JP3095455B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP3095455B2
JP3095455B2 JP03143764A JP14376491A JP3095455B2 JP 3095455 B2 JP3095455 B2 JP 3095455B2 JP 03143764 A JP03143764 A JP 03143764A JP 14376491 A JP14376491 A JP 14376491A JP 3095455 B2 JP3095455 B2 JP 3095455B2
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康博 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アスコルビン酸リン酸
エステルマグネシウム塩を安定に配合して成る化粧料に
関する。
【0002】
【従来の技術】アスコルビン酸リン酸エステルマグネシ
ウム塩はビタミンC作用を示す安定な誘導体で、水によ
く溶解するため、従来より、一般的な美白剤として、種
々の美白化粧料によく用いられている。しかし、前記物
質は経時的に溶解性が低下し、析出物として出現する傾
向があった。
【0003】アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ
ム塩を水溶液中において安定化させる方法としては、ホ
ウ酸はその塩を添加する方法(特公昭43−92)、
有機カルボン酸はその塩,有機リン酸はその塩,あ
るいは有機硫酸塩の1種は2種以上を添加する方法
(特開昭62−63597)等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧料
においてアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩
を安定に配合するには、上記した技術では他の化粧料配
合成分の影響等により、その効果は十分ではなかった。
従って、化粧水や化粧クリーム等において、経時的にア
スコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩の析出物が
出現し、外観を著しく害するだけでなく、ビタミンC作
用による美白効果を低下させ、また、生じた析出物によ
り皮膚に刺激を与えるといった問題が解決されずに残存
していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を行ったところ、通常化粧料に配合できる物質
のうち、特定の有機酸及びその塩、は特定の水溶性高
分子化合物に、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシ
ウム塩を水溶液中で安定化する効果のあることを見い
、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、アスコルビン酸リン酸エステル
マグネシウム塩の安定化には、炭素数2〜6で、カル
ボキシル基及び水酸基を各1個以上有し、且つカルボキ
シル基と水酸基の比が1ではない有機酸(但しクエン酸
を除く)もしくはその塩はカルボキシル基を有する
水溶性高分子化合物(但し多糖類を除く)の添加が有効
であった。
【0007】炭素数1の有機酸は、安定性等の点におい
て化粧料への配合には適当ではなく、炭素数が7以上に
なると、安定化作用は小さくなり、有効な有機酸は見い
だせなかった。また、有機酸については、カルボキシル
基と水酸基の両方を有することが必要であり、それ以外
の有機酸では、炭素数が2〜6であっても、効果は不十
分であった。
【0008】水溶性高分子化合物については、カルボキ
シル基を有するものでなければ上記した安定化作用は不
十分で、目的とする安定な化粧料は得られなかった。
【0009】
【作用】本発明は、アスコルビン酸リン酸エステルマグ
ネシウム塩と、炭素数2〜6で、カルボキシル基及び
水酸基を各1個以上有し、且つカルボキシル基と水酸基
の比が1ではない有機酸(但しクエン酸を除く)及びそ
の塩の1種は2種以上を配合して、安定な化粧料を
提供するものである。また、アスコルビン酸リン酸エス
テルマグネシウム塩と、カルボキシル基を有する水溶性
高分子化合物(但し多糖類を除く)の1種は2種以上
を配合して、安定な化粧料を提供するものである。
【0010】本発明で使用する、炭素数2〜6で、
ルボキシル基及び水酸基を1個以上有し、且つカルボキ
シル基と水酸基の比が1ではないクエン酸以外の有機酸
及びその塩としては、リンゴ酸,リンゴ酸ナトリウム,
グルコン酸,グルコン酸ナトリウム,オキサロ酢酸,グ
リセリン酸等が挙げられる。配合量としては、アスコル
ビン酸リン酸エステルマグネシウム塩が0.01〜50
重量%、前記有機酸及びその塩の1種以上が0.01〜
50重量%であることが望ましい。前記有機酸及びその
塩の1種以上の配合量が0.01重量%未満である場合
は、本発明の効果が十分発揮されず、多量に配合した場
合は使用感上好ましくない影響を与えることがある。
【0011】また、本発明で使用する多糖類でないカル
ボキシル基を有する水溶性高分子化合物としては、カ
ボキシビニルポリマー等が挙げられる。配合量として
は、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩が
0.01〜50重量%、前記水溶性高分子化合物が0.
0001〜5重量%であることが望ましい。この配合量
が0.0001重量%未満である場合は、本発明の効果
が十分発揮されず、多量に配合した場合には化粧料の粘
度が高くなり過ぎる等の好ましくない影響が現れること
がある。
【0012】次に、本発明におけるアスコルビン酸リン
酸エステルマグネシウム塩の、上記有機酸もしくはその
による安定化作用について、経時安定性試験の結果を
表1に示す。表1中、試料Aはアスコルビン酸リン酸エ
ステルマグネシウム塩5部とグルコン酸ナトリウム5部
とを、精製水90部に溶解したもの、試料Bはアスコル
ビン酸リン酸エステルマグネシウム塩5部を精製水95
部に溶解したもの、試はアスコルビン酸リン酸エス
テルマグネシウム塩5部と酢酸ナトリウム0.5部を精
製水94.5部に溶解したもの、試料はアスコルビン
酸リン酸エステルマグネシウム塩5部とヒドロキシエタ
ンジホスホン酸0.5部を精製水94.5部に溶解した
もの、試料はアスコルビン酸リン酸エステルマグネシ
ウム塩5部とエタノール0.5部とを精製水94.5部
に溶解したもの、試料はアスコルビン酸リン酸エステ
ルマグネシウム塩5部とサリチル酸ナトリウム0.5部
を精製水94.5部に溶解させたものである。経時安定
性の評価は、これら試料をそれぞれ10gずつ容量20
mlのスクリュー管に秤りり、50℃にて静置し、析
出物が生成するまでの時間を調べて行った。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように、本発明において
使用する有機酸はその塩を添加したアスコルビン酸リ
ン酸エステルマグネシウム塩の水溶液のみが、析出物生
成までの日数が60日以上と良好な経時安定性を示して
いた。本発明で使用する、炭素数2〜6で、カルボキ
シル基及び水酸基を1個以上有し、且つカルボキシル基
と水酸基の比が1ではないクエン酸以外の有機酸もしく
はその塩を用いた場合は、アスコルビン酸リン酸エステ
ルマグネシウム塩の水溶液単独の場合と析出物生成まで
の日数に差が認められなかった。
【0015】続いて、本発明で使用する上記水溶性高分
子化合物による、アスコルビン酸リン酸エステルマグネ
シウム塩の安定化作用を示すため、同様に経時安定性試
験を行った。その結果を表2に示す。表2中、試
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩5部をカ
ルボキシビニルポリマー0.1重量%水溶液95部に溶
解したもの、試料はアスコルビン酸リン酸エステルマ
グネシウム塩5部をヒドロキシエチルセルロース0.1
重量%水溶液95部に溶解たもの、試料はアスコル
ビン酸リン酸エステルマグネシウム塩5部を精製水95
部に溶解たものである。経時安定性の評価は、記試
料を各10gずつ容量20mlのスクリュー管に秤りと
り、50℃にて静置し、析出物が生成するまでの時間を
調べて行った。
【0016】
【表2】
【0017】表2より明らかなように、本発明で使用す
る水溶性高分子化合物を添加した場合には、アスコルビ
ン酸リン酸エステルマグネシウム塩の水溶液単独の場合
に比べて良好な経時安定性を示していた。また、カルボ
キシル基を持たないセルロース系の水溶性高分子化合物
を添加した場合には、アスコルビン酸リン酸エステルマ
グネシウム塩の析出がられるまでの時間は、その水溶
液単独の場合と大差なく、安定化作用はあまり強くなか
った。水溶性高分子化合物による安定化については、該
化合物中に水酸基を有していても、有効性は十分ではな
かった。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。実施例1と
て、美白化粧水の処方を表に示した。表3中の各成分
を混合溶解、全量を100.0重量%として調製す
る。表3中、グルコン酸ナトリウムを除去し、精製水で
全量を100.0重量%としたものを比較例1とした。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明の効果を示すため、上記実施例及
び比較例について、経時安定性を調べた。経時安定性試
験は、実施例及び比較例をそれぞれ10gずつ容量20
mlのスクリュー管に秤りり、50℃にて静置して、
析出物の生成を観察して行い、結果を表に示した。
【0021】
【表4】
【0022】また、化粧水の外観の変化,美白効果の変
化,使用感の変化の各項目について官能評価を行った。
官能評価は、女性パネラー20名に実施例及び比較例を
それぞれブラインドにて1月間使用させて評価させ、結
果を表にて、各評価項目についてそれぞれの評価を行
ったパネラー数で示した。
【0023】
【表5】
【0024】表において、実施例1については、5
℃において90日以上析出物の生成を認めず、優れた経
時安定性が示された。また、表においても、実施例1
は、外観,美白効果,使用感について調製時の良好な状
態を保っていると評価されていた。しかし、比較例
おいては、表、2週間で析出物の生成を認めてお
、経時安定性の悪いものであった。また、表におい
ても明らかなように、ほぼ全パネラーが化粧水の外観及
び使用感が悪化したと評価しており、美白効果について
も、全員がある程度は低下したと評価していた。特に、
使用感については、使用期間の後半になるにつれ、析出
物生成による刺激感を訴えるパネラーが多くなった。
【0025】以上のように、本発明により、アスコルビ
ン酸リン酸エステルマグネシウム塩を安定に配合した化
粧料を提供することが可能となった。本発明に係る化粧
料は、経時的にアスコルビン酸リン酸エステルマグネシ
ウム塩の析出を生じることがなく、外観,使用感の悪化
及び美白効果の低下のないものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−210614(JP,A) 特開 平4−41409(JP,A) 特開 平3−227907(JP,A) 特開 平3−63208(JP,A) 特開 平1−283208(JP,A) 特開 平1−213212(JP,A) 特開 昭62−63597(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 A61K 7/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシ
    ウム塩と、炭素数2〜6で、カルボキシル基及び水酸
    基を各1個以上有し、且つカルボキシル基と水酸基の比
    が1ではない有機酸(但しクエン酸を除く)及びその塩
    の1種は2種以上とを配合することを特徴とする、化
    粧料。
  2. 【請求項2】 アスコルビン酸リン酸エステルマグネシ
    ウム塩と、カルボキシル基を有する水溶性高分子化合物
    (但し多糖類を除く)の1種は2種以上を配合するこ
    とを特徴とする、化粧料。
JP03143764A 1991-05-20 1991-05-20 化粧料 Expired - Lifetime JP3095455B2 (ja)

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RU2759151C1 (ru) * 2020-11-18 2021-11-09 Федеральное государственное казенное военное образовательное учреждение высшего образования "Военный учебно-научный центр Военно-воздушных сил "Военно-воздушная академия имени профессора Н.Е. Жуковского и Ю.А. Гагарина" (г. Воронеж) Министерства обороны Российской Федерации Свч-устройство для определения электрофизических параметров и оценки дефектов в многослойных диэлектрических и магнитодиэлектрических покрытиях

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