JPH06247849A - 免疫増強剤 - Google Patents

免疫増強剤

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JPH06247849A
JPH06247849A JP3695093A JP3695093A JPH06247849A JP H06247849 A JPH06247849 A JP H06247849A JP 3695093 A JP3695093 A JP 3695093A JP 3695093 A JP3695093 A JP 3695093A JP H06247849 A JPH06247849 A JP H06247849A
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JP
Japan
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diglyceride
immunostimulant
fatty acid
lipase
formula
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Pending
Application number
JP3695093A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Nakamura
和博 中村
Naohito Kudo
尚人 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジグリセリドを有効成分とする免疫増強剤。 【効果】 免疫力を増強し、感染等に対する免疫応答を
有効に高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は細胞性免疫を増強させる
ための薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】風邪等
のウイルス性疾患は細胞性免疫の低下によっても引き起
こされることが知られている。また、現代社会において
は、数多くのストレスにより免疫力の低下が生じている
ことが示唆されている。一方、AIDSでは細胞性免疫
の異常な低下がもたらされ、種々の感染症を併発するこ
とが問題となっている。このような免疫力の低下を防止
あるいは回復させるには、薬物のみに依存せず日常的に
食事として摂取する栄養素の形で体内に取り込めれば非
常に好ましいことである。従って、安全性が高く、日常
的に投与あるいは摂取しても副作用が生じず、また食事
等に添加しても味に影響を与えることのない免疫増強剤
の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討してきたとこ
ろ、ジグリセリドが優れた免疫増強作用を有し、安全性
が高く、かつ食品等に添加しても何らその味に影響を与
えないものであることを見出し、本発明を完成した。
【0004】すなわち、本発明はジグリセリドを有効成
分とする免疫増強剤を提供するものである。
【0005】本発明免疫増強剤に用いられるジグリセリ
ドとしては、例えば次の一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、R1、R2 及びR3 のうち2個は
炭素数12〜22の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸由来の
アシル基を示し、残余は水素原子を示す〕で表わされる
ジグリセリドから選ばれる1種又は2種以上が挙げられ
る。かかる飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸としては、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、
ジホモγ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタ
エン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。より好ま
しくは、炭素数16〜20の不飽和脂肪酸由来のアシル
基を有するジグリセリドである。
【0008】かかるジグリセリドの製造法は、特に制限
されないが、例えば油脂とグリセリンの混合物をアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下
でエステル交換反応させるか、あるいは脂肪酸又は脂肪
酸エステルとグリセリンとの混合物にリパーゼを作用さ
せてエステル化反応を行うことにより製造される。エス
テル交換反応の具体例を挙げれば、リノール酸高含有ト
リグリセリド100部とα−リノレン酸高含有トリグリ
セリド100部との混合物に精製グリセリン30〜10
0部(好ましくは約50部)を配合し、触媒としてCa(O
H)2を0.2部添加し、窒素気流減圧下で230℃、3
0分間攪拌を続けてランダムエステル交換反応を行う。
冷却後脱グリセリンし、薄膜式分子蒸留にてモノグリセ
リドを除去する。蒸留残渣物として濃度85%のジグリ
セリドを得る。本製造法で用いるリノール酸高含有トリ
グリセリドとしてサフラワー油、大豆油、トウモロコシ
油等が挙げられるが、特にサフラワー油が好ましい。ま
たα−リノレン酸高含有トリグリセリドとしてシソ油、
エゴマ油、アマニ油、トウハゼ状油、エノ油等が挙げら
れるが、特にシソ油が好ましい。
【0009】また、リパーゼによるエステル化反応の具
体例を挙げれば、グリセリン1モルに対し脂肪酸又は脂
肪酸エステル1.5モル以上を添加した混合物に、リパ
ーゼを脂肪酸又は脂肪酸エステル1gに対し200〜1
0000units添加し、40℃で21時間攪拌を続
けてエステル化反応を行う。反応終了物よりリパーゼを
ろ別後、未反応脂肪酸又は脂肪酸エステル及びモノグリ
セリドを分子蒸留にて除去することにより、ジグリセリ
ドが得られる。使用する脂肪酸は、目的とするジグリセ
リドに応じて選択すればよい。また、脂肪酸エステルと
しては、炭素数1〜3の低級アルコール類とのエステル
が好ましい。ここで炭素数1〜3の低級アルコールとし
ては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノールなどが挙げられる。これらの脂肪酸又
は脂肪酸エステルは単独又は2種以上混合して用いるこ
とができる。また、リパーゼとしては、固定化又は菌体
内1,3−位選択的リパーゼが挙げられる。固定化1,
3−位選択的リパーゼは1,3−位選択的リパーゼを公
知の方法で固定化することにより得られる。固定化のた
めの公知の方法は、例えば「固定化酵素」千畑一郎編
集、講談社刊、9〜85頁及び「固定化生体触媒」千畑
一郎編、講談社刊、12〜101頁に記載されている
が、イオン交換樹脂により固定化する方法が好ましいも
のとして例示される。固定化に用いられる1,3−位選
択的リパーゼとしては、リゾプス(Rhizopus)
属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ム
コール(Mucor)属等の微生物由来のリパーゼ、膵
臓リパーゼ等がある。例えばリゾプス・デレマー(Rh
izopus delemar)、リゾプス・ジャポニ
カス(Rhizopus japonicus)、リゾ
プス・ニベウス(Rhizoupus niveu
s)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillu
sniger)、ムコール・ジャバニカス(Mucor
javanicus)、ムコール・ミーハイ(Muc
or miehei)などを起源とするリパーゼを使用
することができる。市販の固定化1,3−位選択的リパ
ーゼとしては、ノボ・インダストリーA.S.社製の商
品名「Lipozyme 3A」がある。菌体内1,3
−位選択的リパーゼは、微生物菌体に1,3−位選択的
リパーゼが吸着又は結合したもので、市販品としては、
大阪細菌研究所製の商品名「オリパーゼ」がある。これ
らのうち、イオン交換樹脂で固定化したリパーゼを用い
るのが特に好ましい。得られたジグリセリド粗生成物中
のジグリセリド含量は、蒸留又はケイ酸カラムクロマト
グラフ法等により増加させることができる。
【0010】これらのジグリセリドのラットにおける経
口急性毒性は10g/kg体重以上であり、安全性の高い
ものである。
【0011】本発明の免疫増強剤は、経口、非経口の何
れの方法によっても投与することができ、経口投与用の
剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤
及びシロップ剤等が挙げられ、非経口投与用の剤型とし
ては注射剤、経腸用製剤等が挙げられる。これらの調製
には通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素、希
釈剤などが用いられる。
【0012】賦形剤としてはブドウ糖、乳糖などが、崩
壊剤としてはデンプン、アルギン酸ナトリウムなどが、
滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、硫酸パラフ
ィン、タルクなどが、結合剤としてはジメチルセルロー
ス、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどが用いられ
る。投与量は通常成人においてジグリセリドとして1日
1g〜70gであるが、年齢、症状等により増減するこ
とができる。また、本発明においては、通常の食事成
分、栄養剤中のトリグリセリドをジグリセリドに置き換
えることによっても投与することができる。この場合、
脂質の50重量%以上がジグリセリドであることが望ま
しい。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】参考例1:ジグリセリドの製造 固定化 1,3位選択的リパーゼである市販リパーゼ製
剤[巨視的多孔性陰イオン樹脂に固定化したムコール
ミーハイ(Mucor miehei)起源のリパー
ゼ、商品名「Lipozyme IM−20」、ノボ
インダストリーA.S.社製]20.0g、リノール酸
(和光社製)(表1)86.0g(0.307モル)及
びグリセリン14.0g(0.152モル)を混合し、
40℃でかきまぜ、10時間反応を行った。反応にとも
ない生成する水を系外へ除去するため、5mmHgに系内を
減圧した。反応終了後、残存する脂肪酸量をアルカリ滴
定にすることによって、エステル合成率を求めた。反応
生成物からリパーゼ製剤をろ別し、更にリパーゼ製剤を
ヘキサンで洗浄し、粗ジグリセリドを得た。更に粗ジグ
リセリドを190℃、0.01mmHgの条件下で薄膜式分
子蒸留器にて、残存する脂肪酸、グリセリン及び副生し
たモノグリセリドを除去し、精製ジグリセリド75gを
得た。なお、対照として用いたリノール酸のトリグリセ
リドは通常の脂肪酸からトリグリセリドを合成する方法
に従い製造した。トリグリセリド及びジグリセリドの純
度を表2に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】実施例1 Balb/C雄性マウスを用い、4週齢から表3に示す
如き低脂肪飼料(日本クレア)に15%の脂質を添加し
た飼料(ジグリセリド飼料及びコントロールとしてトリ
グリセリド飼料)を自由摂取させた。9週齢になったと
ころで、塩化ピクリルの7%アセトン/オリーブ油溶液
50μlを背部に塗布して感作し、5日後に0.5%塩
化ピクリル20μlを片側の耳介に塗布して惹起した。
惹起24時間後に両側の耳介の厚さをダイヤルゲージで
測定し、左右の差を耳介浮腫Δとした。この実験結果を
表4に示す。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】以上の結果からジグリセリドは対照群のト
リグリセリドに比較して、有意に遅延型過敏反応を増強
させることが明らかとなった。
【0021】
【表5】 実施例2 軟カプセル剤皮組成 ゼラチン 70.0% グリセリン 22.9% パラオキシ安息香酸メチル 0.15% パラオキシ安息香酸プロピル 0.51% 水 適量 計 100% 上記成分からなる軟カプセル剤皮の中に参考例1の製造
物500mg(ジグリセリドとして475mg含有)を常法
により充填し、軟カプセル剤を製造した。
【0022】
【発明の効果】本発明によればジグリセリドを投与又は
摂取することにより、免疫力を増強し、感染等に対する
免疫応答を有効に高めることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジグリセリドを有効成分とする免疫増強
    剤。
  2. 【請求項2】 ジグリセリドが、次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1、R2 及びR3 のうち2個は炭素数12〜
    22の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸由来のアシル基を示
    し、残余は水素原子を示す〕で表わされる化合物である
    請求項1記載の免疫増強剤。
JP3695093A 1993-02-25 1993-02-25 免疫増強剤 Pending JPH06247849A (ja)

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Effective date: 20050315