JPH0559676U - ビデオテープカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不使用時にはテープコネクタを確実にロック
し、使用時には、テープを傷めずにテープコネクタとア
ダプタのコネクタとを連結させる、カセット型アダプタ
に挿入するためのビデオテープカートリッジを提供す
る。 【構成】 ハウジング１３の中にはテープ供給リール１
４が入っており、テープ１５の自由端にはテープコネク
タ１９が取り付けられている。カートリッジ１０がアダ
プタ外にあるときには、ロッククリップ３０がロックク
リップ口３２を貫通しておりテープコネクタ１９は動か
ないようになっている。使用時には、アダプタの解除ピ
ン２０がハウジング１３に形成された解除ピン口から進
入し、ロッククリップ３０がロッククリップ口３２から
離脱するので、テープコネクタ１９は移動自在となり、
アダプタのコネクタとの連結が可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、２ピース型ビデオカセットを形成するために使用されるビデオテー プカートリッジに関する。本カートリッジはビデオカセットアダプタに挿入され て使用されるもので、この２ピース全体が業界の標準ビデオカセットと同等の機 能を達成するものである。

【０００２】

【従来の技術】

消費者がビデオテープを使用する際には、カセットに入っている磁気記録媒体 を用いるのが一般的となっている。しかし、このパッケージ方式によれば、空の リールがカセットに入っていることになり、テープ格納方式としては効率が十分 でない。

【０００３】 そこで、磁気記録媒体を、種々の用途に使用できるように、より小型で空間を より有効に活用することのできるカートリッジ内に装填する方法が取られてきて いる。カートリッジの場合であると、カートリッジハウジングにはテープを格納 する供給リールが１つだけ収納されることになる。

【０００４】 カートリッジをカセットに適応させるカートリッジ−ツゥー−カセット型アダ プタの一例をノヴァック（Novak）氏による米国特許第4,920,436号明細書より知 ることができる。そこには、ビデオテープカートリッジを業界の標準ビデオカセ ットに適応させるキャリヤすなわちアダプタが示されている。

【０００５】 このような製品において肝心なことは、カートリッジ内のテープ供給リールと アダプタ内の巻取リールとを確実に接続させるということである。ノヴァック氏 の例では、テープコネクタをカートリッジ内で保持するために一対のばね式ジョ ー部材が設けられている。テープをカートリッジから引き出すためには、このジ ョー部材により発生されるばね力に勝る力が必要である。さらに、このジョー部 材では、テープコネクタをカートリッジ内の定位値に戻すことができず、また、 何かのきっかけでテープコネクタがカートリッジから外れてしまうこともある。

【０００６】

【考案の要旨】

上記従来のカートリッジ−ツゥー−カセット型アダプタと異なり、本考案に係 るビデオテープカートリッジは、テープコネクタをカートリッジ内で捕捉し確実 にロックするロッククリップ構造を有している。このロッククリップは、カート リッジを対応するアダプタ内に挿入すると解除されるようになっている。使用の 際には、アダプタに形成された解除ピンを解除ピン口からカートリッジに入れる と、ロック手段を退避させることができ、これによって、テープコネクタを、実 質的に一切力を用いずにカートリッジから引き出すことができる。

【０００７】

【実施例】

以下に、添付図面に示した本考案の一実施例について詳細に説明する。

【０００８】 図１は、本考案に係るビデオテープカートリッジ１０の分解斜視図である。カ ートリッジ１０のハウジング１３は、上側部分１１と下側部分１２とに分かれて いる。ハウジング１３にはロッククリップ３０が設けられており、このロックク リップ３０はハウジング１３の下側部分１２に形成されたロッククリップキャビ ティ３１に収容されるようになっている。

【０００９】 ハウジング１３の中には、テープ１５を格納するためのテープ供給リール１４ が、ハウジング１３内で回転できるように取り付けられている。供給リール１４ は、上部フランジ１６と下部フランジ１７とを有することが好ましい。さらに、 下部フランジ１７の周囲には、複数のギヤ形状の歯によって供給リールギヤフラ ンジ１８が形成されていることが好ましい。これら複数の歯は、供給リール１４ を対応するアダプタ内で回転させるために使用される。

【００１０】 これらの歯は、また、リールブレーキアセンブリ２４と協働する。リールブレ ーキアセンブリ２４はバイアスばね２５を有しており、このバイアスばね２５に よってギヤフランジ１８とラチェットアーム２６とが係合するようになっている 。リールブレーキアセンブリ２４のこのような作用によって、供給リール１４は 反時計回りに回転し、カートリッジ１０内のたるんだテープ１５を巻き取ること ができるのである。ラチェットアーム２６はピン２７を軸としてカートリッジ１ ０内に設けられている。ピン２７は、ハウジング１３の上側部分１１と下側部分 １２とを合わせて組み立てるときにもその位置合わせの手段として利用できるよ うになっている。さらに、上側部分１１と下側部分１２の位置合わせ手段及び位 置記憶手段としてガイドピン２８が形成されている。

【００１１】 通常、カートリッジ１０をアダプタに挿入すると、カートリッジ１０内のテー プコネクタ１９とアダプタ内の係留コネクタ２９とが連結する。この相互連結し たコネクタは、アダプタとカートリッジ１０との複合体をビデオテープ機内で使 用する時点では、アダプタ内に形成されたテープ走行路を横断して巻取リールの 上方へ移動していることが好ましい。

【００１２】 使用の際には、カートリッジ１０をアダプタの中に入れてワインダキーを持ち 上げる。そして、ワインダキーを回して相互連結したコネクタを巻取リールの上 方へ移動させる。このとき、テープコネクタ１９は、アダプタのワインダ機構に よって自在に移動できるようになっていなければならない。このために、アダプ タの構造の中でカートリッジ１０と協働するものは、図１,５に示された解除ピ ン２０だけとなっている。解除ピン２０は、アダプタ２２の床部２１に固定され ており、カートリッジ１０をアダプタ２２に挿入すると、ハウジング１３の下側 部分１２に形成された解除ピン口２３からカートリッジ１０内に進入するように なっている。この構造は、図５に明確に示されている。

【００１３】 図２,３は、ロッククリップ３０がロック位置にある状態を示している。

【００１４】 図２は、カートリッジ１０をハウジング１３の上側部分１１と下側部分１２と の分割面に沿って切断した断面図である。ロッククリップ３０は、その信頼度を 確実化するためにステンレス鋼合金などの非磁性金属ばね材で形成することが好 ましいが、本考案の範囲から逸れない限り他の材料を用いてもかまわない。図２ では、ロッククリップ３０はロッククリップ口３２を貫通して下側部分１２の面 ３３に寄り掛かっている。この「スルーコネクタ」構造によって以下のことを確 実に遂行できるようになっている。つまり、カートリッジ１０をアダプタ２２内 に挿入する前には、ロッククリップ３０以外にテープコネクタ１９に力を加える ものはなく、テープコネクタリンク３４やテープリンク３５やテープリーダー３ ６にはカートリッジ１０の外部からの張力は実質的に一切かからないようになっ ているのである。尚、コネクタ構造の磁化や磁気テープに記憶されている情報に 対する障害を防止するために、テープコネクタ１９は非磁性金属材で形成するこ とが好ましい。

【００１５】 図３は、図２をロッククリップキャビティ３１の平面に沿って直角に切断した 断面図である。図３では、ロッククリップ３０がハウジング１３の下側部分１２ の面３３に支えられていてロック位置にある状態を明確に示すために、コネクタ スロット３７内のテープコネクタ１９を省略している。

【００１６】 図４,５は、ロッククリップ３０が解除位置にある状態を示している。

【００１７】 図４では、ロッククリップ３０は、解除ピン２０と係合しており、テープコネ クタ１９に形成されたロッククリップ口３２から退避している。この状態のとき に、係留コネクタ２９によってテープコネクタ１９を引き出し、両者を連結させ ることができるのである。

【００１８】 図５は、図４をロッククリップキャビティ３１の平面に沿って直角に切断した 断面図である。図５では、解除ピン２０の押圧力によってロッククリップ３０は 片持ち梁のように付勢された姿勢をとっている。図に示すように、ロッククリッ プ３０は、それ自体に生じたばね力によって解除ピン２０の先端部と接触してい る。さらに、ロッククリップ３０はコネクタスロット３７から完全に退避してお り、テープが損傷しないようになっている。ロッククリップ３０は、タブ部３８ と、タブ部３８に接続する実質Ｕ字形のばね部材３９とを有することが好ましい 。通常、解除ピン２０が解除ピン口２３からカートリッジ１０内に進入している ときにはＵ字形のばね部材３９が偏向しており、タブ部３８がカートリッジ１０ の面３３に寄り掛かっているときにはそのタブ部３８は若干ゆがんでいる。

【００１９】 以上、本考案の一実施例について記載したが、本考案の範囲内で、これに種々 の修正を加えることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係るビデオテープカート
リッジの分解斜視図である。

【図２】 図１のビデオテープカートリッジをハウジン
グの上側部分と下側部分との分割面に沿って切断した部
分断面図であり、ロッククリップがロック位置にある状
態を示している。

【図３】 図２のビデオテープカートリッジをロックク
リップキャビティの平面に沿って直角に切断した部分断
面図である。

【図４】 図１のビデオテープカートリッジをハウジン
グの上側部分と下側部分との分割面に沿って切断した部
分断面図であり、ロッククリップ３０が解除位置にある
状態を示している。

【図５】 図４のビデオテープカートリッジをロックク
リップキャビティの平面に沿って直角に切断した部分断
面図である。

【符号の説明】

１０ ビデオテープカートリッジ １１ 上側
部分 １２ 下側部分 １３ ハウ
ジング １４ テープ供給リール １５ テー
プ １６ 上部フランジ １７ 下部
フランジ １８ 供給リールギヤフランジ １９ テー
プコネクタ ２０ 解除ピン ２１ 床部 ２２ アダプタ ２３ 解除
ピン口 ２４ リールブレーキアセンブリ ２５ バイ
アスばね ２６ ラチェットアーム ２７ ピン ２８ ガイドピン ２９ 係留
コネクタ ３０ ロッククリップ ３１ ロッ
ククリップキャビティ ３２ ロッククリップ口 ３３ 面 ３４ テープコネクタリンク ３５ テー
プリンク ３６ テープリーダー ３７ コネ
クタスロット ３８ タブ部 ３９ ばね
部材

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部を有するハウジング（１３）と、 テープ（１５）を格納するために上記ハウジング（１
   ３）の内部に収容されたテープ供給リール（１４）とを
   有し、上記テープ（１５）は自由端を有し、上記テープ
   （１５）の自由端にはテープコネクタ（１９）が接続さ
   れ、上記テープコネクタ（１９）にはロッククリップ口
   （３２）が形成されており、 さらに、上記ロッククリップ口（３２）に近接するロッ
   ククリップ（３０）を有し、 上記ロッククリップ（３０）が上記ロッククリップ口
   （３２）を貫通するロック位置にあるときには、上記テ
   ープコネクタ（１９）は動かないようになっており、 上記ロッククリップ（３０）が上記ロッククリップ口
   （３２）より退避した解除位置にあるときには、上記テ
   ープコネクタ（１９）は移動自在になっており、 さらに、アダプタ（２２）への挿入に伴って上記ロック
   クリップ（３０）を上記解除位置へ移動させるための、
   上記アダプタ（２２）によって操作することのできる解
   除手段を有することを特徴とする、カートリッジ−ツゥ
   ー−カセット型アダプタに挿入される、取り外し自在の
   ビデオテープカートリッジ。
2. 【請求項２】 さらに、上記ロッククリップ（３０）を
   収容して上記テープコネクタ（１９）に近接して位置づ
   けるために上記ハウジング（１３）に形成されたロック
   クリップキャビティ（３１）を有することを特徴とする
   請求項１記載のビデオテープカートリッジ。
3. 【請求項３】 上記ロッククリップ（３０）は、上記ロ
   ッククリップキャビティ（３１）内に位置する実質Ｕ字
   形のばね部材（３９）と、該Ｕ字形のばね部材（３９）
   に取り付けられたタブ部（３８）とを有し、 上記ロック位置では、上記タブ部（３８）は上記ロック
   クリップ口（３２）を貫通していることを特徴とする請
   求項２記載のビデオテープカートリッジ。
4. 【請求項４】 上記解除手段は、上記ハウジング（１
   ３）に形成されていて上記ロッククリップキャビティ
   （３１）に近接する解除ピン口（２３）を有し、 解除ピン（２０）が上記ロッククリップキャビティ（３
   １）に進入すると、上記Ｕ字形のばね部材（３９）が偏
   向して上記タブ部（３８）は上記ロッククリップ口（３
   ２）より退避し、上記ロッククリップ（３０）は解除位
   置に移動することを特徴とする請求項３記載のビデオテ
   ープカートリッジ。
5. 【請求項５】 上記Ｕ字形のばね部材（３９）と上記タ
   ブ部（３８）とは、非磁性金属材より一体構造として形
   成されていることを特徴とする請求項４記載のビデオテ
   ープカートリッジ。
6. 【請求項６】 上記非磁性金属材はステンレス鋼合金で
   あることを特徴とする請求項５記載のビデオテープカー
   トリッジ。