JP3090471B2 - 粒子、x線およびガンマ線量子のビーム制御装置 - Google Patents

粒子、x線およびガンマ線量子のビーム制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、放射ビームを制御する装置であり、より詳
しく述べれば、X線ビーム、ガンマ線ビーム、および荷
電粒子ビームを制御する装置であり、収束ビーム、発散
ビーム、準平行ビームを、広いスペクトル範囲、広い開
口角度、短い形成パスで、形成する装置に関する。
本発明の利点の一つは、X線、ガンマ線、および中性
子ビームを制御して医療用放射線透過検査および治療へ
応用したり、X線微量検光子およびX線回折検光子用の
ビームを形成したり、メスバウアー検査でガンマ線を効
果的に利用できることである。
本発明のもう一つの利点は、さまざまな放射源から放
射されたエネルギーを集束させることにより、放射ビー
ムを微小領域に高出力密度で生成するのに効果があり、
例えば、電波天文学で、小型で局所化した放射源に同調
させた有向放射線検出器を形成するのに役立つことであ
る。
電荷粒子ビーム、X線ビーム、およびガンマ線ビーム
を制御するためにさまざまな装置が使用されている。こ
れらの装置は、例えば、フレネルのミクロ位相板、多層
鏡、およびブラッグの結晶のような放射線干渉および放
射線回折に基づいている。磁気要素および静電要素も荷
電粒子ビーム制御に使用されている。しかし、これらの
装置の致命的な問題点は、その装置が依拠している物理
現象のため、スペクトル幅が狭いことである。
周知のように、さまざまな荷電粒子ビーム、中性子ビ
ーム、X線ビーム、ガンマ線ビームを縮合媒体の境界に
入射すると、全外反射が起こる臨界角と呼ばれる一定の
グレージング角度の値が得られる。なお、その角度より
小さいと損失が極めて少なくなる。反射面が平滑でその
材質の放射吸収度が低い場合、全反射の損失が大変少な
いので、臨界角より小さい角度で複数の反射光を利用し
てビームを効果的に制御することができる。
先行技術としては、曲がり束管チャネルで全外反射を
起こして準平行X線ビームを集束して形成する装置が知
られている。(旧ソ連 物理学+ウズベク、第157巻、
第3号、1989年5月発行。V.A.アクラデエフ(Arkad'e
v)、A.I.カラミツェフ(Kolomijtsev)、M.A.クマコフ
(Kumakov)、I.Yu.ポノマレフ(Ponomarev)、I.A.コ
デーエフ(Khodeyev)、Yu.P.チェルトフ(Chertov)、
I.M.シャクパロノフ(Shakhparonov)。「広い角度開口
広帯域X線光学(Wideband X−ray Optics With Wide−
Angle Aperture)」pp.529−537)この装置は、複数の
チャネルで構成されており、全外反射を特徴とする内部
面を持ち、入力端が放射源に向かい、出力端が放射受光
器に向かう構成になっている。チャネル形成要素は、仮
想同軸または虚数同軸の樽状の母面にある。
この先行技術に基づいた装置の問題点は、管状チャネ
ルを通過する際の放射損失が大きいことである。その原
因は、虚数同軸の樽状の母面にある管状チャネルを正確
に位置づけることができないことと、放射線の入力端と
出力端をそれぞれ放射源と受光器に最適な角度で向ける
ことができないことである。もう一つの問題点は、管状
チャネルの大きさが最適ではないために、スペクトル幅
が比較的狭いことである。
X線リソグラフィーでは、微小域(点光源)から放射
するX線やシンクロトロンで生成するX線などのさまざ
まな資源を利用して画像を生成している。しかし、残念
ながら、X線リソグラフィーを使用したシステムではX
線を適切に操作できないという限界がある。
X線光学には、可視光線でも赤外線(IR範囲)でも経
験しなかった困難な問題がある。媒質内部の電子レベル
を励起またはイオン化できるエネルギーを有する光子が
強力に吸収されてしまうので、屈折率が異なる媒質を通
す屈折ができないのである。ただし、多層鏡またはゾー
ンプレートまたは位相板で単一結晶に起こるブラッグ散
乱を利用すれば、回折および干渉現象によりX線を偏向
させることは可能である。確かに、この方法を適用して
いる実例も多いが、エネルギー(波長)に制約があるの
で、エネルギースペクトルが広いX線ビームを制御する
には使えない。既知の材料の表面にX線を広い角度から
入射すると、反射係数がとても小さいので、反射の使用
も制約がある。
すれすれ入射光学は、X線の全外反射現象に基づいて
開発されてきた。すれすれ入射光学は、平らな鏡で偏向
させて曲がった鏡で平行ビームを集束させるシンクロト
ロン放射装置で広く使われている。これらの鏡では単一
の反射を使用しているのが通常である。そのような装置
では、全外反射角(キロ電子ボルトのエネルギーで数ミ
リラジアン)の値が小さいので、開口角が極めて小さく
なる。
従来の装置で点光源を使用するX線リソグラフィーで
は、強度、光倍率、半影ブレおよび光源位置が不安定で
あるという制約があった。また、シンクロトロン光源を
使用するX線リソグラフィーの場合も、強度に制約はな
いが、ビームを垂直方向に入射すると有効な発散が見ら
れない。
本発明は、従来技術で長年懸案になっていた問題を解
決することにより、X線の制御、精密さ、および正確さ
の点でX線リソグラフィーシステムを改良したものであ
る。
X線、ガンマ線、および粒子放射線は、現在さまざま
な分析器機で使用されている。放射線を使用すると、試
料の組成や構造などの特性について知ることができる。
しかし、残念ながら、従来の計測器には強度およびビー
ムの指向性または偏向の制御という点で制約があった。
試料(物質、成分、または系)を非破壊的に評価する
方法で最も重要でかつ広く使用されているのは、X線蛍
光分析または分光分析(XRF)である。X線蛍光分析
は、分析ツールとして、主として、波長分散分光分析
(WDXRF)およびエネルギー分散分光分析(EDXRF)の2
つの方法で開発された。さらに、上記の2つの測定技術
を組み合わせて高い分解能で測定をすれば、高速で半定
量的な分析結果が得られるが、現在商用化されているも
のは殆どない。
剛性試料に光子を照射することにより放出されるX線
には、「制動放射」の広いバックグラウンドにある試料
の単一エネルギーX線特性が含まれている。しかし、残
念ながら、そのようなX線放射源により励起された2次
X線スペクトルには、通常、試料に制動放射を連続する
と分散が発生しエネルギーがより低いバックグラウンド
になる。
本発明がX線蛍光分析を改良した点は、(1)検出器
に到達する強度を上げることにより測定時間を短縮し
た、(2)光子の衝突を引き起こす検出器に到達する制
動放射を減少させることにより測定時間を短縮した、
(3)信号対雑音比を増加させることにより分解能を上
げた、(4)検出器に到達する制動放射を減少させる、
(5)角関係を精密に制御することによりWDXRFの分解
能を向上させた、(6)明確に定義した小さな領域を評
価する能力を向上させた、(7)操作により組成分布を
判定する能力を向上させた、(8)試料や源開口などの
部分を移動せずに、明確に定義した領域で平均組成を判
定する能力を向上させた、(9)明確に定義した剛性試
料の体積の分析を可能にし、より小型の検出器を使用で
きる系で他の組成のコストを減少させた。
本発明者は、特別な形状面から複数の反射を利用した
X線の集束を初めて提案し、これらの「クマコフ(Kuma
khov)」レンズの透過率は50%にもなることを実証した
ことがある。さらに、これより低い透過率でも、大きな
収集開口度(0.25ラジアン)のためにX線強度が4倍も
増加したことを示した。
放射線ビームは、医療にかかわる診断と治療の両方の
分野で幅広く応用されている。しかし、従来の医療器機
の使用と効果に制約があったのは、(i)容易に濾光し
ない所望のエネルギーより高い光子または粒子が存在す
るため、所望のエネルギーでバンド幅が狭くかつ高い強
度のビームが得られなかった、(ii)所望の横断面積を
有する平行ビームを形成し集光ビームを形成することが
できなかった、(iii)コリメーション時に強度が大幅
に損失した、(iv)体腔のライニングに直接放射線を照
射する効果的な手段がなかったからである。
これらの制約のため、画像の分解能は低いままであ
り、高レベルの放射線量が患者の健康な組織細胞に影響
を与えたり医療員が放射能に汚染されたりすることがあ
り、光源や検出器などの装置部品が高価になっているの
である。クマコフのレンズは、放射線の照射が正確でか
つ精密なので、上記の問題を最小限に押さえることがで
きる。
要約すると、本発明は、X線リソグラフィー、分析器
機、医療器機などに新規なクマコフのレンズを応用する
ものである。
発明の要約 本発明の目的は、ビーム制御装置のチャネルを通して
放射透過を効率化し、制御中の放射ビームの角幅および
スペクトル幅を拡張し、装置製造にかかわる労力を減少
させ、装置を小型化し、焦点領域を狭くし、ビームのエ
ネルギー集束および出力装置でのビーム出力密度の効率
を向上させ、出力装置での放射ビーム均等性を向上さ
せ、角ビーム発散を減少させ、形成中の放射ビームにバ
ックグラウンド放射が与える効果を減少させることにあ
る。
このような目的を実現するために、粒子量子、X線量
子、およびガンマ線量子の各ビームを制御する装置にお
いて、複数の全外反射を特徴とする内部面に複数のチャ
ネルを設け、入力端が放射源に向い、出力端が受光器に
向かうように配置する。この装置では、虚数同軸の樽状
の母面に配置した要素でチャネルを形成することが望ま
しい。本発明の方針に従って、チャネル形成要素を剛性
支持構造で空間に位置づけ、入力端で放射線方向に次の
条件を満足するチャネル幅Dを各チャネルに指定する。
D1≦2θDF+D なお、上記の式で、D1は放射源の有効直径である。こ
こからレンズで放射線を捕捉する。θは、必要なスペ
クトル幅で放射する臨界全外反射角の最小値である。F
は、ビーム伝播の中心軸に沿って測った、放射源からチ
ャネルの入力端までの距離である。
複数のチャネルを曲がり束管で構成し、虚数同軸の樽
状の母面に沿って縦軸を設定した場合、本発明の剛性支
持構造を、円板がビーム伝播の中心軸に垂直になるよう
に配置し、各円板に蜂の巣形の開口パターンを設けて束
管を収容することにより、虚数同軸の樽状の母面に沿っ
た縦軸をしっかり固定する。このような剛性支持機構を
形成する方法はたくさんある。例えば、リソグラフィー
またはレーザ旋削のような処理により穴を開けた剛性板
を使用したり、平面上で複数の方向に予め定めた間隔で
大きな開口に沿ってパターン内の配線などの資材を配置
する剛性枠を使ったりしても固定することができる。
この方法を使用すれば、曲がりチャネルの形状を正確
に形成し、その位置を固定し、曲率半径の最適値からの
偏差を極小にし、放射源および受光器に対してそれぞれ
入力端および出力端を正確にかつ固定して位置づけるこ
とができるので、チャネルに入射する放射線を最大限に
捕捉し、放射伝播損を最小化することができる。
本発明の別の側面として、個々の円板を一枚一枚他の
円板と相対的に軸方向に沿って移動できるという特徴が
ある。例えば、入力端に最も近い円板にこの方法を適用
すると、焦点距離と捕捉角を調整することができる。移
動可能な支持機構を使用すると、伝送エネルギー帯域幅
やスペクトルを調整したり、ビーム焦点の大きさや出口
焦点距離を調整したりするのに役立つ。
同軸の樽状のビームの反射層またはエンベロープ間の
隙間で、制御中のビームに対して同軸方向にチャネルを
形成した場合、少なくとも2つの剛性格子(例えば、蜂
の巣形のパターン)をチャネルの入力端および出力端
に、ビーム軸に垂直に配置し、エンベロープを入力端お
よび出力端で格子にしっかり固定することにより、剛性
支持構造を形成する。このように設計すると、装置を固
定する構造で発生する放射強度損を最小化したり、装置
の組み立てを簡単にしたり、エンベロープ強化構造を軽
量化したり、その強化構造によるエンベロープの変形を
最小化したりすることができるという利点がある。
チャネル形成要素として曲がり束管を使用しているの
で、開口部の蜂の巣形のパターンで曲がり束管の位置を
制御ビームの中心軸に沿って固定して、支持円板を位置
づけられるという利点もある。なお、その際、支持部の
間隔は次の式で表される。
この式で、Eは、最大温度での束管の弾性係数であ
る。なお、この最大温度には、放射吸収に起因する束管
の温度上昇分を含んでいる。Iは、中立軸に相対的な束
管の横断面の慣性モーメントを表す。Qは、単位長ごと
の束管の質量を示す。R1=2D/Q2は、必要な放射スペク
トルの高エネルギー境界で判定した束管の臨界弾性半径
である。このようにすると、束管が自身の重みでたるむ
のを許容弾性にまで最小化できる。なお、チャネルを通
る放射透過による放射強度損は許容弾性を超えない。
複数のチャネルを毛管として設計する場合、毛管を別
々の束にまとめて、束の縦軸を虚数同軸の樽状の母面に
沿って、制御ビームの中心軸に対して同軸になるように
配置し、制御ビーム軸に垂直になるように円板を配置し
て剛性支持構造を設計し、開口部に蜂の巣形のパターン
を用意して毛管のそれぞれの束を収容することができる
という特徴がある。このように設計すると、チャネルの
直径を小さくしてチャネルの数を増やせるので、装置の
スペクトル幅を拡張できるという利点がある。なお、装
置を組み立てる労働内容は、チャネルの数ではなく毛管
の数に依存する。また、個々の小さな毛管の強度と比較
すると、毛管の束としての強度の方が強いので破損が少
なくなる。チャネルの臨界弾性半径R1が小さくなるの
で、装置を小型化することができる。
前述したように、制御ビームの中心軸と同軸方向に虚
数同軸の樽状の母面に沿って曲がり束管の縦軸を配置し
た形態で複数のチャネルを設計すると、本発明によれ
ば、蜂の巣形のパターンの剛性支持構造を束管壁の外側
に形成し、その外面にしっかりと固定し、各束管のチャ
ネル幅をチャネル長に沿って可変にし、束管の横断面で
対応する装置寸法に比例させることができる。このよう
に設計すると、装置の広い部分でチャネル寸法が大きく
なり、焦点方向に向いた入力端および出力端でチャネル
の直径が小さくなるように管束を自由に変形することに
より装置全体を形成することができる。熱可塑性の管束
を加熱して引き延ばすなどの方法が可能である。この方
法によれば、焦点領域の直径を数倍も小さくすることが
できるので、放射エネルギーの集束度が高まる。この手
法を自動化すれば、本発明を製造するコストも低くでき
る。
本発明のもう一つの側面として、複数のチャネルで曲
がり束管を構成し、その縦軸を虚数同軸の樽状の母面に
沿って配置することにより、剛性で蜂の巣形のパターン
の支持構造のブッシングを形成し、ビーム伝播の中心軸
に垂直な平面で各束管を包み、ブッシングを一つ一つし
っかり固定し、接着剤、連動機構または締め付け装置
(例えば、外締め)などで支持構造を構成することがで
きるという特長がある。この方法を使用すると、装置の
組立が簡単になり、装置の作成でチャネル形成要素の数
を増やせるので、角ビーム制御の範囲を広げることがで
きる。
同様に、複数のチャネルを毛管で設計するにあたり、
毛管を束にまとめて、その縦軸を虚数同軸の樽状の母面
に沿って配置し、剛性で蜂の巣形のパターンの支持構造
でブッシングを構成し、制御ビーム軸に垂直な平面で各
毛管束を包み、接着剤、連動機構、または締め付け装置
で一つ一つしっかり取りつけるのにも役立つ。この用法
によれば、装置の組立も簡単になる。
ブッシングで各束管または毛管束を包む代わりに、共
角積み重ねクレードルを使用して剛性支持構造を形成す
ることもできる。
剛性支持構造をビーム伝播の中心軸の回りに、一つの
単位として回転させて搭載することもできるので、別々
のチャネルからのビーム透過による不規則性を平均化す
ることにより、ビームの横断面に沿って時間平均の放射
強度を等化することができる。
さらに、本発明の側面として、チャネルが異なる場合
はその波長も変えることができるという特長がある。す
なわち、形成中のビームの横断面の各領域で放射強度の
減衰に従って波長を選択する。この方法によれば、曲率
が異なるチャネルを経由した場合放射透過中の強度損が
相違することにより発生する不規則性を取り除くことに
より、形成中のビームの横断面に沿って放射強度を制御
することができる。最もよく使用されているのは、ビー
ム強度の等化である。その他、横断面で密度と厚さが変
化する吸収フィルタがある。中心から周辺に向かって吸
収度が下がっていくフィルタをビームパスに置いても同
じ効果が得られる。
個々の要素をテーパー角θで(円錐状に)発散させ
るのにも役立つことが実証されている。なお、θ<θ
−D/L1の関係になる。この式で、θは準平行ビームの必
須発散角度、L1は低減する束管部分の長さである。この
場合、フレアーアウトチャネルで放射透過をすると、ビ
ームの発散がテーパー角の値まで減少する。
本発明の別の側面として、曲率が複合している虚数同
軸の母面に沿ってチャネル形成要素を配置することがで
きる。例えば、チャネルの出力端をチャネル形成要素と
いっしょに延長することができる。なお、このチャネル
要素を配置する虚数ドーナツ状の面の母面は、虚数樽状
の面の母面と対応しており、出力端は放射受光器に向け
られている。この方法によれば、このようにして形成し
た放射ビームの密度を高めることができる。
束管間の隙間を化合物で埋めれば、剛性支持構造を効
率的に生産できる。制御ビームの放射線を通さない外部
遮へいケーシング資材で装置を作るのに適している。ケ
ーシングの開口部をチャネルの両端に合わせて配置し、
曲がりチャネルおよび放射線を吸収する束管間資材だけ
を採用して、密閉した放射線受光器または放射源に対す
る直線路を遮断することにより、形成した放射ビームに
おけるバックグラウンド放射線率を減少させる。このよ
うな充填のおかげで、振動のような動きに対する感受率
も下がる。
本発明は、前述したクマコフのレンズでX線リソグラ
フィーシステムも構成できる。X線源を必要とし、クマ
コフのレンズは、通常、X線源とマスクの間に配置す
る。
X線源は、点光源であってもなくても構わない。クマ
コフのレンズは、マスクとレジストとの間に配置しても
よい。本発明は、次のようなX線リソグラフィーの方法
についても提示する。まず、放射源を用意して、放射源
からの放射線をクマコフのレンズを通して集束させ、次
に、集束した放射線をマスクに通すのである。この方法
で、クマコフのレンズを追加して、一つのレンズで準平
行ビームを形成し、もう一つレンズで、予め選択したエ
ネルギー帯にビームを集束させる。
さらに、本発明では、クマコフのレンズで構成する分
析器機も規定する。通常、クマコフのレンズは、放射源
と分析試料との間に配置する。この分析器機は、X線蛍
光装置、X線顕微鏡、X線回折装置などのX線装置で
も、イオン顕微鏡のようなイオン装置でも、中性子顕微
鏡や中性子回折装置のような中性子装置でも、あるい
は、電子ビーム装置でも構わない。
上記の計測器は、通常、モノクロメータで構成する。
この中で放射源は、クマコフのレンズとモノクロメータ
の両方を横断できる。この適用形態では、クマコフのレ
ンズは、発散形のビーム集光器、平行ビーム集光器、準
平行ビーム形成器、準平行ビームマニピュレータのいず
れかであるのが普通である。
本発明の適用形態としては、クマコフのレンズを二次
放射源と試料の間に配置することもできる。この場合、
クマコフのレンズは、発散形のビーム集光器、平行ビー
ム集光器、準平行ビーム形成器、準平行ビームマニピュ
レータのいずれかとして機能する。
本発明では、クマコフのレンズを分析対象の試料と放
射線検出器との間に配置することもできる。この場合、
クマコフのレンズは、発散形のビーム集光器、平行ビー
ム集光器、準平行ビーム形成器、準平行ビームマニピュ
レータのいずれかとして機能する。
クマコフのレンズは、帯域フィルタとしても機能す
る。さらに、この計器は、デジタル減算分析で使用する
のに適している。
さらに、本発明では、試料を分析する方法も規定す
る。まず、放射源を用意して、放射源から放射された放
射線をクマコフのレンズに通して、クマコフのレンズか
ら出てきた放射線に分析対象の試料を接触させて、試料
から出てきた放射線を検出する。
通常、検出した放射線は、次に、その放射線にかかわ
る既知のパラメータと照合する。
放射源から出てきた放射線は次のように伝達する。ま
ず、クマコフのレンズから出てきた放射線を反射し、次
に、反射した放射線を別のクマコフのレンズに通す。こ
の過程では、通常、結晶が必要になる。単結晶のモノク
ロメータが使用できる。さらに、試料から出てきた放射
線を別のクマコフのレンズに通してから検出してもよ
い。
本発明では、医療装置も提供する。医療装置は、診断
と治療の両方に適している。開示する特定の装置には、
血管造影装置、内視鏡、X線断層撮影装置、組織イオン
化装置、中性子捕捉治療装置、X線蛍光分析装置などが
ある。さらに、本発明では、医療装置でクマコフのレン
ズを使用する方法も提供する。
本発明では、患者に放射線治療をする方法も規定して
いる。まず、放射線ビームを放射し、次に、クマコフの
レンズに通してビームを集束させ、患者に照射する。さ
らに、患者の特定の物質の存在を検出する方法も規定す
る。まず、放射線ビームを放射し、次に、クマコフのレ
ンズに通してビームを集束させ、患者に照射してから、
残余のビームを検出する。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明の一つの実施態様を示す制御ビーム
軸に沿った断面図である。蜂の巣形のパターンで配置し
た開口を有する円板によりチャネル形成要素を固定す
る。
第2図は、第1図で示した本発明の実施態様のA−A
断面図である。
第3図は、第1図で示した本発明の実施形態のB−B
断面図である。なお、毛管が延長して接触していること
を示している。
第4図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。蜂の巣形の格子に接着することによ
り、チャネル形成要素としての樽状エンベロープを固定
する。
第5図は、第4図の実施態様を放射源側から示した図
である。
第6図は、本発明の実施態様の一部を示している。複
数の毛管を別々の束にしてそれぞれチャネル形成要素に
している。
第7図は、曲がり束管を包むブッシングを使用して剛
性支持構造を形成している。
第8図は、一束の毛管を包むブッシングを使用して剛
性支持ヨークを形成している。
第9図は、積み重ねクレードル部材で構成する剛性支
持構造を示している。
第10図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。束管を変形して異なるチャネル断面
図を形成するようにチャネル形成要素を設計できる。束
管自身の壁により剛性蜂の巣形のパターンの支持構造を
形成している。
第11図は、中心ビーム軸を中心にして剛性チャネル支
持構造を回転させる配置図である。
第12図は、支持円板を軸方向に移動できる実施態様を
示している。
第13図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。チャネル形成要素は、準平行ビーム
を形成する束管であり、直線束管部分に広がり、準平行
ビームの断面図で放射線の強度を等化するために長さを
変えている。
第13A図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に
沿った断面図である。準平行ビームの断面図で放射線の
強度を等化するために吸収フィルタを採用している。
第14図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。チャネル形成要素は、準平行ビーム
を形成する束管であり、裾広がりの部分で、準平行ビー
ムの発散を減少させている。
第15図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。チャネル形成要素は、虚数同軸の樽
状の面の母面に沿って配置され、ドーナツ状の面の母面
に沿って伸びている。
第16図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。チャネル形成束管の間の隙間および
束管支持円板の間の隙間には、剛性資材が充填されてい
る。
第17図は、本発明の実施態様を示す制御ビーム軸に沿
った断面図である。装置全体が遮断へいケーシングで覆
われており、放射線伝達チャネルの入力端と出力端が開
口部分で整列している。
第18図は、透過係数と光子の曲げエネルギーとの関係
を示している。
第19図は、毛管の湾曲点近くで特別な形状をした毛管
の中を光子が次々に壁に反射しながら伝達している様子
を示している。
第20図は、透過係数と光子エネルギーとの関係を示し
ている。なお、特別な形状では高エネルギーカットオフ
が発生いている。
第21A図は、一連の長方形の毛管の中を初期平行ビー
ムが反射していく様子を示している。
第21B図は、各ビームごとの光子の数と光子のエネル
ギーとの関係を示している。2つのビームI1とI2が特別
な分布曲線を示している。
第22図は、幅が可変な毛管を使用してビームを獲得す
る様子を示している。入口端に近いほど幅が狭くなって
いる。
第23図は、不均一なチャネル断面図に対してレンズで
焦点を合わせている様子を示している。
第24図は、非対称レンズ系で発散源からの放射線が高
強度になる点を得る様子を示している。
第25図は、レンズ要素の入力バッフリングを示してい
る。
第26図は、毛管要素および流体(気体または液体)で
冷却する要素間の空間を示している。
第27図は、個々のチャネルの直径が10μmで、複数の
毛管で構成する直径が300μmの毛管束を示している。
第28図は、放射源、クマコフのレンズ、およびマスク
で構成するシステムの略図である。放射源から放射され
たX線は、クマコフのレンズを通り、マスクへ向かうこ
とを表している。
第29図は、放射源、クマコフのレンズ、およびマスク
で構成するシステムの略図である。放射源から放射され
たX線は、クマコフのレンズを通り、マスクへ向かうこ
とを表している。なお、クマコフのレンズから出てくる
ビーム間の幅が、第28図より狭くなっている。
第30A図は、放射源、クマコフのレンズ、マスク、お
よびウェハで構成するシステムの略図である。なお、図
の記号の意味は次に通りである。
g=マスクとウェハ間の隙間 θ=レンズ捕捉角度(sr) δ=半径倍率 第30B図は、X線がマスクを通り、ウェハに衝突して
いる様子を示す略図である。なお、図の記号の意味は次
に通りである。
θ=軸からの最大発散 ρ=周辺部のぼけ 第31図は、レンズの出力端で撮ったビームの断面図の
拡大図である。
第32A図は、シンクロトロンからの発散ビーム、準平
行ビームの集束用クマコフのレンズ、エネルギー帯反射
用のクマコフのレンズ、およびビーム形成用クマコフの
レンズを使用したシステムの略図である。
第32B図は、A−AおよびB−B面で撮ったビームの
断面図の略図である。
第33A図は、シンクロトロンリングから出てくるシン
クロトロン放射の略図である。
第33B図は、シンクロトロンリングから出てくる放射
線を断面図が大きくなるように変形し、発散を少なくし
てエネルギーがより高い光子を濾過している様子を示し
ている。
第34図は、X線源、先頭のクマコフのレンズ、マス
ク、フィルタ、もう一つのクマコフのレンズ、およびレ
ジストで構成するリソグラフィーの拡大略図である。
第35図は、第34図の2番目のクマコフのレンズの拡大
図である。
第36図は、発散ビームがクマコフのレンズを通り集束
する様子を示している概略図である。
第37図は、平行ビームがクマコフのレンズを通り集束
する様子を示している概略図である。
第38A図は、クマコフのレンズを通り準平行ビームが
形成される様子を示している概略図である。
第38B図は、別の形で、クマコフのレンズを通り準平
行ビームが形成される様子を示している概略図である。
第39図は、X線源、クマコフのレンズ、試料、および
検出器で構成するシステムの概略図である。X線が放射
源からレンズを通り試料に衝突して、屈折してから検出
される。
第40A図は、X線源、試料、クマコフのレンズ、およ
び検出器で構成するシステムの概略図である。X線は、
放射源から試料に衝突し屈折してクマコフのレンズを通
ってから検出される。
第40B図は、X線源、試料、2つのクマコフのレン
ズ、結晶板、および検出器で構成するシステムの概略図
である。X線は、放射源から試料に衝突し屈折してクマ
コフのレンズを通って結晶板で反射してもう一つのクマ
コフのレンズを通ってから検出される。
第41A図は、X線源、2つのクマコフのレンズ、試
料、および検出器で構成するシステムの概略図である。
X線は、放射源からクマコフのレンズを通り試料に衝突
し屈折してもう一つのクマコフのレンズを通ってから検
出される。
第41B図は、試料(第33A図を参照)で屈折して2番目
のクマコフのレンズに向かうX線と試料を通り抜けてい
くX線の様子を示す概略図である。
第42図は、電源、X線源、複数のクマコフのレンズ、
試料、試料位置決め装置、エネルギー発散形検出器、単
結晶反射鏡または多層反射鏡、電子検出器、完全な中央
分析システムなどで構成する複合分析システムの概略図
である。
第43図は、X線源、2つのクマコフのレンズ、単結晶
モノクロメータ、試料、および検出器で構成するシステ
ムの概略図である。
第44A図は、放射源、クマコフのレンズ、および一束
の毛管で構成するシステムの概略図である。
第44B図は、放射源、クマコフのレンズ、および複数
の毛管で構成するシステムの概略図である。
第45図は、放射源、クマコフのレンズ、および毛管シ
ステムで構成するシステムの概略図である。
第46図は、シンクロトロン放射を利用した顕微鏡の概
略図である。
第47図は、樽形状毛管のレンズモードの概略図であ
る。
第48図は、光子が樽形状毛管を通った様子を示す概略
図である。
第49A図は、放射源、クマコフのレンズ、および単結
晶で構成するシステムでの回折を示す概略図である。
第49B図は、放射源、2つのクマコフのレンズ、単結
晶、および検出器で構成するシステムでの回折を示す概
略図である。
第50図は、放射線がクマコフのレンズと単結晶モノク
ロメータを通り対象に至る様子を示す概略図である。
第51A図は、放射線がクマコフのレンズを通り、非対
称にカットした結晶で反射してから対象に至る様子を示
す概略図である。
第51B図は、A−A、B−B、およびC−Cにおける
放射ビームの断面図を示す概略図である。
第52図は、コリメーターの断面図を示す平面図であ
る。
第53図は、2つの放射源からビームをそれぞれ透過検
出器を通し、対象物のある地点で交差してから、コリメ
ーターと透過検出器を通り、位置判定検出器で留まる様
子を示す概略図である。
第54図は、クマコフのレンズ、ラウエのジオメトリの
単結晶モノクロメータ、対象物、コリメーター、および
2次元位置反応検出器で構成するシステムの概略図であ
る。
第55図は、光子の数とエネルギーとの関係をグラフに
したものである。点線は、対象となる線(例えば、ヨウ
素のK線)のエネルギー吸収を示している。A図はモノ
クロメータからのビーム、B図はクマコフのレンズから
のビームである。
第56図は、クマコフのレンズを通り生成された2つの
ピークを示している。点線は、対象となる線に対する吸
収エネルギーを示している。
第57図は、(1)放射源、(2)クマコフのレンズ
(放射源で生成された発散放射線を捕捉する)、(3)
大きなチャネル、および(4)小さなチャネル(多数の
毛管)で構成するシステムの概略図である。
第58図は、放射源から3次元(X0、Y0、Z0)方向に放
射し、クマコフのレンズでその放射線を捕捉し、デフレ
クタの方向に放射を線集束している様子を示す概略図で
ある。
第59図は、X線がクマコフのレンズを通り、対象物の
中で一部の蛍光X線が偏向してもう一つのクマコフのレ
ンズに入る様子を示す概略図である。
発明の詳細な記述 粒子ビーム、X線、およびガンマ線を制御する装置
(クマコフのレンズ)は、複数の全外反射を特徴とする
内部面を有する複数のチャネルで構成する。第1図の実
施態様において、チャネル形成要素は、複数の曲がり中
空束管1である。束管1の前後軸2は、制御ビームの重
心軸3に同軸方向で虚数樽状面の母面に沿って配置す
る。チャネル形成要素は、剛性支持構造により相互にし
っかり固定する。
剛性支持構造には、制御ビームの軸3に垂直な複数の
円板4が含まれる。それぞれの円板には、蜂の巣状パタ
ーンの開口5があり、その開口を通して束管1を固定し
ている。第2図に示す蜂の巣状のパターンのそれぞれの
開口は、中心の開口の回りに6つの開口がそれぞれ等し
い間隔で並んでいる。開口を別な方法で配列することも
可能だが、前記の配列が望ましい。各円板で開口間の間
隔は各円板の軸上での位置により異なるが、樽状面の母
面に沿って束管1(第1図)をしっかり固定できるよう
な位置を選択する。各円板4は、剛性資材(例えば、金
属または硬質プラスティックまたは複合材)で作成し、
枠6によりしっかり固定する。
曲がり束管1の入力端の方向は放射源7に向かい、出
力端は受光器8に向ける。入力端および出力端は、第3
図に示すように、全体が6角形の密集形になるように配
列することが望ましい。
第1図で、本発明による各チャネルの半径D(入力端
では束管1の直径)は次のように定義される。
D1<2θDF+D 上記の式で、D1は放射源7の有効直径であり、θ
指定したスペクトル幅での全外反射の最小臨界角、Fは
重心軸3に沿って計測した放射源7から束管1の入力端
までの距離である。
第4図に本発明の別の実施態様を示す。この実施態様
では、制御ビーム軸3に同軸方向に、樽状ビーム反射層
またはエンベロープ9の間に隙間を開けてチャネルを構
成している。剛性支持構造は、少なくとも2つの格子で
構成する。例えば、制御放射ビーム軸3に垂直なチャネ
ルの入力端と出力端で蜂の巣状に配列したセル11(第5
図)を配列する。剛性支持構造は、必ずしも蜂の巣状に
する必要はないが、その場合はブロックした状態でビー
ムに望ましくないパターンが形成される可能性があるの
で、十分注意して選ぶ必要がある。第4図に示すよう
に、エンベロープ9で入力端および出力端を格子10に
(例えば接着することにより)しっかり固定し、格子10
はリング12に固定し、リング12は枠6によりしっかり固
定する。
本発明の実施態様では、第4図に示すように、各チャ
ネルの半径幅Dは、入力端での平面で放射状に広がる2
つの隣接したエンベロープの間の距離で定義する。
さて、ここで曲がり束管をチャネル形成要素として機
能させる実施態様に関する説明に戻る。束管1のチャネ
ル(第1図)の入力横断面の充填係数を向上させるため
に、それぞれの束管1の横断面を3角、矩形、6角形な
どの形にして装置の入力横断面の充填係数を最大になる
ようにする。剛性支持部材は蜂の巣状以外の形態も可能
であるが、その場合は放射線がブロックされてビームに
望ましくないパターンが形成される可能性があるので十
分注意して選ぶ必要がある。
Dサイズのチャネルを有する束管1を均一に曲げ、束
管1に平行放射ビームを入射すると、ゼロからθmaxの
範囲の角度でチャネル壁に衝突する。なお、θmax=(2
D/R)1/2であり、Rは束管1の曲がり半径である。その
結果、それぞれの放射に固有の種類とエネルギーレベル
は、いわゆる臨界曲げ半径がR1=2D/θ2 Dという特長を
有する。この値より低くなると、補足効果はR/R1に比例
して減少する。
チャネルが矩形の場合、この遅延は線形になる。チャ
ネルが円筒形の場合、この遅延はもっと複雑な形にな
る。ビーム制御装置で束管がそれ自身の重さでたるむこ
とにより局所的に曲がる半径には、R>R1という制限が
ある。
制御ビームに沿って曲がり束管1を固定している開口
5を含む蜂の巣状のパターンを有する円板4は、それぞ
れL≦(12EI/QU11/2という間隔で配置することが望
ましい。この式で、Eは束管1の弾性係数、Iは束管の
中立軸に相対的な断面の慣性モーメント、Qは単位長さ
当りの束管の重さである。なお、R1は放射の高エネルギ
ー境界で定義されている束管1の臨界曲げ半径である。
このように円板4を位置づければ、束管1がそれ自身の
重さでさらに曲がっても、放射線が透過することにより
束管1のチャネルの全充填を保持するのに必要な値を超
えることはない。
本発明装置の運用スペクトル範囲を拡大して中性子ビ
ームの制御に適用すると、全外反射の臨界角を小さく
し、束管1の直径を小さくすることができる。束管の直
径が100μmより小さくすると、装置を組み立てる手順
がかなり複雑になる。
チャネル形成要素が管状であると、複数の毛管を相互
につなげてそれぞれの束管1を製造することができると
いう利点がある。これにより反射面が平滑になり、複数
の全外反射が可能になる(第6図および第27図)。この
ように構成すると、有効なチャネルの直径を数倍縮小す
ることができる。その結果、運用スペクトル幅をより高
いエネルギー領域に拡大して束管1の曲げ半径を小さく
することができる。これは、臨界曲げ半径が束管1の直
径ではなく、毛管チャネル13の直径で決まるからであ
る。したがって、チャネルの直径をサブミクロンのレベ
ルまで小さくすることにより、チャネル数を数倍に増や
すことができる。一方、装置を組み立てるのに要する労
力は複数の毛管で構成する束管の数で決まるので、元の
管状設計のレベルに維持することができる。
複数のチャネルで曲がり束管1(第1図)を構成する
実施態様では、第7図に示すように、虚数同軸の樽状面
の母面に沿って前後軸が配置されているので、制御ビー
ム軸に垂直な平面で角曲がり束管を覆うブッシング20で
剛性蜂の巣状の構造を支持することもできる。ブッシン
グは、接着剤、連動機構、または締め付け機構で相互に
しっかり固定する。
同様に、複数の毛管13(第6図)をまとめて別々の束
管にして、その前後軸を虚数同軸の樽状面の母面に沿っ
て配置した場合、剛性蜂の巣状構造は、制御ビーム軸に
垂直な平面で、複数の毛管13で構成するそれぞれの束管
を覆うブッシング21(第8図)の形にすることもでき
る。ここでも、ブッシングは、接着剤または包帯止めで
相互に固定してヨークを形成する。
あるいは、第9図に示すように、クレードル部材22に
束管1(毛管13の束)の所望の位置にしっかり固定する
こともできる。
管状チャネルの場合、組み立て手順を簡素化し、束管
1の直径をできるだけ最小にして、ビーム集束領域のサ
イズを極小化することにより、その領域でのビーム密度
を増加したい場合、束管1の壁をその外面にしっかり固
定することにより、剛性蜂の巣状の構造を形成すること
もできる。本発明では、ガラス管のような熱塑性プラス
ティック管で装置を作成することを想定している。その
場合、束管1の両端D0から中央部Dmaxまで範囲でチャネ
ル幅を変えることができる。本発明の実施態様では、チ
ャネル幅は対応する束管の樽状面の直径に比例する。こ
のような状態で、束管1の臨界曲がり半径は、入力半径
D0で定義する。チャネルの断面を装置の両端を透過する
放射線で満たすのが不完全であっても透過効率の観点で
は重要ではないからである。
第10図に望ましい実施態様を示す。それぞれの束管1
は、円弧に近い曲線に沿って曲げられている。装置の入
力端で補足する放射線をフレアリングアウトを経由して
透過させてから、必要に応じて正のガウスの曲率を有す
る反射だけでチャネルを逓減させ、反対側の壁に到達し
ないようにすることにより、装置入力端で獲得したすれ
すれ入射角の範囲を放射線が出力端に達するまで保持す
る。本発明によれば、束管1の直径は入力端で少なくと
もD0になる。反対側の壁からの放射線を避けることが不
可能だからである。その結果、すれすれ入射角が全外反
射の臨界角θを超えるので、放射損失が増えることに
なる。
本発明装置を使用して準平行放射ビームを生成するこ
とにより、長距離エネルギー伝送(例えば、データ伝
送)、ゆがみなしの物体画像の伝送、プラナー結晶によ
るブラッグの放射モノクロ化などに応用することができ
る。多くの場合(例えば、X線リソグラフィー)、放射
ビームの均一性と平行性が高くなければならない。しか
し、管状システムで複数の全外反射で準平行ビームを生
成すると、ビームの断面で放射分布が均一ではなくな
る。その原因は、別々の束管1を経由した放射透過が離
散的(ミクロ的均一性)であるからである。また、ビー
ムの中心から端に至るまでの間に強度が低下するのは、
束管1の曲率の大きい部分で放射透過の効率が低下する
(マクロ的均一性)からである。
複数のチャネルを経由した離散的な放射透過が均一性
を失うことが重大な問題になる場合、本発明による剛性
蜂の巣状の構造を制御ビーム軸3を中心にして回転でき
るようにすることにより、露出時間を平均化してビーム
の強度を等価することもできる。例えば、第11図に示す
ように、外部駆動型の周歯車装置23を使用して回転させ
る。この構造は、例えば、X線リソグラフィーなどで準
平行ビームを生成するのに応用できる。
第12図に本発明の実施態様を示す。この実施態様で
は、束管1の入力端の近くにある支持円板4′を軸方向
に平行移動できる。ウォーム歯車機構25を駆動するロッ
ド24を使用して静止円板4に対して円板4′を平行移動
させる。逆に、円板4′を入力端に向かって移動させる
と、焦点長Fが増加し、同時に補足角θが小さくなる。
円板4′を出力端に向かって移動させると、焦点長Fが
減少し、補足角θが大きくなる。この様な操作をする
と、透過エネルギー帯域幅とスペクトルを調整すること
ができる。
複数の束管1チャネルの前後軸をそれぞれ出力端で平
行になるようにして、放射ビームを透過させると、チャ
ネルの曲率が異なるために放射透過効率も異なる。その
結果発生する出力ビームの不規則性を補正するために、
均一な断面を有する直線セクション14(第13図)をチャ
ネルの出力端で延長させる。この直線セクション14の長
さは、成形ビーム断面の各部分でのビームの強度の減衰
度に応じて選択する。準平行ビームの中央で強度が低下
する場合、延長束管1で放射吸収を行う。束管1の両端
は必ずしも均一にする必要はない。強度分布に応じて、
中央から周辺に向かって出力端を短くしていく。ビーム
パスに吸収フィルタ40(第13a図)を設ける方法もあ
る。成形ビームの均一さのばらつきに応じて中央から周
辺に向かって吸収フィルタの密度または厚みを減らして
いく。このフィルタは、例えば、放射の種類に応じてレ
ジストを選択して成形準平行ビームに露光させれば、作
成できる。
ビームを成形する個々のチャネルからの放射発散は、
全外反射の臨界角θを超えない。放射発散を減少させ
る必要がある場合、束管1の出力端にフレアリング円錐
形セクション15(第14図)を設ける。その際、テーパ角
は、θ≦θ−D/L1となる。この式で、θは準平行ビー
ムで必要な発散角、L1は円錐形セクション15の長さをそ
れぞれ示す。フレアリングアウトチャネルを透過するビ
ームは、ビームの発散がテーパ角まで減少する。
均一に曲げた束管1を使用して準平行ビームを成形す
る場合、束管1の出力端と入力端のそれぞれの間隔を等
しくすることはできない。したがって、虚数ドーナツ状
面の母面に沿ったセクション16(第15図)で出力端を延
長させて、元の樽状面と結合して、出力端のセクション
16を受光器の方向に向けるようにして準平行ビームを成
形することが望ましい。この場合、準平行ビームの別の
部分をいっしょにして出力準平行放射ビームの密度を増
加する。必要に応じて、他の複合曲率を有する虚数同軸
面の母面に沿ってチャネル形成部材を配置してもよい。
管状チャネルを有する装置を設計する際、固定資材30
(第16図)の剛性蜂の巣状の構造で束管1および円板4
の間の隙間を充填する。なお、場合によっては、円板4
を設けずに、固定資材だけを使用して束管1を固定して
もよい。細い束管1を大量に使用して装置を作成する場
合には、この構造の方が組み立てが簡単である。例え
ば、多孔性ポリマーを固定資材として使用して束管を平
行に位置づけて、樽状ケーシング内部を圧縮することに
より樽状面を成形することができる。この構成では、支
持重構造が不要になるので重量がずっと軽くなる。例え
ば、この設計は宇宙でX線望遠鏡を設計するのに重要に
なる。
蜂の巣状のパターンを開口5に合わせてチャネル形成
要素(例えば、束管1)を円板4に固定する際、チャネ
ルの入力端を放射源7に向け、チャネルの出力端を受光
器8に向け、チャネル形成要素を均一に曲げて正確に位
置づける。その結果、D1≦2θF+Dを満足すると、放
射源7の任意の地点から放射線をθより小さいすれす
れ角でチャネル壁に入射することができるので、チャネ
ルで放射線の全外反射を補足することができる。チャネ
ルを均一にかつ正確に曲げると、チャネル壁にすれすれ
角で入射させ、チャネルの入力端から出力端まで効果的
に放射透過をさせ、その方向を受光器8に向けることが
容易になる。
上記で記述した準平行ビーム成形装置で透過の方向を
逆にすることにより平行放射ビームを集中することもで
きる。例えば、前述した「出力」端を元の平行ビームの
方に向け、「入力」端を焦点の方に向けるのである。
放射のモノクロ化を達成する場合は、準平行ビームに
対してブラッグ角で結晶を配置する。
許容限度を超える高いバックグラウンド放射がある場
合、第17図に示すように、ビーム制御装置全体(支持構
造は図中に示していない)を覆うことが望ましい。受光
器8(または放射源7)、制御放射を伝導しない資材で
外部遮へいケーシング17を作成し、チャネルの軸に対し
て開口18と19を入力端と出力端にそれぞれ合わせる。こ
の実施態様では、中心軸に沿ったチャネル形成要素は、
省略してもブロックしてもよい。複数の束管1の間の隙
間は、放射を吸収またはブロックする部材36で充填す
る。その結果、好ましくないバックグラウンド放射が透
過する際、受光器8へ直線で向かうパスはなくなる。
ガンマ線、X線、および粒子線のビームを制御する装
置は、基本的には、特定の方向に向けて反射する面を制
御するシステムである。複数の内部反射の全体効果に基
づき、等方放射源から準平行ビームへ発散放射およびそ
の焦点を変形する。この装置は、ガラスの曲がり管の束
または同軸の「樽状」反射面を重ね合わせて設計しても
よい。
本装置でガンマ線およびX線の放射を制御すると、放
射エネルギーに応じて、等方放射源からの放射補足角が
100度から数10度の範囲で補足できるエネルギーは、1x1
02eVから1x107eVの範囲になる。準平行ビームの発散
は、臨界反射角を超えないので、10-4ラジアンまで小さ
くすることができる。この装置を放射線の集束に使用す
ると、ガンマ線、X線、または粒子線を焦点部に集中で
きる度合は、この装置のような光学集束装置を使用しな
かった場合と比較すると、数万倍と高くなる。焦点部の
直径は、集束管の直径の制約を受けるが、10-8cmまで小
さくすることができる。
本装置は、広範囲の科学技術分野で新規の定性装置に
応用できる。
本発明の実施態様は、曲がり束管を多層化したシステ
ムであり、特定の層のチャネルの長さは、隣接する層の
チャネルの長さと同じなので、透過特性がほぼ同じにな
る。さらに、X線と粒子線の導波管入射方向に向けられ
ているので、チャネル壁でのビームのすれすれ入射角
は、全外反射角を超えない。導波管から入射するビーム
の反射数は、ビームの中央軸からの距離に比例して増加
する。その結果、広角度でビームを曲げることができ
る。このような機能により、ビームの集束とビーム補足
角の拡大が容易になる。
装置の設計を簡素化し、装置の組み立ての精度を向上
させる場合は、システムに円板(あるいはそれに相当す
る支持構造)を追加し、円板の開口に束管放射導波管を
装着する。なお、自在X線導波管の長さと各円板間の距
離は、前述した制限事項の制限を受ける。1束の放射導
波管で構成するシステムから隙間で区切って重ね合わせ
た複数の二次面で構成するシステムに移行した方が製造
の合理化が可能で装置の組み立てと生産にかかわる労力
が低減できる。さらに、この方が焦点部分を微小化で
き、放射透過でのエネルギー損失も減少できる。
システムを伸張し放射源に対向する位置で縮小するこ
とにより、屈折点で二次面に正接する面を臨界反射角よ
り小さい角度にすると、準平行ビームの密度を増加させ
ることができる。
本装置のこのような実施態様は、放射ビーム制御性能
を効果的に向上させることができるので、競争力のある
装置および器機の設計に使用できる。
高エネルギー光子放射源で最も重要なものは、シンク
ロトロンである。シンクロトロン放射は、曲線パスで屈
折により荷電粒子を加速した時に放出される放射であ
る。放射エネルギーは、電子エネルギーまたは陽電子エ
ネルギーおよび曲率により決まる。一般に、シンクロト
ロン放射源は、スペクトルの真空紫外線およびX線の範
囲で放射するように設計する。クマコフのレンズは原理
的には光子エネルギーが0.1keV(λ〜100Å)という低
い値でも動作できるが、実際的には、光子エネルギーが
0.5keVから1Mev(λ〜0.01Å)で動作するように設計さ
れている。クマコフのレンズは、一定の種類の粒子に対
して働くが、シンクロトロンは粒子の放射源ではない。
この放射源の特長は強度が高く、エネルギー範囲が広く
かつ連続していることである。X線の強度は、ストレイ
ジリングで回転する電子(あるいは陽電子)の数(電
流)および屈折率の半径により決まる。光子の強度とエ
ネルギーは、ウィグラーと呼ばれる波動装置を使用して
高度化する。この装置は、交互信号の周期的磁気静電界
を使用して振幅が小さく周波数が高い垂直面でビームを
振動させることができる。光子のエネルギーは、非常に
低いエネルギー(可視)から最大エネルギーまで連続し
て広がっている。
シンクロトロンからの放射は、粒子ストレイジリング
内の曲率の高い曲がり管から光子が扇状に放出される。
扇の高さは、通常0.5から2mmの範囲である。幅は、数度
になることもある。例えば、ナショナルシンクロトロン
光源では、各地点での扇の幅は6度にもなる。したがっ
て、薄いベリリウムウィンドウを通り各ポートから放射
すると、6゜x1mmの幅になり、垂直方向の平行性が高
く、水平方向に発散する。このような放射を効果的に使
用するためには、複数のビーム線をこの狭い角範囲に密
集させ、そのそれぞれの線で1度ぐらいの放射を捕捉す
る。放射を使用する際の制限としては、ビームモノクロ
メータ、屈折鏡、および装置を6゜のくさびの範囲内に
置く物理的な空間が必要だということだけである。余裕
をとるためには、ビーム線を長くする場合が多い。その
結果、ビームの強度は、水平方向の発散のために減少す
る。
非同軸レンズを点放射源といっしょに使用することも
できる。同軸レンズと非同軸レンズを平行放射源(例え
ば、シンクロトロン)といっしょに使用することもでき
る。準平行放射源および拡張放射源を前述の放射源とい
っしょに使用することもできる。しかし、この技術は、
同軸レンズを点放射源といっしょに使用するだけに限定
されるわけではない。シンクロトロンの場合、レンズ装
置の入力端は、レンズに入力するX線の方向に合わせる
必要がある。点放射源を使用する場合、チャネルはすべ
て点放射源の方向に向けるが、平行ビームの場合は入力
端は通常並列になる。各点から等方向に発散する発散源
の場合、入力チャネルを並列にしても放射源の1点に向
けてもあるいはその中間の角度に設定しても構わない。
シンクロトロンビームは、水平面方向に発散する。
(例えば、ナショナルシンクロトロン光源のx17ウィグ
ラービームは、5mradの発散になる)。クマコフのレン
ズを使用すると、発散ビームを準平行ビームに変形する
ことができる。平行性は約0.1θcrで得られる。なお、
θcrは臨界屈折角である。例えば、30keVの光子に対し
てガラスc−52レンズを使用すれば、0.1mradの発散が
得られる。1例として、初期ビーム損失は約30%から40
%になる。
ここで推奨する光学装置では、シンクロトロン放射ビ
ームを、約1ミクロンほどの非常に小さい点に集束する
ことができる。このような微小点での強度は、104より
大きくすることもできる。
毛管光学を利用すると、高エネルギーの光子を高角で
回転させることができる。さまざまな材料とエネルギー
範囲に対して光子を90゜回転させた場合の透過係数の依
存関係を第18図に示す。10keVから30keVの光子を回転さ
せるには、強度を30%だけ失うだけで済むことが分か
る。このような高い効率が得られるのは、毛管の内部面
が高い反射性能を有していることに関係がある。
シンクロトロンビームは断面が小さく発散が少ない。
ビームの放射開始時点では約0.5mm×5mradかそれ以下
でこともある。このため、クマコフのレンズを使用して
発散が極端に小さなビーム幅を得ることができる。例え
ば、ルーイビルの理論に基づいてシンクロトロン放射ビ
ームをサイズがLの平行ビームに変形する場合、公式10
θ=Lθから発散θを得ることができる。10θ=0.
25mmxmradでL10cmの場合、θ=2.5x10-6radになる。
超平行シンクロトロンビームを得るためには、チャネ
ルの両端を逓減させてから広げる必要がある。
従来の装置を使用して高エネルギー光子または高エネ
ルギー粒子をフィルタリングするのは非常に困難である
ので、応用分野を広げたり放射源の種類を多様化するの
が難題であった。シンクロトロンのような平行ビームの
場合、結晶モノクロメータを使用すればモノクロビーム
を得ることができる。しかし、除去するのが非常に難し
い高エネルギー高周波が発生する。
クマコフのレンズの利点の一つは、広帯域の光子エネ
ルギーおよび粒子エネルギーを透過できることである。
一方、エネルギーの透過を制御する技術の応用分野は広
い。具体的には、レンズの素材を選ぶことにより放射を
選択して吸収したり、レンズの設計パラメータを変える
ことにより透過放射を選択したりすることができる。こ
のような制御は、光子や中性子のような粒子に対して適
用できる。前述した例はX線の場合である。
レンズ要素の間隔(円形断面の毛管から作成したレン
ズの場合、毛管の内径になる)およびレンズ要素の曲率
で透過帯域幅を制御する。一般に、間隔が狭く曲率が大
きい場合、高エネルギー光子の透過が増加する。間隔が
広く曲率半径が小さい場合、低エネルギー光子の透過が
増加する。一般に、透過が最適になるのは、 γ=R(θcr)2/2Dで、γ≧1.00になるときである。こ
の式で、Rはレンズ要素の曲率半径、θcrは全外反射の
臨界角、Dは毛管ベースレンズの場合個々の毛管のチャ
ネル幅をそれぞれ示す。効果的な透過帯域幅は、資材と
パラメータを選択することにより、数keVという値まで
小さくすることができるが、実際には約10keVから20keV
あるいはそれより大きいのが普通である。低エネルギー
光子電子多重散乱、コンプトン散乱、または高エネルギ
ー光子の熱拡散散乱により発生するバックグラウンド放
射を除去するためにエネルギー帯域幅を選択できるの
で、応用分野が広くなる。
レンズ要素の内部面を形成する素材を選択することに
より、透過光子のエネルギーを制御することができる。
例えば、銅でコーティングすると、約0.6keVから1keVお
よび6keVから10keVの範囲で光子は透過する。一般に、
低エネルギー光子は選択的に吸収されるが、ベリリウム
でコーティングすると、光子のエネルギーを100eVまで
下げて効果的な透過が可能になる。
ガラス製の毛管は、内部面が良好なので、反射係数は
θcr以上角で非常に高くなる。例えば、E=30keV(θc
r=1.11x10-3rad)で、単反射係数R1=0.995(θincid
=10-3)である。この値は研磨面の反射係数よりわずか
に高い。同時に、θ≧θcrで、反射係数は急減する。例
えば、θincid=1.1x10-3で、R1=0.987、θincid=1.2
x10-3では、R1は既に0.2に低下している。この数字は、
入射角で10%の変化があり、反射係数ではほぼ5倍減少
していることになる。
θcrに近いときにR1が急減するという現象は、光子が
複数のの反射をする場合、フィルタリングするのに効果
的に応用することができる。しかし、この技術を使用し
て選択フィルタリングをするためには、ビームの発散が
極めて小さくなければならない。この条件は正にシンク
ロトロン放射の特長でもある。例えば、NSLSでの垂直発
散は、10-4rad近くにまでなる。
E=30keVおよび33keVのときの高エネルギーのフィル
タリング計算結果を表1に示す。
表から明瞭に分かるように、反射数が10以上になる
と、33keVの光子の強度は、30keVの光子の5倍以上も減
少する。ところが、30keVの光子の強度は殆ど同じであ
る。
なお、上記の例では、1.1x10-3radの角度でビームを
直線毛管に入射したことに注意されたい。
この方法は、γ範囲を含む高エネルギーにも適用でき
る。
毛管を特別な形状(第19図)にすると、毛管の屈折点
近くで、光子が次々に壁に衝突し反射していく。この光
子をチャネル内にとどめておくためには、この新しい面
に対する入射角を臨界角より小さくする必要がある。高
エネルギー光子の反射角は小さいのでこの光子は毛管を
離脱してしまう。
点放射源からビームを発散させた実験結果を第20図に
示す。光子の透過は、E=33からE=40にかけて急激に
減少し、E=50では10-4になってしまう。
毛管の曲率半径を変化させると、フィルタリング境界
も変化する。半径を小さくすると、フィルタリングエネ
ルギーは減少し、半径を大きくすると、フィルタリング
エネルギーは増大する。
第20図に示した数値は、最初に実験した結果である。
毛管の形状をさらに工夫すれば、エネルギーフィルタリ
ングをもっと急減させることもできる。
ビームに対して毛管を一定の角度にして捕捉すると、
非常に狭い範囲のビームをカットして2つのビームを効
果的に分離することが可能になる。一つは、選択したエ
ネルギーより高いエネルギーのビームであり、もう一つ
は選択したエネルギーより低いエネルギーのビームであ
る。フレネル角より大きい角で面に衝突する光子の多く
は、材料をそのまま通過してしまう。もっと高いエネル
ギーの場合は、吸収される光子は極く僅かしかない。
この設計を応用する場合、ビームの発散は少なければ
ならない。良い結果を得るには、矩形の毛管1つまたは
複数の矩形毛管で構成するシステムまたは複数の平面を
使用する必要がある。
第21A図について説明する。初期平行ビームI0mが面口
または毛管面にθ角で衝突した場合、θcritical>θ
を有する光子が反射し、それより高いエネルギー、す
なわち、θcritical<θを有する光子は通過する。し
たがって、第21B図に示すようなスペクトル分布を有す
るI1とI2の2つのビームが得られる。
上記の技術を複数回使用すると、狭い帯域幅を修正す
ることができる。例えば、第21A図に示すビームI2は、
別の毛管、平面、または毛管システムに入射角θ(最
初に衝突した面より少し小さい角度)で衝突すると、θ
<θcritical<θを有する光子は、I3として反射す
る。I3のスペクトル分布は第21B図に示す。同様にして
この操作を繰り返すと、複数の帯域幅が選択できる。例
えば、第21B図のI5がそうである。1つのシンクロトロ
ンビームから複数の準モノクロビームを得ることができ
る。このビーム幅は、エネルギー幅/エネルギー率が数
10-2であり、エネルギーのビーム強度の損失が50%しか
ない。このようにして修正した帯域幅を使用すると、結
晶モノクロメータから得られるモノクロビームよりはる
かに流量の多い準モノクロビームを得ることができる。
そして、所望のエネルギーで狭い帯域幅のビームを複数
得ることもできる。
光子の強度は非常に強いので、入射する光子が極く僅
かであってもその吸収により温度が何百度にもなること
がある。時には、金属の融点を超える程高熱になり、非
常に大きな熱勾配を呈して、機械にひずみが出たり変形
したりすることも多い。この効果は、絶縁ウィンドウ、
回折結晶、または屈折鏡などの吸収で重大な問題にな
る。1つのクマコフのレンズの入力端で光子の流量と強
度を吸収するためには、さまざまな設計上の工夫が必要
になる。
第25図に示すように、中空の入力阻止バッフルを設け
て流体(液体または気体)で冷却したり、中実の入力阻
止バッフルを設けて面または周辺でコイルにより冷却し
たりすることができる。
放射線はレンズ要素の端に衝突し停止するので、その
放射線を阻止することによりレンズが加熱するのを防止
する。レンズ要素に入射する放射線が衝突するレンズの
壁が入口点と異なる位置になるのは、曲率がゆるやかで
あるためである。(透過する光子のエネルギーが最も高
い場合の全外反射は臨界角より小さい)。したがって、
斜め入射よりはるかに広い領域に分布する。
融点の高いガラス、セラミック、または金属でレンズ
を製造することもできる。例えば、純SiO2(石英)で製
造すると、融点が2000℃もの高温になるので光子の透過
に適している。レンズ要素のコーティング材料として
は、タングステン、シリコン、カーバイド、炭素などの
ように融点が高く熱伝導率も高い元素または化合物が使
用できる。
レンズ要素を冷却するには次の方法がある。
i:熱伝導率の高い固体でレンズ要素を覆い、バルクまた
は周辺部の開口部で液化ガスを通して固体を冷却する。
または断面積の大きな冷却フィンを特別にレンズ要素に
取り付ける。
ii:流体(液体または気体)の冷却剤をレンズ要素間に
通す。レンズを真空中で操作してもレンズ要素の壁が真
空障壁として機能する(第26図)ので冷却が可能にな
る。
iii:冷却ガスをレンズに通す。高エネルギーの光子を透
過するときに、ヘリウウのような冷却ガスを使用する。
ヘリウムは、熱伝導率が高く透過光子の断面での吸収率
が低い。
クマコフのレンズの利点は、放射ビームの方向と断面
を制御できることである。面を設計することにより、所
望のビーム断面を得ることができる。例えば、毛管を使
用してシンクロトロンから放射した場合、毛管または毛
管束(多重毛管)(第27図参照)の方向を調整すること
により四角ビームまたは円形ビームを放射するような薄
い矩形ビームを捕捉することは容易である。したがっ
て、元のビームの垂直寸法より大きい領域に放射しなけ
ればならない場合、シンクロトロンで応用できるという
利点がある。シンクルトロンビームを1mmから6cmの平行
ビームに広げても強度の損失は50%しかないのである。
シンクロトロンから放出される光子ビームのような形
にするために、透過レンズの入力形を構成することがで
きる。シンクロトロンの場合、この形は通常非対称にな
る。粒子ストレイジリングから正接して放射され、放射
界が扇状になるからである。しかし、放射源から放出さ
れるビームに合わせるために任意の形にすることは可能
である。
90゜以上の角度でビームを屈折させることにより、例
えば、水平方向の目標ではなく垂直方向の目標だけを照
射することも可能である。
ビームの向きを変えることができるので、ビームを分
割して分離することも可能である。ただし、この技術は
まだ実験段階である。
クマコフのレンズの一定の実施態様では、ビームの一
部が他の角より大きい角で通過したり、ビームの他の部
分より小さな半径で屈折するものがある。ビームの断面
で強度を制御する(通常は均一な強度を得るため)方法
については前述した。例えば、フィルタリングやチャネ
ルの一部の長さを選択的に伸張してビームの対応部分で
損失を増加させる方法について紹介した。しかし、この
2つの方法はいずれも損失を大きくすることにより強度
を制御するという欠点があった。すなわち、光子の強度
が下がると、レンズの効果も減少するのである。このよ
うな欠点を改善してビーム全体の強度を制御する方法と
しては、チャネル間の隙間を調整する方法がある。すな
わち、強度を下げる場合は間隔を大きくし、強度を上げ
る場合は間隔を狭くする。このようにして、光子を阻止
するのではなく再分配するのである。ただし、この方法
にはマイクロ均一性が減少するという欠点がある。
放射源には空間的に不安定なものが多い。例えば、シ
ンクロトロンビームは、一定のゆらぎを受ける。クマコ
フのレンズは、放射源の大きさを超えた領域からの放射
でも捕捉することができる。したがって、放射源の位置
がほんの少し変化した程度なら、クマコフのレンズから
放射される光子ビームの強度、平行性、および均一性に
は余り影響はない。この効果は放射源の空間的な位置を
安定化させることができる。
発散を小さくする目的で、入力端から扇状に広がる樽
状の毛管(第22図参照)が使用できる。この例で、放射
源のサイズが小さく、チャネルの曲率半径が大きい場
合、臨界反射角よりはるかに小さな発散を出口で得るこ
とができる。
焦点を小さくする場合は、レンズを収束させる(第23
図参照)。
放射の強度を高める場合は、第24図に示すような形が
使用できる。放射源の後ろに、樽状を半分にした形を設
けて、発散放射を準平行ビームに変形し、次に、円錐形
の毛管を配備する。この樽形を通った後の放射をθ
した場合、円錐形の広い部分の直径をd1、収束した部分
の直径をd2とした比率は、次のような関係になる。
d1/d2θcr/θ 上記の式で、θcrは完全外部反射(CER)角を示す。
X線光子に対する最小サイズd1は回折の制限を受けるの
で、〜c/wp(cは光速、wpはプラズマ周波数)となり、
その結果、約100Åとなる。イオンの場合、この寸法は
原子レベルの数値になる。
チャネルの断面は円形である必要はない。例えば、ビ
ームのエネルギー幅を狭くする場合、チャネルの側面は
平らなので矩形でもよい。複数の毛管、毛管束、多重毛
管の個々のチャネルでは円形ではない場合が多い。6角
形、四角形、3角形などの方が効率的に束ねることがで
き、その結果、レンズの断面でのオープン領域が大きく
なり強度も高くなる。
イオンを制御する場合レンズが最も効果的である。チ
ャネルを構成する材料またはチャネルのコーティングに
電気的な伝導性がある場合、静電空間電荷が累積しない
ので、イオンを排斥しないからである。そのため、面の
仕上げが非常に重要になる。
中性子を制御する場合、チャネル面をコーティングす
る材料としては、チャネルの断面で中性子を吸収する率
が高くないものを選択する必要がある。例えば、ホウ素
を含むガラス製の毛管は、中性子を吸収する率が極めて
低い。
クマコフのレンズを使用すると、複数の機能を同時に
実行することができる。例えば、1つのレンズで、発散
ビームを捕捉して準平行ビームを成形するだけではな
く、光子エネルギーを選択的にフィルタリングして、外
部チャネルでの損失を補正することができる。
クマコフのレンズでは、臨界外部反射(CER)角(波
長により異なるが半径が10-3レベル)より小さな入射角
で平滑面からX線を鏡面反射している。密接に並べた複
数の面で構成すると、X線に対する導波管の役目を果た
す。
クマコフのレンズをX線リソググラフィーとして利用
することもできる。すなわち、X線源およびマスクとウ
ェハの組合せの間にレンズを配置して、ビームと形、強
度、方向、およびエネルギー分配を制御する。クマコフ
のレンズは、密集した媒体の平滑な境界で複数の放射を
利用してX線ビームを制御する。この媒体は、特別な形
をいており、全外反射の臨界角より大きな角度ではビー
ムのかなりの部分を反射しないことが保証できるのであ
る。ウィンドウを使用し、真空または気体をシステムま
たはシステムの一部の媒体として選択するのが本発明の
一貫した特長である。
点光源のX線リソググラフィーの場合、発散ビームを
捕捉し、X線ビームを準平行ビームに変形し、マスク方
向に向けることができるクマコフのレンズを選択する。
本発明の実施例を第28図および第29図に示す。なお、第
29図に示す例の方がビームの強度を高めることができる
ので望ましい。レンズの構成は前述したいずれの構造で
も構わない。
リソググラフィーシステム(第30A図および第30B図を
参照)を使用すると、次のような利点がある。(1)放
射源を最大出力せずに強度を高めることができる。放射
源からの放射を固定角φで収集するので、放射源の出力
をもっと高めでウェハへ送ることができるからである。
レンズからの出力がほぼ平行なので、マスクまでの距離
が余り重要ではなくなる。なお、平行でないと、ビーム
の強度は距離の二乗で低下する。(2)装置の半径を拡
大しいで済む。ビームはその断面で、方向と発散が一定
であるので、マスクとウェハとの間の距離や平行性を非
常に厳密に調整する必要がなくなる。マスクを制作する
際に振れの補正をする必要がなくなる。(3)磁界を拡
大できる。磁界の大きさは、放射増幅または視差の制限
を受けないので、要件を満足するレンズを設計すること
により制御できる。7cmx7cm以上のビームを扱えるレン
ズが製造できる。(4)半影ぶれが減少する。S、L1
L2、およびL3に関わらず、ρ=2sinθとなる。端で広が
る毛管のようなレンズチャネルを使用すればさらに半影
ぶれを減少させることができ、その結果θも減少する。
(5)放射源の不安定さの影響を受けにくくなる。レン
ズがX線を同じ画像焦点領域から受け取り同じ方向にX
線を集束するので、多少、放射源の位置がずれてマスク
に送る強度に影響が出ても、ビームの方向、マスク、お
よびウェハの間の位置関係には影響を与えない。(6)
マスクと放射源とを分離する。クマコフのレンズを使用
することにより、準平行ビームが放出できるだけではな
く、放射源と試料を物理的に分離してあるので、放射源
から蒸着またはスパッターした材料の一連の視認透過も
マスクや試料には届かない。このことは、放射源として
電子ビームやレーザーを使用する場合に特に重大であ
り、プラズマの場合も問題になることがある。試料や薄
いマスクにほんの少量でも汚染があると、性能が低下し
たり寿命が短くなるからである。(7)帯域幅が選択で
きる。クマコフのレンズを使用すると、望ましくない光
子エネルギーのフィルタリングができる。通常、高エネ
ルギーの光子をフィルタリングするのは困難である。し
かし、クマコフのレンズを使用して、高エネルギー光子
のフレネル角(全外反射の臨界角)を超える反射角にす
れば、高エネルギー光子のフィルタリングが可能にな
る。光子エネルギーが大きくなるに伴いフレネル角を小
さくすれば、選択フィルタリングが可能になる。
レンズを円形毛管チャネルで構成している場合、レン
ズには離散チャネルがあるので、レンズを通るX線の強
度には第31図に示すように断面にはさまざまな形があ
る。これを補正するには、マスクから十分離れた位置に
レンズを配置すればよい。各チャネルから発散するビー
ムの角度が小さい場合、レンズの断面で強度を均一化す
ることができる。あるいは、その代わりにレンズを回転
してもよい。レンズの中心軸から最も離れたレンズから
放出されるX線ビームの部分は、通常強度が低くなる。
これはレンズの形状のためである。そこで、選択的にチ
ャネルの長さを変えることによりレンズを修正したりフ
ィルタを使用したりすれば、ビームの中心軸からの距離
が遠くなってもビームの強度の低下を避けることができ
る。
X線リソググラフィーシステムとしてシンクロトロン
を放射源に使用する設計では、クマコフのレンズを複数
使用して、発散ビームを捕捉してから準平行ビームに集
束するか、またはビームを再成形して操作が不要な二次
元領域に照射する。複合レンズまたはレンズを組み合わ
せて(第32A図および第32B図)、ビームの方向を変えた
り、ビームを分割して複数の方向に向けたり、エネルギ
ーの帯域幅の一部を選択したりする。これにより、ビー
ム形の修正、ビーム効率の向上、ビーム方向の変更、シ
ンクロトロンビームの切り替え、およびエネルギー帯域
幅の選択が可能になる。
シンクロトロンを放射源として使用するX線リソググ
ラフィーという設計は、点光源ではないリソググラフィ
ー源が利用可能になったとしても適用できる。
射影X線リソググラフィーとは、マスクとレジスト上
の画像との間に縮小があるX線リソググラフィーを指
す。これにより、画像から生成した装置の特長よりマス
ク上の特長を大きくすることができる。ただし、射影X
線リソググラフィーの市販可能性については実証されて
いない。
本発明の射影X線リソググラフィーは、毛管光学に基
づいている。第34図は、等方放射源を使用した実施態様
を示している。放射源の後ろにクマコフのレンズを配置
して発散ビームを準平行ビームに変形する。このビーム
はパターンまたはマスクに衝突しフィルタと2番目のク
マコフのレンズを通過してからレジストに到達する。フ
ィルタは必ずしも必要ではないが、断面が均一なレジス
トにビームを衝突させることにより、性能を向上させる
ことができる。補正をしないと、ビームは中央軸から離
れるに伴い弱まる。その理由は、毛管の角度が広がり、
ビームの損失が大きくなるからである。最初のレンズと
マスクの間、またはマスクと2番目のクマコフのレンズ
(第34図参照)の間のいずれかにフィルタを配置するこ
とができる。ビームの非均一性を実現する他の方法も利
用できる。
毛管の直径を減少させるようにマスクとレジストの間
にクマコフのレンズを配置する例を第35図に示す。毛管
の内径がd0からd1へ縮小するような実施態様が望まし
い。毛管の間の壁の厚さを縮小することにより、全断面
の一部または全部を縮小することもできる。しかし、そ
のようなレンズを製造することは非常に困難である。そ
のようなレンズを作るには、壁の厚さを内径より小さく
する必要があるからである。もちろん、一定の直径を有
する毛管を作ることは理論的には可能であるが、入口か
ら離れ出口に直近した位置に配置しなければならない。
本発明装置をサブミクロンのリソググラフィーで使用
するためには、d1を所望の機能寸法の数分の1にする必
要がある。d1の最小値をc/wpより小さくすることはでき
ない。なお、cは光速、wpは毛管の材料のプラズマ周波
数をそれぞれ示す。c/wpの値は、ほぼ100Åに近い。d1
が余りに小さい場合、回折発散が大きくなりすぎる。例
えば、E=1keV、λ(波長)12Å、d1=120ÅのX線
は、回折発散θは約10-2rad(θ=λ/d1)になる。毛管
の断面が円形である必要はない。
クマコフのレンズから一定の距離にレジストを配置す
る必要がある。この距離はL=d/θ以上であり、dは毛
管の壁の厚さ、θはクマコフのレンズから放出されるビ
ームの発散をそれぞれ示している。この条件は、近隣毛
管からビームを混在させるのに必要である。同時に、お
互いに離れている毛管からのビームを混在できなくなる
程Lを大きくしてはならない。
そのような装置をシンクロトロンと一緒に放射源とし
て使用することもできる。シンクロトロン源を使用する
場合、マスクの前にクマコフのレンズを置かなくてもよ
い場合がある。しかし、シンクロトロン源とマスクの間
にクマコフのレンズを配置する実施態様が望ましい。前
述したようにこのレンズを使用してビームの断面の形を
変えたり、ビームの方向を変えたり、エネルギー帯域幅
を制御することができる。
もう一つの実施態様を第34図に示す。この実施態様で
は、マスクもパターンも別々の要素ではなく、クマコフ
のレンズの端または中に組み込んである。
クマコフのレンズは分析器機に適している。毛管の直
径が200から400ミクロンのレンズが、多くのXRF分野で
必要となるエネルギー範囲より低い500eVから10keVのX
線の透過に適している。
クマコフのレンズには次の3つの種類がある。一つ
は、発散ビーム集中器(第36図)で、発散X線放射源か
ら数10度の開口角で放射線を集め、集束ビームに変える
ものである。必要なら、ビームを微小点に集束させるこ
ともできる。(放射エネルギーおよびレンズの設計によ
り異なるが、直径が100ミクロン以下にすることも可能
である)。もう一つは、平行ビーム集中器(第37図)
で、平行ビームを集め、集束ビームに変えるものであ
る。さらに、準平行ビーム成形器(第38A図および第38B
図)で、発散ビームを準平行ビームに変えるものであ
る。現在利用できるレンズでは、発散角が全外反射の臨
界角の約1/2に等しいものが多い。もっとも、特別なレ
ンズを使用すれば、発散を10-4半径以下にまで減少させ
ることも原理的には可能である。準平行ビーム成形器の
場合、チャネル縦断面に沿った曲率が1つの方向しかな
いものもある。実際は、発散ビーム成形器(第38A図)
の半分である。準平行ビーム成形器の場合、曲率を複雑
にして、もっと小さい領域に準平行ビームを集束させる
こともできる(第38B図)。
特別な応用目的に対応するためにさまざまな形態が可
能である。例えば、複合曲率を変えて焦点距離を長くし
たり、レンズの設計を変えてビームの方向を変えたり、
分割したりすることもできる。確かに、断面の形状とし
ては、平面、四角、矩形など任意な形が可能であるが、
円形が望ましい実施態様である。
X線蛍光(XRF)装置は、試料から放出されたX線を
測定する装置である。元素の相対的な存在度を非破壊的
にかつ定性的に測定する。XRF装置にクマコフのレンズ
を組み込むと性能を向上させることができる。クマコフ
のレンズをX線に対して使用すると、収集角の拡大、ビ
ームの平行化、バックグラウンドX線の減少、ビームの
発散、明確に定義した微小領域からの集光などができ
る。クマコフのレンズをXRF装置といっしょに使用する
と、感度の向上、測定時間の短縮などの利点がある。さ
らに、放射源、コリメータおよび検出器などの装置構成
要素の仕様の厳格度を緩和できるので、コストの低減や
空間解像度の向上に役立つ。また、試料の内部を測定す
る非接触型のXRF分析などという全く新しい機能も実現
できる。
XRF分析でクマコフのレンズを利用する形態には次の
3つがある。1)X線を集め試料に集束して入射する。
2)試料から放出された二次X線を集めて集束する。
3)上記の両方の機能をする。
放射源と試料の間にクマコフのレンズを配置した例を
第39図に示す。現在使用されているコリメータと比較す
ると、入射X線ビームを試料に集束することにより、局
所化領域分析において強度と空間解像度が大幅に向上で
きる。例えば、市販されているEDXRFシステムで可能な
解像度は0.25x1.25mm2であるが、クマコフのレンズを使
用した例では、空間解像度が最大30ミクロン(0.03mm)
までが可能であり、強度は少なくとも200倍増大する。
なお、レンズを使用しない場合、放射源と試料との間の
距離はもっと近くなることを考慮している。クマコフの
レンズを使用した実施態様では、強度が高くなり焦点が
小さくなるだけではなく、試料の回りに空間的な余裕が
あるので、コリメータから放出される二次X線によるブ
ロック効果やバックグラウンド放射などの問題を回避す
ることができる。X線放射源が二次対象X線蛍光分析
(STXRF)としての一時放射源ではない場合、クマコフ
のレンズを使用することが重要である。一次源と二次源
の間にレンズを配置すると、二次源からの放射を増加さ
せることができる。さらに重要な点は、二次源と試料の
間にレンズを配置することもできるということである。
試料をスキャンするのは、レンズと放射源を移動するか
または試料を移動すればよい。分析−領域−検出器とい
う形態では、試料を移動する方が望ましい。
多くの適用形態では、試料の全部または一部で平均化
することが望ましい。レンズで集束ビームを成形する場
合、レンズと試料の間の距離を変えることにより分析領
域や励起領域の大きさを調整することが簡単にできる。
レンズと試料との間を距離を長くすると、照射される領
域も拡大する。この場合は、試料−検出器の形態を保持
するためには試料ではなくレンズを動かした方が望まし
い。
同じ時または別な時に複数の放射源を使用する場合、
複数のレンズを使用して試料の照射を正確に制御するこ
とができる。通常、同じ領域を照射するように制御す
る。
選択した領域だけを励起するように試料を位置づける
には、通常X線源を配置する位置に別の電磁放射源を一
時的に配置すれば、簡単に実現できる。したがって、励
起対象領域を直接判定することも可能になる。可視光源
を使用して領域を直接見ることが望ましい実施態様であ
るが、別のスペクトルを使用して計測器で観察すること
もできる。
試料と検出器の間にレンズを配置する構成例を第40A
図と第40B図に示す。この構成例では、試料の選択対象
点から放射されるX線レンズで集めて、選択領域分析に
使用することができる。全試料からの放射を集めるEDXR
FまたはWDXRF検出器を使用して測定値を平均化すること
も同時に実行できる。試料と検出器の間に配置されたク
マコフのレンズは、帯域フィルタとして機能する。すな
わち、低エネルギーまたは高エネルギーの放射を除去し
たり、より小さな領域の使用だけを可能にしたりでき
る。したがって、値段が安く容量は小さいが、EDS検出
器(第40B図)の解像度が高くなる。WZDXRFの場合、試
料と結晶の間および結晶と検出器の間にレンズを配置す
ることができる。これらのレンズを使用すると、吸収損
失が高いという現在のシステムの問題を改善して平行性
を向上させることができる。
放射源と試料の間および試料と検出器の間にそれぞれ
1つづつレンズを配置した例を第41A図と第41B図に示
す。検出器の側と放射源の側にそれぞれ1つづつレンズ
が配置されているという利点がある。この例では、第41
B図に示すように、最初のレンズの対象焦点および2番
目のレンズの画像焦点の合流点で、測定試料の容量が定
義される。試料を動かすことにより、試料の内部に焦点
を合わせることもできる。このようにすると、3次元マ
イクロビームX線蛍光分析が可能になる。クマコフのレ
ンズを使用しなければ、放射源や検出器を大きくした
り、コリメータを放射状に配置したりする必要がある。
しかし、光子のカウント率が低いし、二次放射や分散と
いう問題が発生する。クマコフのレンズを使用すれば、
焦点を30ミクロン、さらには3ミクロン程に小さくする
ことができる。
クマコフのレンズの焦点距離はかなり長く、試料領域
に対して比較的大きな収集角を可能にしている。したが
って、第42図に示すように、さまざまな測定器機を組み
合わせて1つの装置を構成することができる。この図は
完全な器機構成を示すものではなく、一部またはその組
合せでさまざまな機能が実行できることを示している。
クマコフのレンズを利用した高度なXRF応用例を第43
図に示す。この例では、クマコフのレンズで準平行ビー
ムを生成し、次にモノクロ結晶でブラッグの回折を実現
している。単エネルギービームを平行化してから、単結
晶試料でブラッグ回折を行う。回折ビームを直接測定す
ることもできるし、2番目のクマコフのレンズで集めて
から集束することもできる。試料から放出される蛍光放
散を集めて直接分析することもできるし、クマコフのレ
ンズを通してから分析することもできる。X線定在波を
放出している例を43図に示す。X線定在波を蛍光X線と
いっしょに使用すると、結晶バルクまたは結晶面または
結晶境界面で不純原子の位置を正確に(0.05オングスト
ロームより小さい精度)判定したり、格子熱振動振幅お
よび異方性を判定したりすることができる。モノクロメ
ータ結晶から回折角に応じて、回折X線ビームを偏光す
ることもできる。このような偏光ビームをXRF測定器で
使用すると、バックグラウンド放射を減少し、感度を向
上することができる。
クマコフのレンズは高感度デジタル減法分析に適して
いる。2つの異なる波長のX線を試料領域に順番に照射
して検出したX線放射を減法することにより、バックグ
ラウンド放射を除去して高感度を実現することができ
る。2つの異なる波長のX線を得るにはさまざまな方法
がある。例えば、放射源と試料の間でX線をフィルタリ
ングする。モノクロメータを使用して波長を選択する。
二次放射源を2つ使用する。クマコフのレンズを使用し
て帯域幅を修正する。ラウエジオメトリの結晶を使用す
ることもできる。2つ以上の波長を得るには、モノクロ
メータを使用して角度を変えて異なる波長を回折させれ
ばよい。感度を最大化するには、試料を励起するのに使
用する2つの波長を元素の波長または対象となる化合物
の波長にできるだけ接近させればよい。
2つの放射源を使用してそれぞれの放射源をほとんど
同じ位置または同じ軸上の位置に順番になるように移動
した場合、放射源と試料の間に配置した1つのレンズを
使用して感度を上げて同じ試料対象点を励起することが
できる。2つの放射源を使用してそれぞれの放射源の位
置を分析作業中変えない場合、2つのレンズまたは複合
レンズを使用して感度を上げて同じ試料対象点を励起す
ることができる。放射源を1つだけ使用する場合、帯域
フィルタリング特性が異なる2つのレンズを使用して、
2つの異なる波長を獲得して試料を照射することもでき
る。放射源を1つと複数のブラッグの回折結晶を使用す
る場合、放射源と結晶の間にレンズを配置すれば、強度
を上げて、ビームの発散を減少させ、ビームを成形する
ことが可能になる。結晶と試料の間にレンズを配置すれ
ば、強度を上げて、励起する試料の領域を変えて同じ試
料対象点を励起することができる。一次放射源を1つま
たは複数用意して、複数のの二次放射源といっしょに使
用する場合、一次放射源(1つまたは複数)と二次放射
源の間にレンズを配置すると、強度を上げ、二次放射源
の焦点の大きさを減少させることができる。二次放射源
は、別々に固定した位置に置くこともできるし、移動さ
せてほぼ同じ位置に順番に配置することもできる。二次
放射源と試料の間にレンズを配置すると、強度を上げ、
試料の同じ領域を励起し、励起する試料の領域の大きさ
を調整することができる。
本発明の先行技術として、ゲーティンゲンのX線顕微
鏡がある。(参考文献:X線顕微鏡(X−ray microscop
y)、ゲーティンゲン(Goettingen)、9月14−16、196
3年:編集者S.シュブォール(Schwall)、光学サイエン
ス春期号(Spring Series in Optical Sciences)、第4
3巻。シュプリンガ−ファーラグ(Springer−Verla
g)、ベルリン、ハイデルベルグ、ニューヨーク、東
京、1984年)この顕微鏡は、他のどのX線顕微鏡より空
間解像度と明るさが優れている。しかし、残念ながら、
このシステムは大変複雑で高価であり、しかも強度の損
失が大きいので、シンクロトロンから放射されるような
平行ビームが必要であった。
クマコフのレンズを有するX線管のような普通のX線
放射源といっしょにこのX線顕微鏡を使用することもで
きる。すなわち、放射源の後ろに配置して発散放射を準
平行ビームに変形する。次に、円錐形の毛管を1つ配置
する(第44A図)。クマコフのレンズを通過した後の焦
点領域が広い場合、円形の毛管を複数用意する(第44B
図)。
必要があれば、複数の毛管を曲げたシステム(第45
図)を使用して、クマコフのレンズを通過した放射を集
束してもよい。装置の毛管を一定の距離に対して断面が
一定になるようにして、焦点に近付くにつれて円形に曲
げることもできる。制動放射、チャネル放射、プラズマ
放射、レーザープラズマ放射などを放射源として使用す
ることができる。
シンクロトロン放射(SR)を放射源として使用する場
合、モノクロメータを使用してモノクロ放射を選択して
から円形毛管に通すこともできる。SRは非常に強力なの
で毛管の壁で損失があると、毛管の内面が加熱すること
がある。毛管の直径が最小の部分が最も加熱する。この
問題を避けるためには、円形の角度を毛管の直径に比例
して小さくしていくとよい。効果的に集束するには、円
形の角度を全外反射の臨界角(フレネルの角度)より小
さくするとよい(第46図参照)。このようにすると、ゲ
ーティンゲンのX線顕微鏡より数倍効果が向上する。
発散放射源を使用する場合、各毛管が樽状に曲がって
いるクマコフのレンズ(第47図)を使用することもでき
る。毛管の直径は端が小さく中央が大きいという特徴が
ある。各毛管およびシステム全体の表面は、対応する投
射平面が周辺の1セクションになるように成形する。放
射は外面に沿って透過する(第48図)。レンズの直径は
入口と出口で等しくなるようにすることが望ましい。こ
のような光学システムを作成する場合、焦点の大きさが
個々の毛管の端の大きさに近くするのが理想的である。
実際には、1μmより小さくすることができる。X線顕
微鏡で影像を視覚化するのに、X線ビジコンなどの方法
がある。プロトタイプのX線顕微鏡の空間解像度には約
100Åの回折という物理的な制約がある。
このX線顕微鏡は、放射電子のエネルギー分析器のよ
うな計測器といっしょに使用することもできる。さら
に、クマコフのレンズといっしょに発散放射源を使用す
ることもできる。クマコフのレンズで平行ビームを成形
し、帯域板にビームを通して放射を集束させるのであ
る。この場合、焦点の大きさが毛管の大きさの制限を受
けないので、焦点を非常に小さくすることができる。
第44A図から第48図までを参照してイオン顕微鏡に応
用することもできる。X線光学装置の内面と円形毛管を
導電層で覆うことにより、ビームが静電空間荷電でブロ
ックされるのを防止する必要がある。内面からの反射イ
オン係数を最小にするためには、毛管でできるだけ平滑
にする必要がある。この平滑さは、X線よりイオンの場
合もっと重要になる。イオン顕微鏡の空間解像度の物理
的な制約は、原子レベル、すなわち、約1Åである。
焦点部分では高い強度が得られるので、例えば、イオ
ン蒸着やリソググラフィーのような技術にこの顕微鏡を
利用することもできる。
中性子を放射源として使用し、毛管の素材または毛管
の内面の覆いを中性子を吸収しない材料で構成すれば、
第44A図から第48図までで紹介したシステムを中性子顕
微鏡として使用することもできる。
電子顕微鏡分析は、X線蛍光と非常に似ているが、X
線ではなく電子を照射する点が異なっている。電子を使
用すると、小さな領域を励起することができる。この電
子顕微鏡は、試料と検出器の間に1つまたは複数のクマ
コフのレンズを配置するX線蛍光装置と一部にていると
ころがある。
試料と検出器の間にレンズを配置した例を第40A図に
示す。電子顕微鏡に応用する場合、X線の代わりに電子
を使用すればよい。この例では、試料の選択点から反射
するX線をレンズで集めているので、分散によるバック
グラウンド放射が少ない。試料と検出器の間にクマコフ
のレンズを配置すると、帯域フィルタとして機能させる
こともできる。帯域フィルタは、低エネルギーまたは高
エネルギーで放射をカットしてより小さな領域を使用で
きるように設計した装置である。したがって、値段も安
く、静電容量も小さい(解像度は高くなる)エネルギー
発散型検出器になる。WDXRFの場合、試料と結晶の間に
1つ、結晶と検出器の間に1つレンズを用意する。この
ようにレンズを配置すると、吸収損失が高いという現在
のシステムの問題を回避して平行性を高めることができ
る。(第40B図を参照)。
試料から反射されるX線の角分布を評価する技術とし
てX線回折が広く利用されている。試料が単結晶以外の
場合、例えば、粉末の場合、試料を照射するにはかなり
平行性の高いビームが必要になる。単結晶の場合、集束
ビームを使用することもできる。
X線の角分布は現在研究中なので、クマコフのレンズ
を使用して、試料から発散光を集めて平行ビームまたは
集束ビームを成形する方法が役立つかどうかは必ずしも
断言できない。ただし、放射源と試料の間にクマコフの
レンズを配置すると、所望分析に必要な断面の大きさお
よび形に合わせて平行ビームまたは集束ビームを変形す
ることができるという利点がある。さらに、不要な光子
エネルギーをフィルタリングしてからX線を試料に照射
できるという利点もある。この場合、レンズを組み合わ
せたりクマコフのレンズチャネルを曲げたりする設計が
必要になる。例えば、低エネルギーを吸収する材料を使
用して高いエネルギーをフィルタリングしたり、クマコ
フのレンズを使用して帯域幅を修正したりする必要があ
る。
クマコフのレンズを使用すると、試料から反射される
平行X線を集めてその光子を検出器に集束させることも
できる。この構成は、試料から反射されるX線の角範囲
が狭い場合だけに適用できる。この場合、通常の平行化
に固有な損失がなく、また検出器も小さいものでよい。
X線回折で説明したのと同じジオメトリが中性子回折
にも適用できる、例えば、エネルギーの帯域幅を制御す
るフィルタリングも同じである。しかし、クマコフのレ
ンズを中性子に対して使用する場合、中性子を吸収する
度合が低い材料でレンズを作るかまたはコーティングす
る必要がある。例えば、ホウ素は、中性子を吸収する度
合が高いのでホウ素を含む材料は好ましくない。
医療装置の場合、放射源と対象物の間にクマコフのレ
ンズを配置することもできる。なお、ここでいう対象物
には、患者(人間または動物)、生物、化学物質、材料
などが含まれる。医療装置の場合、発散ビームの一部ま
たは平行ビームを捕捉するように設計することもでき
る。一旦捕捉した後は、所望の断面を有する形に変形す
ることができる。画像処理の目的では、断面が対象領域
を画像化するのに十分大きい場合矩形が一般的である。
好ましくない放射レベルをフィルタリングできるよう
にレンズを設計することもできる。例えば、X線の場
合、高エネルギー(よりハードな)X線をフィルタリン
グにより除去することが望ましい。次に、レンズのパラ
メータを調整して平行性(分散の減少)を実現する。応
用形態に応じて、集束ビーム、準平行ビーム、または発
散ビームを生成する。画像処理用には、平行ビームを生
成できるクマコフのレンズを有する装置が望ましい。治
療用には、集束ビームを生成できるレンズを有する装置
が望ましい。例えば、体腔のような人体の中で直接接触
することができない部分に放射を向けられるようにレン
ズを構成することもできる。複数のレンズを使用して複
数の機能を実現することもできるが、1つのレンズを使
用することが望ましい。
放射源と患者の間にクマコフのレンズを配置する医療
装置の場合、ビームを他の面に衝突させてから患者に照
射することもできる。反射ビームを利用した実施態様を
2つ紹介する。実施態様の一つは、発散放射源から放射
をレンズで捕捉して、強力な準平行ビームを生成し、そ
のビームをモノクロビーム反射面(例えば、ブラッグ回
折から得る)に照射する。その結果、帯域幅の狭いビー
ムが得られる。このビームの強度はクマコフのレンズな
しでは得られない。もう一つの実施態様は、発散放射源
または平行放射源からの放射利用するものである。ま
ず、クマコフのレンズで放射を捕捉して、材料に対して
集束させる。その結果、その材料固有の放射特性を放出
する。例えば、強度が高く帯域幅の広いX線を純粋な材
料に照射する。その結果、一旦X線を吸収してから、そ
の材料固有のエネルギーレベルで強度の高いX線を放出
する。他のエネルギーレベルでは放射がほとんどないの
で、エネルギーレベルに固有で精度の高いビームが必要
になる。対象物以外の材料に放射を向ける場合、対象物
と照射材料の間にクマコフのレンズを配置することもで
きる。この構成の場合、ビームの成形、平行化、フィル
タリング、方向の制御、発散などが望ましい。
医療装置の場合、対象物と検出手段の間にクマコフの
レンズを少なくとも1つ配置することができる。この配
置には、次の利点があります。(i)平行ビームを成形
する(分散によるバックグラウンド放射が減少する)。
(ii)少なくとも1つの検出器に向けてビームの方向を
制御する。(iii)必要な検出器の大きさを小さくでき
るようにビームを集束したり、位置感度の高い検出器を
緩和するためにビームを拡大する。
本発明装置は次の装置にも適用できる。本発明のさま
ざまな側面について特定の実施態様を元に説明してき
た。これまで述べてきた原理は提示した実施態様だけに
限定されるものではない。
クマコフのレンズは、血管造影装置のさまざまな放射
源といっしょに使用することができる。また、回転対陰
極のさまざまな放射源またはパルスX線放射源をその装
置で使用することもできる。例えば、回転対陰極源を使
用した場合、有効焦点の大きさは、1 x 1mm2以下の
レベルになり、回転対陰極源の線形速度は、100m/sにな
る。ヨウ素線(例えば、ランタン、セリウム、ベリリウ
ムなど)に近い特性を有する物質で陰極を構成すること
もできる。電子のエネルギーが約500kevから約600kevの
間で、電流が0.5Aであれば、非常に短い期間で十分な数
の光子を得ることができる。
従来のフィルタを使用するこの方法(いわゆる「二重
化」)は既に提案されている。しかし、残念ながら制動
放射の問題が未解決であり、濾光がほとんど不可能であ
る。さらに、光子ビームが放射源から等方に発散するの
で、結晶モノクロメータが有効には使用できない。
本発明を血管造影に適用した例を第50図に示す。本発
明ではX線光学装置を放射源の前に配置する。この例で
は、発散ビームを所望の大きさ(普通、約15x約15cm)
の準平行ビームに変形する。同時に、放射のハードな部
分をフィルタリングする。
X線光学装置の後ろに、ラウエジオメトリの結晶モノ
クロメータを2つ配置する。ここで2つの特性ビーム
(ヨウ素吸収線の前後)を回折する。次に、結晶と検出
器の間に対象物を置く。
典型的な実施態様では、クマコフのレンズを使用し
て、等方ビームの10-3分を集めて、約0.5mradの発散を
有する準平行ビームに変形する。この発散および約20cm
の厚さを有する対象物の場合、空間解像度が(700/20
0)ミクロンが得られる。全光子数が約3から5x1012
あるビームが約10-2sの間に対象者の体に照射される。
放射量は、数レントゲンである(すなわち、従来の血管
造影法やりはるかに低い量である)。しかも、照射時間
が約10-2sしかかからないので、心臓の筋肉の収縮によ
る影像のぶれもない。この方法の利点は、カテーテルを
使用してヨウ素を心臓に注入する必要がないことであ
る。これは、安全な濃度のヨウ素を腕の静脈から注入す
ることができるからである。
本発明の実施態様として血管造影装置にクマコフのレ
ンズを使用する方法はその他にもまだある。ラウエジオ
メトリで結晶モノクロメータを使用する代わりに、非対
称にカットした結晶をモノクロメータとして使用するこ
ともできる。例えば、クマコフのレンズを使用して、強
力な準平行ビームを2つ生成する方法がある。(第51図
にこのビームの1つのパスを示す)。次に、各ビーム
は、非対称形にカットした結晶で反射する。この結晶
は、ブラッグの反射により所望のエネルギーのX線光子
を選択して、1つの方向のビームの大きさを増大できる
ように設計する。次に、ビームが、非対称形にカットし
たもう一つ別の結晶で反射して、同じ光子エネルギーを
反射して、別の方向のビームの大きさを拡大できるよう
に設計する。この結果、断面が大きく、帯域幅が非常に
狭いビームが生成できる。このビームを対称物に照射す
る。レンズから放出される2番目のビームを分光して別
のエネルギーにすることにより、2つのビームのエネル
ギーで対象となる吸収エネルギーを覆う。2番目のビー
ムは、最初のビームと似たようなパスを通り、対象物の
位置で最初のビームと交差する。
クマコフのレンズを使用したコリメータまたは他のコ
リメータを患者の前または患者と検出器の間に配置する
と、解像度を向上させることができる。患者の後ろにコ
リメータを配置しても空間解像度の損失を減少させるこ
とができる。しかし、この方法では解像度は向上する
が、光子数が少し減少する。
デジタル減法血管造影法では、患者から十分離れた位
置に検出器2つ配置することもできる。この方法では、
2つのビームの角度が相違するので、2つのビームが重
ならないだけ十分距離を開けて分離することができる。
代替方法としては、1つの検出器を対象に極めて接近さ
せて配置することもできる。この場合、対象から検出器
までの距離が非常に狭くなるので、空間解像度がかなり
向上する。これは、ビームの発散による影像ぶれが減少
するからである。本発明の以前は、この方法をデジタル
減法血管造影法に使用するのは困難であり、実際的では
なかった。
対象から発散がある場合、コリメータを使わなければ
解像度が減少してしまう。2つのビームをお互いの角度
を変えて患者に照射すると、従来のコリメータでは各ビ
ームをブロックしてしまう(第52図を参照)。交差する
ビームが形成する面にスリットを有するコリメータを使
用すれば、2つのビームを通過させても損失が少なくて
済むし、コリメータのスリットに平行でない発散放射を
吸収することができる。
デジタル減法血管造影法で1つの検出器を使用する
と、さらに重大な問題が発生する。それは、2つのビー
ムから放出される光子を区別することができないからで
ある。2つのビームの光子エネルギーが相違していて
も、その相違が極く僅かなので(200eVほどの小さ
さ)、二次元位置感度検出器では区別できないのであ
る。
それぞれの光子ビームに標識を付けることにより2つ
の光子を区別する方法もある。この方法を採用した例を
第53図に示す。透過検出器AまたはBとCとの間で透過
時間の相違を比較することにより、光子がどちらのチャ
ネルを通過してきてのかを識別することができる。位置
判定検出器で光子の位置情報を記録するときにこの標識
を付けることができる。この情報を使用して記録した影
像をそれぞれのビームごとに識別することにより、デジ
タル減法血管造影を実施する。透過検出器には、薄いシ
ンチレーション結晶など、さまざまな種類がある。位置
判定検出器が十分高速な場合、透過検出器Cの代わりに
使用することもできる。
この方法には光束量の制約がない。ビームを分離して
単一のエネルギーを有する光子だけが一定の時間内に到
達するかからである。例えば、2つのビームを交互に放
射したならば、位置判定検出器に到達する光子の情報を
それぞれのビームとは独立して蓄積することができる。
次に、デジタル減法血管造影法による画像処理にこの情
報を使用することができる。この方法では、位置感度検
出器が少なくとも1つあればよい。モノクロメータに衝
突する広いスペクトルビームを1つ使用してエネルギー
を分割してから、明確に定義した時間間隔でやはり明確
に定義した2つの位置でモノクロメータを固定するとよ
い。モノクロメータを2つのいずれかの位置に配置し
て、異なるエネルギーを有する光子を選択する。位置判
定検出器で収集したデータを検出器の位置情報と照合す
ることにより、それぞれのエネルギーを有する2つの光
子のデータを別々に収集することができる。モノクロメ
ータが動作中に到達した光子の情報は収集できない。ビ
ームが不安定であったり、モノクロメータが動作中であ
ったりした場合、モノクロメータを非常に短時間でロッ
クしたり解除したりすることができる。それぞれのエネ
ルギーごとのデータを時間で平均化し、エネルギー間で
不偏化することにより、デジタル減法血管造影用のデー
タにする。ブラッグの回折結晶、多層装置、ラウエのジ
オメトリに基づいた結晶回折などさまざまなモノクロメ
ータが使用できる。
広い領域でデジタル減法血管造影法による画像処理を
応用する望ましい実施態様を第54図に示す。広いエネル
ギースペクトルを有する準平行ビームをクマコフのレン
ズで成形する。ラウエのジオメトリの結晶モノクロメー
タでビームを回折する。モノクロメータビームを患者に
照射する。ビームをコリメータに通して、発散した光子
を除去する。位置感度検出器で光子の位置を記録する。
異なるエネルギーを有するビームを得るには、モノクロ
メータを僅かに回転させて、ビームに対する角度を変え
ればよい。回転させるには、結晶に衝撃を与え、圧電性
結晶で回転を駆動させる。方向を変えるには、初期ビー
ムから僅かにずれた角度で僅かに異なるエネルギーを有
するビームを結晶で回折させればよい。血管造影などに
応用する場合、短時間で結晶のロックと解除を繰り返せ
ばよい。光子の位置データは、2つの位置に対応するそ
れぞれのエネルギーごとに集めることができる。この実
施態様では、次の方法で、放射源の相違や解像度の低下
を防ぐことができるという利点がある。すなわち、十分
平行化した準平行ビームで強度の高いビームを使用す
る。角度が僅かに相違する2つのビームを用意する。エ
ネルギーがほぼ等しいビームを2つ用意する。対象物と
検出器との間の距離を最小にする。
上記の技術は、任意のデジタル減法画像処理に応用で
きるのであて、冠状血管造影法だけに限定されるもので
はない。従来の血管造影装置にクマコフのレンズを利用
してもかなりの利点がある。放射源から固定した広い角
度で放射を集め、発散ビームを平行ビームに変換するこ
とにより、光子の光束を増加することができる。光束が
高くなればなるほど、画像を獲得できる時間が短くなる
という利点がある。したがって、動きに対する人工的な
制約がなくなる。さらに、ビームの強度が高く、平行性
が高いので、帯域幅の狭いエネルギーを選択して対象物
に照射することができる。対象識別剤の吸収線より低い
エネルギーを有する広い帯域幅ではなく、吸収線より僅
かに狭い帯域幅を使用することにより、より高い内容が
得られる。狭い帯域幅を得る最も一般的な方法は、モノ
クロメータを使用する方法である。
ビームの強度を向上し(したっがて、解像度も向上す
る)、露出時間を短縮すると、使用するエネルギー帯域
幅を広げることになる。非常に狭い帯域幅をモノクロメ
ータで選択する。ゲルマニウムのような結晶を使用し
て、シリコンより広い帯域幅を選択しても、帯域幅は非
常に狭いままである。この非常に狭い帯域幅は、元のビ
ームのその他の光子はすべて除去されてしまうので、低
光束になる。選択したエネルギーでの帯域幅を一定量だ
け増加すると、光束をかなり増加させることができる。
しかも、対象識別剤の吸収線から得られる対比も殆ど目
に見えるほどの減少はないのである。クマコフのレンズ
を使用して帯域幅を選択する例を第55図に示す。このよ
うな帯域幅の選択手法は、対象識別媒体を使用した従来
の画像処理やデジタル減法画像処理でも重要である。デ
ジタル減法画像処理では、帯域幅を2つ使用する。一つ
は対象識別剤の吸収線の直上で、もう一つは直下になる
(第56図を参照)。
このような利点(照射量が極めて少なくて済む、解像
度が高い、プローブを使用しないので安全、コストが低
い)があるので、住民の大量診断などに効果的である。
シンクロトロン放射(SR)を使用すると、患者に照射
する放射線の量を低くすることができる。例えば、シン
クロトロン放射源を使用した場合、放射量は、約2x1011
光子になる。この量は、上記で述べた装置を使用した場
合よりほぼ1桁少ない値である。これは、結晶−モノク
ロメータのおかげで、シンクルトロンの連続スペクトル
から2つの線を選択するからである。この線は、ヨウ素
の吸収線に極めて近くなる。デジタル血管造影対比は、
約1/(△μ)である。この式で、△μは、ヨウ素吸収
係数と使用した2つのビームのエネルギーとの差であ
る。元素の特性線は、シンクロトロン放射から選択した
線よりヨウ素吸収線から選択した線の方が離れている。
そのため、シンクロトロン放射を有する装置より大量の
光子を使用することができる。
対象物に放射線を大量に照射しなければならないとい
う血管造影法の問題点は、制動放射スペクトルを使用せ
れば改善できる。なお、制動放射は、電子を加速(最大
10meVまで)して目標に照射すると、発生する。
次の計算をする。10meVエネルギーを有する電子を使
用する。2つの線上の約x105光子/電子は、−△E1=△
E2=100eV。この値は、33169/ヨウ素吸収線の前後で得
られる。
クマコフのレンズでの損失が2/3であり、結晶での損
失が2/3であるとすると、患者に到達する光子数は約7x1
0-6光子/電子になる。したがって、約10-2の照射をす
るためには、電子ビームの電流として0.5Aが必要にな
る。このパルスを生成する方法もいくつかある。一つ
は、誘導加速器を使用する方法がある。この方法ではパ
ルスごとに目標を除去することができる。この電子加速
器は、シンクロトロンリングよりはるかに安い。
相対論的電子ビームからの制動放射は、クマコフのレ
ンズを使用すれば、極めて効果的に捕捉できる。これ
は、制動放射が直線方向に進むからである。前述した例
(シンクロトロン放射)では、ヨウ素吸収線の前後にあ
る2つの狭い線を、2つの結晶−モノクロメータで選択
している。患者に照射する量は1レントゲンより少なく
することができる。
シンクロトロン放射は、デジタル減法血管造影法でも
使用されている。クマコフのレンズを使用すると、シン
クロトロンに基づいた血管造影装置のパラメータをかな
り向上だせることができる。
SRビームは水平面方向に発散する。この水平方向に発
散したSRビームのかなりの部分を、X線光学装置を使用
して準平行ビームに変形して、血管造影に利用すること
ができる。
例えば、1mmという制限された高さを有するシンクロ
トロンビームを、レンズを使用して所望の面積、例え
ば、(15x15)cm2に変形することができる。ビームを成
形する間の発散を最大1桁程度まで減少させることがで
きる。この場合、空間解像度は著しく向上する。(例え
ば、心臓の最も小さな血管でも観測できる)。発散が約
10-5の場合、解像度は最大数ミクロンになる。クマコフ
のレンズを使用して、シンクロトロンのハードな部分を
フィルタリングすることにより、高エネルギー光子の一
部が結晶モノクロメータから所望のエネルギー範囲の高
調波で反射するとを防止するすることができる。
内視鏡の直径は、オリフィスの大きさの制約を受け
る。通常、内視鏡(X線部分)の直径は、約(4−5)
mmより小さい。しかも、所望の領域から放射線が偏向し
ないように保護する必要がある。
数10ミクロンx数100ミクロンの大きさのX線放射源
と捕捉角が約0.1radのクマコフのレンズを使用すると、
放射源の有効領域は約10ミクロンになる。エネルギー
が数10keVの場合、電子ビームのエネルギーを放射線に
変換する効率は約10-3になる。
上記の要因を考慮し、輸送光子の損失が約80%である
と仮定すると、1分当り約1レントゲンから10レントゲ
ンの範囲で放射強度を得ることができる。
望ましい実施態様を第57図に示す。クマコフのレンズ
の最初の部分は、準樽状になっており、発散放射を準平
行ビームに変形する(2)。集光した後のレンズの部分
を輸送セクションと呼ぶ(3)。このセクションは、比
較的大きな直径(約数100ミクロン)を有する毛管のよ
うな放射チャネルで構成されている。なお、このセクシ
ョンのチャネルをセクション(2)や(4)のように直
径を小さくすることもできる。最後のセクション(4)
は曲がっている。人体のオリフィスの直径には制約があ
るので、曲率の小さい半径でビームを曲げることが望ま
しい。セクション(3)と(4)との間の境界面で放射
透過の損失を防止するには、セクション(4)を構成す
る毛管の直径をできれば約0.1μより小さくすることが
望ましい。これは、捕捉放射の占有率がRθc2/2dとな
るからである。この式で、Rはセクション(4)の曲率
半径、θcはフレネル角、dは毛管の内径をそれぞれ示
す。セクション(4)は通常多重毛管で構成する。
最後のセクション(4)は、特殊なシステムで機械的
に曲げることもできるし、システムの軸の回りを回転さ
せることもできる、通常は、装置にシールドを施して、
分散光子または粒子が人体を通過しないようにする。
腫瘍を照射するのは内視鏡を使用することもできる。
例えば、喉を通すために内視鏡をかなり曲げなければな
らない場合、もっと強力な放射源が必要になる。これ
は、急角度で曲げると、光束でかなりの損失が発生する
からである。そのような場合、強力なX線管などの点光
源の代わりに、加速器(例えば、チャネル放射や制動放
射)を使用することもできる。
放射内視鏡は、既存の光管内視鏡で組み立てることも
できる。例えば、オリンパス製のGiF K/D3型の場合、
直径は約12mmである。自在型の放射導波管としてバイオ
プシー導管を使用することもできる。セクション(4)
(第57図)でX線を曲げることは、チャネルの壁で腫瘍
を検出するのに必要になる。
内視鏡全体が剛性の場合、照射量を事前に計算してお
くこともできる。放射源が一定の場合、放射量は、照射
時間により決まる。内視鏡の出口に特別な線量計を用意
する必要がなくなるので重要である。最後のセクション
(4)を脱着可能にすると、必要な角度に応じて別のセ
クションを取り付けることができる。
第52図に示すシステムを使用すれば、通常ではアクセ
スするのが困難な場所の欠陥(航空機などの空洞、直径
の小さなパイプなど)を検査する装置として使用するこ
ともできる。
内視鏡の最終端に検出器を取り付けると、放射量を監
視し制御することができる。毛管の先端に取り付ける小
さな検出器にはさまざまな種類がある。例えば、線をバ
ックアップする電気信号を発する半導体の検出器、照射
すると可視光を発する検出器などがある。この可視光
は、光学導波管または内視鏡の一部を構成する導波管で
観測することができる。
薄い放射保護シールドを内視鏡の端に付けることによ
り、異物が放射チャネルに入るのを防止することができ
る。
断層撮影法では、特性線ばかりではなく広いエネルギ
ーの制動放射を含むスペクトルを有するX線管放射源を
使用している。ここで、「ビームの硬化」という問題が
ある。「ビームの硬化」とは、スペクトルの低エネルギ
ー端の方が高エネルギー端より減衰が進み、スペクトル
の平均エネルギーを高いエネルギーの方へ移行させると
いう効果である。この効果は、コンピューター断層撮影
法(CT)では大きな問題になる。異なる角度のX線影像
のビーム硬化誤差が断層撮影中に複合するからである。
一つの解決方法としては、結晶モノクロメータを使用し
ているX線放射源からの特性線だけを使ってビームのフ
ィルタリングを行うことである。しかし、発散点光源か
らかなり多くの光線がストレイジ角に入射してしまう。
クマコフのレンズを使用すれば、発散放射を平行ビー
ムに変形できる。まず、クマコフのレンズで発散放射を
平行ビームに変形してから、次に、結晶−モノクロメー
タを使用して、必要な大きさのモノクロビームを得る。
50LWの回転対陰極(ランタニドの陰極で、線Ekdl=33.4
4keV、Ekd2=33.03keV)を使用すると、2本の線で約3x
1015光子/sが得られる。ただし、回転速度が約100m/s、
有効点の大きさが約1x1mmであるとする。
クマコフのレンズを使用すると、約3x1012光子/sの平
行電流x特性光子のradを得ることができる。この電流
は、SSRL54ポールでのスタンフォードの電流によく似て
いる。クマコフのレンズを使用しなかった場合、同じ角
間隔の回転対陰極からは、約3x103光子/sしか得ること
ができない。本発明の実施態様でクマコフのレンズを使
用すると、平行ビームの光束が約4倍増加する。
他にも平行ビームを生成する方法はある。(例えば、
ダイオード、プラズマ、レーザー放射源など)。
放射線が対象者の体を通過するとき、コンプトン散乱
放射が発生し、CTで画像を得ることが困難になる。モノ
クロ平行ビームを使用し、対象者から十分離した位置に
検出器を移動すれば、散乱を防止することができる。こ
の平行モノクロビームを使用すれば、「ビームの硬化」
という効果を制限することもできる。
例えば、30keVおよび80keVの領域で二重光子吸収(DP
A)CTを使用するには、異なるエネルギーを有する複数
のビームが必要になる。1つのエネルギーは、低Z元素
の濃度を表す。別のエネルギーは、中間Z元素(P,S,S
e,K,Ca、Fe)を表す。2番目のグループの元素には、神
経学的に重要なkとCaが含まれている。これらの元素の
濃度高いが異常な脳組織があれば、虚血および初期異常
などの疾患を意味する可能性がある。[参考資料:ミー
ズ(Mies)G.他、神経学紀要(Ann Neurol)、16:232−
7、1984;およびシージョ(Siesjo)B.K.、ヨーロッパ
神経学(Eur Neurol)、25:45−56、1986]。
クマコフのレンズを使用した上記の装置では、広いエ
ネルギー範囲で準モノクロビームを得ることができるの
で、DPACT問題も解決できる。
大きさを確定する断層撮影法を実施して腫瘍の形を確
認するには、放射性元素を体内に注入して、しばらくし
てその放射性元素が腫瘍に集積してから、多くのコリメ
ータで構成するガンマチャンバで放出される放射線を検
出する。しかし、残念ながらこの方法には、次の欠点が
ある。空間解像度が不十分で、バックグラウンド放射
(ノイズ)が高いので、腫瘍の3次元画像が得られない
のである。
本発明によれば、これらの問題をかなり解決できる。
断層撮影法にクマコフのレンズを適用した例を第58図に
示す。対象となる腫瘍は患者の体内の(X0、Y0、Z0)点
にあるとする。放射捕捉角φは、0.1から0.3radとす
る。レンズ内でのエネルギー損失を含めて、放射源から
の放射の0.1%から1%が検出器に到達する。例えば、
放射能が1マイクロキューリー(約104光子/s)とする
と、1秒当り数10から数100の光子が検出器に来る。
クマコフのレンズの焦点部に検出器を配置すると、信
号雑音比が急増する。クマコフのレンズを使用したシス
テムの空間解像度は、数10ミクロンほどに小さくするこ
とができる。この値は、従来のガンマチャンバの解像度
をかなり超えている。
腫瘍の位置が不明な場合、人体の断層撮影は次の2段
階で実施する。第1段階では、焦点範囲が広く、開口角
が大きいX線光学装置を使用して腫瘍を探す。第2段階
では、焦点を狭くした(つまり、解像度は高い)クマコ
フのレンズを使用して腫瘍の詳細な3次元画像を得る。
レンズの焦点を調節できる場合、第1段階と第2段階の
両方で同じクマコフのレンズを使用して装置を作ること
もできる。
従来のガンマチャンバを第1段階、X線光学装置を第
2段階にそれぞれ使用することもできる。X線光学装置
で走査しても完全な画像を得ることができる。この方法
は、放射捕捉角が非常に大きいので、高速である。さら
に、信号雑音比が高いので、多くの光子を登録する必要
がない。
医者が腫瘍のおよその位置を知っている場合、高解像
度の画像を即座に得ることができる。腫瘍の検出と検査
に要する放射量は少なくて済む。例えば、約0.1マイク
ロキューリ(約3x103光子/s)の放射能を出す放射源を
数分間で詳細に検査することができる。
クマコフのレンズは点よりも平面から集光することが
できる。集光レンズに受光チャネルを設けて対象領域超
えた発散点に向けたり、受光端に平行なチャネルを設け
たりすることもできる。レンズの放射端を位置感度検出
器に向けて画像情報を収集する。
放射線治療で放射の方向やスペクトルを制御する(健
康な組織に害を与える可能性がある)のは難しい。現
在、手術できない脳腫瘍に対しては、炭素の同位体を放
射源とした有向コリメータを使用して照射している。し
かし、残念ながら、この方法には、コストが高い、シス
テムが大きて重い、生態学的な危険性がある、照射エネ
ルギーが固定している。焦点領域が広い、などの欠点が
ある。しかし、好運なことに、従来のX線源とクマコフ
のレンズを使用すれば、焦点を合わせて適切な量を照射
することができる。X線光学装置の焦点領域を、腫瘍の
大きさに合わせて数ミクロンから1センチの範囲で変え
ることができる。X線管の陰極を変更することにより、
放射エネルギーも変えることができる。
平行ビームを使用することにより、照射対象が周辺の
健康な組織より多くの放射線を受けるようにすることが
できる。また、平行ビームまたは発散ビームを複数使用
することもできる。
ビームを集束させ、帯域幅を修正することにより、放
射線治療を改善することができる。例えば、OJ電子励起
は、発散ビームが対象となる体積に対して使用できるの
で魅力がある。帯域幅を修正して、蛍光放射が低い元素
の吸収線の直上のエネルギーにすることにより、必要な
放射量を著しく減少させることができる。クマコフのレ
ンズとモノクロメータで準平行ビームを生成することに
より、ビームを修正することができる。あるいは、モノ
クロビームより広いが、すべての光子が高吸収エネルギ
ーであるのに十分な狭さになるように、クマコフのレン
ズで帯域幅を修正することもできる。
中性子捕捉治療はホウ素中性子捕捉に集中している。
現在の技術の問題点は、ビームからガンマ線と高エネル
ギー中性子を分離できないこと、中性子ビームを集束で
きないことなどがある。
本発明では、クマコフのレンズを使用して、ガンマ線
と高エネルギー中性子を分離することにより、患者が受
ける放射量を減少させる装置が含まれる。発散ビームを
成形するクマコフのレンズを使用することもできる。発
散ビームの場合、対象領域で受ける放射量が増えるが、
体面近くの健康な組織が受ける放射強度は減少する。腫
瘍が大きい場合、焦点の大きいクマコフのレンズを使用
するか、または焦点が小さいレンズで腫瘍を走査するこ
ともできる。
従来のプレーナー型X線画像処理装置にクマコフのレ
ンズを使用してもいくつか利点がある。クマコフのレン
ズは、点光源から放出される広い固定角の放射を捕捉で
きるので、低い電源を使用しても放射源をハードにしな
い。したがって、寿命が長くなる。クマコフのレンズを
使用して帯域幅を選択することにより、ビームの硬化を
緩和できる。軟X線を除去できる。軟X線は、対象物に
対する放射量を増加させるが、対象物は通過しない。ま
た、画像の質を高める可能性が高い。不要な低エネルギ
ー放射を除去できる簡単なフィルタは他にはない。しか
し、所望の放射より高いエネルギーを除去するのにクマ
コフのレンズを使用することができる。その他の手段で
は極めて困難である。これらの高いエネルギーの光子が
感度を低下するのは、対象物では殆ど吸収されないから
である。クマコフのレンズを使用して平行化ができるこ
ともある。
X線蛍光装置を使用して分析することにより、選択し
た元素のレベルを判定することができる。このような測
定により、体内に蓄積した不要な重元素の存在や濃度を
判定することができる。クマコフのレンズを使用しなけ
れば、通常体内の検査には使えない。その理由は、健康
な組織が高い放射を浴びてしまい、分散によりバックグ
ラウンド放射が高く、さらに、光子の収集効率が低いの
で信号雑音比が低くなるなどの問題が発生するからであ
る。
クマコフのレンズを使用すれば、発散放射源からX線
を集めて、評価対象領域にそのX線を集束することがで
きる。画像焦点が最初のレンズと同じレンズをもう一つ
用意する。このレンズで発散光子を集めてその光子をエ
ネルギー感度検出器に集束させる。患者に対する放射線
照射が、全体としても局部的ににも最小化できる。対象
領域に合わせて測定方法を選択できる。収集効率が高ま
る。信号対バックグラウンド放射比が向上する。利点は
まだある。帯域幅を修正できるクマコフのレンズを使用
することにより、ビーム帯域幅を修正して、対象元素の
吸収線の直上の光子に合わせることができる。あるい
は、モノクロメータを使用することにより、モノクロビ
ームを得ることもできる。さらに、収集クマコフのレン
ズを修正することにより、断面が円形以外の領域から集
光して領域全体の平均測定値を得ることもできる。
これまで、本発明にかかわる、主として、ガンマ線、
X線、および粒子線を制御する原理を図示しながら特定
の実施態様について述べてきた。この技術に優れた人な
ら、さまざまな修正、代替、追加などを本発明の精神か
ら離れずに実施できることは明白であり、以降のクレイ
ムで、本発明にかかわる特許請求の範囲および均等物を
限定する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 678,208 (32)優先日 平成3年4月1日(1991.4.1) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 678,437 (32)優先日 平成3年4月1日(1991.4.1) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 678,603 (32)優先日 平成3年4月1日(1991.4.1) (33)優先権主張国 米国(US) (56)参考文献 特開 昭62−299241(JP,A) 特開 平1−185497(JP,A) 特開 平2−21299(JP,A) 特開 平2−216100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 1/06 G21K 1/00

Claims (72)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子、中性原子、X線量子、およびガ
    ンマ量子のビームを制御する装置であり、複数の全外反
    射を提示する内面を有する複数のチャネルと、放射源に
    向けて入力端と、放射受光器に向けた出力端とを有し、
    上記チャネルは、支持構造体により互いに相対的にしっ
    かりと固定した毛管束で構成され、しかも、チャネルの
    それぞれで入力端の半径方向の幅Dが下記式を満足する
    装置: D1≦2θDF+D 但しD1は、前記放射源の有効直径、 θDは、指定スペクトル幅での全外反射の最小臨界角、 Fは、中心軸に沿って計測したチャネルの入力端までの
    前記放射源の距離。
  2. 【請求項2】支持構造体がチャネルを支持する開口を有
    する、請求項1の装置。
  3. 【請求項3】複数の毛管束の間の隙間を充填する化合物
    で支持構造体を構成した、請求項1の装置。
  4. 【請求項4】支持構造体の少なくとも1つが当該支持構
    造体の他のものに対して中心軸に沿って選択的に平行移
    動できる、請求項1の装置。
  5. 【請求項5】チャネルの壁をそれらの外面において剛に
    リンク連結することにより、支持構造体を構成した、請
    求項1の装置。
  6. 【請求項6】チャネル幅をその長さに沿って変更可能と
    した、請求項5の装置。
  7. 【請求項7】装置各断面に於ける直径に比例して各チャ
    ネルの長さに沿って各チャネルの幅を変更できるように
    した、請求項6の装置。
  8. 【請求項8】入力端でのチャネル幅が、 R(θcr)2/2D>1を実現するのに必要な値より小さい
    装置であり、なお、この式で、Rはチャネルの曲率半
    径、θcrは対象となるエネルギーに対する全外反射の臨
    界角、Dはチャネルの幅をそれぞれ表しており、臨界角
    より小さい出口発散を得るようにした、請求項7の装
    置。
  9. 【請求項9】出力端でのチャネルの幅が、入力端でのチ
    ャネルの幅に等しいかそれ以上の大きさであるようにし
    た、請求項7の装置。
  10. 【請求項10】反射層の間にギャップを設けることによ
    りチャネルを形成した、請求項1の装置。
  11. 【請求項11】チャネルの入力端および出力端で支持構
    造体を剛に装架した、請求項1の装置。
  12. 【請求項12】支持構造体を、反射面の間に配置された
    低密度材料で形成した、請求項10の装置。
  13. 【請求項13】支持構造体を、ビーム伝播の中心軸の回
    りを回転するように装架した、請求項1の装置。
  14. 【請求項14】発散放射を捕捉するように、チャネルの
    入力端の方向を向けた、請求項1の装置。
  15. 【請求項15】平行放射を捕捉するように、チャネルの
    入力端の方向を向けた、請求項1の装置。
  16. 【請求項16】発散ビームを形成するように、チャネル
    の出力端の方向を向けた、請求項1の装置。
  17. 【請求項17】準平行ビームを形成するように、チャネ
    ルの出力端の方向を向けた、請求項1の装置。
  18. 【請求項18】ブラッグの回折により生成された準平行
    ビームにプレーナ結晶を配置した、請求項17の装置。
  19. 【請求項19】放射線束の所望の減衰を得て、ビームの
    断面で強度を制御するように、各チャネルの長さを選択
    した、請求項17の装置。
  20. 【請求項20】吸収フィルタを使用してビーム断面にお
    ける強度を制御した、請求項1の装置。
  21. 【請求項21】装置で生成した放射線ビームを材料に照
    射することにより、リソグラフィープロセスでフィルタ
    を作成した前記吸収フィルタを用いる請求項20の装置。
  22. 【請求項22】チャネルの入力端での間隔が、装置の断
    面全体に対して一定ではなく、ビームの断面全体の強度
    を制御するように選択されている、請求項1の装置。
  23. 【請求項23】ビームの発散を減少するために、チャネ
    ルの出力端が外側に向けて扇形に広げられている、請求
    項1の装置。
  24. 【請求項24】準平行ビームを形成している、請求項23
    の装置。
  25. 【請求項25】チャネルの扇形に広がった出力端は、 θ−DL1以下であるテーパ角を有しており、θは準平行
    ビームの指定発散角、L1は円錐形束管セクションの長さ
    をそれぞれ表している、請求項23の装置。
  26. 【請求項26】ビーム伝播の中心軸の方向を変化されて
    いる、請求項1の装置。
  27. 【請求項27】毛管束の断面形状が変化している、請求
    項1の装置。
  28. 【請求項28】放射線がチャネルに入るにつれてビーム
    が分割され及び/またはビームがチャネルを出るにつれ
    て再び一緒になり集束ビームを形成するようにした、請
    求項1の装置。
  29. 【請求項29】チャネルが複合曲率になっている、請求
    項1の装置。
  30. 【請求項30】発散放射線が捕捉され、準平行ビームを
    形成する、請求項29の装置。
  31. 【請求項31】樽状面の母面に対応して接合している虚
    数ドーナツ状面の母面に沿ってチャネルが伸張してい
    る、請求項29の装置。
  32. 【請求項32】ビーム制御装置により送り出される放射
    線を伝導できない材料で作成した一部または完全な外部
    ケーシングで構成する装置であり、当該ケーシングはチ
    ャネルの両端が整列している開口を有している、請求項
    1の装置。
  33. 【請求項33】開口の間で放射線の直線的な透過をブロ
    ックしている、請求項32の装置。
  34. 【請求項34】支持構造体が積み重ね可能なクレードル
    部材で構成されている、請求項1の装置。
  35. 【請求項35】チャネルが、一定の半径で固定的にかつ
    均一に曲げられている、請求項1の装置。
  36. 【請求項36】放射線スペクトルの選択エネルギー範囲
    で透過効率が他のエネルギーより高くなっている、請求
    項1の装置。
  37. 【請求項37】全外反射の異なる臨界角を有する異なる
    エネルギーに基づいて、異なるエネルギーに対する透過
    効率を制御している、請求項36の装置。
  38. 【請求項38】高透過効率が所望されている最も高いエ
    ネルギーの臨界角に近い角で複数の反射をすることによ
    り、透過効率を実現している、請求項37の装置。
  39. 【請求項39】荷電粒子、中性原子、X線およびガンマ
    量子がチャネルの壁を反射しながら伝わるようなチャネ
    ルの複合曲率を使用することにより、透過効率を得てい
    る、請求項37の装置。
  40. 【請求項40】曲率とカットオフエネルギーとを調整し
    た、請求項37の装置。
  41. 【請求項41】放射線ビームがチャネル壁に一定の角度
    で衝突し、指定角以上に大きい臨界角を有する放射線だ
    けをチャネルに入射させる、請求項37の装置。
  42. 【請求項42】最初の一連のチャネルでは捕捉できない
    ビームの部分に、別のチャネルの入口を複数配置し、最
    初の一連のチャネルの角より小さい放射に対してチャネ
    ル壁が一定の角度になる状態で、当該追加チャネルの入
    口を配置し、最初の一連のチャネルで捕捉した放射幅よ
    り小さい臨界角を有する放射幅を当該追加チャネル入口
    で捕捉するようにした、請求項41の装置。
  43. 【請求項43】チャネルの断面が平らな壁面からなるも
    の、すなわちチャネルが矩形断面になっている、請求項
    37の装置。
  44. 【請求項44】選択吸収を得るために内部面を形成する
    材料を変更することにより、異なる透過効率を実現して
    いる、請求項36の装置。
  45. 【請求項45】装置を冷却している、請求項1の装置。
  46. 【請求項46】入力端に配置した入力阻止バッフルを使
    用して当該冷却を実現している、請求項45の装置。
  47. 【請求項47】冷却用熱伝導材料でチャネルを覆ってい
    る、請求項45の装置。
  48. 【請求項48】チャネルの近くに流体冷却剤を流すこと
    により装置を冷却している、請求項45の装置。
  49. 【請求項49】チャネルを貫通して流体を流すことによ
    り装置を冷却している、請求項45の装置。
  50. 【請求項50】軟化温度が高い材料でチャネルを作成し
    た、請求項1の装置。
  51. 【請求項51】熱伝導がよく、融点が高い材料でチャネ
    ルのコーティングをした、請求項50の装置。
  52. 【請求項52】当該チャネルを電気伝導材で作成するか
    またはコーティングした荷電粒子ビームを制御する、請
    求項1の装置。
  53. 【請求項53】準平行ビームを成形し、テーパ毛管束に
    向ける装置であり、当該テーパ毛管束は長さに沿って幅
    が狭くなる、請求項1の装置。
  54. 【請求項54】d1/d2はほぼθcr/θに等しくなってお
    り、d1は当該テーパ毛管束の幅の中で最も広い値、d2は
    当該テーパ毛管束の幅の中で最も狭い値、θは当該テー
    パ毛管束に入射する準平行ビームのビーム発散、θcrは
    全外反射に対する臨界角をそれぞれ示すような構成にな
    っている、請求項53の装置。
  55. 【請求項55】X線リソグラフィーシステムに用いられ
    た請求項1記載の装置。
  56. 【請求項56】X線源とマスクとの間に配設した請求項
    55記載の装置。
  57. 【請求項57】装置マスク間の距離を、チャネルの離散
    パターンにより生ずるビーム強度差を均質化するに充分
    とした請求項56記載の装置。
  58. 【請求項58】さらにマスクを合体させた請求項55記載
    の装置。
  59. 【請求項59】発散X線ビームを捕捉しこれを装置の最
    大横断面積よりも小さい横断面積の準平行ビームに集束
    する複合曲率のチャネル形成素子を有する請求項1記載
    の装置。
  60. 【請求項60】分析機器に用いる請求項1記載の装置。
  61. 【請求項61】放射源と分析しようとする試料との間に
    配置した請求項60記載の装置。
  62. 【請求項62】分析機器がX線蛍光装置である請求項60
    記載の装置。
  63. 【請求項63】分析機器がX線回析装置である請求項60
    記載の装置。
  64. 【請求項64】分析機器が中性子装置である請求項60記
    載の装置。
  65. 【請求項65】試料と放射検出手段との間に配設した請
    求項60記載の装置。
  66. 【請求項66】医療診断システムに用いられた請求項1
    記載の装置。
  67. 【請求項67】医療診断システムが血管造影撮影装置で
    ある請求項66記載の装置。
  68. 【請求項68】医療診断システムが内視鏡である請求項
    66記載の装置。
  69. 【請求項69】医療診断システムが中性子捕獲療法シス
    テムである請求項66記載の装置。
  70. 【請求項70】医療診断システムが断層撮影または分布
    撮影装置である請求項66記載の装置。
  71. 【請求項71】患者を照射する収束ビームを形成するの
    に用いられる請求項66記載の装置。
  72. 【請求項72】複数の支持構造体の間隔が(12El/QR1)
    1/2であり、Eは当該チャネルの弾性係数、lは中立軸
    に相対的な当該チャネルの断面の慣性モーメント、Qは
    単位長さ当りの当該チャネルの重さ、R1=2D/Q2であ
    り、当該チャネルの曲がりの臨界半径であり、高透過効
    率が望まれる放射スペクトルの指定高エネルギー境界で
    定義する値である、請求項1の装置。
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