JPS6343817B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 この発明は光学式ピツクアツプに係り、特に音
響用デイスクやビデオデイスク等の再生に好適な
光学式ピツクアツプに関するものである。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

音響用デイスクやビデオデイスク等において、
記録された情報を再生する場合には、読み取り用
の光束をデイスク面の情報トラツクに正しく収束
させるため、光学系の対物レンズに対し光軸方向
のフオーカシング制御と情報トラツク横方向のト
ラツキング制御との二方向の制御が必要である。

フオーカシングはデイスクの波形状変形に追随
させるため最大１〜２mm程度のストロークで応答
する必要がある。またトラツキングは情報トラツ
クがデイスク上に渦巻状に形成されているので、
トラツクの曲率中心とデイスクの回転中心のずれ
を補正するため0.1〜0.2mmのストロークで高速に
応答しなければならない。

第１図はこのような意図をもつ従来の光学式ピ
ツクアツプの一例を示すものである。このピツク
アツプは静止部１と可動式の保持筒２とを備え、
保持筒２にはレンズ３等が装着されている。保持
筒２は、可動架台４に対して一方向（図示左右方
向）にのみ動きうるように一対の平行な板ばね５
ａ，５ｂによつて支持され、可動架台４はさらに
保持筒２の軸線の方向にのみ動き得るように上下
に設けられた一対の平行な板ばね６ａ，６ｂによ
つて支持されている。

静止部１は磁性材料よりなる磁気回路７を備
え、この磁気回路７には環状の磁気間隙７′が形
成されている。可動架台４にはこれを駆動するた
めのコイル８が設けられ、このコイル８が前記磁
気間隙７′内に配置される構成がとられている。
可動架台４は、このコイル８に電流を流すことに
より、通常のラウンドスピーカの場合と同様に磁
気回路７から受ける電磁力により駆動制御され
る。

一方、保持筒２を駆動するため、その先端部両
側に一対の吸引鉄片９ａ，９ｂを設け、これらに
対向して一対の電磁石１０ａ，１０ｂが設けられ
ている。したがつて、これらの電磁石１０ａ，１
０ｂを付勢することにより、吸引鉄片９ａ，９ｂ
との磁気吸引力により保持筒２が駆動制御され
る。

このようにして、保持筒２を静止部１に対して
光軸の方向と光軸に直交する方向との２次元の相
対的駆動を行なわせることができる。第１図の構
成によれば、保持筒２の駆動制御特にトラツキン
グ制御を決定する重要な要因は平行板ばね５ａ，
５ｂにあるため、対物レンズ３の保持筒２を高速
で応答させることが難しいとともに、光学式ピツ
クアツプの場合には数ＫHzに及び運動まで特性管
理下におく必要があるため、素材の品質管理、形
状管理を厳密に行なわなければならず、さらに高
周波領域での共振対策を必要とするなどの欠点が
あつた。

〔発明の目的〕

この発明は上記の事情を解決するためのもの
で、比較的簡単な構成によりレンズ保持筒のトラ
ツキング方向およびフオーカシング方向の制御を
容易かつ的確に行ない得る光デイスク用ピツクア
ツプを提供しようとするものである。

〔発明の概要〕

この発明は磁性材料よりなる外筒により外磁路
を構成し、この外磁路の略中心に対物レンズの保
持筒をその一方の側面に形成したエツジ軸を受け
る軸受体によりトラツキング方向に揺動自在に支
持するとともにこの軸受体を支持する平行リンク
によりフオーカシング方向に揺動自在に支持し、
さらにこれらの方向の駆動を内磁路の一部に設け
た制御用電磁石により行なうものである。

〔発明の効果〕

この発明によれば、保持筒のトラツキング方向
の揺動をエツジ軸およびこれを受ける軸受体によ
り可能としフオーカシング方向の揺動を平行リン
クにより行なうことにより、構成を比較的簡単な
ものとすることができる。しかも、これらの構成
に併せて保持筒の位置の制御を制御用電磁石の電
流を調節することにより行なうものであるから、
制御を容易かつ的確に行ない得る特長がある。

〔発明の実施例〕

以下に図面を参照してこの発明の一実施例を説
明する。なお、光学式ピツクアツプには、発光
源、受光器およびこれについての電気回路、さら
に付帯的な光学系等について種々の方式がある
が、以下の説明においてはこれを省略し、対物レ
ンズの駆動制御機構を中心に説明する。

第２図ないし第４図において、１１は磁性材料
よりなり外磁路を構成する円筒状の外筒であり、
この外筒１１の略中心に対物レンズ１２の保持筒
１３が配設される。保持筒１３もまた磁性材料に
より構成され、その一方の側面に軸線と平行なエ
ツジ軸１４が設けられ、その反対側には磁極１５
が形成されている。

この保持筒１３は、エツジ軸１４を受けるＶ字
溝１６を備えた磁気材料製の軸受体１７に磁気力
で吸着されトラツキング方向に揺動自在に支持さ
れている。軸受体１７には、エツジ軸１４の長手
方向の滑動を防止するためのストツパ１８ａ，１
８ｂが設けられている。

外筒１１の内周の一側に前記軸受体１７に対向
して第１の磁気発生源としての永久磁石１９が配
設され、他側にも同様に第２の磁気発生源として
の永久磁石２０が配設される。これらの永久磁石
１９および２０は磁気発生源としての働きをなす
ものである。

永久磁石２０に接してその内方に制御用電磁石
２１の磁極２が配設される。磁極２２は通常の状
態において保持筒１３の磁極１５に対向するもの
であり、その先端部は４個の突出磁極２３ａ〜２
３ｄに分割され、それぞれにコイル２４ａ〜２４
ｄが巻装されている。

永久磁石１９、軸受体１７、保持筒１３、磁極
２２および永久磁石２０は内磁路を形成し、外筒
１１とともに全体としてθ形の磁路を構成する。
軸受体１７は永久磁石１９に吸引されるが、エツ
ジ軸１４と直交するエツジ２５ａ，２５ｂ，２６
ａ，２６ｂを備えかつ枠形をなした１対の平行リ
ンク２５，２６によりフオーカシング方向に揺動
自在に支持されている。すなわちエツジ２５ａ，
２６ａは軸受体１７の外側に形成されたＶ字溝２
７ａ，２８ａに、またエツジ２５ｂ，２６ｂは磁
極２２の外側に形成されたＶ字溝２７ｂ，２８ｂ
にそれぞれ係合され静止部に対する軸受体１７の
支持を可能にしている。

次にこの光学式ピツクアツプの作用を説明す
る。

まず保持筒１３を中空位置に保つ点について説
明する。保持筒１３の一方の側面にはエツジ軸１
４が設けられ、磁性材からなる保持筒１３はＶ字
溝１６を備えた磁性材からなる軸受体１７に吸着
されている。また軸受体１７はＶ字溝２７ａ，２
８ａに係合するエツジ２５ａ，２６ａを介して対
向する永久磁石１９に吸引されている。

かつ、保持筒１３の他方の側面には磁極１５が
設けられ、この磁極１５は対向する永久磁石２０
に吸引されている。

このような構成で、保持筒１３はエツジ軸１４
とＶ字溝１６の係合により支持されるため、当然
のことながら永久磁石１９が軸受体１７を介して
エツジ軸１４を吸引する吸引力の方が、永久磁石
２０が磁極１５を吸引する吸引力よりも大きいこ
とが望ましい。

これにより、保持筒１３は第２図および第３図
において左右方向の中立位置に保たれる。（つま
り左側の吸引力を若干強くしてエツジ軸１４をＶ
字溝１６に押付けている。） また第２図において、紙面の上下方向（トラツ
キング方向）の中立点は保持筒１３をトラツキン
グ方向に対称形とし、その中心線を磁気力の中心
線上に配置することにより達成される。

ただし、上記の限定がなくとも、保持筒１３は
永久磁石１９と永久磁石２０により左右に引張ら
れているため、この状態でどこかに中立点が存在
する。したがつてそこを正規の位置とするように
してもよい。

次に制御用電磁石２１と磁極１５の部分を抽出
して示した第５図において、右および左のコイル
２４ａ，２４ｃ，２４ｂ，２４ｄに電流が流れて
いない場合には、磁極２２および１５の部分の磁
束は破線２９で示すように左右平衡した状態にあ
り、この状態において保持筒１３は第２図〜第４
図に示すように何れの方向にも偏らない正規の位
置にある。

いま第５図においてコイル２４ａ，２４ｃ，２
４ｂ，２４ｄに図示の方向の電流を流すと、この
電流によつて一点鎖線３０で示すような磁束が生
じ、これと磁束２９とが加減されるため、結果と
して突出磁極２３ａ，２３ｃの磁分の磁束は増加
し、突出磁極２３ｂ，２３ｄの部分の磁束は減少
する。

したがつて磁極１５は磁束の強い突出磁極３
ａ，２３ｃの方向に偏つて吸引され保持筒１３が
その方向に変位する。

次にコイル２４ａ，２４ｃ，２４ｂ，２４ｄに
流す電流の向きを逆にすれば、磁束の増減は逆に
なり保持筒１３は逆の方向に変位する。このよう
にして、対物レンズ１２のトラツキング方向の変
位を制御することができる。

次に第６図において、コイル２４ａ，２４ｂ，
２４ｃ，２４ｄに図示の方向の電流を流すと第５
図と同様の理由により磁極１５は磁極２３ｃ，２
３ｄに吸引されて保持筒１３が下降し、電流の方
向を逆にすると保持筒１３が上昇して対物レンズ
１２のフオーカシング方向の制御を行なうことが
できる。

したがつてこの発明の光学式ピツクアツプはコ
イル２４ａ〜２４ｄに流す電流の向きと大きさを
加減することにより、対物レンズのフオーカシン
グ方向並びにトラツキング方向の駆動制御を容易
かつ的確に行ない得る。

〔発明の他の実施例〕

なお、この発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく要旨を変更しない範囲において種々変形
して実施することができる。

例えば、上記実施例においては、外筒１１に円
筒状のものを用いているが、これに代えて角筒等
の他の筒状体を用いることができる。

また、上記実施例では永久磁石を２個用いた場
合を示しているが、磁気発生源としての永久磁石
の数はこれに限定されるものではなく、例えば軸
受体１７の一部もしくは全部に永久磁石を用いる
ことにより軸受体１７に対するエツジ軸１４の吸
着力をさらに増加し安定なものとすることができ
る。

上記実施例では簡略化のために突出磁極２３ａ
〜２３ｄにそれぞれ１個のコイル２４ａ〜２４ｄ
を巻装した場合について述べた。しかし、これら
は１個の突出磁極にトラツキング制御用とフオー
カシング制御用のコイルを別体にして巻装しても
よく、さらに第７図に示すように２個の突出磁極
に跨つて１個のコイルを巻回するようにしてもよ
く、このようにすると調整が一層容易である。第
７図において各コイルを３１ａ〜３１ｄにより示
している。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来の光学式ピツクアツプの一
例を示すものでａは平面図、ｂは縦断正面図、第
２図はこの発明の一実施例の平面図、第３図は同
実施例の縦断正面図、第４図は同じく一部を切欠
いて示した斜視図、第５図および第６図はそれぞ
れ同実施例の作用説明図、第７図は制御用電磁石
の異なる構成を示す斜視図である。 １…静止部、２…保持筒、３…レンズ、４…可
動架台、５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂ…板ばね、７…
磁気回路、７′…磁気間隙、８…コイル、９ａ，
９ｂ…吸引鉄片、１０ａ，１０ｂ…電磁石、１１
…外筒、１２…対物レンズ、１３…保持筒、１４
…エツジ軸、１５…磁極、１６…Ｖ字溝、１７…
軸受体、１８ａ，８ｂ…ストツパ、１９，２０…
永久磁石、２１…制御用電磁石、２２…磁極、２
３ａ〜２３ｄ…突出磁極、２４ａ〜２４ｄ…コイ
ル、２５，２６…平行リンク、２５ａ，２５ｂ，
２６ａ，２６ｂ…エツジ、２７ａ，２７ｂ，２８
ａ，２８ｂ…Ｖ字溝、３１ａ〜３１ｄ…コイル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録媒体に記録された情報を対物レンズを介
   して光学的に読み取る光学式ピツクアツプにおい
   て、磁性材料よりなる外磁路を構成する外筒と、
   この外筒の略中心に設けられ前記対物レンズを保
   持するとともに一方の側面に磁性材料よりなるエ
   ツジ軸を、他方の側面に磁性材料よりなる磁極を
   形成した保持筒と、磁性材料よりなり前記エツジ
   軸を受けるＶ字溝を有し前記保持筒をトラツキン
   グ方向に揺動自在に支持する軸受体と、この軸受
   体を前記エツジ軸に直交する方向のエツジにより
   静止部に対しフオーカシング方向に揺動自在に支
   持する枠形の平行リングと、前記保持筒の前記磁
   極側に対向して設けられ前記保持筒を駆動するた
   めの制御用電磁石と、前記保持筒の前記エツジ軸
   側に対向して設けられ前記エツジ軸及び前記軸受
   体に吸引力を及ぼす第１の磁気発生源と、前記保
   持筒の前記磁極側に対向して設けられ前記磁極に
   吸引力を及ぼす第２の磁気発生源とを備えたこと
   を特徴とする光学式ピツクアツプ。 ２ 前記制御用電磁石の磁極は４個の突出磁極を
   備え、これらの突出磁極に巻装されたコイルに流
   す電流の向きおよび大きさを調節することにより
   対物レンズのトラツキング方向およびフオーカシ
   ング方向の制御を行なうものであることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の光学式ピツクア
   ツプ。 ３ 前記制御用電磁石のコイルはトラツキング方
   向制御用のものとフオーカシング方向制御用のも
   のとが区分されて巻装されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第２項記載の光学式ピツクアツ
   プ。 ４ 前記第１の磁気発生源が前記エツジ軸及び前
   記磁受体を吸引する吸引力が前記第２の磁気発生
   源が前記磁極を吸引する吸引力よりも大きいこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の光学式
   ピツクアツプ。 ５ 前記第１の磁気発生源と前記第２の磁気発生
   源により発生した磁束は、前記外筒、制御用電磁
   石の磁極、保持筒および軸受体を通じて貫流する
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の光
   学式ピツクアツプ。