JP3091243B2 - 多点測距装置 - Google Patents

多点測距装置

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JP3091243B2
JP3091243B2 JP03035664A JP3566491A JP3091243B2 JP 3091243 B2 JP3091243 B2 JP 3091243B2 JP 03035664 A JP03035664 A JP 03035664A JP 3566491 A JP3566491 A JP 3566491A JP 3091243 B2 JP3091243 B2 JP 3091243B2
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/30Systems for automatic generation of focusing signals using parallactic triangle with a base line
    • G02B7/32Systems for automatic generation of focusing signals using parallactic triangle with a base line using active means, e.g. light emitter

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多点測距装置特に複数
の赤外光を被写体に向けて投射し、その被写体からの反
射光を受光することにより被写体距離を自動的に測距す
るアクティブ方式の多点測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラ等の自動合焦システムに
は、大きく分けて2つの方式が採用されている。その1
つは、被写体の輝度分布情報に基づいて測距を行なうパ
ッシブ方式で、他の1つは、被写体に対し赤外光や超音
波などのビームを投射し、その反射信号に基づいて測距
を行なうアクティブ方式である。
【0003】このうち、投光レンズを通して被写体に向
け赤外光を投射し、投光レンズから一定の距離、つまり
基線長だけ離れて設けられた受光レンズを介して半導体
位置検出装置に被写体からの反射光を受光させ、その入
射位置によって被写体距離を測定する、所謂赤外光アク
ティブ式三角測距方式によるオートフォーカス(以下、
AFと略記する)装置は、簡単な構成で実現できるの
で、多くの製品に採用されている。
【0004】ところで、近年アクティブ式AFを用いて
カメラのズーム化、長焦点化が進んでおり、望遠側でも
ピントを正確に合わせるためにより遠距離まで測距可能
にする必要がある。
【0005】測距可能距離を延ばすには、投光レンズか
ら投射する赤外光を強くする方法と、受光系の半導体位
置検出装置及び処理回路のS/Nを上げる方法が考えら
れる。
【0006】このうち、投射強度を上げる手段として、
IRED(赤外発光ダイオード)などの発光素子の発光
面に光学樹脂をポッテイングすることによりレンズ作用
を持たせて発光素子からの発散光を収斂させ、物体側に
配置された投光レンズに効率よく光線を導くようにした
パッケージドIREDが従来より知られている。
【0007】また、画面中央部にしか測距ゾーンのない
アクティブ式AFの場合、投光した方向に主要被写体が
存在しない時には、AF装置は他の被写体あるいは背景
つまり∞に合焦してしまって主要被写体に対してピンボ
ケ写真となってしまう(以下、これを中抜けという)と
いう欠点があった。
【0008】従って、構図によってはファインダ内に設
けられた赤外光の投光方向を示す測距枠に予め被写体を
入れて測距を行ない、その後にフレーミング設定をしな
おして撮影する、所謂フォーカスロックと呼称される操
作を必要とした。
【0009】そこで、測距用の投光信号を複数にして、
ファインダ内の複数の測距位置を測距する、所謂広視野
AFあるいは多点測距と呼称される技術が提唱され、こ
れによってフォーカスロックのよう煩雑な操作を無用に
する試みがなされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な多点測距方式を前記したパッケージドIREDにて実
現しようとした場合、視野中心の発光素子による投射強
度は上がるものの、視野中心以外の発光素子からの投射
では、パッケージドのIREDの光軸上に発光素子がな
いために収斂光束が非対称になり、その結果投射強度分
布形状が図15に示す様に悪化し、中心と中心以外の測
距性能に大きな差が出てしまうという問題があった。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑み、視野の各点
の測距能力の差が小さくて中央,周辺共に遠距離まで測
距可能な多点測距装置を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明による多
点測距装置の一つは、発光手段と、該発光手段から発す
る光を被検出物体に向けて投射する投射光学系と、前記
被検出物体による反射光を受光する受光手段と、前記受
光手段上に前記反射光を集光する受光光学系と備え、
前記受光手段に入射する反射光の入射位置により前記被
検出物体の位置を検出する多点測距装置において、前記
発光手段が、複数の発光素子と、単一の曲面からなり収
斂作用を持つ射出面を有し且つ前記発光素子の直前に配
置される光学部材とから成り、該射出面の収斂力Σが以
下の条件を満足することを特徴としている。 Σ=r/{(1−n)d+nr}>1.0 (1/r)gΣ4<1.2 但し、rは前記光学部材の射出面の曲率半径、dは前記
発光素子から射出面の面頂までの光軸上での距離、nは
前記光学部材の屈折率、gは光軸から発光素子までの距
離である。また、本発明においては、前記投射光学系は
前記射出面を介した光を平行光束に近いビームに変換す
るのが好ましい。
【0013】ここで上記発光手段の具体的構成及び作用
について図1乃至図5に基づき説明する。図1乃至図3
は3点測距のため3個の発光素子1a,1b,1cを配
置した場合を示しており、図1は中心部の発光素子1b
から発散する光線の状態を示し、図2は光軸からgだけ
ずれている発光素子1aから発散する光線の状態を示し
ている。ここで、1dは収斂作用を持つ光学部材(以下
パッケージと称す)であり、2は投光レンズである。
【0014】パッケージ1dの射出面の曲率半径をr、
射出面面頂から光軸上の発光素子1bまでの距離をd、
射出光の延長線と光軸が交わる点から射出面面頂までの
距離をd′、パッケージ1dの発光素子発光波長での屈
折率をnとすると、図3に示す結像関係から下記の2式
が成り立つ。
【0015】 1 /d´=(1−n)/r+n/d (1) β = n・d´/d (2) 但し、βはパッケージ1dの倍率を示している。
【0016】βについて(1),(2)式をまとめる
と、 β=nr/{(1−n)d+nr} (3) となる。
【0017】ここで、d=r即ち発光素子1bがパッケ
ージ1dの射出面の曲面中心に配置された場合を考える
と、発光素子1bから発散する光線はパッケージ1dの
射出面に垂直に入射するため、パッケージ1dによる収
斂作用が起きない。この時β=nとなるので、収斂力を
示す値Σを次式によって定義する。 Σ=β/n=r/{(1−n)d+nr} (4) この式(4)によれば、d=rの時Σ=1となり、収斂
作用が働くd>rではΣ>1となる。
【0018】投光レンズ2の口径φ2 は有限であるた
め、発光素子から発散された光線のすべてが投光レンズ
2によって投射されるわけではなく、口径φ2 の絞りに
よってケラレが発生する。そこで、パッケージ1dの形
状,材質の変更により条件式Σ>1.0を満たすように
すれば、より多くの光線がパッケージ1dの射出面によ
って収斂されて投光レンズ2に導かれるようになるた
め、投射強度は強くなる。一方、Σ<1.0の場合には
パッケージ1dにより発散作用が起きるので、投射強度
が強くならない。
【0019】さらに、中心の発光素子1bからの投射強
度に対する中心以外の発光素子1aからの投射強度の比
(以下Ia/Ib)は、Σ4 ,1/rにほぼ比例し、g
(光軸から発光素子1aまでの距離)に対して図4の様
な関係があるためIa/Ibを1近くに保つために、条
件式(1/r)gΣ4<1.2を満たすことが望まし
い。(1/r)gΣ4 >1.2になるとIa/Ibが小
さくなり、中心と中心以外での投射強度の差が大きくな
り過ぎるので測距精度に大きな差が出てしまう。
【0020】また、投光レンズ2の口径φ2 が大きい場
合には、パッケージ1dの射出面の口径φ1 によりケラ
レが発生する。この時は、図5に示す様に射出面の曲面
に連続する平面又は斜面1eを設けることで、より多く
の光線を投光レンズ2に導くことができる。
【0021】本発明による多点測距装置の他の一つは、
発光手段と、該発光手段から発する光を被検出物体に向
けて投射する投射光学系と、前記被検出物体による反射
光を受光する受光手段と、前記受光手段上に前記反射光
を集光する受光光学系とを備え、前記受光手段に入射す
る反射光の入射位置により前記被検出物体の位置を検出
するアクティブ式三角測距方式であり且つ複数の測距位
置を測距する多点測距装置において、前記発光手段が、
複数の発光素子と、各発光素子と対をなす複数の曲面か
らなり各曲面が収斂作用を持つ射出面を有し且つ前記発
光素子の直前に配置される光学部材とから成り、該射出
面の収斂力Σが以下の条件を満足することを特徴として
いる。 Σ=r/{(1−n)d+nr}>1.0 但し、rは前記光学部材の各射出面の曲率半径、dは前
記発光素子から射出面の面頂までの光軸上での距離、n
は前記光学部材の屈折率である。また、本発明において
は、前記射出面の各々の形状を同一にするのが好まし
い。 また、本発明においては、前記投射光学系は前記射
出面を介した光を平行光束に近いビームに変換するのが
好ましい。
【0022】ここで、上記発光手段の具体的構成及び作
用について図6及び図7に基づき説明する。図6及び図
7は3点測距のため3個の発光素子1a,1b,1cを
配置した場合を示しており、図6は中心部の発光素子1
bから発散する光線の状態を示し、図7は光軸からgだ
けずれている発光素子1aから発散する光線の状態を示
す。1dは発光素子1a,1b,1cに夫々対応し且つ
収斂用作用を持つ三つの曲面1a′,1b′,1c′を
有する光学部材(以下パッケージと称す)であり、2は
投光レンズである。
【0023】パッケージ1dの射出面1a′又は1b′
又は1c′の曲率半径をr、各射出面面頂から対応する
発光素子1a又は1b又は1cまでの距離をd、パッケ
ージ1dの発光素子発光波長での屈折率をnとすると、
図3に示す結像関係から上記第1の発明と同様に、上記
式(1),(2),(3)が成り立つ。
【0024】ここで、d=r即ち発光素子がパッケージ
1dの対応する射出面の曲率中心に配置された場合を考
えると、その発光素子から発散する光線はパッケージ1
dの射出用に垂直に入射するため、パッケージ1dによ
る収斂作用が起きない。従って、上記第1の発明と同様
に、上記式(4)が成り立ち、d=rの時Σ=1とな
り、収斂作用が働くd>rではΣ>1となる。又、上記
第1の発明と同様に、パッケージ1dの形状,材質の変
更により条件式Σ>1.0を満たすようにすれば、より
多くの光線がパッケージ1dの各射出面によって収斂さ
れて投光レンズに導かれるようになるため、投射光強度
は強くなり、一方Σ<1.0の場合にはパッケージ1d
により発散作用が起きるので、投射強度が強くならな
い。
【0025】更に、各射出面1a′,1b′,1c′間
の干渉を防ぐために、条件式g≧φ1 を満たすことが望
ましい。但し、φ1 は投光レンズ2と組合せた時に定ま
るパッケージ1dの各射出面1a′,1b′,1c′の
光学的有効口径の最大値である。
【0026】又、投射強度分布を中心と周辺で揃えるた
めに、各射出面1a′,1b′,1c′の形状即ち
(r,d)を同一にすることが望ましい。(r,d)を
同一にすることでΣが同一になり、3点で同一の投射強
度分布を得られる。又、投光レンズ2の像面湾曲などの
光学性能が十分補正されていず、中心と周辺で投射強度
分布に差が出てしまう場合は、投光レンズ2の光軸(即
ち発光部材の中心軸)から等距離にある曲面形状と光軸
上の曲面形状とを夫々最適にすることで、各点での投射
強度分布差をより小さくすることができる。
【0027】かくして、本発明によればパッケージドI
REDを発光体としても視野の各点の測距能力の差が小
さい多点測距装置が得られる。
【0028】
【実施例】以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細
に説明する。 第1実施例 まず、多点測距の基本となる、1点測距を行なうアクテ
ィブ式三角測距装置について説明する。
【0029】図8は、それを含む自動焦点カメラの要部
の構成を示すブロック図である。1はIREDであっ
て、IRED1で発光した光は、投光レンズ2で集光さ
れて被写体3に向けて照射され、その反射光は受光レン
ズ4により半導体からなる周知の位置検出装置(以下、
PSDと略記する)5上に結像されるようになってい
る。このPSD5では、その結像位置に応じて光電流I
1 及びI2 が分流され、この分流する光電流I1 及びI
2はAF用IC6に供給されるようになっている。この
AF用IC6は、IRED制御用トランジスタ1Aを介
して上記IRED1をパルス駆動すると共に、上記PS
D5からの光電流I1 ,I2 に基づく測距データ及び反
射光強度データをCPUが内蔵された制御手段7に供給
するようになっている。そして、IRED1,IRED
制御用トランジスタ1A,投光レンズ2,受光レンズ
4,PSD5,AF用IC6とで測距手段12を構成し
ている。
【0030】制御手段7は、ピント調節用のレンズを駆
動するための演算等を行なうものである。制御手段7の
出力は、ドライバ10によってレンズ繰出しを行なう動
力源となるモータ11を駆動する。
【0031】ここで、上記PSD5によって被写体距離
を測る赤外光アクティブ式三角測距装置の動作原理につ
いて述べる。受光レンズ4の光軸をPSD5の中心線に
一致せしめて、これを原点としたとき、反射光入射位置
をx、投光レンズ2と受光レンズ4との主点間距離即ち
基線長をs、受光レンズ4の焦点距離をfとすれば、被
写体距離ιは ι=s・f/x (5) で与えられる。
【0032】PSD5で発生する光電流I1 ,I2 は共
に入射光強度に比例するが、光電流比I1 /I2 は入射
光強度には依存せず、入射光位置xのみで決定される。
PSD5の全長をtとすれば、 I1 /I2 =(t/2+x)/(t/2−x) (6) となる。(6)式に(5)式を代入すれば、 I1 /I2 =(t+2s・f/ι)/(t−2s・f/ι) (7) となるから、PSD5の光電流I1 /I2 が求まれば、
被写体距離ιが一義的に決定されることになる。
【0033】上記図8ではアクティブ式三角測距装置の
測距原理の説明を簡単にするために、単純な一点測距を
行う構成としているが、これを3点測距に応用したとき
の、測距手段12の光学系等の構成を図9に示す。
【0034】図9において、3個のIRED1a,1
b,1cに対して3個のPSD5a,5b,5cが用い
られていて、3個のIRED1a,1b,1cからの測
距用赤外発散光13a,13b,13cはパッケージ1
によって収斂され、さらに投光レンズ2により平行光束
に近いビームとなって被写体3に向かい、被写体3で反
射された各ビームは受光レンズ4により3個のPSD5
a,5b,5cのうちの対応するPSDに入射するよう
になっている。尚、この図9では、全体の構成を理解し
易いように、投光レンズ2と受光レンズ4とを横方向に
並べているが、実際には、図9に示した横方向の配置を
縦方向の配置に換えて、即ち投光レンズ2と受光レンズ
4を縦配置にして、3個のIRED1a,1b,1cの
赤外ビームを、図10に示したファインダー内視野枠1
4の測距枠14a,14b,14cに夫々対応させる必
要がある。
【0035】この測距手段12における光学系の具体的
な構成例として、中央のIRED1bからの赤外発散光
13bに対する左右のIRED1a,1cからの赤外発
散光13a,13bのなす角αは約6゜に決められてお
り、IRED1a,1b,1cの間隔をg1 、投光レン
ズ2の焦点距離をfa1、パッケージ1の倍率をβとした
場合、 tan α=β・g1 /fa1 (8) を満足するように設計されている。
【0036】又、上記PSD5a,5b,5cの間隔を
2 、受光レンズ4の焦点距離をfa2とした場合、fa1
=fa2にした時、β・g1 =g2 となるように設定され
ている。
【0037】PSDを3個に分離した理由は、一点測距
時に他の方向からの入射光の影響を極力小さくして、S
/Nの向上を図るためである。
【0038】以下に本実施例の発光光学系の数値例を示
す。数値例1a1=10mm ,α=6°(3点測距) r1 =5.60(非球面) d1 =5.1 n1 =1.48421 r2 =−25.17 d2 =3.72 r3 =3.00 d3 =3.2 n2 =1.48421 r4 =∞(IRED)
【0039】 非球面係数 第1面 P=0.1491 ,E=0.55588×10-4 , F=0.15566×10-5 ,G=−0.97806×10-7 Σ=1.03 (1/r)gΣ4 =0.26 , g=0.685 この数値例の投射強度分布結果を図11に示す。この図
11によれば、中心と中心以外の投射強度の差が小さく
なり、それらの測距能力の差が小さくなることが分か
る。
【0040】数値例2a1=18.7mm ,α=30.5°(5点測距) r1 =10.37(非球面) d1 =7.6 n1 =1.48421 r2 =−54.36 d2 =10.21 r3 =2.25 d3 =3.2 n2 =1.48421 r4 =∞(IRED)
【0041】 非球面係数 第1面 P=0.0928 ,E=0.19215×10-4 , F=0.1157×10-7 ,G=−0.89048×10-9 Σ=1.26 (1/r)gΣ4 =0.97 , g=0.877(α=5゜の時) この数値例の投射強度分布結果を図12に示す。この図
12によれば、中心と中心以外の投射強度の差が小さく
なり、それらの測距能力の差が小さくなることが分か
る。
【0042】但し、上記各数値例においてr1 ,r2
…は被写体側から配置された各レンズ面の曲率半径、d
1 ,d2 ,…は各レンズの肉厚及びレンズ間隔、n1
2 ,…は各レンズの屈折率である(図9参照)。
【0043】又、上記各実施例中の非球面形状は、上記
非球面係数を用いて以下の式で表わされる。但し、光軸
方向の座標はX、光軸と垂直な方向の座標はYとする。 X=CY2 /{1+(1−PC2 2 1/2 } +EY4 +FY6 +GY8 +HY10 ここで、Cは非球面頂点での曲率(=1/r)であ
る。
【0044】第2実施例 本実施例の測距手段の光学系等の構成を図13に示す。
【0045】図13において、3個のIRED1a,1
b,1cに対して3個のPSD5a,5b,5cが用い
られていて、3個のIRED1a,1b,1cからの測
距用赤外発散光13a,13b,13cはパッケージ1
の各射出面1a′,1b′,1c′によって収斂され、
さらに投光レンズ2により平行光束に近いビームとなっ
て被写体3に向かい、被写体3で反射された各ビームは
受光レンズ4により3個のPSD5a,5b,5cのう
ちの対応するPSDに入射するようになっている。尚、
この図14では、全体の構成を理解し易いように、投光
レンズ2と受光レンズ4とを横方向に並べているが、実
際には、図14に示した横方向の配置を縦方向の配置に
換えて、即ち投光レンズ2と受光レンズ4を縦配置にし
て、3個のIRED1a,1b,1cの赤外ビームを、
図10に示したファインダー内視野枠14の測距枠14
a,14b,14cに夫々対応させる必要がある。
【0046】この測距手段12における光学系の具体的
な構成例として、中央のIRED1bからの赤外発散光
13bに対する左右のIRED1a,1cからの赤外発
散光13a,13bのなす角αは約6゜に決められてお
り、IRED1a,1b,1cの間隔をg1 、投光レン
ズ2の焦点距離をfa1とした場合、 tan α=g1 /fa1 (9) を満足するように設計されている。
【0047】又、上記PSD5a,5b,5cの間隔を
2 、受光レンズ4の焦点距離をfa2とした場合、fa1
=fa2にした時、g1 =g2 となるように設定されてい
る。
【0048】PSDを3個に分離した理由は、一点測距
時に他の方向からの入射光の影響を極力小さくして、S
/Nの向上を図るためである。
【0049】以下に本実施例の発光光学系の数値例を示
す。数値例a1=16mm ,α=6°(3点測距) r1 =9.18(非球面) d1 =8.4 n1 =1.48421 r2 =−34.88 d2 =9.54 r3 =0.75 d3 =1.2 n2 =1.48421 r4 =∞(IRED)
【0050】 非球面係数 第1面 P=0.1 ,E=0.22381×10-4 , F=−0.12242×10-6 ,G=−0.22293×10-8 Σ=1.41 (1/r)gΣ4 =0.26 , g=1.7(φ1 =1.5の時) この数値例の投射強度分布結果を図14に示す。この図
によれば、中心と中心以外の投射強度の差が小さくな
り、それらの測距能力の差が小さくなることが分かる。
【0051】但し、上記数値例においてr1 ,r2 ,…
は被写体側から配置された各レンズ面の曲率半径、
1 ,d2 ,…は各レンズの肉厚及びレンズ間隔、
1 ,n2 ,…は各レンズの屈折率である(図13参
照)。
【0052】又、上記各実施例中の非球面形状は、上記
非球面係数を用いて以下の式で表わされる。但し、光軸
方向の座標はX、光軸と垂直な方向の座標はYとする。 X=CY2 /{1+(1−PC2 2 1/2 } +EY4 +FY6 +GY8 +HY10 ここで、Cは非球面頂点での曲率(=1/r)であ
る。
【0053】
【発明の効果】上述の如く、本発明による多点測距装置
は、視野の各点の測距能力の差が小さくて中央,周辺共
に遠距離まで測距可能であり、特に望遠レンズ系を有す
るアクティブ式AFカメラにおいては遠距離まで高精度
のAFが可能となるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多点測距装置の一つの発光手段に
おける中心部の発光素子から発散する光線の状態を示す
図である。
【図2】図1の発光手段における光軸からずれている発
光素子から発散する光線の状態を示す図である。
【図3】図1の光学部材における結像関係を示す図であ
る。
【図4】中心の発光素子からの投射強度に対する中心以
外の発光素子からの投射強度の比の、光軸から中心以外
の発光素子までの距離に対する関係を示すグラフであ
る。
【図5】図1の発光手段の変形例を示す図である。
【図6】本発明による多点測距装置の他の一つの発光手
段における中心部の発光素子から発散する光線の状態を
示す図である。
【図7】図6の発光手段における光軸からずれている発
光素子から発散する光線の状態を示す図である。
【図8】1点測距を行うアクティブ式三角測距装置を含
む自動焦点カメラの要部の構成を示す図である。
【図9】第1実施例の光学系を示す斜視図である。
【図10】ファインダー内視野枠の測距枠を示す図であ
る。
【図11】第1実施例の数値例1の投射強度分布結果を
示すグラフである。
【図12】第1実施例の数値例2の投射強度分布結果を
示すグラフである。
【図13】第2実施例の光学系を示す斜視図である。
【図14】第2実施例の数値例の投射強度分布結果を示
すグラフである。
【図15】従来例の投射強度分布形状を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 IRED 1A IRED制御用トランジスタ 1a,1b,1c 発光素子 1d パッケージ 1a′,1b′,1c′ 射出面 2 投光レンズ 3 被写体 4 受光レンズ 5,5a,5b,5c PSD 6 AF用IC 7 制御手段 10 ドライバ 11 モータ 12 測距手段 13a,13b,13c 測距用赤外発散光 14 ファインダ内視野枠 14a,14b,14c 測距枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/28 - 7/40 G03B 3/00 - 3/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光手段と、該発光手段から発する光を
    被検出物体に向けて投射する投射光学系と、前記被検出
    物体による反射光を受光する受光手段と、前記受光手段
    上に前記反射光を集光する受光光学系とを備え、前記受
    光手段に入射する反射光の入射位置により前記被検出物
    体の位置を検出する多点測距装置において、 前記発光手段が、複数の発光素子と、単一の曲面からな
    り収斂作用を持つ射出面を有し且つ前記発光素子の直前
    に配置される光学部材とから成り、該射出面の収斂力Σ
    が以下の条件を満足することを特徴とする多点測距装
    置。 Σ=r/{(1−n)d+nr}>1.0 (1/r)gΣ4<1.2 但し、rは前記光学部材の射出面の曲率半径、dは前記
    発光素子から射出面の面頂までの光軸上での距離、nは
    前記光学部材の屈折率、gは光軸から発光素子までの距
    離である。
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