
推奨されている。しかし、高度不飽和脂肪酸の取りすぎ
は、生体内で過酸化脂質の生成を招き、種々の成人病を
誘発させる可能性が指摘されている。従って、安全性が
高く、日常的に投与あるいは摂取しても副作用が生じ
ず、また食事等に添加しても味に影響を与えることのな
い血清トリグリセリド濃度低下剤の開発が望まれてい
た。
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討してきたとこ
ろ、ジグリセリドが優れた血清トリグリセリド濃度低下
作用を有し、安全性が高く、かつ食品等に添加しても何
らその味に影響を与えないものであることを見出し、本
発明を完成した。
わされるジグリセリドを有効成分とする血清トリグリセ
リド濃度低下剤を提供するものである。
用いられるジグリセリドは次の一般式(1)で表わされ
る。
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエ
ン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれるアシル基を示
し、残余は水素原子を示す〕
されないが、例えば油脂とグリセリンの混合物をアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下
でエステル交換反応させるか、あるいは脂肪酸又は脂肪
酸エステルとグリセリンとの混合物にリパーゼを作用さ
せてエステル化反応を行うことにより製造される。エス
テル交換反応の具体例を挙げれば、リノール酸高含有ト
リグリセリド100部とリノレン酸高含有トリグリセリ
ド100部との混合物に精製グリセリン30〜100部
(好ましくは約50部)を配合し、触媒としてCa(OH)2
を0.2 部添加し、窒素気流減圧下で230℃、30分間
攪拌を続けてランダムエステル交換反応を行う。冷却後
脱グリセリンし、薄膜式分子蒸留にてモノグリセリドを
除去する。蒸留残渣物として濃度85%のジグリセリド
を得る。本製造で用いるリノール酸高含有トリグリセリ
ドとしてサフラワー油、大豆油、トウモロコシ油等が挙
げられるが、特にサフラワー油が好ましい。またリノレ
ン酸高含有トリグリセリドとしてアマニ油、シソ油、ト
ウハゼ状油、エノ油等が挙げられるが、特にアマニ油が
好ましい。
体例を挙げれば、グリセリン1モルに対し脂肪酸又は脂
肪酸エステル1.5 モル以上を添加した混合物に、リパー
ゼを脂肪酸又は脂肪酸エステル1gに対し200〜1000
0units添加し、40℃で21時間攪拌を続けてエステル
化反応を行う。反応終了物よりリパーゼをろ別後、未反
応脂肪酸又は脂肪酸エステル及びモノグリセリドを分子
蒸留にて除去することにより、ジグリセリドを得る。使
用する脂肪酸は、目的とするジグリセリドに応じて選択
すればよい。また、脂肪酸エステルとしては、炭素数1
〜3の低級アルコール類とのエステルが好ましい。ここ
で炭素数1〜3の低級アルコールとしては、例えばメタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール
などが挙げられる。これらの脂肪酸又は脂肪酸エステル
は単独又は2種以上混合して用いることができる。ま
た、リパーゼとしては、固定化又は菌体内1,3−位選
択的リパーゼが挙げられる。固定化1,3−位選択的リ
パーゼは1,3−位選択的リパーゼを公知の方法で固定
化することにより得られる。固定化のための公知の方法
は、例えば「固定化酵素」千畑一郎編集、講談社刊、9
〜85頁及び「固定化生体触媒」千畑一郎編、講談社
刊、12〜101頁に記載されているが、イオン交換樹
脂により固定化する方法が好ましいものとして例示され
る。固定化に用いられる1,3−位選択的リパーゼとし
ては、リゾプス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Asper
gillus) 属、ムコール(Mucor) 属等の微生物由来のリパ
ーゼ、膵臓リパーゼ等がある。例えばリゾプス・デレマ
ー(Rhizopus delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizo
pus japonicus)、リゾプス・ニベウス(Rhizoups niveu
s) 、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger) 、
ムコール・ジャパニカス(Mucorjavanicus) 、ムコール
・ミーハイ(Mucor miehei)などを起源とするリパーゼを
使用することができる。市販の固定化1,3−位選択的
リパーゼとしては、ノボ・インダストリーA.S.社製
の商品名「Lipozyme 3A 」がある。菌体内1,3−位選
択的リパーゼは、微生物菌体に1,3−位選択的リパー
ゼが吸着又は結合したもので、市販品としては、大阪細
菌研究所製の商品名「オリパーゼ」がある。これらのう
ち、イオン交換樹脂で固定化したリパーゼを用いるのが
特に好ましい。得られたジグリセリド粗生成物中のジグ
リセリド含量は、蒸留又はケイ酸カラムクロマトグラフ
法等により増加させることができる。
口急性毒性は10g/kg体重以上であり、安全性の高い
ものである。
は、経口、非経口の何れの方法によっても投与すること
ができ、経口投与用の剤型としては、例えば錠剤、カプ
セル剤、散剤、顆粒剤及びシロップ剤等が挙げられ、非
経口投与用の剤型としては注射剤、経腸用製剤等が挙げ
られる。これらの調製には通常の賦形剤、崩壊剤、結合
剤、滑沢剤、色素、希釈剤などが用いられる。
壊剤としてはデンプン、アルギン酸ナトリウムなどが、
滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、硫酸パラフ
ィン、タルクなどが、結合剤としてはジメチルセルロー
ス、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどが用いられ
る。投与量は通常成人においてジグリセリドとして1日
1g〜70gであるが、年齢、症状等により増減するこ
とができる。また、本発明においては、通常の食事成
分、栄養剤中のトリグリセリドをジグリセリドに置き換
えることによっても投与することができる。この場合、
脂質の50重量%以上がジグリセリドであることが望ま
しい。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
5gを配合し、全系に対して0.1 重量%の水酸化カルシ
ウムを添加して、窒素雰囲気下、230℃で30分間攪
拌を続けてランダムエステル交換反応を行った。冷却
後、反応物を分液ロートに移して分層後、下層を除去し
た。更に10%クエン酸水溶液500ml加えて攪拌し、
放置分離後、上層部を脱水ろ過し、粗なたね油脂脂肪酸
組成ジグリセリドを得た。更に粗なたね油脂脂肪酸組成
ジグリセリドを190℃、0.01mmHgの条件下で薄膜式分
子蒸留器に通して本発明に適するジグリセリドを含有す
る反応生成物を165g得た。得られた反応生成物の脂
肪酸組成及び含有分子種を表1及び表2にそれぞれ示
す。なお、これらの表中にはトリグリセリドとしてなた
ね油についての分析結果も併せて示す。
3に示す半合成飼料を作成し、Wistar系雄性ラット(体
重230g前後)10匹に2週間自由に摂食させた。飼
育最終日に採血屠殺し、血液より血清を分離し、トリグ
リセリド濃度を測定した。なお対照群としてジグリセリ
ドの脂肪酸組成と同等のなたね油群を設けた。表4に血
清トリグリセリド濃度を示した。
較して、有意に血清トリグリセリド濃度を低下させるこ
とが明らかとなった。
物500mg(ジグリセリドとして395mg含有)を常法
により充填し、軟カプセル剤を製造した。
摂取することにより、血清トリグリセリド濃度が低下
し、動脈硬化症等を有効に防止することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の一般式 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3のうち2個はオレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコ
サヘキサエン酸から選ばれるアシル基を示し、残余は水
素原子を示す〕で表わされるジグリセリドを有効成分と
する血清トリグリセリド濃度低下剤。
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Applications Claiming Priority (1)
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