JP2000055842A - X線撮像分析方法および装置 - Google Patents

X線撮像分析方法および装置

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JP2000055842A
JP2000055842A JP22918098A JP22918098A JP2000055842A JP 2000055842 A JP2000055842 A JP 2000055842A JP 22918098 A JP22918098 A JP 22918098A JP 22918098 A JP22918098 A JP 22918098A JP 2000055842 A JP2000055842 A JP 2000055842A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物質の表面や薄膜に存在するさまざまな元素
の位置的な分布を高精度、且つ短時間で撮像して、分析
することのできる、新しいX線撮像分析方法および装置
を提供する。 【解決手段】 物質の元素から放出される蛍光X線を検
出器により撮像し、元素の位置的な分布を得るX線撮像
分析方法であって、蛍光X線の角度発散を、物質と検出
器との間において角度発散制限手段を用い、且つ検出器
および視野・角度発散制限手段を物質にできる限り近接
させることにより制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、X線撮像
分析方法および装置に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、物質の表面や薄膜の界面などに
存在するさまざまな元素の位置的分布を高精度、且つ短
時間で撮像することのできる、新しいX線撮像分析方法
および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、X線を用いて物質
表面の分析を行なう方法としては、たとえば全反射蛍光
X線分析法が知られている。この全反射蛍光X線分析法
は、X線の物質への侵入を極度に抑制し、その物質の表
面近傍に存在する元素からの蛍光X線を半導体検出器に
より測定して、物質表面の分析を行なう方法である。高
感度な表面分析法として知られ、半導体ウェハの汚染評
価に用いられているほか、各種工業材料や環境、生物試
料など、様々な対象に適用されている。
【0003】しかしながら、このような全反射蛍光X線
分析法では、X線を1〜10mradの浅い角度で試料
に入射させるため、試料上の照射面積、特にX線光軸方
向については、広くなってしまうといった問題があっ
た。すなわち、たとえば、入射X線を試料の直前におい
て40μm幅のスリットにより制限して、2mradで
入射させたとき、試料上では20mm幅にも広がってし
まう。通常、全反射実験で扱われる試料の大きさは10
〜30mm程度であり、この場合では、少なくとも光軸
方向については試料上の広い面積にX線が照射されるた
め、その蛍光X線の測定結果は試料表面の平均情報を与
えるだけとなる。もとより蛍光X線は全方向に放射され
る発散光であるため、このように照射範囲が広いと、試
料表面の元素の位置的な分布を分析することが困難であ
った。
【0004】そこで、蛍光X線の検出により試料表面元
素の位置的な分布を得るためには、試料上の限られた場
所だけを照射し、試料を走査することが考えられてい
る。上述の全反射蛍光X線分析法では、入射させる角度
が非常に浅いため、このような走査型の撮像を行なうこ
とができないが、類似の表面分析法が従来から用いられ
てきている。
【0005】この表面分析法は、相反定理による光路の
可逆性に着目して、垂直入射で微小領域を照射して斜出
射の配置で蛍光X線を検出する方法である。しかしなが
ら、この方法では、X線ビームに対して試料を走査する
ことにより元素のイメージを得ることは可能であるもの
の、走査に半日〜1日と非常に多大な時間を要し、その
割にはあまり解像度も画素数も稼ぐことができず、ま
た、全反射条件での別の重要な情報である鏡面反射率な
どを、同時に測定することができないといった問題点が
あった。
【0006】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、
物質の表面や薄膜に存在するさまざまな元素の位置的な
分布を高精度、且つ短時間で撮像して、分析することの
できる、新しいX線撮像分析方法および装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、物質の元素から放出され
る蛍光X線を検出器により撮像し、元素の位置的な分布
を得るX線撮像分析方法であって、蛍光X線の角度発散
を、物質と検出器との間において角度発散制限手段を用
い、且つ検出器および角度発散制限手段を物質にできる
限り近接させることにより制限するX線撮像分析方法
(請求項1)を提供し、その方法において、X線を全反
射臨界角近傍の浅い角度で物質表面に入射させた場合に
物質の元素から放出される蛍光X線を撮像すること(請
求項2)や粒子線を浅い角度で物質表面に入射させた場
合に物質の元素から放出される蛍光X線を撮像すること
(請求項3)や、ラジオアイソトープを物質表面に吸着
もしくはラベルさせた場合に該ラジオアイソトープから
放出される蛍光X線を撮像し、ラジオアイソトープの位
置的な分布を得ること(請求項4)や、角度発散制限手
段として微細管集合体を用いること(請求項5)や、検
出器として一次元検出器または二次元検出器を用いるこ
と(請求項6)などもその態様として提供する。
【0008】また、この出願の発明は、物質の元素から
放出される蛍光X線を検出器により撮像し、元素の位置
的な分布を得るX線撮像分析装置であって、物質と検出
器との間に角度発散制限手段が備えられ、且つ検出器お
よび角度発散制限手段が物質にできる限り近接して配設
されて、蛍光X線の角度発散が制限されていることを特
徴とするX線撮像分析装置(請求項7)をも提供し、X
線が全反射臨界角近傍の浅い角度で物質表面に入射され
た場合に物質から放出される蛍光X線を撮像すること
(請求項8)や、粒子線が浅い角度で物質表面に入射さ
れた場合に物質から放出される蛍光X線を撮像すること
(請求項9)や、ラジオアイソトープが物質表面に吸着
もしくはラベルされた場合に該ラジオアイソトープから
放出される蛍光X線を撮像し、ラジオアイソトープの位
置的な分布を得ること(請求項10)や、角度発散制限
手段として微細管集合体が備えられていること(請求項
11)や、検出器として一次元検出器または二次元検出
器が備えられている(請求項12)などをその態様とし
ている。
【0009】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通り、
物質の元素から放出される蛍光X線を検出器により撮像
し、元素の位置的な分布を得るものであって、蛍光X線
の角度発散を、物質と検出器との間において角度発散制
限手段を用い、且つ検出器および角度発散制限手段を物
質にできる限り近接させることにより制限することを特
徴としたものである。
【0010】撮像対象である蛍光X線は、たとえば、X
線を全反射臨界近傍の浅い角度で物質表面に入射させた
場合、または電子線やイオンビームなどの粒子線をX線
の全反射の場合と同じ程度の浅い角度で物質表面に入射
させた場合において、物質の表面近傍から発生する。さ
らに、物質表面にラジオアイソトープが吸着または意図
的にラベルされた場合においても、そのラジオアイソト
ープから自発的に蛍光X線が放出される。
【0011】そして、この蛍光X線を、物質にできる限
り近接させた検出器および角度発散制限手段によってそ
の角度発散を制限して、撮像することによって、上述し
た従来の技術よりも短い時間で、且つ精度良く、元素の
位置的な分布を得ることができる。ここで、物質にでき
る限り近接させた状態とは、X線もしくは粒子線を物質
表面に照射する場合においては入射波と反射波の光路を
妨げない範囲で可能な限り近い状態を意味し、また、ラ
ジオアイソトープが吸着またはラベルされている場合に
は物質に接触しない範囲で可能な限り近く検出器および
角度発散制限手段が位置した状態を意味する。
【0012】したがって、このような状態となれば、高
精度かつ短時間で元素の位置的分布が得られるというこ
の発明の効果を実現させることができるので、物質との
間隔を表す具体的数値自体が限定されるものではない。
間隔数値の一例としては、たとえば、実験室レベルの出
力を有するX線源もしくは粒子線源の場合において約
0.5〜5.0mm程度とすることができる。後述する
実施例では、約5mmの間隔を持って物質試料、微細管
集合体およびCCDカメラが配置された場合を例示して
いる。
【0013】ところで、このように検出器と物質との間
において物質にできる限り近い位置に配置される角度発
散制限手段としては、微細管集合体を用いることができ
る。この微細管集合体は、たとえば図5に例示したよう
な構造を有するもの、すなわち、ガラス板に精密に規則
正しく穴あけ加工が施されてなるもの、あるいは微細な
ガラスパイプが規則正しく配列され一体化されてなるガ
ラス板とすることができ、この場合では穴(またはガラ
スパイプ)の内径とガラス板の厚さとの比によって、蛍
光X線の角度発散が制限されることとなる。このような
微細管集合体は、一般にキャピラリプレート(またはコ
リメータ板)と呼ばれている。
【0014】また、このキャピラリプレートと同様な構
造を有し、微細管集合体として利用することができるも
のに、電極構造が作り付けられたマイクロチャンネルプ
レートと呼ばれるものもある。なお、これらのプレート
におけるキャピラリまたはチャンネルの内壁をコーティ
ングしたり、または非球面の形状をなすように加工した
りすることにより、集光または像の拡大を行なうなどの
改良が施されたものも、この発明の効果が得られる限
り、微細管集合体として用いることができることは言う
までもない。もちろん、プレート自体の外形も円形や矩
形等のように様々なものとすることができる。
【0015】さらにまた、金属箔が規則正しく配列して
なるソーラースリットを二つ組み合わせても、撮像の分
析領域を制約せずに、角度発散を二次元的に抑えること
ができるので、微細管集合体として利用することができ
る。このように、蛍光X線の角度発散を制限するという
機能を有しているものであれば、様々な公知の手段また
はその機能を有するように新たに作製された手段を角度
発散手段として用いることができる。
【0016】一方、検出器としては、水平方向の位置や
高さなどのような一方向のみの情報を与える一次元検出
器、たとえばダイオードアレイ、MOSイメージセン
サ、位置敏感型ガス比例計算管など、を用いることがで
きる。または、XY座標で表現される位置の情報を与え
る二次元検出器、たとえば電荷結合型素子(=CCD)
カメラなど、も用いることができる。なお、二次元検出
器は、得られた情報を積分することにより一次元検出器
としても使用することができることは言うまでもない。
撮像の空間分解能は、検出器の分解能とともに、蛍光X
線の角度発散により支配されるが、本発明では、後者を
可能な限り小さくすることにより実用的な分解能を得て
いる。
【0017】このようなこの発明のX線撮像分析方法お
よび装置は、以下のような発想に基づいてなされたもの
である。全反射条件では入射X線は物質内部にほとんど
侵入しないため、放出される蛍光X線は、表面近傍の元
素からのものに限定され、したがって、通常の固体分析
における蛍光X線強度と比べて強い強度のものであると
は考えられず、また、角度発散制御手段を通すとさらに
減衰が著しいと考えられることから、全反射条件におけ
るこの出願の発明のような試みはなされていなかった。
【0018】しかしながら、幾何学的な因子を非常に重
要視し、たとえば物質、角度発散制限手段、および検出
器(たとえばCCDカメラの場合ではそのBe窓および
内部素子)それぞれの間の距離を可能な限り短縮するこ
とにより、物質上の任意の位置から全方向に発散する蛍
光X線の発生位置を特定し、その位置からの角度発散を
抑制することにより、蛍光X線の広がりを抑えることが
できるとともに、十分な強度を確保することができ、よ
って、物質表面の元素の位置的な分布を得ることができ
るようになる。
【0019】さらに、全反射条件では、X線の光路が物
質表面とほとんど平行であるという特殊性に着眼し、物
質に対向する空間的なスペースを利用して、そのような
密着配置が実現可能であるとしたことから、本発明がな
されることとなった。このような発想に基づいてなされ
たこの発明により、たとえば数10ミクロンの分解能で
100万画素のイメージを数分程度で得られることがで
き、特に、波長可変な単色X線が得られる放射光を利用
すれば、入射X線のエネルギーを元素の吸収端前後で変
化させるなどの操作により、簡便に元素識別を行なうこ
とができる。
【0020】すなわち、前述したような従来の垂直入
射、斜出射の走査型表面分析法に比べ、分解能、画素数
および測定時間、または鏡面反射率等との同時測定の便
利さのいずれの点でも優れており、物質表面近傍に存在
する元素の位置的な分布の分析を非常に高精度、且つ短
時間で実現することができる。もちろん、X線励起によ
る蛍光X線の場合だけでなく、粒子線励起による蛍光X
線やラジオアイソトープによる自発的に放射された蛍光
X線の撮像にも、上述した原理を用いることができる。
【0021】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0022】
【実施例】(実施例1)図1は、この出願の発明の粒子
線撮像分析装置の一実施例を示した概略図である。たと
えばこの図1に例示したX線撮像分析装置では、視野・
角度発散制御手段として、直径6μmおよび厚さ約1m
mのガラス管を集合させて全体で約10mmの小口径の
円盤状にした微細管集合体であるコリメータ板(1)
が、物質試料(3)から約5mmの距離の直上に設置さ
れているとともに、そのコリメータ板(1)の背後にお
いて、コリメータ板(1)と可能な限り近い位置に、1
画素約12μ角、100万画素の電荷結合型素子(CC
D)カメラ(2)が設置されている。
【0023】本実施例における物質試料(3)として
は、シリコンウェハ上に、銅イオンおよび亜鉛イオンの
水溶液(濃度1000ppm、約5μl)を、図2に例
示したように滴下、乾燥させたものを用いている。図中
の長方形枠内(白線)において、左側に銅イオン水溶
液、右側に亜鉛イオン水溶液が存在している。また、X
線源(4)としてはシンクロトロン放射光源が備えら
れ、単色放射光X線を用いる。
【0024】そして、シンクロトロン放射光源からの単
色放射光X線が、スリット(5)および2結晶モノクロ
メータ(6)を通ったのち、100μm幅のスリット
(7)により水平方向の光路幅が制限され、入射強度検
出器(8)を通って、臨界角以下の微小角で試料物質
(3)に入射され、物質試料(3)の表面において全反
射されるようになっており、物質試料(3)の表面近傍
から発生する蛍光X線は、物質試料(3)に近接配置さ
れたコリメータ板(1)により角度発散が制限されて
(つまり平行化されて)、CCDカメラ(2)により撮
像される。
【0025】このとき、コリメータ板(1)は、上述し
たように、直径6μmおよび厚さ約1mmのガラス管が
集合されて成るものであるため、約6/1000という
蛍光X線の角度発散制限が行なわれることになる。この
ようなX線撮像分析装置により、9.8keVの単色X
線および9.0keVの単色X線を用いた場合それぞれ
において、物質試料(3)からの蛍光X線を撮像した。
撮像時間は5分である。
【0026】図3および図4は、各々、9.8keVお
よび9.0keV単色X線の場合の蛍光X線撮像結果を
例示した図面に代わる写真である。9.8keV単色X
線では、銅および亜鉛の両方の蛍光X線が発生するが、
9.0keV単色X線では、銅の蛍光X線のみが発生す
るので、図3および図4を比較することにより、銅と亜
鉛ぞれぞれの像を得ることができる。両図において二つ
の強いスポットの左側が銅、右側が亜鉛の液滴痕である
ことがわかる。すなわち、図2の像とよく対応した結果
を得ることができている。
【0027】液滴の大きさからここでの空間分解能は約
30ミクロン程度であると判断できる。また、より量の
少ない銅イオン水溶液をシリコンウェハ上に滴下、乾燥
させた場合にも、同様にして銅の蛍光X線を精度良く撮
像することができた。このように、物質試料(3)の表
面近傍の異種金属を区別してイメージングを行なうこと
ができた。 (実施例2)上述の実施例1ではX線源(4)としてシ
ンクロトロン放射光源が用いられて放射光X線を入射さ
せているが、本実施例2では、通常の実験室系のX線源
を用いて、蛍光X線の撮像を行なう。
【0028】図1に例示したX線・粒子線撮像分析装置
におけるX線源(4)として、銅回転対陰極X線源(4
0kV−80mA、6度方向の焦点サイズ=30μm×
3mm)が備えられており、チャンネルカットモノクロ
メータにより銅回転対陰極X線源からの銅Kα1線のみ
を取り出し、40μm幅のスリット(7)で水平方向の
光路幅を制限し、実施例1と同様に臨界角以下の微小角
で物質試料(3)に入射させる。
【0029】このとき、コリメータ板(1)を通してC
CDカメラ(2)で撮像されるX線像は、吸収端が銅K
α1線のエネルギーよりも低い元素からの蛍光X線のも
のに限られる。元素の種類が多くなく、分布像に関心が
ある場合には、単純な撮像のみでも十分に高精度の撮像
を得ることができる。また、コリメータ板(1)の直前
に数μm厚の金属フォイル等のフィルターを設置させて
撮像し、フィルターの有無による像の変化を検討するこ
とにより、元素の識別判定を行なうことも可能である。
【0030】以上の実施例は、X線を物質試料(3)の
表面に全反射臨界角近傍の浅い角度で入射させた場合に
物質試料(3)から放出される蛍光X線の撮像について
のものであるが、同様にして、粒子線をX線の全反射と
同じ程度に浅い角度で入射させた場合の蛍光X線や物質
表面に吸着若しくはラベルされたラジオアイソトープか
らの自発的な蛍光X線の撮像も、高精度且つ短時間で行
ない、物質表面や薄膜界面に存在する元素の位置的分布
やラジオアイソトープの位置的分布を優れた精度で、簡
便に分析するうことができることは言うまでもない。
【0031】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
る。
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、物質の表面や薄膜の表面・界面に存在するさまざ
まな元素の位置的な分布を高精度、且つ短時間で撮像し
て、分析することのできる、新しいX線撮像分析方法お
よび装置が提供され、このX線撮像分析方法および装置
によって、分析技術の著しい高度化が達成され、その結
果、製造プロセスの改善を促進し、さまざまな産業にお
いて高品位の工業製品の生産の実現を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のX線撮像分析装置の一実施例を例示
した要部構成図である。
【図2】試料を例示した図面に代わる写真である。
【図3】9.8keV単色X線により得られたX線像を
例示した図面に代わる写真である。
【図4】9.0keV単色X線により得られたX線像を
例示した図面に代わる写真である。
【図5】キャピラリプレートの一例を示した斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 コリメータ板 2 CCDカメラ 3 物質試料 4 X線源 5 スリット 6 2結晶モノクロメータ 7 スリット 8 入射強度検出器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月12日(1999.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 X線撮像分析方法および装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、X線撮像
分析方法および装置に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、物質の表面や薄膜の界面などに
存在するさまざまな元素の位置的分布を高精度、且つ短
時間で撮像することのできる、新しいX線撮像分析方法
および装置に関するものである。
【従来の技術とその課題】従来より、X線を用いて物質
表面の分析を行なう方法としては、たとえば全反射蛍光
X線分析法が知られている。この全反射蛍光X線分析法
は、X線の物質への侵入を極度に抑制し、その物質の表
面近傍に存在する元素からの蛍光X線を半導体検出器に
より測定して、物質表面の分析を行なう方法である。高
感度な表面分析法として知られ、半導体ウエハの汚染評
価に用いられているほか、各種工業材料や環境、生物試
料など、様々な対象に適用されている。しかしながら、
このような全反射蛍光X線分析法では、X線を1〜10
mradの浅い角度で物質に入射させるため、物質上の
照射面積、特にX線光軸方向については、広くなってし
まうといった問題があった。すなわち、たとえば、入射
X線を物質の直前において40μm幅のスリットにより
制限して、2mradで入射させたとき、物質表面上で
は20mm幅にも広がってしまう。通常、全反射実験で
扱われる試料の大きさは10〜30mm程度であり、こ
の場合では、少なくとも光軸方向については物質表面
の広い面積にX線が照射されるため、その蛍光X線の測
定結果は物質表面の平均情報を与えるだけとなる。もと
より蛍光X線は全方向に放射される発散光であるため、
このように照射面積が広いと、物質表面の元素の位置的
な分布を分析することが困難であった。そこで、蛍光X
線の検出により物質表面上の元素の位置的な分布を得る
ためには、試料上の限られた場所だけを照射し、試料を
走査することが考えられている。上述の全反射蛍光X線
分析法では、入射させる角度が非常に浅いため、このよ
うな走査型の撮像を行なうことができないが、類似の表
面分析法が従来から用いられてきている。この表面分析
法は、相反定理による光路の可逆性に着目して、垂直入
射で微小領域を照射して斜出射の配置で物質表面からの
蛍光X線を検出する方法である。しかしながら、この方
法では、X線ビームに対して試料を走査することにより
元素のイメージを得ることは可能であるものの、走査に
半日〜1日と非常に多大な時間を要し、その割にはあま
り解像度も画素数も稼ぐことができず、また、全反射条
件での別の重要な情報である鏡面反射率などを、同時に
測定することができないといった問題点があった。この
出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、従来技術の問題点を解消し、物質の表面や薄膜
に存在するさまざまな元素の位置的な分布を高精度、且
つ短時間で撮像し、分析することのできる、新しいX線
撮像分析方法および装置を提供することを目的としてい
る。
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、物質の元素から放出され
る蛍光X線を検出器により撮像し、元素の位置的な分布
を得るX線撮像分析方法であって、蛍光X線の角度発散
を、物質と検出器との間におい角度発散制限手段を用
て制限し、且つ検出器および角度発散制限手段を物質
にできる限り近接させることを特徴とするX線撮像分析
方法(請求項1)を提供し、その方法において、X線を
全反射臨界角近傍の浅い角度で物質表面に入射させた場
合に物質の元素から放出される蛍光X線を撮像すること
(請求項2)や粒子線を浅い角度で物質表面に入射させ
た場合に物質の元素から放出される蛍光X線を撮像する
こと(請求項3)や、ラジオアイソトープを物質表面に
吸着もしくはラベルさせた場合に該ラジオアイソトー
プから放出される蛍光X線を撮像し、ラジオアイソトー
プの位置的な分布を得ること(請求項4)や、角度発散
制限手段として微細管集合体を用いること(請求項5)
や、検出器として一次元検出器または二次元検出器を用
いること(請求項6)などもその態様として提供する。
また、この出願の発明は、物質の元素から放出される蛍
光X線を検出器により撮像し、元素の位置的な分布を得
るX線撮像分析装置であって、物質と検出器との間に角
度発散制限手段が備えられることにより蛍光X線の角度
発散が制限され、且つ検出器および角度発散制限手段が
物質にできる限り近接して配されていることを特徴と
するX線撮像分析装置(請求項7)をも提供し、X線が
全反射臨界角近傍の浅い角度で物質表面に入射された場
合に物質から放出される蛍光X線を撮像する(請求項
8)や、粒子線が浅い角度で物質表面に入射された場合
に物質から放出される蛍光X線を撮像すること(請求項
9)や、ラジオアイソトープが物質表面に吸着もしくは
ラベルされた場合に該ラジオアイソトープから放出さ
れる蛍光X線を撮像し、ラジオアイソトープの位置的な
分布を得ること(請求項10)や、角度発散制限手段と
して微細管集合体が備えられていること(請求項11)
や、検出器として一次元検出器または二次元検出器が備
えられている(請求項12)などをその態様としてい
る。
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通り、
物質の元素から放出される蛍光X線を検出器により撮像
し、元素の位置的な分布を得るものであって、蛍光X線
の角度発散を、物質と検出器との間におい角度発散制
限手段を用いることにより制限し、且つ検出器および角
度発散制限手段を物質にできる限り近接させることを
徴としたものである。撮像対象である蛍光X線は、たと
えば、X線を浅い角度で、典型的には全反射臨界角近傍
の角度で物質表面に入射させた場合、または電子線やイ
オンビームなどの粒子線をX線の全反射の場合と同じ程
度の浅い角度で物質表面に入射させた場合において、物
質の表面近傍から発生する。さらに、物質表面にラジオ
アイソトープが吸着または意図的にラベルされた場合に
おいても、そのラジオアイソトープから自発的に蛍光X
線が放出される。そして、この蛍光X線を、角度発散制
限手段によってその角度発散を制限し、物質にできる限
り近接させた検出器により撮像することによって、上述
した従来の技術よりも短い時間で、且つ精度良く、元素
の位置的な分布を得ることができる。ここで、物質にで
きる限り近接させた状態とは、X線もしくは粒子線を物
質表面に照射する場合においては入射波と反射波の光路
を妨げない範囲で可能な限り近い状態を意味し、また、
ラジオアイソトープが吸着またはラベルされている場合
には物質に接触しない範囲で可能な限り近く検出器およ
び角度発散制限手段が位置した状態を意味する。したが
って、このような状態となれば、高精度かつ短時間で元
素の位置的分布が得られるというこの発明の効果を実現
させることができるので、物質との間隔を表す具体的数
値自体が限定されるものではない。物質表面から検出器
内部の検出素子までの間隔数値の一例としては、たとえ
ば、実験室レベルの出力を有するX線源もしくは粒子線
源の場合において約0.5〜5.0mm程度とすること
ができる。後述する実施例では、約5mmの間隔を持っ
て物質試料、微細管集合体およびCCDカメラが配置さ
れた場合を例示している。ところで、このようにできる
限り接近させた検出器と物質との間の位置に配置される
角度発散制限手段としては、微細管集合体を用いること
ができる。この微細管集合体は、たとえば図5に例示し
たような構造を有するもの、すなわち、ガラス板に精密
に規則正しく穴あけ加工が施されてなるもの、あるいは
微細なガラスパイプが規則正しく配列され一体化されて
なるガラス板とすることができ、この場合では穴(また
はガラスパイプ)の内径とガラス板の厚さとの比によっ
て、蛍光X線の角度発散が制限されることとなる。この
ような微細管集合体は、一般にキャピラリプレート(ま
たはコリメータ板)と呼ばれている。また、このキャピ
ラリプレートと同様な構造を有し、微細管集合体として
利用することができるものに、電極構造が作り付けられ
たマイクロチャンネルプレートと呼ばれるものもある。
なお、これらのプレートにおけるキャピラリまたはチャ
ンネルの内壁をコーティングしたり、または非球面の形
状をなすように加工したりすることにより、集光または
像の拡大を行なうなどの改良が施されたものも、この発
明の効果が得られる限り、微細管集合体として用いるこ
とができることは言うまでもない。もちろん、プレート
自体の外形穴の形状も円形や矩形等のように様々なもの
とすることができる。このように、蛍光X線の角度発散
を制限するという機能を有しているものであれば、様々
な公知の手段またはその機能を有するように新たに作製
された手段を角度発散手段として用いることができる。
一方、検出器としては、水平方向の位置や高さなどのよ
うな一方向のみの情報を与える一次元検出器、たとえば
ダイオードアレイ、MOSイメージセンサ、位置敏感型
ガス比例計管など、を用いることができる。または、
XY座標で表現される位置の情報を与える二次元検出
器、たとえば電荷結合型素子(=CCD)カメラなども
用いることができる。なお、二次元検出器は、得られた
情報を積分することにより一次元検出器としても使用す
ることができることは言うまでもない。撮像の解像度
は、検出器自身の分解能とともに、蛍光X線の角度発散
および物質から検出素子までの距離により支配される
が、本発明では、後者を可能な限り小さくすることに
より高い解像度を得ている。このようなこの発明のX線
撮像分析方法および装置は、以下のような発想に基づい
てなされたものである。全反射条件では入射X線は物質
内部にほとんど侵入しないため、放出される蛍光X線
は、表面近傍の元素からのものに限定され、したがっ
て、通常の固体分析における蛍光X線強度と比べて強い
強度のものであるとは考えられず、また、角度発散制御
手段を通すとさらに減衰が著しいと考えられることか
ら、全反射条件におけるこの出願の発明のような試みは
なされていなかった。しかしながら、幾何学的な因子を
非常に重要視し、たとえば物質、角度発散制限手段、お
よび検出器(たとえばCCDカメラの場合ではそのBe
窓および内部素子)それぞれの間の距離を可能な限り短
縮することにより、物質上の任意の位置から全方向に発
散する蛍光X線の角度発散を抑制することができ、試料
位置と検出器との位置に1:1の対応がつくとともに、
十分な強度を確保することができ、よって、物質表面の
元素の位置的な分布を得ることができるようになる。さ
らに、全反射条件では、X線の光路が物質表面とほとん
ど平行であるという特殊性に着眼し、物質に対向する空
間的なスペースを利用して、そのような密着配置が実現
可能であるとしたことから、本発明がなされることとな
った。このような発想に基づいてなされたこの発明によ
り、たとえば数10ミクロンの分解能で100万画素の
イメージを数分程度で得られることができ、特に、波長
可変な単色X線が得られる放射光を利用すれば、入射X
線のエネルギーを元素の吸収端前後で変化させるなどの
操作により、簡便に元素識別を行なうことができる。す
なわち、前述したような従来の垂直入射、斜出射の走査
型表面分析法に比べ、分解能、画素数および測定時間、
または鏡面反射率等との同時測定の便利さのいずれの点
でも優れており、物質表面近傍に存在する元素の位置的
な分布の分析を非常に高精度、且つ短時間で実現するこ
とができる。もちろん、X線励起による蛍光X線の場合
だけでなく、粒子線励起による蛍光X線やラジオアイソ
トープによる自発的に放射された蛍光X線の撮像にも、
上述した原理を用いることができる。以下、添付した図
面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態につい
てさらに詳しく説明する。
【実施例】(実施例1)図1は、この出願の発明の
撮像分析装置の一実施例を示した概略図である。たとえ
ばこの図1に例示したX線撮像分析装置では、角度発散
制御手段として、直径6μmおよび厚さ約1mmのガラ
ス管を集合させて全体で約10mmの小口径の円盤状に
した微細管集合体であるコリメータ板(1)が、試
(3)から約5mmの距離の直上に設置されているとと
もに、そのコリメータ板(1)の背後において、コリメ
ータ板(1)と可能な限り近い位置に、1画素約12μ
角、100万画素の電荷結合型素子(CCD)カメラ
(2)が設置されている。本実施例における試料(3)
としては、シリコンウエハ上に、銅イオンおよび亜鉛イ
オンの水溶液(濃度1000ppm、約5μl)を、図
2に例示したように滴下、乾燥させたものを用いてい
る。図中の長方形枠内(白線)において、左側に銅イオ
ン水溶液、右側に亜鉛イオン水溶液が存在している。ま
た、X線源(4)としてはシンクロトロン放射光源が備
えられ、単色放射光X線を用いる。そして、シンクロト
ロン放射光源からの単色放射光X線が、スリット(5)
および2結晶モノクロメータ(6)を通ったのち、10
0μm幅のスリット(7)により水平方向の光路幅が制
限され、入射強度検出器(8)を通って、臨界角以下の
微小角で試料(3)に入射され、試料(3)の表面にお
いて全反射されるようになっており、試料(3)の表面
近傍から発生する蛍光X線は、試料(3)に近接配置さ
れたコリメータ板(1)により角度発散が制限されて
(つまり平行化されて)、CCDカメラ(2)により撮
像される。このとき、コリメータ板(1)は、上述した
ように、直径6μmおよび厚さ1mmのガラス管が集合
されて成るものであるため、6/1000という蛍光X
線の角度発散制限が行なわれることになる。このような
X線撮像分析装置により、9.8keVの単色X線おお
び9.0keVの単色X線を用いた場合それぞれにおい
、試料(3)からの蛍光X線を撮像した。撮像時間は
5分である。図3および図4は、各々、9.8keVお
よび9.0keV単色X線の場合の蛍光X線撮像結果を
例示した図面に代わる写真である。9.8keV単色X
線では、銅および亜鉛の両方の蛍光X線が発生するが、
9.0keV単色X線では、銅の蛍光X線のみが発生す
るので、図3および図4を比較することにより、銅と亜
鉛それぞれの像を得ることができる。両図において二つ
の強いスポットの左側が銅、右側が亜鉛の液滴痕である
ことがわかる。すなわち、図2の像とよく対応した結果
を得ることができている。液滴の大きさからここでの空
間分解能は約30ミクロン程度であると判断できる。ま
た、より量の少ない銅イオン水溶液をシリコンウェハ上
に滴下、乾燥させた場合にも、同様にして銅の蛍光X線
を精度良く撮像することができた。このように、試
(3)の表面近傍の異種金属を区別してイメージングを
行なうことができた。(実施例2)上述の実施例1では
X線源(4)としてシンクロトロン放射光源が用いられ
て放射光X線を入射させているが、本実施例2では、通
常の実験室系のX線源を用いて、蛍光X線の撮像を行な
う。図1に例示したX線・粒子線撮像分析装置における
X線源(4)として、銅回転対陰極X線源(40kV−
80mA、6度方向の焦点サイズ=30μm×3mm)
が備えられており、チャンネルカットモノクロメータに
より銅回転対陰極X線源からの銅Kα1線のみを取り出
し、40μm幅のスリット(7)で水平方向の光路幅を
制限し、実施例1と同様に臨界角以下の微小角で試
(3)に入射させる。このとき、コリメータ板(1)を
通してCCDカメラ(2)で撮像されるX線像は、吸収
端が銅Kα1線のエネルギーよりも低い元素からの蛍光
X線のものに限られる。元素の種類が多くなく、分布像
に関心がある場合には、単純な撮像のみでも十分に高精
度の撮像を得ることができる。また、コリメータ板
(1)の直前に数μm厚の金属フォイル等のフィルター
を設置させて撮像し、フィルターの有無による像の変化
を検討することにより、元素の識別判定を行なうことも
可能である。以上の実施例は、X線を試料(3)の表面
の全反射臨界角近傍の浅い角度で入射させた場合に試
(3)から放出される蛍光X線の撮像についてのもので
あるが、同様にして、粒子線をX線の全反射と同じ程度
に浅い角度で入射させた場合の蛍光X線や物質表面に吸
しくはラベルされたラジオアイソトープからの自発
的な蛍光X線の撮像も、高精度且つ短時間で行ない、物
質表面や薄膜界面に存在する元素の位置的分布やラジオ
アイソトープの位置的分布を優れた精度で、簡便に分析
ることができることは言うまでもない。もちろん、こ
の発明は以上の例に限定されるものではなく、細部につ
いては様々な態様が可能である。
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、物質の表面や薄膜の表面・界面に存在するさまざ
まな元素の位置的な分布を高精度、且つ短時間で撮像し
て、分析することのできる、新しいX線撮像分析方法お
よび装置が提供され、このX線撮像分析方法および装置
によって、分析技術の著しい高度化が達成され、その結
果、製造プロセスの改善を促進し、さまざまな産業にお
いて高品位の工業製品の生産の実現を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のX線撮像分析装置の一実施例を例示
した要部構成図である。
【図2】試料を例示した図面に代わる写真である。
【図3】9.8keV単色X線により得られたX線像を
例示した図面に代わる写真である。
【図4】9.0keV単色X線により得られたX線像を
例示した図面に代わる写真である。
【図5】キャピラリプレートの一例を示した斜視図であ
る。
【符号の説明】 1 コリメータ板 2 CCDカメラ 3 試料 4 X線源 5 スリット 6 2結晶モノクロメータ 7 スリット 8 入射強度検出器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質の元素から放出される蛍光X線を検
    出器により撮像し、元素の位置的な分布を得るX線撮像
    分析方法であって、蛍光X線の角度発散を、物質と検出
    器との間において角度発散制限手段を用い、且つ検出器
    および角度発散制限手段を物質にできる限り近接させる
    ことにより制限するX線撮像分析方法。
  2. 【請求項2】 X線を全反射臨界角近傍の浅い角度で物
    質表面に入射させた場合に物質の元素から放出される蛍
    光X線を撮像する請求項1のX線撮像分析方法。
  3. 【請求項3】 粒子線を浅い角度で物質表面に入射させ
    た場合に物質の元素から放出される蛍光X線を撮像する
    請求項1のX線撮像分析方法。
  4. 【請求項4】 ラジオアイソトープを物質表面に吸着も
    しくはラベルさせた場合に該ラジオアイソトープから放
    出される蛍光X線を撮像し、ラジオアイソトープの位置
    的な分布を得る請求項1のX線撮像分析方法。
  5. 【請求項5】 角度発散制限手段として微細管集合体を
    用いる請求項1ないし4のいずれかのX線・粒子線撮像
    分析方法。
  6. 【請求項6】 検出器として一次元検出器または二次元
    検出器を用いる1ないし5のいずれかのX線・粒子線撮
    像分析方法。
  7. 【請求項7】 物質の元素から放出される蛍光X線を検
    出器により撮像し、元素の位置的な分布を得るX線撮像
    分析装置であって、物質と検出器との間に角度発散制限
    手段が備えられ、且つ検出器および角度発散制限手段が
    物質にできる限り近接して配設されて、蛍光X線の角度
    発散が制限されていることを特徴とするX線撮像分析装
    置。
  8. 【請求項8】 X線が全反射臨界角近傍の浅い角度で物
    質表面に入射された場合に物質から放出される蛍光X線
    を撮像する請求項7のX線撮像分析装置。
  9. 【請求項9】 粒子線が浅い角度で物質表面に入射され
    た場合に物質から放出される蛍光X線を撮像する請求項
    7のX線撮像分析装置。
  10. 【請求項10】 ラジオアイソトープが物質表面に吸着
    もしくはラベルされた場合に該ラジオアイソトープから
    放出される蛍光X線を撮像し、ラジオアイソトープの位
    置的な分布を得る請求項7のX線撮像分析装置。
  11. 【請求項11】 角度発散制限手段として微細管集合体
    が備えられている請求項7ないし10のいずれかのX線
    撮像分析装置。
  12. 【請求項12】 検出器として一次元検出器または二次
    元検出器が備えられている請求項7ないし11のいずれ
    かのX線撮像分析装置。
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