JP3094912B2 - 空気調和機用室外機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機用室
外機の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気調和機用室外機は、一般に箱
形の室外機ケーシングの中にＬ字形に曲げた熱交換器を
配設するとともに該熱交換器の背面側コーナ部にプロペ
ラファンを設けて熱交換ユニット部を形成し、さらに、
その一側に隣り合う形で仕切壁を介して圧縮機および電
装品を有する機械室を配置して構成されていた。

【０００３】しかし、該プロペラファンを採用したもの
では、室外機本体をコンパクト化、スリム化しにくい欠
点がある。

【０００４】そこで、例えば上記プロペラファンに代え
て、クロスフローファンを採用し、室外機本体を縦長形
状にすることによってコンパクト化、スリム化を図ろう
としたものも一部提案されている。

【０００５】該クロスフローファンを採用したものの中
には、例えば室外機ケーシング内に前面側から一側面側
にかけて略Ｌ字形の熱交換器を配置する一方、その他側
部側にクロスフローファンを設け、室外機ケーシングの
上記一側部側に形成した空気吸い込み口から空気を吸い
込んで同室外機ケーシングの他側部側に形成した空気吹
き出し口から吹き出させるように左右方向の送風路を形
成し、さらに該送風路の背面側に仕切壁を介して機械室
を設けたもの（特公平６−６３６５５号公報参照）や、
また室外機ケーシング内の前面側のみにフラットな形状
の熱交換器を配置するとともに、その背後にスクロール
部を介してクロスフローファンを設け、該クロスフロー
ファンからの吹き出し空気を室外機ケーシング側方に形
成した空気吹き出し口から吹き出させるようにしたもの
（特開昭５５−１１８５６２号公報参照）などがある。

【０００６】しかし、これらのものは、室外機ユニット
そのものをコンパクト化、スリム化しようとすると、そ
れに対応して必然的に熱交換器の熱交換面積自体も縮小
され、かつファンの送風能力も低下して熱交換能力が低
下する欠点がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本願各発明は、これらの
課題を解決することを目的としてなされたものであり、
それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されてい
る。

【０００８】（１） 請求項１の発明 すなわち、先ず本願請求項１の発明の空気調和機用室外
機は、例えば図１〜図３に示すように、スクロール部１
０により形成された送風路１２の空気吸込口１２ａ付近
にクロスフローファン２を設けるとともに、該クロスフ
ローファン２の外周囲に当該クロスフローファン２を囲
むようにＵ字状に屈曲した熱交換器３を配設し、該熱交
換器３の後端３ｂを、上記スクロール部１０のスクロー
ル端部１０ａの背面側まで所定長さストレートに延設さ
れている。

【０００９】以上のように、スクロール部１０により形
成された送風路１２の空気吸込口１２ａ付近にクロスフ
ローファン２を設けるとともに、該クロスフローファン
２を中心として、その外周囲に当該クロスフローファン
２を囲む状態となるようにＵ字状に屈曲した熱交換器３
を配設するようにすると、当該Ｕ字状の屈曲構造によっ
て熱交換器３は全体として可及的にコンパクトに小型化
されながら、しかも十分な熱交換面積を確保することが
できるようになり、熱交換ユニット部そのもののコンパ
クト化、スリム化が可能となる。

【００１０】また、クロスフローファン２は、当該クロ
スフローファン２を囲むようにＵ字状に屈曲した熱交換
器３間に囲まれて位置するようになるので、クロスフロ
ーファン２の駆動による吸い込み空気流が効率良く均等
に熱交換器３全体を通過するようになり、熱交換性能が
向上する。

【００１１】特に、同構成では、該構成に加えて、さら
に上記熱交換器３の上記スクロール端部１０ａ側後端３
ｂが所定長さストレートに上記スクロール端部１０ａの
背面側まで延設されていることから、熱交換器３の熱交
換面積をもその分余計に拡大することができ、より大き
く熱交換性能を向上させることができる。

【００１２】しかも、上記延設部は上述のようにストレ
ートに延びているので、当該ストレート部を熱交換器ユ
ニット製造工程における熱交換器３のベンディング加工
時の把持部として有効に利用することができる。

【００１３】（２） 請求項２の発明 また、本願請求項２の発明の空気調和機用室外機では、
以上の請求項１の発明の構成において、さらに上記熱交
換器３の後端３ｂのスクロール端部１０ａ側延設部の延
長線ａが、当該スクロール端部１０ａ背面側の仮想アー
ル面Ｒの接線ｂと交さするように延設されている。

【００１４】したがって、上記熱交換器３の後端３ｂの
スクロール端部１０ａ側の延設部を通って送風路１２へ
流入する空気の流通性が良くなって、上記拡大された熱
交換面積をより有効に機能させることができるようにな
り、さらに熱交換性能が向上する。

【００１５】（３） 請求項３の発明 さらに、また本願請求項３の発明の空気調和機の室外機
では、以上の請求項１又は２の発明の構成において、上
記スクロール部１０の背面側のケーシング７内空間１３
に圧縮機５が配設されている。

【００１６】したがって、該場合には、上記コンパクト
化、スリム化の作用によってスクロール部１０背面側の
ケーシング７内空間１３に十分な余裕空間を形成するこ
とができ、圧縮機５のレイアウトが容易になる。

【００１７】

【発明の効果】以上の結果、本願各発明の空気調和機用
室外機によると、次のような有益な効果を得ることがで
きる。

【００１８】 可能な限りコンパクト化、スリム化が
可能となる。

【００１９】 熱交換性能が向上する。

【００２０】 圧縮機のレイアウトが容易になる。

【００２１】 ベランダ等狭い設置場所にも比較的容
易に設置できる。

【００２２】 ケーシング等の材料費を節減でき、コ
ストを削減できる。

【００２３】

【発明の実施の形態】図１〜図３は、本願発明の実施の
形態に係る空気調和機用室外機ユニットの構成を示して
いる。

【００２４】先ず図中、符号１は同室外機ユニットであ
る。該室外機ユニット１は、例えばクロスフローファン
２、熱交換器３、ファンモータ４等を備えた熱交換ユニ
ット部１Ａと、例えば圧縮機５、冷媒配管５ａ，５ａ、
各種電装品６等を備えた機械室ユニット１Ｂとからな
り、それら２つのユニット部１Ａ，１Ｂをスクロール部
１０を介して略両側に適切に配設一体化してカセット型
ケーシング７内に収納されており、全体として縦長かつ
薄形のスリムな構造に形成されている。

【００２５】該室外機ユニット１の上記ケーシング７
は、その正面側中央部がフラット面７ａに形成されてい
る一方、該フラット面７ａの左右両側部分が前面から背
面側方向に若干のアールを有して傾斜した第１、第２の
テーパ面７ｂ，７ｃに形成されている。

【００２６】そして、その熱交換ユニット部１Ａ部分で
は、当該ケーシング７の上記正面側フラット面７ａから
右側第２のテーパ面７ｃ、右側面７ｄ、背面側右側部寄
り面７ｅまでの４面が、後述する断面略Ｕ字状に屈曲さ
れた熱交換器３の幅の広い外周面に対応した空気吸い込
みグリル部に形成されている一方、正面左側の第１のテ
ーパ面７ｂが、後述する送風路１２の空気吹き出し口１
２ｂに対応した空気吹き出しグリル部に形成されてい
る。

【００２７】そして、上記のように正面側フラット面７
ａから右側第２のテーパ面７ｃ、右側面７ｄ、背面右側
部寄り面７ｅ部までの略全面に亘って形成された空気吸
い込みグリル部内側の空間部には、それら各面の曲がり
方向に沿うように断面略Ｕ字状に折り曲げられて屈曲構
造となった熱交換器３が設けられている。該熱交換器３
は、後に詳述するように、その後端部３ｂをスクロール
部１０の上流端１０ａの背後まで所定長さＬだけストレ
ートに延設して配設されている。

【００２８】また、上記正面左側テーパ面７ｂ部に形成
された上記空気吹き出しグリル部の内側には、当該空気
吹き出しグリル部内側から背面側方向中央部寄りに位置
する上記熱交換器３の前後両端部３ａ，３ｂ間内側寄り
位置まで図示のように放物面を描いて延びるスクロール
部１０が設けられており、該スクロール部１０内に上記
熱交換器３の下流部分から上記空気吹き出しグリル部に
到るクロスフローファン２用の送風路１２が形成されて
いる。該送風路１２の空気吸込口１２ａは、上記熱交換
器３を介して上記空気吸い込みグリル部に、また同空気
吹き出し口１２ｂは上記空気吹き出しグリル部に各々連
通せしめられている。そして、該送風路１２を形成する
上記スクロール部１０の背面側左側部（コーナ部）に
は、後述するように圧縮機５および圧縮機５用の冷媒配
管（連絡配管）５ａ，５ａ、各種電装品６等が設置され
る機械室スペース１３が上下方向に延びて形成されてい
る。

【００２９】また、上記熱交換ユニット部１Ａ側では、
上記クロスフローファン２の上部に位置して当該クロス
フローファン２を駆動するファンモータ４を設けている
一方、機械室ユニット１Ｂ側では、上記圧縮機５の冷媒
配管５ａ，５ａを上方に延設し、そのジョイント部（閉
鎖弁）５ｂ，５ｂを設けることによって室内機との接続
作業の容易なトップジョイント構造を実現している。

【００３０】そして、上記断面Ｕ字状の熱交換器３の前
後両端部３ａ，３ｂの内側および上記スクロール部１０
によって形成された送風路１２の空気吸込口１２ａ付近
に位置して上下方向に延びるクロスフローファン２が設
けられている。該クロスフローファン２は、その回転軸
１４の下端（図示省略）を、上記ケーシング７の熱交換
ユニット部１Ａ側の底部壁（図示省略）に設けられた軸
受により回転可能に支承せしめられている一方、同回転
軸１４の上端を上記ケーシング７の熱交換ユニット１Ａ
側天井壁の下面側に図示しない取付金具を介して固定し
て設けた上記ファンモータ４の駆動軸４ａに連結して駆
動可能としている。

【００３１】したがって、上記ファンモータ４が駆動さ
れると、該ファンモータ４により上記クロスフローファ
ン２が回転されて、上記空気吸い込みグリル部側から外
気が吸い込まれ、上記熱交換器３、クロスフローファン
２、送風路１２を通して熱交換された空気が上記空気吹
き出しグリル部より外部へ効率良く吹き出される。

【００３２】そして、この場合、例えば図３のように上
記クロスフローファン２を上記スクロール部１０の上流
端（空気吸込口端部）１０ａ部分で上記熱交換器３の後
端３ｂ側に寄せて配設するとともに、上記のように熱交
換器３の後端部３ｂを所定長さＬだけ上記スクロール部
１０の上記上流端１０ａの背後にストレートに延設し、
その延長線ａが当該スクロール部１０の上流端１０ａの
仮想アール面Ｒの接線ｂと交さするように構成する。こ
のようにすると、先ず前者の構成により上記クロスフロ
ーファン２に流入する空気の流れが、例えば図３に示す
ように当該クロスフローファン２のブレードに対して対
向するように形成されることになり、有効な逆予旋回効
果が生じ、ファン効率が向上する。そして、それにより
送風性能が向上するとともに送風音が低下するようにな
る。また、後者の構成により、スクロール部１０とカセ
ットケーシング７との間により十分な機械室スペース１
３が形成されるとともに、上記延設部を通して上記クロ
スフローファン２に流入する空気の流通性が向上して、
熱交換性能が向上する。

【００３３】以上のように、先ず本願発明の実施の形態
に係る空気調和機用室外機は、その基本構成部となる熱
交換ユニット部１Ａがクロスフローファン２を中心とし
て、その外周囲に当該クロスフローファン２を囲むよう
に断面Ｕ字状に屈曲した熱交換器３を配設して構成され
ている。

【００３４】したがって、熱交換器３は全体として可及
的にコンパクトに小型化されながら、しかも十分な熱交
換面積を確保することができるようになり、クロスフロ
ーファン２および熱交換器３、ファンモータ４などより
なる熱交換ユニット部１Ａのコンパクト化が可能とな
る。

【００３５】その結果、クロスフローファン２と熱交換
器３とが熱交換ユニット１Ａのケーシング７内にコンパ
クトに収納されるようになるので、室外機全体を小型か
つスリムに設計することができる。

【００３６】その結果、設置場所の制約も少なくなり、
設置作業も容易になる。

【００３７】また、クロスフローファン２は、当該クロ
スフローファン２を囲むように断面Ｕ字状に屈曲した熱
交換器３間に略完全に囲まれて位置するようになるの
で、クロスフローファン２の駆動による吸い込み空気流
が効率良く均等に熱交換器３を通過するようになり、さ
らに熱交換性能が向上する。しかも、その場合、前述の
上記クロスフローファン２とそのスクロール部１０およ
び熱交換器３との関係が図２および図３のようになって
いるので、クロスフローファン２に流入する空気の流れ
がそのブレードに対して対向するように形成され、逆予
旋回効果によってファン効率が向上する結果、従来の構
造に比べてファン効率が向上するとともに送風音も相当
に低下する。

【００３８】また、上記熱交換器３のスクロール端部側
一端３ｂが、所定長さＬだけ上記スクロール部１０の上
記上流端１０ａの背後にストレートに延設され、その延
長線ａが当該スクロール部１０の上流端１０ａの仮想ア
ール面Ｒの接線ｂと交さするように構成されている。従
って、上記スクロール部１０とカセットケーシング７と
の間に十分な機械室スペース１３が形成されるととも
に、延設部を通してクロスフローファン２に流入する空
気の流通性が向上して、熱交換性能が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施の形態に係る空気調和機用室外
機ユニットの正面側から見た概略縦断面図である。

【図２】同室外機の上方から見た概略水平断面図であ
る。

【図３】同室外機の要部の作用を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１は室外機ユニット、１Ａは熱交換ユニット部、１Ｂは
機械室ユニット部、２はクロスフローファン、３は熱交
換器、４はファンモータ、５は圧縮機、６は電装品、７
はケーシング、１０はスクロール部、１０ａはスクロー
ル部上流端、１２は送風路、１２ａは送風路の空気吸込
口である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−155354（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−63738（ＪＰ，Ａ) 特公 平６−63655（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 5/00

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スクロール部（１０）により形成された
   送風路（１２）の空気吸込口（１２ａ）付近にクロスフ
   ローファン（２）を設けるとともに、該クロスフローフ
   ァン（２）の外周囲に該クロスフローファン（２）を囲
   むようにＵ字状に屈曲した熱交換器（３）を配設し、該
   熱交換器（３）の後端（３ｂ）を、上記スクロール部
   （１０）のスクロール端部（１０ａ）の背面側まで所定
   長さストレートに延設したことを特徴とする空気調和機
   用室外機。
2. 【請求項２】 熱交換器（３）の後端（３ｂ）のスクロ
   ール端部（１０ａ）側延設部の延長線（ａ）が、当該ス
   クロール端部（１０ａ）背面側の仮想アール面（Ｒ）の
   接線（ｂ）と交さするように延設されていることを特徴
   とする請求項１記載の空気調和機用室外機。
3. 【請求項３】 スクロール部（１０）の背面側のケーシ
   ング（７）内空間（１３）には圧縮機（５）が配設され
   ていることを特徴とする請求項１又は２記載の空気調和
   機用室外機。