JP3848579B2 - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に記録される情報の読取り、および光記録媒体への情報の書込みを行う光記録媒体再生装置に搭載される、対物レンズを駆動する対物レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、従来技術である対物レンズ駆動装置1を示す平面図である。対物レンズ駆動装置1において、第1対物レンズ6および第2対物レンズ7を保持するレンズホルダ5が、ベース部2に立設する支持軸10によって、支持軸10の第1および第2対物レンズ6,7の光軸に平行な軸線L10方向にスライド変位自在に、かつ前記軸線L10まわりに角変位自在に支持される。またレンズホルダ5は、1対のフォーカシング用コイル体8および1対のトラッキング用コイル体9を保持する。レンズホルダ5が支持軸10によって支持されている状態で、ベース部2には、レンズホルダ5のフォーカシング用コイル体8に半径方向外方から臨む一対のフォーカシング用磁石片3、およびトラッキング用コイル体9に半径方向外方から臨む一対のトラッキング用磁石片4が配置されて固定される。このようにレンズホルダ5にコイル体8,9が保持され、ベース部2に磁石片3,4が固定され、レンズホルダ5が支持軸10にスライド変位および角変位するので、この対物レンズ駆動装置1は、ムービングコイル方式の軸摺動タイプであると呼ばれる。
【0003】
図21(1)は、フォーカシング用磁石片3を示す斜視図であり、図21(2)は、トラッキング用磁石片4を示す斜視図である。フォーカシング用磁石片3およびトラッキング用磁石片4は、両面4極着磁と呼ばれる直方体状の永久磁石片である。フォーカシング用磁石片3は、レンズホルダ5のフォーカシング用コイル8に臨む磁極面の軸線方向一方側の領域N1がN極となるように、前記一磁極面の軸線方向他方側の領域S1がS極となるようにして配置される。トラッキング用磁石片4は、レンズホルダ5のトラッキング用コイル体9に臨む磁極面の軸線を中心とする仮想円筒面の周方向一方側の領域N2がN極となるように、前記一磁極面の軸線L10を中心とする仮想円筒面の周方向他方側の領域S2がS極となるようにして配置される。
【0004】
図22は、フォーカシング用コイル体8を示す正面図である。フォーカシング用コイル体8およびトラッキング用コイル体9は、強磁性材料から成る芯部材11と、前記芯部材11に巻回されるコイル12から成る。コイル12に矢符Tの方向に電流を流すと、コイル12の内側に、紙面の裏面から表面に向かう方向に磁界が発生する。このフォーカシング用コイル体8とフォーカシング用磁石片3との磁気的作用によって、レンズホルダ5が軸線L10方向にスライド変位駆動して、光ディスクなどの対象物の表面に第1対物レンズ6によって光源からの光を集光させるためのフォーカシングを行う。またトラッキング用コイル体9とトラッキング用磁石片4との磁気的作用によって、レンズホルダ5が軸線L10まわりに角変位駆動して、光源からの光の光ディスクの半径方向の集光位置を調整するトラッキングを行う。すなわちコイル体8,9は、フォーカシングおよびトラッキングの両方で用いられる。
【0005】
またレンズホルダ5を軸線L10まわりに時計回りに90度角変位させることによって、光源からの光を第2対物レンズ7によって光ディスクの表面に集光するように切換える。このときフォーカシング用コイル体8がトラッキング用磁石片4に臨み、トラッキング用コイル体9がフォーカシング用磁石片3に臨むように配置され、フォーカシング用コイル体8とトラッキング用磁石片4との磁気的作用によってトラッキングが行われ、トラッキング用コイル体9とフォーカシング用磁石片3との磁気的作用によってフォーカシングが行われる。
【0006】
図23は、他の従来の技術である特開平10−302274号公報の従来の技術に開示される光ヘッド用アクチュエータ20を示す斜視図である。光ヘッド用アクチュエータ20は、支持台21に一対のコイル体28が固定され、レンズホルダ22にマグネット25が保持され、レンズホルダ22が支軸27にスライド変位および角変位するムービングマグネット方式の軸摺動タイプである。コイル体28は、磁性ヨークと、前記磁性ヨークまわりに、一方向に巻回するフォーカシング用コイルと、前記一方向に交差する方向に巻回するトラッキング用コイルとから成る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示すような従来の技術のムービングコイル方式の対物レンズ駆動装置1では、レンズホルダ5にフォーカシング用コイル体8およびトラッキング用コイル体9が保持されるので、これらのコイル体8,9に電流を与えるためのフレキシブル配線などを備える必要があるので、このようなフレキシブル配線によって、レンズホルダ5の変位駆動が妨げられ、所望の動作ができない。
【0008】
図23に示すような他の従来のムービングマグネット方式の光ヘッド用アクチュエータ20では、レンズホルダ22にフレキシブル配線を備える必要がないので、レンズホルダ22の動作がムービングコイル方式に比べて良好となるが、1つの磁性ヨークにフォーカシング用コイルとトラッキング用コイルとが巻回されているので、これら2つのコイルが1つのマグネット25に対向することになり、これら2つのコイルが形成する磁界がマグネット25に有効に作用することができない、すなわちこれら2つのコイルとマグネット25との磁気的作用によって発生する磁力が小さく、コイルに比べて質量の大きなマグネット25を保持するレンズホルダ25を駆動するための駆動力が充分でない。
【0009】
図24(1)は、さらに他の従来技術の対物レンズ駆動装置に用いられるコイル体15を示す正面図であり、図24(2)は、前記コイル体15を示す側面図である。上述のムービングマグネット方式の光ヘッドアクチュエータ20に用いられるコイル体28のような、1つの磁性ヨークにフォーカシング用コイルとトラッキング用コイルとが巻回されているコイル体が形成する磁界がマグネットに有効にさせるためには、コイル体単体に関する磁気回路の磁路における磁気抵抗値を小さくすることが考えられる。このために図24に示すコイル体15の芯部材16は、磁石配置領域18に向かって突出し、対物レンズの光軸に平行な方向に互いに対面する1対の第1および第2凸部16a,16bにそれぞれフォーカシング用コイル17a,17bが巻回されるとともに、対物レンズの光軸に垂直な方向に互いに対面する1対の第3および第4凸部16c,16dにそれぞれトラッキング用コイル18a,18bが巻回される構造となっている。
【0010】
しかし図24に示すようなコイル体15でも、レンズホルダを駆動させるための駆動力を充分に得ることができず、駆動力を大きくするために、レンズホルダに保持される磁石の質量を大きくしたり磁力を大きくする必要があり、磁石の質量を大きくすると、レンズホルダの質量が大きくなり、所望の動作を行うことが困難になる。
【0011】
したがって本発明の目的は、レンズホルダに磁石が保持される対物レンズ駆動装置であって、レンズホルダに保持される磁石片の質量および磁力を大きくすることなく、レンズホルダを駆動するために充分な駆動力を得ることができる対物レンズ駆動装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1対物レンズ、第2対物レンズ、第1永久磁石片、第2永久磁石片、第3永久磁石片および第4永久磁石片をそれぞれ保持し、前記各対物レンズの光軸に平行な軸線まわりに角変位自在に、かつ前記軸線に沿ってスライド変位自在に設けられるレンズホルダと、
各永久磁石片に対向してそれぞれ設けられる4つのコイル体であって、強磁性材料から成る芯部材に、一端部から他端部に向かって一様な巻回方向にコイルが巻回され、芯部材の両端部が永久磁石片の一方の磁極面に向けて延出する形状に形成されるコイル体とを含み、
第1コイル体と第3コイル体とは、芯部材の両端部が軸線方向にそれぞれ並ぶフォーカシング用コイル体であり、第2コイル体と第4コイル体とは、芯部材の両端部が前記軸線まわりにそれぞれ並ぶトラッキング用コイル体であって、
第1永久磁石片、第2永久磁石片、第3永久磁石片および第4永久磁石片は、2つの磁極のうちで一方の磁極に着磁される一方の磁極面と、一方の磁極面に対して反対側であって他方の磁極に着磁される他方の磁極面とをそれぞれ有する裏表2極着磁の永久磁石片であって、前記各一方の磁極面がレンズホルダの外周部の半径方向外方に向いて、レンズホルダにそれぞれ保持され、
レンズホルダは、前記軸線に交差して第1永久磁石片の重心と第3永久磁石片の重心とを結ぶ直線と、前記軸線に交差して第2永久磁石片の重心と第4永久磁石片の重心とを結ぶ直線とが、前記軸線において直交するように、各永久磁石片をそれぞれ保持するとともに、第1対物レンズと第2対物レンズとを前記軸線まわりに周方向に90度間隔あけて保持し、
4つのコイル体のうち、前記軸線に交差して第1コイル体と第3コイル体とを結ぶ直線と、前記軸線に交差して第2コイル体と第4コイル体とを結ぶ直線とが、前記軸線において直交するように配置されることを特徴とする対物レンズ駆動装置である。
【0013】
本発明に従えば、レンズホルダは、第1および第2対物レンズおよび4つの永久磁石片を保持し、前記対物レンズの光軸に平行な軸線まわりに角変位自在に、かつ前記軸線に沿ってスライド変位自在に設けられる。4つのコイル体は、強磁性材料から成る芯部材に、一端部から他端部に向かって一様な巻回方向にコイルが巻回され、芯部材の両端部が前記軸線に向けて延出する形状に形成される。各コイル体が、それぞれ対応する永久磁石片に対向して設けられることで、コイルに電流を流すことによって形成される磁界が、永久磁石片の一方の磁極面に臨む領域に集中する。このようなコイル体は、たとえば一方向に延びる芯部材にコイルを巻回したコイル体を用いる場合に比べて、永久磁石片の一方の磁極面に臨む領域に磁界をより集中して効率よく形成することができ、各永久磁石片の形状が同一の着磁構造であっても、コイルに作用する電磁力、換言すれば永久磁石片に作用する前記電磁力の反作用力を大きくすることができる。これによってレンズホルダを軸線まわりおよび軸線に沿って駆動する駆動力を大きくでき、レンズホルダを大きな加速度で変位駆動することができる。
また第1対物レンズと第2対物レンズとは、前記軸線まわりに周方向に90度間隔あけてレンズホルダに保持されるので、光源からの光を第1対物レンズによって集光可能な状態から、レンズホルダを軸線まわりに90度角変位すると、光源からの光を第2対物レンズによって集光可能な状態となる。また4つの永久磁石片および4つのコイル体は、上述した位置に配置されることで、第1対物レンズと第2対物レンズとのいずれによって光源からの光を集光する場合であっても、永久磁石片と、コイル体とが互いに対向する。
したがって2つの対物レンズのいずれを用いて光源からの光を集光するに拘わらず、レンズホルダを駆動するために充分な駆動力を得ることができ、レンズホルダを大きな加速度で変位駆動させることができる。
各フォーカシングコイル体のコイルに電流を流すことによって、前記各フォーカシング用コイル体の芯部材の一端部が一方の磁極になるとともに他端部が他方の磁極となる電磁石となり、前記フォーカシング用コイル体と、そのコイル体に対向する永久磁石片との間の磁気的作用によって、永久磁石片が前記各フォーカシング用コイル体の両端部のいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダは、軸線方向にスライド変位駆動する。
また各トラッキング用コイル体のコイルに電流を流すことによって、前記トラッキング用コイル体の芯部材の一端部が一方の磁極になるとともに他端部が他方の磁極となる電磁石となり、前記トラッキング用コイル体とそのコイル体に対向する永久磁石片との間の磁気的作用によって、永久磁石片が前記トラッキング用コイル体の両端部のいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダは、軸線まわりに角変位駆動する。
このようにして2つの対物レンズのいずれを用いて光源からの光を集光するに拘わらず、レンズホルダを軸線方向および軸線まわりに駆動させることができる。
また第1〜第4永久磁石片が、それぞれ対応するコイル体に対向した状態では、各永久磁石片の一方の磁極面が、コイル体の芯部材の両端部に対向して臨む。したがって各フォーカシングコイル体のコイルに電流を流すことによって、前記フォーカシング用コイル体と、そのコイル体に対向する永久磁石片の一方の磁極面との間の磁気的作用によって、永久磁石片が前記各フォーカシング用コイル体の両端部のいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダは、軸線方向にスライド変位駆動する。また各トラッキング用コイル体のコイルに電流を流すことによって、前記トラッキング用コイル体とそのコイル体に対向する永久磁石片の一方の磁極面との間の磁気的作用によって、永久磁石片が前記トラッキング用コイル体の両端部のいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダは、軸線まわりに角変位駆動する。
【0014】
また本発明は、芯部材の両端部には、永久磁石片の一方の磁極面に向かって突出する突起片が形成され、各突起片は、芯部材の残余の部分よりも断面積が小さいことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、芯部材の両端部には、永久磁石片の一方の磁極面に向かって突出する突起片が形成されるので、コイル体のコイルに電流を流していない状態において永久磁石片によって形成される磁界の磁束が、コイル体の強磁性材料から成る芯部材の各突起片に集中し、各突起片を通過する磁束密度が高くなり、このような磁界によって各突起片に作用する突起片から永久磁石片の一方の磁極に向かう方向の吸引力が大きくなる。この芯部材の一端部の突起片に作用する吸引力と他端部の突起片に作用する吸引力の大きさが等しいので、突起片が並ぶ方向に永久磁石片が相対的に変位しても、吸引力の反作用力が変位する前の位置に戻ろうとする復元力として各突起片に作用するので、このような位置が安定した磁気的中立位置となり、このような吸引力の反作用力によってレンズホルダを安定して支持することができる。
【0016】
また各突起片は、芯部材の残余の部分よりも断面積が小さいので、各突起片の寸法がわずかに異なっても、各突起片を通過する磁束の磁束密度が大きく異なることがないので、芯部材の寸法精度が磁気的中立位置に影響して、磁気的中立位置が芯部材毎にばらつくことを防ぐことができる。
【0017】
また本発明は、第1〜第4永久磁石片は、前記軸線に平行な第1軸線を中心とする所定の曲率でそれぞれ湾曲することを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、永久磁石片の曲率半径を調整することによって、永久磁石片の磁極面とコイル体の芯部材の突起片との距離を調整することができ、これによってコイル体のコイルに電流を流していない状態において、永久磁石片によって形成される磁束が、コイル体の芯部材の突起片を通過する本数、すなわち磁束密度を調整することができ、所定の復元力に設定することができる。
【0021】
また本発明は、レンズホルダのスライド変位を所定の範囲に規制する変位規制手段を有することを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、変位規制手段は、レンズホルダのスライド変位を所定の範囲に規制するので、万一レンズホルダに軸線方向に大きな力が加わっても、たとえばレンズホルダの軸線方向一方側に配置され、光源からの光が導かれる対象物にレンズホルダが衝突することを防止することができる。
【0023】
また本発明は、対物レンズは、光源からの光を対象物に導くためのレンズであって、
レンズホルダを収容する気密な収容空間を形成するハウジングを有し、ハウジングは、少なくとも光源と対物レンズとの間に配置される部分および対象物と対物レンズとの間に配置される部分が、透光性を有する材料から成ることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、レンズホルダを収容する気密な収容空間を形成するハウジングは、少なくとも光源と対物レンズとの間に配置される部分および対象物と対物レンズとの間に配置される部分が、透光性を有する材料から成るので、光源からの光がハウジングによって遮断されることなく、対象物に導くことができ、さらにレンズホルダ、特に対物レンズに塵埃などが付着することを防止することができるとともに、万一レンズホルダに大きな外力が加わったときに、レンズホルダが対物レンズ駆動装置から離脱することを防止することができる。
【0025】
また本発明は、第1〜第4永久磁石片は、対物レンズよりも軸線寄りの内方領域にそれぞれ配置されることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、永久磁石片は、対物レンズよりも軸線寄りの内方領域に配置されるので、永久磁石片のような質量が集中する部材の軸線からの距離が、永久磁石片が対物レンズよりも外方領域に配置される場合に比べて小さくなるので、レンズホルダの軸線まわりの慣性モーメントを小さくすることができる。これによってレンズホルダを軸線まわりに所定の角加速度で角変位駆動させるときに、レンズホルダに加える力、すなわちコイルに作用する電磁力、換言すれば永久磁石片に作用する前記電磁力の反作用力を小さくできる。このようにコイルに作用する電磁力を小さくできるので、レンズホルダの永久磁石片の磁力を大きくする必要がない。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30を示す断面図であり、図2は、対物レンズ駆動装置30を示す断面図である。図3は、対物レンズ駆動装置30を示す平面図である。図1は、図3の切断面線S1−S1から見た断面図であり、図2は、図3の切断面線S2−S2から見た断面図である。対物レンズ駆動装置30は、たとえばコンパクトディスク(Compact Disc;略称:CD)およびデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc;略称:DVD)などの光記録媒体に記録される情報の読取り、および情報の書込みを行う光記録媒体記録再生装置に搭載され、光源からのレーザ光を光記録媒体の記録面に集光する対物レンズを駆動して、対象物である光記録媒体の記録面に垂直な方向であるフォーカシング方向、および光記録媒体の半径方向であるトラッキング方向に、レーザ光を記録面の所定の位置に集光させるための装置である。
【0033】
対物レンズ駆動装置30は、レンズホルダ31、第1コイル体である第1フォーカシング用コイル体32、第3コイル体である第2フォーカシング用コイル体33、第2コイル体である第1トラッキング用コイル体34、第4コイル体である第2トラッキング用コイル体35、支持軸36およびベース部37を含んで構成される。支持軸36およびベース部37は、非磁性材料から成る。
【0034】
レンズホルダ31は、ベース部37に軸線L36方向一端部が固定されて立設する支持軸36によって、レンズホルダ31が保持する第1および第2対物レンズ38,39の光軸に平行な支持軸36の軸線L36まわりに角変位自在に、かつ軸線L36に沿ってスライド変位自在に支持される。レンズホルダ31の軸線は軸線L36と同軸である。レンズホルダ31は、略有底円筒状に形成されるホルダ基部31aの底部に、ホルダ基部31aの軸線と同軸の挿通孔31bがホルダ基部31aを前記軸線方向に貫通して形成され、前記挿通孔31bに支持軸36が挿通されることによって、レンズホルダ31が支持される。またレンズホルダ31は、ホルダ基部31aの外周部に第1、第2、第3および第4マグネット40a,40b,40c,40d(以後、これらのマグネットのいずれかを指すとき、単に「マグネット40」と表記することがある)を保持する。
【0035】
図4は、マグネット40を示す斜視図である。マグネット40は、略直方体形状であり、一側面が一方の磁極、たとえばN極に着磁される第1磁極面41と、前記一側面と平行な他側面、すなわち前記一側面を正面としたときに背面となる他側面が、他方の磁極、たとえばS極に着磁される第2磁極面42とを有する、表裏2極着磁の永久磁石片である。マグネット40は、図1〜図3に示すように、レンズホルダ31の外周部に、第1〜第4マグネット40a〜40dの第1磁極面41が、半径方向外方に臨み、第1マグネット41aの重心、軸線L36および第3マグネット40cの重心を結ぶ直線と、第2マグネット40bの重心、軸線L36および第4マグネット40dの重心を結ぶ直線とが直交するようにして配置される。
【0036】
図5は、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33を示す斜視図であり、図6は、第1および第2トラッキング用コイル体34,35を示す斜視図である。第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35は、たとえば鉄などの強磁性材料から成る芯部材43と、前記芯部材43に巻回されるコイル44とを含んで構成される。芯部材43の形状は、詳細に述べると、一方向に垂直な断面形状がコの字状に形成されており、一端部43aおよび他端部43bがともに前記一方向に垂直な方向に延出する。コイル44は、詳細に述べると、一端部43a、他端部43bおよび一端部43aと他端部43bとの間の中央部43cに、一端部43aから他端部43bに向かって一様な巻回方向に巻回される(以後、一端部43aと他端部43bとをあわせて「両端部43a,43b」と表記することがある)。
【0037】
第1および第2フォーカシング用コイル体32,33は、レンズホルダ31が支持軸36によって支持されている状態で、ベース部37のレンズホルダ31よりも半径方向外方に、各フォーカシング用コイル体32,33の芯部材43の両端部43a,43bが互いに対向して臨み、支持軸36の軸線L36に関して軸対象となる位置に配置されて固定される。また第1および第2トラッキング用コイル体34,35は、レンズホルダ31が支持軸36によって支持されている状態で、ベース部37のレンズホルダ31よりも半径方向外方に、各トラッキング用コイル体34,35の芯部材43の両端部43a,43bが互いに対向して臨み、支持軸36の軸線L36に関して軸対象となる位置に配置されて固定される。このとき第1フォーカシング用コイル体32、軸線L36および第2フォーカシング用コイル体33を結ぶ直線と、第1トラッキング用コイル体34、軸線L36および第2トラッキング用コイル体35を結ぶ直線とは直交する。
【0038】
レンズホルダ22に保持される第1対物レンズ38は、たとえばCDに記録される情報を読取るための波長が780[nm]のレーザ光をCDの記録面に集光するときに用いられる。このときレンズホルダ22は、第1マグネット40aが第1フォーカシング用コイル体32に対向し、第2マグネット40bが第1トラッキング用コイル体34に対向し、第3マグネット40cが第2フォーカシング用コイル体33に対向し、第4マグネット40dが第2トラッキング用コイル体35に対向するように配置される。
【0039】
このように配置されるレンズホルダ22において、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33のコイル44に電流を流すことによって、前記フォーカシング用コイル体32,33の芯部材43の一端部43aが一方の磁極になるとともに他端部43bが他方の磁極となる電磁石となり、前記フォーカシング用コイル体32,33と第1および第3マグネット40a,40cとの間の磁気的作用によって、第1および第3マグネット40a,40cが前記フォーカシング用コイル体32,33の両端部43a,43bのいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダ22は、支持軸36の軸線L36方向にスライド変位駆動する。またこのとき、第1および第2トラッキング用コイル体34,35のコイル44に電流を流すことによって、前記トラッキング用コイル体34,35の芯部材43の一端部43aが一方の磁極になるとともに他端部43bが他方の磁極となる電磁石となり、前記トラッキング用コイル体34,35と第2および第4マグネット40b,40dとの間の磁気的作用によって、第2および第4マグネット40b,40dが前記トラッキング用コイル体34,35の両端部43a,43bのいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダ22は、支持軸36の軸線L36まわりに角変位駆動する。
【0040】
レンズホルダ22に保持される第2対物レンズ39は、たとえばDVDに記録される情報を読取るための波長が650[nm]のレーザ光をDVDの記録面に集光するときに用いられる。このときレンズホルダ22は、第1マグネット40aが第1トラッキング用コイル体34に対向し、第2マグネット40bが第2フォーカシング用コイル体33に対向し、第3マグネット40cが第2トラッキング用コイル体35に対向し、第4マグネット40dが第1フォーカシング用コイル体32に対向するように配置される。
【0041】
このように配置されるレンズホルダ22において、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33のコイル44に電流を流すことによって、前記フォーカシング用コイル体32,33の芯部材43の一端部43aが一方の磁極になるとともに他端部43bが他方の磁極となる電磁石となり、前記フォーカシング用コイル体32,33と第4および第2マグネット40d,40bとの間の磁気的作用によって、第4および第2マグネット40d,40bが前記フォーカシング用コイル体32,33の両端部43a,43bのいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダ22は、支持軸36の軸線L36方向にスライド変位駆動する。またこのとき、第1および第2トラッキング用コイル体34,35のコイル44に電流を流すことによって、前記トラッキング用コイル体34,35の芯部材43の一端部43aが一方の磁極になるとともに他端部43bが他方の磁極となる電磁石となり、前記トラッキング用コイル体34,35と第1および第3マグネット40a,40cとの間の磁気的作用によって、第1および第3マグネット40a,40cが前記トラッキング用コイル体34,35の両端部43a,43bのいずれかの端部に吸引されて、レンズホルダ22は、支持軸36の軸線L36まわりに角変位駆動する。
【0042】
第1および第2フォーカシング用コイル体32,33のコイル44に電流が流れていないとき、前記フォーカシング用コイル体32,33に対向するマグネット40によって形成される磁界によって前記フォーカシング用コイル体32,33の芯部材43の両端部43a,43bがマグネット40とは異なる磁極、たとえばS極に磁化されて、前記フォーカシング用コイル体32,33とマグネット40とが互いに吸引し合うことによって、前記フォーカシング用コイル体32,33に対向するマグネット40は、前記フォーカシング用コイル体32に対して磁気的中立位置に配置される。また第1および第2トラッキング用コイル体34,35のコイル44に電流が流れていないとき、前記トラッキング用コイル体34,35に対向するマグネット40によって形成される磁界によって前記トラッキング用コイル体34,35の芯部材43の両端部43a,43bがマグネット40とは異なる磁極、たとえばS極に磁化されて、前記トラッキング用コイル体34,35とマグネット40とが互いに吸引し合うことによって、前記トラッキング用コイル体34,35に対向するマグネット40は、前記トラッキング用コイル体32に対して磁気的中立位置に配置される。
【0043】
以上のように第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30によれば、レンズホルダ32は、第1および第2対物レンズ38,39および第1〜第4マグネット40a〜40dを保持し、前記対物レンズ38,39の光軸に平行な軸線L36まわりに角変位自在に、かつ前記軸線L36に沿ってスライド変位自在に設けられる。第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35は、強磁性材料から成る芯部材43に、一端部43aから他端部43bに向かって一様な巻回方向にコイル44が巻回され、芯部材43の両端部43a,43bがマグネット40の第1磁極面41に向けて延出する形状に形成されて、マグネット40に対向して設けられるので、コイル44に電流を流すことによって形成される磁界が、マグネット40の第1磁極面41に臨む領域に集中する。このような第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35は、たとえば一方向に延びる芯部材にコイルを巻回したコイル体を用いる場合に比べて、マグネット40の第1磁極面41に臨む領域に磁界をより集中して効率よく形成することができ、コイル44に作用する電磁力、換言すればマグネット40に作用する前記電磁力の反作用力を大きくすることができる。これによってレンズホルダ31を軸線L36まわりおよび軸線L36に沿って駆動する駆動力を大きくでき、レンズホルダ31は大きな加速度で駆動することができる。
【0044】
第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置40において、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33は軸線L36に関して軸対象となるように配置するとしたが、完全に軸対象にすることなく、 第1および第2フォーカシング用コイル体32,33と前記フォーカシング用コイル体32,33に対向するマグネット40との間の磁気的作用がある程度作用するような位置および向きに配置するようにしてもよい。また第1および第2トラッキング用コイル体34,35は軸線L36に関して軸対象となるように配置するとしたが、完全に軸対象にすることなく、 第1および第2トラッキング用コイル体34,35と前記トラッキング用コイル体34,35に対向するマグネット40との間の磁気的作用がある程度作用するような位置および向きに配置するようにしてもよい。
【0045】
図7は、本発明の第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aに搭載されるコイル体45およびマグネット40を示す平面図である。第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aは、上述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30の第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35を除く構成は同様であるので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明は省略する。
【0046】
本実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aの第1および第2フォーカシング用コイル体32A,33Aならびに第1および第2トラッキング用コイル体34A,35A(第2の実施の形態および後述する第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30A,30Bにおいて、これらのコイル体32A,33A,34A,35Aをまとめて単に「コイル体45」と表記することがある)は、たとえば鉄などの強磁性材料から成る芯部材46と、前記芯部材46に巻回されるコイル44とを含んで構成される。芯部材46の形状は、大略的には、一方向に垂直な断面形状がコの字状に形成される、一端部46aおよび他端部46bがともに前記一方向に垂直な方向に延出し、それらの先端に向かうにつれて断面積が縮小するように形成される。さらに一端部46aおよび他端部47bには、芯部材46の残余の部分よりも断面積が小さく、一端部46aおよび他端部47bが延出する方向に向かって突出する、詳細には直方体形状の突起片46a,47bがそれぞれ形成される。コイル44は、詳細に述べると、一端部46a、他端部46bおよび一端部46aと他端部46bとの間の中央部46cに、一端部46aから他端部46bに向かって一様な巻回方向に巻回される(以後、一端部46aと他端部46bとをあわせて「両端部46a,46b」と表記することがある)。
【0047】
コイル体45は、一端部46aおよび他端部46bが軸線L36方向に並ぶようにしてベース部37に配置することによって、第1および第2フォーカシング用コイル体32A,33Aとなる。またコイル体45は、一端部46aおよび他端部46bが軸線L36方向に垂直な方向に並ぶようにしてベース部37に配置することによって、第1および第2トラッキング用コイル体34A,35Aとなる。本実施の形態の対物レンズ駆動装置30の第1および第2フォーカシング用コイル体32A,33Aならびに第1および第2トラッキング用コイル体34A,35Aのベース部37における配置は、図3に示すように、第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30の第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35のベース部37における配置と同様である。
【0048】
図7に示すように、レンズホルダ22のマグネット40がコイル体45の芯部材46の突起片46a,46bに対向する位置に配置されると、コイル44に電流が流れていない状態では、マグネット40によって形成される磁界のおける磁束は、突起片47a,47bに集中し、突起片47a,47bを通過する磁束の磁束密度が、図5および図6に示すような第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30におけるコイル体32,33,34,35の両端部を通過する磁束の磁束密度よりも高くなる。
【0049】
以上のように第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aによれば、芯部材46の両端部46,46bには、マグネット40の第1磁極面41に向かって突出する突起片47a,47bが形成されるので、コイル体45のコイル44に電流を流していない状態においてマグネット40によって形成される磁界の磁束が、コイル体45の強磁性材料から成る芯部材46の各突起片47a,47bに集中し、各突起片47a,47bを通過する磁束密度が高くなり、このような磁界によって各突起片47a,47bに作用する突起片47a,47bからマグネット40の第1磁極面41に向かう方向の吸引力が大きくなる。この芯部材46の一端部46aの突起片47aに作用する吸引力と他端部46bの突起片47bに作用する吸引力の大きさが等しいので、突起片47a,47bが並ぶ方向にマグネット40が相対的に変位しても、吸引力の反作用力が変位する前の位置に戻ろうとする復元力として各突起片47a,47bに作用するので、このような位置が安定した磁気的中立位置となり、このような吸引力の反作用力によってレンズホルダ31を安定して支持することができる。
【0050】
図8は、本発明の第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Bに搭載されるコイル体45および湾曲マグネット48を示す平面図である。第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Bは、上述の第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aの第1〜第4マグネット40a〜40dを除く構成は同様であるので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明は省略する。
【0051】
湾曲マグネット48は、この湾曲マグネット48によって形成される磁界において、コイル体45の芯部材46の両端部46a,46bを通過する磁束密度が所定の磁束密度になるように形状が選択されており、詳細に述べると、軸線L36に平行な第1軸線に平行に延びるとともに、第1軸線を中心とする所定の曲率半径で湾曲して半径方向外方に臨む外方磁極面48aと、第1軸線に平行に延びるとともに、第1軸線を中心とする外方磁極面48aの曲率半径よりも小さい所定の曲率半径で湾曲して半径方向内方に臨む内方磁極面48bとが形成される。湾曲マグネット48は、外方磁極面48aは一方の磁極、たとえばN極に着磁され、内方磁極面48bは他方の磁極、たとえばS極に着磁される永久磁石片である。湾曲マグネット48はレンズホルダ31の外周部に、湾曲マグネット48の外方磁極面48aが、半径方向外方に臨み、上述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30の第1〜第4マグネット41a〜41dと同様にして配置されて、レンズホルダ31に保持される。
【0052】
湾曲マグネット48の曲率半径を調整することによって、湾曲マグネット48の第1磁極面48aとコイル体45の芯部材46の突起片47a,47bとの距離を調整することができ、これによってコイル体45のコイル44に電流を流していない状態において、湾曲マグネット48によって形成される磁束が、コイル体45の芯部材46の突起片47a,47bを通過する本数、すなわち磁束密度を調整することができる。
【0053】
ここでレンズホルダ31の質量をm、レンズホルダ31に作用する磁気力による磁気ばねのばね定数をkとすると、このレンズホルダ31および磁気ばねを含む系の1次共振周波数ω0は、ω0=(k/m)1/2である。この1次共振周波数ω0より低い周波数ωLでレンズホルダ31を振動させる場合、レンズホルダ31の振動は、磁気ばねの復元力によって制限される。また1次共振周波数ω0より高い周波数ωHでレンズホルダ31を振動させる場合、レンズホルダ31の振動の振幅は、ωHの2乗に反比例する。したがって1次共振周波数ω0より低い周波数ωLでレンズホルダ31を振動させる場合、コイル44に単位電圧を印加したときのレンズホルダ31の軸線L36方向および軸線L36まわりの変位量である対電圧変位感度と、コイル44に単位電流を流したときのレンズホルダ31の軸線L36方向および軸線L36まわりの変位量である対電流変位感度とは、磁気ばねの復元力が大きくなるにつれて低くなる。
【0054】
以上のように第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Bによれば、湾曲マグネット48は、この湾曲マグネット48によって形成される磁界において、コイル体45の芯部材46の両端部46a,46bの突起片47a,47bを通過する磁束密度が所定の磁束密度になるように形状が選択されているので、所望の復元力に設定することができる。またこのように復元力を設定することによって、レンズホルダ31の対電圧変位感度および対電流変位感度を、適切な値に調整することができる。
【0055】
図9は、本発明の第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cを示す断面図である。第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cは、上述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30と大略的に同様の構成であるので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明は省略し。異なる構成だけを以下に説明する。支持軸36は、軸線L36方向に他端部にレンズホルダ31のスライド変位を所定の範囲に規制する変位規制手段である変位規制部49が設けられる。詳細には、変位規制部49は、支持軸36の外径よりも大きな寸法の外径となる円板形状であり、支持軸36の軸線L36と同軸にして、支持軸36の他端部に設けられる。
【0056】
以上のように第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cによれば、変位規制部49は、レンズホルダ31のスライド変位を所定の範囲に規制するので、万一レンズホルダ31に軸線L36方向に大きな力が加わっても、たとえばレンズホルダ31の軸線L36方向一方側に配置され、光源からの光が導かれる対象物にレンズホルダ31が衝突することを防止することができる。
【0057】
第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cにおいて、変位規制部49は、支持軸36に設けられるとしたが、これに限らず、たとえば支持軸36とは別体にして、ベース部37および各コイル体32〜35に設けるようにしてもよい。また変位規制部49は、上述の第1、第2および第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30,30A,30Bに設けてもよい。また第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cにおいて、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35の代わりに、図7に示すような第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aのコイル体45(第1および第2フォーカシング用コイル体32A,33Aならびに第1および第2トラッキング用コイル体34A,35A)を用いてもよい。
【0058】
図10は、本発明に関連する第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dを示す断面図であり、図11は、対物レンズ駆動装置30Dを示す平面図である。図10は、図11の切断面線S10−S10から見た断面図である。第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dは、レンズホルダ81、コイル体82、第1および第3コイル体であるフォーカシング用マグネット83a,83b(以後、フォーカシング用マグネット83a,83bをまとめて、フォーカシング用マグネット83と表記することがある)、第2および第4コイル体であるトラッキング用マグネット84a,84b(以後、トラッキング用マグネット84a,84bをまとめて、トラッキング用マグネット84と表記することがある)、部分磁性支持軸85およびベース部86を含んで構成される。ベース部86は、非磁性材料から成る。
【0059】
支持体である部分磁性支持軸85は、円柱状に形成され、軸線L85方向一端部85aおよび他端部85bが非磁性材料からなり、一端部85aと他端部85bとの間の中央部85cが強磁性材料から成り、ベース部86に一端部85aが固定されて立設する。
【0060】
レンズホルダ81は、部分磁性支持軸85によって、第1および第2対物レンズ38,39の光軸に平行な部分磁性支持軸85の軸線L85まわりに角変位自在に、かつ前記軸線L85に沿ってスライド変位自在に支持される。レンズホルダ81の軸線は部分磁性支持軸85の軸線L85と同軸である。レンズホルダ81は、略有底円筒状に形成されるホルダ基部81aの底部に、ホルダ基部81aの軸線と同軸の挿通孔81bがホルダ基部81aを前記軸線方向に貫通して形成され、前記挿通孔81bに部分磁性支持軸85が挿通されることによって、レンズホルダ81が支持される。第1および第2対物レンズ38,39は、上述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30の第1および第2対物レンズ38,39と同様であるので、同一の参照符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0061】
図12は、コイル体82を示す正面図である。コイル体82は、たとえば鉄などの強磁性材料から成る芯部材87と、前記芯部材87に一様な巻回方向に巻回されるコイル88とを含んで構成される。コイル88に矢符iの方向に電流を流すと、コイル88の内側に、紙面の裏面から表面に向かう方向に磁界が発生する。またコイル88に矢符iとは逆の方向に電流を流すと、コイル88の内側に、紙面の表面から裏面に向かう方向に磁界が発生する。
【0062】
図13(1)は、フォーカシング用マグネット83を示す斜視図であり、図13(2)は、トラッキング用マグネット84を示す斜視図である。フォーカシング用マグネット83およびトラッキング用マグネット84は、両面4極着磁と呼ばれる直方体状の永久磁石片であり、図13に示すように、一側面および前記一側面に平行な(すなわち裏側の)側面は、2つの領域に分割されており、一方の領域がN極の磁極面となり、他方の領域がS極の磁極面となる。
【0063】
図11に示すように、フォーカシング用マグネット83は、図13(1)に示すように、コイル体82に臨む一側面である縦並び磁極面89の軸線L85方向一方側の領域SfがS極となるように、前記縦並び磁極面89の軸線方向他方側の領域N1がN極となるように配置されて、レンズホルダ81のホルダ基部81aの外周部に保持される。トラッキング用マグネット84は、図13(2)に示すように、コイル体82に臨む一側面である横並び磁極面90の、軸線L85を中心とする仮想円筒面の周方向一方側の領域NtがN極となるように、前記横並び磁極面90の軸線L10を中心とする仮想円筒面の周方向他方側の領域StがS極となるように配置されて、レンズホルダ81のホルダ基部81aの外周部に保持される。
【0064】
さらに詳細には、フォーカシング用マグネット83a,83bは、各縦並び磁極面89が、半径方向外方に臨み、軸線L85に対して対象に配置され、トラッキング用マグネット84a,84bは、各横並び磁極面90が、半径方向外方に臨み、軸線L85に対して対象に配置され、フォーカシング用マグネット83の各縦並び磁極面89に垂直かつ軸線L81に直交する直線と、トラッキング用マグネット84の各横並び磁極面90に垂直かつ軸線L81に直交する直線とは直交する。
【0065】
4個のコイル体82は、図11に示すように、レンズホルダ81が部分磁性支持軸85によって支持されている状態で、レンズホルダ81よりも半径方向外方に、コイル88に電流を流したときに磁極となる各コイル体82の一端部が、それぞれフォーカシング用マグネット83およびトラッキング用マグネット84の各磁極面89,90に臨むようにして配置されてベース部86に固定される。
【0066】
部分磁性支持軸85は、詳細に述べると、強磁性材料から成る中央部85cの軸線L85方向の寸法は、レンズホルダ81の軸線方向の寸法よりも小さく、レンズホルダ81が上述のように部分磁性支持軸85によって支持されている状態では、前記中央部85c全体がレンズホルダ81の挿通孔81bによって覆われる。
【0067】
レンズホルダ81が支持される状態において、コイル体82のコイル88に電流を流すことによって、コイル体82と、レンズホルダ81の各マグネット83,84と、部分磁性支持軸85の中央部85とを通過する磁気回路の磁路L10が形成される。
【0068】
図14は、第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dの部分磁性支持軸85を、強磁性支持軸99に変更した対物レンズ駆動装置30Xを示す断面図である。対物レンズ駆動装置30Xにおいて、全体が強磁性体材料から成る強磁性支持軸99によってレンズホルダ81を支持する場合、コイル88に電流を流したときにコイル体82と強磁性支持軸85とによって形成される磁気回路には、コイル体82と強磁性支持軸99の軸線L99方向中央部とを通過する第1磁路L11、およびコイル体82と強磁性支持軸99の軸線L99方向他端部とを通過する第2磁路L12が存在する。このように磁路が2つ存在し、そのうち第1磁路L11だけがレンズホルダ81のマグネット83,84を通過するので、図10に示すように1つの磁路L10がマグネット83,84を通過する場合に比べて、コイル体82とマグネット83,84との間の磁気的作用が小さくなり、レンズホルダ81を駆動する駆動力が小さくなる。
【0069】
以上のように第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dによれば、レンズホルダ81は、対物レンズ38,39ならびにフォーカシング用マグネット83およびトラッキング用マグネット84を保持し、部分磁性支持軸85は、レンズホルダ81を対物レンズ38,39の光軸に平行な軸線L85まわりに角変位自在に、かつ前記軸線L85に沿ってスライド変位自在に支持するとともに、一部分である中央部85cが強磁性材料から成り、残余の部分である一端部85aおよび他端部85bが非磁性材料から成る。コイル体82は、部分磁性支持軸85の中央部85cとともに磁気回路を形成し、この磁気回路の磁路L10がマグネット83,84を通過するように設けられる。このようにコイル体82と部分磁性支持軸85の中央部85cとによって、磁気回路を磁路L10がマグネット83,84を通過するように形成するので、コイル体82のコイル88に電流を流したときに形成される磁界を確実にマグネット83,84に集中させることができる。これによってコイル体82によって形成される磁界を有効に利用することができ、レンズホルダ81を駆動させるための所望の磁力を得ることができる。
【0070】
第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dにおいて、部分磁性支持軸85の他端部85bに、図9に示す上述の第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cの変位規制部49を設けるようにしてもよい。
【0071】
図15は、本発明の第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eを示す断面図である。第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eは、上述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30の構成と大略的に同様であるので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明は省略し、以下に異なる構成だけを説明する。本実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eは、レンズホルダ31を収容する気密な収容空間を形成するハウジング53を有する。ハウジング53は、支持軸36の軸線L36方向一端部を固定するとともに、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35が配置されて固定されるベース部54と、レンズホルダ31よりも支持軸36の一端部から他端部に向かう軸線L36方向、すなわち光源からのレーザ光が各対物レンズ38,39によって導かれる方向寄りに、支持軸36の軸線L36方向他端部を固定するカバー体55とによって構成される。
【0072】
ベース部54は、少なくとも光源と対物レンズ38,39との間に配置される部分が、透光性を有する材料から成る。カバー体55は、少なくとも対象物と対物レンズ38,39との間に配置される部分が、透光性を有する材料から成り、残余の部分は、たとえば繊維強化樹脂などの硬質の材料から成る基板である。またカバー体55の硬質の材料から成る部分は、一表面に配線であるランド56がプリントされるプリント配線基板であり、このランド56から各コイル体32〜35に電流を供給するための供給線57が設けられる。
【0073】
以上のように第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eによれば、レンズホルダ31を収容する気密な収容空間を形成するハウジング56は、少なくとも光源と対物レンズ38,39との間に配置される部分および対象物と対物レンズ38,39との間に配置される部分が、透光性を有する材料から成るので、光源からの光がハウジング56によって遮断されることなく、対象物に導くことができ、さらにレンズホルダ31、特に対物レンズ38,39に塵埃などが付着することを防止することができるとともに、万一レンズホルダ31に大きな外力が加わったときに、レンズホルダ31が対物レンズ駆動装置38,39から離脱することを防止することができる。
【0074】
また本実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eによれば、ハウジング53のカバー体55の一部分がプリント配線基板となっているので、コイル配線用の配線基板を別途設ける必要がない。
【0075】
第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eにおいて、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35の代わりに、図7に示すような第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aのコイル体45(第1および第2フォーカシング用コイル体32A,33Aならびに第1および第2トラッキング用コイル体34A,35A)を用いてもよい。また第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eにおいて、マグネット40の代わりに、図8に示す第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Bに搭載される湾曲マグネット48を用いてもよい。
【0076】
図16は、本発明の第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fを示す断面図である。第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fは、上述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30の構成と大略的に同様であるので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明は省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0077】
レンズホルダ58は、ベース部37に軸線L36方向一端部が固定されて立設する支持軸36によって、第1および第2対物レンズ38,39の光軸に平行な支持軸36の軸線L36まわりに角変位自在に、かつ軸線L36に沿ってスライド変位自在に支持される。レンズホルダ58の軸線は軸線L36と同軸である。レンズホルダ58は、略円筒状に形成されるホルダ基部58aの底部に、ホルダ基部58aの軸線と同軸の挿通孔58bがホルダ基部58aを前記軸線方向に貫通して形成されるとともに、レンズホルダ58が支持軸36に支持されている状態で、ホルダ基部31aの対物レンズ38,39よりも軸線L36寄りの内方領域に、支持軸36の軸線L36方向一端側に開放する、前記軸線L36に同軸な円筒形状の凹所59が形成される。レンズホルダ58は、前記挿通孔58bに支持軸36が挿通されることによって、支持軸36に支持される。
【0078】
またレンズホルダ58は、第1対物レンズ38、第2対物レンズ39を保持する。さらにレンズホルダ58は、ホルダ基部31aの対物レンズ38,39よりも軸線L36寄りの内方領域に、第1、第2、第3および第4マグネット40a,40b,40c,40dを保持する。このとき第1〜第4マグネット40a〜40dは、第1磁極面41が凹所59に臨むように配置され保持される。
【0079】
第1および第2フォーカシング用コイル体32,33は、レンズホルダ31が支持軸36によって支持されている状態で、レンズホルダ58の凹所59に嵌まり込み、各フォーカシング用コイル体32,33の芯部材43の両端部43a,43bが互いに対向して臨み、支持軸36の軸線L36に関して軸対象となる位置に配置されてベース部37に固定される。また第1および第2トラッキング用コイル体34,35は、レンズホルダ31が支持軸36によって支持されている状態で、レンズホルダ58の凹所59に嵌まり込み、各トラッキング用コイル体34,35の芯部材43の両端部43a,43bが互いに対向して臨み、支持軸36の軸線L36に関して軸対象となる位置に配置されてベース部37に固定される。このとき第1フォーカシング用コイル体32、軸線L36および第2フォーカシング用コイル体33を結ぶ直線と、第1トラッキング用コイル体34、軸線L36および第2トラッキング用コイル体35を結ぶ直線とは、互いに交差する。
【0080】
以上のように第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fによれば、マグネット40は、対物レンズ38,39よりも軸線L36寄りの内方領域に配置されるので、マグネット40のような質量が集中する部材の軸線からの距離が、マグネット40が対物レンズ38,39よりも外方領域に配置される場合に比べて小さくなるので、レンズホルダ58の軸線L36まわりの慣性モーメントを小さくすることができる。これによってレンズホルダ58を軸線L36まわりに所定の角加速度で角変位駆動させるときに、レンズホルダ58に加える力、すなわちコイル44に作用する電磁力、換言すればマグネット40に作用する前記電磁力の反作用力を小さくできる。このようにコイル44に作用する電磁力を小さくできるので、レンズホルダ58のマグネット40の磁力を大きくする必要がない。
【0081】
第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fにおいて、第1および第2フォーカシング用コイル体32,33ならびに第1および第2トラッキング用コイル体34,35の代わりに、図7に示すような第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aのコイル体45(第1および第2フォーカシング用コイル体32A,33Aならびに第1および第2トラッキング用コイル体34A,35A)を用いてもよい。また第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fにおいて、支持軸36の他端部に、図9に示す上述の第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cの変位規制部49を設けるようにしてもよい。また第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fにおいて、マグネット40の代わりに、図8に示す第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Bに搭載される湾曲マグネット48を用いてもよい。
【0082】
図17は、本発明に関連する第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Gを示す断面図であり、図18は、対物レンズ駆動装置30Gに搭載される円筒状コイル体60を示す斜視図である。第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Gは、上述の第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fの第1および第2フォーカシング用コイル体32,33を除く構成は同様であるので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明は省略する。
【0083】
本実施の形態の対物レンズ駆動装置30Gは、レンズホルダ58を、対物レンズ38,39の光軸に平行な軸線L36に沿ってスライド変位駆動するための円筒状コイル体60を有する。円筒状コイル体60は、レンズホルダ58の凹所59に嵌まり込んで配置されてベース部37に固定され、このように固定される状態で、図18に示すように、レンズホルダ58の軸線L36まわりに巻回されるコイル61と、前記コイル61よりも半径方向外方に、強磁性材料から成り、軸線L36に同軸な円筒形状のヨーク62とを有する。円筒状コイル体60のコイル61に電流を流すことによって、軸線L36に平行な磁束が円筒状コイル体60の半径方向内方に形成され、マグネット40と間の磁気的作用によってレンズホルダ58を、軸線L36に沿ってスライド変位駆動する。
【0084】
以上のように第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Gによれば、レンズホルダ58は、対物レンズ38,39およびマグネット40を保持し、前記対物レンズ38,39の光軸に平行な軸線L36に沿ってスライド変位自在に設けられ、円筒状コイル体60は、レンズホルダ58の軸線L36まわりに巻回されるコイル61を有し、マグネット40と間の磁気的作用によってレンズホルダ58を、対物レンズ38,39の光軸に平行な軸線L36に沿ってスライド変位駆動するので、レンズホルダ58の軸線L36まわりにコイル61を巻回することによって、コイル61に電流を流したときにマグネット40の磁界によってコイル61が受ける磁気力を、効率よく軸線L36方向に作用させることができる。また円筒状コイル体60は、コイル61よりも半径方向外方に、強磁性材料から成り、軸線L36に同軸な円筒形状のヨーク62を有するので、コイル61が受ける磁気力をさらに強くすることができる。
【0085】
第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Gにおいて、支持軸36の他端部に、図9に示す上述の第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cの変位規制部49を設けるようにしてもよい。
【0086】
図19は、本発明に関連する実施の他の形態の磁石取付装置70を示す平面図である。磁石取付装置70は、上述の第1〜第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30,30A〜30Gのレンズホルダ31,58,81にマグネット40,48,83,84を取り付けるときに、マグネット40,48,83,84の位置決めをする装置である。本実施の形態の磁石取付装置70において、上述の第1、第2、第4および第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30,30A,30C,30Eのレンズホルダ31に、マグネット40を取り付ける場合について説明する。
【0087】
上述の第1、第2、第4および第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30,30A,30C,30Eのレンズホルダ31には、第1および第2対物レンズ38,39を半径方向に変位自在にしてそれぞれ保持する第1レンズ保持部38aおよび第2レンズ保持部39a、ならびに第1、第2、第3および第4マグネット40a,40b,40c,40dをそれぞれ保持する第1、第2、第3および第4マグネット保持部71a,71b,71c,71dが形成されている。
【0088】
磁石取付装置70は、支持構造体72、位置決め部材73、ならびに第1、第2、第3および第4吸引力発生体75a,75b,75c,75dを含んで構成される。支持構造体72は、所定の基準軸線L72を軸線とする円柱状に形成され、レンズホルダ31を、レンズホルダ31の軸線と基準軸線L72とが一致する状態で支持する。位置決め部材73は、基準軸線L72に同軸な軸線を有する円筒状であって、その内周面は、支持構造体72に支持されたレンズホルダ31の各マグネット保持部71a〜71dに半径方向外方からそれぞれ臨み、基準軸線L72を中心とする一仮想円筒面上に配置される外周面である位置決め用当接面74を有する。
【0089】
第1〜第4吸引力発生体75a〜75dは、レンズホルダ31が支持構造体72によって支持されている状態で、位置決め部材73の位置決め用当接面74よりも半径方向外方に設けられ、レンズホルダ31の第1〜第4マグネット40a〜40dの第1磁極面41にそれぞれ臨むようにして配置される。第1〜第4吸引力発生体75a〜75dは、支持構造体72に支持されたレンズホルダ31の各マグネット保持部71a〜71dに保持されるマグネット40a〜40dを半径方向外方に吸引する吸引力を発生する、たとえば磁石片および電磁石で実現される。
【0090】
以上のように本実施の形態の磁石取付装置70によれば、支持構造体72によって、レンズホルダ31をレンズホルダ31の軸線と所定の基準軸線L72とが一致する状態で支持し、吸引力発生体75a〜75dによって、レンズホルダ31のマグネット保持部71a〜71dに保持されるマグネット40a〜40dを半径方向外方に吸引して、マグネット40a〜40dの第1磁極面41を位置決め部材73の位置決め用当接面74に当接させることによって、マグネット40a〜40dの第1磁極面41を、基準軸線L72を中心とする一仮想円筒面上に配置することができる。これによってレンズホルダ31の寸法誤差に起因する、マグネット40の取付位置の誤差をなくして、マグネット40の第1磁極面41を所定の位置に確実に配置することで、レンズホルダ31を対物レンズ駆動装置30,30A,30C,30Eに搭載するときに、各マグネット40と各コイル体32〜35との磁気的作用を等しくすることができる。このように各マグネット40が所定の位置に配置されたレンズホルダ31を対物レンズ駆動装置30,30A,30C,30Eに搭載することによって、レンズホルダ31に所望の動作をさせることができる。
【0091】
本実施の形態の磁石取付装置70は、上述の第3、第5、第7および第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30B,30D,30F,30Gのレンズホルダ31,58,81のマグネット40,83,84の取付を行うときに用いてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、レンズホルダは、第1および第2対物レンズおよび4つの永久磁石片を保持し、前記各対物レンズの光軸に平行な軸線まわりに角変位自在に、かつ前記軸線に沿ってスライド変位自在に設けられる。コイル体は、強磁性材料から成る芯部材に、一端部から他端部に向かって一様な巻回方向にコイルが巻回され、芯部材の両端部が永久磁石片の一方の磁極面に向けて延出する形状に形成されて、永久磁石片に対向して設けられるので、コイルに電流を流すことによって形成される磁界が、永久磁石片の一方の磁極面に臨む領域に集中する。このようなコイル体は、たとえば一方向に延びる芯部材にコイルを巻回したコイル体を用いる場合に比べて、永久磁石片の一方の磁極面に臨む領域に磁界をより集中して効率よく形成することができ、各永久磁石片が同一の着磁構造であっても、コイルに作用する電磁力、換言すれば永久磁石片に作用する前記電磁力の反作用力を大きくすることができる。これによってレンズホルダを軸線まわりおよび軸線に沿って駆動する駆動力を大きくでき、レンズホルダは大きな加速度で駆動することができる。
また第1対物レンズと第2対物レンズとのいずれによって光源からの光を集光する場合であっても、永久磁石片と、コイル体とが互いに対向する。したがって2つの対物レンズのいずれを用いて光源からの光を集光するに拘わらず、レンズホルダを駆動するために充分な駆動力を得ることができ、レンズホルダを大きな加速度で変位駆動させることができる。
また第1コイル体および第3コイル体が、フォーカシングコイル体となり、第2コイル体および第4コイル体が、トラッキング用コイル体となることで、2つの対物レンズのいずれを用いて光源からの光を集光するに拘わらず、レンズホルダを軸線方向および軸線まわりに駆動させることができる。
【0093】
また本発明によれば、芯部材の両端部には、永久磁石片の一方の磁極面に向かって突出する突起片が形成されるので、コイル体のコイルに電流を流していない状態において永久磁石片によって形成される磁界の磁束が、コイル体の強磁性材料から成る芯部材の各突起片に集中し、各突起片を通過する磁束密度が高くなり、このような磁界によって各突起片に作用する突起片から永久磁石片の一方の磁極に向かう方向の吸引力が大きくなる。この芯部材の一端部の突起片に作用する吸引力と他端部の突起片に作用する吸引力の大きさが等しいので、突起片が並ぶ方向に永久磁石片が相対的に変位しても、吸引力の反作用力が変位する前の位置に戻ろうとする復元力として各突起片に作用するので、このような位置が安定した磁気的中立位置となり、このような吸引力の反作用力によってレンズホルダを安定して支持することができる。また各突起片は、芯部材の残余の部分よりも断面積が小さいので、各突起片の寸法がわずかに異なっても、各突起片を通過する磁束の磁束密度が大きく異なることがないので、芯部材の寸法精度が磁気的中立位置に影響して、磁気的中立位置が芯部材毎にばらつくことを防ぐことができる。
【0094】
また本発明によれば、永久磁石片の曲率半径を調整することによって、永久磁石片の磁極面とコイル体の芯部材の突起片との距離を調整することができ、これによってコイル体のコイルに電流を流していない状態において、永久磁石片によって形成される磁束が、コイル体の芯部材の突起片を通過する本数、すなわち磁束密度を調整することができ、所定の復元力に設定することができる。
【0096】
また本発明によれば、変位規制手段は、レンズホルダのスライド変位を所定の範囲に規制するので、万一レンズホルダに軸線方向に大きな力が加わっても、たとえばレンズホルダの軸線方向一方側に配置され、光源からの光が導かれる対象物にレンズホルダが衝突することを防止することができる。
【0097】
また本発明によれば、レンズホルダを収容する気密な収容空間を形成するハウジングは、少なくとも光源と対物レンズとの間に配置される部分および対象物と対物レンズとの間に配置される部分が、透光性を有する材料から成るので、光源からの光がハウジングによって遮断されることなく、対象物に導くことができ、さらにレンズホルダ、特に対物レンズに塵埃などが付着することを防止することができるとともに、万一レンズホルダに大きな外力が加わったときに、レンズホルダが対物レンズ駆動装置から離脱することを防止することができる。
【0098】
また本発明によれば、永久磁石片は、対物レンズよりも軸線寄りの内方領域に配置されるので、永久磁石片のような質量が集中する部材の軸線からの距離が、永久磁石片が対物レンズよりも外方領域に配置される場合に比べて小さくなるので、レンズホルダの軸線まわりの慣性モーメントを小さくすることができる。これによってレンズホルダを軸線まわりに所定の角加速度で角変位駆動させるときに、レンズホルダに加える力、すなわちコイルに作用する電磁力、換言すれば永久磁石片に作用する前記電磁力の反作用力を小さくできる。このようにコイルに作用する電磁力を小さくできるので、レンズホルダの永久磁石片の磁力を大きくする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置30を示す断面図である。
【図2】対物レンズ駆動装置30を示す断面図である。
【図3】対物レンズ駆動装置30を示す平面図である。
【図4】マグネット40を示す斜視図である。
【図5】第1および第2フォーカシング用コイル体32,33を示す斜視図である。
【図6】第1および第2トラッキング用コイル体34,35を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Aに搭載されるコイル体45およびマグネット40を示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Bに搭載されるコイル体45および湾曲マグネット48を示す平面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Cを示す断面図である。
【図10】 本発明に関連する第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dを示す断面図である。
【図11】対物レンズ駆動装置30Dを示す平面図である。
【図12】コイル体82を示す正面図である。
【図13】図13(1)は、フォーカシング用マグネット83を示す斜視図であり、図13(2)は、トラッキング用マグネット84を示す斜視図である。
【図14】第5の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Dの支持軸51を、強磁性材料から成る強磁性支持軸52に変更した対物レンズ駆動装置30Xを示す断面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Eを示す断面図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Fを示す断面図である。
【図17】 本発明に関連する第8の実施の形態の対物レンズ駆動装置30Gを示す断面図である。
【図18】対物レンズ駆動装置30Gに搭載される円筒状コイル体60を示す斜視図である。
【図19】 本発明に関連する実施の形態の磁石取付装置70を示す平面図である。
【図20】従来技術である対物レンズ駆動装置1を示す平面図である。
【図21】図21(1)は、フォーカシング用磁石片3を示す斜視図であり、図21(2)は、トラッキング用磁石片4を示す斜視図である。
【図22】フォーカシング用コイル体8を示す正面図である。
【図23】他の従来の技術である特開平10−302274号公報の従来の技術に開示される光ヘッド用アクチュエータ20を示す斜視図である。
【図24】図24(1)は、さらに他の従来技術の対物レンズ駆動装置に用いられるコイル体15を示す正面図であり、図24(2)は、前記コイル体15を示す側面図である。
【符号の説明】
30,30A〜30G 対物レンズ駆動装置
31,58,81 レンズホルダ
32,33,34,35,45,50,82 コイル体
36,51,85 支持軸
38,39 対物レンズ
40,48,83,84 マグネット
43,46,87 芯部材
44,82 コイル
47 突起片
49 変位規制部
53 ハウジング
60 円筒状コイル体
61 コイル
70 磁石取付装置
71 マグネット保持部
72 支持構造体
73 位置決め部材
74 位置決め用当接面
75 吸引力発生体
Claims (6)
- 第1対物レンズ、第2対物レンズ、第1永久磁石片、第2永久磁石片、第3永久磁石片および第4永久磁石片をそれぞれ保持し、前記各対物レンズの光軸に平行な軸線まわりに角変位自在に、かつ前記軸線に沿ってスライド変位自在に設けられるレンズホルダと、
各永久磁石片に対向してそれぞれ設けられる4つのコイル体であって、強磁性材料から成る芯部材に、一端部から他端部に向かって一様な巻回方向にコイルが巻回され、芯部材の両端部が永久磁石片の一方の磁極面に向けて延出する形状に形成されるコイル体とを含み、
第1コイル体と第3コイル体とは、芯部材の両端部が軸線方向にそれぞれ並ぶフォーカシング用コイル体であり、第2コイル体と第4コイル体とは、芯部材の両端部が前記軸線まわりにそれぞれ並ぶトラッキング用コイル体であって、
第1永久磁石片、第2永久磁石片、第3永久磁石片および第4永久磁石片は、2つの磁極のうちで一方の磁極に着磁される一方の磁極面と、一方の磁極面に対して反対側であって他方の磁極に着磁される他方の磁極面とをそれぞれ有する裏表2極着磁の永久磁石片であって、前記各一方の磁極面がレンズホルダの外周部の半径方向外方に向いて、レンズホルダにそれぞれ保持され、
レンズホルダは、前記軸線に交差して第1永久磁石片の重心と第3永久磁石片の重心とを結ぶ直線と、前記軸線に交差して第2永久磁石片の重心と第4永久磁石片の重心とを結ぶ直線とが、前記軸線において直交するように、各永久磁石片をそれぞれ保持するとともに、第1対物レンズと第2対物レンズとを前記軸線まわりに周方向に90度間隔あけて保持し、
4つのコイル体のうち、前記軸線に交差して第1コイル体と第3コイル体とを結ぶ直線と、前記軸線に交差して第2コイル体と第4コイル体とを結ぶ直線とが、前記軸線において直交するように配置されることを特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 芯部材の両端部には、永久磁石片の一方の磁極面に向かって突出する突起片が形成され、各突起片は、芯部材の残余の部分よりも断面積が小さいことを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
- 第1〜第4永久磁石片は、前記軸線に平行な第1軸線を中心とする所定の曲率でそれぞれ湾曲することを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズ駆動装置。
- レンズホルダのスライド変位を所定の範囲に規制する変位規制手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。
- 各対物レンズは、光源からの光を対象物に導くためのレンズであって、
レンズホルダを収容する気密な収容空間を形成するハウジングを有し、ハウジングは、少なくとも光源と対物レンズとの間に配置される部分および対象物と対物レンズとの間に配置される部分が、透光性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。 - 第1〜第4永久磁石片は、対物レンズよりも軸線寄りの内方領域にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。
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