JP3095977B2 - 離型フイルム - Google Patents

離型フイルム

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JP3095977B2
JP3095977B2 JP07208686A JP20868695A JP3095977B2 JP 3095977 B2 JP3095977 B2 JP 3095977B2 JP 07208686 A JP07208686 A JP 07208686A JP 20868695 A JP20868695 A JP 20868695A JP 3095977 B2 JP3095977 B2 JP 3095977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離型フイルムに関
し、更に詳しくは溶剤系の溶液を用いて塗設する粘着剤
被膜の保護フイルムとして有用な、或いは溶剤系の溶液
やスラリーを用いて樹脂シート、樹脂被膜やセラミック
シートを成形するのに用いるキャリヤーフイルムに有用
な離型フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】離型フイルムは、各種粘着剤被膜の保護
フイルムとして広範に使用されている。かかる粘着剤被
膜の粘着剤には天然ゴム系レジン、合成ゴム系レジン、
アクリル系レジン等が使用されており、通常ベースフイ
ルムの表面に上記粘着剤を溶剤に溶解した塗液を塗布し
た後、溶剤を加熱除去することにより粘着剤被膜を塗工
する方法が採られている。そして、離型フイルムは、こ
の粘着剤被膜面に積層して保護フイルムとして用いられ
ている。
【0003】また、離型フイルムは樹脂シート、樹脂被
膜或いはセラミックシートを成形する際のキャリヤーフ
イルムとして用いられており、樹脂シートの例としては
塩化ビニルシート、樹脂被膜の例としては粘着剤被膜を
挙げることができ、セラミックシートの例としてはセラ
ミック生シート(セラミックグリーンシート)を挙げる
ことができる。
【0004】離型フイルムをこれらのシートや被膜成形
用のキャリヤーフイルムとして用いられ、例えば、塩化
ビニル樹脂の溶剤溶液をキャリヤーフイルム(離型フイ
ルム)上に塗工(流延)した後、溶剤を加熱除去するこ
とにより例えばマーキングシート用等の塩化ビニルシー
トを成形することができる。粘着剤被膜は粘着剤の溶剤
溶液をキャリヤーフイルム上に塗工した後、溶剤を加熱
除去することにより成形することができる。また、セラ
ミック粉体とバインダー剤とを溶剤に分散させたスラリ
ーをキャリヤーフイルム上に塗工(流延)した後、溶剤
を加熱除去することによりセラミック生シートを成形す
ることができる。
【0005】しかしながら、かかる樹脂シート、樹脂被
膜或いはセラミックシートに対する品質要求が最近は高
度なものとなり、従来用いられていたものでは品質が不
足することが多くなっている。かかる品質要求として
は、シートや被膜の肉厚を従来のものより薄くするこ
と、シートや被膜にピンホール等の欠陥がないこと等が
挙げられる。
【0006】シートや被膜の薄肉化の品質要求に対して
は、例えば塗工する溶液やスラリー中の固形分濃度を従
来のものより低くすることや、溶液やスラリーの粘度を
薄肉化に適したものに調整するしたり溶液やスラリーの
濡れ性を従来のものより良好とするため助剤を配合する
こと等の方策が考えられる。しかしながら配合された助
剤は、塗工の過程で完全に除去するこが困難であるため
シートや被膜中に不純物として混入し品質を低下させる
欠点がある。
【0007】また、塗工に用いる離型層表面の濡れ性を
改良する方策として、例えば離型性塗膜を構成するシリ
コーン樹脂(例えばポリジメチルシロキサンポリマー)
中に下記のD単位、T単位及び/又はQ単位の構造を有
するシリコーンレジンを配合する方法や、シリコーン樹
脂中にコロイダルシリカ粒子を配合する方法がある。
【0008】
【化3】
【0009】但し、D単位およびT単位においてRはメ
チル基等のアルキル基またはフェニル基等の芳香族炭化
水素基を示す。
【0010】しかしながら、シリコーンレジンを配合す
る方法では離型性塗膜が硬くなり各種の加工工程中に削
れる欠点や、シリコーンレジンが経時的に表層に移行し
局在化して離型性が不均一になる欠点を有する。また、
コロイダルシリカ粒子を配合する方法では濡れ性を良好
なものとすると離型性が不足する欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、塗工用に溶剤系の塗液を用
いてもハジキが生じない(濡れ性が良い)離型層表面を
有し、各種粘着剤被膜、樹脂シート、セラミックシート
等に対し適度の力で剥離が可能(離型性が良い)であ
り、かつ経時安定性に優れた離型層を有する離型フイル
ムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
下記式(A)で示されるビニル基を有するポリフェニル
メチルシロキサンと、下記式(B)で示されるハイドロ
ジェンシラン系化合物とをPt系化合物を触媒に用いて
付加重合して得られるシリコーン系ポリマーを含む離型
層を設けてなる離型フイルムであって、該ビニル基を有
するポリフェニルメチルシロキサン中のフェニル基及び
メチル基総量中のフェニル基の割合が5〜30モル%で
あり、該離型層中のPt系化合物の濃度がPt金属元素
として1〜500ppmであり、かつ該離型層の下記式
(I)で求まる最大表面張力(γL max )が30〜60
dyne/cmである離型フイルムにより達成される。
【0013】
【化4】
【0014】[式(A)中、R1 はフェニル基、R2
メチル基またはフェニル基、m、n 1 及びn2 は整数で
あり、m+(n1 +n2 )=30〜5000、n1 ×
0.05≦n2 ≦n1 ×0.3である。]
【0015】
【化5】 [式(B)中、a及びbは整数であり、5≦a+b≦2
00である。]
【0016】
【数2】γL max =1/b+γC /2 ……式(I) [式(I)で、bはzismanプロットのより求まる
定数、γC は臨界表面張力を示す。]
【0017】ここで、bは下記のzismanプロット
のより求まる定数であり、γC は下記の方法で求まる臨
界表面張力である。即ち、表面張力が20〜40dyne/c
m の範囲にある数種のケトン系溶剤またはその混合物の
標準液を調整し、この標準液をフイルムの離型層上に滴
下して標準液と離型層との接触角(θ)を測定する。得
られた接触角(θ)からcosθ値を算出し、このco
sθ値と標準液の表面張力の値とをプロット(Zism
anプロット)し、その直線の傾きをbとする。また、
このZismanプロットの直線と、cosθ=1で示
される直線との交点における表面張力の値をγC (臨界
表面張力)とする。
【0018】尚、このγL max は下記式(II)で示され
る付着の力(W)を最大にする液体の表面張力と規定さ
れる。
【0019】
【数3】W=γS +γL −γSL ……式(II) 式(II)で、γS は固体の表面張力、γL は液体の表面
張力、γSLは固体〜液体間の界面張力を示す。
【0020】[ポリエステルフイルム]本発明において
は、フイルム基材としてポリエステルフイルムを用いる
が、ポリエステルフイルムを構成するポリエステルは、
芳香族二塩基酸成分とジオール成分とからなる結晶性の
線状飽和ポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レート等を例示することができる。
【0021】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
01〜20μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.005〜20重量%の配合割合で含有させることが
できる。かかる微粒子の具体例としては、炭酸カルシウ
ム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸バリウム等の無機粒
子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒
子、架橋アクリル樹脂粒子等の有機粒子を挙げることが
できる。或いはポリエステルの合成反応に使用した触媒
残査から微粒子を析出させることにより、フイルム表面
に微細な凹凸を形成させ、フイルムの滑り性を良好なも
のとすることができる。
【0022】また、ポリエステルにはその他の改良剤を
配合することができる。例えば帯電防止剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きスルホン酸塩
基を有する化合物等を含有させることができる。これら
の改良剤を含まないポリエステルも用いることができ
る。
【0023】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、二軸延伸ポリエステルフイルムは、ポリエステル
を乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、
I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して
未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを二軸方
向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造す
ることができる。フイルムの厚みは特に制限するもので
はないが、5〜250μmが好ましい。
【0024】[離型層]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムの少なくとも片面に、ビニル基を有するポリ
フェニルメチルシロキサン(前記式(A)で示される化
合物)と、ハイドロジェンシラン系化合物(前記式
(B)で示される化合物)とをPt系化合物を触媒に用
いて付加重合して得られるシリコーン系ポリマーを含む
離型層を設ける。
【0025】このビニル基を有するポリフェニルメチル
シロキサンには、分子中のフェニル基及びメチル基総量
中のフェニル基の割合が5〜30モル%のものを用い
る。フェニル基の割合が5モル%未満であると最大表面
張力(γL max )が30 dyne/cm以上の離型層を得るこ
とが難しく、その結果溶剤系の樹脂溶液、粘着剤溶液或
いはセラミックスラリーに対する離型層の濡れ性が悪く
なりシートや被膜にピンホールが生じることがある。ま
た、フェニル基の割合が30モル%を超えると、離型層
とシートや被膜との離型が重くなり離型性が不良となる
ことがある。
【0026】尚、本発明において、付加重合に用いるビ
ニル基を有するポリフェニルメチルシロキサンと、ハイ
ドロジェンシラン系化合物の割合は、ハイドロジェンシ
ラン系化合物中の〜SiH基1.0モルに対し、ビニル
基を有するポリフェニルメチルシロキサン中のビニル基
が1.0〜2.0モルとなる割合であることが好まし
い。
【0027】本発明におけるシリコーン系ポリマーは、
ビニル基を有するポリフェニルメチルシロキサンと、ハ
イドロジェンシラン系化合物とをPt系化合物を触媒に
用いて付加重合して得られるシリコーン系ポリマーであ
が、ここでいう付加重合とは、〜Si−CH=CH2
示される分子末端または分子側鎖中の官能基と、H−S
i〜で示される分子末端または分子側鎖中の官能基と
が、〜Si−CH2 CH 2 −Si〜となる重合反応のこ
とである。但し、上記反応式中『〜』は分子が更に接続
していることを示す。
【0028】また、本発明において、ビニル基を有する
ポリフェニルメチルシロキサンと、ハイドロジェンシラ
ン系化合物との付加重合にはPt系化合物を触媒として
用いるが、Pt系化合物を触媒として用いることによ
り、付加重合が所望の割合で進行させることができる。
このPt系化合物の量は、離型層中のPt系化合物の濃
度がPt金属元素として1〜500ppmとなる量であ
る。Pt金属元素の量が1ppm未満であると付加重合
が所望の割合で進行しないため、経時変化により離型層
表面のフェニル基の密度が大きくなり過ぎて離型性が不
良となる。また、Pt金属元素の量が500ppmを超
えると、離型層の塗設に用いる塗液を保存する間にゲル
化が進行し、いわゆるポットライフが短くなり生産に適
さなくなる。
【0029】尚、上記のPt系化合物としては、例えば
シリコーンオイルに可溶な白金錯体、アルコール変性白
金錯体(塩化白金酸のアルコール溶液)、メチルビニル
ポリシロキサン白金錯体等を挙げることができる。
【0030】また、本発明における離型層は、前記式
(I)で求まる最大表面張力(γL max )が30〜60
dyne/cmのものである。このγL max が30 dyne/cm未
満であると離型層の溶剤系の樹脂溶液、粘着剤溶液或い
はセラミックスラリーに対する濡れ性が悪くなり、γL
max が60 dyne/cmを超えると樹脂シート、粘着剤被膜
或いはセラミック生シートに対する接着力が強くなり過
ぎ離型性が不足する。
【0031】[その他の配合剤]本発明における離型層
には本発明の目的を妨げない範囲で公知の各種添加剤を
配合することができる。この添加剤としては、例えば紫
外線吸収剤、顔料、消泡剤、ポットライフ延長剤等を挙
げることができる。
【0032】[離型層の塗設方法]本発明における離型
層は、例えばポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、前記式(A)で示されるビニル基を有するポリフェ
ニルメチルシロキサンと、前記式(B)で示されるハイ
ドロジェンシラン系化合物及びPt系化合物を含む溶剤
塗液をフイルムに塗布し、80〜160℃に加熱し、乾
燥するとともに付加重合により得られるシリコーン系ポ
リマーを含む塗膜を形成させることにより塗設すること
ができる。この溶剤塗液の塗布方法としては、公知の任
意の塗工法が適用でき、例えばロールコーター法、ブレ
ードコーター法等を挙げることができるが、これらの方
法に限定されるものではない。
【0033】[接着層]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムと離型層との密着性を高めるためにポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に接着層を設け、該接着
層の上に更に離型層を積層することができる。この接着
層には例えばシランカップリング剤を好ましく用いるこ
とができる。このシランカップリング剤としては,一般
式Y−Si−X3 で示されるものを挙げることができ
る。ここで、Yは例えばアミノ基、エポキシ基、ビニル
基、メタクリル基、メルカプト基等で代表される官能
基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基
を示す。上記の接着層の好ましい厚みは0.01〜5μ
m程度であり、特に0.02〜2μm程度である。接着
層の厚みが上記の範囲であるとポリエステルフイルムと
離型層の密着性が良好となり、また接着層を設けたポリ
エステルフイルムがブロッキングし難いため取り扱う際
に支障が生じ難い。
【0034】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。尚、フイルムの各特性値は下記の方法で測定した。
【0035】1.γL max メチルエチルケトンに対しメチルフェニルケトンを適宜
割合で配合し、表面張力が20〜40dyne/cm の範囲に
ある数種の標準液を調整する。この表面張力はデュヌイ
の輪環引上げ法により測定する。次いで、この標準液を
フイルムの離型層上に滴下して標準液と離型層との接触
角(θ)を測定する。得られた接触角(θ)からcos
θ値を算出し、このcosθ値と上記の方法により測定
された表面張力とのプロット(Zismanプロット)
を作成しその直線の傾きをbとする。また、このZis
manプロットの直線とcosθ=1で示される直線と
の交点における表面張力の値をγC (臨界表面張力)と
する。かくして得られたb、γC を用い下記式(I)か
らγL max を求めた。
【0036】
【数4】γL max =1/b+γC /2 ……式(I) 式(I)で、bは上記のZismanプロットのより求
まる定数、γC は上記の方法で求まる臨界表面張力を示
す。
【0037】2.離型層中のPt金属元素存在量 離型層中のPt金属元素存在量は、離型層(塗膜)をク
ロロホルムで溶解抽出し、この抽出液を直接発光分光分
析装置にて分析し、得られたPtのピークから離型層中
のPt金属元素の定量をおこなった。
【0038】3.溶剤系塗料の耐ハジキ性 下記組成のセラミック粉体分散スラリーを調整する。 (a)ポリビニルブチラール樹脂:9〜13重量部 (b)トルエン/エタノール(50重量部/50重量部)
混合溶剤:30〜40重量部 (c)チタン酸バリウム粉末:100重量部 (d)ジブチルフタレート:2〜5重量部 セラミック粉体分散スラリーの調整はボールミルにて、
ヘッグマングラインドゲージで7以上の分散状態となる
よう行なう。次いで、このセラミック粉体分散スラリー
を1milの間隙を有するストレートエッジアプリケー
ター離型フイルムの離型層面に塗工し、140℃にて1
分間乾燥後、塗工エッジのハジキの程度を観察し下記の
基準にて溶剤系塗料の耐ハジキ性を評価した。 A:ハジキが観察されない ……耐ハジキ性良好 B:ハジキが若干観察される……耐ハジキ性やや良好 C:ハジキが観察される ……耐ハジキ性不良
【0039】4.剥離強度 ポリエステルフイルムの離型層面にポリエステル粘着テ
ープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの圧着ロー
ラーで圧着し20時間放置後、離型層と粘着テープとの
剥離力(Rf0)を引張り試験機にて測定した。
【0040】5.残存接着率 ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS・
G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS3
04)に貼付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f
0 )とする。また前記ポリエステル粘着テープをサンプ
ルフイルムの離型層塗設面に5kgの圧着ローラーで圧
着し、30秒間放置した後粘着テープを剥がす。そして
剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼
合部の剥離力を測定し、残留接着力(f)とする。得ら
れた基礎接着力(f0 )と残留接着力(f)より下記式
を用いて残留接着率を求める。
【0041】
【数5】残留接着率(%)=(f/f0 )×100
【0042】6.経時重剥離化率 ポリエステルフイルムの離型層面にポリエステル粘着テ
ープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの圧着ロー
ラーで圧着し、30日間23℃の温度で放置後、離型層
と粘着テープとの剥離力(Rf1)を引張り試験機にて測
定し、前記剥離強度の測定方法で測定した離型層と粘着
テープとの剥離力(Rf0)とから下記式を用いて経時重
剥離化率を求める。
【0043】
【数6】 経時重剥離化率(%)=(Rf1−Rf0)/Rf0×100
【0044】[実施例1]フェニル基の含有割合が20
モル%であるポリフェニルメチルシロキサンとジメチル
ハイドロジェンシランの混合溶液(ハイドロジェンシラ
ン系化合物中の〜SiH基1.0モルに対し、ポリフェ
ニルメチルシロキサン中のビニル基が1.5モルとなる
割合)にPt触媒(塩化白金酸のエタノール溶液)を得
られるシリコーンポリマーに対しPt金属として300
ppmに相当する量加えて、全体の固形分濃度が3%の
トルエン溶液を作成した。
【0045】この溶液を、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフイルム(厚さ38μm)に6g/m2 (we
t)の塗布量で塗布し、加熱温度140℃、加熱時間1
分で乾燥および付加重合反応を行なわせて離型フイルム
を作成した。この離型フイルムの特性を表1に示す。
【0046】[実施例2]フェニル基の含有割合が10
モル%であるポリフェニルメチルシロキサンを用いた以
外は実施例1と同様にして離型フイルムを作成した。こ
の離型フイルムの特性を表1に示す。
【0047】[実施例3]Pt触媒の添加量をシリコー
ンポリマーに対しPt金属として100ppmに相当す
る量とした以外は実施例1と同様にして離型フイルムを
作成した。この離型フイルムの特性を表1に示す。
【0048】[比較例1]フェニル基の含有割合が2モ
ル%であるポリフェニルメチルシロキサンを用いた以外
は実施例1と同様にして離型フイルムを作成した。この
離型フイルムの特性を表1に示す。
【0049】[比較例2]フェニル基の含有割合が35
モル%であるポリフェニルメチルシロキサンを用いた以
外は実施例1と同様にして離型フイルムを作成した。こ
の離型フイルムの特性を表1に示す。
【0050】[比較例3]Pt触媒の添加量をシリコー
ンポリマーに対しPt金属として0.5ppmに相当す
る量とした以外は実施例1と同様にして離型フイルムを
作成した。この離型フイルムの特性を表1に示す。
【0051】[比較例4]Pt触媒の添加量をシリコー
ンポリマーに対しPt金属として700ppmに相当す
る量とした以外は実施例1と同様にして離型フイルムを
作成を試みたが、塗液のポットライフが短く、塗布する
ことができなかった。
【0052】
【表1】 表1より明らかなように、実施例1〜3に示した本発明
の離型フイルムは溶剤系塗料に対する耐ハジキ性、剥離
強度、残留接着率及び経時重剥離性に優れるものであっ
た。
【0053】尚、剥離強度の好ましい範囲は3〜20g
/inである。剥離強度が3g/in以下であると、離
型フイルムに樹脂シート等を積層した積層シートを巻き
取る際等に樹脂シート等が離型フイルムから剥離してし
まうことがあるため好ましくない。また、剥離強度が2
0g/in以上であると、積層シートから樹脂シート等
を剥離分離して使用する際に剥離が困難となることがあ
るため好ましくない。
【0054】残留接着率の好ましい範囲は85%以上で
ある。残留接着率が85%未満であると、例えば離型フ
イルムをロール状に巻いて保管する際に、離型層を構成
する成分が隣接するフイルムの表面に転写(いわゆる背
面転写)し、離型層の特性が不良となったり、隣接フイ
ルム表面の接着性等の特性が不良となることがあるため
好ましくない。
【0055】経時重剥離化率の好ましい範囲は−15%
〜+15%の範囲である。経時重剥離化率がこの範囲で
あると、離型フイルムの離型性、濡れ性等の特性が長期
間良好に保たれる。
【0056】
【発明の効果】本発明の離型フイルムは、離型層に特定
なシリコーン系ポリマーを用い、離型層表面が特定の最
大表面張力(γLmax)を有するものであるため、各種被
膜やシート成形用に溶剤系塗液を用いた際に濡れ性に優
れ、各種樹脂シートやセラミックシート等に対する剥離
性に優れるため、粘着剤被膜の保護フイルムや樹脂、セ
ラミックのシート等の成形用キャリヤーフイルムに有用
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、下記式(A)で示されるビニル基を有するポリフェ
    ニルメチルシロキサンと、下記式(B)で示されるハイ
    ドロジェンシラン系化合物とをPt系化合物を触媒に用
    いて付加重合して得られるシリコーン系ポリマーを含む
    離型層を設けてなる離型フイルムであって、該ビニル基
    を有するポリフェニルメチルシロキサン中のフェニル基
    及びメチル基総量中のフェニル基の割合が5〜30モル
    %であり、該離型層中のPt系化合物の濃度がPt金属
    元素として1〜500ppmであり、かつ該離型層の下
    記式(I)で求まる最大表面張力(γL max )が30〜
    60 dyne/cmである離型フイルム。 【化1】 [式(A)中、R1 はフェニル基、R2 はメチル基また
    はフェニル基、m、n 1 及びn2 は整数であり、m+
    (n1 +n2 )=30〜5000、n1 ×0.05≦n
    2 ≦n1 ×0.3である。] 【化2】 [式(B)中、a及びbは整数であり、5≦a+b≦2
    00である。] 【数1】γL max =1/b+γC /2 ……式(I) [式(I)で、bはzismanプロットのより求まる
    定数、γC は臨界表面張力を示す。]
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