JP3094744B2 - 水性含フッ素樹脂塗料 - Google Patents
水性含フッ素樹脂塗料Info
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- JP3094744B2 JP3094744B2 JP05226616A JP22661693A JP3094744B2 JP 3094744 B2 JP3094744 B2 JP 3094744B2 JP 05226616 A JP05226616 A JP 05226616A JP 22661693 A JP22661693 A JP 22661693A JP 3094744 B2 JP3094744 B2 JP 3094744B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性含フッ素樹脂塗料
に関するものであり、本発明の塗料は、耐汚染性および
耐候性に優れており、しかも1液常温乾燥型塗料として
使用できるため、建築材料および自動車等の外装の現場
塗装に特に好適である。
に関するものであり、本発明の塗料は、耐汚染性および
耐候性に優れており、しかも1液常温乾燥型塗料として
使用できるため、建築材料および自動車等の外装の現場
塗装に特に好適である。
【0002】
【従来技術およびその問題点】塗料の分野において、耐
候性に優れる含フッ素樹脂塗料が注目されており、クロ
ロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビニルエーテ
ルおよびアルキルビニルエーテルおよびヒドロキシアル
キルビニルエーテルからなる含フッ素共重合体(特開昭
57−34107号公報)、またはクロロトリフルオロ
エチレン、脂肪族ビニルエステルおよびヒドロキシル基
含有アリルエーテルからなる含フッ素共重合体(特開昭
61−57609号公報)等の有機溶剤型塗料用の含フ
ッ素共重合体が提案されている。上記有機溶剤型含フッ
素樹脂塗料によれば、高光沢な塗膜が得られしかも塗工
および硬化が容易であるが、有機溶剤を多量に使用する
点で、人体への有害性や環境汚染という問題があり、水
性の含フッ素樹脂塗料が求められている。
候性に優れる含フッ素樹脂塗料が注目されており、クロ
ロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビニルエーテ
ルおよびアルキルビニルエーテルおよびヒドロキシアル
キルビニルエーテルからなる含フッ素共重合体(特開昭
57−34107号公報)、またはクロロトリフルオロ
エチレン、脂肪族ビニルエステルおよびヒドロキシル基
含有アリルエーテルからなる含フッ素共重合体(特開昭
61−57609号公報)等の有機溶剤型塗料用の含フ
ッ素共重合体が提案されている。上記有機溶剤型含フッ
素樹脂塗料によれば、高光沢な塗膜が得られしかも塗工
および硬化が容易であるが、有機溶剤を多量に使用する
点で、人体への有害性や環境汚染という問題があり、水
性の含フッ素樹脂塗料が求められている。
【0003】水性の含フッ素樹脂塗料に関しても、既に
幾つかの提案があり、例えば特開平2ー225550号
公報には、フルオロオレフィン、ポリオキシエチレン基
含有マクロモノマーおよびヒドロキシル基含有モノマー
からなる共重合体の水性分散体が開示されている。しか
しながら、塗料技術分野の全般にわたって共通すること
であるが、水性塗料により有機溶剤型塗料と同等水準の
優れた物性の塗膜を得ることは容易ではなく、上記公報
開示の水性分散体では、得られる塗膜の硬度が不十分で
あるというように、実用的に満足な物性を有する水性含
フッ素樹脂塗料はまだ得られていないのが現状である。
幾つかの提案があり、例えば特開平2ー225550号
公報には、フルオロオレフィン、ポリオキシエチレン基
含有マクロモノマーおよびヒドロキシル基含有モノマー
からなる共重合体の水性分散体が開示されている。しか
しながら、塗料技術分野の全般にわたって共通すること
であるが、水性塗料により有機溶剤型塗料と同等水準の
優れた物性の塗膜を得ることは容易ではなく、上記公報
開示の水性分散体では、得られる塗膜の硬度が不十分で
あるというように、実用的に満足な物性を有する水性含
フッ素樹脂塗料はまだ得られていないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、下記単量体混合物
を乳化重合することにより、分散安定性に優れる水性樹
脂分散体が得られること、該分散体によれば架橋剤を使
用しなくても実用上十分な機械的強度を有する塗膜が得
られることおよび該塗膜は従来の水性含フッ素樹脂塗料
によるものと比較して光沢および耐汚染性がより優れて
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
を解決するために鋭意検討した結果、下記単量体混合物
を乳化重合することにより、分散安定性に優れる水性樹
脂分散体が得られること、該分散体によれば架橋剤を使
用しなくても実用上十分な機械的強度を有する塗膜が得
られることおよび該塗膜は従来の水性含フッ素樹脂塗料
によるものと比較して光沢および耐汚染性がより優れて
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(a)フルオロオレ
フィン、(b)炭素数が3〜6の直鎖状脂肪族カルボン
酸のビニルエステル、(c)炭素数が4〜15の分岐状
脂肪族カルボン酸のビニルエステル、(d)親水性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体および(e)その他
の共重合性単量体の乳化重合による含フッ素樹脂が水性
媒体に分散しており、該含フッ素樹脂は数平均分子量が
50,000〜1,000,000であって、かつ前記(a)
〜(e)の単量体単位の割合が、全単量体単位の合計量
を基準にして、(a);30〜60モル%、(b);5
〜20モル%、(c);20〜45モル%、(d);0.
01〜5モル%および(e);0〜30モル%である水
性含フッ素樹脂塗料である。
フィン、(b)炭素数が3〜6の直鎖状脂肪族カルボン
酸のビニルエステル、(c)炭素数が4〜15の分岐状
脂肪族カルボン酸のビニルエステル、(d)親水性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体および(e)その他
の共重合性単量体の乳化重合による含フッ素樹脂が水性
媒体に分散しており、該含フッ素樹脂は数平均分子量が
50,000〜1,000,000であって、かつ前記(a)
〜(e)の単量体単位の割合が、全単量体単位の合計量
を基準にして、(a);30〜60モル%、(b);5
〜20モル%、(c);20〜45モル%、(d);0.
01〜5モル%および(e);0〜30モル%である水
性含フッ素樹脂塗料である。
【0006】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明において用いられるフルオロオレフィンとし
ては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレンおよびヘキサフルオロプロピレン等が挙げられ、
好ましくは、取扱いの容易さの点でクロロトリフルオロ
エチレンである。
る。本発明において用いられるフルオロオレフィンとし
ては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレンおよびヘキサフルオロプロピレン等が挙げられ、
好ましくは、取扱いの容易さの点でクロロトリフルオロ
エチレンである。
【0007】前記(b)成分の炭素数が3〜6の直鎖状
脂肪族カルボン酸のビニルエステルとしては、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘプタン酸ビニルおよびカプ
ロン酸ビニルが挙げられる。炭素数が7以上の直鎖状脂
肪族カルボン酸のビニルエステルでは、得られる含フッ
素樹脂の耐汚染性に劣り、また酢酸ビニルでは、得られ
る含フッ素樹脂の耐候性に劣る。本発明においては、上
記特定の直鎖状カルボン酸ビニルエステルと(c)成分
を特定の割合で併用することにより、優れた成膜性と耐
汚染性を具備した含フッ素樹脂塗料が得られる。
脂肪族カルボン酸のビニルエステルとしては、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘプタン酸ビニルおよびカプ
ロン酸ビニルが挙げられる。炭素数が7以上の直鎖状脂
肪族カルボン酸のビニルエステルでは、得られる含フッ
素樹脂の耐汚染性に劣り、また酢酸ビニルでは、得られ
る含フッ素樹脂の耐候性に劣る。本発明においては、上
記特定の直鎖状カルボン酸ビニルエステルと(c)成分
を特定の割合で併用することにより、優れた成膜性と耐
汚染性を具備した含フッ素樹脂塗料が得られる。
【0008】前記(c)成分の炭素数が4〜15の分岐
状脂肪族カルボン酸のビニルエステルとしては、イソ酪
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビ
ニル、炭素数が9個の分岐状カルボン酸であるバーサチ
ック酸(幾何異性体の混合物)のビニルエステルおよび
炭素数が10個の分岐状カルボン酸であるバーサチック
酸のビニルエステル等が挙げられる。得られる含フッ素
樹脂のガラス転移温度が高い点で、好ましくは、ピバリ
ン酸ビニルおよび炭素数が9個のバーサチック酸のビニ
ルエステルである。
状脂肪族カルボン酸のビニルエステルとしては、イソ酪
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビ
ニル、炭素数が9個の分岐状カルボン酸であるバーサチ
ック酸(幾何異性体の混合物)のビニルエステルおよび
炭素数が10個の分岐状カルボン酸であるバーサチック
酸のビニルエステル等が挙げられる。得られる含フッ素
樹脂のガラス転移温度が高い点で、好ましくは、ピバリ
ン酸ビニルおよび炭素数が9個のバーサチック酸のビニ
ルエステルである。
【0009】(d)成分の親水性官能基を有するエチレ
ン性不飽和単量体は、カルボキシル基またはその塩、ス
ルホン基またはその塩、水酸基およびアミノ基等の親水
性官能基を有するエチレン性不飽和単量体である。カル
ボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸およびビニル酢酸等が挙げられ、
またスルホン基を有する単量体としては、ビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げ
られる。上記単量体の塩としては、アンモニア、アミン
またはアルカリ金属による塩が好ましい。
ン性不飽和単量体は、カルボキシル基またはその塩、ス
ルホン基またはその塩、水酸基およびアミノ基等の親水
性官能基を有するエチレン性不飽和単量体である。カル
ボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸およびビニル酢酸等が挙げられ、
またスルホン基を有する単量体としては、ビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げ
られる。上記単量体の塩としては、アンモニア、アミン
またはアルカリ金属による塩が好ましい。
【0010】水酸基を有する単量体としては、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シエチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルクロトネー
トおよびN−メチロールアクリルアミド等が挙げられ
る。アミノ基を有する単量体としては、メタクリルアミ
ド、アクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレートおよびアミノ
プロピルビニルエーテル等が挙げられる。
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シエチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルクロトネー
トおよびN−メチロールアクリルアミド等が挙げられ
る。アミノ基を有する単量体としては、メタクリルアミ
ド、アクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレートおよびアミノ
プロピルビニルエーテル等が挙げられる。
【0011】(d)成分として好ましい単量体は、カル
ボキシル基またはその塩を有する単量体およびスルホン
基またはその塩を有する単量体であり、具体的には、ア
クリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸およびそれらの塩が挙げられ
る。
ボキシル基またはその塩を有する単量体およびスルホン
基またはその塩を有する単量体であり、具体的には、ア
クリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸およびそれらの塩が挙げられ
る。
【0012】本発明における(e)成分は、上記(a)
〜(d)成分以外の共重合性単量体であり、所望により
使用することができる。かかるその他の単量体として
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレン、
フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、塩
化ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、酢酸アリル、酪酸アリルおよびエチ
ルアリルエーテル等が挙げられる。
〜(d)成分以外の共重合性単量体であり、所望により
使用することができる。かかるその他の単量体として
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレン、
フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、塩
化ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、酢酸アリル、酪酸アリルおよびエチ
ルアリルエーテル等が挙げられる。
【0013】上記単量体を共重合して得られる含フッ素
樹脂における各単量体単位の割合は、前記のとおり、全
単量体単位の合計量を基準にして、フルオロオレフィン
単量体単位;30〜60モル%、炭素数が3〜6の直鎖
状脂肪族カルボン酸のビニルエステル(以下直鎖状カル
ボン酸ビニルという)単量体単位;5〜20モル%、炭
素数が4〜15の分岐状脂肪族カルボン酸のビニルエス
テル(以下分岐状カルボン酸ビニルという)単量体単
位;20〜45モル%、親水性官能基を有するエチレン
性不飽和単量体(以下親水性単量体という)単位;0.0
1〜5モル%およびその他の共重合性単量体単位;0〜
30モル%である。
樹脂における各単量体単位の割合は、前記のとおり、全
単量体単位の合計量を基準にして、フルオロオレフィン
単量体単位;30〜60モル%、炭素数が3〜6の直鎖
状脂肪族カルボン酸のビニルエステル(以下直鎖状カル
ボン酸ビニルという)単量体単位;5〜20モル%、炭
素数が4〜15の分岐状脂肪族カルボン酸のビニルエス
テル(以下分岐状カルボン酸ビニルという)単量体単
位;20〜45モル%、親水性官能基を有するエチレン
性不飽和単量体(以下親水性単量体という)単位;0.0
1〜5モル%およびその他の共重合性単量体単位;0〜
30モル%である。
【0014】フルオロオレフィン単量体単位の割合が、
60モル%を越えると得られる含フッ素樹脂の水性分散
体の分散安定性に劣り、一方40モル%未満であると塗
料としての耐候性に劣る。直鎖状カルボン酸ビニル単量
体単位の割合が、20モル%を越えると得られる塗料に
よる塗膜の耐汚染性に劣り、一方5モル%未満であると
塗膜の柔軟性に劣る。分岐状カルボン酸ビニル単量体単
位の割合が、45モル%を越えると塗装時の成膜性に劣
り、一方20モル%未満であると塗膜の耐汚染性に劣
る。親水性単量体単位の割合が、5モル%を越えると塗
膜の耐水性に劣り、一方0.01モル%未満であると樹脂
分散体の分散安定性に劣る。
60モル%を越えると得られる含フッ素樹脂の水性分散
体の分散安定性に劣り、一方40モル%未満であると塗
料としての耐候性に劣る。直鎖状カルボン酸ビニル単量
体単位の割合が、20モル%を越えると得られる塗料に
よる塗膜の耐汚染性に劣り、一方5モル%未満であると
塗膜の柔軟性に劣る。分岐状カルボン酸ビニル単量体単
位の割合が、45モル%を越えると塗装時の成膜性に劣
り、一方20モル%未満であると塗膜の耐汚染性に劣
る。親水性単量体単位の割合が、5モル%を越えると塗
膜の耐水性に劣り、一方0.01モル%未満であると樹脂
分散体の分散安定性に劣る。
【0015】より好ましくは、フルオロオレフィン単量
体単位;40〜55モル%、直鎖状カルボン酸ビニル単
量体単位;7〜15モル%、分岐状カルボン酸ビニル単
量体単位;30〜40モル%、親水性単量体単位;0.1
〜3モル%およびその他の共重合性単量体単位;0〜2
0モル%である。
体単位;40〜55モル%、直鎖状カルボン酸ビニル単
量体単位;7〜15モル%、分岐状カルボン酸ビニル単
量体単位;30〜40モル%、親水性単量体単位;0.1
〜3モル%およびその他の共重合性単量体単位;0〜2
0モル%である。
【0016】本発明における含フッ素樹脂のガラス転移
温度は、30〜100℃であることが好ましく、さらに
好ましくは、45〜100℃である。含フッ素樹脂のガ
ラス転移温度が、30℃未満であると夏場の高温時に塗
膜が軟化し、汚染物質が付着し易くなり、一方100℃
を越えると塗膜にクラックが発生し易い。
温度は、30〜100℃であることが好ましく、さらに
好ましくは、45〜100℃である。含フッ素樹脂のガ
ラス転移温度が、30℃未満であると夏場の高温時に塗
膜が軟化し、汚染物質が付着し易くなり、一方100℃
を越えると塗膜にクラックが発生し易い。
【0017】含フッ素樹脂の分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数
平均分子量で50,000〜1,000,000であり、さら
に好ましくは100,000〜1,000,000である。含
フッ素樹脂の数平均分子量が50,000未満であると塗
膜の機械的強度に劣り、一方1,000,000を越えると
得られる塗料の成膜性に劣る。
ションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数
平均分子量で50,000〜1,000,000であり、さら
に好ましくは100,000〜1,000,000である。含
フッ素樹脂の数平均分子量が50,000未満であると塗
膜の機械的強度に劣り、一方1,000,000を越えると
得られる塗料の成膜性に劣る。
【0018】本発明における含フッ素樹脂の水性分散体
は、前記単量体を乳化剤の存在下に水性媒体中で乳化重
合することにより得られる。該水性分散体における樹脂
分濃度としては、30〜60重量%が好ましい。
は、前記単量体を乳化剤の存在下に水性媒体中で乳化重
合することにより得られる。該水性分散体における樹脂
分濃度としては、30〜60重量%が好ましい。
【0019】乳化剤としては、アニオン系乳化剤および
ノニオン系乳化剤の併用が好ましく、それらの好ましい
使用量は、仕込みの単量体全量100重量部当たり、ア
ニオン系乳化剤が0.5〜5重量部で、ノニオン系乳化剤
が2〜8重量部である。乳化剤の使用量が上記量を越え
ると得られる塗膜の耐水性が低下し易い。耐水性の点で
は、乳化剤の使用量は少ないほど好ましい。
ノニオン系乳化剤の併用が好ましく、それらの好ましい
使用量は、仕込みの単量体全量100重量部当たり、ア
ニオン系乳化剤が0.5〜5重量部で、ノニオン系乳化剤
が2〜8重量部である。乳化剤の使用量が上記量を越え
ると得られる塗膜の耐水性が低下し易い。耐水性の点で
は、乳化剤の使用量は少ないほど好ましい。
【0020】アニオン系乳化剤としては、パーフルオロ
オクタノイックアシッドカリウム塩またはそのアンモニ
ウム塩、およびパーフルオロオクタンスルホン酸ナトリ
ウム塩またはそのアンモニウム塩などのフッ素系アニオ
ン乳化剤が好ましいが、ラウリル硫酸アンモニウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタ
レンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
ナトリウムおよびアルカンスルホン酸ナトリウム等を用
いることもできる。
オクタノイックアシッドカリウム塩またはそのアンモニ
ウム塩、およびパーフルオロオクタンスルホン酸ナトリ
ウム塩またはそのアンモニウム塩などのフッ素系アニオ
ン乳化剤が好ましいが、ラウリル硫酸アンモニウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタ
レンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
ナトリウムおよびアルカンスルホン酸ナトリウム等を用
いることもできる。
【0021】ノニオン乳化剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン脂
肪酸エステル等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルである。
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン脂
肪酸エステル等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルである。
【0022】重合開始剤としては、ラジカル発生型重合
開始剤が好ましく、具体的には、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピ
バレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイドおよびサクシニックアシドパーオキサイド等
の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
スイソバレロニトリルおよびアゾビスアミジノプロパン
塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウムおよび過硫
酸カリウム等の無機過酸化物が挙げられる。レドックス
系開始剤を使用しても良く、その場合には、前記過酸化
物と共に、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
ロンガリットまたはアスコルビン酸等の還元剤を併用す
る。重合開始剤の好ましい使用量は、仕込み単量体の全
量100重量部当たり、0.1〜2重量部である。重合開
始剤の使用量が2重量部を越えると、得られる含フッ素
樹脂の分子量が低くなり、塗膜の機械的強度が不足し易
い。
開始剤が好ましく、具体的には、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピ
バレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイドおよびサクシニックアシドパーオキサイド等
の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
スイソバレロニトリルおよびアゾビスアミジノプロパン
塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウムおよび過硫
酸カリウム等の無機過酸化物が挙げられる。レドックス
系開始剤を使用しても良く、その場合には、前記過酸化
物と共に、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
ロンガリットまたはアスコルビン酸等の還元剤を併用す
る。重合開始剤の好ましい使用量は、仕込み単量体の全
量100重量部当たり、0.1〜2重量部である。重合開
始剤の使用量が2重量部を越えると、得られる含フッ素
樹脂の分子量が低くなり、塗膜の機械的強度が不足し易
い。
【0023】重合操作は、耐圧オートクレーブを用い、
温度20〜100℃かつ圧力1〜200kg/cm2で行うこ
とができ、重合時間は3〜40時間が適当である。各単
量体の重合器への仕込み方法としては、全単量体を初期
に全量仕込んでも良いし、単量体の一部を重合の進行と
共に逐次添加しても良い。また逐次添加される単量体
は、乳化剤によってエマルジョン化されたものであるこ
とが好ましい。さらに、重合系に、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウムおよびリン酸2ナトリウム等のPH調整
剤を添加して、重合系のPHを6〜8に調整することが
好ましい。
温度20〜100℃かつ圧力1〜200kg/cm2で行うこ
とができ、重合時間は3〜40時間が適当である。各単
量体の重合器への仕込み方法としては、全単量体を初期
に全量仕込んでも良いし、単量体の一部を重合の進行と
共に逐次添加しても良い。また逐次添加される単量体
は、乳化剤によってエマルジョン化されたものであるこ
とが好ましい。さらに、重合系に、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウムおよびリン酸2ナトリウム等のPH調整
剤を添加して、重合系のPHを6〜8に調整することが
好ましい。
【0024】上記方法によって合成される含フッ素樹脂
の水性分散体は、ブチルセロソルブアセテート等の成膜
助剤を添加して塗料化される。得られる水性含フッ素樹
脂塗料には、顔料、金属粉および各種の塗料添加剤を配
合できる。好ましい顔料としては、酸化チタン、酸化
鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエローおよび
キナクリドン等が挙げられ、金属粉としては、ステンレ
ス粉、アルミニウム粉およびブロンズ粉等が挙げられ
る。また、その他の添加剤としては、顔料分散剤、紫外
線吸収剤、表面調整剤、増粘剤、防かび剤および防錆剤
等がある。
の水性分散体は、ブチルセロソルブアセテート等の成膜
助剤を添加して塗料化される。得られる水性含フッ素樹
脂塗料には、顔料、金属粉および各種の塗料添加剤を配
合できる。好ましい顔料としては、酸化チタン、酸化
鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエローおよび
キナクリドン等が挙げられ、金属粉としては、ステンレ
ス粉、アルミニウム粉およびブロンズ粉等が挙げられ
る。また、その他の添加剤としては、顔料分散剤、紫外
線吸収剤、表面調整剤、増粘剤、防かび剤および防錆剤
等がある。
【0025】本発明の水性フッ素樹脂塗料は、鋼板、ス
テンレス、アルミ、コンクリート、モルタル、プラスチ
ックおよび木材等の基材に好適に塗布でき、塗装法とし
ては、スプレー、はけ、ロールまたはバーコーター等の
いずれも採用できる。以下、実施例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明する。
テンレス、アルミ、コンクリート、モルタル、プラスチ
ックおよび木材等の基材に好適に塗布でき、塗装法とし
ては、スプレー、はけ、ロールまたはバーコーター等の
いずれも採用できる。以下、実施例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明する。
【0026】
<実施例1>攪拌機を備えた1リットルのオートクレー
ブに、純水206gおよび以下の乳化剤を仕込んだ。 アニオン系乳化剤;パーフルオロオクタノイックアシッ
ドアンモニウム塩(アニオン系乳化剤)6.4g ノニオン系乳化剤;花王(株)製エマルゲン910を1
0.9gおよび同製エマルゲン930を10.9g(エマル
ゲン910および930は、いずれもポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルに属する)
ブに、純水206gおよび以下の乳化剤を仕込んだ。 アニオン系乳化剤;パーフルオロオクタノイックアシッ
ドアンモニウム塩(アニオン系乳化剤)6.4g ノニオン系乳化剤;花王(株)製エマルゲン910を1
0.9gおよび同製エマルゲン930を10.9g(エマル
ゲン910および930は、いずれもポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルに属する)
【0027】次に、カプロン酸ビニル(以下VCpとい
う)25g、バーサチック酸ビニルエステル(炭素数が
9個の分岐状カルボン酸のビニルエステル)(以下V−
9という)98g、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸(以下ATBSという)1.6gおよび
炭酸水素ナトリウム2.7gを仕込んだ後、脱気と窒素置
換を3回繰り返した後、クロロトリフルオロエチレン
(以下CTFEという)170gを仕込んだ。40℃に
昇温した後、1時間充分に攪拌し、過硫酸アンモニウム
1.2gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.23gからなる重
合開始剤を圧入して重合を開始させた。その後3時間毎
に、上記量の2分の1量の重合開始剤を追加し、10時
間重合を継続させることにより、樹脂分濃度が49重量
%で樹脂分の平均粒径が0.33μの含フッ素樹脂の水性
分散体を得た。
う)25g、バーサチック酸ビニルエステル(炭素数が
9個の分岐状カルボン酸のビニルエステル)(以下V−
9という)98g、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸(以下ATBSという)1.6gおよび
炭酸水素ナトリウム2.7gを仕込んだ後、脱気と窒素置
換を3回繰り返した後、クロロトリフルオロエチレン
(以下CTFEという)170gを仕込んだ。40℃に
昇温した後、1時間充分に攪拌し、過硫酸アンモニウム
1.2gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.23gからなる重
合開始剤を圧入して重合を開始させた。その後3時間毎
に、上記量の2分の1量の重合開始剤を追加し、10時
間重合を継続させることにより、樹脂分濃度が49重量
%で樹脂分の平均粒径が0.33μの含フッ素樹脂の水性
分散体を得た。
【0028】JIS K5663に規定の方法に準じ
て、上記水性分散体の分散安定性を測定した。 a.機械的安定性:分散体100gをホモディスパーで
5000rpm、5分間攪拌し、1日放置後の凝集量
(単位:ppm)を測定した。 b.高温安定性:分散体を50℃で静置し、凝集が開始
するまでの日数を測定した。 その結果、機械的安定性は90ppmで、高温安定性は
6日であった。
て、上記水性分散体の分散安定性を測定した。 a.機械的安定性:分散体100gをホモディスパーで
5000rpm、5分間攪拌し、1日放置後の凝集量
(単位:ppm)を測定した。 b.高温安定性:分散体を50℃で静置し、凝集が開始
するまでの日数を測定した。 その結果、機械的安定性は90ppmで、高温安定性は
6日であった。
【0029】上記樹脂分散液の一部をメタノール中に投
入し、洗浄および乾燥することにより単離した含フッ素
樹脂について、フッ素原子の元素分析を行った結果は、
19.4重量%であり、この値ならびに1H−NMRおよ
び13C−NMRスペクトルの測定結果から、含フッ素樹
脂の組成は、CTFE/VCp/V−9/ATBS=4
9/12/38/1(モル%)であることが分かった。
また、含フッ素樹脂の数平均分子量は120,000であ
り、ガラス転移温度は51℃であった。
入し、洗浄および乾燥することにより単離した含フッ素
樹脂について、フッ素原子の元素分析を行った結果は、
19.4重量%であり、この値ならびに1H−NMRおよ
び13C−NMRスペクトルの測定結果から、含フッ素樹
脂の組成は、CTFE/VCp/V−9/ATBS=4
9/12/38/1(モル%)であることが分かった。
また、含フッ素樹脂の数平均分子量は120,000であ
り、ガラス転移温度は51℃であった。
【0030】上記水性分散体100重量部当たり、成膜
助剤としてブチルセロソルブアセテート5重量部を添加
して、得られた水性塗料の物性を以下の方法により評価
した。厚さ0.6mmのクロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板
上に、上記塗料を乾燥後の塗膜の厚さが30μになるよ
うにバーコーターで塗布して、常温で1週間乾燥した。
得られた塗膜について、以下の項目に関する評価を行っ
た。結果は、後記表1に記載のとおりである。
助剤としてブチルセロソルブアセテート5重量部を添加
して、得られた水性塗料の物性を以下の方法により評価
した。厚さ0.6mmのクロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板
上に、上記塗料を乾燥後の塗膜の厚さが30μになるよ
うにバーコーターで塗布して、常温で1週間乾燥した。
得られた塗膜について、以下の項目に関する評価を行っ
た。結果は、後記表1に記載のとおりである。
【0031】 60°光沢:JIS−K5400に準
ずる方法による。 耐候性:Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試験機(一
般的にQUVと略称されている)を用い、連続で8時間
紫外線を照射し、次いで4時間塗面裏側からイオン交換
水をスプレーするというサイクルを繰り返し、全体で5
00時間試験後の60°光沢保持率によって評価した。 汚染性試験:下記成分からなる人工汚れ剤を塗膜面
に付け、次いで該塗膜面を水洗するという操作を5回繰
り返した後の汚染の程度を、この試験の前と後の色差
(ΔE)により評価した。 〇人工汚れ剤 (成分) (重量部) 腐葉土 7.6 カオリン 3.4 ケイソウ土 3.4 セメント 3.4 カーボンブラック 0.35 赤錆 0.10 油 1.75 海砂 200
ずる方法による。 耐候性:Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試験機(一
般的にQUVと略称されている)を用い、連続で8時間
紫外線を照射し、次いで4時間塗面裏側からイオン交換
水をスプレーするというサイクルを繰り返し、全体で5
00時間試験後の60°光沢保持率によって評価した。 汚染性試験:下記成分からなる人工汚れ剤を塗膜面
に付け、次いで該塗膜面を水洗するという操作を5回繰
り返した後の汚染の程度を、この試験の前と後の色差
(ΔE)により評価した。 〇人工汚れ剤 (成分) (重量部) 腐葉土 7.6 カオリン 3.4 ケイソウ土 3.4 セメント 3.4 カーボンブラック 0.35 赤錆 0.10 油 1.75 海砂 200
【0032】<実施例2>単量体として、CTFE/V
−9/プロピオン酸ビニル(以下VPrという)/メタ
クリル酸=170g/98g/18g/1.6gの構成の
単量体混合物を使用した以外、実施例1と同様な方法に
より重合を行い、固形分濃度が48重量%の含フッ素樹
脂の水性分散体を得た。該分散体における樹脂粒子の平
均粒径は0.46μであった。上記樹脂粒子を形成する含
フッ素樹脂の数平均分子量は200,000であり、また
そのガラス転移温度は59℃であった。この含フッ素樹
脂のフッ素分析値は20.1%であり、実施例1と同様な
分析により、CTFE/V−9/VPr/メタクリル酸
=50/37/12/1(モル%)であることが分かっ
た。
−9/プロピオン酸ビニル(以下VPrという)/メタ
クリル酸=170g/98g/18g/1.6gの構成の
単量体混合物を使用した以外、実施例1と同様な方法に
より重合を行い、固形分濃度が48重量%の含フッ素樹
脂の水性分散体を得た。該分散体における樹脂粒子の平
均粒径は0.46μであった。上記樹脂粒子を形成する含
フッ素樹脂の数平均分子量は200,000であり、また
そのガラス転移温度は59℃であった。この含フッ素樹
脂のフッ素分析値は20.1%であり、実施例1と同様な
分析により、CTFE/V−9/VPr/メタクリル酸
=50/37/12/1(モル%)であることが分かっ
た。
【0033】実施例1と同様な方法により、上記水性分
散体の分散安定性を測定した結果は、機械的安定性が1
20ppmで、高温安定性が4日であった。また、上記
水性分散体にブチルセロソルブアセテートを添加して得
た水性塗料の物性の評価結果は、表1に記載のとおりで
ある。
散体の分散安定性を測定した結果は、機械的安定性が1
20ppmで、高温安定性が4日であった。また、上記
水性分散体にブチルセロソルブアセテートを添加して得
た水性塗料の物性の評価結果は、表1に記載のとおりで
ある。
【0034】<実施例3>単量体として、CTFE/V
−9/VCp/ラウリン酸ビニル(以下VLという)/
アクリル酸=173g/93g/24g/6.2g/1.8
gの単量体混合物を使用した以外、実施例1と同様な方
法により重合を行い、固形分濃度が48重量%の含フッ
素樹脂の水性分散体を得た。該分散体における樹脂粒子
の平均粒径は0.61μであった。含フッ素樹脂の数平均
分子量は80,000であり、ガラス転移温度は42℃で
あった。この含フッ素樹脂のフッ素分析値は20.1%で
あり、実施例1と同様に分析したところCTFE/V−
9/VCp/VL/アクリル酸=49/36/11/2
/1(モル%)であることが分かった。
−9/VCp/ラウリン酸ビニル(以下VLという)/
アクリル酸=173g/93g/24g/6.2g/1.8
gの単量体混合物を使用した以外、実施例1と同様な方
法により重合を行い、固形分濃度が48重量%の含フッ
素樹脂の水性分散体を得た。該分散体における樹脂粒子
の平均粒径は0.61μであった。含フッ素樹脂の数平均
分子量は80,000であり、ガラス転移温度は42℃で
あった。この含フッ素樹脂のフッ素分析値は20.1%で
あり、実施例1と同様に分析したところCTFE/V−
9/VCp/VL/アクリル酸=49/36/11/2
/1(モル%)であることが分かった。
【0035】上記水性分散体の分散安定性に関しては、
機械的安定性が70ppmで、高温安定性が7日であっ
た。また、上記水性分散体から得られた水性塗料につい
ての評価結果は、表1のとおりであった。
機械的安定性が70ppmで、高温安定性が7日であっ
た。また、上記水性分散体から得られた水性塗料につい
ての評価結果は、表1のとおりであった。
【0036】<実施例4>単量体として、CTFE/ピ
バリン酸ビニル(以下VPvという)/VCp/アクリ
ル酸メチル(以下MAという)/ATBS=170g/
65g/15/5g/0.8gの単量体混合物を使用した
以外、実施例1と同様な方法により重合を行い、固形分
濃度が45重量%の含フッ素樹脂の水性分散体を得た。
該分散体における樹脂粒子の平均粒径は0.41μであっ
た。含フッ素樹脂の数平均分子量は110,000であ
り、ガラス転移温度は53℃であった。この含フッ素樹
脂のフッ素分析値は24.0%であり、実施例1と同様に
分析したところCTFE/VPv/VCp/MA/AT
BS=51/37/8/3/1(モル%)であることが
分かった。
バリン酸ビニル(以下VPvという)/VCp/アクリ
ル酸メチル(以下MAという)/ATBS=170g/
65g/15/5g/0.8gの単量体混合物を使用した
以外、実施例1と同様な方法により重合を行い、固形分
濃度が45重量%の含フッ素樹脂の水性分散体を得た。
該分散体における樹脂粒子の平均粒径は0.41μであっ
た。含フッ素樹脂の数平均分子量は110,000であ
り、ガラス転移温度は53℃であった。この含フッ素樹
脂のフッ素分析値は24.0%であり、実施例1と同様に
分析したところCTFE/VPv/VCp/MA/AT
BS=51/37/8/3/1(モル%)であることが
分かった。
【0037】上記水性分散体の分散安定性に関しては、
機械的安定性が250ppmで、また高温安定性が4日
であり、得られた水性塗料の物性の評価結果は、表1の
とおりであった。
機械的安定性が250ppmで、また高温安定性が4日
であり、得られた水性塗料の物性の評価結果は、表1の
とおりであった。
【0038】<比較例1>単量体として、CTFE/V
Cp/V−9/ATBSが170g/93g/13g/
1.0gの単量体混合物を使用した以外、実施例1と同様
な方法により重合を行い、固形分濃度が45重量%の含
フッ素樹脂の水性分散体を得た。該分散体における樹脂
粒子の平均粒径は0.88μであった。含フッ素樹脂の数
平均分子量は140,000であり、ガラス転移温度は8.
6℃であった。この含フッ素樹脂のフッ素分析値は18.
8%であり、実施例1と同様に分析したところCTFE
/VCp/V−9/ATBS=44/49.5/6/0.5
(モル%)であることが分かった。
Cp/V−9/ATBSが170g/93g/13g/
1.0gの単量体混合物を使用した以外、実施例1と同様
な方法により重合を行い、固形分濃度が45重量%の含
フッ素樹脂の水性分散体を得た。該分散体における樹脂
粒子の平均粒径は0.88μであった。含フッ素樹脂の数
平均分子量は140,000であり、ガラス転移温度は8.
6℃であった。この含フッ素樹脂のフッ素分析値は18.
8%であり、実施例1と同様に分析したところCTFE
/VCp/V−9/ATBS=44/49.5/6/0.5
(モル%)であることが分かった。
【0039】上記水性分散体の分散安定性に関しては、
機械的安定性が1000ppmで、高温安定性が1日以
内であった。また、得られた水性塗料の物性の評価結果
は、表1のとおりであった。
機械的安定性が1000ppmで、高温安定性が1日以
内であった。また、得られた水性塗料の物性の評価結果
は、表1のとおりであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明における含フッ素樹脂は、分子量
が十分に大きく、架橋しなくても機械的な強度に優れる
塗膜を形成するため、1液常温乾燥型の水性塗料用樹脂
として好適であり、しかも前記塗膜は、高光沢で耐汚染
性および耐候性に優れるという特長を有する。
が十分に大きく、架橋しなくても機械的な強度に優れる
塗膜を形成するため、1液常温乾燥型の水性塗料用樹脂
として好適であり、しかも前記塗膜は、高光沢で耐汚染
性および耐候性に優れるという特長を有する。
フロントページの続き (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 審査官 近藤 政克 (56)参考文献 特開 平4−100811(JP,A) 特開 平4−45177(JP,A) 特開 平3−263436(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/12 C09D 5/00 C09D 131/02 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)フルオロオレフィン、(b)炭素
数が3〜6の直鎖状脂肪族カルボン酸のビニルエステ
ル、(c)炭素数が4〜15の分岐状脂肪族カルボン酸
のビニルエステル、(d)親水性官能基を有するエチレ
ン性不飽和単量体および(e)その他の共重合性単量体
の乳化重合による含フッ素樹脂が水性媒体に分散してお
り、該含フッ素樹脂は数平均分子量が50,000〜1,0
00,000であって、かつ前記(a)〜(e)の単量体
単位の割合が、全単量体単位の合計量を基準にして、
(a);30〜60モル%、(b);5〜20モル%、
(c);20〜45モル%、(d);0.01〜5モル%
および(e);0〜30モル%である水性含フッ素樹脂
塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05226616A JP3094744B2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 水性含フッ素樹脂塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05226616A JP3094744B2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 水性含フッ素樹脂塗料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0762289A JPH0762289A (ja) | 1995-03-07 |
JP3094744B2 true JP3094744B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=16848001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05226616A Expired - Fee Related JP3094744B2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 水性含フッ素樹脂塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094744B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3094897B2 (ja) * | 1995-03-20 | 2000-10-03 | 東陶機器株式会社 | フッ素樹脂部材表面の親水化方法 |
-
1993
- 1993-08-20 JP JP05226616A patent/JP3094744B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0762289A (ja) | 1995-03-07 |
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---|---|---|---|
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