JP3094819B2 - ポジ型レジスト材料 - Google Patents
ポジ型レジスト材料Info
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Description
線等の高エネルギー線に対して高い感度を有し、アルカ
リ水溶液で現像することによりパターンを形成できる、
微細加工技術に適したポジ型レジスト材料に関する。
の高集積化と高速度化に伴い、近年開発された酸を触媒
として化学増幅(chemical amplific
ation)を行うレジスト材料〔例えば、リュー(L
iu)等、ジャーナル オブ バキューム サイエンス
アンドテクノロジー(J.Vac.Sci.Tech
nol.)、第B6巻、第379頁(1988)〕は、
従来の高感度レジスト材料と同等以上の感度を有し、し
かも解像性が高く、ドライエッチング耐性も高い、優れ
た特徴を有する。そのため、遠紫外線リソグラフィには
特に有望なレジスト材料である。しかし、ネガ型レジス
トとしてはシプリー(Shipley)社が、ノボラッ
ク樹脂とメラミン化合物と酸発生剤からなる3成分化学
増幅レジスト材料(商品名SAL601ER7)を既に
商品化しているが、化学増幅系のポジ型レジスト材料と
しては未だ商品化されたものはない。従って、LSIの
製造工程上、配線やゲート形成などはネガ型レジスト材
料で対応できるが、コンタクトホール形成は、ネガ型レ
ジスト材料を用いたのではカブリやすいために微細な加
工は難しいため、高性能なポジ型レジスト材料が強く要
望されていた。従来、イトー(Ito)等は、ポリヒド
ロキシスチレンのOH基をt−ブトキシカルボニル基
(t−BOC基)で保護したPBOCSTという樹脂
に、オニウム塩を加えてポジ型の化学増幅レジスト材料
を開発している。
分としてアンチモンを含むものであり〔参考文献:ポリ
マース イン エレクトロニクス、ACS シンポジウ
ムシリーズ(Polymers in Electro
nics,ACS symposium Serie
s)第242回(アメリカ化学会、ワシントン DC.
1984)、第11頁〕、基板への汚染防止の観点から
PBOCSTレジスト材料はプロセス上好ましいもので
はない。
テトラヒドロピラニル)を主成分とした高感度かつ高解
像性を有する遠紫外線化学増幅型ポジ型レジスト材料を
発表している(参考:第36回応用物理学会関連連合講
演会、1989年、1p−k−7)が、微細な高アスペ
クト比のパターンを高精度に形成することはパターンの
機械的強度から困難であった。
ヒドロキシスチレンをベース樹脂とした、遠紫外線、電
子線及びX線に感度を有する化学増幅系ポジ型レジスト
材料は、従来数多く発表されているが、いずれも単層レ
ジストであり、未だ基板段差の問題、基板からの光反射
による定在波の問題、高アスペクト比のパターン形成が
困難な問題があり、実用に供することが難しいのが現状
である。
パターン形成をするには2層レジスト法が優れている。
2層レジスト法でアルカリ現像するためには、ヒドロキ
シ基やカルボキシル基などの親水性基を有するシリコー
ン系ポリマーが必要になるが、このシリコーンに直接ヒ
ドロキシ基が付いたシラノールは酸により架橋反応を生
ずるため、化学増幅型ポジ型レジスト材料への適用は困
難であった。また、安定なアルカリ溶解性シリコーンポ
リマーとしてポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサ
ンがあり、そのヒドロキシ基の一部をt−BOCで保護
した材料は酸発生剤との組み合わせで化学増幅型のシリ
コーン系ポジ型レジスト材料になることが知られている
(特開平6−118651号公報或いはSPIE Vo
l.1925(1993)377)。しかしながら、こ
れらシリコーン含有レジスト材料において、高感度で高
解像度を得る材料は提案されていない。
2層レジスト材料として好適であり、高感度、高解像
性、プロセス適用性に優れた化学増幅型シリコーン系ポ
ジ型レジスト材料を提供することを目的とする。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
式(1)で示されるシリコーンポリマーと、酸発生剤
と、溶解阻止剤とを主成分とするポジ型レジスト材料に
おいて、溶解阻止剤として下記一般式(2)、(3)又
は(4)で示されるシリコーン化合物のカルボキシ基又
はヒドロキシ基をt−ブチル基又はt−ブトキシカルボ
ニルメチル基で保護したものを使用することが、高感度
かつ高解像度のパターンを得る上で有効であることを知
見した。
カルボニルメチル基、トリメチルシリル基又はテトラヒ
ドロピラニル基を示す。nは1〜3の整数、x,mはx
+m=1であるが、xは0になることはない。)
ルボキシエチル基又はp−ヒドロキシフェニルアルキル
基を示す。Xはトリメチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基又は−SiR1 2R2(R1,R2は上記と同様の意味
を示す)基を示す。aは0〜50の整数、bは1〜50
の整数、cは3〜10の整数を示す。)
ポリマーと、照射される放射線の作用により分解して酸
を発生する酸発生剤とからなる2成分系レジスト材料
は、優れた解像性を示すが、かかる2成分系のレジスト
材料は未露光部を現像液に溶解しないようにするため
に、多くのアルカリ可溶性基を保護する必要があり、他
方露光部は現像液に溶解させるために多くの保護基を分
解しなければならないため、その際にレジスト膜厚の変
化や膜内の応力あるいは気泡の発生を引き起こす可能性
が高くなるという問題がある。そこで、化学増幅型レジ
ストとして機能をより分化させた3成分系、即ちベース
ポリマー、溶解阻止剤、及び酸発生剤からなる材料系の
方が、酸に分解すべき溶解阻止剤の量が少量ですむた
め、上述のような膜厚の変化や気泡の発生などをより少
なくすることが可能であり、精密な微細な加工には有利
である。ところが、従来、提案されているポジ型レジス
ト用溶解阻止剤は、ビスフェノールAのOH基をt−B
OC化した材料や、フロログルシンやテトラヒドロキシ
ベンゾフェノン等をt−BOC化した材料であるが、3
成分系レジスト材料の場合、高感度化を図れる利点はあ
るが、阻害剤にシリコーン含有化合物を使用しないと酸
素プラズマエッチング耐性を損う問題がある。そのた
め、溶解阻止剤も酸素プラズマエッチング耐性を向上さ
せるため、シリコーン化合物を採用することが考えられ
た。
高感度レジストを与え、かつ酸素プラズマエッチング耐
性に優れた溶解阻止剤を鋭意検討した結果、上記の式
(2)〜(4)のシリコーン化合物のカルボキシ基又は
ヒドロキシ基をt−ブチル基又はt−ブトキシカルボニ
ルメチル基で保護したものが、上記目的を効果的に達成
することができる優れた特性を示すことを見い出したも
のである。
されるシリコーンポリマーと、照射される放射線の作用
により分解して酸を発生する酸発生剤と、溶解阻止剤と
の3成分を含むアルカリ水溶液で現像可能なポジ型レジ
スト材料であって、上記溶解阻止剤が、上記一般式
(2)、(3)又は(4)で示されるシリコーン化合物
のカルボキシ基又はヒドロキシ基をt−ブチル基又はt
−ブトキシカルボニルメチル基で保護したものであるこ
とを特徴とするポジ型レジスト材料を提供する。
と、本発明のポジ型レジスト材料に用いるポリマーは、
下記一般式(1)で示されるシリコーンポリマーであ
る。
t−ブトキシカルボニルメチル基、トリメチルシリル基
又はテトラヒドロピラニル基を示す。nは1〜3の整数
を示す。また、x,mはx+m=1であるが、x>0の
正数であり、mは0又はm>0の正数である。しかしな
がら、式中のxが小さい場合、溶解阻害効果が小さいた
め、阻害剤を添加することが必要不可欠となる。xが大
きくなるとポリマーのアルカリ溶解性が低下するため、
阻害剤は不要となる。xは0.05〜0.5が好まし
い。0.05未満では溶解阻害効果が小さく、0.5よ
り大きいとシリコーン含有量低下に伴い、酸素プラズマ
エッチング耐性が低下する場合がある。しかも、0.5
より大きいとアルカリ水溶液への溶解性が極度に低下す
るため、一般に使用されている現像液では感度が極度に
低下する場合がある。
マーの重量平均分子量は、5,000〜50,000が
好ましい。5,000より小さい場合、所望のプラズマ
耐性が得られなかったり、アルカリ水溶液に対する溶解
阻止効果が低かったりする問題が生じ、50,000よ
り高い場合、汎用なレジスト溶媒に溶け難くなる問題が
生じる場合がある。
BOC化はペプチド合成では良く用いられる官能基の保
護方法であり、ピリジン溶液中で二炭酸ジt−ブチルと
反応させることにより簡単に行うことができる。また、
OH基をt−ブトキシカルボニルメチルオキシ基で保護
する場合はt−ブチルブロモ酢酸エステルとシリコーン
ポリマーを反応させることにより達成できる。
法は、トリエチルアミン、ピリジンのような塩基存在
下、トリメチルシリルクロライドとの反応によって、ほ
ぼ定量的に行うことができる。
る方法は、弱酸存在下、ジヒドロピランとの反応で容易
に行うことができる。
触媒酸で分解するとカルボキシ基を生成するため、t−
BOC基、トリメチルシリル基、又はテトラヒドロピラ
ニル基で保護したものより溶解性が良いため、解像性に
優れる。
配合量は、全配合量に対し55%(重量%、以下同様)
以上、特に80%以上が好ましい。配合量が55%未満
では、レジスト材料の塗布性が悪かったり、レジスト膜
の強度が悪かったりする場合がある。
線等の照射される高エネルギー線に対し分解して酸を発
生する酸発生剤を配合するが、かかる酸発生剤として、
オキシムスルホン酸誘導体、2,6−ジニトロベンジル
スルホン酸誘導体、ナフトキノン−4−スルホン酸誘導
体、2,4−ビストリクロロメチル−6−アリール−
1,3,5−トリアジン誘導体、α,α’−ビスアリー
ルスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。しかしなが
ら、これらの酸発生剤は高感度なレジストを得ることが
できない場合があり、このため下記一般式(5) (R )pJM …(5) (式中、R は同一又は異種の芳香族基又は置換芳香族基
を示し、Jはスルホニウム又はヨードニウムを示し、M
はトルエンスルフォネート基又はトリフルオロメタンス
ルフォネート基を示す。pは2又は3である。)で示さ
れるオニウム塩が好ましく用いられる。
れる化合物が挙げられ、これらを用いることができる。
も、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、エトキ
シ−2−プロパノール等のレジスト材料の塗布に汎用で
好適な溶媒に対して溶解性が低く、このため、レジスト
材料中に適量を混合することが困難な場合がある。ま
た、溶媒に対する溶解性が高いものであっても、シリコ
ーンポリマーとの相溶性が悪いため、良好なレジスト膜
を形成することが困難であること、及び光照射後の熱処
理を行うまでの間に、経時的な感度変化やパターン形状
の変化が生じ易い欠点のあるものもある。特に相溶性が
悪い酸発生剤の場合、レジスト膜中での分布を生じ、パ
ターン表面においてオーバーハングが観察されることが
ある。化学増幅レジスト材料においては、レジスト膜表
面において酸が失活するあるいは表面に酸発生剤がなく
なることにより、このような現象を良く生じる。
のオニウム塩として、上記一般式(5)のRの少なくと
も一つがR4 3CO−(R4は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基等の置換又は非置換の一価炭化水素基)
で示されるt−アルコキシ基、t−ブトキシカルボニル
オキシ基、あるいはt−ブトキシカルボニルメトキシ基
で置換されたフェニル基のオニウム塩が好ましく用いら
れる。これらのオニウム塩は汎用なレジスト溶剤に容易
に溶解し、かつシリコーンポリマーとの相溶性が良いこ
とだけでなく、露光後の溶解性が優れることが特長で、
パターンが基板に対し垂直に形成できる。このとき、一
般式(5)のRの少なくとも一つはt−アルコキシフェ
ニル基、t−ブトキシカルボニルオキシフェニル基、あ
るいはt−ブトキシカルボニルメトキシフェニル基であ
るため、露光そして熱処理時にフェノール性水酸基もし
くはカルボン酸を生じるため、露光後の溶解性が改善さ
れる。一般にオニウム塩は溶解阻害効果を示すが、これ
らのオニウム塩は露光後、溶解促進効果を有する。この
ため、露光前後の溶解速度差を大きくできるため好まし
く使用される。t−アルコキシ基、t−ブトキシカルボ
ニルオキシ基、あるいはt−ブトキシカルボニルメトキ
シ基で置換されたRの数は多いほど溶解性が優れる傾向
にある。
t−アルコキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、
あるいはt−ブトキシカルボニルメトキシ基で置換され
たオニウム塩の例は、下記式で示される化合物が挙げら
れる。
ト、Tsはp−トルエンスルフォネートを示し、t−B
uはt−ブチル基、t−BOCはt−ブトキシカルボニ
ル基を示す。)
%、特に1〜10%が好適である。0.5%未満でもポ
ジ型のレジスト特性を示すが、感度が低い。酸発生剤の
含量が増加すると、レジスト感度は高感度化する傾向を
示し、コントラスト(γ)は向上し、15%より多くて
もポジ型のレジスト特性を示すが、含量の増加による更
なる高感度化が期待できないこと、オニウム塩は高価な
試薬であること、レジスト内の低分子成分の増加はレジ
スト膜の機械的強度を低下させること、また酸素プラズ
マ耐性も低下すること等により、オニウム塩の含量は1
5%以下が好適である。
に下記一般式(2)〜(4)で示されるシリコーン化合
物のカルボキシ基又はヒドロキシ基をt−ブチル基又は
t−ブトキシカルボニルメチル基で保護したものを使用
する。
ルボキシエチル基又はp−ヒドロキシフェニルアルキル
基を示す。Xはトリメチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基又は−SiR1 2R2(R1,R2は上記と同様の意味
を示す)基を示す。aは0〜50の整数、bは1〜50
の整数、cは3〜10の整数を示す。)
ン化合物のカルボキシ基又はヒドロキシ基をアルカリ可
溶性基(t−ブチル基又はt−ブトキシカルボニルメチ
ル基)で保護したシリコーン化合物としては、それぞれ
下記A〜C群の化合物が例示される。
特に10〜30%とすることが好ましい。40%より多
くては、レジスト膜の酸素プラズマ耐性が著しく低下す
るため、2層レジストとして使用できなくなる。
ポリマー、酸発生剤、溶解阻止剤を有機溶媒に溶解する
ことによって調製できるが、有機溶媒としては、これら
の成分が充分に溶解され、かつレジスト膜が均一に広が
るものが好ましく、具体的には酢酸ブチル、キシレン、
アセトン、セロソルブアセテート、エチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳
酸プロピル、乳酸ブチルなどを挙げることができる。こ
れらの有機溶媒は、その1種を単独で使用しても、2種
以上を組み合わせて使用してもよい。なおこの有機溶媒
の配合量は、上記成分の総量の数倍量とすることが好適
である。
面活性剤などを配合することは差し支えない。
成は、例えば以下のようにして行うことができる。ま
ず、基板上に本発明のレジスト溶液をスピン塗布し、プ
リベークを行い高エネルギー線を照射する。この際、酸
発生剤が分解して酸を生成する。PEB(Post E
xposure Bake)を行うことにより、酸を触
媒として酸不安定基が分解し、溶解阻止効果が消失す
る。次いでアルカリ水溶液で現像し、水でリンスするこ
とによりポジ型パターンを形成することができる。
ーをベース樹脂としたことにより、酸素プラズマエッチ
ング耐性に優れているので2層レジストとしても有用で
ある。
機ポリマー層を形成後、本発明のレジスト溶液をその上
にスピン塗布する。上層の本発明のレジスト層は上記と
同様の方法でパターン形成を行った後、エッチングを行
うことにより下層レジストが選択的にエッチングされる
ため、上層のレジストパターンを下層に形成することが
できる。
型レジストを使用することができ、基板上に塗布した
後、200℃で1時間ハードベークすることにより、シ
リコーン系レジストとのインターミキシングを防ぐこと
ができる。
ルギー線に感応し、感度、解像性に優れているため、電
子線や遠紫外線による微細加工に有用である。特にKr
Fエキシマレーザーの露光波長での吸収が小さいため、
微細でしかも基板に対して垂直なパターンを容易に形成
することができるという特徴を有する。また、酸素プラ
ズマエッチング耐性に優れているため、下層レジストの
上に本発明のレジスト膜を塗布した2層レジストは、微
細なパターンを高アスペクト比で形成し得るという特徴
も有する。
明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限
されるものではない。
セスキオキサンの合成 反応器に600mlの水を仕込み、30℃で撹拌しなが
らp−メトキシベンジルトリクロロシラン283.5g
(1mol)及びトルエン300mlの混合液を2時間
で滴下し、加水分解した。分液操作により水層を除去し
たのち、有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。
その濃縮液を減圧下200℃で2時間加熱し、重合し
た。重合物にアセトニトリル200gを加えて溶解し、
その溶液中に60℃以下でトリメチルシリルアイオダイ
ド240gを滴下し、60℃で10時間反応させた。反
応終了後、水200gを加えて加水分解したのち、デカ
ントによりポリマー層を得た。そのポリマー層を真空乾
燥することにより、ポリp−ヒドロキシベンジルシルセ
スキオキサン165gが得られた。
セスキオキサンのt−ブトキシカルボニル(t−BO
C)化 ポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサン(合成例
1)25gをピリジン250gに溶解させ、45℃で撹
拌しながら二炭酸ジ−t−ブチルを5.14g(0.0
231mol、OH基に対して約15mol%に相当)
を添加した。添加と同時にガスが発生したが、N2気流
中で1.5時間反応させた。反応液のピリジンをストリ
ップした後、メタノール100mlに溶解し、水5リッ
トルに滴下し、白色の沈澱を得た。沈澱の水洗を5回繰
り返した後、濾過し、40℃以下で真空乾燥したとこ
ろ、t−ブトキシカルボニル化されたポリヒドロキシベ
ンジルシルセスキオキサンが25g得られた。1H−N
MRにおいて、6〜7ppmのフェニル基のピークと1
〜2ppmのt−ブチル基並びにメチレンのピークよ
り、t−BOC化率を求めたところ、14.6%であっ
た。
セスキオキサンのt−ブトキシカルボニルメチル化 ポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサン(合成例
1)25gをピリジン250gに溶解させ、45℃で撹
拌しながらt−ブチルブロモ酢酸エステル6.67g
(0.034mol)を添加し、N2気流中で5時間反
応させた。反応液のピリジンをストリップした後、メタ
ノール100mlに溶解し、水5リットルに滴下し、白
色の沈澱を得た。沈澱の水洗を5回繰り返した後、濾過
し、40℃以下で真空乾燥したところ、t−ブトキシカ
ルボニルメチル化されたポリヒドロキシベンジルシルセ
スキオキサンが24g得られた。1H−NMRにおい
て、6〜7ppmのフェニル基のピークと1〜2ppm
のt−ブチル基並びにメチレンのピークより、t−ブト
キシカルボニルメチル基の導入率を求めた結果、14.
8%であった。
セスキオキサンのトリメチルシリル化 ポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサン(合成例
1)25gをアセトン40mlに溶解させ、トリメチル
アミン3.9gを添加した。45℃で撹拌しながらトリ
メチルシリルクロライド0.71gを添加した後、2時
間還流して熟成した。反応液のアセトンをストリップし
た後、メタノール100mlに溶解し、水5リットルに
滴下し、白色の沈澱を得た。沈澱の水洗を5回繰り返し
た後、濾過し、40℃以下で真空乾燥したところ、トリ
メチルシリル化されたポリヒドロキシベンジルシルセス
キオキサンが25g得られた。1H−NMRにおいて、
6〜7ppmのフェニル基のピークと0ppm付近のト
リメチルシリル基のメチル基のピークより、トリメチル
シリル基の導入率を求めた結果、14.9%であった。
セスキオキサンのテトラヒドロピラニル化 ポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサン(合成例
1)25gをアセトン40mlに溶解させ、ピリジニウ
ムトシレート5.6gを添加し、ジヒドロピラン9.7
gを室温で撹拌しながら1時間かけて添加した。室温で
10時間熟成を行った後、反応液のアセトンをストリッ
プした後、メタノール100mlに溶解し、水5リット
ルに滴下し、白色の沈澱を得た。沈澱の水洗を5回繰り
返した後、濾過し、40℃以下で真空乾燥したところ、
テトラヒドロピラニル化したポリヒドロキシベンジルシ
ルセスキオキサンが20g得られた。1H−NMRにお
いて、6〜7ppmのフェニル基のピークと5.5pp
mのテトラヒドロピラニル基のα位の水素のピークよ
り、テトラヒドロピラニル基の導入率を求めた結果、1
4.2%であった。
ルボニルエチル)−1,3−テトラメチルジシロキサン
のt−ブチル化 1,3−ビス(ヒドロキシカルボニルエチル)−1,3
−テトラメチルジシロキサン23.0g(0.1mo
l)と無水トリフルオロ酢酸50.4g(0.24mo
l)をアセトン300mlに溶解し、室温で撹拌しなが
らt−ブチルアルコール59.2g(0.8mol)を
徐々に添加した。熟成を5時間行った後、未反応のt−
ブチルアルコール並びに溶媒のアセトンをストリップし
た。残留物をトルエンに溶解し、水洗を3回繰り返し行
い、分液後、トルエンをストリップし、1,3−ビス
(t−ブトキシカルボニルエチル)−1,3−テトラメ
チルジシロキサンの油状物30gを得た。
ニルエチル)シロキサンのt−ブチル化 平均重合度6のポリ(ヒドロキシカルボニルエチル)メ
チルシロキサン20.0gと無水トリフルオロ酢酸5
0.4g(0.24mol)をアセトン300mlに溶
解し、室温で撹拌しながらt−ブチルアルコール59.
2g(0.8mol)を徐々に添加した。熟成を5時間
行った後、未反応のt−ブチルアルコール並びに溶媒の
アセトンをストリップした。残留物をトルエンに溶解
し、水洗を3回繰り返し行い、分液後、トルエンをスト
リップし、ポリ(t−ブトキシカルボニルエチル)メチ
ルシロキサンの油状物29.8gを得た。
ニルエチル)のt−ブチル化 シクロ−1,3,5,7−テトラキス(ヒドロキシカル
ボニルエチル)−1,3,5,7−テトラメチルテトラ
シロキサン40.0g(0.1mol)と無水トリフル
オロ酢酸50.4g(0.24mol)をアセトン30
0mlに溶解し、室温で撹拌しながらt−ブチルアルコ
ール59.2g(0.8mol)を徐々に添加した。熟
成を5時間行った後、未反応のt−ブチルアルコール並
びに溶媒のアセトンをストリップした。残留物をトルエ
ンに溶解し、水洗を3回繰り返し行い、分液後、トルエ
ンをストリップし、残渣をメタノール50mlに溶解
し、水1リットル中へ添加すると無色の沈澱が得られ
た。沈澱を濾過し、乾燥を行い、シクロ−1,3,5,
7−テトラキス(ブトキシカルボニルエチル)−1,
3,5,7−テトラメチルテトラシロキサン83.0g
を得た。
ルボニルエチル)−1,3−テトラメチルジシロキサン
のt−ブトキシカルボニルメチル化 1,3−ビス(ヒドロキシカルボニルエチル)−1,3
−テトラメチルジシロキサン23.0g(0.1mo
l)とピリジン19.0g(0.24mol)をアセト
ン300mlに溶解し、還流下で撹拌しながらt−ブチ
ルブロモ酢酸46.8g(0.24mol)を徐々に添
加した。熟成を10時間行った後、溶媒のアセトンをス
トリップした。残留物をトルエンに溶解し、水洗を3回
繰り返し行い、分液後、トルエンをストリップし、更に
真空乾燥を行ったところ、1,3−ビス(t−ブトキシ
カルボニルメトキシカルボニルエチル)−1,3−テト
ラメチルジシロキサンの油状物54.0gを得た。
ボニルエチル)シロキサンのt−ブトキシカルボニルメ
チル化 平均重合度6のポリ(ヒドロキシカルボニルエチル)メ
チルシロキサン20.0gとピリジン19.0g(0.
24mol)をアセトン300mlに溶解し、還流下で
撹拌しながらt−ブチルブロモ酢酸46.8g(0.2
4mol)を徐々に添加した。熟成を10時間行った
後、溶媒のアセトンをストリップした。残留物をトルエ
ンに溶解し、水洗を3回繰り返し行い、分液後、トルエ
ンをストリップし、更に真空乾燥を行ったところ、ポリ
(t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルエチル)
メチルシロキサンの油状物52.0gを得た。
ボニルエチル)シロキサンのt−ブトキシカルボニルメ
チル化 シクロ−1,3,5,7−テトラキス(ヒドロキシカル
ボニルエチル)−1,3,5,7−テトラメチルテトラ
シロキサン40.0g(0.1mol)とピリジン1
9.0g(0.24mol)をアセトン300mlに溶
解し、還流下で撹拌しながらt−ブチルブロモ酢酸4
6.8g(0.24mol)を徐々に添加した。熟成を
10時間行った後、溶媒のアセトンをストリップした。
残留物をトルエンに溶解し、水洗を3回繰り返し行い、
分液後、トルエンをストリップし、残渣をメタノール5
0mlに溶解し、水1リットル中へ添加すると無色の沈
澱が得られた。沈澱を濾過し、乾燥を行い、シクロ−
1,3,5,7−テトラキス(ブトキシカルボニルメチ
ルオキシカルボニルエチル)−1,3,5,7−テトラ
メチルテトラシロキサン89.2gを得た。
−テトラメチルジシロキサンとp−t−ブトキシスチレ
ンのハイドロシリレーション反応 1,3−ジヒドロ−1,3−テトラメチルジシロキサン
13.4g(0.1mol)とトリエチルアミン0.1
0g並びに塩化白金酸2%イソプロパノール溶液0.2
gを反応温度60℃で撹拌しながらp−t−ブトキシス
チレン21.1g(0.12mol)を徐々に添加し
た。熟成を10時間行った後、トルエンに溶解し、水洗
を3回繰り返し行い、分液後、トルエンをストリップ
し、更に真空乾燥を行ったところ、1,3−ビス(p−
t−ブトキシフェニルエチル)−1,3−テトラメチル
ジシロキサンの油状物33.2gを得た。
シロキサンとp−t−ブトキシスチレンのハイドロシリ
レーション反応 平均重合度6のポリ(ヒドロキシカルボニルエチル)メ
チルシロキサン20.0gとトリエチルアミン0.10
g並びに塩化白金酸2%イソプロパノール溶液0.2g
を反応温度60℃で撹拌しながらp−t−ブトキシスチ
レン21.1g(0.12mol)を徐々に添加した。
熟成を10時間行った後、トルエンに溶解し、水洗を3
回繰り返し行い、分液後、トルエンをストリップし、更
に真空乾燥を行ったところ、ポリp−t−ブトキシフェ
ニルエチルメチルシロキサンの油状物35.1gを得
た。
ボニルエチル)シロキサンとp−t−ブトキシスチレン
のハイドロシリレーション反応 シクロ−1,3,5,7−テトラヒドロ−1,3,5,
7−テトラメチルテトラシロキサン24.0g(0.1
mol)とシクロ−1,3,5,7−テトラキス(ヒド
ロキシカルボニルエチル)−1,3,5,7−テトラメ
チルテトラシロキサン40.0g(0.1mol)とト
リエチルアミン0.10g並びに塩化白金酸2%イソプ
ロパノール溶液0.2gをトルエン50mlに溶解し、
還流下、撹拌しながらp−t−ブトキシスチレン21.
1g(0.12mol)を徐々に添加した。熟成を10
時間行った後、水洗を3回繰り返し行い、分液後、トル
エンをストリップした。更に残渣をアセトン20mlに
溶解し、水へ添加すると沈澱が生じ、沈澱を濾過し、乾
燥を行ったところ、シクロ−1,3,5,7−テトラキ
ス(p−t−ブトキシフェニルエチル)−1,3,5,
7−テトラメチルテトラシロキサン49.8gを得た。
mでスピン塗布し、ホットプレート上にて85℃で1分
間プリベークした。膜厚は0.4μmであった。KrF
エキシマレーザー或いは加速電圧30kVの電子線で描
画したのち、85℃で2分間PEBを行った。2.4%
のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)
の水溶液で1分間現像を行い、水で30秒間リンスし
た。
D0感度は3.8μC/cm2であった。電子線に代え
て、遠紫外線であるKrFエキシマレーザー光(波長2
48nm)で評価した場合のEth感度は5.7mJ/
cm2であった。ここで用いたベース樹脂は、現像液に
対して34nm/sの溶解速度を示した。本レジスト材
料は未露光部は約1.0nm/sの溶解速度を有し、露
光部はPEB後、39nm/sの溶解速度を有した。
4μmラインアンドスペースパターンやホールパターン
が解像し、基板に対し垂直な側壁を持つパターンが形成
できた。また、電子線描画では0.1μmが解像した。
ス樹脂並びに溶解阻止剤を表1にあるように代えて、実
施例1と同様の方法でKrFレーザーレジスト特性を評
価した。表1にそれらの感度、解像性を示す。
ジスト溶液を調整し、シリコンウェハに下層レジストと
してOFPR800(東京応化社製)を2μmの厚さに
塗布し、200℃で1時間加熱し、硬化させた。この下
層レジストの上に実施例1のレジスト材料を実施例1と
同様の方法で約0.4μm厚さで塗布し、プリベークし
た。実施例1と同様に電子線或いはKrFエキシマレー
ザーで露光及び現像し、パターンを下層レジスト上に形
成した。
置で酸素ガスをエッチャントガスとしてエッチングを行
った。下層レジストのエッチング速度が150nm/m
inであるのに対し、実施例1の組成のレジストは3n
m/min以下であった。15分間エッチングすること
により、レジストに覆われていない部分の下層レジスト
は完全に消失し、2μm以上の厚さの2層レジストパタ
ーンが形成できた。このエッチング条件を以下に示す。 ガス流量:50SCCM,ガス圧:1.3Pa rfパワー:50W,dcバイアス:450V
条件で、実施例1のレジストに代えて実施例2〜15の
レジスト材料を2層レジストとしてエッチングしたとこ
ろ、同様なパターンを形成することができた。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Qはt−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシ
カルボニルメチル基、トリメチルシリル基又はテトラヒ
ドロピラニル基を示す。nは1〜3の整数、x,mはx
+m=1であるが、xは0になることはない。)で示さ
れるシリコーンポリマーと、照射される放射線の作用に
より分解して酸を発生する酸発生剤と、溶解阻止剤との
3成分を含むアルカリ水溶液で現像可能なポジ型レジス
ト材料であって、上記溶解阻止剤が、下記一般式
(2)、(3)又は(4) 【化2】 (式中、R1はメチル基又はフェニル基を示し、R2はカ
ルボキシエチル基又はp−ヒドロキシフェニルアルキル
基を示す。Xはトリメチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基又は−SiR1 2R2(R1,R2は上記と同様の意味
を示す)基を示す。aは0〜50の整数、bは1〜50
の整数、cは3〜10の整数を示す。)で示されるシリ
コーン化合物のカルボキシ基又はヒドロキシ基をt−ブ
チル基又はt−ブトキシカルボニルメチル基で保護した
ものであることを特徴とするポジ型レジスト材料。 - 【請求項2】 酸発生剤が、下記一般式(5) (R )pJM …(5) (式中、R は同一又は異種の芳香族基又は置換芳香族基
を示し、Jはスルホニウム又はヨードニウムを示し、M
はトルエンスルフォネート基又はトリフルオロメタンス
ルフォネート基を示す。pは2又は3である。)で示さ
れるオニウム塩である請求項1記載の材料。
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-
1994
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