JP3094142B2 - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP3094142B2
JP3094142B2 JP07139426A JP13942695A JP3094142B2 JP 3094142 B2 JP3094142 B2 JP 3094142B2 JP 07139426 A JP07139426 A JP 07139426A JP 13942695 A JP13942695 A JP 13942695A JP 3094142 B2 JP3094142 B2 JP 3094142B2
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和広 渡辺
聖司 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パネル等に設けた電線
貫通孔をシールする際に多用されているグロメットに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】各種電子機器や自動車等において、パネ
ルやシャーシに電線を貫通させる場合、防水等のため或
いは電線とパネルやシャーシとの短絡を防止するためグ
ロメットが使用されている。グロメットの構成は多種に
わたり、単一部品の簡単な構造のものもあれば、以下に
説明するような二部品グロメットと呼ばれているものも
ある。図6及び図7は従来の二部品グロメットの一例を
示す要部の拡大断面図であり、グロメット1はゴム等の
弾性体により形成したグロメット本体2と、合成樹脂を
一体成形したロック部材3とにより構成されている。グ
ロメット本体2はほぼ円盤状に形成され、その外周囲は
図の左方に相当する中心方向に向けて折り返され、その
下面に撓み変形可能な舌部4が所定間隔を介して二重に
形成されている。そして、前記折り返しにより形成され
た凹部にはロック部材3の環状部5が嵌合され、組み立
て状態においてロック部材3は保持され、グロメット1
は所定の形状に組み立てられるようになっている。
【0003】グロメット1をパネル6に装着する場合
は、ロック部材3に撓み変形可能に設けたロック部7の
底部7aをパネル6に形成した貫通孔6aに挿入し、外
側斜面部7bを貫通孔6aの縁部に接触させた状態で矢
印X方向に押し込む。この結果、ロック部7全体が中心
方向に撓み変形し、ロック部7の上端に形成した切欠状
の係止部7cに貫通孔6aの周縁に形成したバーリング
6bが係止した段階でロック部7全体が外側、すなわち
図6の右方に復動してグロメット1の装着が完了する。
この状態では、舌部4の先端が貫通孔6aの近傍のパネ
ル6の表面に弾性的に接触し、防水等のためのシール性
が保持されるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】処で、バーリング6b
の高さは製造によりばらつきがあるため、バーリング6
bの高さ寸法が図6に示すように最小寸法Aであっても
舌部4がパネル6の表面に密着し得るように、舌部4の
長さを設定しなければならない。一方、グロメット1を
図7に示すようにバーリング6bの高さが最大寸法Cに
設定されたパネル6に装着する場合は、舌部4は硬質な
環状部5の下部でパネル6との間に重なり合い、また、
グロメット本体2の折り返し部2aは環状部5と密着し
て圧縮される。したがって、装着のため矢印X方向に押
しても、途中からロック部材3が貫通孔6a内に入りに
くくなり、切欠状の係止部7cを貫通孔6aに係合させ
てグロメット1を装着するためには強い力が必要で、グ
ロメット装着作業時の作業性が悪くなる。なお、実開昭
63−63914号公報には、類似構造の「グロメッ
ト」の一例が開示されているが、この開示されたグロメ
ットは外力が加わった時のパネルからの抜け落ちを防止
する構成に関するもので、パネル装着時の作業性を改善
するものではない。本発明の目的は、グロメットを装着
するパネルのバーリングの寸法誤差にばらつきがあって
も、或いは板厚の異なるパネルについても良好なシール
性を確保して装着でき、しかも装着時の作業性に優れた
グロメツトを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上記目的を実現するた
めの本発明に係るグロメットの構造は、軟質グロメット
本体の外周囲に形成した環状の凹部に、硬質ロック部材
に設けた環状部を嵌合して一体に組み立て、かつ前記硬
質ロック部材に所望間隔で設けた弾性を有するロック部
をパネルに設けた貫通孔に挿入させて装着するグロメッ
トにおいて、前記環状の凹部を形成するフランジ部の一
側面であって、少なくとも前記ロック部に対応する位置
に前記環状部に接触する弾性部を形成するとともに他の
側面に舌部を形成し、前記舌部が弾性変形してパネルの
表面に接触すると共に、前記弾性部は前記パネルのバー
リングの高さに応じて前記舌部の弾性変形に追従して弾
性変形可能としたことを特徴とする。
【0006】
【作用】グロメットをパネルに装着する場合、パネルに
形成した貫通孔にロック部材の一端を挿入して押し込
み、ロック部を押し込みにより弾性的に変形させ、次い
で所定位置まで挿通した時点でロック部を元の形状に復
動させて装着する。この装着時に、押し込み量に対応し
て舌部及びフランジ部が環状部側に付勢されるが、フラ
ンジ部の環状部に接触する面で少なくともロック部に対
応する位置に弾性部が形成されているので、前記付勢に
より弾性部が環状部に押し付けられて弾性的に変形す
る。弾性部の変形はパネルのバーリングの高さや板厚に
対応するので、例えばバーリングの高さが高い場合であ
っても押し込む時の抵抗が弾性部の変形により減殺さ
れ、押し込み力を増大させることなくグロメットを円滑
にパネルに装着できる。
【0007】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して本発明に係るグ
ロメットの一実施例を説明する。図1はグロメット本体
の構成を示す要部の切欠斜視図、図2はグロメットの外
観を示す側面図、図3はグロメットの内部構造を示す断
面図、図4及び図5はグロメット装着時の作用を示す要
部の拡大断面図である。なお、ロック部材及びパネルに
ついては従来例と同様の構造でよいので、同一の符号を
付して説明を省略する。
【0008】本実施例におけるグロメット11は、図2
及び図3に示すようにゴム等の軟質材料により構成した
グロメット本体12と合成樹脂を一体成形した硬質のロ
ック部材3とにより構成されている。グロメット本体1
2は、図1〜図3に示すように円盤状の基部13と、基
部13の中心部に円筒状に形成された電線挿通部14
と、電線挿通部14を撓み変形可能に保持する蛇腹状の
保持部15と、基部13の外周部において基部13の下
側に折り返し形成したフランジ部16と、このフランジ
部16の上面に形成されたリップ形状の弾性部17と、
フランジ部16の下面に形成された2条の舌部18とを
備えている。
【0009】そして、基部13の下側とフランジ部16
とで環状の凹部19が形成され、この凹部19にロック
部材3の環状部5を嵌合して、図2及び図3に示すよう
にグロメット本体12とロック部材3とを一体に組み合
わせたグロメット11が構成される。なお、ロック部7
は図2及び図3から理解できるように、筒体21を切り
欠いて形成するものであり、本実施例では120°間隔
で形成されている。グロメット本体12とロック部材3
とを組み合わせた状態では、すなわちグロメット11に
あっては、フランジ部16の上面に形成した弾性部17
が環状部5の下側面に接触するものの、弾性部17がリ
ップ形状に突出したものであるから両者は言わば線接触
していることになる。
【0010】次に、グロメット11の装着時の作用につ
いて説明する。グロメット11の装着は、パネル6の貫
通孔6aに筒体21の底部、すなわちロック部7の底部
7aを挿入し、次いで図4及び図5の矢印Xに示すよう
に下方に付勢する。この結果、ロック部7が外側斜面部
7bの傾斜に対応して中心方向に変形し、次いでバーリ
ング6bが切欠部7cに嵌合した時点で自己の弾性によ
り外側方向に復動してパネル6から抜け出し不可に装着
される。前記装着動作が行われる間、当初は舌部18は
図4に想像線で示すように元の形状になっているが、グ
ロメット11の押し込み程度によりパネル6の表面に接
触し、次いで完全に押し込まれた段階、すなわち装着さ
れた段階ではバーリング6bの高さに対応して変形する
ことになる。
【0011】図4に示すようにバーリング6bの高さが
Aの場合は、舌部18の変形量が少ない。しかし、舌部
18のうち特に外側の舌部18については、パネル6と
の接触面がヒレ状に形成されているので、しかも2条の
舌部18がパネル6に弾性的に接触するのでシール性は
充分に保持される。また、図4に示すようにバーリング
6bの高さがAの場合は、フランジ部16を強く押し上
げるような力が作用しないので、弾性部17は殆どつぶ
れ変形せず、ほぼ組み立て時の形状になっている。
【0012】一方、図5に示すようにバーリング6bの
高さが上記したAより高いCの場合は、舌部18が大幅
に変形するうえに、パネル6によってフランジ部16の
全体が上方に押し上げられるので、リップ形状の弾性部
17は環状部5に押しつけられて容易に変形する。この
とき、弾性部17の変形は、グロメット11の貫通孔6
aへの押し込み量に対応するので、従来例のように押し
込みの途中から舌部18やフランジ部16が圧縮されて
押し込みにくくなるようなことはなく、従来に比較して
少ない力で円滑に装着することができる。また、弾性部
17はフランジ部16と環状部5の密着性を維持する。
この結果、グロメット11を装着する際の作業性が従来
のグロメット1に比較して大幅に向上するとともに、グ
ロメット1は良好な状態で一体化してパネル6に装着さ
れる。
【0013】すなわち、フランジ部16の一側面に弾性
部17を形成することにより、グロメット11を装着す
る際の作業性を向上させることができる。また、弾性部
17はフランジ部16の全周にわたって形成してもよ
く、上記実施例のようにロック部7の形成間隔に合わせ
て部分的に形成してもよい。さらに、弾性部17はリッ
プ形状に限定されず、凹凸等の形状にしてもよい。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るグ
ロメットは、軟質のグロメット本体の外周囲に形成した
環状の凹部に硬質のロック部材の環状部を嵌合して組み
立てるとともに、前記環状の凹部を形成するフランジ部
の一側面に前記環状部に弾性的に接触しかつ変形する弾
性部を形成し他の側面にパネルの側面に接触してシール
を行う舌部を形成し、装着時にはパネルに形成した貫通
孔にロック部材の一端を挿入して押し込み、ロック部を
押し込みにより弾性的に変形させ、次いで所定位置まで
挿入した時点でロック部を元の形状に復動させて装着す
るように構成したものである。グロメットの装着時に
は、押し込み量に対応して舌部及びフランジ部が環状部
側に付勢されるが、フランジ部の環状部に接触する面で
少なくともロック部に対応する位置に弾性部が形成され
ているので、前記付勢により弾性部が環状部に押し付け
られて弾性的に変形する。弾性部の変形はパネルのバー
リングの高さや板厚に対応するので、バーリングが高い
場合であっても押し込み時の抵抗が弾性部の変形により
減殺されるようになり、押し込み力を増大させることな
くグロメットを円滑にパネルに装着することができる。
故に、グロメットを装着する際の装着作業の効率向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるグロメット本体の構成を
示す一部切欠斜視図である。
【図2】グロメットの構成を示す側面図である。
【図3】グロメットの構成を示す断面図である。
【図4】グロメットの装着作用を説明するための要部の
拡大断面図である。
【図5】グロメットの他の装着作用を説明するための要
部の拡大断面図である。
【図6】従来のグロメットの装着作用を説明するための
要部の拡大断面図である。
【図7】従来のグロメットの他の装着作用を説明する要
部の拡大断面図である。
【符号の説明】
3 ロック部材 6 パネル 6a 貫通孔 6b バーリング 7 ロック部 7a 底部 7b 外側斜面部 7c 係止部 11 グロメット 12 グロメット本体 13 基部 14 電線挿通部 15 保持部 16 フランジ部 17 弾性部 18 舌部 19 環状の凹部 21 筒体 A、C バーリング高さ X 押し込み方向
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−349366(JP,A) 特開 昭58−61315(JP,A) 実開 昭63−63914(JP,U) 実開 平6−88137(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/22 H01B 17/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質グロメット本体の外周囲に形成した
    環状の凹部に、硬質ロック部材に設けた環状部を嵌合し
    て一体に組み立て、かつ前記硬質ロック部材に所望間隔
    で設けた弾性を有するロック部をパネルに設けた貫通孔
    に挿入させて装着するグロメットにおいて、前記環状の
    凹部を形成するフランジ部の一側面であって、少なくと
    も前記ロック部に対応する位置に前記環状部に接触する
    弾性部を形成するとともに他の側面に舌部を形成し、
    記舌部が弾性変形してパネルの表面に接触すると共に、
    前記弾性部は前記パネルのバーリングの高さに応じて前
    記舌部の弾性変形に追従して弾性変形可能としたことを
    特徴とするグロメット。
  2. 【請求項2】 前記弾性部が前記フランジ部から突出し
    たリップ形状からなることを特徴とする請求項1記載の
    グロメット。
JP07139426A 1995-06-06 1995-06-06 グロメット Expired - Lifetime JP3094142B2 (ja)

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JP5530215B2 (ja) * 2010-02-19 2014-06-25 矢崎総業株式会社 グロメット
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