JP3098290B2 - 成型塩化パラジウム添着活性炭 - Google Patents

成型塩化パラジウム添着活性炭

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JP3098290B2
JP3098290B2 JP26272791A JP26272791A JP3098290B2 JP 3098290 B2 JP3098290 B2 JP 3098290B2 JP 26272791 A JP26272791 A JP 26272791A JP 26272791 A JP26272791 A JP 26272791A JP 3098290 B2 JP3098290 B2 JP 3098290B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化パラジウムを添着
してハニカム状に成型した活性炭及びその活性炭を使用
した、青果物の鮮度保持方法及び一酸化炭素の酸化方法
に関するもので、更に詳しく述べると、酸化触媒性を有
する塩化パラジウムを添着してハニカム状に成型した活
性炭及び、その活性炭を使用してエチレン、一酸化炭素
を酸化除去するために使用する方法である。
【0002】
【従来の技術】活性炭に塩化パラジウムを担持したもの
を触媒として使用し、一酸化炭素やエチレンを酸化する
反応はよく知られているが、それらは粉末状や粒状の活
性炭を担体とする場合が殆どであった(日本化学会誌 1
972, p 1092 〜1097、特公昭60- 10776 、特開昭56-551
47)。本出願人は先に塩化パラジウムを添着した活性炭
について出願したが(特昭60-10776、特開昭56-5514
7)、これらは塩化パラジウムを担持する活性炭が粒状
であるため、小袋に入れるかまたはカラムに充填して使
用する外はなかった。この様な方法で使用する場合には
圧損失が高くなったり、またはガスを高速で通過させる
ことが困難である等の問題点があった。
【0003】また、従来からあるハニカム状の活性炭に
塩化パラジウムを添着する方法では、担体となるハニカ
ム状活性炭の強度が小さく、比表面積が小さいため塩化
パラジウムの添着量を多くすることが困難で、高活性の
塩化パラジウム担持活性炭は得られなかった。
【0004】例えば、室内用の空気清浄器や、鮮度保持
ボックス等においてフィルターとして使用する場合、従
来からある粒状の活性炭に塩化パラジウムを添着したも
のでは不適当であった。それは活性炭をカラムや容器に
充填して使用する方法では、圧損失が高くガスを高速で
通過こせることが困難であったからである。
【0005】従って、この様なフィルターとして使用す
る場合、エチレンや一酸化炭素ガス除去するため、酸
化触媒として高性能で且つ圧損失が低いハニカム状塩化
パラジウム添着活性炭が求められていた。
【0006】また、活性炭をフィルター状に成型する方
法には液体樹脂バインダーを用いる方法があるが、これ
では活性炭の性能低下が著しく、活性炭本来の高性能を
発揮させることができなかった。
【0007】更にハニカム状活性炭に塩化パラジウムを
添着して、酸化触媒を製造する方法も考えられるが、こ
の場合、使用するハニカム状活性炭の性能は限定され、
高比表面積の活性炭は使用することが出来ない。何故な
らば、ハニカム状活性炭は高性能にするため賦活を進め
るとひび割れ、強度低下、変形等の問題を生ずるため、
通常1000m2/g程度で、1200m2/g以上の比表面積のハニカ
ム状活性炭を作ることは困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の問題点
に鑑み、低温で希薄な一酸化炭素ガスやエチレンを除去
するため、ガスを高速で酸化触媒中を通過させても充分
に除去出来る様な、圧損失が低く、触媒性が高い塩化パ
ラジウム添着活性炭及びそれを使用した、鮮度保持ボッ
クス中の青果物の鮮度保持方法や、室内用の空気清浄器
における一酸化炭素ガスの除去剤を提供しようとするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は低温で希薄な
一酸化炭素ガスやエチレンを除去するため、例えば室内
用の空気清浄器や、鮮度保持ボックス等において使用出
来る、圧損失が低く且つ触媒性が優れた、塩化パラジウ
ムを担持させたハニカム状活性炭について種々検討し
た。その結果、特定のプロセスを経て作られたハニカム
状活性炭によって、0〜40℃で10ppm 程度の低濃度のエ
チレンや一酸化炭素ガスが充分に去出来る、極めて
い酸化触媒作用を有するハニカム状塩化パラジウム添着
活性炭が得られることを見出し、これに基づいて本発明
に到達した。
【0010】すなわち、炭素質原料を水蒸気含有率15容
量%(以下、容量%の容量を省略する)以下の雰囲気で
賦活した後、そのままの雰囲気で300 ℃以下まで冷却
し、塩化パラジウムを 0.1〜重量10%(以下、重量%の
重量を省略する)を担持せしめた活性炭 100重量部(以
下、重量部の重量を省略する)に、バインダーとして粒
子径1〜50μm のプラスチック粉末1〜50部を加えて、
無水系において加熱・加圧しハニカム状に成型せしめて
なる成型塩化パラジウム添着活性炭であるまたは
常の活性炭を、実質的に酸素または/及び水蒸気を含ま
ない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中で約500 ℃以上で
熱処理した後、そのままの雰囲気中で300 ℃以下まで冷
却し、更に塩化パラジウムを 0.1〜10%担持せしめた活
性炭 100部に、バインダーとして粒子径1〜50μm のプ
ラスチック粉末1〜50部を加えて、無水系において加熱
・加圧しハニカム状に成型せしめてなる成型塩化パラジ
ウム添着活性炭であ。更にこれらのハニカム状活性炭
を使用した青果物の鮮度保持方法及び一酸化炭素ガスの
酸化方法である。
【0011】ここで「実質的に酸素又は/及び水蒸気を
含まない」とは、賦活後の活性炭の熱処理において、活
性炭表面に結合した酸素原子が存在しないような雰囲気
の意味で、酸素及び水蒸気が1〜2%以下の状態をい
う。また、「通常の活性炭」とは常法により製造された
活性炭の他、空気などに触れて表面が酸化され、酸化触
媒性が低下した廃活性炭も含まれている。
【0012】以下本発明について詳しく説明する。
【0013】本発明において用いられる活性炭は、炭素
質原料として、やし殻炭、石炭などの炭素質原料を炭化
し、本発明の方法で賦活することによって得られる。
【0014】この際賦活ガスは水蒸気の他、二酸化炭素
ガスを含むが、水蒸気含有率は15%以下とする必要があ
る。通常使用されている活性炭賦活用ガスの組成は水蒸
気40〜60%で、それより高い場合も多い。水蒸気による
炭素質の賦活速度は二酸化炭素ガスよりかなり速いた
め、賦活ガスの組成は水蒸気分圧がなるべく高くなる様
に設定されている。従って本発明の条件は、常法に較べ
て著しく賦活速度を遅くしたマイルドな条件になってい
る。実施例23、24及び比較例23〜28、表9、表10に示す
様に、水蒸気含有率が高い条件下で賦活された場合は、
明らかにエチレンや一酸化炭素ガスの酸化触媒性が低下
していることが分かる。水蒸気含有率が低い賦活条件が
活性炭の酸化触媒能を向上させる機構の詳細は明らかで
ないが、かかる条件下で得られたハニカム状活性炭は、
その表面に結合した酸素原子が存在しない状態になって
いることが指摘されている。
【0015】一般にハニカム状活性炭は、ハニカム状に
成型した炭素質原料を水蒸気、燃焼ガス等で賦活するこ
とにより製造されているが、かかる活性炭に塩化パラジ
ウムを添着して本発明に使用しても充分な酸化触媒能性
を示さない。本発明の効果は前述の様な特定の組成のガ
スで賦活された後、塩化パラジウムを添着された活性炭
を原料として無水系において加熱・加圧して成型され
た、ハニカム状活性炭を用いることによって初めて得ら
れるものである。
【0016】この様にして得られたハニカム状活性炭
は、一酸化炭素ガスやエチレンを速やかに酸化する高い
触媒性を示す。しかしながら、本発明の原料活性炭
活後高温のまま系外へ取り出し、水蒸気、水素ガス、あ
るいは酸素ガスを多量に含む雰囲気中に放置すれば、酸
化触媒としての能力が著しく低下する。
【0017】本発明の活性炭は賦活後も賦活ガスと同様
のガスのもとで活性炭を温度 300℃以下に冷却し、その
後系外に取り出す必要ある。冷却時の雰囲気は賦活時
に用いられる窒素ガス、炭酸ガスまたはこれらの混合ガ
ス(酸素、水素、水蒸気の含有量は規定量以下)の雰囲
気であればよく、賦活に用いるガスと冷却に用いるガス
とは必ずしも同一組成のものでなくてもよい。本発明に
おいて「そのままの雰囲気で冷却」するとは前記の様な
組成の雰囲気を指している。
【0018】賦活後の活性炭を300 ℃以上で空気中に取
り出すと、低温低濃度における酸化触媒としての能力が
著しく低下する。賦活後窒素ガス中で冷却した場合と、
空気中で冷却した場合の触媒性に及ぼす影響を、実施例
17〜20、比較例17、18(賦活後常法により空気中で冷却
されたもの)及び表5、6に示す。また賦活後活性炭が
空気に触れる温度が触媒性に及ぼす影響については、実
施例21、22、比較例19〜22及び表7、8に示す。
【0019】前記の様にして得られた本発明の活性炭の
比表面積は、1200m2/g以上であることが好ましく、1500
m2/g以上であればより好ましい。
【0020】更本発明においては、空気などに触れて
表面が酸化され、酸化触媒性が低下した廃性炭或い
は、常法により製造された性炭を前述の賦活ガスと
様な組成のガス中で、温度500 ℃以上で処理し、該ガス
中で温度 300 ℃以下に冷却することにより得られる
性炭も、本発明方法によって塩化パラジウムを添着しハ
ニカム状に成型して使用すれば、前述の性炭と同様に
一酸化炭素やエチレンガスに対する高い酸化触媒性を示
。換言すれば、この熱処理によって性炭に高い酸化
触媒能を有する担体となり得る性質が付与される。この
熱処理が適用される性炭は、石炭、やし殻炭等いかな
る原料から得られたものでもよく、またその形状も特に
限定しない。
【0021】通常活性炭は、いずれもこの方法で処理
することにより、本発明の酸化触媒の原料として使用可
能な性炭担体が得られる。この際処理温度は500 ℃以
上とする必要がある。処理時間は温度によって変わる
が、500 ℃の場合は通常、20〜180 分が好ましく、800
℃では数分の処理によって充分その効果が得られる。熱
処理温度が酸化触媒性に及ぼす影響については、実施例
2、3、5、6、比較例1、4及び表1、2に示す。
【0022】本発明で使用する活性炭担体には塩化パラ
ジウムを0.1 〜10%添着させる必要がある。活性炭に塩
化パラジウムを添着するには、塩酸濃度が0.1 〜3規
定、好ましくは0.5 〜1規定の塩酸水溶液に所定量の塩
化パラジウムを溶解し、この溶液に活性炭を入れて攪拌
し、塩化パラジウムを充分吸着させた後、液切りし、20
0 ℃で乾燥する。塩化パラジウムの担持量は0.1 〜10%
とする必要があるが、担持量が0.5 〜2%の場合がより
好ましい。
【0023】塩化パラジウムの担持量が0.1 %以下の場
合は触媒活性が不充分であり、また10%以上になると添
着量が多い割りに触媒性が向上せず、またパラジウムが
高価であるためその経済性も考慮すれば、添着量は10%
以下とする必要がある。塩化パラジウムの担持量の調節
は、塩酸水溶液中の塩化パラジウムの量と活性炭の量と
の比を変更する事により行われる。通常、溶液中の塩化
パラジウムはほぼ完全に活性炭に吸着される。
【0024】このようにして得られた塩化パラジウム添
着活性炭をハニカム状に成型するには、活性炭の粒度は
粒子径0.1 μm 〜6mm 位まで種々の粒径が使用可能であ
り、使用目的に応じて選択することが出来る。
【0025】バインダーとして用いるプラスチックは、
活性炭粉末と混合して高温で加圧した時、成型物を形成
出来るものであれば広範囲に使用出来る。例えば、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、親水性樹脂、導電性樹脂等
で、水や有機溶剤を用いずに加熱融着出来るものが適し
ている。
【0026】熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリ
プロピレン、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン樹脂)、PET(ポリエチレン・テレフタレー
ト)、ナイロン、PBT(ポリブチレン・テレフタレー
ト)、エチレン−アクリル樹脂、PMMA(ポリメチル
メタアクリレート)樹脂、メゾフェーズピッチ等が使用
可能である。
【0027】熱硬化性樹脂としてはフラン樹脂、フェノ
ール樹脂等が使用可能である。
【0028】その他、エバール樹脂等使用可能であ
る。
【0029】バインダーとして使用するプラスチックの
粒子径は、1〜50μm とする必要がある。好ましくは5
〜30μm である。プラスチック粉末の粒子径が1μm 以
下の場合には、嵩比重が大きくなり、強度の大きい、密
度の高い成型が困難である。また、粒子径が50μm を越
える場合は接着強度が小さくなり、強度の大きいフィル
ターが得られない。プラスチック粒子の粒径が成型体の
強度及ぼす影響を、実施例7〜16、比較例7〜16及び
表3、4に示す。
【0030】プラスチック粒子の使用量は活性炭100 部
に対して1〜50部とする必要がある。好ましくは2〜25
部である。プラスチック粒子の使用量が1部以下では、
成型体の強度が不充分であり、またプラスチック粒子の
使用量が50部になると、活性炭の表面がプラスチック
で被覆されるため触媒性が低下する。プラスチック粒
子の使用量が成型体の強度及び触媒性に及ぼす影響を、
実施例7〜16、比較例7〜16及び表3、4に示す。
【0031】また必要に応じてハニカムの補強用に補強
材を混用してもよい。補強材としては、金属、チタン、
アルミ、鉄、銅、真鍮、ステンレス等の、金属繊維、炭
化珪素、ボロンナイトライド、チタン酸バリウム、ガラ
ス繊維、炭素繊維、活性炭繊維等の無機繊維あるいは、
ポリプロピレン、ビニロン、ポリエステル、ナイロンポ
リエステル−ポリエチレン、ポリプロピレン−ポリエチ
レンのコンジュゲート繊維等の有機繊維が成型物の強度
を向上させるために好ましい。
【0032】補強材の形態としては長さ0.2mm 〜20mm、
直径3μm 〜100 μm のモノフィラメント、マルチフィ
ラメントの繊維が好ましい。
【0033】ハニカム状に成型する場合、活性炭、バイ
ンダー等の混合方法としては、通常の工業的混合方法、
例えばミキサー、リボンミキサー、スタティックミキサ
ー、ボールミル、サンプルミル、ニーダー等が使用出来
る。混合の際、混合のみでもプラスチック粒子を活性炭
の表面に付着させることが出来るが、予めプラスチック
と吸着剤の接着をより強固にするために、簡単な加熱を
行うのがよい。熱源としてはマイクロ波、赤外線、遠赤
外線、高周波等が利用可能であるが、混合の際、更に静
電気の発生下加熱することにより、より強固にプラスチ
ック粒子を活性炭の表面に付着させることが出来る。
【0034】所望の型枠内に前述の活性炭、バインダー
及び補強剤の混合物を充填し、成型工程に全く水を含ま
ない無水系でバインダーの軟化点以上に加熱し、0.1
〜10kg/cm2の圧力をかけて圧縮成型した後、冷却する
により本発明のハニカム状活性炭成形体が得られる。
前記のプラスチック粉末の粒子径及び活性炭に対する重
量比率を特定の範囲に限定したのは、この様な成型条件
と得られたハニカム状活性炭の酸化触媒性との関係に基
づいて定められたものである
【0035】本発明の成型塩化パラジウム添着活性炭
は、ハニカム状のため圧損失が極めて低く、また常温あ
るいは低温においても酸化触媒として高い機能を有する
ため、鮮度保持ボックス中の青果物の鮮度保持や、室内
用の空気清浄器における一酸化炭素ガスの除去剤として
優れている。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0037】(実施例1〜3、比較例1〜3)実施例1
は、10〜30メッシュに粉砕した石炭を800 ℃で乾留した
後、プロパン燃焼ガス(ガス組成:窒素80%、酸素0.2
%、炭酸ガス9.8 %、水蒸気10%)を用いて、900 ℃で
比表面積1300m2/gになるまで賦活した後、窒素で置換し
た容器内に活性炭を取り出し、該窒素ガス中で300 ℃以
下に冷却して活性炭担体を得た。
【0038】次に、比較例1は実施例1と同様にして比
表面積が1300m2/gになるまで賦活した活性炭を窒素中に
取り出し、500 ℃になるまで冷却した後、空気中に取り
出して、放置冷却して活性炭担体を得た。更に比較例1
の活性炭担体を700 ℃、N2 50%、CO2 50%の気流中で10
分間処理した後、窒素中に取り出し、室温まで冷却して
実施例2の活性炭担体を得た。また、比較例1の活性炭
担体を900 ℃の窒素中で5分間処理した後、窒素中で室
温まで冷却して実施例3の活性炭担体を得た。これらの
活性炭に次のようにして塩化パラジウムを添着した。塩
化パラジウム500mg を含む0.5 規定塩酸溶液200mlに活
性炭担体50g を入れてよく攪拌し、3時間放置した後、
水を切って純水100ml で洗浄し、200 ℃で乾燥して塩化
パラジウム添着量1.0wt %の塩化パラジウム添着活性炭
を得た。
【0039】この様にして得られた塩化パラジウム添着
性炭を、0.1 〜1mmに粉砕した後、活性炭100 部に対
し平均粒子径20ミクロンのポリエチレンを20部を用いて
よく混合し、プレスでセル数10個/inch2のハニカムに成
型した。
【0040】この成型したハニカム10g を1m×1m×1m
箱に入れ、ファンの上に設置してフィルターとして使用
し、一酸化炭素ガス及びエチレンの除去テストを行っ
た。
【0041】初濃度100ppmとしたときの30℃における一
酸化炭素ガス除去速度の測定結果を表1に示す。
【0042】尚比較例2は比表面積1,500m2/g の常法で
得られた市販活性炭担体に塩化パラジウムを添着せず、
その儘の状態で使用したもであり、比較例3は市販の
ハニカム状活性炭に塩化パラジウム 1.0wt%を添着して
使用したものである。
【0043】
【表1】
【0044】(実施例4〜6、比較例4〜6) 実施例4〜6はそれぞれ実施例1〜3において使用し
た、ハニカム状活性炭を使用して実施例1と同様な方法
により、エチレン除去速度を測定したもである。また
比較例4〜6はそれぞれ比較例1〜3において使用し
た、ハニカム状活性炭を使用して同様にエチレン除去速
度を測定したもである。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】本発明のハニカム状塩化パラジウム添着活
性炭(実施例1〜6)はいづれも一酸化炭素ガスやエチ
レンを短時間に完全に除去し、優れた除去能力を示し
た。一方比較例(1〜6)に示す様に、本発明以外の活
性炭担体及び常法で得られた市販活性炭担体を使用した
場合は、いづれも有害ガス除去速度が遅かった。特に、
市販ハニカム活性炭にパラジウムを添着したものは比表
面積が小さいためか酸化触媒性が小さかった。
【0047】(実施例7〜16、比較例7〜16) 活性炭原料の種類、バインダーとしてのプラスチック粉
末の粒子径及び混合比率を変えて、実施例1と同様の方
法で塩化パラジウムを添着して成型したハニカム状活性
炭を得た。これらの一酸化炭素ガス除去速度の測定結果
を表3(実施例7〜11、比較例7〜11)に、エチレン除
去速度の測定結果を表4(実施例12〜16、比較例12〜1
6)に示す。尚、比較例10及び15はバインダーとしてプ
ラスチック粒子の代わりに、SBR(スチレン・ブタジエン
・ゴム) ラテックスを使用し含水系で成型されたハニカ
ム状活性炭によるものである。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】表3及び4に示すように、本発明のハニカ
ム状塩化パラジウム添着活性炭(実施例7〜16) は酸化
触媒能、ハニカム強度共に大きいが、バインダーの粒子
径が50μm より大きいもの(比較例7、8、12、13)
は、ハニカム成型体の強度が低下して実用に耐えず、ま
たバインダーを50部以上使用した場合は(比較例11、1
6) 一酸化炭素ガス及びエチレン除去速度の低下が大き
かった。
【0051】(実施例17、18、比較例17)表5に示す本
発明のハニカム状塩化パラジウム添着活性炭及び、比較
のため塩化パラジウム1.0 %添着した市販のハニカム活
性炭各100gを用いて、実施例1と同様の方法で低温にお
ける一酸化炭素ガス除去速度を測定した。
【0052】その結果及び試料の性状を表5に併せて示
す。
【0053】
【表5】
【0054】(実施例19、20、比較例18)表5に示した
本発明のハニカム状塩化パラジウム添着活性炭及び比較
のために調製した塩化パラジウム添着ハニカム活性炭各
100gを用いて、実施例1と同様の方法で低温におけるエ
チレン除去速度を測定した。
【0055】その結果及び試料の性状を表6に併せて示
す。
【0056】
【表6】
【0057】表5、6に示す様に本発明のハニカム状塩
化パラジウム添着活性炭(実施例17〜20) は、低温でも
極めて速やかに有害ガスを除去出来ることが分かる。
【0058】(実施例21、比較例19〜20)実施例1にお
いて、賦活した活性炭を取り出す際、N2中で冷却後、空
気中に取り出すときの温度を変えた活性炭を作り、実施
例1と同様の方法で塩化パラジウムを1%添着し、ハニ
カム状に成型して塩化パラジウム添着活性炭を得た。こ
れらの活性炭を使用して実施例1と同様の方法で、一酸
化炭素ガス除去速度を測定した。
【0059】その結果及び使用した活性炭の性状を表7
に併せて示す。
【0060】
【表7】
【0061】(実施例22、比較例21〜22)表7に示す様
に実施例1において、賦活した活性炭を取り出す際、N2
中で冷却後、空気中に取り出すときの温度を変えた活性
炭を作り、実施例1と同様の方法で塩化パラジウムを1
%添着し、ハニカム状に成型して塩化パラジウム添着ハ
ニカム状活性炭を得た。これらの活性炭を使用してエチ
レン除去速度を測定した。
【0062】その結果及び使用した活性炭の性状を併せ
て表8に示す。
【0063】
【表8】
【0064】表7、8に示すように、本発明のハニカム
状塩化パラジウム添着活性炭の性能は、冷却後初めて空
気に接触する温度に依存し、300 ℃以上では除去能力が
大幅に低下することが分かる。
【0065】(実施例23、比較例23〜25) 石炭粉末を賦活する際、賦活ガスの水蒸気分圧が異なる
条件において、900 ℃で比表面積1000m2/gになるまで賦
活した後、窒素で置換した容器内に性炭を取り出し、
該窒素中で300 ℃以下に冷却し、更に実施例1と同様の
方法で塩化パラジウムを1.0 wt%添着して、ハニカム状
に成型した塩化パラジウム添着活性炭を使用して、実施
例1と同様な方法で一酸化炭素ガス除去速度を測定し
た。
【0066】その結果及び使用した活性炭の性状を表9
に併せて示す。
【0067】
【表9】
【0068】(実施例24、比較例26〜28)表9に示した
ハニカム状塩化パラジウム添着活性炭を使用して、実施
例1と同様な方法で一酸化炭素ガス除去速度を測定し
た。
【0069】その結果及び使用した活性炭の性状を表10
に併せて示す。
【0070】
【表10】
【0071】表9、10に示すように、本発明のハニカム
状塩化パラジウム添着活性炭の性能は賦活時の水蒸気濃
度に依存し、水蒸気濃度が15%以下の場合に高い触媒性
を示すことが認められる。
【0072】
【発明の効果】本発明の成型塩化パラジウム添着活性炭
は、ハニカム状のため圧損失が極めて低く、また常温或
いは低温においても酸化触媒として高い機能を有するた
め、一酸化炭素ガスやエチレンの酸化除去能力に優れて
いる。
【0073】この特性を利用した鮮度保持ボックス中の
青果物の鮮度保持剤や、室内用の空気清浄器の一酸化炭
素ガスの除去剤に使用することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01G 55/00 B01D 53/36 G Z A23B 7/144 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 A23B 7/00 - 9/00 B01D 53/86 B01D 53/94 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質原料を水蒸気含有率15容量%以下
    の雰囲気で賦活した後、そのままの雰囲気で 300℃以下
    まで冷却し、塩化パラジウムを 0.1〜10重量%担持せし
    めた活性炭100 重量部に、バインダーとして粒子径1〜
    50μm のプラスチック粉末1〜50重量部を加え、無水系
    において加熱・加圧しハニカム状に成型せしめてなる成
    型塩化パラジウム添着活性炭。
  2. 【請求項2】 通常の活性炭を、実質的に酸素または/
    及び水蒸気を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中
    で 500℃以上で熱処理した後、そのままの雰囲気中で30
    0 ℃以下まで冷却し、更に塩化パラジウムを 0.1〜10重
    量%担持せしめた活性炭 100重量部に、バインダーとし
    て粒子径1〜50μm のプラスチック粉末1〜50重量部を
    加え、無水系において加熱・加圧しハニカム状に成型せ
    しめてなる成型塩化パラジウム添着活性炭。
  3. 【請求項3】 炭素質原料を水蒸気含有率15容量%以下
    の雰囲気で賦活した後、そのままの雰囲気で 300℃以下
    まで冷却し、塩化パラジウムを 0.1〜10重量%を担持せ
    しめた活性炭 100重量部に、バインダーとして粒子径1
    〜50μm のプラスチック粉末1〜50重量部を加え、無水
    系において加熱・加圧しハニカム状に成型せしめた活性
    炭、或いは通常の活性炭を実質的に酸素または/及び水
    蒸気を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中で 500
    ℃以上で熱処理した後、そのままの雰囲気中で 300℃以
    下まで冷却し、更に塩化パラジウムを 0.1〜10重量%担
    持せしめた活性炭100 重量部に、バインダーとして粒子
    径1〜50μm のプラスチック粉末1〜50重量部を加え、
    無水系において加熱・加圧しハニカム状に成型せしめた
    活性炭を使用することを特徴とする、青果物の鮮度保持
    方法。
  4. 【請求項4】 炭素質原料を水蒸気含有率15容量%以下
    の雰囲気で賦活した後、そのままの雰囲気で 300℃以下
    まで冷却し、塩化パラジウムを 0.1〜10重量%を担持せ
    しめた活性炭100 重量部に、バインダーとして粒子径1
    〜50μm のプラスチック粉末1〜50重量部を加え、無水
    系において加熱・加圧しハニカム状に成型せしめた活性
    炭、或いは通常の活性炭を実質的に酸素または/及び水
    蒸気を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中 500
    ℃以上で熱処理した後、そのままの雰囲気中で 300℃以
    下まで冷却し、更に塩化パラジウムを 0.1〜10重量%担
    持せしめた活性炭100 重量部に、バインダーとして粒子
    径1〜50μm のプラスチック粉末1〜50重量部を加え、
    無水系において加熱・加圧しハニカム状に成型せしめた
    活性炭を使用することを特徴とする、一酸化炭素ガスの
    酸化方法。」
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