JP3093724U - 光学式ピックアップ装置 - Google Patents

光学式ピックアップ装置

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JP3093724U JP2002006876U JP2002006876U JP3093724U JP 3093724 U JP3093724 U JP 3093724U JP 2002006876 U JP2002006876 U JP 2002006876U JP 2002006876 U JP2002006876 U JP 2002006876U JP 3093724 U JP3093724 U JP 3093724U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御の感度低下を抑制しつつ、部材の価格を廉
価なものにする。 【解決手段】支軸4の軸まわりに回動可能で且つ軸方向
に摺動可能に設けられた対物レンズ保持部を備えてい
る。また、磁石51をゴム磁石としている。そして、磁
気ギャップ59のそれぞれに対応する鉄部材(81a,
81b)を、対物レンズ保持部に形成された枠体21に
取り付けることによって、支軸4の軸方向において対物
レンズ保持部をフォーカシングの中立位置に保持すると
ともに、支軸4の軸まわりにおいて対物レンズ保持部を
トラッキングの中立位置に保持している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、固定部に取り付けられた支軸の軸まわりに回動可能で且つ支軸の軸 方向に摺動可能に設けられた対物レンズ保持部を有する光学式ピックアップ装置 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DVDなどの光ディスクから情報を読み取る光学式ピックアップ装置の1つに 、対物レンズ保持部を、支軸の軸まわりに回動可能に、且つ、支軸の軸方向に摺 動可能に設けた構成がある(以下では第1の従来技術と称する)。すなわち、こ の技術においては、内ヨークとリング状の磁石と外ヨークとでもって磁気ギャッ プを形成している。そして、対物レンズ保持部には、磁気ギャップの端部の近傍 に対応する位置に、磁性体の小片を取り付けている。このため、磁性体の小片の それぞれには、磁気ギャップの中央側に引き込もうとする力が加わる。その結果 、対物レンズ保持部には、トラッキングの中立位置を保持しようとするばね力が 生じることになる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】 また、図7に示す従来技術(以下では第2の従来技術と称する)について説明 すると、枠体981は、対物レンズ983を保持する保持部982と一体に形成 されている。そして、支軸984によって、支軸984の軸まわりに回動可能に 、且つ、支軸984の軸方向に移動可能に支持されている。また、磁気ギャップ は、磁石986,986と、磁石986,986のそれぞれに対向して設けられ たヨーク985,985とでもって形成されている(987,987は、ヨーク 985,985と磁気的に結合された磁性体からなり、磁石986,986を保 持している)。また、枠体981には、例えば、0.1mmの厚さのニッケル板 でもって形成された部材991が取り付けられている。そして、部材991の端 部には、突出部992,992と、突出部992,992より小型形状の突出部 993,993とが形成されている。このため、部材991には、突出部992 ,992を磁気ギャップの中心側に引き込む力と、突出部993,993を磁気 ギャップの中心側に引き込む力とが印加される。従って、対物レンズ983は、 トラッキングの中立位置に、弾性力をもって保持されることになる。
【0004】
【特許文献1】 特開昭62−65245号公報
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら上記技術を用いるときにも、以下に示す問題を生じていた。すな わち、第1の従来技術を用いる場合では、磁気ギャップを形成するたに、内側ヨ ーク、外側ヨーク、および、リング状の磁石が必要となる。このため、部材の価 格が高価となる。これは、リング状の磁石が高価であることの影響が大きい。従 って、第2の従来技術の場合では、リング状の磁石ではなく、直方体状の磁石で よいため、第1の従来技術と比する場合には、部材の価格は廉価となっている。 しかし、この場合でも、磁石に磁束密度の高いネオジウム磁石を用いる場合では 、磁石が高価であることから、部材の総合的な原価が高価となる。
【0006】 本考案は上記課題を解決するため創案されたものであって、その目的は、制御 の感度低下を抑制しつつ、部材の価格を廉価なものにすることのでき、且つ、磁 性体の対物レンズ保持部への取り付け位置の精度を容易に高めることのでき、且 つ、支軸に対して摺動可能にしたことから生じる制御時のがたつきを防止するこ とのできる光学式ピックアップ装置を提供することにある。
【0007】 また本考案の目的は、磁気ギャップを形成するための磁石をゴム磁石とし、フ ォーカシングとトラッキングとの中立位置への復元力を生じさせるために対物レ ンズ保持部に取り付ける磁性体に鉄部材を用いることにより、制御の感度低下を 抑制しつつ、部材の価格を廉価なものにすることのできる光学式ピックアップ装 置を提供することにある。
【0008】 また上記目的に加え、対物レンズ保持部に取り付ける鉄部材を、対物レンズ保 持部に形成された枠体を挿入させる形で取り付けることにより、鉄部材の取り付 け位置の精度を容易に高めることのできる光学式ピックアップ装置を提供するこ とにある。
【0009】 また上記目的に加え、支軸に直交する平面視形状において、鉄部材には、ゴム 磁石の側に向かって突出する突部を形成することにより、制御の感度の低下をよ り抑制することのできる光学式ピックアップ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本考案に係る光学式ピックアップ装置は、固定部に取 り付けられた支軸の軸まわりに回動可能で且つ支軸の軸方向に摺動可能に設けら れた対物レンズ保持部と、対物レンズ保持部に支軸から離間して設けられた対物 レンズと、固定部に設けられたヨークと磁石とからなり、支軸を挟んだ一対の位 置のそれぞれに磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成手段と、対物レンズ保 持部に設けられ、前記一対の磁気ギャップに作用する磁界を発生させることによ って対物レンズ保持部を支軸の軸方向に移動させるフォーカシング用コイルと、 対物レンズ保持部に設けられ、前記一対の磁気ギャップのそれぞれに作用する磁 界を発生させることによって対物レンズ保持部を支軸のまわりに回動させるトラ ッキング用コイルとを備えており、前記一対の磁気ギャップのそれぞれに対応す る磁性体を対物レンズ保持部に設けることによって、支軸の軸方向において対物 レンズ保持部をフォーカシングの中立位置に保持するとともに支軸の軸まわりに おいて対物レンズ保持部をトラッキングの中立位置に保持する構成に適用してい る。そして、前記磁石はゴム磁石によって形成されるとともにゴム磁石はヨーク より支軸に対して遠くなる側に設けられ、且つ、前記磁気ギャップはゴム磁石の 平面とヨークの平面との間に形成されている。また、前記磁性体は鉄部材によっ て形成されている。また、対物レンズ保持部には、磁気ギャップ中に位置する壁 面を有するとともにフォーカシング用コイルを支持する枠体が形成され、前記鉄 部材には枠体が挿入される孔部が形成され、前記鉄部材は孔部に枠体が挿入され る形で対物レンズ保持部に設けられている。また、支軸に直交する平面視形状に おいて、鉄部材には、一対の磁気ギャップのそれぞれに位置する部分にゴム磁石 の側に向かって突出する1つの半円状の突部が形成されている。また、一対の磁 気ギャップのそれぞれにおいて鉄部材が前記ゴム磁石の方向に吸引される力の強 さを、互いに異なる強さとしている。
【0011】 すなわち、鉄部材は、その他の材質より最も磁化されやすいので、磁気ギャッ プから受ける力は、その他の材質を用いる場合に比して、より大きいものとなる 。また、ゴム磁石は、その他の磁石に比して安価である。また、枠体に対する鉄 部材の位置関係は精度よく定まる。従って、対物レンズ保持部に対する鉄部材の 位置関係も精度よく定まる。また、突部に磁束が収束するので、制御時の中立位 置への機械的な復元力が大きくなるため、自己共振周波数を制御の周波数範囲よ り高い周波数とすることができる。
【0012】 また本考案に係る光学式ピックアップ装置は、固定部に取り付けられた支軸の 軸まわりに回動可能で且つ支軸の軸方向に摺動可能に設けられた対物レンズ保持 部と、対物レンズ保持部に支軸から離間して設けられた対物レンズと、固定部に 設けられたヨークと磁石とからなり、支軸を挟んだ一対の位置のそれぞれに磁気 ギャップを形成する磁気ギャップ形成手段と、対物レンズ保持部に設けられ、前 記一対の磁気ギャップに作用する磁界を発生させることによって対物レンズ保持 部を支軸の軸方向に移動させるフォーカシング用コイルと、対物レンズ保持部に 設けられ、前記一対の磁気ギャップのそれぞれに作用する磁界を発生させること によって対物レンズ保持部を支軸のまわりに回動させるトラッキング用コイルと を備えおり、前記一対の磁気ギャップのそれぞれに対応する磁性体を対物レンズ 保持部に設けることによって、支軸の軸方向において対物レンズ保持部をフォー カシングの中立位置に保持するとともに支軸の軸まわりにおいて対物レンズ保持 部をトラッキングの中立位置に保持する構成に適用している。そして、前記磁石 はゴム磁石によって形成されるとともにゴム磁石はヨークより支軸に対して遠く なる側に設けられ、且つ、前記磁気ギャップはゴム磁石の平面とヨークの平面と の間に形成され、前記磁性体は鉄部材によって形成されている。すなわち、鉄部 材は、その他の材質よりも最も磁化されやすいので、磁気ギャップから受ける力 は、その他の材質を用いる場合に比して、より大きいものとなる。また、ゴム磁 石は、その他の磁石に比して安価である。
【0013】 また上記構成に加え、対物レンズ保持部には、磁気ギャップ中に位置する壁面 を有するとともにフォーカシング用コイルを支持する枠体が形成され、前記鉄部 材には枠体が挿入される孔部が形成され、前記鉄部材は孔部に枠体が挿入される 形で対物レンズ保持部に設けられている。すなわち、枠体が孔部に挿入されるの で、枠体に対する鉄部材の位置関係は精度よく定まる。従って、対物レンズ保持 部に対する鉄部材の位置関係も精度よく定まる。
【0014】 また上記構成に加え、支軸に直交する平面視形状において、鉄部材には、一対 の磁気ギャップのそれぞれに位置する部分にゴム磁石の側に向かって突出する1 つの突部が形成されている。すなわち、突部に磁束が収束するので、制御時の中 立位置への機械的な復元力が大きくなり、自己共振周波数を、制御の周波数範囲 より高い周波数とすることができる。
【0015】
【考案の実施の形態】
以下に本考案の実施例の形態を、図面を参照しつつ説明する。 図2は、本考案に係る光学式ピックアップ装置の一実施形態の対物レンズ保持 部に取り付けられるフォーカシング用コイルと鉄部材とを示す説明図、図3は、 対物レンズ保持部を裏側から見たときの説明図、図4は、固定部材側に取り付け られつつある対物レンズ保持部を示す説明図、図5は、固定部材側に取り付けら れた対物レンズ保持部の平面形状を示す説明図、図6は、実施形態を、支軸を挟 んで、対物レンズの取り付け位置の反対側から見たときの形状を示す説明図であ る。
【0016】 図において、対物レンズ3を保持する保持リング部27が形成された対物レン ズ保持部2には、支軸4が挿入される孔部24を有する円筒状の軸受部22が形 成されている。また、対物レンズ保持部2には、フォーカシング用コイル6、鉄 部材8、および、トラッキング用コイル7を取り付けるため、支軸4に直交した 断面形状が長方形状である中空の枠体21が、軸受部22を囲む形で形成されて いる。そして、枠体21には、フォーカシング用コイル6が、中空部62に枠体 21が挿入される形で取り付けられている。
【0017】 鉄部材8は、厚さが0.2mmの鉄板からなっており、枠体21が挿入される 孔部82が形成されている。そして、この鉄部材8は、フォーカシング用コイル 6が取り付けられた後において、孔部82に枠体21が挿入される形で、枠体2 1に取り付けられるようになっている。このため、鉄部材8に形成された突部8 1,81と対物レンズ保持部2との間の位置関係は、精度よく、常に一定の位置 関係となるように取り付けられる。つまり、突部81,81を対物レンズ保持部 2に取り付けるときの取り付け位置の精度を高めることが容易となっている。
【0018】 そして、フォーカシング用コイル6と鉄部材8とが取り付けられた枠体21に は、図3に示したように、一対のトラッキング用コイル7が、枠体21の対角に 位置する位置関係でもって、フォーカシング用コイル6の表面側に接着される形 で取り付けられる(図6の破線7は、上記方向によって取り付けられたトラッキ ング用コイルを示している)。
【0019】 磁気ギャップ形成手段5は、直方体状のゴム磁石51,51、ゴム磁石51, 51のそれぞれに対向して設けられたヨーク52,52、ゴム磁石51,51を 支持する支持部材53,53、および、支持部材53,53とヨーク52,52 との間に磁路を形成する下部部材54とでもって構成されている。つまり、磁気 ギャップ59,59は、ゴム磁石51,51の平面511,511と、この平面 511,511に対向するヨーク52,52の平面521,521との間に形成 されるようになっている。
【0020】 また、下部部材54には対物レンズ保持部2の軸受部22の孔部24に挿入さ れる支軸4が取り付けられている。なお、支軸4、ヨーク52,52、ゴム磁石 51,51、支持部材53,53は、図5に示したように、中心線を共有する位 置関係でもって取り付けられている。このため、磁気ギャップ59,59は、支 軸4を挟んだ一対の位置に形成されることになる。また、下部部材54は、対物 レンズ3を除く光学装置等を含む固定部1に、図示されない螺子等によって固定 されるようになっている。
【0021】 フォーカシング用コイル6、鉄部材8、トラッキング用コイル7等が取り付け られた対物レンズ保持部2は、孔部24に支軸4が挿入され、中空部23,23 にヨーク52,52が挿入される形で、固定部1の側に取り付けられる。従って 、対物レンズ保持部2は、支軸4によって、支軸4の軸まわりに回動可能で、且 つ、支軸4の軸方向に摺動可能に支持されることになる。また、枠体21の長手 側端部となる壁面211,211は、磁気ギャップ59,59中に位置すること になる(図1参照)。
【0022】 なお、鉄部材8の磁気ギャップ59,59中に位置する部分には、ゴム磁石5 1,51の側に突出する半円状の突部81,81が形成されている。また、図1 に示したように、一方の突部81aからゴム磁石51aまでの距離は、他方の突 部81bからゴム磁石51bまでの距離より短くなっている。このため、ゴム磁 石51aが突部81aを吸引する力は、ゴム磁石51bが突部81bを吸引する 力より強くなっている。このため、対物レンズ保持部2には矢印A方向の力が印 加される。その結果、支軸4と孔部24とに隙間があるにもかかわらず、がたつ きの発生が防止されることになる。
【0023】 上記構成からなる実施形態の動作について説明する。 鉄部材8の突部81,81は磁気ギャップ59,59中に位置している。従っ て、突部81,81には、磁気ギャップ59,59の上下方向において、磁気ギ ャップ59,59の中央部に引き込もうとする力が加わる。その結果、対物レン ズ保持部2は、支軸4の軸方向において、フォーカシングの中立位置となるよう に、浮上した状態で保持される。また、突部81,81には、支軸4と直交する 平面において、ゴム磁石51,51の平面511,511までの距離を最短にし ようとする力が加わる。この力が回転のモーメントとなり、対物レンズ保持部2 は、支軸4の軸まわりにおいて、トラッキングの中立位置となるように、ばね的 な弾性力をもって保持されることになる。
【0024】 上記状態において、フォーカシング用コイル6を駆動したときには、磁気ギャ ップ59,59とフォーカシング用コイル6が発生する磁界との作用により、対 物レンズ保持部2は、支軸4の軸方向に移動する。つまり、対物レンズ3はフォ ーカシング方向に移動する。また、トラッキング用コイル7、7を駆動したとき には、磁気ギャップ59,59とトラッキング用コイル7,7が発生する磁界と の作用により、対物レンズ保持部2は支軸4の軸まわりに回動される。つまり、 対物レンズ3はトラッキング方向に移動する。
【0025】 以下に、磁気ギャップ59,59を発生するための磁石をゴム磁石51,51 としたことによって生じる問題と、この問題に対する実施形態の作用効果につい て説明する。
【0026】 磁石51,51にネオジウム磁石を用いた場合では、磁石51,51側の平面 511,511の磁束密度は5000ガウス程度となり、ヨーク52,52側の 平面521,521の磁束密度は3700ガウス程度となる。しかし、磁石51 ,51にゴム磁石を用いた場合では、磁石51,51側の平面511,511の 磁束密度は1000ガウスとなり、ヨーク52,52側の平面521,521の 磁束密度も1000ガウス程度となる。従って、磁気ギャップ59,59の磁束 密度が小さくなる。
【0027】 このことは、ネオジウム磁石を用いた場合と同一の磁性体を対物レンズ保持部 2に取り付けることによって、フォーカシングにおける中立位置への復元力や、 トラッキングにおける中立位置への復元力を生じさせる場合、復元力が小さくな ることを意味する。従って、支軸4の軸方向における機械的な自己共振周波数、 および、支軸4の軸まわりにおける機械的な自己共振周波数が低くなることを意 味し、フォーカシングにおける駆動感度の低下や、トラッキングにおける駆動感 度の低下を招く。
【0028】 このようなことから、中立位置への復元力を強くするため、対物レンズ保持部 2に取り付ける磁性体を、ネオジウム磁石を用いた場合には最適となるニッケル から、ニッケルより、より容易に磁化される鉄部材8に変更している。また、鉄 部材8の磁気ギャップ59,59のそれぞれに対応する部分に、ゴム磁石51, 51の側に突出する1つの突部81,81を形成して、ゴム磁石51,51の平 面511,511への吸引力を強めることにより、磁気ギャップ59,59の磁 束密度が低くなっているにもかかわらず、中立位置への復元力の低下を防止する ようにしている。
【0029】 以上の結果、実機においては、ゴム磁石51,51を用いているにもかかわら ず、支軸4の軸方向における機械的な自己共振周波数、および、支軸4の軸まわ りにおける機械的な自己共振周波数の双方を、制御に必要とする周波数範囲より 高い側に追いやることができており、実用上、支障のない駆動感度を得ることに 成功している。
【0030】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案では、磁石はゴム磁石によって形成されるととも にゴム磁石はヨークより支軸に対して遠くなる側に設けられ、且つ、前記磁気ギ ャップはゴム磁石の平面とヨークの平面との間に形成されている。また、前記磁 性体は鉄部材によって形成されている。また、対物レンズ保持部には、磁気ギャ ップ中に位置する壁面を有するとともにフォーカシング用コイルを支持する枠体 が形成され、前記鉄部材には枠体が挿入される孔部が形成され、前記鉄部材は孔 部に枠体が挿入される形で対物レンズ保持部に設けられている。また、支軸に直 交する平面視形状において、鉄部材には、一対の磁気ギャップのそれぞれに位置 する部分にゴム磁石の側に向かって突出する1つの半円状の突部が形成されてい る。また、一対の磁気ギャップのそれぞれにおいて鉄部材が前記ゴム磁石の方向 に吸引される強さを、互いに異なる強さとしている。従って、鉄部材が磁気ギャ ップから受ける力は、より大きいものとなる。また、ゴム磁石は、その他の磁石 に比して安価である。また、枠体に対する鉄部材の位置関係は精度よく定まる。 従って、対物レンズ保持部に対する鉄部材の位置関係も精度よく定まる。また、 突部に磁束が収束するので、制御の中立位置への復元力が大きくなり、自己共振 周波数を、制御の周波数範囲より高い周波数とすることができる。このため、制 御の感度低下をより抑制しつつ、部材の価格を廉価なものにすることができ、且 つ、磁性体の対物レンズ保持部への取り付け位置の精度を容易に高めることがで き、且つ、支軸に対して摺動可能にしたことから生じる制御時のがたつきを防止 することができる。
【0031】 また本考案では、磁石はゴム磁石によって形成されるとともにゴム磁石はヨー クより支軸に対して遠くなる側に設けられ、且つ、前記磁気ギャップはゴム磁石 の平面とヨークの平面との間に形成され、前記磁性体は鉄部材によって形成され ている。従って、鉄部材が磁気ギャップから受ける力は、その他の材質を用いる 場合に比して、より大きいものとなる。また、ゴム磁石は、その他の磁石に比し て安価である。このため、制御の感度低下を抑制しつつ、部材の価格を廉価なも のにすることができる。
【0032】 またさらに、対物レンズ保持部には、磁気ギャップ中に位置する壁面を有する とともにフォーカシング用コイルを支持する枠体が形成され、前記鉄部材には枠 体が挿入される孔部が形成され、前記鉄部材は孔部に枠体が挿入される形で対物 レンズ保持部に設けられている。従って、枠体に対する鉄部材の位置関係は精度 よく定まる。その結果、対物レンズ保持部に対する鉄部材の位置関係も精度よく 定まるので、鉄部材の取り付け位置の精度を容易に高めることができる。
【0033】 またさらに、支軸に直交する平面視形状において、鉄部材には、一対の磁気ギ ャップのそれぞれに位置する部分にゴム磁石の側に向かって突出する1つの突部 が形成されている。従って、突部に磁束が収束し、制御の中立位置への復元力が 大きくなるので、機械的な自己共振周波数を、制御の周波数範囲より高い周波数 とすることができるため、制御の感度の低下をより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る光学式ピックアップ装置の一実施
形態における対物レンズ保持部の裏面の詳細と磁気ギャ
ップ形成手段との関係を示す説明図である。
【図2】実施形態の対物レンズ保持部に取り付けられる
フォーカシング用コイルと鉄部材とを示す説明図であ
る。
【図3】対物レンズ保持部を裏側から見たときの説明図
である。
【図4】固定部材側に取り付けられつつある対物レンズ
保持部を示す説明図である。
【図5】固定部材側に取り付けられた対物レンズ保持部
の平面形状を示す説明図である。
【図6】実施形態を、支軸を挟んで、対物レンズの取り
付け位置の反対側から見たときの形状を示す説明図であ
る。
【図7】従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固定部 2 対物レンズ保持部 3 対物レンズ 4 支軸 5 磁気ギャップ形成手段 6 フォーカシング用コイル 7 トラッキング用コイル 8 鉄部材 21 枠体 51 ゴム磁石 52 ヨーク 59 磁気ギャップ 81 突部 82 孔部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部に取り付けられた支軸の軸まわり
    に回動可能で且つ支軸の軸方向に摺動可能に設けられた
    対物レンズ保持部と、 対物レンズ保持部に支軸から離間して設けられた対物レ
    ンズと、 固定部に設けられたヨークと磁石とからなり、支軸を挟
    んだ一対の位置のそれぞれに磁気ギャップを形成する磁
    気ギャップ形成手段と、 対物レンズ保持部に設けられ、前記一対の磁気ギャップ
    に作用する磁界を発生させることによって対物レンズ保
    持部を支軸の軸方向に移動させるフォーカシング用コイ
    ルと、 対物レンズ保持部に設けられ、前記一対の磁気ギャップ
    のそれぞれに作用する磁界を発生させることによって対
    物レンズ保持部を支軸の軸まわりに回動させるトラッキ
    ング用コイルとを備え、 前記一対の磁気ギャップのそれぞれに対応する磁性体を
    対物レンズ保持部に設けることによって、支軸の軸方向
    において対物レンズ保持部をフォーカシングの中立位置
    に保持するとともに支軸の軸まわりにおいて対物レンズ
    保持部をトラッキングの中立位置に保持する光学式ピッ
    クアップ装置において、 前記磁石はゴム磁石によって形成されるとともにゴム磁
    石はヨークより支軸に対して遠くなる側に設けられ、且
    つ、前記磁気ギャップはゴム磁石の平面とヨークの平面
    との間に形成され、 前記磁性体は鉄部材によって形成され、 対物レンズ保持部には磁気ギャップ中に位置する壁面を
    有するとともにフォーカシング用コイルを支持する枠体
    が形成され、 前記鉄部材には枠体が挿入される孔部が形成され、 前記鉄部材は孔部に枠体が挿入される形で対物レンズ保
    持部に設けられ、 支軸に直交する平面視形状において、鉄部材には、一対
    の磁気ギャップのそれぞれに位置する部分にゴム磁石の
    側に向かって突出する1つの半円状の突部が形成され、 一対の磁気ギャップのそれぞれにおいて鉄部材が前記ゴ
    ム磁石の方向に吸引される強さを互いに異なる強さとし
    たことを特徴とする光学式ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 固定部に取り付けられた支軸の軸まわり
    に回動可能で且つ支軸の軸方向に摺動可能に設けられた
    対物レンズ保持部と、 対物レンズ保持部に支軸から離間して設けられた対物レ
    ンズと、 固定部に設けられたヨークと磁石とからなり、支軸を挟
    んだ一対の位置のそれぞれに磁気ギャップを形成する磁
    気ギャップ形成手段と、 対物レンズ保持部に設けられ、前記一対の磁気ギャップ
    に作用する磁界を発生させることによって対物レンズ保
    持部を支軸の軸方向に移動させるフォーカシング用コイ
    ルと、 対物レンズ保持部に設けられ、前記一対の磁気ギャップ
    のそれぞれに作用する磁界を発生させることによって対
    物レンズ保持部を支軸の軸まわりに回動させるトラッキ
    ング用コイルとを備え、 前記一対の磁気ギャップのそれぞれに対応する磁性体を
    対物レンズ保持部に設けることによって、支軸の軸方向
    において対物レンズ保持部をフォーカシングの中立位置
    に保持するとともに支軸の軸まわりにおいて対物レンズ
    保持部をトラッキングの中立位置に保持する光学式ピッ
    クアップ装置において、 前記磁石はゴム磁石によって形成されるとともにゴム磁
    石はヨークより支軸に対して遠くなる側に設けられ、且
    つ、前記磁気ギャップはゴム磁石の平面とヨークの平面
    との間に形成され、 前記磁性体は鉄部材によって形成されていることを特徴
    とする光学式ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 対物レンズ保持部には磁気ギャップ中に
    位置する壁面を有するとともにフォーカシング用コイル
    を支持する枠体が形成され、 前記鉄部材には枠体が挿入される孔部が形成され、 前記鉄部材は孔部に枠体が挿入される形で対物レンズ保
    持部に設けられていることを特徴とする請求項2記載の
    光学式ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 支軸に直交する平面視形状において、鉄
    部材には、一対の磁気ギャップのそれぞれに位置する部
    分にゴム磁石の側に向かって突出する1つの突部が形成
    されていることを特徴とする請求項3記載の光学式ピッ
    クアップ装置。
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