JP5062598B2 - メスバウア分光測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料に対して所定エネルギーのγ線を照射し、試料中に含まれる対象物質についてメスバウア分光測定を行うメスバウア分光測定装置に関するものである。
メスバウア分光測定法は、バルク材料の試料について、分光測定の対象となる対象物質の原子核と、その周りの電子との超微細相互作用等を利用して、原子の化学状態、あるいはその近傍の結晶・磁気構造、格子欠陥の状態など、試料に関する原子スケールの情報を取得することが可能な測定方法である。
メスバウア分光測定では、γ線源から供給される所定エネルギーのγ線を試料へと照射する。このとき、試料中の対象物質の原子核において、メスバウア効果によるγ線の無反跳共鳴吸収が発生し、この共鳴吸収を観測することにより、試料中での対象物質のエネルギー準位の変化などの対象物質の状態についての情報を取得することができる。例えば、対象物質が57Feである場合、γ線源として57Co線源が用いられ、線源から放出されるエネルギー14.4keVのγ線が分光測定に用いられる(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1、2参照)。
特開平8−201318号公報 特開平9−49809号公報 特開昭64−43747号公報 Y. Yoshida et al., "Mossbauer-Spectroscopic Iron Microscope", 6th Seeheim Workshop on Mossbauer Spectroscopy, June 07-11, 2006, Seeheim, Germany 吉田豊、第5回RSP育成試験研究成果発表会 事業最終報告会試料 「シリコン中の鉄不純物マッピング測定のための顕微メスバウア分光装置の開発」、平成17年2月18日、ブケ東海静岡
上記したメスバウア分光測定は、物質科学、化学、材料学、物理学、鉱物学、医学、さらに環境学などの様々な分野において、試料中の鉄原子の分析、評価に利用されている。また、メスバウア分光の分光データの蓄積、及びデータベース化が進められており、それらの分光データは様々な分光測定において利用されている。しかしながら、このようなメスバウア分光測定では、試料中の対象物質についての微細構造、微細組織の情報を直接的に取得することができないという問題がある。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、試料中の対象物質についての微細構造の情報を取得することが可能なメスバウア分光測定装置を提供することを目的とする。
メスバウア分光測定における、上記した試料中の対象物質についての微細構造の測定に関し、本願発明者は、X線集束用に開発されたマルチキャピラリレンズ(MCX:Multi Capillary X-ray Lens、特公平7−11600号公報、特公平7−40080号公報、文献 "H. Soejima and T. Narusawa, Advances in X-ray Analysis, Vol.44 pp.320-324 (2001)" 参照)をγ線集束に用いるとともに、試料中の対象物質から放出される内部転換電子を検出することで分光測定を行う構成のメスバウア分光測定装置の開発を進めている(非特許文献1、2参照)。
上記したMCXを用いた構成によれば、メスバウア分光測定用のγ線を充分に小さいスポットサイズで集束して試料に照射することにより、試料中の対象物質について高い位置分解能で分光測定を行うことができる。また、このような構成において、試料に対するγ線の照射位置を照射軸に垂直な面内で移動させることにより、試料中の対象物質についての2次元測定が可能となる。
しかしながら、このような測定装置では、試料の深さ方向についての情報を得ることができない。本願発明者は、このような問題について鋭意検討を重ねた結果、試料から放出される内部転換電子のエネルギーが、試料中において対象物質によるγ線の共鳴吸収が起こって内部転換電子が生成される位置の試料表面からの深さに大きく依存していることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によるメスバウア分光測定装置は、(1)メスバウア分光測定の対象物質を含む試料を保持するための試料ステージと、(2)メスバウア分光測定に用いられる所定エネルギーのγ線である測定γ線を供給するγ線源を有し、所定の照射軸に沿って測定γ線を試料へと照射するγ線照射手段と、(3)γ線照射手段及び試料ステージの間に配置され、測定γ線を集束させつつ試料へと照射する集束手段と、(4)集束手段及び試料ステージの間に配置され、集束手段からの測定γ線を通過させる開口部を有するとともに、試料ステージ側の面を電子入射面として構成され、測定γ線をメスバウア効果によって共鳴吸収した試料中の対象物質から放出される内部転換電子を検出する電子検出手段と、(5)試料に対する測定γ線の照射位置を、照射軸に垂直な面内で2次元に移動させる照射位置移動手段と、(6)電子検出手段の電子入射面に対し、その電位が試料ステージ上の試料に対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加して、試料からの電子のうちで電子検出手段によって検出される電子のエネルギーを選択するエネルギー選択用電圧印加手段とを備えることを特徴とする。
上記したメスバウア分光測定装置においては、分光測定用のγ線を供給するγ線照射手段と、対象物質を含む試料を保持する試料ステージとの間に集束手段を設け、γ線源からの測定γ線を試料に対して集束させつつ照射している。これにより、試料中の対象物質についての情報を高い位置分解能で取得することができる。また、集束されたγ線の試料への照射位置を照射軸に垂直な面内で2次元(X方向、Y方向)に移動させる照射位置移動手段を設けている。このように、測定γ線の照射位置を試料上で2次元に走査することにより、上記したように、試料中の対象物質についての2次元測定が可能となる。
また、集束手段と試料ステージとの間に測定γ線を通過させる開口部を有する電子検出手段を配置し、この電子検出手段によって、試料から放出される電子を検出する構成としている。このような構成の電子検出手段を用いることにより、γ線照射手段から供給されるγ線の試料への集束照射と、試料中でγ線の共鳴吸収を起こした対象物質からの内部転換電子の検出とを、好適に両立することができる。
さらに、このような構成において、電子検出手段の電子入射面に対し、その電位が試料ステージ上の試料に対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加している。ここで、電子入射面の電位が試料に対して0であれば、試料から放出された電子は、そのまま電子検出手段へと入射する。一方、電子入射面の電位が試料に対して負である場合、試料から放出された電子はそれによって減速され、一定以上のエネルギーで放出された電子のみが電子検出手段に到達して検出される。また、試料から放出される内部転換電子のエネルギーは、上述したように、試料中で対象物質によるγ線の共鳴吸収が起こって内部転換電子が生成される位置の試料表面からの深さ(Z方向の位置)に大きく依存する。
したがって、このように電子検出手段の電子入射面と試料との間に電圧を印加し、電子検出手段によって検出される電子のエネルギーを選択することにより、照射位置を移動することによるX方向、Y方向の情報に加えて、試料の深さ方向であるZ方向について試料中の対象物質の情報を得ることが可能となる。以上より、上記構成のメスバウア分光測定装置によれば、試料中の対象物質についての3次元の微細構造の情報を取得することが可能となる。このようなメスバウア分光測定による試料の3次元測定は、本発明によって初めて可能となったものである。
本発明のメスバウア分光測定装置によれば、γ線源からの測定γ線を試料に対して集束させつつ照射し、集束されたγ線の試料への照射位置を照射軸に垂直な面内で2次元に移動させる照射位置移動手段を設け、集束手段と試料ステージとの間に配置された測定γ線を通過させる開口部を有する電子検出手段によって、試料から放出される電子を検出する構成とするとともに、電子検出手段の電子入射面に対し、その電位が試料ステージ上の試料に対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加することにより、試料中の対象物質についての3次元の微細構造の情報を取得することが可能となる。
図1は、メスバウア分光測定装置の基本構成を概略的に示す図である。 図2は、メスバウア分光測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図3は、メスバウア分光測定装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 図4は、MCP検出器の構成を概略的に示す側面断面図である。 図5は、MCP検出器の具体的な構成の一例を示す断面図である。 図6は、試料に対する測定γ線の照射位置の制御方法の一例を示す模式図である。 図7は、MCP検出器で検出された電子のエネルギー分布を示すグラフである。 図8は、試料の顕微画像の一例を示す図である。 図9は、試料の顕微画像の他の例を示す図である。 図10は、深さ校正用試料の構成を模式的に示す図である。 図11は、深さ校正用試料の顕微画像の一例を示す図である。 図12は、試料のメスバウアスペクトルの一例を示すグラフである。 図13は、試料の顕微画像の他の例を示す図である。
符号の説明
1A、1B…メスバウア分光測定装置、10…XYステージ(試料ステージ)、11…真空チェンバ、12…直線導入端子、15…γ線照射部、16…γ線源(57Co線源)、17…線源駆動装置、18…γ線集束部、19…MCX(マルチキャピラリレンズ)、20…MCP検出器(電子検出器)、21…MCP(マイクロチャンネルプレート)部、21a…開口部、21b…電子入射面、21c…電子出射面、22…入射側電極(エネルギー選択用電極)、23…出射側電極、22a、23a…開口部、24…検出電極、24a…開口部、31…抵抗、32…コンデンサ、33…増幅回路、36、37…抵抗、38…中間点、
40…電圧供給部、41…電子増倍用電源、42…エネルギー選択用電源、50…測定制御装置、51…測定処理部、52…線源駆動制御部、53…ステージ制御部、54…電圧印加制御部、56…表示装置、57…入力装置。
以下、図面とともに本発明によるメスバウア分光測定装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
まず、本発明によるメスバウア分光測定装置の基本構成について説明する。図1は、本発明によるメスバウア分光測定装置の基本構成を概略的に示す図である。ここで、以下の説明においては、図1に示すように、試料Sに対する測定γ線の照射軸Axに垂直な面における2つの軸をX軸及びY軸、X軸、Y軸に垂直であって照射軸Axに沿った軸をZ軸とする。X軸、Y軸は、それぞれ試料Sにおけるγ線の入射面に沿った軸である。また、Z軸は、試料Sにおける深さ方向の軸である。
図1に示すメスバウア分光測定装置1Aは、XYステージ10と、γ線照射部15と、γ線集束部18と、電子検出器であるMCP検出器20とを備えて構成されている。これらの各要素は、測定装置1Aにおいて、測定γ線の照射軸Axに沿ってγ線照射部15、γ線集束部18、MCP検出器20、XYステージ10の順で配置されている。
本測定装置1Aにおいてメスバウア分光測定の対象となる対象物質を含む試料Sは、試料ステージ10上の所定位置に保持されている。このとき、試料Sでの照射軸Ax上にある位置が、試料Sに対する測定γ線の照射位置となる。
また、本構成例では、試料ステージ10は、照射軸Axに垂直なXY面内で2次元に駆動可能な可動ステージであるXYステージとして構成されている。このように、XYステージ10を2次元に駆動することにより、ステージ10上に保持された試料SがX方向、Y方向に2次元に移動される。これにより、本XYステージ10は、試料Sに対する測定γ線の照射位置をX方向、Y方向に2次元に移動させる照射位置移動手段として機能する構成となっている。
XYステージ10上の試料Sに対し、測定用のγ線供給源として、γ線照射部15が設けられている。γ線照射部15は、メスバウア分光測定に用いられる所定エネルギーのγ線(以下、測定γ線とする)を供給するγ線源16を有し、照射軸Axに沿って測定γ線を試料Sへと照射するγ線照射手段である。図1に示す構成例では、このγ線照射部15は、γ線源16と、γ線源16を照射軸Axの方向に駆動する線源駆動装置17とによって構成されている。線源駆動装置17は、試料Sに対してドップラー速度についてのメスバウア分光測定を行うためのものである(例えば、特許文献1、2参照)。
γ線照射部15と、試料Sが保持されるXYステージ10との間には、γ線集束部18が照射軸Axに沿って配置されている。γ線集束部18は、γ線照射部15から供給される測定γ線を集束させつつ試料Sへと照射する集束手段である。このγ線集束部18としては、好ましくは、複数の中空管を束ねて、測定γ線が試料Sへと集束するように形成されたマルチキャピラリレンズ(MCX)を用いることができる。
上記したMCX(Multi Capillary X-ray Lens)は、その名称からわかるようにX線集束用に開発されたものであるが、メスバウア分光測定に用いられるγ線は一般に低エネルギー(例えば、後述するように57Feを対象物質とした場合、測定γ線のエネルギーは14.4keV)である。したがって、γ線照射部15からの測定γ線については、このようなMCX等を用いることで、試料Sへと集束させることが可能である。
また、γ線集束部18と、XYステージ10との間には、電子検出器20が照射軸Axを中心として配置されている。電子検出器20は、γ線集束部18からの測定γ線を試料Sへと通過させる開口部を有するとともに、その試料ステージ10側の面を電子入射面として構成された電子検出手段である。この電子検出器20は、試料Sに対してγ線照射部15からの測定γ線が照射された際に、γ線をメスバウア効果によって共鳴吸収した試料S中の対象物質から放出される内部転換電子を検出することで、試料Sに対する分光測定を行う構成となっている。
本構成例では、具体的には、電子検出器20として、1段または複数段のマイクロチャンネルプレート(MCP:Micro Channel Plate)からなり電子増倍機能を有するMCP部21と、入射側電極22及び出射側電極23と、検出電極24とを有するMCP検出器が用いられている。MCP検出器20の具体的な構成等については後述する。
このような構成のMCP検出器20に対し、その入射側電極22と出射側電極23との間には、入射側電極22を−(負)、出射側電極23を+(正)とする電子増倍用電圧が印加されている。また、試料Sと入射側電極22との間には、試料Sを+(正)、入射側電極22を−(負)とするエネルギー選択用電圧が印加されている。
このような構成において、γ線照射部15から供給された所定エネルギーの測定γ線がγ線集束部18によって集束されつつ、MCP検出器20の開口部を介してXYステージ10上の試料Sへと照射されると、試料S中の対象物質において、メスバウア効果によるγ線の無反跳共鳴吸収が発生する。そして、この測定γ線を共鳴吸収した試料S中の対象物質から内部転換電子が放出され、この内部転換電子がMCP検出器20によって検出される。
また、このとき、MCP検出器20の電子入射面に対し、上記したように、その電位がXYステージ10上の試料Sに対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧が印加されている。試料Sから放出されてMCP検出器20へと向かう電子は、この逆方向の電圧によって減速され、一定以上のエネルギーで放出された電子のみが選択されて、MCP検出器20へと到達して検出されることとなる。
図1に示したメスバウア分光測定装置1Aの構成について、さらに具体的に説明する。図2は、メスバウア分光測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。なお、以下においては、測定γ線を供給するγ線源16を57Co線源とし、測定γ線をエネルギー14.4keVのγ線とするとともに、試料S中にあってメスバウア分光測定の対象となる対象物質を57Feとした例を主として、分光測定装置の構成等について説明する。測定γ線を供給する57Co線源16としては、例えば、50〜100mCiの57Coの密封線源を用いることができる。
本実施形態によるメスバウア分光測定装置1Bは、図1に示した分光測定装置1Aと同様に、XYステージ10と、γ線照射部15と、γ線集束部18と、MCP検出器20とを備えて構成されている。また、本実施形態において、γ線集束部18としては、上記したMCX19が用いられている。
MCX19は、上記したように複数の中空管を所定形状となるように束ねて形成されたものであり、中空管の内壁で測定γ線を全反射させながら所定の集束位置へと集束する。本実施形態においては、エネルギー14.4keVのγ線の集束に最適化されて設計されたMCXが測定γ線の集束に用いられる。また、γ線照射部15の57Co線源16と、MCX19との間には、必要に応じて鉛コリメータなどのコリメート手段を設ける構成としても良い。
図3は、メスバウア分光測定装置1Bの具体的な構成の一例を示す断面図である。本構成例では、γ線照射部15は、γ線源である57Co線源16と、57Co線源16を照射軸Axの方向であるZ方向に駆動する線源駆動装置17とを有して構成されている。線源駆動装置17は、照射軸Axの方向に延びる駆動軸部材17aを有しており、γ線源16は、この駆動軸部材17aの先端に取り付けられている。
γ線源16からの14.4keVの測定γ線は、MCX19によって集束されつつ、所定のウインドウ膜を介して真空チェンバ11の内部へと導入される。また、真空チェンバ11内には、MCP検出器20と、試料Sを保持するXYステージ10とが収容されている。MCX19からの測定γ線は、MCP検出器20の開口部を通過して試料S上の所定の照射位置へと照射される。
MCX19のγ線出射口から試料Sの表面(測定γ線が入射する面)までの距離は、MCX19によるγ線の集束設計によるが、例えば58mmに設定される。また、試料Sの表面上での測定γ線の集束スポット径は、例えばφ150μm程度である。また、MCX19については、その光軸を微調整可能に構成されていることが好ましい。そのような構成としては、例えば、MCX19の光軸の中心出射側を±2mmの範囲で微調整可能としておく構成を用いることができる。
また、XYステージ10としては、例えばシグマ光機社製のXYゴニオステージを用いることができる。XYゴニオメータの最小移動ステップは例えば約10nm、本測定装置1Bで得られる2次元画像の空間分解能は例えば20〜50μmである。また、XYステージ10に対して直線導入端子12が設けられており、この直線導入端子12によって試料Sの位置、及び試料S上での測定γ線の照射位置をZ方向に微調整することが可能となっている。このように、試料SのZ方向の位置を調整することにより、試料S上での測定γ線の集束スポット径を調整することができる。
また、試料Sへと照射された測定γ線をメスバウア効果によって共鳴吸収した試料S中の対象物質から放出される内部転換電子は、MCP検出器20によって検出される。具体的には、エネルギー14.4keVの測定γ線は、試料Sに含有される57Feで無反跳共鳴吸収された後、約90%の確率で内部転換電子として放出される。放出された内部転換電子は、試料S内部でエネルギーを失いながら表面から真空中へと放出され、その一部がMCP検出器20において検出される。
図4は、MCP検出器20の構成を概略的に示す側面断面図である。また、図5は、MCP検出器20の具体的な構成の一例を示す断面図である。本実施形態におけるMCP検出器20は、MCP部21と、電極22、23、24とを有して構成されている。
試料Sから検出器20へと入射される電子の増倍に用いられるMCP部21は、図4に示した例では3段の円板状のマイクロチャンネルプレート(MCP)によって構成されており、その一方の面(XYステージ10側の面)が、試料Sからの電子が入射される電子入射面21b、他方の面(MCX19側の面)が、増倍された電子が出射される電子出射面21cとなっている。また、MCP部21の略中央部には、MCX19からの測定γ線を試料Sへと通過させる円形の開口部21aが設けられている。
MCP部21に対し、電子入射面21b側に入射側電極22が設けられている。入射側電極22は、測定γ線、及び検出器20で増倍、検出される電子が通過する開口部22aを有する円板形状に形成されている。また、MCP部21に対し、電子出射面21c側に出射側電極23が設けられている。出射側電極23は、入射側電極22と同様に、測定γ線、及び検出器20で増倍、検出される電子が通過する開口部23aを有する円板形状に形成されている。
また、MCP部21の電子出射面21c及び出射側電極23に対し、そのMCX19側の所定位置には、さらに検出電極24が設けられている。検出電極24は、測定γ線が通過する開口部24aを有する円板形状に形成されている。この検出電極24は、試料SからMCP部21へと入射され、増倍された後にMCP部21の電子出射面21cから出射された電子を検出し、得られた電流信号を検出信号として出力する。
このようなMCP検出器20としては、例えば、3段のMCPを有する浜松ホトニクス社製のセンターホール付MCP検出器(F1552−01)を用いることができる(図5参照)。このMCP検出器は、検出有効面積φ27mm、厚さ0.48mm、チャンネル径12μmで、その中央部にφ2.4mmのセンターホールを有する構成となっている。実際に作成した分光測定装置では、このようなMCP検出器を、そのセンターホール(開口部)の中心軸がMCX19の光軸と一致するように、CF114のコンフラットフランジにマウントする構成としている。また、MCP検出器20と試料Sとの間の距離は約10mmに設定している(図3参照)。また、このような検出器において、電子の増倍率は10以上、ダークカレントは0.58cps/cm程度である。
図2に示した実施形態では、このようなMCP検出器20に対して、電圧供給部40が設けられている。また、電圧供給部40には、電子増倍用電源41と、エネルギー選択用電源42とが設置されている。電子増倍用電源41としては、例えば、3kV高圧電源であるORTEC556Hを用いることができる。また、エネルギー選択用電源42としては、例えば、高圧電源である浜松ホトニクス社製のC3360を用いることができる。
電子増倍用電源41は、検出器20の入射側電極22と出射側電極23との間に電子増倍用電圧を印加するための電子増倍用電圧印加手段である。電子増倍用電源41の一端は入射側電極22に接続されており、他端は抵抗31を介して検出電極24に接続されている。また、電子増倍用電源41の両端の間の電圧は抵抗36、37によって抵抗分割されており、その中間点38が出射側電極23に接続されている。これにより、MCP検出器20の入射側電極22と出射側電極23との間に、所定の増倍率で電子を増倍するための電子増倍用電圧が印加されるとともに、出射側電極23と検出電極24との間に、増倍された電子を検出電極24で検出するための検出電圧が印加されている。具体的な抵抗分割の構成例としては、例えば抵抗36を2MΩの抵抗とし、抵抗37を100kΩの抵抗とする構成を用いることができる。
エネルギー選択用電源42は、MCP検出器20の電子入射面21bに対し、その電位がステージ10上の試料Sに対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加するためのエネルギー選択用電圧印加手段である。このようなエネルギー選択用電圧を印加することにより、試料Sから検出器20に向けて放出される電子のうちで、MCP検出器20に到達して検出される電子のエネルギーが選択される。
図2に示す構成では、エネルギー選択用電源42の一端は入射側電極22に接続されており、他端は接地されている。また、ステージ10上の試料Sは所定の電位、好ましくは接地電位に設定されている。これにより、本構成においては、入射側電極22が、MCP部21の電子入射面21bに対して設けられ、エネルギー選択用電圧が印加されるエネルギー選択用電極となっている。
また、検出電極24からの検出信号は、コンデンサ32、及び増幅回路33等の必要な信号処理回路を介して外部へと出力される。増幅回路33としては、例えば、プリアンプ回路(例えばORTEC113)、及びアンプ回路(例えばORTEC572)を組み合わせた構成を用いることができる。また、必要に応じて増幅回路以外の信号処理回路をさらに設ける構成としても良い。
これらのXYステージ10、γ線照射部15、MCX19、MCP検出器20、及び電圧供給部40等に対して、測定制御装置50が設けられている。測定制御装置50は、γ線照射部15による測定γ線の照射条件、照射位置移動手段であるXYステージ10による照射位置の設定条件、及びエネルギー選択用電源42によるエネルギー選択用電圧の印加条件を制御する測定制御手段である。
具体的には、測定制御装置50は、測定処理部51と、線源駆動制御部52と、ステージ制御部53と、電圧印加制御部54とを有している。測定処理部51は、MCP検出器20で取得された検出信号を含む測定データに対する必要なデータ処理、本測定装置1Bにおいて実行されるメスバウア分光測定動作全体についての管理、指示等を行う。検出器20の検出電極24から増幅回路33等を介して出力された検出信号は、この測定処理部51に入力されている。
線源駆動制御部52は、γ線照射部15での線源駆動装置17によるγ線源16の照射軸方向への駆動を制御する。これにより、メスバウア分光測定におけるドップラー速度が制御される。電圧印加制御部54は、電圧供給部40の電子増倍用電源41による電子増倍用電圧、検出電圧の印加、及びエネルギー選択用電源42によるエネルギー選択用電圧の印加を制御する。
また、ステージ制御部53は、本実施形態において照射位置移動手段として機能しているXYステージ10であるXYゴニオステージの動作を制御することで、試料Sに対する測定γ線の照射位置を照射軸Axに垂直なXY面内で2次元に制御する。このような照射位置の制御の具体的な一例としては、例えば、図6に模式的に示す制御方法を用いることができる。
図6に示す照射位置の制御方法では、試料Sに対して設定されたL1×L1の正方形状の照射範囲R1について、区分間隔をL2としてn×n個の測定領域R2に区分(L1=n×L2)している。そして、測定領域R2のそれぞれの中心位置を測定位置Pとし、例えば図6中に実線矢印で示したように、複数の測定位置Pを順次、γ線の照射位置として設定することで、照射範囲R1の全体に対して2次元にメスバウア分光測定を行う。
試料Sに対する測定範囲となる照射範囲R1は、試料Sの大きさ、種類等に応じて適宜設定すれば良く、例えばL1〜20mmとして設定される。また、γ線の照射位置の移動間隔L2は、試料Sの測定に必要とされる位置分解能等に応じて適宜設定すれば良く、例えばL2=50μmとして設定される。また、照射位置の移動間隔等については、X方向とY方向とで異なる値としても良い。
図2に示した測定制御装置50において、測定処理部51は、ステージ制御部53における制御情報に基づいて、試料S上で設定されている照射位置を特定し、検出器20による測定結果を照射位置の関数として求める。これにより、試料S中の対象物質についての2次元の顕微画像が取得される。また、測定処理部51は、必要に応じて線源駆動制御部52からのドップラー速度についての情報、及び電圧印加制御部54からの電子のエネルギー選択についての情報等をも参照して、測定データの処理を行う。
このような測定制御装置50は、例えばCPU及び必要なメモリ等を含むパーソナルコンピュータ上で測定制御用ソフトウェア(例えばORTEC社のMCS−32)を動作させることによって実現することができる。また、図2に示した構成においては、この測定制御装置50に対して、表示装置56と、入力装置57とが接続されている。表示装置56は、測定制御装置50において取得された分光測定データの表示、あるいは、分光測定の実行について必要な情報の表示等に用いられる。また、入力装置57は、メスバウア分光測定の実行に必要な情報の操作者による入力等に用いられる。
上記実施形態によるメスバウア分光測定装置の効果について説明する。
図1、図2に示したメスバウア分光測定装置1A、1Bにおいては、分光測定用のγ線(例えば57Co線源から放出されるエネルギー14.4keVのγ線)を供給するγ線照射部15と、分光測定の対象物質(例えば57Fe)を含む試料Sを保持する試料ステージ10との間にγ線集束部18であるMCX19を設け、γ線源16からの測定γ線を試料Sに対して集束させつつ照射している。これにより、試料S中の対象物質についての情報を、X方向及びY方向について高い位置分解能で取得することができる。
また、試料Sを保持するステージ10としてXYゴニオステージを用い、集束された測定γ線の試料Sへの照射位置を照射軸Axに垂直なXY面内で2次元に移動させる照射位置移動手段として機能させている。このように、測定γ線の照射位置を試料S上で2次元に走査することにより、例えば試料S中での対象物質の2次元分布を測定するなど、試料S中の対象物質についての2次元測定が可能となる。
また、γ線集束部18とXYステージ10との間に測定γ線を通過させる開口部を有する電子検出器としてMCP検出器20を配置し、このMCP検出器20によって、試料Sから放出される電子を検出する構成としている。このように、開口部を有する構成の電子検出手段を用いることにより、γ線照射部15から供給される測定γ線の試料Sへの集束照射と、試料S中でγ線の共鳴吸収を起こした対象物質からの内部転換電子のMCP検出器20による検出とを、好適に両立することができる。
さらに、このような構成において、MCP検出器20の電子入射面21b(図4参照)に対し、その電位がステージ10上の試料Sに対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加するエネルギー選択用電源42を設けている。ここで、電子入射面21bの電位が試料Sに対して0(同電位)であれば、試料Sから放出された電子は、そのままMCP検出器20へと入射して検出される。
一方、電子入射面21bの電位が試料Sに対して負である場合、試料Sから放出された電子はその電位差によって減速され、一定以上のエネルギーで放出された電子のみが選択的にMCP検出器20に到達して検出される。また、このような内部転換電子のエネルギーの選択に関して、試料Sから放出される内部転換電子のエネルギーは、試料S中で対象物質によるγ線の共鳴吸収が起こって内部転換電子が生成された位置の試料表面からの深さ(Z方向の位置)に大きく依存する。
したがって、このようにMCP検出器20の電子入射面21bと試料Sとの間に電圧を印加し、検出器20によって検出される電子のエネルギーを選択することにより、照射位置を移動することによるX方向、Y方向の情報に加えて、試料Sの深さ方向であるZ方向について試料S中の対象物質の情報を得ることが可能となる。以上より、上記構成のメスバウア分光測定装置によれば、試料S中の対象物質についての3次元の微細構造の情報を取得することが可能となる。このようなメスバウア分光測定による試料の3次元測定は、本発明によって初めて可能となったものである。
ここで、図7は、図2に示した構成のメスバウア分光測定装置1Bにおいて、MCP検出器20で検出された電子のエネルギー分布を示すグラフであり、グラフ(a)は、入射側にHVIN=−3kV、出射側にHVOUT=0kVの電圧を印加した場合の電子のエネルギー分布を示している。また、グラフ(b)は、入射側にHVIN=0kV、出射側にHVOUT=3kVの電圧を印加した場合の電子のエネルギー分布を示している。また、図7のグラフ(a)、(b)において、横軸は検出された電子のエネルギーに相当する検出器20で得られた波高値(mV)を示し、縦軸はカウント数を示している。
図7のグラフ(b)は、電子増倍用電圧を3kVとするとともに、エネルギー選択用電圧を0kVとして電子のエネルギーの選択を行わなかった場合の電子のエネルギー分布を示している。このエネルギー分布では、K殻及びL殻の内部転換電子のスペクトルが分離して観測されている。また、放出された内部転換電子は、試料S内部で電子放出位置から試料表面に到達するまでの間にエネルギーを失うため、その放出位置が表面から深い位置にあるほど、試料Sから検出器20へと出射される電子のエネルギーは低くなる。
これに対して、図7のグラフ(a)は、電子増倍用電圧を3kVとするとともに、エネルギー選択用電圧を−3kVと負の電圧に設定して電子のエネルギーを選択した場合の電子のエネルギー分布を示している。ここでは、試料Sの表面から放出される内部転換電子のうちでエネルギーが高いもののみが観測される。すなわち、この場合、試料Sの深部から放出されるエネルギーの低い電子はMCP検出器20に到達できずに測定データから取り除かれ、表面近傍から放出されるエネルギーの高い電子が選択的に測定される。このように、MCP検出器20の電子入射面21bと試料Sとの間に電圧を印加し、検出器20によって検出される電子のエネルギーを選択することにより、試料Sの深さ方向についての情報を得ることが可能である。
図8及び図9は、図2に示した構成のメスバウア分光測定装置1Bを用いて取得された試料Sの顕微画像の例を示す図である。ここで、図8及び図9のそれぞれにおいて、画像(a)は、測定範囲を10×10mmとし、X方向、Y方向でそれぞれ照射位置の移動間隔を250μmとして40ステップで分光測定を行って得られた顕微画像を示している。また、画像(b)は、測定範囲を1×1mmとし、X方向、Y方向でそれぞれ照射位置の移動間隔を25μmとして40ステップで分光測定を行って得られた顕微画像を示している。
また、測定対象の試料Sとしては、メスバウア分光測定の対象物質である57Feを厚さ100nmでSiウエハ表面に蒸着し、内部へと室温で拡散させることで試料S中に鉄原子の分布が形成されたものを用いている。また、γ線照射部15における57Co線源16の駆動については、ドップラー速度が±3mm/sの範囲で、約12Hzで照射軸方向に線源を振動させる条件で分光測定を行っている。
図8の画像(a)、(b)は、エネルギー選択用電圧を0kVとして電子のエネルギーの選択を行わなかった場合の電子の2次元分布の顕微画像を示している。一方、図9の画像(a)、(b)は、エネルギー選択用電圧を−3kVとして電子のエネルギーを選択した場合の電子の2次元分布の顕微画像を示している。
これらの図8、図9からわかるように、検出器20の電子入射面に負の電圧を印加して表面近傍からの内部転換電子のみを測定した図9の画像では、すべての電子を測定した図8の画像とは明らかに異なる鉄原子の2次元分布が観測されている。特に、図9において観測されている2次元分布は、57Feの自己組織化によって形成されたドット状の組織が観測されているものと考えられる。
以上のデータからわかるように、上記構成のメスバウア分光測定装置によれば、試料S中の対象物質についての3次元の微細構造の情報を取得することが可能であり、これによって3次元位置敏感型メスバウア分光装置(顕微メスバウア分光装置)を実現することができる。現在までのところ、XY方向の空間分解能は20μm程度、深さ方向の分解能は数10nm程度が達成されている。また、上記分光測定装置では、57Co線源などのγ線源が必要であるが、機器組み込み線源として登録すれば放射線管理区域がなくても利用することが可能と考えられる。これは、メスバウア分光の応用の観点から有効である。
ここで、エネルギー選択用電源42としては、例えば、電子のエネルギーを選択しない場合の0の印加電圧と、電子のエネルギーを選択する場合の負の印加電圧とを切換可能に構成された電源を用いることができる。一般には、エネルギー選択用電圧印加手段は、電子検出器の電子入射面の電位が試料に対して0または負の電位となる第1の電圧と、電子入射面の電位が試料に対して負の電位となり第1の電圧とは異なる第2の電圧とを少なくとも切換可能な構成とすることが好ましい。また、所定の電圧範囲で印加電圧を可変に設定可能に構成された可変電圧電源を用い、設定電圧値によって電子のエネルギーの選択条件を制御する構成としても良い。
また、試料Sに対するγ線の照射位置を2次元に移動させる照射位置移動手段の具体的な構成については、上記実施形態では、試料ステージとして、試料Sを照射軸に垂直な面内で2次元に移動させることが可能に構成され、照射位置移動手段として機能する可動ステージであるXYステージ10を用いている。これにより、試料Sに対するγ線の照射位置を好適に制御することができる。
また、図2に示した分光測定装置1Bでは、測定装置1Bの各部の動作を制御する測定制御装置50を設ける構成としている。これにより、上記構成のメスバウア分光測定装置における分光測定動作を好適に制御することが可能となる。ただし、このような測定制御については、その一部または全部を操作者による手動で行う構成としても良い。そのような構成の例としては、操作者が電源41、42を手動で操作して電子増倍用電圧及びエネルギー選択用電圧を設定した後、設定された電圧条件についての分光測定を実行する構成等がある。
また、上記実施形態の分光測定装置では、測定γ線をメスバウア効果によって共鳴吸収した試料S中の対象物質から放出される内部転換電子を検出することによって、メスバウア分光測定を行っている。これに対して、例えば図5にγ線検出器29を模式的に示すように、試料Sの後方にさらにγ線検出器を設置して、内部転換電子の検出と、透過γ線の検出とを併用してメスバウア分光測定を行う構成としても良い。
また、本分光測定装置は、通常の走査型電子顕微鏡を組み込むことが可能であるので、将来、SEM顕微像観察と併用することで材料の微細組織をさらに詳細に検討することも可能になる。
上記実施形態のメスバウア分光測定装置による具体的な測定対象については、上記したように、γ線照射部15を、γ線源である57Co線源16と、57Co線源を照射軸の方向に駆動する線源駆動装置17とによって構成するとともに、試料Sに含まれる対象物質を57Feとする構成を用いることができる。
このような構成では、通常の蛍光X線マッピング等とは異なり、メスバウア効果を利用して試料S中の57Fe原子のみを選択的に測定して、試料中における鉄原子の分布、及びその状態等についての情報を取得することができる。また、このようなメスバウア分光測定では、ppm程度の極微量の鉄原子の画像測定が可能である。また、さらに、Fe原子の化学状態、格子振動状態等についても通常のメスバウアスペクトル測定を行って区別して、それぞれのスペクトル成分に対するマッピング測定を行うことも可能である。
以上より、上記構成の分光測定装置を用いれば、例えばSiウエハなどの材料中における極微細組織と、Fe原子の分布・化学状態などの関係を詳細に評価することが可能となる。鉄原子を含む材料は、鉄鋼材料や鉱物をはじめとしてバイオマテリアルにいたるまで極めて多い。したがって、このように材料中の鉄原子の異なる状態に対応して、ナノメータスケールの3次元マッピング像を直接観察できる本装置は、工学、医学、考古学、地質学など極めて広い応用範囲を持つ装置になると期待できる。また、このようなメスバウア分光測定の対象物質については、上記した57Fe以外にも、分光測定の目的に応じて、一般にメスバウア分光の対象とされている他の物質を対象物質としても良い。
また、上記した構成例では、測定γ線を試料Sへと集束させる集束手段としては、複数の中空管を束ねて、測定γ線が試料Sへと集束するように形成されたマルチキャピラリレンズ(MCX)19を用いている。このようなMCXをγ線の集束に用いることにより、γ線源から供給されるメスバウア分光測定用のγ線を試料上の照射位置へと好適に集束させて、例えば約20μmの空間分解能など、高い空間分解能でのメスバウア分光測定を実現することが可能となる。
また、このような測定γ線の集束手段については、上記したMCX以外の構成を用いても良い。そのような構成としては、例えば、MCXにKBミラー(Kirkpatrick-Baez Mirrors、文献 "K. Yamauchi et al., "Hard X-ray Diffraction-Limited Nanofocusing with Kirkpatrick-Baez Mirrors", Japanese Journal of Applied Physics Part 2, 44(18), L539-L542 (2005)" 参照)を組み合わせて用いる構成が考えられる。このような構成では、数10nm程度の高い空間分解能を達成することも可能と期待できる。
また、上記した構成例では、試料S中の対象物質から放出される内部転換電子を検出する電子検出手段として、MCP検出器20を用いている。このように、電子増倍機能を有するMCPを用いた電子検出器を用いることにより、試料Sから放出される電子を確実に検出することができる。また、このようなMCP検出器20の電子入射面側に設けられた電極にエネルギー選択用電圧を印加する構成とすることにより、試料Sからの電子の検出と、電子のエネルギーの選択とを好適に実現することが可能となる。
このようなMCP検出器20については、一般には、1段または複数段のMCPからなり、測定γ線を通過させる開口部を有し、その一方の面を電子入射面、他方の面を電子出射面として構成された電子増倍機能を有するMCP部と、測定γ線を通過させる開口部を有し、MCP部の電子出射面から出射された電子を検出して、得られた電流信号を検出信号として出力する検出電極と、MCP部の電子入射面に対して設けられ、エネルギー選択用電圧が印加されるエネルギー選択用電極とを有する構成を用いることが好ましい。
また、この場合のエネルギー選択用電極については、上記構成では、電子増倍用電圧を印加するために設けられた入射側電極22をエネルギー選択用電極として用いる構成としている。これにより、MCP部の電子入射面に対するエネルギー選択用電圧の印加を、簡単な構成で実現することができる。ただし、エネルギー選択用電極については、電子増倍用電圧の印加に用いられる入射側電極とは別個にエネルギー選択用電極を設ける構成としても良い。
次に、エネルギー選択用電圧を印加して内部転換電子のエネルギーを選択することによる試料Sの深さ方向についての情報の取得についてさらに説明する。
上記のメスバウア分光測定装置では、図1に示した構成において、MCP検出器20の電子入射面側に負の電圧(例えば試料Sに対して0〜−6kVの電圧)を印加することにより、上記したように検出器20で検出される内部転換電子のエネルギー成分を選択することが可能となる。また、例えば図7に示した内部転換電子のエネルギースペクトルにおいて、測定範囲を特定のエネルギー範囲に制限すれば、試料Sの深さ方向についての情報を取得することができる。
この場合の分光測定条件(例えばエネルギー選択用に設定される電圧条件)と、試料Sでの深さ方向の位置との相関は、例えば図10に示す深さ校正用試料を用いて測定を行うことによって詳細に調べることが可能である。そして、そのようにして得られた校正情報を参照することにより、試料Sの深さ方向の情報を好適に取得することができる。
具体的には、図10に示した校正用試料としては、Siウエハの表面に厚さ50nmの57Feを蒸着した後、特殊なマスクを利用して0nm〜210nmの厚さでAgを蒸着した試料を用いることができる。図10においては、4×4で2次元に区分された16個の領域について、それぞれの領域でのAgの厚さを単位nmで示している。
このような校正用試料に対し、図10に示したAg厚さが0、20、50、70nmの4つの領域を含む1×1mmの範囲R5を測定範囲とし、X方向、Y方向でそれぞれ照射位置の移動間隔を25μmとして40ステップで分光測定を行って得られた顕微画像を図11に示す。図11の画像(a)は、エネルギー選択用電圧を−3kVとして電子のエネルギーを選択した場合の電子の2次元分布の顕微画像を示している。また、図11の画像(b)は、エネルギー選択用電圧を0kVとして電子のエネルギーの選択を行わなかった場合の電子の2次元分布の顕微画像を示している。
これらの図11の画像(a)、(b)の両者において、Agを全く蒸着していない右上の領域が最も高い計数値を示している。特に、内部転換電子のエネルギーを選択した画像(a)では、実質的に右上の領域のみで電子が計測されており、それ以外のAg蒸着部分からの内部転換電子は計測されていない。このことは、エネルギー選択用電圧を印加することにより、試料S中において試料表面から異なる深さに存在する57Fe原子の分布に関する情報を取得することが可能であることを示すものである。
次に、ドップラー速度によるメスバウアスペクトル測定を行って、それぞれのスペクトル成分に対するマッピング測定を行う構成について説明する。
上記のメスバウア分光測定装置では、図1に示した構成において、線源駆動装置17を用いてγ線源16を照射軸Axの方向に駆動することにより、ドップラー速度についてのメスバウアスペクトルを取得することができる。そして、このようなメスバウアスペクトルの情報を、上記した3次元のマッピング情報と組み合わせて用いることにより、試料S中の対象物質についてさらに多くの情報を得ることが可能である。
図12は、図2に示した構成のメスバウア分光測定装置1Bを用いて取得された試料Sのメスバウアスペクトルの一例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はドップラー速度(mm/s)を示し、縦軸は規格化したカウント数を示している。また、測定対象の試料Sとしては、図8及び図9と同様に、57Feを厚さ100nmでSiウエハ表面に蒸着し、内部へと室温で拡散させることで試料S中に鉄原子の分布が形成されたものを用いている。
図12のグラフによれば、蒸着後にFeとSiとの界面(試料表面から100nmの深さ)で相互拡散により、FeSiを中心とする鉄シリサイドと、シリコン中に固溶した鉄成分とが試料S中に存在することがわかる。なお、測定γ線の照射範囲がφ150μm程度と非常に小さいためにスペクトルの統計が若干悪くなっているが、このようなスペクトルの統計は、さらに測定を行うことで改善可能である。
図13は、このようなメスバウアスペクトルにおいてスペクトル成分を選択して取得された試料Sの顕微画像の例を示す図である。ここで、図13において、画像(a)は、ドップラー速度Vが−3<V<3mm/sのスペクトル成分を計測して得られた顕微画像を示している。また、画像(b)は、ドップラー速度VがV=0mm/sのスペクトル成分のみを計測して得られた顕微画像を示している。
これらの図13の画像(a)、(b)のうち、右側の画像(b)は、表面から100nm深さに形成されているFeとSiとの界面下に形成されたシリコン中に固溶した鉄成分の分布を示している。また、左側の画像(a)は、鉄シリサイド、及びシリコン中に固溶した鉄成分を合わせた分布を示している。このように、メスバウアスペクトルにおいて、スペクトル成分に対応してドップラー速度を選択することで、異なる成分に対応する試料Sの顕微画像を取得することが可能である。
本発明によるメスバウア分光測定装置は、上記実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、試料S中の対象物質から放出される内部転換電子を検出する電子検出手段としては、上記実施形態ではMCP検出器を例示したが、このような電子検出器としては、MCP検出器以外の検出器を用いても良い。
ここで、上記実施形態によるメスバウア分光測定装置では、(1)メスバウア分光測定の対象物質を含む試料を保持するための試料ステージと、(2)メスバウア分光測定に用いられる所定エネルギーのγ線である測定γ線を供給するγ線源を有し、所定の照射軸に沿って測定γ線を試料へと照射するγ線照射手段と、(3)γ線照射手段及び試料ステージの間に配置され、測定γ線を集束させつつ試料へと照射する集束手段と、(4)集束手段及び試料ステージの間に配置され、集束手段からの測定γ線を通過させる開口部を有するとともに、試料ステージ側の面を電子入射面として構成され、測定γ線をメスバウア効果によって共鳴吸収した試料中の対象物質から放出される内部転換電子を検出する電子検出手段と、(5)試料に対する測定γ線の照射位置を、照射軸に垂直な面内で2次元に移動させる照射位置移動手段と、(6)電子検出手段の電子入射面に対し、その電位が試料ステージ上の試料に対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加して、試料からの電子のうちで電子検出手段によって検出される電子のエネルギーを選択するエネルギー選択用電圧印加手段とを備える構成を用いている。
上記構成のメスバウア分光測定装置による具体的な測定対象については、γ線照射手段は、γ線源である57Co線源と、57Co線源を照射軸の方向に駆動する線源駆動手段とを有するとともに、試料に含まれる対象物質は、57Feである構成を用いることができる。この場合、試料中における鉄原子の分布、及びその状態等についての情報を取得することができる。また、57Fe以外にも、一般にメスバウア分光の対象とされている他の物質を対象物質としても良い。
また、測定γ線を試料へと集束させる集束手段の具体例としては、複数の中空管を束ねて、測定γ線が試料へと集束するように形成されたマルチキャピラリレンズを用いることが好ましい。これにより、γ線源から供給されるメスバウア分光測定用のγ線を、試料上の照射位置へと好適に集束させることが可能となる。
また、試料に対するγ線の照射位置を2次元に移動させる照射位置移動手段の具体的な構成については、試料ステージとして、試料を照射軸に垂直な面内で2次元に移動させることが可能に構成され、照射位置移動手段として機能する可動ステージを用いることが好ましい。
また、試料中の対象物質から放出される内部転換電子を検出する電子検出手段の具体例については、電子検出手段は、(a)1段または複数段のマイクロチャンネルプレートからなり、測定γ線を通過させる開口部を有し、その一方の面を電子入射面、他方の面を電子出射面として構成され、電子入射面と電子出射面との間に電子増倍用電圧が印加されることにより、試料から入射した電子を増倍する電子増倍機能を有するMCP部と、(b)測定γ線を通過させる開口部を有し、MCP部の電子出射面から出射された電子を検出して、得られた電流信号を検出信号として出力する検出電極と、(c)MCP部の電子入射面に対して設けられ、エネルギー選択用電圧が印加されるエネルギー選択用電極とを有するMCP検出器であることが好ましい。
このように、電子増倍機能を有するマイクロチャンネルプレート(MCP:Micro Channel Plate)を用いたMCP検出器を電子検出器として用いることにより、試料から放出される電子を確実に検出することができる。また、このようなMCP検出器の電子入射面側に設けられた電極にエネルギー選択用電圧を印加する構成とすることにより、試料からの電子の検出と、電子のエネルギーの選択とを好適に実現することが可能となる。
また、分光測定装置は、γ線照射手段による測定γ線の照射条件、照射位置移動手段による照射位置の設定条件、及びエネルギー選択用電圧印加手段によるエネルギー選択用電圧の印加条件を制御する測定制御手段を備えることが好ましい。これにより、上記構成のメスバウア分光測定装置における分光測定動作を好適に制御することが可能となる。
本発明は、試料中の対象物質についての微細構造の情報を取得することが可能なメスバウア分光測定装置として利用可能である。

Claims (5)

  1. メスバウア分光測定の対象物質を含む試料を保持するための試料ステージと、
    分光測定に用いられる所定エネルギーの測定γ線を供給するγ線源を有し、所定の照射軸に沿って前記測定γ線を前記試料へと照射するγ線照射手段と、
    前記γ線照射手段及び前記試料ステージの間に配置され、前記測定γ線を集束させつつ前記試料へと照射する集束手段と、
    前記集束手段及び前記試料ステージの間に配置され、前記集束手段からの前記測定γ線を通過させる開口部を有するとともに、前記試料ステージ側の面を電子入射面として構成され、前記測定γ線をメスバウア効果によって共鳴吸収した前記試料中の前記対象物質から放出される内部転換電子を検出する電子検出手段と、
    前記試料に対する前記測定γ線の照射位置を、前記照射軸に垂直な面内で2次元に移動させる照射位置移動手段と、
    前記電子検出手段の前記電子入射面に対し、その電位が前記試料ステージ上の前記試料に対して負の電位となるようにエネルギー選択用電圧を印加して、前記試料からの電子のうちで前記電子検出手段によって検出される電子のエネルギーを選択するエネルギー選択用電圧印加手段とを備え
    前記試料中の前記対象物質に対し、前記照射位置移動手段によって前記照射位置を移動することにより、前記照射軸に垂直な面内についての情報を取得し、前記エネルギー選択用電圧印加手段によって前記電子入射面に対して前記エネルギー選択用電圧を印加することにより、前記試料の深さ方向についての情報を取得することで、前記試料の3次元測定を行うとともに、
    前記電子検出手段は、
    1段または複数段のマイクロチャンネルプレートからなり、前記測定γ線を通過させる開口部を有し、その一方の面を前記電子入射面、他方の面を電子出射面として構成され、前記電子入射面と前記電子出射面との間に電子増倍用電圧が印加されることにより、前記試料から入射した電子を増倍する電子増倍機能を有するMCP部と、
    前記測定γ線を通過させる開口部を有し、前記MCP部の前記電子出射面から出射された電子を検出して、得られた電流信号を検出信号として出力する検出電極と、
    前記MCP部の前記電子入射面側に設けられ、前記エネルギー選択用電圧が印加されるエネルギー選択用電極となる入射側電極と、
    前記MCP部の前記電子出射面側に設けられ、前記入射側電極との間に前記電子増倍用電圧が印加される出射側電極と
    を有するMCP検出器であることを特徴とするメスバウア分光測定装置。
  2. 前記γ線照射手段は、前記γ線源である57Co線源と、前記57Co線源を前記照射軸の方向に駆動する線源駆動手段とを有するとともに、
    前記試料に含まれる前記対象物質は、57Feであることを特徴とする請求項1記載のメスバウア分光測定装置。
  3. 前記集束手段は、複数の中空管を束ねて、前記測定γ線が前記試料へと集束するように形成されたマルチキャピラリレンズであることを特徴とする請求項1または2記載のメスバウア分光測定装置。
  4. 前記試料ステージは、前記試料を前記照射軸に垂直な面内で2次元に移動させることが可能に構成され、前記照射位置移動手段として機能する可動ステージからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載のメスバウア分光測定装置。
  5. 前記γ線照射手段による前記測定γ線の照射条件、前記照射位置移動手段による前記照射位置の設定条件、及び前記エネルギー選択用電圧印加手段による前記エネルギー選択用電圧の印加条件を制御する測定制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載のメスバウア分光測定装置。
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