JP2000213763A - 空気調和ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天井埋め込みタイプの空気調和ユニットで、
限られたスペースを充分有効に活用し、小型化でかつ低
騒音である空気調和ユニットを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 熱交換器２を、本ユニットの吹き出し口
７側とは別の吸い込み面を覆うようにＵ字状に配設し、
熱交換器２より下流側にシロッコファン６を配設した。
吸い込み空気ＡをＵ字状の熱交換器２に通過させ、シロ
ッコファン６により吹き出し口７から吹き出す構成によ
り、熱交換器２はＵ字状により幅（面積）を増加でき、
熱交換器２の幅（面積）が増加した分だけ熱交換性能を
向上でき、天井埋め込みタイプの空気調和機の限られた
スペースを充分有効に活用でき、小型化でかつ低騒音化
を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として天井埋め
込みタイプの空気調和ユニットの本体構成に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の空気調和ユニットとして
は、たとえば特開平２−２３８２２７号公報に示されて
いるような構成、すなわち、図５の（ａ）、（ｂ）に示
すような構成が提供されている。

【０００３】図５の（ａ）、（ｂ）において空気調和ユ
ニットは、ユニット本体２１内に、熱交換器２２、水受
け皿２３、ファン装置２４を配設するとともに、このフ
ァン装置２４を、両軸に形成したファンモータ２５と、
各軸にそれぞれ取り付けたシロッコファン２６と、吸い
込み部２７を形成したケーシング２８などにより構成し
ている。そして前記熱交換器２２を、本ユニットの吹き
出し側に配設するとともに、この熱交換器２２に対して
上流側に前記シロッコファン２６を配設し、さらに後据
え付けの化粧パネル２９に、吸い込みグリル３０や吹き
出し口３１を設けている。

【０００４】このような従来構成によると、化粧パネル
２９の吸い込みグリル３０から吸い込まれた吸い込み空
気Ａは、ファンモータ２５により駆動されるシロッコフ
ァン２６によって、ケーシング２８の吸い込み部２７か
ら吸い込まれ、そして熱交換器２２を通過して熱交換さ
れたのち、吹き出し口３１から室内に吹き出し空気Ｂと
して吹き出される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
構成によると、熱交換器２２がシロッコファン２６の下
流側にあるため、シロッコファン２６から吹き出された
吹き出し空気Ｂは直接に熱交換器２２を通過させる必要
があり、熱交換器２２は必然的に平面形状をとらざる得
なかった。したがって、熱交換器２２の性能に大いに影
響する幅ｌは、本体寸法Ｌやシロッコファン２６および
ファンモータ２５の寸法により制約を受けていた。

【０００６】これに対して、いろいろな試みが従来から
行われており、たとえば図６の（ａ）、（ｂ）に示すよ
うな一つの対策案例がある。すなわち図６の（ａ）、
（ｂ）では、熱交換器２２Ａを水平面に対して傾斜を持
たせて縦方向に長くとり、これにより熱交換器２２Ａの
表面積を大きくして、熱交換性能を高めたものである。
この対策案例により、熱交換能力が向上するとともに通
風抵抗も減少し、その結果として騒音値も減少する。

【０００７】しかし、図６の（ａ）、（ｂ）に示す形式
によると、熱交換器２２Ａで発生した凝縮水を、熱交換
器２２Ａのフィンに沿って流す必要があることから、傾
斜角度に制約が生じ、また、横幅方向での制約は依然と
して残っている。このため、この限られたユニット本体
２１のスペースを充分有効に活用しているとは言えな
い。

【０００８】本発明は、上記従来の問題点を解消し、主
として天井埋め込みタイプの空気調和ユニットの限られ
たスペースを充分有効に活用し、小型化でかつ低騒音で
ある空気調和ユニットを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項１記載の空気調和ユニッ
トは、吸い込み面と吹き出し口を有するユニット本体内
に、熱交換器、水受け皿、ファン装置を配設するととも
に、このファン装置を、両軸に形成したファンモータ
と、各軸にそれぞれ取り付けたシロッコファンとにより
構成し、前記熱交換器を、本ユニットの吹き出し口側と
は別の吸い込み面を覆うようにＵ字状に配設するととも
に、この熱交換器より下流側に前記シロッコファンを配
設したことを特徴としたものである。

【００１０】したがって請求項１の発明によると、吸い
込み空気をＵ字状の熱交換器に通過させ、そしてシロッ
コファンにより吹き出し口から吹き出す構成により、熱
交換器はＵ字状により幅（面積）を増加でき、この熱交
換器の幅（面積）が増加した分だけ熱交換性能を向上で
きるとともに、天井埋め込みタイプの空気調和機の限ら
れたスペースを充分有効に活用でき、小型化でかつ低騒
音化を達成できる。

【００１１】また本発明の請求項２記載の空気調和ユニ
ットは、上記した請求項１記載の構成において、各軸に
それぞれ取り付けた左右のシロッコファンにより、ファ
ンモータを囲むように構成したことを特徴としたもので
ある。

【００１２】したがって請求項２の発明によると、ファ
ンモータが、左右のシロッコファンによって覆われた構
成により、実質上、左右のシロッコファンの隙間は無く
なり、ケーシングも一体に構成でき、その分、シロッコ
ファンの幅を大きくとることができ、必要な風量は変わ
りないが、風量特性は大きく改善でき、更に低騒音化を
達成できる。

【００１３】そして本発明の請求項３記載の空気調和ユ
ニットは、上記した請求項１記載の構成において、ファ
ンモータにアウターロータモータを用いて、モータ軸及
びモータ外郭と、各軸にそれぞれ取り付けた両シロッコ
ファンとを同期して回転可能に構成し、左右のシロッコ
ファンにより、アウターロータモータを囲むように構成
したことを特徴としたものである。

【００１４】したがって請求項３の発明によると、アウ
ターロータモータを用い、モータ軸とモータ外郭が同時
に回転し、そのモータ軸及びモータ外郭にシロッコファ
ンを固定した構成により、実質上、左右のシロッコファ
ンの隙間は無くなり、ケーシングも一体に構成でき、そ
の分、シロッコファンの幅を大きくとることができ、必
要な風量は変わりないが、風量特性を更に改善でき、一
層低騒音化を達成できる。

【００１５】さらに本発明の請求項４記載の空気調和ユ
ニットは、吸い込み面と吹き出し口を有するユニット本
体内に、熱交換器、水受け皿、ファン装置を配設すると
ともに、このファン装置を、片軸に形成したファンモー
タと、前記軸に取り付けられかつ左右から吸い込み可能
な複数連のシロッコファンとにより構成し、前記熱交換
器を、本ユニットの吹き出し口側とは別の吸い込み面を
覆うようにＪ字状に配設するとともに、この熱交換器の
一方の端面側に前記ファンモータを配置し、前記熱交換
器より下流側に前記シロッコファンを配設したことを特
徴としたものである。

【００１６】したがって請求項４の発明によると、熱交
換器はＪ字状により幅（面積）を増加でき、この熱交換
器の幅が増加した分だけ熱交換性能が向上できるととも
に、天井埋め込みタイプの空気調和機の限られたスペー
スを充分有効に活用でき、小型化でかつ低騒音化を達成
できる。さらに、ファンモータを片軸とし、その軸に左
右から吸い込み可能なシロッコファンを固定した構成に
より、実質上、左右のシロッコファンの隙間は無くな
り、ケーシングも一体に構成でき、その分、シロッコフ
ァンの幅を大きくとることができ、風量特性を更に改善
でき、一層低騒音化を達成できる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図１〜図４に基づいて説明する。なお、図２〜図４にお
いて、図１と同一またはほぼ同一の構成物については、
同じ符号を付して詳細な説明を省略する。 （第１の実施例）図１の（ａ）、（ｂ）により、本発明
の第１の実施例について説明する。

【００１８】図１の（ａ）、（ｂ）において、空気調和
ユニットは、ユニット本体１内に、熱交換器２、水受け
皿３、ファン装置４を配設するとともに、このファン装
置４を、両軸に形成したファンモータ５と、各軸にそれ
ぞれ取り付けたシロッコファン６と、吹き出し口７や吸
い込み口８を形成したケーシング９などにより構成して
いる。

【００１９】そして前記熱交換器２を、本ユニットの吹
き出し口７側とは別の３面（吸い込み面）を覆うように
Ｕ字状に配設するとともに、この熱交換器２よりも下流
側に前記シロッコファン６を配置している。また、後据
え付けの化粧パネル１０に熱交換器２の形状に沿ったＵ
字状の吸い込み口１１を形成している。

【００２０】したがって第１の実施例によると、グリル
のＵ字状の吸い込み口１１から吸い込まれた吸い込み空
気Ａは、Ｕ字状の熱交換器２を通過し、次いでケーシン
グ９の吸い込み口８を通り、そしてシロッコファン６に
より、吹き出し口７から室内に吹き出し空気Ｂとして吹
き出される。その際に、シロッコファン６は熱交換器２
よりも下流側にあるため、吸い込み口１１で極端な抵抗
差がない限り、吸い込み空気Ａはほぼ均一の風速で熱交
換器２を通過することになる。

【００２１】このような第１の実施例によると、熱交換
器２はＵ字状により幅（面積）が増加し、すなわち、従
来の構成の場合と比較して約３倍に増加することがで
き、この熱交換器２の幅（面積）が増加した分だけ熱交
換性能が向上するとともに、必要な風量を減少して低騒
音化を図れる。

【００２２】また第１の実施例によると、ファンモータ
５によって、その左右に取り付けているシロッコファン
６のケーシング９間に隙間Ｓができるため、各シロッコ
ファン６にも左右のから吸引できる両吸い込みタイプを
用いている。したがって、ケーシング９の吸い込み口８
は、各ケーシング９に左右２個ずつ存在している。 （第２の実施例）図２の（ａ）、（ｂ）により、本発明
の第２の実施例について説明する。

【００２３】図２の（ａ）、（ｂ）において、各軸にそ
れぞれ取り付けた左右のシロッコファン６により、ファ
ンモータ５を囲むように構成している。

【００２４】したがって第２の実施例によると、グリル
のＵ字状の吸い込み口１１から吸い込まれた吸い込み空
気Ａは、Ｕ字状の熱交換器２を通過し、次いでケーシン
グ９の吸い込み口８を通り、そしてシロッコファン６に
より、吹き出し口７から室内に吹き出し空気Ｂとして吹
き出される。その際に、シロッコファン６は熱交換器２
よりも下流側にあるため、吸い込み口１１で極端な抵抗
差がない限り、吸い込み空気Ａはほぼ均一の風速で熱交
換器２を通過することになる。

【００２５】このような第２の実施例によると、熱交換
器２はＵ字状により幅（面積）が増加し、この熱交換器
２の幅（面積）が増加した分だけ熱交換性能が向上する
とともに、必要な風量を減少して低騒音化を図れる。

【００２６】さらに第２の実施例では、ファンモータ５
が、左右のシロッコファン６及びケーシング９によって
覆われる構成となっており、これによると、実質上、左
右のシロッコファン６の隙間Ｓは無くなり、ケーシング
９も一体に構成できる。したがって、その分、シロッコ
ファン６の幅を大きくとることができ、必要な風量は変
わりないが、風量特性が大きく改善されるため、低騒音
を達成できる。 （第３の実施例）図３の（ａ）、（ｂ）により、本発明
の第３の実施例について説明する。

【００２７】図３の（ａ）、（ｂ）において、ファンモ
ータにアウターロータモータ５Ａを用いて、そのモータ
軸１２とモータ外郭にシロッコファン６を固定し、これ
らモータ軸１２及びモータ外郭と、両モータ軸１２にそ
れぞれ取り付けた両シロッコファン６とを同期して回転
可能に構成しするとともに、左右のシロッコファン６に
より、アウターロータモータ５Ａを囲むように構成して
いる。なお、両モータ軸１２の端部は、軸受け１３によ
り支持されている。

【００２８】したがって第３の実施例によると、グリル
のＵ字状の吸い込み口１１から吸い込まれた吸い込み空
気Ａは、Ｕ字状の熱交換器２を通過し、次いでケーシン
グ９の吸い込み口８を通り、そしてシロッコファン６に
より、吹き出し口７から室内に吹き出し空気Ｂとして吹
き出される。その際に、シロッコファン６は熱交換器２
よりも下流側にあるため、吸い込み口１１で極端な抵抗
差がない限り、吸い込み空気Ａはほぼ均一の風速で熱交
換器２を通過することになる。

【００２９】このような第３の実施例によると、熱交換
器２はＵ字状により幅（面積）が増加し、この熱交換器
２の幅（面積）が増加した分だけ熱交換性能が向上する
とともに、必要な風量を減少して低騒音化を図れる。

【００３０】さらに第３の実施例では、アウターロータ
モータ５Ａを用い、モータ軸１２とモータ外郭が同時に
回転し、そのモータ軸１２及びモータ外郭にシロッコフ
ァン６が固定された構成となっており、これによると、
実質上、左右のシロッコファン６の隙間Ｓは無くなり、
ケーシング９も一体に構成できる。したがって、その
分、シロッコファン６の幅を大きくとることができ、必
要な風量は変わりないが、風量特性が大きく改善される
ため、低騒音を達成できる。 （第４の実施例）図４の（ａ）、（ｂ）により、本発明
の第４の実施例について説明する。

【００３１】図４の（ａ）、（ｂ）において、ファン装
置４を、片軸に形成したファンモータ５Ｂと、前記軸１
４に取り付けられかつ左右から吸い込み可能な二連（複
数連）のシロッコファン６とにより構成している。そし
て前記熱交換器２を、本ユニットの吹き出し口７側とは
別の３面（吸い込み面）を覆うようにＪ字状に配設する
とともに、この熱交換器２の一方の端面側に前記ファン
モータ５Ｂを配置し、さらに前記熱交換器２より下流側
に前記シロッコファン６を配設している。

【００３２】したがって第４の実施例によると、グリル
のＪ字状の吸い込み口１１から吸い込まれた吸い込み空
気Ａは、Ｊ字状の熱交換器２を通過し、次いでケーシン
グ９の吸い込み口８を通り、そしてシロッコファン６に
より、吹き出し口７から室内に吹き出し空気Ｂとして吹
き出される。その際に、シロッコファン６は熱交換器２
よりも下流側にあるため、吸い込み口１１で極端な抵抗
差がない限り、吸い込み空気Ａはほぼ均一の風速で熱交
換器２を通過することになる。

【００３３】このような第４の実施例によると、熱交換
器２はＪ字状により幅（面積）が増加し、この熱交換器
２の幅（面積）が増加した分だけ熱交換性能が向上する
とともに、必要な風量を減少して低騒音化を図れる。

【００３４】さらに第４の実施例では、ファンモータ５
Ｂを片軸とし、その軸１４に左右から吸い込み可能なシ
ロッコファン６が固定された構成となっており、これに
よると、実質上、左右のシロッコファン６の隙間Ｓは無
くなり、ケーシング９も一体に構成できる。したがっ
て、その分、シロッコファン６の幅を大きくとることが
でき、必要な風量は変わりないが、風量特性が大きく改
善されるため、低騒音を達成できる。

【００３５】

【発明の効果】上記した本発明のように、熱交換器を、
本ユニットの吹き出し口側とは別の吸い込み面を覆うよ
うにＵ字状やＪ字状に配設し、前記熱交換器より下流側
にシロッコファンを配設した構成を用いることにより、
小型化、かつ低騒音である空気調和ユニットを提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における空気調和ユニッ
トを示し、（ａ）は横断平面図、（ｂ）は縦断側面図

【図２】本発明の第２の実施例における空気調和ユニッ
トを示し、（ａ）は横断平面図、（ｂ）は縦断側面図

【図３】本発明の第３の実施例における空気調和ユニッ
トを示し、（ａ）は横断平面図、（ｂ）は縦断側面図

【図４】本発明の第４の実施例における空気調和ユニッ
トを示し、（ａ）は横断平面図、（ｂ）は縦断側面図

【図５】従来例における空気調和ユニットを示し、
（ａ）は横断平面図、（ｂ）は縦断側面図

【図６】別の従来例における空気調和ユニットを示し、
（ａ）は横断平面図、（ｂ）は縦断側面図

【符号の説明】

１ ユニット本体 ２ 熱交換器 ３ 水受け皿 ４ ファン装置 ５ ファンモータ ５Ａ アウターロータモータ ５Ｂ ファンモータ ６ シロッコファン ７ 吹き出し口 ８ 吸い込み口 ９ ケーシング １０ 化粧パネル １１ 吸い込み口 １２ モータ軸 １４ 軸 Ａ 吸い込み空気 Ｂ 吹き出し空気

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中尾 啓二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3L051 BE07

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸い込み面と吹き出し口を有するユニッ
   ト本体内に、熱交換器、水受け皿、ファン装置を配設す
   るとともに、このファン装置を、両軸に形成したファン
   モータと、各軸にそれぞれ取り付けたシロッコファンと
   により構成し、前記熱交換器を、本ユニットの吹き出し
   口側とは別の吸い込み面を覆うようにＵ字状に配設する
   とともに、この熱交換器より下流側に前記シロッコファ
   ンを配設したことを特徴とする空気調和ユニット。
2. 【請求項２】 各軸にそれぞれ取り付けた左右のシロッ
   コファンにより、ファンモータを囲むように構成したこ
   とを特徴とする請求項１記載の空気調和ユニット。
3. 【請求項３】 ファンモータにアウターロータモータを
   用いて、モータ軸及びモータ外郭と、各軸にそれぞれ取
   り付けた両シロッコファンとを同期して回転可能に構成
   し、左右のシロッコファンにより、アウターロータモー
   タを囲むように構成したことを特徴とする請求項１記載
   の空気調和ユニット。
4. 【請求項４】 吸い込み面と吹き出し口を有するユニッ
   ト本体内に、熱交換器、水受け皿、ファン装置を配設す
   るとともに、このファン装置を、片軸に形成したファン
   モータと、前記軸に取り付けられかつ左右から吸い込み
   可能な複数連のシロッコファンとにより構成し、前記熱
   交換器を、本ユニットの吹き出し口側とは別の吸い込み
   面を覆うようにＪ字状に配設するとともに、この熱交換
   器の一方の端面側に前記ファンモータを配置し、前記熱
   交換器より下流側に前記シロッコファンを配設したこと
   を特徴とする空気調和ユニット。