JP3092660B2 - ランダムな時刻情報から基準クロックを再生するpllとその方法 - Google Patents
ランダムな時刻情報から基準クロックを再生するpllとその方法Info
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Description
ロックの再生に用いられる位相同期ループ、以下PLL
という、に関し、特にMPEG2(Moving Picture Exp
erts Group 2)等の現行TV以上の画像符号化に使用さ
れる基準クロックの転送方式における受信側の基準クロ
ック再生用のディジタルPLLに関する。
いるISOのMPEGの仕様等によると、送信側は、カ
ウンタで計数している基準クロックの計数値をランダム
な時間間隔で読み出して、数値情報として送出し、受信
側は、PLLによって送信側から送られてきた数値情報
の計数値と、受信側で計数している受信基準クロックの
計数値とを比較してその差を数値情報として求め、この
数値情報によって送信側に同期した基準クロックを再生
する。この数値情報により基準クロックを再生する方法
としてディジタル信号処理型のPLLが知られている。
nick)等がIEEE Transactions on Communications, vo
l. COM-22, NO.6,JUNE 1974 に「Response of an All D
igital Phase-Locked Loop 」として、1次、2次及び
3次の全ディジタル型のPLLのシミュレーションと実
験結果について報告されている。
作について図7に示すブロック図を参照して説明する。
のバンドパスフィルタBPFにより帯域制限されてX
(t)となり、サンプリングされたのち、A/D変換器
により2進符号に変換されてディジタル信号Xkとな
る。ディジタル信号XkはVCOの出力Wkとともに位
相比較器である乗算器に入力されて位相誤差信号Ekを
発生する。位相誤差信号Ekは、ディジタルフィルタを
通ってVCOの制御信号Ykとなり新しいVCO出力W
k+1を決定する。一方制御信号Ykはループの出力と
してD/A変換器により階段状信号にされたのち、LP
Fによりアナログ信号Y(t)として取り出される。デ
ィジタルフィルタの型には、線形のパス、線形プラス積
分型のパス、及び線形プラス積分型プラス二重積分型の
パスがあり、それぞれ、1次、2次及び3次のDPLL
と呼ばれる。
ル信号処理型PLLでは、送信クロック情報が一定周期
でサンプリングされているものとして処理されているの
で、ランダムな時間間隔でサンプリングされた情報で駆
動するとジッタ抑圧特性が不定となり、伝送品質の劣化
を招くという問題点がある。
においては、基本素子である1次低域濾波器及び積分器
が遅延量Ts秒の固定遅延素子で構成されているので、
一定の差分時間で演算される。しかし、サンプル間隔が
ランダムなときは、数値情報の到着時刻のバラツキか
ら、遅延素子による遅延量がその都度変動して遅延素子
で決定される時定数が変動し、従ってPLLの周波数特
性がその都度変動するため、ジッタ抑圧特性が不定とな
る。
ジッタ帯域が一定不変な基準クロックを再生できるPL
Lを提供することにある。
す式1
受信カウンタの現在の計数値T(i)と前回の計数値T
(i−1)との時間差から求め、各構成要素の演算子と
してΔtを用いることにより、遅延素子がランダムな時
刻情報にも対応して動作するように構成されたものであ
る。
の基準クロックを計数するカウンタと同一構成を有し
て、受信した基準クロックを計数する受信カウンタと、
受信カウンタの出力を所定の期間記憶するメモリと、送
信側からカウンタの計数値が送られてくる度に受信カウ
ンタの計数値を読み出して、送られてきた計数値と受信
カウンタの計数値と比較する減算器と、受信カウンタの
現在の計数値と前回の計数値との差分時間を算出する差
分時間演算器と、減算器の出力のゲインを減衰する第1
の減衰器と、第1の減衰器の出力をさらに減衰する第2
の減衰器と、第2の減衰器の出力を差分時間演算器で算
出した差分時間を基に積分する積分器と、第1の減衰器
の出力と積分器の出力を加算する加算器と、加算器の加
算結果を電圧信号に変換する変換器と、変換器により変
換された電圧信号を入力して受信カウンタに出力する電
圧制御発振器とを有する。
Lの減算器と差分時間演算器との出力を入力して、出力
を第1の減衰器に入力する1次低域濾波器を設けたもの
である。
ば、1次低域濾波器の場合について説明する。
平面上の展開図、図6はこの回路の周波数応答特性を示
す図である。
C回路で構成することができる。このとき、周波数伝達
特性Y(jω)は、
の時定数1/RCの逆数である。
すると、
T(i−1)なる遅延を発生し、時刻T(i−1)に受
信したデータを時刻T(i)に出力する。
である。
濾波器の周波数応答特性は、最大サンプリング間隔Tを
0.1秒に設定している。ここで、Δt=0.01秒の
示す10Hz以下の特性は、(3)式の示す特性と一致
する。
均一な特性が得られることが確認される。
点でピークが発生しているが、有意な周波数領域がサン
プリング定理によりサンプリング周波数の1/2以下な
ので特に問題はない。
て図面を参照して説明する。
の回路図である。
LLは、送信側で基準クロックをカウンタで計数してそ
の計数結果を時間間隔T秒より短いランダムな時間間隔
で読み出し、読み出された時刻情報を転送する基準クロ
ック転送方式の受信側の2次系PLLで、送信側の基準
クロックを計数するカウンタと同一構成を有して、受信
した基準クロックを計数する受信カウンタ4−1と、受
信カウンタ4−1の出力を所定の期間記憶するメモリ4
−2と、送信側からカウンタの計数値が送られてくる度
に受信カウンタ4−1の計数値を読み出して、送られて
きた計数値と受信カウンタの計数値と比較する減算器4
−3と、受信カウンタ4−1の現在の計数値と前回の計
数値との差分時間を算出する差分時間演算器4−4と、
減算器4−3の出力のゲインを減衰する第1の減衰器4
−5と、第1の減衰器4−5の出力をさらに減衰する第
2の減衰器4−6と、第2の減衰器4−6の出力を差分
時間演算器4−4で算出した差分時間を基に積分する積
分器4−7と、第1の減衰器4−5の出力と積分器4−
7の出力を加算する加算器4−8と、加算器4−8の加
算結果を電圧信号に変換する変換器4−9と、変換器4
−9により変換された電圧信号を入力して受信カウンタ
4−1に出力する電圧制御発振器4−10とを有する。
準クロックをΔtの間計数し結果を受信側に送出する。
受信側ではVCXOの出力である受信した基準クロック
を受信カウンタで計数し、送信側からカウンタの計数値
が送られてくる度に受信カウンタの計数値を読み出し、
送られてきた計数値と受信カウンタの計数値との差を求
めることによりΔt間に現れる送信の基準クロックと受
信側の基準クロックとの差を4−3の減算器によって求
める。
器の伝達特性は、
ウンタ4−1の現在の計数値T(i)と前回の計数値T
(i−1)の時間差から演算し、積分器4−7の演算子
としてΔtを用いることにより、ランダムな時刻情報に
対して遅延素子がΔtに対応して動作する。
次系PLLの減算器と差分時間演算器との出力を入力し
て、出力を第1の減衰器に入力する1次低域濾波器を設
けたものである。
実施例のブロック回路図である。
Lは、送信側の基準クロックを計数するカウンタと同一
構成を有して、受信した基準クロックを計数する受信カ
ウンタ5−1と、受信カウンタ5−1の出力を所定の期
間記憶するメモリ5−2と、送信側からカウンタの計数
値が送られてくる度に受信カウンタ5−1の計数値を読
み出して、送られてきた計数値と受信カウンタの計数値
と比較する減算器5−3と、受信カウンタ5−1の現在
の計数値と前回の計数値との差分時間を算出する差分時
間演算器5−4と、減算器5−3の出力に差分時間演算
器5−4で算出した差分時間を用いて動作する1次低域
濾波器5−5と、1次低域濾波器5−5の出力のゲイン
を減衰する第1の減衰器5−6と、第1の減衰器5−6
の出力をさらに減衰する第2の減衰器5−7と、第2の
減衰器5−7の出力を差分時間演算器5−4で算出した
差分時間を基に積分する積分器5−8と、第1の減衰器
5−6の出力と積分器5−8の出力を加算する加算器5
−9と、加算器5−9の加算結果を電圧信号に変換する
変換器5−10と、変換器5−10により変換された電
圧信号を入力して受信カウンタ5−1に出力する電圧制
御発振器5−11とを有する。
準クロックをΔtの間計数し、その結果を受信側に送出
する。受信側ではVCXOの出力である受信した基準ク
ロックを受信カウンタで計数し、送信側からカウンタの
計数値が送られてくる度に受信カウンタの計数値を読み
出し、送られてきた計数値と受信カウンタの計数値との
差を求めることにより、Δt間に現れる送信の基準クロ
ックと受信側の基準クロックとの差を4−3および5−
3の減算器によって求める。また3次系のPLLは、特
にΔtを受信カウンタ5−1の現在の計数値T(i)と
前回の計数値T(i−1)の時間差から演算し、1次低
域濾波器5−5及び積分器5−8の演算子としてΔtを
用いることにより、ランダムな時刻情報に対して遅延素
子がΔtに対応して動作する。
現在の計数値T(i)と前回の計数値T(i−1)との
差の時間から演算してΔtを求め、各構成要素の演算子
としてΔtを用いることにより、遅延素子がランダムな
時刻情報にも対応して動作することが可能となり、ジッ
タ抑圧特性が一定の周波数伝達特性のPLLが実現でき
る効果がある。
回路図である。
回路図である。
路図である。
る。
応答特性である。
路図である。
O 5−5 1次低域濾波器
Claims (8)
- 【請求項1】 送信側において基準クロックを計数し
て、その計数結果を所定の時間間隔T秒より短いランダ
ムな時間間隔で読み出し、読み出された時刻情報の値を
転送し、受信側において受信した基準クロックを電圧制
御発振器で再生し、再生した受信基準クロックを計数し
てクロック計数値と時刻情報を求めて送信側の基準クロ
ックの位相に同期した基準クロックを再生する基準クロ
ック転送方式の受信側のPLLにおいて、 受信側の現在の計数値と前回の計数値から両者の差分時
間を算出する差分時間算出手段と、 算出した差分時間を演算子とする、1次低域濾波器もし
くは積分器を有することを特徴とするPLL。 - 【請求項2】 前記受信側のPLLは、送信側の基準ク
ロック計数カウンタと同一構成を有し、受信した基準ク
ロックを計数する受信カウンタと、 送信側からカウンタの計数値が送られてくる度に受信カ
ウンタの計数値を読み出して、送られてきた計数値と受
信カウンタの計数値とを比較する減算器と、 受信カウンタの現在の計数値と前回の計数値との差分時
間を算出する差分時間演算器と、 減算器の出力のゲインを減衰する第1の減衰器と、 第1の減衰器の出力をさらに減衰する第2の減衰器と、 第2の減衰器の出力を差分時間演算器で算出した差分時
間を基に積分する積分器と、 第1の減衰器の出力と積分器の出力を加算する加算器
と、 加算器の加算結果を電圧信号に変換する変換器と、 変換器の出力の電圧信号を入力して制御信号に変換して
受信カウンタに出力する電圧制御発振器とを有する請求
項1に記載のPLL。 - 【請求項3】 前記受信側のPLLは、送信側の基準ク
ロック計数カウンタと同一構成で、受信した基準クロッ
クを計数する受信カウンタと、 送信側からカウンタの計数値が送られてくる度に受信カ
ウンタの計数値を読み出して、送られてきた計数値と受
信カウンタの計数値と比較する減算器と、 受信カウンタの現在の計数値と前回の計数値との差分時
間を算出する差分時間演算器と、 減算器の出力と差分時間演算器の出力を入力する1次低
域濾波器と、 1次低域濾波器の出力のゲインを減衰する第1の減衰器
と、 第1の減衰器の出力をさらに減衰する第2の減衰器と、 第2の減衰器の出力を差分時間演算器で算出した差分時
間を基に積分する積分器と、 第1の減衰器の出力と積分器の出力を加算する加算器
と、 加算器の加算結果を電圧信号に変換する変換器と、 電圧信号により制御された出力を受信カウンタに入力す
る電圧制御発振器とを有する請求項1に記載のPLL。 - 【請求項4】 送信側において基準クロックを計数し
て、その計数結果を所定の時間間隔T秒より短いランダ
ムな時間間隔で読み出し、読み出された基準クロックの
計数値とその時刻情報を転送し、受信側において受信し
た基準クロックを電圧制御発振器で再生し、再生した受
信クロックを計数してクロック計数値と時刻情報を求め
て、送信側の基準クロックの位相に同期した基準クロッ
クを再生するPLLの基準クロック再生方法において、 受信側の現在の計数値と前回の計数値から両者の差分時
間を算出する差分時間算出手段を備え、 送信側の基準クロックと受信側の基準クロックを比較す
る減算器により両者の差を求めて、差分時間の間に発生
した位相誤差とし、 前記 差の値を、前記差分時間算出手段により算出された
差分時間を演算子とする1次低域濾波器により高周波を
濾波し、 1次低域濾波器の出力を減衰器により減衰し、 減衰結果を電圧信号に変換し、 変換された電圧信号を電圧制御発振器に入力して受信基
準クロックを再生し、 再生した基準クロックを受信基準カウンタに帰還するこ
とを特徴とする不完全2次系PLLの基準クロック再生
方法。 - 【請求項5】 送信側において基準クロックを計数し
て、その計数結果を所定の時間間隔T秒より短いランダ
ムな時間間隔で読み出し、読み出された基準クロックの
計数値とその時刻情報を転送し、受信側において受信し
た基準クロックを電圧制御発振器で再生し、再生した受
信クロックを計数してクロック計数値と時刻情報を求め
て、送信側の基準クロックの位相に同期した基準クロッ
クを再生する基準クロック転送方式の受信側の基準クロ
ック再生方法において、 受信側の現在の計数値と前回の計数値から両者の差分時
間を算出する差分時間算出手段を備え、 送信側の基準クロックと受信側の基準クロックを比較す
る減算器により両者の差を求め、 差の値を、第1の減衰器により減衰し、 第1の減衰器の出力を更に第2の減衰器により減衰し、 第2の減衰器の出力を、前記差分時間算出手段により算
出された差分時間を演算子とする積分器により積分し、 第1の減衰器の出力と、積分器の出力を加算し、 加算結果を電圧信号に変換し、 変換された電圧信号を電圧制御発振器に入力して受信基
準クロックを再生し、 再生した基準クロックを受信基準カウンタに帰還するこ
とを特徴とする完全2次系PLLの基準クロック再生方
法。 - 【請求項6】 送信側において基準クロックを計数し
て、その計数結果を所定の時間間隔T秒より短いランダ
ムな時間間隔で読み出し、読み出された基準クロックの
計数値とその時刻情報を転送し、受信側において受信し
た基準クロックを電圧制御発振器で再生し、再生した受
信クロックを計数してクロック計数値と時刻情報を求め
て、送信側の基準クロックの位相に同期した基準クロッ
クを再生する基準クロック転送方式の受信側の基準クロ
ック再生方法において、 受信側の現在の計数値と前回の計数値から両者の差分時
間を算出する差分時間算出手段を備え、 送信側の基準クロックと受信側の基準クロックを比較す
る減算器により両者の差を求め、 差の値を、前記差分時間算出手段により算出された差分
時間を演算子とする1次低域濾波器により高周波を濾波
し、 1次低域濾波器の出力を第1の減衰器により減衰し、 第1の減衰器の出力を更に第2の減衰器により減衰し、 第2の減衰器の出力を、前記差分時間算出手段により算
出された差分時間を演算子とする積分器により積分し、 第1の減衰器の出力と、積分器の出力を加算し、 加算結果を電圧信号に変換し、 変換された電圧信号を電圧制御発振器に入力して受信基
準クロックを再生し、 再生した基準クロックを受信基準カウンタに帰還するこ
とを特徴とする3次系PLLの基準クロック再生方法。 - 【請求項7】 前記1次低域濾波器は、入力信号Xin
に第1の系数aを乗じる第1の乗算器と、第1の乗算器
の出力に第2の系数bを乗じる第2の乗算器と、出力信
号Xoutを遅延時間Δtだけ遅らせる遅延回路と、前
記遅延回路の出力に第2の系数bを乗じる第3の乗算器
と、第2の乗算器と第3の乗算器の出力を入力してその
加算結果を出力信号Xoutとして出力する加算器とか
らなり、前記第1の系数a及び第2の系数bが、それぞ
れ、回路の時定数1/RCの逆数である定数A及び遅延
時間Δtとにより定められる1次低域濾波器である請求
項4または6に記載のPLLの基準クロック再生方法。 - 【請求項8】 前記積分器は、入力信号Xinに遅延時
間Δtを乗ずる乗算器と、出力信号Xoutを遅延時間
Δtだけ遅延して帰還する遅延回路と、前記遅延回路を
介して帰還される信号及び前記乗算器の出力が入力さ
れ、入力された両者の加算結果を出力信号Xoutとし
て出力する加算器とによって構成される積分器である請
求項5または6に記載のPLLの基準クロック再生方
法。
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