JP3126646B2 - 離型フイルム - Google Patents

離型フイルム

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JP3126646B2
JP3126646B2 JP07334955A JP33495595A JP3126646B2 JP 3126646 B2 JP3126646 B2 JP 3126646B2 JP 07334955 A JP07334955 A JP 07334955A JP 33495595 A JP33495595 A JP 33495595A JP 3126646 B2 JP3126646 B2 JP 3126646B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離型フイルムに関
し、更に詳しくは水系塗液を用いて塗設される粘着剤被
膜の保護フイルムに有用な、或いは水系溶液や水系スラ
リーを用いて成形される樹脂シート、樹脂被膜、セラミ
ックシートの成形用キャリヤーフイルムに有用な離型フ
イルムに関する。
【0002】
【従来の技術】離型フイルムは、各種粘着剤被膜の保護
フイルムとして広範に使用されている。かかる粘着剤被
膜は、通常ベースフイルムの表面に粘着剤(天然ゴム系
レジン、合成ゴム系レジン、アクリル系レジン等)と溶
媒とを含む塗液を塗工した後、加熱して溶媒を除去する
方法で塗設される。そして離型フイルムは、この粘着剤
被膜の表面に積層され保護フイルムとして用いられてい
る。
【0003】また、離型フイルムは樹脂シート、樹脂被
膜或いはセラミックシート等を成形する際のキャリヤー
フイルムとして用いられる。例えば樹脂シートは、塩化
ビニル樹脂等の樹脂と溶媒からなる塗液を離型フイルム
(キャリヤーフイルム)上に塗工(流延)した後、溶媒
を加熱除去することによりマーキングシート用の塩化ビ
ニルシート等として成形され、キャリアーフイルムから
剥離分離されて各種の用途に供される。また樹脂被膜
は、キャリヤーフイルムの表面に樹脂(粘着剤等)と溶
媒からなる塗液を塗布した後、加熱して溶媒を除去する
ことにより成形される。また、セラミックシートは、例
えばセラミック粉体とバインダー剤とを溶媒に分散させ
たスラリーをキャリヤーフイルム上に塗工した後、溶媒
を加熱除去することによりセラミック生シート(セラミ
ックグリーンシート)として成形される。
【0004】上記の溶媒には、従来は有機溶剤が用いら
れていた。しかし最近は有機溶剤に替わって水が用いら
れることが多くなっている。即ち、粘着剤を含む塗液に
はレジンタッキファイヤーの如き粘着剤の水溶液が用い
られ、スラリーの塗工には水分散スラリーが用いられる
ようになった。この理由として、水は有機溶剤のような
火災や環境汚染の危険が無いため、溶液やスラリーの濃
度調整工程、塗工や加熱除去工程等において薬液の取扱
いが極めて容易となることが挙げられる。
【0005】しかしながら、有機溶剤に比べて水は表面
張力が大きく、表面エネルギーの小さな離型層(例えば
シリコーン系離型層)上に水溶液や水分散スラリー等の
水性塗液を塗工した際に、塗液が離型層面に均一に塗れ
ず液滴状に散在する(いわゆるハジキ)状態となること
が大きな問題となる。この問題を改良するため、例えば
塗液(水溶液や水分散スラリー)を高粘度とする方法
や、塗液の表面張力を低減するため界面活性剤を配合す
る方法が考えられる。しかしながら、高粘度とする方法
では塗工の際のレベリングが難しく塗膜厚みが均一にな
り難い欠点があり、界面活性剤を配合する方法では塗膜
の特性が界面活性剤により悪影響を受ける等の欠点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、塗工用に水系の塗液を用い
てもハジキが生じない(濡れ性が良い)離型層表面を有
し、各種粘着剤被膜、樹脂シート、セラミックシート等
に対し適度の力で剥離が可能(離型性が良い)であり、
かつ経時安定性に優れた離型層を有する離型フイルムを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ポリエステルフイルムの少なくとも片面に付
加重合型シリコーン樹脂を主成分とする離型層を設けた
離型フイルムであって、該シリコーン樹脂の赤外吸収ス
ペクトルで認められる−Si(CH3 2 による波長8
00cm-1前後の吸収ピーク高さ(Ha)と、−Si
(CH3 3 による波長840cm-1前後の吸収ピーク
高さ(Hb)の比が下記式(I)を満足する離型フイル
ムにより達成される。
【0008】
【数2】 20/80≦Hb/Ha≦60/40……(I) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】[ポリエステルフイルム]本発明において
は、フイルム基材としてポリエステルフイルムを用いる
が、透明性が要求される用途には透明性の良好なポリエ
ステルフイルムを用いることが好ましく、二軸延伸ポリ
エステルフイルムが特に好ましい。また、遮光性が要求
される用途には無機顔料を配合したポリエステルフイル
ムを用いることが好ましく、TiO2 、SiO2 等の如
き顔料を配合した二軸延伸ポリエステルフイルムが特に
好ましい。
【0010】かかるポリエステルフイルムを構成するポ
リエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とか
らなる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好ま
しく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレン―2,6―ナフタレート等を挙げることがで
きる。
【0011】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
01〜20μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.005〜20重量%の配合割合で含有させることが
できる。かかる微粒子の具体例としては、炭酸カルシウ
ム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸バリウム等の無機粒
子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒
子、架橋アクリル樹脂粒子等の有機粒子を挙げることが
できる。或いはポリエステルの合成反応に使用した触媒
残査から微粒子を析出させることにより、フイルム表面
に微細な凹凸を形成させ、フイルムの滑り性を良好なも
のとすることができる。
【0012】また、ポリエステルにはその他の改良剤を
配合することができる。例えば帯電防止剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きスルホン酸塩
基を有する化合物等を含有させることができる。これら
の改良剤を含まないポリエステルも用いることができ
る。
【0013】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、二軸延伸ポリエステルフイルムは、ポリエステル
を乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、
I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して
未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを二軸方
向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造す
ることができる。フイルムの厚みは特に制限するもので
はないが、5〜250μmが好ましい。
【0014】[離型層]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムの少なくとも片面に、付加重合型シリコーン
樹脂を主成分とする離型層を設ける。このシリコーン樹
脂は、分岐構造を有する成分と直鎖構造を有する成分か
らなるシリコーン系共重合体であるが、本発明において
は分岐構造を有する成分と直鎖構造を有する成分の比率
を、赤外吸収スペクトルで認められる−Si(CH3
2 による波長800cm-1前後の吸収ピーク高さ(H
a)と、−Si(CH3 3 による波長840cm-1
後の吸収ピーク高さ(Hb)の比により規定する。そし
て、本発明に用いるシリコーン樹脂はHb/Haが下記
式(I)を満足するものである。
【0015】
【数3】 20/80≦Hb/Ha≦60/40……(I) 上記のHb/Haが60/40を超えると、分岐構造を
有する成分の分岐鎖による絡み合いが多くなり過ぎ、分
子間相互作用が大きくなり過ぎるためシリコーン樹脂の
表面エネルギーが大きくなってしまうため離型層の離型
性が不良となる。また、Hb/Haが20/80未満で
あると、離型層の水性塗液に対する濡れ性が不良とな
る。
【0016】かかるシリコーン樹脂は、例えば下記式
(A)で示されるビニル基を有するポリジメチルシロキ
サンと、下記式(C)で示されるハイドロジェンシラン
系化合物とをPt系化合物を触媒に用いて付加重合する
ことにより得ることができる。
【0017】
【化1】
【0018】上記式(A)中、R1 はメチル基またはフ
ェニル基、R2 は下記式(B)で示される基、m、n1
及びn2 は1以上の数であり、m+(n1 +n2 )=3
0〜5000である。尚、mが1〜100、n1 が20
〜4000、n2 が5〜200、n1 ×0.01≦n2
≦n1 ×0.4の範囲であると、適度な凝集力を有する
離型層が得られるため好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】上記式(B)中、n3 は0〜20の数であ
る。
【0021】尚、上記式(A)における
【0022】
【化3】
【0023】はブロック結合を意味しているのではな
く、これらは単にそれぞれの単位の和がm,n1 ,n2
であることを示しているにすぎないと解すべきである。
従って、上記式(A)における各単位はランダム結合し
ていてもよく、またブロック結合していてもよい。
【0024】
【化4】
【0025】上記式(C)中、a及びbは1以上の数で
あり、5≦a+b≦200である。尚、aが3〜10
0、bが2〜180の範囲であると、架橋度が適度に調
整され凝集力の強い離型層が得られるため好ましい。
【0026】尚、上記式(C)における
【0027】
【化5】
【0028】はブロック結合を意味しているのではな
く、これらは単にそれぞれの単位の和がa,bであるこ
とを示しているにすぎないと解すべきである。従って、
上記式(C)における各単位はランダム結合していても
よく、またブロック結合していてもよい。
【0029】尚、上記の付加重合に用いるビニル基を有
するポリジメチルシロキサンと、ハイドロジェンシラン
系化合物の割合は、ビニル基を有するポリジメチルシロ
キサン中のビニル基1.0モルに対し、ハイドロジェン
シラン系化合物中の〜SiH基が1.0〜2.0モルと
なる割合であることが好ましい。ここでいう付加重合と
は、〜Si−CH=CH2 で示される分子末端または分
子側鎖中の官能基と、H−Si〜で示される分子末端ま
たは分子側鎖中の官能基とが、〜Si−CH2CH2
Si〜となる重合反応のことである。但し、上記反応式
中『〜』は分子が更に接続していることを示す。
【0030】また、上記の付加重合にはPt系化合物を
触媒として用いることにより、付加重合が所望の割合で
進行させることができる。このPt系化合物の量は、離
型層中のPt系化合物の濃度がPt金属元素として1〜
500ppmとなる量である。Pt金属元素の量が1p
pm未満であると付加重合が所望の割合で進行しないた
め、経時変化により離型層表面のフェニル基の密度が大
きくなり過ぎて離型性が不良となる。また、Pt金属元
素の量が500ppmを超えると、離型層の塗設に用い
る塗液を保存する間にゲル化が進行し、いわゆるポット
ライフが短くなり生産に適さなくなる。
【0031】尚、上記のPt系化合物としては、例えば
シリコーンオイルに可溶な白金錯体、アルコール変性白
金錯体(塩化白金酸のアルコール溶液)、メチルビニル
ポリシロキサン白金錯体等を挙げることができる。
【0032】また、本発明における離型層は、下記式
(II)で求まる最大表面張力(γL max )が30〜50
dyne/cmであることが好ましい。
【0033】
【数4】γL max =1/b+γC /2 ……式(II) 上記の式(II)におけるbは下記のzismanプロッ
トより求まる定数であり、γC は下記の方法で求まる臨
界表面張力である。即ち、表面張力が20〜40dyne/c
m の範囲にある数種の標準液を調整し、この標準液をフ
イルムの離型層上に滴下して標準液と離型層との接触角
(θ)を測定する。得られた接触角(θ)からcosθ
値を算出し、このcosθ値と標準液の表面張力の値と
をプロット(Zismanプロット)し、その直線の傾
きをbとする。また、このZismanプロットの直線
と、cosθ=1で示される直線との交点における表面
張力の値をγC (臨界表面張力)とする。
【0034】尚、このγL max は下記式(III)で示され
る付着の力(W)を最大にする液体の表面張力と規定さ
れる。
【0035】
【数5】W=γS +γL −γSL ……式(III) 式(III)で、γS は固体の表面張力、γL は液体の表面
張力、γSLは固体〜液体間の界面張力を示す。
【0036】離型層の最大表面張力(γL max )が30
dyne/cm未満であると離型層の水系の樹脂溶液、粘着剤
溶液或いはセラミックスラリーに対する濡れ性が悪くな
ることがあり、γL max が50 dyne/cmを超えると樹脂
シート、粘着剤被膜或いはセラミック生シートに対する
接着力が強くなり過ぎ離型性が不足することがある。
【0037】[その他の配合剤]本発明における離型層
には本発明の目的を妨げない範囲で公知の各種添加剤を
配合することができる。この添加剤としては、例えば紫
外線吸収剤、顔料、消泡剤、ポットライフ延長剤、架橋
剤等を挙げることができる。
【0038】[離型層の塗設方法]本発明においては、
ポリエステルフイルムの少なくとも片面に離型層を設け
るが、この離型層は例えば、前記式(A)で示されるビ
ニル基を有するポリジメチルシロキサン、前記式(C)
で示されるハイドロジェンシラン系化合物およびPt系
化合物を含む塗液をフイルムに塗布し、加熱して乾燥お
よび硬化反応させることにより設けることができる。こ
の加熱の条件は、例えば80〜160℃で20〜120
秒間、特に100〜150℃で30〜60秒間とするこ
とが、乾燥および硬化反応が十分なものとなるため好ま
しい。尚、塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工
法が適用でき、例えばロールコーター法、ブレードコー
ター法等を挙げることができるが、これらの方法に限定
されるものではない。また、塗液は有機溶剤系であって
も、水分散エマルジョン系であってもよい。特に、ポリ
ジメチルシロキサンの良溶媒であるトルエン等の有機溶
剤を用いた塗液であることが好ましい。
【0039】[接着層]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムと離型層との密着性を高めるためにポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に接着層を設け、該接着
層の上に更に離型層を積層することができる。この接着
層には例えばシランカップリング剤を好ましく用いるこ
とができる。このシランカップリング剤としては,一般
式Y−Si−X3 で示されるものを挙げることができ
る。ここで、Yは例えばアミノ基、エポキシ基、ビニル
基、メタクリル基、メルカプト基等で代表される官能
基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基
を示す。上記の接着層の好ましい厚みは0.01〜5μ
m程度であり、特に0.02〜2μm程度である。接着
層の厚みが上記の範囲であるとポリエステルフイルムと
離型層の密着性が良好となり、また接着層を設けたポリ
エステルフイルムがブロッキングし難いため取り扱う際
に支障が生じ難い。
【0040】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。尚、フイルムの各特性値は下記の方法で測定した。
【0041】1.γL max メチルエチルケトンに対しメチルフェニルケトンを適宜
割合で配合し、表面張力が20〜40dyne/cm の範囲に
ある数種の標準液を調整する。この表面張力はデュヌイ
の輪環引上げ法により測定する。次いで、この標準液を
フイルムの離型層上に滴下して標準液と離型層との接触
角(θ)を測定する。得られた接触角(θ)からcos
θ値を算出し、このcosθ値と上記の方法により測定
された表面張力とのプロット(Zismanプロット)
を作成しその直線の傾きをbとする。また、このZis
manプロットの直線とcosθ=1で示される直線と
の交点における表面張力の値をγC (臨界表面張力)と
する。かくして得られたb、γC を用い下記式(I)か
らγL max を求めた。
【0042】
【数6】γL max =1/b+γC /2 ……式(II) 式(II)で、bは上記のZismanプロットより求ま
る定数、γC は上記の方法で求まる臨界表面張力を示
す。
【0043】2.水系塗料の濡れ性 下記組成のセラミック粉体分散スラリーを調整する。 (a)チタン酸バリウム:100重量部 (b)水溶性アクリルエマルジョン:9〜13重量部 (c)水溶性ポリウレタン樹脂:1重量部 (d)ポリカルボン酸アンモニウム:1重量部 (e)水:10〜20重量部 (f)アンモニア:1重量部 セラミック粉体分散スラリーの調整はボールミルにて、
ヘッグマングラインドゲージで7以上の分散状態となる
よう行なう。次いで、このセラミック粉体分散スラリー
を1milの間隙を有するストレートエッジアプリケー
ターを用いて離型フイルムの離型層面に塗工し、140
℃にて1分間乾燥後、塗工エッジのハジキの程度を観察
し下記の基準にて水系塗料の濡れ性を評価した。 A:ハジキが観察されない ……濡れ性良好 B:ハジキが若干観察される……濡れ性やや良好 C:ハジキが観察される ……濡れ性不良
【0044】3.剥離強度 ポリエステルフイルムの離型層面にポリエステル粘着テ
ープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの圧着ロー
ラーで圧着し20時間放置後、離型層と粘着テープとの
剥離力を引張り試験機にて測定した。
【0045】尚、剥離強度の好ましい範囲は5〜100
g/25mmである。剥離強度が5g/25mm以下で
あると、離型フイルムに樹脂シート等を積層した積層シ
ートを巻き取る際等に樹脂シート等が離型フイルムから
剥離してしまうことがあるため好ましくない。また、剥
離強度が100g/25mm以上であると、積層シート
から樹脂シート等を剥離分離して使用する際に剥離が困
難となることがあるため好ましくない。
【0046】4.残留接着率 ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS・
G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS3
04)に貼付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f
0 )とする。また前記ポリエステル粘着テープをサンプ
ルフイルムの離型層塗設面に5kgの圧着ローラーで圧
着し、30秒間放置した後粘着テープを剥がす。そして
剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼
合部の剥離力を測定し、残留接着力(f)とする。得ら
れた基礎接着力(f0 )と残留接着力(f)より下記式
を用いて残留接着率を求める。
【0047】
【数7】残留接着率(%)=(f/f0 )×100 尚、残留接着率の好ましい範囲は85%以上である。残
留接着率が85%未満であると、例えば離型フイルムを
ロール状に巻いて保管する際に、離型層を構成する成分
が隣接するフイルムの表面に転写(いわゆる背面転写)
し、離型層の特性が不良となったり、隣接フイルム表面
の接着性等の特性が不良となることがあるため好ましく
ない。
【0048】5.耐溶剤性 メチルエチルケトンをしみ込ませた脱脂綿にてフイルム
の離型層面を50g/cm2 の荷重で5回こすり、メチ
ルエチルケトンを揮発させた後、離型層面にポリエステ
ル粘着テープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの
圧着ローラーで圧着し20時間放置後、離型層と粘着テ
ープとの剥離力を引張り試験機にて測定した。尚、この
剥離強度が50g/25mm未満であれば耐溶剤性が良
好であり、剥離強度が50g/25mm以上であると耐
溶剤性が不良である。
【0049】6.赤外吸収スペクトル FTIR(JASCO社製・Herschel・FT/
IR700型機)にて透過モードにて下記サンプルの赤
外吸収スペクトルを測定し、下記の方法により波長80
0cm-1前後の吸収ピーク高さ(Ha)と、波長840
cm-1前後の吸収ピーク高さ(Hb)を求めた。 (a) 20cstの粘度のポリジメチルシロキサン(実質
的に直鎖構造を有する成分からなるポリジメチルシロキ
サン)をメチルエチルケトンに固形分濃度が3重量%溶
液となるよう溶解し、この溶液をゲルマニウムペレット
上に微小量滴下し風乾後、赤外吸収スペクトルを測定す
る。得られた800cm-1前後の赤外吸収スペクトルの
波形(a)を波長800cm-1前後の補償用ピークとし
てデータ処理機に記憶させる。 (b) シリコーン樹脂をメチルエチルケトンに固形分濃度
が3重量%溶液となるよう溶解し、この溶液をゲルマニ
ウムペレット上に微小量滴下し風乾後、透過モードにて
赤外吸収スペクトルを測定する。得られた波長800c
-1前後と波長840cm-1前後に吸収ピークを有する
赤外吸収スペクトルの波形(b)をデータ処理機に記憶
させる。 (c) 波形(b)から波形(a)の波長800cm-1前後
の補償用ピーク部分をデータ処理により減じ、その結果
得られた波長840cm-1前後の波形(c)の吸収ピー
ク高さをHbとする。またこの波形(c)をデータ処理
機に記憶させる。 (d) 波形(b)から波形(c)の部分をデータ処理によ
り減じ、その結果得られた波長800cm-1前後の波形
(d)の吸収ピーク高さをHaとする。
【0050】[実施例1]前記式(A)において、R1
がメチル基、R2 が前記式(B)でn3 が0の基、mが
10、n1 が2000及びn2 が100であるポリジメ
チルシロキサンと、前記式(C)において、aが5、b
が100であるハイドロジェンシラン系化合物の混合溶
液(ポリジメチルシロキサン中のビニル基1.0に対
し、ハイドロジェンシラン系化合物中の〜SiH基が
1.5モルとなる割合)にPt触媒(塩化白金酸のエタ
ノール溶液)を得られるシリコーンポリマーに対しPt
金属として20ppmに相当する量加えて、全体の固形
分濃度が3%のトルエン溶液を作成した。
【0051】この溶液を、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフイルム(厚さ38μm)に6g/m2 (we
t)の塗布量で塗布し、加熱温度140℃、加熱時間1
分で乾燥および付加重合反応を行なわせて離型フイルム
を作成した。この離型フイルムの離型層中のシリコーン
樹脂のHb/Haの比は50/50であった。この離型
フイルムの離型層の特性を表1に示す。
【0052】[実施例2]前記式(A)において、R1
がフェニル基、R2 が前記式(B)でn3 が5の基、m
が10、n1 が2000及びn2 が50であるポリジメ
チルシロキサンと、前記式(C)において、aが5、b
が100であるハイドロジェンシラン系化合物の混合溶
液(ポリジメチルシロキサン中のビニル基1.0に対
し、ハイドロジェンシラン系化合物中の〜SiH基が
1.5モルとなる割合)にPt触媒(塩化白金酸のエタ
ノール溶液)を得られるシリコーンポリマーに対しPt
金属として20ppmに相当する量加えて、全体の固形
分濃度が3%のトルエン溶液を用いる以外は実施例1と
同様にして離型フイルムを作成した。この離型フイルム
の離型層中のシリコーン樹脂のHb/Haの比および離
型層の特性を表1に示す。
【0053】[実施例3]25℃のO−クロロフェノー
ル中で測定した固有粘度が0.65のポリエチレンテレ
フタレート(Mnが金属元素として100ppm、平均
粒径0.17μmのSiO2 粒子が0.05重量%含ま
れる)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出
して厚み950μmの未延伸フイルムを得、次ぎに該未
延伸フイルムを機械軸方向(縦方向)に3.5倍延伸し
て一軸延伸フイルムとした後、この一軸延伸フイルムの
片面に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
の5重量%水溶液をキスコート法にて塗布し、105℃
×10秒の条件で乾燥した。この時の平均塗布量は固形
分換算で200mg/m2 であった。引き続き105℃
で横方向に3.9倍延伸し、220℃で熱処理し、プラ
イマー層を塗設した総厚み75μmの二軸延伸ポリエス
テルフイルムを得た。
【0054】この二軸延伸ポリエステルフイルムのプラ
イマー層塗設面に、トルエン溶液を塗布する以外は実施
例1と同様にして離型フイルムを作成した。この離型フ
イルムの離型層中のシリコーン樹脂のHb/Haの比お
よび離型層の特性を表1に示す。
【0055】[比較例1]前記式(A)において、R1
がメチル基、R2 が前記式(B)でn3 が5の基、mが
10、n1 が2000及びn2 が0であるポリジメチル
シロキサンと、前記式(C)において、aが5、bが1
00であるハイドロジェンシラン系化合物の混合溶液
(ポリジメチルシロキサン中のビニル基1.0に対し、
ハイドロジェンシラン系化合物中の〜SiH基が1.5
モルとなる割合)にPt触媒(塩化白金酸のエタノール
溶液)を得られるシリコーンポリマーに対しPt金属と
して20ppmに相当する量加えて、全体の固形分濃度
が3%のトルエン溶液を用いる以外は実施例1と同様に
して離型フイルムを作成した。この離型フイルムの離型
層中のシリコーン樹脂のHb/Haの比および離型層の
特性を表1に示す。
【0056】[比較例2]前記式(A)において、R1
がメチル基、R2 が前記式(B)でn3 が5の基、mが
10、n1 が2000及びn2 が1000であるポリジ
メチルシロキサンと、前記式(C)において、aが5、
bが100であるハイドロジェンシラン系化合物の混合
溶液(ポリジメチルシロキサン中のビニル基1.0に対
し、ハイドロジェンシラン系化合物中の〜SiH基が
1.5モルとなる割合)にPt触媒(塩化白金酸のエタ
ノール溶液)を得られるシリコーンポリマーに対しPt
金属として20ppmに相当する量加えて、全体の固形
分濃度が3%のトルエン溶液を用いる以外は実施例1と
同様にして離型フイルムを作成した。この離型フイルム
の離型層中のシリコーン樹脂のHb/Haの比および離
型層の特性を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1より明らかなように、実施例1〜3に
示した本発明の離型フイルムは水系塗料に対する濡れ
性、剥離強度、残留接着率及び耐溶剤性に優れるもので
あった。
【0059】
【発明の効果】本発明の離型フイルムは、離型層に特定
なポリマーを硬化させたものを用いたものであるため、
各種被膜やシート成形用に水系塗液を用いた際に濡れ性
に優れ、各種樹脂シート、樹脂被膜やセラミックシート
等に対する剥離性に優れるため、粘着剤被膜の保護フイ
ルムや樹脂シート、樹脂被膜、セラミックシート等の成
形用キャリヤーフイルムに有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に付加重合型シリコーン樹脂を主成分とする離型層を設
    けた離型フイルムであって、該シリコーン樹脂の赤外吸
    収スペクトルで認められる−Si(CH3 2 による波
    長800cm -1前後の吸収ピーク高さ(Ha)と、−S
    i(CH3 3 による波長840cm -1前後の吸収ピー
    ク高さ(Hb)の比が下記式(I)を満足する離型フイ
    ルム。 【数1】 20/80≦Hb/Ha≦60/40……(I)
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