JP3095559B2 - ポリアリーレンスルフィドの粒径制御方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの粒径制御方法

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JP3095559B2
JP3095559B2 JP04326258A JP32625892A JP3095559B2 JP 3095559 B2 JP3095559 B2 JP 3095559B2 JP 04326258 A JP04326258 A JP 04326258A JP 32625892 A JP32625892 A JP 32625892A JP 3095559 B2 JP3095559 B2 JP 3095559B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0254Preparatory processes using metal sulfides

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアリーレンスルフィ
ド(以下で、PASと言うことがある)を重合によって
製造する際に、その粒径を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】PAS
の基本的な製造方法としては、ジハロ芳香族化合物とア
ルカリ金属硫化物とを、有機アミド溶媒中で反応させる
方法が知られている(特公昭45-3368 号公報)。この方
法においては、PASは粉末として生成する。
【0003】製品PASの粒子径を制御することへの需
要がある。当該制御が可能となれば、所望の粒径の製品
を、粉砕、造粒、分級等の操作を行うことなく、直接得
ることができる。また、製造後において、濾過性の向上
等、操作の簡易化を図ることができる上、紙袋詰め時等
での取り扱いが容易となる等、大変有意義である。
【0004】PASの粒径を大きくして、取り扱いを容
易にするために、反応終了後に水を添加する方法が開示
されている(特公平1-25493 号公報)。この方法では水
を添加する工程を必要とし、その分操作が繁雑である。
また、圧力が高くなり従来の低圧型反応器では適応でき
ない。
【0005】重合終了後に反応缶を徐冷することによ
り、嵩密度の大きい粒子状ポリマーを析出させる方法
が、特開昭59-49232号公報に記載されている。しかしな
がら、本発明者らがこの方法を種々の攪拌条件下で行っ
たところ、いずれの条件においても十分な効果は得られ
なかった。
【0006】そこで本発明は、PASの粒径を制御する
方法であって、粒径の制御精度に優れ、しかも簡便で経
済性に優れた方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PASの
重合反応時及び反応後の降温時における晶析現象をつぶ
さに検討した結果、重合反応操作において反応系の降温
を開始する時点より早くとも1時間以降から晶析終了時
の間に、反応缶気相部分を冷却することにより、粒径の
細かいPASを得ることができ、逆に、上記の間に反応
缶気相部分を加熱することにより粒径の大きなPASを
得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、有機アミド系溶媒中で
アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを高められ
た温度で反応させてポリアリーレンスルフィドを製造す
る方法において、重合反応操作において反応系の降温を
開始する時点より早くとも1時間以降から晶析終了時点
の間に、反応缶気相部分を、反応缶液相の温度より下の
温度に冷却する、又は反応缶液相の温度より上の温度に
加熱して、ポリアリーレンスルフィドの粒径を制御する
ことを特徴とする、従来の方法とは全く思想を異にする
方法である。
【0009】本発明の重要な要件は、ポリアリーレンス
ルフィドを製造する方法において、重合反応操作におい
て反応系の降温を開始する時点より早くとも1時間以降
から晶析終了時点の間に、反応缶気相部分を冷却または
加熱することである。このことによって、生じるポリア
リーレンスルフィド粉末の粒径を高い精度にて制御する
ことができる。これは全く予期されなかったことであ
る。
【0010】反応缶気相部分の冷却または加熱は、自体
公知の手段によって行うことができる。冷却手段及び加
熱手段は、外部式でも内部式でも良い。例えば、反応缶
内の上部に内部コイルを設置してそこに冷媒体または熱
媒体を流す方法、反応缶外部の上部に外部コイルを巻き
付けるかまたはジャケットを設置し、それらに冷媒体ま
たは熱媒体を流す方法、反応缶外部の上部に冷または熱
気体(例えば空気、窒素等)または液体を散布または吹
き付ける方法等が挙げられる。最後の方法は、反応缶上
部を冷却する場合に好ましい。冷却または加熱法は上記
に限定されず、結果的に反応缶気相部分の温度を下げる
または上げる効果があるものならば、どのような方法を
用いても良い。例えば、外気温度が比較的低いなら(た
とえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保温材
を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可能で
ある。
【0011】上記の冷却または加熱は、重合反応操作に
おいて反応系の降温を開始する時点より早くとも1時間
以降から晶析終了時点の間に行わなければならない。そ
れより早い冷却あるいは加熱も、また遅い冷却あるいは
加熱も、粒径の制御には格別有効ではない。特に、降温
を開始する時点より1時間以前に加熱を開始した場合
は、生成した重合体が解重合することもあるので適当で
ない。好ましくは、重合反応操作において反応系の降温
を開始する時点より40分前〜10分後の間の時点から上記
冷却または加熱を開始し、晶析終了時点まで当該冷却ま
たは加熱を継続する。
【0012】本発明の方法における重合反応操作におい
て、液相バルクの温度は、所定の一定温度に保たれ、あ
るいは所定の温度プロフィールに従ってコントロールさ
れる。一定温度とする場合、 230〜275 ℃の温度で 0.1
〜20時間反応を行うことが好ましい。より好ましくは、
240〜265 ℃の温度で1〜6時間である。より高い分子
量のPASを得るには、2段階以上の反応温度プロフィ
ールを用いることが好ましい。この2段階操作を行う場
合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で行うことが好まし
い。温度が低いと反応速度が小さすぎ、実用的ではな
い。 240℃より高いと反応速度が速すぎて、十分に高分
子量なPASが得られないのみならず、副反応速度が著
しく増大する。第1段階の終了は、重合反応系内ジハロ
芳香族化合物残存率が1モル%〜40モル%、且つ分子量
が 3,000〜20,000の範囲内の時点で行うことが好まし
い。より好ましくは、重合反応系内ジハロ芳香族化合物
残存率が2モル%〜15モル%、且つ分子量が 5,000〜1
5,000の範囲である。残存率が40モル%を越えると、第
2段階の反応で解重合など副反応が生じやすく、一方、
1モル%未満では、最終的に高分子量PASを得難い。
その後昇温して、最終段階の反応は、反応温度 240〜27
0 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うことが好ましい。温
度が低いと十分に高分子量化したPASを得ることがで
きず、また 270℃より高い温度では解重合等の副反応が
生じやすくなり、安定的に高分子量物を得難くなる。
【0013】実際の好ましい操作を例示すると、先ず不
活性ガス雰囲気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫
化物中の水分量が所定の量となるよう、必要に応じて脱
水または水添加する。水分量は、 0.5〜2.5 モル(アル
カリ金属硫化物1モル当り)であることが好ましい。
0.5モル未満では、反応速度が速すぎ、副反応等の好ま
しくない反応が生じるし、 2.5モルを越えると反応速度
が小さくなり、しかも反応終了後の濾液中にフェノール
等の副生成物量が増大し、重合度も上がらない。ジハロ
芳香族化合物は最初から反応系に入れておいても良い
し、脱水終了後に加えても良い。使用量はアルカリ金属
硫化物1モルに対して、 0.9〜1.1 モルの範囲が高分子
量PASを得るには望ましい。高分子量PASを得るた
めにまた、反応中に気相部分を冷却するのが好ましい。
ここでの気相部分の冷却は、一定温度での1段反応の場
合では、反応開始時から行うことが望ましいが、少なく
とも 250℃以下の昇温途中から行わなければならない。
多段階反応では、第1段階の反応から冷却を行うことが
望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了後の昇温途中
から行うことが好ましい。冷却効果の度合いは、通常反
応缶内圧力が最も適した指標である。圧力の絶対値につ
いては、反応缶の特性、攪拌状態、系内水分量、ジハロ
芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモル比等によっ
て異なる。しかし、同一反応条件下で冷却しない場合に
比べて反応缶圧力が低下すれば、還流液量が増加して、
反応溶液気液界面における温度が低下していることを意
味しており、その相対的な低下の度合いが水分含有量の
多い層と、そうでない層との分離の度合いを示している
と考えられる。そこで、冷却は反応缶内圧が、冷却をし
ない場合と比較して低くなる程度に行うのが好ましい。
冷却の程度は、都度の使用する装置、運転条件などに応
じて、当業者が適宜設定できる。
【0014】本発明で、重合反応操作において反応系の
降温を開始する時点より早くとも1時間以降から晶析終
了時点の間に、反応缶気相部分を冷却または加熱する。
この冷却または加熱は、上述したような反応時の気相部
分の冷却とは目的が異なり、重合反応時の冷却を行った
かどうかに関係なく行うことができる。この操作によっ
て、得られるPASの粒径を制御することができる。
【0015】本発明の方法において、得られるPASの
粒径を制御できる理由は定かではないが、以下のように
説明することも可能である。重合反応操作において反応
系の降温を開始する時点より早くとも1時間以降から晶
析終了時点の間に反応缶上部を冷却または加熱すること
によって、反応缶内の液相バルク中の水分量が変化し、
それに対応して晶析時にPASの粒径が変化すると推定
される。すなわち、反応缶上部を冷却/加熱することに
より、反応缶内の気相部での還流液量がより増大/減少
する。還流液組成は、液相バルクのそれよりも水含有量
に富んでいる。そのため、缶内液相における上部表面付
近の水の分布に変化が生じ、その結果液相バルク中の水
分量も変化し、得られるPASの粒径が細かく/大きく
なるのであろう。但し、本発明は上記推論に限定される
ものではない。いずれにせよ本発明においては、重合反
応操作において反応系の降温を開始する時点より早くと
も1時間以降から晶析終了時点の間に、反応缶気相部分
を冷却または加熱することにより、得られるPASの粒
径を制御できるのである。
【0016】尚、本発明においては、従来法のように反
応終了後に水を添加することを要しない。しかし、水を
添加することを全く排除するものではない。
【0017】こうして得られたPASは、当業者にとっ
て公知の後処理法によって副生成物から分離され、乾燥
される。
【0018】本発明において使用する有機アミド系溶媒
は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メ
チルピロリドン(以下NMP)、N,N‐ジメチルホル
ムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチル
カプロラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、N
MPが好ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を
持つ。
【0019】本発明で用いられるアルカリ金属硫化物も
公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及び
これらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であ
っても良い。また、これらにそれぞれ対応する水硫化物
及び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して
用いることができる。安価な硫化ナトリウムが好まし
い。
【0020】本発明で用いられるジハロ芳香族化合物
は、たとえば特公昭45-3368 号公報記載のものから選ぶ
ことができるが、好ましくはp-ジクロロベンゼン(以下
p-DCB)である。また、少量(20モル%以下)のジフ
ェニルエーテル、ジフェニルスルホンまたはビフェニル
のパラ、メタまたはオルトジハロ物を1種類以上用いて
共重合体を得ることができる。具体的には、m-ジクロロ
ベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p,p'- ジクロロジフェ
ニルエーテル、m,p'- ジクロロジフェニルエーテル、m,
m'- ジクロロジフェニルエーテル、p,p'- ジクロロジフ
ェニルスルホン、m,p'- ジクロロジフェニルスルホン、
m,m'- ジクロロジフェニルスルホン、p,p'- ジクロロビ
フェニル、m,p'- ジクロロビフェニル、m,m'- ジクロロ
ビフェニルである。
【0021】PASの分子量をより大きくするために、
1,3,5-トリクロロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン
等のポリハロ化合物をp-ジクロロベンゼンに対して、好
ましくは5モル%以下の濃度で使用することもできる。
【0022】また、他の少量添加物として、末端停止
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
【0023】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0024】
【実施例】実施例において、分子量は1-クロロナフタレ
ンを移動層としてゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィで 210℃において測定した保持時間を、標準ポリスチ
レン分子量換算し、更にユニバーサルキャリブレーショ
ン法で補正したピークトップ分子量である。装置はセン
シュー科学製SSC−7000を用いた。粒径は、日機
装(株)製のマイクロトラックSRA 9210 粒度分析計
を用いて測定した。
【0025】
【実施例1】外側上部にジャケットを取り付けた2m3
のオートクレーブに、フレーク状硫化ナトリウム(Na
2 S60.3重量%) 258.8kg、及びN‐メチル-2- ピロリ
ドン(NMP) 600kgを仕込んだ。窒素気流下、攪拌し
ながら 204℃まで昇温し、水46.8kgを留出させた。その
後、オートクレーブを密閉して 180℃まで冷却し、p-ジ
クロルベンゼン(p-DCB) 298.5kg及びNMP 200kg
を仕込んだ。液温 150℃にて窒素ガスでオートクレーブ
内を1kg/cm2 Gに加圧し、次いで昇温を開始した。液
温が 250℃となったところで昇温を止め、 250℃で3時
間攪拌した。この際、 250℃で 2.5時間経過した時点か
ら、オートクレーブ上部に取り付けたジャケットに50℃
の冷媒を流し、オートクレーブ内圧が10.2kg/cm2 Gか
ら 8.9kg/cm2 Gに下がるように入り口流量をコントロ
ールした。次に、液温を1時間かけて降温させて 218.3
℃となったところで、PASが晶析した。液温が 210℃
まで下がった時に、ジャケットに冷媒を流すのを止め
た。得られたスラリーについて、常法による濾過及び温
水洗を繰り返し、次いで 130℃に保たれた乾燥機中で乾
燥させて白色粉末状の製品を得た。
【0026】得られたPASの分子量は、27,900であっ
た。その粒径を測定したところ、積算分布の50%に対応
する粒子径(以下、D50と略す)が、55μmであった。
また、150 μm以上の粒径の粒子は、殆ど含まれていな
かった。
【0027】こうして得られたPASから、細かい粒径
のものを、風力分級機(ホソカワミクロン社製のミクロ
ンセパレータ)を用いて若干ふるいわけすることによ
り、粉体塗料用に最適なPASを得ることができた。
【0028】
【比較例1】ジャケットに冷媒を流さなかった以外は、
実施例1と同じ操作を行った。
【0029】得られたPASの分子量は 27500であっ
た。そのD50は 120μmであった。本比較例で得られた
PASは、粒径 150μm以上の粒子を多量に含んでい
た。
【0030】本比較例で得られたPASから、粉体塗料
用に最適なものを分級したところ、その重量は元のPA
Sの全重量の10%程度であった。
【0031】
【実施例2】外側上部にジャケットを取り付けた2m3
のオートクレーブに、フレーク状硫化ナトリウム(Na
2 S60.3重量%) 258.8kg、及びNMP 600kgを仕込ん
だ。窒素気流下、攪拌しながら 204℃まで昇温し、水5
4.0kgを留出させた。その後、オートクレーブを密閉し
て 180℃まで冷却し、p-DCB 292.5kg及びNMP 200
kgを仕込んだ。液温 150℃にて窒素ガスでオートクレー
ブ内を1kg/cm2 Gに加圧し、次いで昇温を開始した。
液温が 235℃になってから、オートクレーブ上部に取り
付けたジャケットに、70℃の冷媒を流し始めた。液温が
260℃となったところで昇温を止め、 260℃で 3.5時間
攪拌した。この際、 260℃で3時間攪拌した時点から、
オートクレーブ上部に取り付けたジャケットに、冷媒の
代わりに 275℃の熱媒を流し始めた。次に、液温を1時
間かけて降下させて 219℃にて晶析が終了するまで熱媒
を流し続けた。得られたスラリーについて、常法による
濾過及び温水洗を繰り返し、次いで 130℃に保たれた乾
燥機中で乾燥させて白色粉末状の製品を得た。
【0032】得られたPASの分子量は、31,800であっ
た。そのD50は、 150μmであった。尚、上記で得られ
たPASスラリーの溶媒濾別工程において、濾過性が著
しく良好であり、それ故、製品中のオリゴマー含有率を
容易に減じることができた。
【0033】
【実施例3】外側上部にジャケットを取り付けた2m3
のオートクレーブに、フレーク状硫化ナトリウム(Na
2 S60.3重量%) 258.8kg、及びNMP 600kgを仕込ん
だ。窒素気流下、攪拌しながら 204℃まで昇温し、水5
4.0kgを留出させた。その後、オートクレーブを密閉し
て 180℃まで冷却し、p-DCB 294.0kg及びNMP 200
kgを仕込んだ。液温 150℃にて窒素ガスでオートクレー
ブ内を1kg/cm2 Gに加圧し、次いで昇温を開始した。
液温が 215℃となった時点で昇温を停止し、 215℃で5
時間攪拌した後、再び昇温させた。液温が 220℃になっ
てから、オートクレーブ上部に取り付けたジャケット
に、40℃の冷媒を流し始めた。液温が 250℃となったと
ころで昇温を止め、 250℃で3時間攪拌した。この際、
250℃で2時間50分間攪拌した時点から、オートクレー
ブ上部に取り付けたジャケットに、冷媒の代わりに 275
℃の熱媒を流し始めた。次に、液温を1時間かけて降下
させて液温が 210℃になるまで熱媒を流し続けた。得ら
れたスラリーについて、常法による濾過及び温水洗を繰
り返し、次いで 130℃に保たれた乾燥機中で乾燥させて
白色粉末状の製品を得た。
【0034】得られたPASの分子量は、41,800であっ
た。そのD50は、 160μmであった。上記で得られたP
ASスラリーの溶媒濾別工程において、濾過性が著しく
良好であり、それ故、製品中のオリゴマー含有率を容易
に減じることができた。得られたPASは粉体としての
取扱いが非常に楽であり、しかも押出機での喰い込み性
も非常に良好であった。
【0035】
【比較例2】ジャケットに熱媒を流さなかった以外は、
実施例3と同じ操作を行った。
【0036】得られたPASの分子量は、41,400であっ
た。そのD50は65μmであった。また、粒径分布曲線が
二山となり、粒径15μm以下の微細な粉末を多量に含有
していた。この製品は嵩密度が小さく、取扱い時に粉末
が飛散して、非常に操作性が悪かった。また、押出機で
の喰い込みが悪かった。
【0037】
【実施例4】重合装置上部の内部に取り付けたコイルを
備える 150リットルのオートクレーブに、フレーク状硫
化ナトリウム(Na2 S60.3重量%)16.825kg、及びN
MP39.0kgを仕込んだ。窒素気流下、攪拌しながら 204
℃まで昇温し、水 3.627kgを留出させた。その後、オー
トクレーブを密閉して 180℃まで冷却し、p-DCB19.2
06kg、及びNMP15.6kgを仕込んだ。液温 150℃にて窒
素ガスでオートクレーブ内を1kg/cm2 Gに加圧し、次
いで昇温を開始した。液温が 215℃となった時点で昇温
を停止し、 215℃で6時間攪拌した後、再び昇温させ
た。この際、液温が 220℃になってから、オートクレー
ブ上部に取り付けた内部コイルに、80℃の冷媒を流し
た。液温が 250℃となったところで昇温を止め、 250℃
で3時間攪拌した。次に、液温を1時間かけて 210℃へ
と降下させ、同時に内部コイルに冷媒の代わりに 275℃
の熱媒を流した。晶析が終了し、液温が 210℃となるま
で熱媒を流し続けた。得られたスラリーについて、常法
による濾過及び温水洗を繰り返し、次いで 130℃に保た
れた乾燥機中で乾燥させて白色粉末状の製品を得た。
【0038】得られたPASの分子量は、44,500であっ
た。そのD50は、 175μmであった。上記で得られたP
ASスラリーの溶媒濾別工程において、濾過性が著しく
良好であった。また、上記で得られたPASは押出機で
の喰い込みも良好であった。
【0039】
【比較例3】内部コイルに熱媒を流さなかった以外は、
実施例4と同じ操作を行った。
【0040】得られたPASの分子量は44,500であっ
た。そのD50は70μmであった。また、粒径分布曲線が
二山となり、粒径15μm以下の微細な粉末を多量に含有
していた。この製品は押出機での喰い込みが悪かった。
【0041】
【比較例4】本比較例は、降温を開始する時点より1時
間以前に反応缶気相部分の加熱を開始すると解重合が生
じることがあると言うことを示す。
【0042】反応系の温度を上昇させて液温が 250℃と
なった時点から、80℃の冷媒の代わりに 275℃の熱媒を
流し始めたこと以外は、実施例4と同じ操作を行った。
【0043】得られたPASの分子量は24,800であっ
た。反応生成物はチオフェノールを185ppm含有してい
た。また、反応系スラリーは茶色味を帯びており、明ら
かに解重合が生じていた。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法により、重合後のPASの
粒径を精度良く制御することができる。本発明の方法に
従い、粒径を大きくすることができるため、製造時の濾
過性及び生産性を著しく改善することができる。また、
粉体の飛び散り改善等のハンドリング性の向上及び押出
機への喰い込み性向上による生産性の向上を図ることが
できる。また、粒径を細かくし、制御し得ることから、
粉体塗料等の用途別粒径分布グレードの品揃えが容易と
なる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物
    とジハロ芳香族化合物とを高められた温度で反応させて
    ポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、重
    合反応操作において反応系の降温を開始する時点より早
    くとも1時間以降から晶析終了時点の間に、反応缶気相
    部分を、反応缶液相の温度より下の温度に冷却する、又
    は反応缶液相の温度より上の温度に加熱して、ポリアリ
    ーレンスルフィドの粒径を制御することを特徴とする方
    法。
JP04326258A 1992-11-12 1992-11-12 ポリアリーレンスルフィドの粒径制御方法 Expired - Lifetime JP3095559B2 (ja)

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