JP3090184B2 - 小型テープカセット - Google Patents

小型テープカセット

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JP3090184B2
JP3090184B2 JP07261980A JP26198095A JP3090184B2 JP 3090184 B2 JP3090184 B2 JP 3090184B2 JP 07261980 A JP07261980 A JP 07261980A JP 26198095 A JP26198095 A JP 26198095A JP 3090184 B2 JP3090184 B2 JP 3090184B2
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健二 橋爪
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープの供給側リ
ールと、巻取側リールとにそれぞれ形状の異なるブレー
キを有するカセット、例えばVHS−C型の小型テープ
カセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のVHS−C型の小型テープカセッ
トでのリールブレーキ機構としては、例えば実公昭60
−41015号及び実公昭60−37736号公報に示
すように、各リールは上ハーフに設けられたリールスプ
リングにより下ハーフ側に常時押圧され、かつそれぞれ
形状の異なる別のブレーキで回転を制御されていて、即
ち、供給側はリールのフランジ下面に設けた凹凸と、下
ハーフ内面に設けた凹凸を上ハーフにあるリールスプリ
ングにより押圧係合させ、また巻取側は図9の如くリー
ルのフランジ外周に設けられたギアとリール押えで巻取
側にも弛み側にも回転できるように簡単な係合を行って
いた。そのため輸送時などで、テープが巻き弛みを起こ
しデッキに装着する際に、ジャミングを起こしてしまう
という問題が多く発生していた。このため取扱説明書な
どに巻取側リールを巻き取り側に回転させて巻き弛みを
取るように注意書きされていたが、取扱説明書を読まず
に使用する人が多く、これらの問題を解決するため実開
平5−33370に示すようなブレーキ機構を設けるこ
とが試みられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
VHS−C型カセットでのブレーキ機構は、自然保存時
や輸送時にはテープの弛みは発生しないが、携帯時に落
下等の衝撃によりブレーキが外れ、テープが巻き弛んで
しまい、その場合そのままデッキに挿入するとジャミン
グが発生してしまうため、巻取側リールを巻き取り側に
回転させ巻き弛みを取る必要があり、また巻き弛みが発
生していなくても従来の取扱説明書に書かれて有る方式
で、デッキへの装着前には巻取側リールを巻き取り方向
に回転させてしまう使用者があると、供給側ブレーキが
供給側リールの歯に食い込んでしまい、テープ弛みを巻
き取ることによりテープの巻き締まりが起こってしま
う。この巻き締まりが発生すると、デッキ装着時に供給
側ブレーキがリールの歯に食い込みブレーキ解除ピンに
より解除できなくなってしまい装着できないと言う問題
があるほか、巻き締まったままにしておくと、テープが
伸びてしまったり、テープ張力にテープのガイド部材が
耐えられなく変形を起こしてしまうという問題があっ
た。従来の問題を解決するため、改善案としてブレーキ
のロック力を下げてしまうと、カセット輸送時などにテ
ープの巻き弛みが発生してしまい使用時にテープの巻き
弛みを取り忘れた時、デッキ装着時にジャミングを起こ
すなど問題が発生する。また、逆にブレーキのロック力
を上げると、供給側のブレーキが供給側のリールの歯に
食い込んでしまい、テープ弛みを巻き取ることによりテ
ープの巻き締まりが起こってしまう問題が起こってしま
う虞れが多分にある。本発明は、従来の欠点を排除しよ
うとするもので、テープの巻き弛みがなく、あってもテ
ープ弛みを取る時に巻き締まりが発生しなく、デッキへ
の装着がスムーズに行え、テープ保存性も良く、輸送時
なども安心できるカセットの供給を行うことを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下ハーフか
らなるケース内にテープを巻装した供給側リールと巻取
側リールの一対のリールが、回転自在に備えられ、各リ
ールはそれぞれ供給側及び巻取側で別のブレーキで回転
を制御されているカセットであって、両ブレーキが支軸
に回動自在に嵌挿配備され、各ブレーキ爪をリールに係
脱可能に備え、巻取側のブレーキ解除に連動して供給側
ブレーキを解除する連繋構造となっているテープカセッ
トにおいて、前記供給側ブレーキ爪先端の直線部が前記
供給側リールの歯先端に当接係合し、該係合部と、供給
側リールブレーキの回動中心を結ぶ直線の傾きを、供給
側リールが巻取側リールから最も離れた位置では負の勾
配で、また最も近づいた位置では正の勾配となるように
設定すると共に、供給側ブレーキの支軸中心位置がブレ
ーキ解除ピン挿入孔中心からケース長手方向に沿ってケ
ース中央に向って39〜44mmの範囲内の位置に設け
られているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のテープカセットでは、デ
ッキに装填すると、ブレーキ解除ピンがブレーキ解除ピ
ン挿入孔に入ってきて、巻取側リールブレーキをバネに
抗して支軸を中心として回動させ爪部を巻取側リールの
ギヤから外すと共に、巻取側リールブレーキの先端が供
給側リールブレーキを連動させてバネに抗して支軸を中
心に回動させ、供給側リールのギヤから供給側リールブ
レーキの爪部を外して両リールのブレーキが解除されて
両リールが回転可能となる。また、巻取側リールを巻取
方向に回転させることにより、巻取側ブレーキが解除方
向に動作し、巻取側ブレーキと連動してテープ供給側の
ブレーキを回動させ供給側ブレーキの先端が供給側リー
ルから外れ、供給側ブレーキを解除させてテープ巻取を
可能とする。またカセットをデッキから取り出す操作を
すれば、解除ピンがカセットから抜き取られてリールブ
レーキがバネの附勢で戻り、リールブレーキの爪部をリ
ールのギヤに係止させて回転規制してテープ巻き弛みが
なく保持して用いられる。そして、供給側リールが巻取
側リールから離れる位置でも、また供給側リールが巻取
側リールに近づいた場合でも、供給側ブレーキの支軸中
心位置が巻取側のブレーキ解除ピン挿入孔中心から所定
距離に位置することにより、巻き締まりは発生しない
し、ブレーキ力についても問題がなく、デッキへの装着
がスムーズに行え、しかもテープ保存性も良好で、輸送
時でも安心できる信頼性あるものとすることができる。
【0006】
【実施例】本発明は、図1に示すように上下ハーフ1,
2からなるケース内に一対のリール6,7を有し、前記
リール6,7は上ハーフ1に設けられたリールスプリン
グ25により下ハーフ2側に常時押圧されているカセッ
トであって、前記リール6,7はそれぞれ形状の異なる
ブレーキ14,15で回転を制御されていて、図2で示
すように巻取側ブレーキ15の解除に連動して供給側ブ
レーキ14を解除する構造となっているカセットで、前
記ブレーキ14,15は支軸141 ,151に回動自在
に備えられているが、供給側ブレーキ14の支軸141
の位置を変え、テープ巻き締まり及びブレーキ力のテス
トを行った。
【0007】図5では、供給側ブレーキ14の支軸14
1 の中心位置が、ブレーキ解除ピン挿入孔5中心からケ
ース後壁に沿った方向にあって、供給側リール6に片寄
った位置で、かつ供給側リール摺動範囲外の仕切壁21
に近接した位置に設けたもので、即ち、巻取側のブレー
キ解除ピン挿入孔5の中心からケース長手方向に沿って
ケース中央に向って39〜44mmの範囲内言い換える
と、供給側リール6と巻取側リール7との隙間の中心線
Yより供給側リールに片寄った位置で、仕切壁21 に当
接しない範囲内に位置させた構成としてある。そして、
図6に示す如く供給側ブレーキ14は、供給側リールブ
レーキ爪部142 の先端の直線部143 が前記供給側リ
ール6の歯先端に当接係合し、該係合部と、供給側リー
ルブレーキ14の回動中心、即ち、支軸141 の中心を
結ぶ直線の傾きを、供給側リール6が巻取側リール7か
ら最も離れた位置では負の勾配14aで、また最も近づ
いた位置では正の勾配14bとなるように設定してあ
る。
【0008】この例と比較した次の比較例について
検討した結果、図7に示す供給側ブレーキ14の支軸1
1 の位置を(L=45)にした場合、図7aのように
供給側リール6が巻取側リール7から離れる位置でも、
図7bのように供給側リール6が巻取側リール7に近づ
いた場合でも、巻き締まりは発生しないが、ブレーキ力
が輸送時にテープが巻き弛んでしまう。特にこの場合
は、供給側ブレーキ先端の動けるスペースが大きくて設
計が容易となるが、ブレーキ力が問題となる。回動中心
をこの位置にしてブレーキ力をアップさせるには爪部先
端を尖らせれば良いが、この形状では落下による衝撃
で、リールの歯や爪部先端にカケが発生し、ブレーキが
効かなくなるだけでなく、カケた小片によりテープにダ
メージを与えてしまう。
【0009】図8に示す供給側ブレーキ14の支軸14
の位置を(L=38)した場合、図8aのように供給
側リール6が巻取側リール7から離れる位置でも、図8
bのように供給側リール6が巻取側リール7に近づいた
場合でも、ブレーキ回動中心と、ブレーキ爪部14
先端の直線部とリールの歯先端との当接部を結ぶ直線の
勾配は、いずれも負の勾配で、ブレーキ力は有るが巻き
締まってしまうという問題が発生する。また、図9のよ
うな位置に供給側ブレーキ14の回転中心がある従来の
ブレーキでも、ブレーキの回動中心とリール係合部を結
ぶ直線の傾きを供給側リールが巻取側リールから最も離
れた位置では負の勾配Sで、最も近づいた位置でも負
の勾配Sとなり、正の勾配とはならないが、ブレーキ
爪部14の先端形状によってはブレーキ力、巻締まりに
対し良好に動作させることが可能だが、供給側ブレーキ
が解除された時に、爪部先端が巻取側リールに近接する
ので、巻取側ブレーキと供給側ブレーキの接触部の形状
を厳密に設定しないと、供給側ブレーキが解除された時
に、爪部が巻取側リールエリアに入りテープが損傷し走
行不良が発生するほか、供給側ブレーキ先端の動けるス
ペースが小さいため設計が困難である。しかし図5に示
す供給側ブレーキ14の支軸14位置を(L=42)
にして、図5aの供給側リール6が巻取側リール7から
離れる位置と、図5bのように供給側リール6が巻取側
リール7に近づいた場合とでは、負の勾配14aと正の
勾配14bとなるように設定すると、巻き締まりは発生
しないし、ブレーキ力についても問題がなく、VHS−
Cのブレーキとしては理想的なものとなり、また、供給
側ブレーキ先端の動くスペースも十分に確保でき設計も
容易となる。さらに細かく調べてみると、第1表の結果
となった。
【0010】
【表1】
【0011】第1表のようにブレーキ解除ピン挿入孔5
の中心よりの距離Lにある供給側ブレーキの位置を39
〜44mmに設定することにより、テープの巻き締まり
や、ブレーキ力についても安定したものを供給すること
ができるし、また、支軸位置の前後方向については、爪
部の長さにより対応可能なため特に指定しなくても良
い。なお、供給側ブレーキ14の支軸14の前後方向
の位置は、任意位置に決定できるが、支軸14から爪
部14までの長さはブレーキ14が回動しても巻取側
リールエリアに爪部14が入り込まないような長さと
し、爪部14と反対側に突設され、かつ巻取側ブレー
キ15に接続する被押圧部はブレーキ解除位置で巻取側
ブレーキ15の先端が食い込まない長さ形状にするのが
よい。
【0012】前記ブレーキ14,15は、それぞれ下ハ
ーフ2の支軸141 ,151 に回動自在に嵌挿され、爪
部142 ,152 がリール6,7に噛合されバネ16,
17で一方向に付勢されていて、該支軸の上端を上ハー
フ1のボス12,13または凹部に嵌合しリール6,7
の回転を制御するようになっている。
【0013】図中、3はケース窓部、4はリッド、5は
ブレーキ解除ピン挿入孔、8は供給側リールフランジ、
9は巻取側リールフランジ、10は供給側テープクラン
プ、11は巻取側テープクランプ、16は供給側リール
ブレーキバネ、17は巻取側リールブレーキバネ、20
は供給側テープパッド、21は巻取側テープパッド、2
3は巻取側リールリング、24はセンターボスである。
【0014】
【発明の効果】本発明は、上下ハーフからなるケース内
にテープを巻装した供給側リールと巻取側リールの一対
のリールが、回転自在に備えられ、各リールはそれぞれ
供給側及び巻取側で別のブレーキで回転を制御されてい
るカセットであって、両ブレーキが支軸に回動自在に嵌
挿配備され、各ブレーキ爪をリールに係脱可能に備え、
巻取側のブレーキ解除に連動して供給側ブレーキを解除
する連繋構造となっているテープカセットにおいて、前
記供給側ブレーキ爪先端の直線部が前記供給側リールの
歯先端に当接係合し、該係合部と、供給側リールブレー
キの回動中心を結ぶ直線の傾きを供給側リールが巻取側
リールから最も離れた位置では負の勾配で、最も近づい
た位置では正の勾配となるように設定すると共に、供給
側ブレーキの支軸中心位置がブレーキ解除ピン挿入孔中
心からケース長手方向に沿ってケース中央に向って供給
側リールに片寄った位置で、かつ供給側リール摺動範囲
外の仕切壁に近接した位置に設けられていることによ
り、テープ巻き弛みがなく用いられ供給側リールが巻取
側リールから離れる位置でも、また供給側リールが巻取
側リールに近づいた場合でも、供給側ブレーキの支軸中
心位置が巻取側のブレーキ解除ピン挿入孔中心から所定
距離に位置することにより、巻き締まりは発生しない
し、ブレーキ力についても問題がなく、デッキへの装着
がスムーズに行え、しかもテープ保存性も良好で、輸送
時でも安心できる信頼性ある取扱い容易な小型テープカ
セットを製作容易で低コストで提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の分離状態の斜視図である。
【図2】図1の実施例の下ハーフの組立状態の拡大平面
図である。
【図3】本発明のブレーキ機構の分離状態の拡大斜視図
である。
【図4】図2のA−A線における拡大縦断面図である。
【図5】図1の実施例の下ハーフの一部を示す組立平面
図で、(a)は供給側リールが巻取側リールから離れた
位置を示し、(b)は供給側リールが巻取側リールの方
向へ寄った位置を示す。
【図6】図5の例の供給側リールブレーキの要部拡大平
面図である。
【図7】比較例の下ハーフの一部を示す組立平面図
で、(a)は供給側リールが巻取側リールから離れた位
置を示し、(b)は供給側リールが巻取側リールの方向
へ寄った位置を示す。
【図8】比較例の下ハーフの一部を示す組立平面図
で、(a)は供給側リールが巻取側リールから離れた位
置を示し、(b)は供給側リールが巻取側リールの方向
へ寄った位置を示す。
【図9】従来例の供給側リールブレーキの平面図で、
(a)(b)はそれぞれ要部拡大平面図である。
【符号の説明】
1 上ハーフ 2 下ハーフ 6 供給側リール 7 巻取側リール 12,13 ボス 14 供給側ブレーキ 141 支軸 142 供給側ブレーキ爪部 143 供給側ブレーキ爪先端直線部 15 巻取側ブレーキ 151 支軸 16 供給側リールブレーキバネ 17 巻取側リールブレーキバネ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下ハーフからなるケース内にテープを
    巻装した供給側リールと巻取側リールの一対のリール
    が、回転自在に備えられ、各リールはそれぞれ供給側及
    び巻取側で別のブレーキで回転を制御されているカセッ
    トであって、両ブレーキが支軸に回動自在に嵌挿配備さ
    れ、各ブレーキ爪をリールに係脱可能に備え、巻取側の
    ブレーキ解除に連動して供給側ブレーキを解除する連繋
    構造となっているテープカセットにおいて、前記供給側
    ブレーキ爪先端の直線部が前記供給側リールの歯先端に
    当接係合し、該係合部と、供給側リールブレーキの回動
    中心を結ぶ直線の傾きを、供給側リールが巻取側リール
    から最も離れた位置では負の勾配で、また最も近づいた
    位置では正の勾配となるように設定すると共に、供給側
    ブレーキの支軸中心位置がブレーキ解除ピン挿入孔中心
    からケース後壁に沿った方向にあって、供給側リールに
    片寄った位置で、かつ供給側リール摺動範囲外の仕切壁
    に近接した位置に設けられていることを特徴とする小型
    テープカセット。
  2. 【請求項2】 前記供給側ブレーキの支軸中心位置が、
    巻取側のブレーキ解除ピン挿入孔中心からケース長手方
    向に沿ってケース中央に向かって39〜44mmの範囲
    内にある請求項1記載の小型テープカセット。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08271987A (ja) * 1995-04-04 1996-10-18 Nec Corp 発泡スチロール製スクリーン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08271987A (ja) * 1995-04-04 1996-10-18 Nec Corp 発泡スチロール製スクリーン

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