JP3366788B2 - 離型フイルム - Google Patents

離型フイルム

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は離型フイルムに関
し、更に詳しくは水系塗液を用いて塗設される粘着剤被
膜の保護フイルムとして有用な、或いは水系溶液や水系
スラリーを用いて成形される樹脂フイルム、樹脂シー
ト、セラミックシートの成形用キャリヤーフイルムに有
用な離型フイルムに関する。 【0002】 【従来の技術】離型フイルムは、各種粘着剤被膜の保護
フイルムとして広範に使用されている。かかる粘着剤被
膜は、通常ベースフイルムの表面に粘着剤(天然ゴム系
レジン、合成ゴム系レジン、アクリル系レジン等)と溶
媒とを含む塗液を塗工した後、加熱して溶媒を除去する
方法で塗設される。そして、離型フイルムは、この粘着
剤被膜の表面に積層され保護フイルムとして用いられて
いる。 【0003】また、離型フイルムは樹脂フイルム、樹脂
シート、セラミックシート等を成形する際のキャリヤー
フイルムとして用いられる。例えば樹脂フイルムは、離
型フイルム(キャリヤーフイルム)の表面に樹脂(粘着
剤等)と溶媒からなる塗液を塗布した後、加熱して溶媒
を除去することにより成形され、キャリアーフイルムか
ら剥離分離されて各種の用途に供される。樹脂シート
は、例えば塩化ビニル樹脂と溶媒からなる塗液をキャリ
ヤーフイルム上に塗工(流延)した後、溶媒を加熱除去
することによりマーキングシート用等の塩化ビニルシー
トとして成形される。セラミックシートは、例えばセラ
ミック粉体とバインダー剤とを溶媒に分散させたスラリ
ーをキャリヤーフイルム上に塗工した後、溶媒を加熱除
去することによりセラミック生シート(セラミックグリ
ーンシート)として成形される。 【0004】上記の溶媒には、従来は有機溶剤が用いら
れていた。しかし最近は有機溶剤に替わって水が用いら
れることが多くなっている。即ち、粘着剤を含む塗液に
はレジンタッキファイヤーの如き粘着剤の水溶液が用い
られ、スラリーの塗工には水分散スラリーが用いられる
ようになった。この理由として、水は有機溶剤のような
火災や環境汚染の危険が無いため、溶液やスラリーの濃
度調整工程、塗工や加熱除去工程等において薬液の取扱
いが極めて容易となることが挙げられる。 【0005】しかしながら、有機溶剤に比べて水は表面
張力が大きく(水の表面張力、γLは73dyne/cm 程
度)、表面エネルギーの小さな離型層(例えばシリコー
ン系離型層の表面張力(γS )は19〜21dyne/cm 程
度)上に水溶液や水分散スラリー等の水性塗液を塗工し
た際に、塗液が離型層面に均一に塗れず液滴状に散在す
る状態となること(いわゆるハジキ)が大きな問題とな
る。この問題を改良するため、例えば塗液(水溶液や水
分散スラリー)を高粘度とする方法や、塗液の表面張力
を低減するため界面活性剤を配合する方法が考えられ
る。しかしながら、高粘度とする方法では塗工の際のレ
ベリングが難しく塗膜厚みが均一になり難い欠点があ
り、界面活性剤を配合する方法では塗膜の特性が界面活
性剤により悪影響を受ける等の欠点がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、各種被膜やシート成形用に
水系の塗液を用いてもハジキが生じない(濡れ性が良
い)離型層表面を有し、更に各種粘着剤被膜やシートに
対し適度の力で剥離が可能な(離型性が良い)離型層表
面を有する離型フイルムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に、下記式(A)で示
されるビニル基を有するポリフェニルメチルシロキサン
と、下記式(B)で示されるハイドロジェンシラン系化
合物とをPt系化合物を触媒に用いて付加重合して得ら
れるシリコーン系ポリマーを含む離型層を設けた離型フ
イルムであって、該シリコーン系ポリマーのソードロッ
カー硬度(N)の逆数が0.005〜0.01である離
型フイルムにより達成される。 【0008】 【化3】 【0009】[式(A)中、R1 はフェニル基、R2
メチル基またはフェニル基、m、n 1 及びn2 は1以上
の数であり、m+(n1 +n2 )=30〜5000であ
る。] 【0010】 【化4】 【0011】[式(B)中、a及びbは1以上の数であ
り、5≦a+b≦200である。] 以下、本発明について詳細に説明する。 【0012】[ポリエステルフイルム]本発明において
は、フイルム基材としてポリエステルフイルムを用いる
が、ポリエステルフイルムを構成するポリエステルは、
芳香族二塩基酸成分とジオール成分とからなる結晶性の
線状飽和ポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レート等を例示することができる。 【0013】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
01〜20μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.005〜20重量%の配合割合で含有させることが
できる。かかる微粒子の具体例としては、炭酸カルシウ
ム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸バリウム等の無機粒
子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒
子、架橋アクリル樹脂粒子等の有機粒子を挙げることが
できる。或いはポリエステルの合成反応に使用した触媒
残査から微粒子を析出させることにより、フイルム表面
に微細な凹凸を形成させ、フイルムの滑り性を良好なも
のとすることができる。 【0014】また、ポリエステルにはその他の改良剤を
配合することができる。例えば帯電防止剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きスルホン酸塩
基を有する化合物等を含有させることができる。これら
の改良剤を含まないポリエステルも用いることができ
る。 【0015】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、二軸延伸ポリエステルフイルムは、ポリエステル
を乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、
I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して
未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを二軸方
向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造す
ることができる。フイルムの厚みは特に制限するもので
はないが、5〜250μmが好ましい。 【0016】[離型層]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムの少なくとも片面に、下記式(A)で示され
るビニル基を有するポリフェニルメチルシロキサンと、
下記式(B)で示されるハイドロジェンシラン系化合物
とをPt系化合物を触媒に用いて付加重合して得られ
る、ソードロッカー硬度(N)の逆数が0.005〜
0.01であるシリコーン系ポリマーを含む離型層を設
ける。 【0017】 【化5】 【0018】上記式(A)中、R1 はフェニル基、R2
はメチル基またはフェニル基、m、n1 及びn2 は1以
上の数であり、m+(n1 +n2 )=30〜5000で
ある。尚、mが1〜100、n1 が20〜3000、n
2 が5〜1900、n1 ×0.2≦n2 ≦n1 ×0.6
の範囲であると、適度な凝集力を有する離型層が得られ
るため好ましい。 【0019】尚、上記式(A)における 【0020】 【化6】 【0021】はブロック結合を意味しているのではな
く、これらは単にそれぞれの単位の和がm,n1 ,n2
であることを示しているにすぎないと解すべきである。
従って、上記式(A)における各単位はランダム結合し
ていてもよく、またブロック結合していてもよい。 【0022】 【化7】 【0023】上記式(B)中、a及びbは1以上の数で
あり、5≦a+b≦200である。尚、aが3〜19
0、bが2〜70、a×0.05≦b≦a×0.5の範
囲であると、架橋度が適度に調整され凝集力の強い離型
層が得られるため好ましい。 【0024】尚、上記式(B)における 【0025】 【化8】 【0026】はブロック結合を意味しているのではな
く、これらは単にそれぞれの単位の和がa,bであるこ
とを示しているにすぎないと解すべきである。従って、
上記式(B)における各単位はランダム結合していても
よく、またブロック結合していてもよい。 【0027】本発明におけるシリコーン系ポリマーは、
前記式(A)で示される化合物と、前記式(B)で示さ
れる化合物とをPt系化合物を触媒に用いて付加重合し
て得られるシリコーン系ポリマーであるが、ここでいう
付加重合とは、〜Si−CH=CH2 で示される分子末
端または分子側鎖中の官能基と、H−Si〜で示される
分子末端または分子側鎖中の官能基とが、〜Si−CH
2 CH2 −Si〜となる重合反応のことである。但し、
上記反応式中『〜』は分子が更に接続していることを示
す。 【0028】また、上記の付加重合ではPt系化合物を
触媒として用いることにより、付加重合を所望の割合で
進行させることができる。このPt系化合物の量は、離
型層中のPt系化合物の濃度がPt金属元素として1〜
100ppmとなる量であることが好ましい。Pt金属
元素の量が1ppm未満であると付加重合が所望の割合
で進行し難いため、経時変化により離型層表面のフェニ
ル基の密度が大きくなり過ぎて離型性が不良となること
がある。また、Pt金属元素の量が100ppmを超え
ると、離型層の塗設に用いる塗液を保存する間にゲル化
が進行し、いわゆるポットライフが短くなり生産に適さ
なくなることがある。 【0029】尚、上記のPt系化合物としては、例えば
シリコーンオイルに可溶な白金錯体、アルコール変性白
金錯体(塩化白金酸のアルコール溶液)、メチルビニル
ポリシロキサン白金錯体等を挙げることができる。 【0030】本発明における離型層は、前記式(A)で
示される化合物と、前記式(B)で示される化合物とを
Pt系化合物を触媒に用いて付加重合して得られるソー
ドロッカー硬度(N)の逆数が0.005〜0.01で
あるシリコーン系ポリマーを含むものであれば特に規定
されるものではないが、例えば上記の付加重合に用いる
ビニル基を有するポリフェニルメチルシロキサンと、ハ
イドロジェンシラン系化合物との割合を、ハイドロジェ
ンシラン系化合物中の〜SiH基1.0モルに対し、ビ
ニル基を有するポリフェニルメチルシロキサン中のビニ
ル基が1.0〜2.0モルとすることが好ましい。 【0031】また、本発明におけるシリコーン系ポリマ
ーとしてポリマー中のメチル基とフェニル基の総量に対
するフェニル基の割合が20〜60モル%のものを用い
ることができる。フェニル基の割合が上記の範囲である
とメチル基よりも嵩高いフェニル基の立体障害により、
ポリマー中の−Si−O−Si−結合の回りの回転運動
が抑制され、その結果離型層表面のメチル基の濃度を減
少させ表面張力を増加させることができる。また、フェ
ニル基の割合が上記の範囲であると、離型層表面の濡れ
性や離型性が特に良好なものとなる。 【0032】本発明におけるソードロッカー硬度(N)
と鋼球の転がり摩擦係数(μ)との間には下記式(I)
の相関がある。 【0033】 【数1】μ=k1 /N ……(I) 式(I)でk1 は定数である。また、鋼球の転がり摩擦
係数(μ)と塗膜の弾性率(G)との間には下記式(I
I)の相関がある。 【0034】 【数2】 μ=k2 tanδ[W/(GR2 )]1/3 ……(II) 式(II)でk2 は比例定数、tanδは力学的損失正
接、Wは鋼球の重量、Rは鋼球の半径である。上記の式
(I)と式(II)から下記式 (III)が導かれる。 【0035】 【数3】 k1 /N=k2 tanδ[W/(GR2 )]1/3 ……(III) 更に式 (III)から下記式(IV)が導かれる。 【0036】 【数4】 tanδ/G1/3 =(1/N)[K/(W/R2 1/3 ]……(IV) 式(IV)でKはk2 /k1 である。式(IV)において、
tanδ/G1/3 は弾性ヒスラリシス損失と関連する、
即ち塗膜の硬さ/軟らかさの指標となる。従って、ソー
ドロッカー硬度(N)の逆数(1/N)と塗膜の物性、
特に弾性とは深い関係があることが判る。 【0037】このソードロッカー硬度の逆数が0.00
5未満であると離型層の硬度が硬く凝集力が強すぎるた
め接着力が強くなり過ぎ離型性が不足する。 【0038】またソードロッカー硬度の逆数が0.01
を超えると離型層の離型性は良好なものとなるが、表面
エネルギーが低すぎるため水系の塗液のハジキが顕著と
なり塗工性が不良となる。 【0039】尚、本発明におけるシリコーン系ポリマー
には、下記のD単位等の他に下記のT単位及び/又はQ
単位の構造を有する成分を共重合することによりシリコ
ーン系ポリマー中のメチル基の濃度を調整し表面張力を
増加させたものとすることができる。 【0040】 【化9】 【0041】但し、D単位およびT単位においてRはメ
チル基等のアルキル基またはフェニル基等の芳香族炭化
水素基を示す。 【0042】更に、本発明における離型層には、下記の
成分を配合することにより、シリコーン系ポリマーのソ
ードロッカー硬度や離型層の特性(濡れ性、耐削れ性、
離型性等)を調節することができる。 【0043】(1)ポリマー分子中に前記のD単位、T
単位及び/又はQ単位の成分を有する変性ポリジメチル
シロキサンを配合すること。この結果、離型層中のポリ
マーのメチル基の濃度が調整され表面張力を増加させる
ことができる。尚、この変性ポリジメチルシロキサンと
シリコーン系ポリマーの総量の離型層中の割合は固形分
濃度で20〜60重量%であることが好ましい。割合が
20重量%よりも少ないと離型層の濡れ性が不良となる
ことがあり、60重量%を超えると離型層が硬くなりす
ぎて耐削れ性が不良となることがあるため好ましくな
い。 【0044】(2)シリカフィラーを配合すること。こ
の結果、離型層中の−Si−OH基の濃度が高くなり表
面張力を増加させることができる。尚、このシリカフィ
ラーは平均粒径が1μm以下のものが好ましい。平均粒
径が1μmを超えるとフイルムの曇り度(ヘイズ)が大
きくなり、透明性を要求される用途に用いる際に支障と
なることがあったり、加工工程でフイルムを走行させる
際に離型層の削れが発生することがあるため好ましくな
い。また、シリカフィラーの配合割合は固形分濃度で
0.1〜1重量%であることが好ましい。配合割合が
0.1重量%よりも少ないと所望の濡れ性が得られない
ことがあり、1重量%を超えるとシリカフィラーが離型
層から削れて脱落することがあるため好ましくない。 【0045】本発明における離型層にはその他の配合剤
として、本発明の目的を妨げない範囲で公知の各種添加
剤を配合することができる。この添加剤としては、例え
ば紫外線吸収剤、顔料、消泡剤、ポットライフ延長剤等
を挙げることができる。 【0046】[離型層の塗設方法]本発明における離型
層は、例えばポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、前記式(A)で示されるビニル基を有するポリフェ
ニルメチルシロキサンと、前記式(B)で示されるハイ
ドロジェンシラン系化合物及びPt系化合物を含む溶剤
塗液をフイルムに塗布し、80〜160℃に加熱し、乾
燥するとともに付加重合により得られるシリコーン系ポ
リマーを含む塗膜を形成させることにより塗設すること
ができる。この溶剤塗液の塗布方法としては、公知の任
意の塗工法が適用でき、例えばロールコーター法、ブレ
ードコーター法等を挙げることができるが、これらの方
法に限定されるものではない。 【0047】[接着層]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムと離型層との密着性を高めるためにポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に接着層を設け、該接着
層の上に更に離型層を積層することができる。この接着
層には例えばシランカップリング剤を好ましく用いるこ
とができる。このシランカップリング剤としては,一般
式Y−Si−X3 で示されるものを挙げることができ
る。ここで、Yは例えばアミノ基、エポキシ基、ビニル
基、メタクリル基、メルカプト基等で代表される官能
基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基
を示す。上記の接着層の好ましい厚みは0.01〜5μ
m程度であり、特に0.02〜2μm程度である。接着
層の厚みが上記の範囲であるとポリエステルフイルムと
離型層の密着性が良好となり、また接着層を設けたポリ
エステルフイルムがブロッキングし難いため取り扱う際
に支障が生じ難い。 【0048】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。尚、フイルムの各特性値は下記の方法で測定した。 【0049】1.ソードロッカー硬度 シリコーンポリマーを10重量%溶解したメチルエチル
ケトン溶液30重量部にPt触媒0.5重量部を加え、
これを、125μmの目開きのストレートエッジアプリ
ケーターを用いて厚さ100μmのポリエステルフイル
ム上に塗布した後、150℃にて5分間加熱処理してシ
リコーン塗膜を得た。このシリコーン塗膜表面のソード
ロッカー硬度を、ASTM−D2134−66に準拠し
た測定方法により測定した。 【0050】2.水系塗料の濡れ性 下記組成のセラミック粉体分散スラリーを調整する。 (a)チタン酸バリウム:100重量部 (b)水溶性アクリルエマルジョン:9〜13重量部 (c)水溶性ポリウレタン樹脂:1重量部 (d)ポリカルボン酸アンモニウム:1重量部 (e)水:10〜20重量部 (f)アンモニア:1重量部 セラミック粉体分散スラリーの調整はボールミルにて、
ヘッグマングラインドゲージで7以上の分散状態となる
よう行なう。次いで、このセラミック粉体分散スラリー
を1milの間隙を有するストレートエッジアプリケー
ターを用いて離型フイルムの離型層面に塗工し、140
℃にて1分間乾燥後、塗工エッジのハジキの程度を観察
し下記の基準にて水系塗料の濡れ性を評価した。 A:ハジキが観察されない ……濡れ性良好 B:ハジキが若干観察される……濡れ性やや良好 C:ハジキが観察される ……濡れ性不良 【0051】3.剥離強度 ポリエステルフイルムの離型層面にポリエステル粘着テ
ープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの圧着ロー
ラーで圧着し20時間放置後、離型層と粘着テープとの
剥離力を引張り試験機にて測定した。 【0052】4.残留接着率 ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS・
G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS3
04)に貼付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f
0 )とする。また前記ポリエステル粘着テープをサンプ
ルフイルムの離型層塗設面に5kgの圧着ローラーで圧
着し、30秒間放置した後粘着テープを剥がす。そして
剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼
合部の剥離力を測定し、残留接着力(f)とする。得ら
れた基礎接着力(f0 )と残留接着力(f)より下記式
を用いて残留接着率を求める。 【0053】 【数5】残留接着率(%)=(f/f0 )×100 【0054】[実施例1]前記式(I)において、m=
2、n1 =2000、n2 =600のポリフェニルメチ
ルシロキサンと、前記式(II)において、a=100、
b=20のジメチルハイドロジェンシランの混合溶液
(ハイドロジェンシラン系化合物中の〜SiH基1.0
モルに対し、ポリフェニルメチルシロキサン中のビニル
基が0.5モルとなる割合)にPt触媒(塩化白金酸の
エタノール溶液)を得られるシリコーン系ポリマーに対
しPt金属として50ppmに相当する量加えて、全体
の固形分濃度が3%のトルエン溶液を作成した。 【0055】この溶液を、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフイルム(厚さ38μm)の片面に6g/m2
(wet)の塗布量で塗布し、加熱温度140℃、加熱
時間1分で乾燥および付加重合反応を行なわせて離型層
の厚さ0.2μmの離型フイルムを作成した。この離型
フイルムの特性を表1に示す。 【0056】[実施例2]シリコーン系ポリマーとして
前記式(I)において、m=2、n1 =2000、n2
=1000のポリフェニルメチルシロキサンと、前記式
(II)において、a=100、b=20のジメチルハイ
ドロジェンシランを用いた以外は実施例1と同様にして
離型フイルムを作成した。この離型フイルムの特性を表
1に示す。 【0057】[実施例3]下記式(C)からなる変性ポ
リジメチルシロキサン(rの平均値が200)を実施例
1で用いたシリコーン系ポリマー60重量部に対し40
重量部加えた以外は実施例1と同様にして離型フイルム
を作成した。この離型フイルムの特性を表1に示す。 【0058】 【化10】 【0059】[実施例4]平均粒子径が0.5μmのシ
リカフィラーを、実施例1で用いたシリコーン系ポリマ
ー99.7重量部に対し0.3重量部を加えた以外は実
施例1と同様にして離型フイルムを作成した。この離型
フイルムの特性を表1に示す。 【0060】[比較例1]実施例1で用いたシリコーン
系ポリマーの替わりに前記式(C)の変性ポリジメチル
シロキサンを用いた以外は実施例1と同様にして離型フ
イルムを作成した。この離型フイルムの特性を表1に示
す。 【0061】[比較例2]シリコーン系ポリマーとして
前記式(I)において、m=0、n1 =1000、n2
=0のポリフェニルメチルシロキサンと、前記式(II)
において、a=100、b=20のジメチルハイドロジ
ェンシランを用いた以外は実施例1と同様にして離型フ
イルムを作成した。この離型フイルムの特性を表1に示
す。 【0062】[比較例3]シリコーン系ポリマーとして
前記式(I)において、m=20、n1 =1000、n
2 =800のポリフェニルメチルシロキサンと、前記式
(II)において、a=100、b=20のジメチルハイ
ドロジェンシランを用いた以外は実施例1と同様にして
離型フイルムを作成した。この離型フイルムの特性を表
1に示す。 【0063】 【表1】 【0064】表1より明らかなように、実施例1〜4に
示した本発明の離型フイルムは水系塗料に対する濡れ
性、剥離強度及び残存接着率に優れるものであった。 【0065】尚、剥離強度の好ましい範囲は1〜10g
/cmである。剥離強度が1g/cm以下であると、離
型フイルムに樹脂シート等を積層した積層シートを巻き
取る際等に樹脂シート等が離型フイルムから剥離してし
まうことがあるため好ましくない。また、剥離強度が1
0g/cm以上であると、積層シートから樹脂シート等
を剥離分離して使用する際に剥離が困難となることがあ
るため好ましくない。 【0066】また、残留接着率の好ましい範囲は85%
以上である。残留接着率が85%未満であると、例えば
離型フイルムをロール状に巻いて保管する際に、離型層
を構成する成分が隣接するフイルムの表面に転写(いわ
ゆる背面転写)し、離型層の特性が不良となったり、隣
接フイルム表面の接着性等の特性が不良となることがあ
るため好ましくない。 【0067】 【発明の効果】本発明の離型フイルムは、離型層に特定
なシリコーン系ポリマーを用い、離型層表面が特定のソ
ードロッカー硬度を有するものであるため、各種被膜や
シート成形用に水系塗液を用いた際に濡れ性に優れ、各
種樹脂シートやセラミックシート等に対する剥離性に優
れるため、粘着剤被膜の保護フイルムや樹脂、セラミッ
クのシート等の成形用キャリヤーフイルムに有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−256844(JP,A) 特開 平7−223213(JP,A) 特開 平6−179763(JP,A) 特開 平5−131537(JP,A) 特開 平5−24047(JP,A) 特開 平9−52319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、下記式(A)で示されるビニル基を有するポリフェ
    ニルメチルシロキサンと、下記式(B)で示されるハイ
    ドロジェンシラン系化合物とをPt系化合物を触媒に用
    いて付加重合して得られるシリコーン系ポリマーを含む
    離型層を設けた離型フイルムであって、該シリコーン系
    ポリマーのソードロッカー硬度(N)の逆数が0.00
    5〜0.01である離型フイルム。 【化1】 [式(A)中、R1 はフェニル基、R2 はメチル基また
    はフェニル基、m、n 1 及びn2 は1以上の数であり、
    m+(n1 +n2 )=30〜5000である。] 【化2】 [式(B)中、a及びbは1以上の数であり、5≦a+
    b≦200である。]
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