JPS581903Y2 - レンタル用テ−プカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビデオテープレコーダ等の磁気記録再生装置
に装着されるテープカセットにおいて、特にレンタル用
に適した構造を有するテープカセットに関するものであ
る。

一般に、磁気記録再生装置に装着して使用されるテープ
カセットは、磁気テープを順方向走行および逆方向走行
を繰返すことによって何回も使用できるようになってい
る。

このような、テープカセットをそのままレンタル用に使
用して、磁気テープの使用回数と関係に同一な使用料金
を定めたのでは、使用者が不平等な料金を払わねばなら
なくなるときがあり、また、テープカセットの１回の貸
出において不必要に磁気テープが何回も繰返し使用され
て磁気テープの損傷を促がすようになってしまう。

そこで、本考案は、磁気テープが巻装装架されている二
つのテープリールを筐体内に収納してなるレンタル用テ
ープカセットにおいて、一方のテープリールのフランジ
に摺接する周面を有し、偏心的に軸支された偏心ローラ
と、該偏心ローラを上記フランジ方向に偏倚させる偏倚
手段と、上記偏心ローラの上記フランジ方向への移動を
阻止するレバーを挿入する為に上記 体の一部に設けた
小孔とを備え、上記偏倚手段の偏倚によって、磁気テー
プの巻戻し時に上記偏心ローラが上記フランジに喰込み
状態で摺接するように構成したことによ・つ士、貸出し
たテープカセットの使用者には、磁気テープの順方向走
行のみが可能で逆方向走行の出来ないような構造のテー
プカセットを提供し、上述のような問題点を解消しよう
とするものである。

以下、本考案について一実施例を示す図面に従い詳細に
説明する。

第１図に、本考案に係るテープカセットの一実施例の内
部構造を示す。

また、第２図に、この実施例の正面断面図を示す。

各図面において、１および２は、各々リールハブ３，４
の上下側に各フランジ５，６，７．８を有する供給テー
プリールおよび巻取りテープリールである。

９は、上記の各テープリール１，２を収納しているテー
プカセット筐体である。

このテープカセット筐体９は、その底壁１０に図示しな
い磁気記録再生装置の供給側テープリール台および巻取
り側テープリール台が挿通される第１および第２の開口
ｌＬ１２が形成されているとともに、その正面側壁１３
に磁気テープ１４が挿通される第３および第４の開口１
５．１６が形成されている。

また、上記の各テープリール１，２は、各リールハブ３
，４の下端側に開口した係合孔１７．１８が形成されて
おり、このテープカセットを磁気記録再生装置に装着す
ると、テープカセット筐体９の底壁１０の各開口ｌＬ１
２を通じて上記の各リール台が上記の各係合孔１７，１
８に挿入係合される。

さらに、上記の磁気テープ１４は、上記のテープカセッ
ト筐体９の正面側壁１３の各開口１５．１６を通じて、
各テープリール１，２の各リールハブ３，４に両端側よ
り巻装されている。

なお、上記のテープカセット筐体９の底壁１０には、各
開口１５．１６を通じて出入りする磁気テープ１４の走
行を案内するための各ガイドピン２０．２１が配設され
ている。

また、２２は、上記の供給テープリール１の上側フラン
ジ５の周面５ａに摺接するような周面２２ａを有する偏
心ローラである。

この実施例においては、各テープリール１，２とテープ
カセット筐体９で形成されるテープカセット筐体９の背
面側壁２３側中央部分の空所に上記の偏心ローラ２２は
位置されている。

図面中、２４は、上記の偏心ローラ２２を軸支する支軸
であり、この支軸２４は、テープカセット筐体９の上壁
２５に立設されている。

また、上記の偏心ローラ２４は、その底面２４ｂに係止
ピン２６が立設されている。

さらに、２７は、上記の偏心ローラ２２を偏倚させるた
めのコイルスプリングである。

このコイルスプリング２７は、その一端がテープカセッ
ト筐体９の正面側壁１３に固定されており、また、その
他端が上記の偏心ローラ２２の係止ピン２６に係止され
ている。

ここで、上記の偏心ローラ２２は、その中心点よりもテ
ープカセット筐体９の正面側壁１３側において支軸２４
により回動自在に軸支されており、また、その中心点よ
りもテープカセット筐体９の背面側壁２３側に配設しで
ある係止ピン２６に上記のコイルスプリング２７による
偏倚力が与えられており、上記の偏倚力により、その周
面２２ａが供給リール１の上側フランジ５の周面５ａに
摺接するように偏倚されている。

そこで、上述の如き構成の実施例において、巻取りリー
ル２および供給リール１が図面中矢印Ａ方向に回転され
て、磁気テープ１４が順方向走行される場合には、上記
のコイルスプリング２７で偏倚されている偏心ローラ２
２が供給リール１の上側フランジ５の周面５ａに対して
逃げ方向（図面中矢印Ｂ方向）に支軸２４を中心として
回転するので、上記の磁気テープ１４の順方向走行を妨
げない。

そして、巻取りリール２および供給リール１が図面中矢
印Ｃ方向に回転して磁気テープ１４を逆方向走行させよ
うとすると、上記の供給リール１の上側フランジ５の周
面５ａに摺接されている偏心ローラ２２が喰い込み方向
（図面中矢印り方向）に支軸２４を中心として回転され
るので、上記の供給テープリール１の回転が上記の偏心
ローラ２２によって制動されて、磁気テープ１４の逆方
向走行（すなわち巻戻操作）は禁止される。

なお、このようなテープカセットにおいて磁気テープの
巻戻しを行なうためには、例えば、テープカセット筐体
９の背面側壁２３に小孔３０を設け、この小孔３０より
操作レバー３１を挿入して上記の偏心ローラ２２が各テ
ープリール１，２の上側フランジ５，７に摺接しないよ
うに位置規正すれば良い。

従って、このような実施例をレンタル用のテープカセッ
トとじて用いて、上記の操作レバー３１を取り外して添
付することなく貸出せば、テープカセットの使用者によ
る磁気テープ１４の順方向走行は１回のみ可能で磁気テ
ープ１４が不用に繰返し使用されることにより損傷され
ることがなく、また、使用料金の公平も保つことができ
る。

また、ラチェット機構等により磁気テープの逆方向制動
を禁止するように構成することもできるが、この場合に
はリールのフランジに凸凹等の係合部分を形成する必要
があるのでリールの製造に手間を要するのに比較して、
上述の如き実施例によれば、特別な係合部分をリールの
フランジに形成する必要がないので製造が容易であると
ともに、磁気テープの逆方向走行時に制動部材が喰い込
み方向に移動して制動を行なうので偏倚手段としてのコ
イルスプリングの弾性力も小さなもので良い。

なお、この実施例においては、偏心ローラ２２で供給テ
ープリール１の上側フランジ５に制動力を与えているが
、制動力を与える箇所はこの実施例に限らず、供給リー
ル１および巻取りリール２の各フランジ５，６，７．８
の少なくとも一箇所に制動力を与えれば良い。

上述の如く、本考案によれば、一般の使用者には磁気テ
ープを１回だけ順方向走行可能な構造でレンタル用とし
て最適なテープカセットを提供することができ、不必要
な磁気テープの使用による損傷を防止できるとともに、
使用料金の公平を図ることが可能になる。

従って、所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るテープカセットの内部構造を示す
平面図である。 第２図は」二記実施例の正面断面図である。 １．２・・・・・・テープリール、５，６．γ、８・・
・・・・フランジ、９・・・・・・テープカセット筐体
、２２・・・・・・偏心ローラ、２７・・・・・・コイ
ルスプリング、３０・・・・・・操作レバー挿入用の小
孔、３１・・・・・・操作レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープが巻装装架されている二つのテープリールを
   筐体内に収納してなるレンタル用テープカセットにおい
   て、一方のテープリールのフランジに摺接する周面を有
   し、偏心的に軸支された偏心ローラと、該偏心ローラを
   上記フランジ方向に偏倚させる偏倚手段と、上記偏心ロ
   ーラの上記フランジ方向への移動を阻止するレバーを挿
   入する為に上記筐体の一部に設けた小孔とを備え、上記
   偏倚手段の偏倚によって、磁気テープの巻戻し時に上記
   偏心ローラが上記フランジに喰込み状態で摺接するよう
   に構成したことを特徴とするレンタル用テープカセット
   。