JP2018200245A - 蛍光x線分析装置 - Google Patents

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健次 桜井
文洋 趙
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Abstract

【課題】遠隔操作により自走し、走行しながら、又は適宜停止して、その地点での蛍光X線分析または蛍光X線イメージングを行う機能を有すると共に、比較的狭い領域での元素分析に対処できる蛍光X線分析装置を提供すること。【解決手段】蛍光X線分析装置が収容される筐体(10)と、筐体(10)の分析対象物質(20)と対向する部位に設けられたX線窓(7)と、X線窓(7)と直交する方向に設けられたX線源(2)と、X線窓(7)と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線源(2)の周囲に複数設けられたX線検出器(3)と、筐体(10)のX線窓(7)が位置する面に沿って、筐体(10)を分析対象物質(20)に対して移動させる並進・回転移動機構(1)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光X線分析装置に関し、より詳しくは、遠隔操作により自走し、走行しながら、もしくは適宜停止して、その地点での蛍光X線分析または蛍光X線イメージングを行う機能を有する蛍光X線分析装置に関する。
物質はさまざまな元素から構成されており、その組成によって物理的・化学的性質が大きく左右される。このため、物質の理解や新材料開発のために、含まれている元素の種類や量を分析することは重要である。物質にX線を照射した際に出てくる蛍光X線のエネルギーから元素の種類が、その強度から量がわかることが知られている(特許文献1、2)。この蛍光X線分析を行うためには、X線源とともに、専用のX線分光器やX線検出器が必要である。
従来の蛍光X線スペクトルまたはそのイメージング画像を測定する装置は、ほとんどがベンチトップ型である(特許文献1、2)。X線源(2)は、据え付け型のX線管が一般的で、1〜3kW程度の電源や循環冷却水のチラーユニットが必要である。X線検出器(3)には、Si(Li)型、シリコンPINダイオード型、シリコンドリフト型等の半導体検出器が用いられる。X線検出器(3)は、半導体検出器(このタイプをエネルギー分散型と呼ぶ)でもよく、また結晶分光器を用いるもの(波長分散型と呼ぶ)でもよい。いずれも数値演算用コンピュータに接続し、コンピュータ画面上の操作によって、計測およびデータ処理を行う構成としている。そのコンピュータはネットワークに接続されていてもよく、またスタンドアロン型でもよい。監視カメラ(4)は測定中の試料の状態を監視するために付属している場合もある。電源はほとんどの場合、通常のAC電源が用いられる。イメージングを行う機能があるものは、モノキャピラリもしくはポリキャピラリ等の光学系と試料のXY走査機構を備え、微小ビームのスキャンの結果を画像表示している。
バッテリー駆動ハンディ型のモバイル蛍光X線分析装置が海外では開発され使用されている(特許文献3)。外観形状は、ピストルのようなガン型やヘヤドライヤー類似の形状である。引き金を引くとX線が出て測定開始、1〜数分後に自動停止して、そのスペクトルデータを処理して、分析結果の数値もしくは、基準値と比較した合否判定等の判定結果を液晶画面または内蔵プリンターに出力するものである。
これは、測定作業者がモバイル蛍光X線分析装置を携行し、分析したい特定地点にX線を照射して、分析・検査を行う構成になっている。X線源(2)はバッテリー駆動の空冷式である。X線検出器(3)には、シリコンPINダイオード型またはシリコンドリフト型等の半導体検出器が用いられる。外部のコンピュータにケーブルでも、無線ネットワークでも接続することはできるが、計測およびデータ処理のほとんどは、モバイル蛍光X線分析装置の単体で実行できる構成となっている。
他方で、モバイル蛍光X線分析装置は小型で機能が限定されているため、100%エネルギー分散型のみで波長分散型は使用されていない。
また、例えば海底での資源開発などの用途に適した、遠隔操縦車輛に蛍光X線分析装置等の分光装置を搭載することも提案されている(特許文献4)。また、蛍光X線分析装置と共に、可視光用途のカメラ、画像検出器として利用されているCCDやCMOSカメラなどを搭載することも提案されている(非特許文献1)。
しかしながら、上記構成の蛍光X線分析装置においては、ベンチトップ型ではフィールドに携行しての測定に用いることができない。モバイル蛍光X線分析装置では、フィールドに携行しての測定に用いることもできるが、機能が限定されているため、測定データの範囲が限られていると共に、測定作業者が随伴することが前提となっている。また、遠隔操縦車輛に搭載される蛍光X線分析装置においては、資源探索を目的としている関係で、比較的狭い領域での元素分析に適していないという課題がある。
近年、例えば原子炉等の設備診断や、極地・砂漠・海底などの極限環境のもとで、当該測定環境に含まれる元素分析を行う需要が高まっている。このような極限環境での測定に際しては、測定作業者が蛍光X線分析装置を遠隔操作して、測定作業者がフィールドに接近することなく、フィールドでの元素分析を行えることが望ましい。
また、原子炉等の設備診断では、比較的狭い領域、例えばポンプやモータのような設備機器程度の比較的狭い領域での元素分析に対処できることが望ましい。この点で、海底での資源探索のように、可採埋蔵量が採算に合う程度の大量の資源が存在するか判断する為の、広域探索に適する分光分析装置とは性質が相違する。
特許第3049313号公報 特許第3663439号公報 特表2006−526791号公報 特表2015−524563号公報
"Seeing elements by visible-light digital camera", Wenyang Zhao and Kenji Sakurai, Scientific Reports. 7, 45472 (2017).
本発明は、上記の課題を解決するもので、遠隔操作により自走し、走行しながら、又は適宜停止して、その地点での蛍光X線分析または蛍光X線イメージングを行う機能を有すると共に、比較的狭い領域での元素分析に対処できる蛍光X線分析装置を提供することを目的としている。
[1] 本発明の蛍光X線分析装置は、例えば図1、図2に示すように、蛍光X線分析装置が収容される筐体(10)と、筐体(10)の分析対象物質(20)と対向する部位に設けられたX線窓(7)と、X線窓(7)と直交する方向に設けられたX線源(22)と、X線窓(7)と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線源(22)の周囲に複数設けられたX線検出器(23)と、筐体(10)のX線窓(7)が位置する面に沿って、筐体(10)を分析対象物質(20)に対して移動させる並進・回転移動機構(1)と、を備えることを特徴とする。
このように構成された本発明の蛍光X線分析装置によれば、X線源とX線検出器は、X線窓を挟んで分析対象物質に対して近接した場所にあるため、蛍光X線が容易に得られる。蛍光X線によって、分析対象物質の組成元素の定性分析又は定量分析が可能となる。並進・回転移動機構により、遠隔操作により自走し、走行しながら、もしくは適宜停止して、X線窓の近傍地点での蛍光X線分析が行える。
[2] 本発明の蛍光X線分析装置は、例えば図1、図3に示すように、蛍光X線分析装置が収容される筐体(10)と、筐体(10)の分析対象物質と対向する部位に設けられたX線窓(7)と、X線窓(7)と直交する方向に設けられたX線検出器(33)と、X線窓(7)と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線検出器(33)の周囲に複数設けられたX線源(32)と、X線窓(7)と、筐体(10)のX線窓(7)が位置する面に沿って、筐体(10)を分析対象物質(20)に対して移動させる並進・回転移動機構(1)と、を備えることを特徴とする。
[3] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、さらに、X線源(22、32)から放射されたX線がX線窓(7)を経由して分析対象物質(20)に照射され、分析対象物質(20)で発生した蛍光X線が、X線窓(7)を経由してX線検出器(23、33)に入射した信号から、蛍光X線スペクトルを測定するX線スペクトル測定部(11)と、X線スペクトル測定部(11)の測定した蛍光X線スペクトルから、分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析の少なくとも一方を行う元素分析部(12)と、を有することを特徴とする。
[4] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、X線窓(7)と、X線源(22、32)及びX線検出器(23、33)との間に設けられたコリメータ部(8a)を有するとよい。
[5] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、X線窓(7)と、X線源(22、32)及びX線検出器(23、33)との間に設けられたピンホール部(8b)、又はフィルター(8c)を有するとよい。
[6] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、さらに、X線窓(7)が対向する分析対象物質(20)の周囲を含んで撮影する監視カメラ部(4)と、前記監視カメラ部(4)が撮影したイメージング画像と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、組成元素の空間的な位置分布を解析する空間的位置分布解析部(13)と、を有するとよい。
[7] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、空間的位置分布解析部(13)は、さらに並進・回転移動機構(1)が分析対象物質(20)に対して移動した方向と移動量を、組成元素の空間的な位置分布解析に用いるとよい。
[8] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、さらに、筐体(10)に設けられた全地球測位システムセンサー(5)を有し、空間的位置分布解析部(13)は、全地球測位システムセンサー(5)で測定した測位情報と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、組成元素の空間的な位置分布解析を行うとよい。
[9] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、さらに、筐体(10)に設けられた無線通信システム(6)を有し、空間的位置分布解析部(13)は、無線通信システムを用いて測定した測位情報と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、組成元素の空間的な位置分布解析を行うとよい。
[10] 本発明の蛍光X線分析装置において、好ましくは、さらに、筐体(10)に収容されたバッテリー電源(9)を有し、バッテリー電源(9)は、少なくともX線源(22、32)及びX線検出器(23、33)を含んで給電を行うとよい。好ましくは、バッテリー電源(9)は、並進・回転移動機構(1)、監視カメラ部(4)、空間的位置分布解析部(13)、全地球測位システムセンサー(5)、無線通信システム(6)の何れかにも給電を行う構成とするとよい。
本発明の蛍光X線分析装置によれば、遠隔操作により自走し、走行しながら、又は適宜停止して、その地点での蛍光X線分析または蛍光X線イメージングを行う機能を有すると共に、比較的狭い領域での元素分析に対処できる蛍光X線分析装置を提供できる。
本発明の一実施例を示す要部構成図である。 本発明の一実施例を示すX線源とX線検出器の配置構造の構成図で、X線源(22)とその周囲に配置された複数のX線検出器(23)を示し、X線窓(7)とコリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)は省略してある。 本発明の他の実施例を示すX線源とX線検出器の配置構造の構成図で、X線検出器(33)とその周囲に配置された複数のX線源(32)を示し、X線窓(7)とコリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)は省略してある。 画像検出器から蛍光X線スペクトルと元素別の画像を取得する態様を説明するもので、(A)は通常の露光・蓄積条件、(B)は単一光子計数条件を示している。 本発明の一実施例を示す蛍光X線イメージングの光学系を示すもので、ピンホール型を示している。 本発明の一実施例を示す蛍光X線イメージングの光学系を示すもので、コリメータ型を示している。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す要部構成図である。図において、本発明の蛍光X線分析装置は、並進・回転移動機構(1)、X線源(2)、X線検出器(3)、監視カメラ(4)、GPS(全地球測位システム)センサー(5)、無線通信システム(6)、X線窓(7)、コリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)、バッテリー電源(9)、筐体(10)、およびX線シャッター(14)を備えている。また、信号処理装置として、X線スペクトル測定部(11)、元素分析部(12)、空間的位置分布解析部(13)で構成されている。信号処理装置は、例えばマイクロプロセッサとソフトウェアを用いて構成されたコンピュータシステムを用いて構成されている。
分析対象物質(20)は、並進・回転移動機構(1)が走行する地表面又はその表層に位置している。分析対象物質(20)としては、例えば、金属資源、石油天然ガス等の埋蔵資源、地雷、爆発物、放射性物質、生物化学兵器等がある。
筐体(10)は、蛍光X線分析装置が収容されるもので、例えばプラスチック材料や鋼板やアルミニウム等の金属製材料で構成されている。並進・回転移動機構(1)は、筐体(10)のX線窓(7)が位置する面に沿って、筐体(10)を分析対象物質(20)に対して移動させるもので、例えば四輪車両や三輪車両が用いられる。
X線窓(7)は、X線源やX線検出器の内部と外部を仕切る薄い箔、薄い板の部品であり、筐体(10)の分析対象物質(20)と対向する部位に設けられる。X線窓(7)は、X線源にとっては、真空窓板になる。半導体検出器や冷却型CCDなどのX線検出器で内部を冷却するので、減圧、低真空になっていることも多く、圧力の違いは別として、やはり真空窓板になることが多い。CCD、CMOSなどでは可視光に感度があるので、CCD、CMOSにとってのX線窓は遮光を行う意味もある。X線窓(7)の材質としてはベリリウムが多く用いられている。軽元素などからの非常に低エネルギーの蛍光X線を測定する場合には、ポリマーや窒化ケイ素の非常に薄い膜が使われることもあり、その反対に高エネルギーの蛍光X線の場合には、厚めのポリマーにアルミをコートしたもの、あるいはアルミ箔、アルミ板などで置き換えることもできる。
X線シャッター(14)は、X線窓(7)とは別に設けられる任意的な部材である。X線シャッター(14)は、放射線(X線)を外に出す、出さないを切り分けるための一種の遮蔽部品である。通常、鉛、タングステン、タンタルまたはそれらの合金などX線吸収能の高い材質で、それなりに厚いものを使用する。X線源(2)を常に稼働状態にしておき、X線源内部ではX線発生中であるが、外部に照射したくないとき、測定していないときはX線シャッター(14)を閉にし、測定時のみ開とすることができる。X線シャッター(14)は、X線源(2)に対して用いるもので、X線検出器(3)に対しては通常X線シャッター(14)は必要ない。ただ、同じ筐体にX線源(2)とX線検出器(3)を内蔵させる構造をもつ場合には、X線シャッター(14)を1番外に持ってくる設計は現実的である。他方、常時X線発生状態とはせず、一発一発の測定の都度、X線をONして、終了とともにX線の電源から落とすという使い方もありうるところで、その場合、X線シャッター(14)は機能としては任意的である。しかし、筐体の内部を保護する観点から、外部との間を空間的に遮断する機構を設けることは有望である。
続いて、X線源(2)とX線検出器(3)の詳細を説明する。第1の態様としては、図2に示すように、X線源(22)とその周囲に配置された複数のX線検出器(23)を有するものである。第2の態様としては、図3に示すように、X線検出器(33)とその周囲に配置された複数のX線源(32)を有するものである。
図2は、本発明の一実施例を示すX線源とX線検出器の配置構造の構成図で、X線源(22)とその周囲に配置された複数のX線検出器(23)を示し、X線窓(7)とコリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)は省略してある。
X線源(22)は、X線窓(7)と直交する方向に設けられるもので、例えばX線を発生させる電子管であるX線管が用いられる。X線管は、フィラメント(カソード)を加熱することで発生した電子を、タングステンやモリブデンなどの金属(ターゲット、アノード)に衝突させることで連続X線(制動放射)と特性X線が発生する。タングステン、モリブデン、ロジウム、銅などの金属(ターゲット、アノード)を用いることが多いが、フィールドでの探査などの応用では、あえて異なる金属でX線管を製作することも有望である。
測定対象になる元素によって、蛍光X線を発生させるのに必要なX線のエネルギーが違うので、X線管にかける管電圧(衝突させる電子の最高エネルギー)とターゲットの金属の種類を選択することは重要である。例えば、カドミウムのK吸収端は26.7keVである。これよりも少し高いエネルギーの特性X線を利用できると圧倒的に有利になり、例えばランタン製のターゲットを用いるとよい。ロジウムもモリブデンも銅も、特性X線は、これらより低エネルギーで、タングステンは逆に非常に高すぎて、理想的ではない。現状は、やむなく用いられているに過ぎない。
また、X線管からの特性X線等が、測定スペクトルの妨害にならないようにすることも、探査を大きく有利にする要因になる。銅を測定したいのに、銅のX線管を使うと、そもそも銅の特性X線では試料中の銅から蛍光X線を発生させられないが、X線管の連続X線部分を使って発生させることになる。でも、その蛍光X線と、X線管からの特性X線の散乱とは区別ができない。そこまでいかなくても、近すぎるエネルギーのX線の混入は避ける必要がある。
以上のような観点から、X線管の管電圧と、X線管のターゲットは、何を測定するかによって注意深く選び、切り替えることも重要である。さらには、現在広く使われていなくても、新しいターゲットを開発、製作することも重要である。
X線検出器(23)は、X線窓(7)と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線源(22)の周囲に複数設けられる。X線検出器(23)は、X線の強度、流束、空間分布、エネルギースペクトルなどを測定する光検出器で、例えば、比例計数管、ガイガー計数管、半導体検出器、シンチレーション計数管等が用いられる。X線検出器(23)は、CCDやCMOSカメラなどの画像検出器を搭載していてもよい。画像検出器を搭載しているX線検出器(23)では、X線領域での分析に使用するための高速読み出し・画像処理を行うための信号処理回路とソフトウエアを有するとよい。
図1に戻り、コリメータ部(8a)は、X線検出器(3)の前面に設けられるものであり、図の通り、X線窓(7)の外側に設けられる場合も、図と厳密には同じではないが、X線窓(7)とX線検出器(3)の中間の位置に設けられてもよい。コリメータ部(8a)は、角度発散制限手段として機能するもので、分析対象物質(20)の発生する蛍光X線の角度発散を制限し、物質にできる限り近接させたX線検出器(3)により撮像する。ここで、物質にできる限り近接させた状態とは、X線もしくは粒子線を物質表面に照射する場合においては入射ビームと反射ビームの光路を妨げない範囲で可能な限り近い状態を意味し、また、ラジオアイソトープが吸着またはラベルされている場合には物質に接触しない範囲で可能な限り近く検出器および角度発散制限手段が位置した状態を意味する。
コリメータ部(8a)の材質は、蛍光X線のエネルギーによって選択する。遷移金属元素のK線や重金属のL線の多くをカバーする13keV程度までであれば、シリコンや石英製で、内部を金、白金、ロジウムなどで薄くコートしたものなどが有効である。さらに高いエネルギーでは、金属製が望まれる。
コリメータ部(8a)では、測定試料内の位置と1対1の関係で画像検出器の画素上に同サイズの蛍光X線強度像を記録する(さらには画像検出器を図4(B)の条件で使用すれば、その画素における蛍光X線の強度とエネルギーを同時に取得する)。
ピンホール部(8b)は、蛍光X線画像を得る為に用いる。ピンホールカメラの原理によって、測定試料内の位置と1対1の関係で画像検出器の画素上に蛍光X線強度像を倒立させた拡大・縮小像として記録する(さらには画像検出器を図4(B)の条件で使用すれば、その画素における蛍光X線の強度とエネルギーを同時に取得する)。
ピンホール部(8b)の構造は、例えば図5に詳細な構造を図示している。遮蔽能力のある板の中央に小さな穴をあけたものである。ピンホール部(8b)の材質は、金、タンタル、タングステン、鉛など遮蔽能力の高い金属を用いる。厚さは、蛍光X線のエネルギーによって考慮する必要がある。空間分解能は、ピンホールサイズによって決まるが、一般に厚い板に微小な穴を貫通させることは技術的な困難がある。薄くても差し支えない低エネルギー領域では、高空間分解能を得やすい。
フィルター(8c)は、X線の物質による吸収は波長(エネルギー)によって異なることを利用し、測定の妨害となる、もしくは単に不要なX線が検出器に入らないように減衰させて除外することができる。吸収は、X線のエネルギーの3乗で効いてくるので、低エネルギー(長波長)のX線のフィルターによる減衰は容易である。
フィルター(8c)の構造は、基本的に多数の金属箔、金属板である。枚数を変えて、場合によっては金属の種類も変えて減衰の程度を制御する。
フィルター(8c)の材質は、目的によって各種の金属箔、金属板を選択してよい。装置の正確な較正を行うために、厚さの管理が重要であり、厳密に厚さがわかっている箔、板を多数用意する。
なお、コリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)の使用組み合わせについては、任意的構成要素であるため、以下の態様がある。
(i)どれも使わないという構成態様もある。
(ii)それぞれを単独で使用するという構成態様もある。
(iii)コリメータ部(8a)とフィルター(8c)の組み合わせ構成態様もある。
(iv)ピンホール部(8b)とフィルター(8c)の組み合わせ構成態様もある。
X線スペクトル測定部(11)は、X線源(2)から放射されたX線がコリメータ部(8a)とX線窓(7)を経由して分析対象物質(20)に照射され、分析対象物質(20)で発生した蛍光X線が、X線窓(7)とコリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)、またはそれらを組み合わせたものを経由してX線検出器(3)に入射した信号から、蛍光X線スペクトルを測定する。
X線スペクトル測定部(11)は、X線検出器(3)からの信号の基本処理を行なうものである。さらに具体的には、X線がX線検出器(3)にはいった際に発生する信号電荷量を測定し、その量からX線のエネルギーを特定し、また時間をかけて測定を継続することにより、その同じエネルギーが検出された頻度を記録して、スペクトルとしてデータを取得するものである。特に、CCDやCMOSなど多数の画素を持つ画像検出器の場合には、X線が入射した位置情報も同時に取得する。図4(B)のような読み出し条件を利用すると、位置情報とエネルギー情報を同時に取得し、その操作を何度も繰り返すことによって、特定のX線エネルギーに対しての強度分布の画像を得ることができる。これに対し図4(A)のように、頻繁に読み出さずにただ蓄積して、その後に読み出すとすれば、エネルギー情報をとりあえず無視して、強度分布の画像を得ることができる。
元素分析部(12)は、X線スペクトル測定部(11)の測定した蛍光X線スペクトルから、分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析の少なくとも一方を行う。元素分析部(12)は、X線スペクトル測定部(11)で得られたデータを元素の定性および定量分析を行う部分である。端的にはソフトウエアを内蔵したコンピュータである。データベースを内蔵して併用することもある。無線通信機能を利用してデータを筐体外のサーバーに転送して、同様の処理を行うことももちろんできるが、ローカルに処理し、その結果を表示したり、その最終結果を無線で転送することも有力な利用法である。
監視カメラ部(4)は、X線窓(7)が対向する分析対象物質(20)の周囲を含んで撮影する。
空間的位置分布解析部(13)は、監視カメラ部(4)が撮影したイメージング画像と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、組成元素の空間的な位置分布を解析する。また、空間的位置分布解析部(13)は、並進・回転移動機構(1)が分析対象物質(20)に対して移動した方向と移動量を、組成元素の空間的な位置分布解析に用いる構成としてもよい。
空間的位置分布解析部(13)は、X線検出器(3)にCCDやCMOSなどの多数の画素を持つ画像検出器を用いた場合に、X線スペクトル測定部(11)で得られたデータをX線エネルギーを基準として整理し、特定の元素の空間的な濃度・量の分布の解析を行う部分である。データは、元素ごとの分布の画像として出力される。元素の情報を無視して、測定された全強度の分布を得ることもできる。端的には画像処理ソフトウエアを内蔵したコンピュータである。無線通信機能を利用してデータを筐体外のサーバーに転送して、同様の処理を行うこともできるが、ローカルに処理し、その結果を表示したり、その最終結果を無線で転送することも有力な利用法である。
空間的位置分布解析部(13)の分布解析では、X線がX線検出器(3)に入射した際、必ずしも1つのピクセルに1つの光子が入るとは限らず、複数のピクセルに分割されて、信号電荷を生じるチェージシェアリングと呼ばれる現象が起きることが考えられる。X線のエネルギー情報を得るためには、その補正を行う必要があり、空間的位置分布解析部(13)はそのような演算を行うことが要件になる。
また、空間的位置分布解析部(13)として画像検出器を用いる場合、図4(B)のような単一光子計測法によって、同じ場所に2つ以上の光子が入らない状況下で発生した総電荷量(画像としてはその地点での明るさ)からX線エネルギーを判定する。
全地球測位システムセンサー(5)は、筐体(10)に設けられている。
空間的位置分布解析部(13)は、全地球測位システムセンサー(5)で測定した測位情報と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、組成元素の空間的な位置分布解析を行うとよい。
無線通信システム(6)は、筐体(10)に設けられている。
空間的位置分布解析部(13)は、無線通信システム(6)を用いて測定した測位情報と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、組成元素の空間的な位置分布解析を行うとよい。
バッテリー電源(9)は、筐体(10)に収容されている。バッテリー電源(9)は、少なくともX線源(2)及びX線検出器(3)を含んで給電を行うとよく、さらに、並進・回転移動機構(1)、監視カメラ部(4)、空間的位置分布解析部(13)、全地球測位システムセンサー(5)、無線通信システム(6)の何れかにも給電を行う構成とするとよい。
このように構成された装置においては、作業担当者の遠隔操作に従って、並進・回転移動機構(1)が自走して、分析対象物質(20)での蛍光X線測定に適した位置に移動する。そして、X線窓(7)と分析対象物質(20)とが位置合わせされるように、並進・回転移動機構(1)により、さらに詳細な位置決めを行う。
X線源(2)から放射されたX線がX線窓(7)を経由して分析対象物質(20)に照射され、分析対象物質(20)で発生した蛍光X線が、X線窓(7)とコリメータ部(8a)を経由してX線検出器(3)に入射する。X線スペクトル測定部(11)では、この入射信号から、蛍光X線スペクトルを測定する。
そして、元素分析部(12)によって、X線スペクトル測定部(11)の測定した蛍光X線スペクトルから、分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析の少なくとも一方を行う。
空間的位置分布解析部(13)は、組成元素の空間的な位置分布解析を行う。この空間的な位置分布解析の態様は、以下の通りである。
(i) 監視カメラ部(4)が撮影したイメージング画像と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いる。
(ii) 並進・回転移動機構(1)が分析対象物質(20)に対して移動した方向と移動量を、組成元素の空間的な位置分布解析に用いる。
(iii) 全地球測位システムセンサー(5)で測定した測位情報と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いる。
(iv) 無線通信システム(6)を用いて測定した測位情報と、元素分析部(12)が元素分析した分析対象物質(20)の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いる。
このように構成された装置においては、複数X線源と単一X線検出器を有しているので、次の利点がある。
(1)同じターゲット、同じ管電圧条件のX線管を2つ以上複数配列して使用することにより単純に信号強度増をはかることができる。最初は1個のみで探査し、仮に微弱な信号を得た時、次のX線管もONにすることで、鮮明な信号とすることができる。
(2)異なるターゲット、もしくは異なる管電圧条件のX線管を2つ以上複数配列し、切り替え使用することにより、異なる元素に着目した蛍光X線スペクトル、画像を得やすくすることができる。
図3は、本発明の他の実施例を示すX線源とX線検出器の配置構造の構成図で、X線検出器(33)とその周囲に配置された複数のX線源(32)を示し、X線窓(7)とコリメータ部(8a)、ピンホール部(8b)、フィルター(8c)は省略してある。なお、図3において、前出した図2と同一作用をするものには同一符号を付して、説明を省略する。
X線検出器(33)は、X線窓(7)と直交する方向に設けられるもので、例えばX線の強度、流束、空間分布、エネルギースペクトルなどを測定する光検出器が用いられる。
X線源(32)は、X線窓(7)と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線検出器(33)の周囲に複数設けられるもので、例えばX線を発生させる電子管であるX線管が用いられる。
このように構成された装置においては、単一X線源と複数X線検出器を有しているので、次の利点がある。
(1)検出の立体角を検出器の数の分だけ大きくすることができる。そのX線検出器が普通の半導体検出器であった場合はもちろん、CCDやCMOSなどの画像検出器であった場合にも、画素を無視し全積分強度のみを利用することとし、また複数のX線検出器の間に特段の個性を設けず、単なる足し合わせとする場合、それだけで信号強度を大きく稼ぐことができる。
(2)複数の異なるX線検出器を配列するのも有用である。例えば、CCDやCMOSなどの画像検出器と、SDDやGe検出器のような半導体検出器を同時に、もしくは切り替え使用することにより、それぞれの情報を複合化できる。
さらに、図2の装置と図3の装置の両方を同じエリアで交互使用することも考えられる。例えば、図3で中央にX線管を周囲にGe半導体検出器(画像検出器ではない)を複数はいちしたものを用い、移動機構を駆使して探査することで、広域の元素ごとの分布図を作成し、その後、図2で中央にCCDまたはCMOSなどの画像検出器と付加光学系を、その周囲に複数X線管を備えたものを用いて、相対的に狭いエリアを探査すると、そのエリアの詳細な分布図を得ることができる。
図4は、画像検出器から蛍光X線スペクトルと元素別の画像を取得する態様を説明するもので、(A)は通常の露光・蓄積条件、(B)は単一光子計数条件を示している。
通常の露光・蓄積条件では、X線のエネルギーの区別をしない状態で、積分強度を測定している。これに対して、単一光子計数条件では、検出器に入射したX線のエネルギーを分析し、元素の種別を同定しながら、かつその検出したピクセル位置を記録しながら、計数を続ける。
X線検出器(3)に、CCDやCMOSカメラなどの画像検出器を搭載している場合には、単一光子計数条件を用いるのがよい。CCDやCMOSカメラは、可視光用途のカメラ、画像検出器として利用されているもので、蛍光X線分析を行うこともできる。この場合、CCDやCMOSカメラなどによるX線スペクトルを行うための高速・低ノイズの読み出し回路と画像処理ソフトウエアを設けると良い。
試料内における元素の位置と1対1の対応関係をもつ蛍光X線イメージングを行うには、モノキャピラリもしくはポリキャピラリ等の光学系と試料のXY走査機構を用い、微小ビームのスキャンの結果を画像表示する方法が広く用いられている。しかしながら、微小ビームや試料のXY走査機構を用いると、蛍光X線イメージ画像の取得に多くの時間が係り、測定作業が迅速に行えないという課題がある。
そこで、微小ビームや試料のXY走査機構を用いることなく、画像を取得する投影型の蛍光X線イメージング法が用いられている。図5は、本発明の一実施例を示す蛍光X線イメージングの光学系を示すもので、ピンホール型を示している。図5の装置では、いわゆるピンホールカメラの原理を用いるものである。ここでは、コリメータ部(8a)に代えてピンホール部(8b)を必須とする。その際、ピンホール部(8b)は、X線検出器(3)の前面に設けられ、図1の通り、X線窓(7)の外側に設けられる場合も、図と厳密には同じではないが、X線窓(7)とX線検出器(3)の中間の位置に設けられることもある。
図6は、本発明の一実施例を示す蛍光X線イメージングの光学系を示すもので、コリメータ型を示している。コリメータ部(8a)は、ガラス板に精密に規則正しく穴あけ加工が施されてなるもの、あるいは微細なガラスパイプが規則正しく配列され一体化されてなるガラス板とすることができ、この場合では穴(またはガラスパイプ)の内径とガラス板の厚さとの比によって、蛍光X線の角度発散が制限されることとなる。このようなコリメータ部(8a)は、一般にキャピラリプレートや微細管集合体と呼ばれている。
本発明の実施の他の実施形態においては、ピンホール部(8b)もコリメータ部(8a)も使用せず、GPSを用いながら移動する構成としても良い。このような構成とすることにより、検出器のピクセルサイズではなく総有効面積を空間分解能として、きわめて広面積のイメージングを行うこともできる。その場合でも、測定の妨害になる、もしくは単に不要なX線を除去するためにフィルター(8c)を残して使用することは有用である。
なお、本発明の実施の形態においては、並進・回転移動機構として地上を走行する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者において自明な範囲で、適宜の設計変更が可能である。例えば、並進・回転移動機構は海底を走行するものでも良く、またドローンのように地表近くを飛翔するものでもよい。
なお、海底や空中での装置利用に関しては、以下の点に留意する必要がある。蛍光X線の測定では、信号の検出は、バックグラウンドの低減に左右されることが非常に頻繁にある。
地中サーベイの場合は、おそらく土壌からの土壌成分元素(アルミ、シリコン、鉄、カルシウム、有機物質)からの蛍光X線、散乱X線が大きなバックグラウンドになる(この文脈では、濃度次第ですが、地表は相対的に容易ということになる)。
海底は、地中サーベイでの事情に加え、装置と海底の間にある海水が問題になるが、高エネルギーに限定すれば実現可能である(これは海水による吸収、減衰も、波長の3乗に従うため、エネルギー10倍を使えば、100ミクロンしか通らなかったものが100mm通るようになるという理屈による)。でも、イメージとしては、海底に対して、ほぼ密着、もしくは最高でもセンチメートル程度の隙間までになりそうである。
地面に非接触で、浮上させる場合の空気による減衰も同じ原理である。空気では海水ほどは減衰はしない。であるが、限りなく近い浮上サーベイになる。こういった技術は、たぶん厳密にはドローンとはまた異なる方法で行う可能性が高いように思われる。車両ではなく、飛翔するもの、地表から若干浮上し、非接触にサーベイする必要がある。
本発明の蛍光X線分析装置は、遠隔操作により自走し、走行しながら、又は適宜停止して、その地点での蛍光X線分析または蛍光X線イメージングを行う機能を有すると共に、比較的狭い領域での元素分析に対処できる。
(1)並進・回転移動機構、
(2)、(22)、(32)X線源、
(3)、(23)、(33)X線検出器、
(4)監視カメラ、
(5)GPS(全地球測位システム)センサー、
(6)無線通信システム、
(7)X線窓、
(8a)コリメータ、
(8b)ピンホール、
(8c)フィルター、
(9)バッテリー電源、
(10)筐体、
(11)X線スペクトル測定部、
(12)元素分析部、
(13)空間的位置分布解析部、
(14)X線シャッター、
(20)分析対象物質、

Claims (10)

  1. 蛍光X線分析装置が収容される筐体と、
    この筐体の分析対象物質と対向する部位に設けられたX線窓と、
    このX線窓と直交する方向に設けられたX線源と、
    このX線窓と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線源の周囲に複数設けられたX線検出器と、
    この筐体の前記X線窓が位置する面に沿って、前記筐体を前記分析対象物質に対して移動させる並進・回転移動機構と、
    を備えることを特徴とする蛍光X線分析装置。
  2. 蛍光X線分析装置が収容される筐体と、
    この筐体の分析対象物質と対向する部位に設けられたX線窓と、
    このX線窓と直交する方向に設けられたX線検出器と、
    このX線窓と直交する方向と僅かな傾斜角を有してX線検出器の周囲に複数設けられたX線源と、
    この筐体の前記X線窓が位置する面に沿って、前記筐体を前記分析対象物質に対して移動させる並進・回転移動機構と、
    を備えることを特徴とする蛍光X線分析装置。
  3. さらに、前記X線源から放射されたX線が前記X線窓を経由して前記分析対象物質に照射され、前記分析対象物質で発生した蛍光X線が、前記X線窓を経由して前記X線検出器に入射した信号から、蛍光X線スペクトルを測定するX線スペクトル測定部と、
    前記X線スペクトル測定部の測定した蛍光X線スペクトルから、前記分析対象物質の組成元素の定性分析又は定量分析の少なくとも一方を行う元素分析部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光X線分析装置。
  4. さらに、前記X線窓と、前記X線源及び前記X線検出器との間に設けられたコリメータ部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の蛍光X線分析装置。
  5. さらに、前記X線窓と、前記X線源及び前記X線検出器との間に設けられたピンホール部、又はフィルターを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の蛍光X線分析装置。
  6. さらに、前記X線窓が対向する前記分析対象物質の周囲を含んで撮影する監視カメラ部と、
    前記監視カメラ部が撮影したイメージング画像と、前記元素分析部が元素分析した前記分析対象物質の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、前記組成元素の空間的な位置分布を解析する空間的位置分布解析部と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の蛍光X線分析装置。
  7. 前記空間的位置分布解析部は、さらに前記並進・回転移動機構が前記分析対象物質に対して移動した方向と移動量を、前記組成元素の空間的な位置分布解析に用いることを特徴とする請求項6に記載の蛍光X線分析装置。
  8. さらに、前記筐体に設けられた全地球測位システムセンサーを有し、
    前記空間的位置分布解析部は、全地球測位システムセンサーで測定した測位情報と、前記元素分析部が元素分析した前記分析対象物質の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、前記組成元素の空間的な位置分布解析を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の蛍光X線分析装置。
  9. さらに、前記筐体に設けられた無線通信システムを有し、
    前記空間的位置分布解析部は、無線通信システムを用いて測定した測位情報と、前記元素分析部が元素分析した前記分析対象物質の組成元素の定性分析又は定量分析データを用いて、前記組成元素の空間的な位置分布解析を行うことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の蛍光X線分析装置。
  10. さらに、前記筐体に収容されたバッテリー電源を有し、
    前記バッテリー電源は、少なくとも前記X線源及び前記X線検出器を含んで給電を行うことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の蛍光X線分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111812135A (zh) * 2020-07-01 2020-10-23 北京黄金管家科技发展有限公司 黄金影像区分识别系统

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