JP3090087U - テレビジョンおよびテレビジョンの集積回路 - Google Patents

テレビジョンおよびテレビジョンの集積回路

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JP3090087U JP2002002895U JP2002002895U JP3090087U JP 3090087 U JP3090087 U JP 3090087U JP 2002002895 U JP2002002895 U JP 2002002895U JP 2002002895 U JP2002002895 U JP 2002002895U JP 3090087 U JP3090087 U JP 3090087U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各回路個別に対策を実施していても、この集
積回路全体として発生する高調波成分信号を減衰させる
ことはできない。 【解決手段】 局部発振回路10a2を有し、特定の高
調波周波数成分を発生し得る集積回路10において、こ
の局部発振回路10a2から出力される局部発振信号を
入力するVCO回路10c2と当該局部発振回路10a
2との間に取付回路12を介して、この高調波周波数成
分を減衰可能な設定がなされたローパスフィルター回路
13を外付けにて取り付けることによって、この高調波
周波数成分以外の信号には影響を与えることなく、特定
の高調波周波数成分のみを減衰させることが可能にな
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、テレビジョンおよびテレビジョンの集積回路に関し、特に、局部発 振回路とVCO回路とを集積化したICを有するテレビジョンおよびテレビジョ ンの集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョンは、局部発振回路およびVCO回路あるいは局部発振回路が出力 する所定回路が集積化されワンチップのICに配設されている。近年、テレビジ ョンの内部機器に利用される局部発振回路が出力する発振信号の周波数は、上昇 傾向となっている。この発振信号が上昇すると、この発振信号の高調波成分信号 によってテレビジョンの内部機器を誤動作させる等の不具合が発生する。従来、 この高調波成分信号を減衰させる場合、各回路の閉じた中でその処置を行ってい た。このように、各回路の閉じた中で高調波成分信号を減衰させる同様の技術と しては、特開昭61−18614号公報、特開平5−41462号公報、特開平 5−276032号公報、特開2000−224068号公報、特開昭61−1 0022号公報、特開平2−165724号公報、特開平5−41462号公報 、実開平2−33496号公報に開示された技術が知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来のテレビジョンにおいては、各個別の回路における高調波成分信 号を減衰させることができる。しかし、このような各回路を集積化して実装し、 ワンチップのICを形成した場合、それぞれの回路が相互に影響し、集積回路全 体として高調波成分信号が発生することがある。この場合、各回路個別に対策を 実施していても、この集積回路全体として発生する高調波成分信号を減衰させる ことはできない。
【0004】 本考案は、上記課題にかんがみてなされたもので、集積回路全体として発生す る高調波成分信号を減衰させることが可能なテレビジョンおよびテレビジョンの 集積回路の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる考案は、所望周波数に対応する放 送電波を受信し、増幅して出力する高周波増幅回路と、上記放送電波の所望周波 数に対応する局部発振周波数の局部発振信号をPLL回路により生成して出力す る局部発振回路と、上記高周波増幅回路からの出力に上記局部発振回路からの局 部発振信号を混合して中間周波信号に変換し同中間周波信号を出力する混合回路 と、この出力された中間周波信号の周波数帯域を変化させるとともに同中間周波 信号の所定帯域を通過させる可変フィルター回路と、上記通過した中間周波信号 を中間周波増幅する中間周波増幅回路と、上記局部発振信号を入力するとともに 同局部発振信号の周波数を変更した発振信号を出力するVCO回路と、同VCO 回路から出力される発振信号の発振周波数に基づいて上記中間周波増幅回路にて 増幅された中間周波信号から映像信号および音声信号を検波しつつ出力する映像 出力回路とが集積化されたICを有するテレビジョンにおいて、所定のコンデン サーおよびコイルの配列によって形成されるとともに、同コンデンサーあるいは コイルの定数を変更することによって減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定 可能なローパスフィルター回路と、少なくとも上記局部発振回路とVCO回路と の間に配設されるとともに、上記ローパスフィルター回路を取付可能な取付回路 とを具備する構成としてある。
【0006】 テレビジョンにおいては、局部発振回路およびVCO回路あるいは局部発振回 路が出力する所定回路等の各回路が集積化されワンチップのICに配設されてい る。近年、テレビジョンの内部機器に利用される局部発振回路が出力する発振信 号の周波数は、上昇傾向となっている。この発振信号が上昇すると、この発振信 号の高調波周波数によってテレビジョンの内部機器を誤動作させる等の不具合が 発生する。従来、この高調波周波数を減衰させる場合、各回路の閉じた中でその 処置を行っていた。例えば、VCO回路の帰還ループにローパスフィルター回路 を配設したりしていた。これによって、各回路にて高調波周波数を減衰させるこ とができる一方、各回路を集積化して実装し、ワンチップのICを形成した場合 、それぞれの回路が相互に影響し、集積回路全体として発生する高調波周波数を 減衰させることはできない。
【0007】 そこで、上記のように構成した請求項1にかかる考案においては、このように 集積化されたICにて、特に高調波周波数が発生し易い箇所に外付けにてローパ スフィルター回路を取付可能にする。かかる場合、少なくとも局部発振回路とV CO回路との間にローパスフィルター回路を配設する。従って、この局部発振回 路とVCO回路との間に当該ローパスフィルター回路を取付可能な取付回路を配 設する。そして、このローパスフィルター回路を所定のコンデンサーおよびコイ ルの配列によって形成し、同コンデンサーあるいはコイルの定数を変更すること によって減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定可能にする。これによって、 各回路を集積化後に、適宜ローパスフィルター回路の定数を設定して取り付ける ことによって、特定の高調波周波数を減衰させることが可能になる。
【0008】 上述した考案では、集積化したICを備える具体的電子機器の一例としてテレ ビジョンの構成を採用した。むろん、このように高調波周波数を減衰するされる ことができる装置は単体においても考案が成立することは言うまでもない。そこ で、請求項2にかかる考案は、個別の機能を有する複数の回路を集積化したテレ ビジョンの集積回路であって、受信する放送電波に対応した受信周波数に基づく 局部発振信号を生成する局部発振回路と、上記生成された局部発振信号を入力す るとともに同局部発振信号の周波数を変更した発振信号を出力するVCO回路と 、減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定可能なローパスフィルター回路と、 上記局部発振回路とVCO回路との間に配設されるとともに、上記ローパスフィ ルター回路を取付可能な取付回路とを具備する構成としてある。
【0009】 上記のように構成した請求項2にかかる考案においては、個別の機能を有する 複数の回路を集積化したテレビジョンの集積回路を提供する。かかる場合、この 集積回路に局部発振回路と、VCO回路とを備えさせる。そして、局部発振回路 とVCO回路との間に、減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定可能なローパ スフィルター回路を取付可能な取付回路を配設する。これによって、集積化後、 他の信号に影響を与えることなく、局部発振回路とVCO回路との間にて発生す る特定の高調波周波数成分のみを減衰させることが可能になる。
【0010】 ローパスフィルター回路を取り付ける箇所は局部発振回路とVCO回路に限定 されるものではない。そこで、請求項3にかかる考案は、上記請求項2に記載の テレビジョンの集積回路において、上記VCO回路と接続し、同VCO回路から 出力される発振信号の発振周波数に基づいて入力した中間周波信号から映像信号 および音声信号を検波しつつ出力する映像出力回路を有し、上記取付回路は、上 記VCO回路と映像出力回路との間に配設され、上記ローパスフィルター回路を 取付可能な構成としてある。 上記のように構成した請求項3にかかる考案においては、入力する発振信号を 利用して映像信号等を出力する映像出力回路と、この映像出力回路が入力する発 振信号を出力するVCO回路との間に取付回路を配設し、ローパスフィルター回 路を取付可能にする。これによって、VCO回路と映像出力回路との間にて発生 する特定の高調波周波数成分を減衰させることが可能になる。
【0011】 むろん、上述してきた回路間に限定されるものではない。そこで、請求項4に かかる考案は、上記請求項2または請求項3のいずれかに記載のテレビジョンの 集積回路において、上記取付回路は、上記局部発振回路と上記VCO回路との間 および同局部発振回路と上記映像出力回路との間以外の各回路の間に配設され、 上記ローパスフィルター回路を取付可能な構成としてある。 上記のように構成した請求項4にかかる考案においては、取付回路を局部発振 回路と上記VCO回路との間および局部発振回路と映像出力回路との間以外の各 回路の間にも配設する。そして、ローパスフィルター回路を取付可能にする。こ れによって、集積化後の高調波周波数成分の発生態様に応じて適宜ローパスフィ ルター回路を取り付けることが可能になる。
【0012】 ローパスフィルター回路の具体的な構成の一例として、請求項5にかかる考案 は、上記請求項2〜請求項4のいずれかに記載のテレビジョンの集積回路におい て、上記ローパスフィルター回路は、π(パイ)型で構成された直列接続したコ イルと、同コイルの両端から設置された二つのコンデンサで形成されるとともに 、同コンデンサーの電気容量あるいはコイルのインダクタンスを変更することに よって上記高調波周波数成分を設定可能な構成としてある。 上記のように構成した請求項5にかかる考案においては、ローパスフィルター 回路をπ(パイ)型で構成された直列接続したコイルと、このコイルの両端から 設置された二つのコンデンサにて形成する。そして、かかる構成にて、コンデン サーの電気容量あるいはコイルのインダクタンスを変更することにより、当該ロ ーパスフィルター回路の高調波周波数成分を設定する。
【0013】 集積化後に問題となる高調波周波数成分は集積回路内に限らない。すなわち、 外部から集積回路に入り込む高調波周波数成分を有する輻射信号も問題となる。 そこで、この輻射信号を減衰させることが可能な構成の一例として、請求項6に かかる考案は、個別に機能を有する複数の回路を集積したテレビジョンの集積回 路であって、受信する放送電波に対応した受信周波数に基づく局部発振信号を生 成する局部発振回路と、上記生成された局部発振信号を入力するとともに同局部 発振信号の周波数を変更した発振信号を出力するVCO回路と、テレビジョンの 筐体を接地する筐体接地回路と、上記局部発振回路および上記VCO回路を接地 するに際して、同局部発振回路およびVCO回路を上記筐体接地回路に接続する 接続回路と、減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定可能なローパスフィルタ ー回路と、上記接続回路にて上記筐体接地回路と局部発振回路およびVCO回路 との間に介在して配設されるとともに、上記ローパスフィルター回路を取付可能 な取付回路とを具備する構成としてある。
【0014】 上記のように構成した請求項6にかかる考案においては、個別に機能を有する 複数の回路を集積したテレビジョンの集積回路を提供する。かかる場合、集積回 路は、局部発振回路とVCO回路とを有する構成とする。そして、局部発振回路 およびVCO回路を接地するに際して、接続回路を介在させて筐体接地回路と局 部発振回路およびVCO回路を接続する。ここで、外部からの輻射信号の入り込 みを防止するために、この取付回路を筐体接地回路と局部発振回路およびVCO 回路との間に介在させて配設する。そして、減衰可能な特定の高調波周波数成分 を設定可能なローパスフィルター回路をこの取付回路に取り付ける。
【0015】 ローパスフィルター回路の具体的構成の一例として、請求項7にかかる考案は 、上記請求項6に記載のテレビジョンの集積回路において、上記ローパスフィル ター回路は、トロイダルコイルにて形成される構成としてある。 上記のように構成した請求項7にかかる考案においては、ローパスフィルター 回路をトロイダルコイルにて形成する。
【0016】 また、ローパスフィルター回路の具体的構成の他の一例として、請求項8にか かる考案は、上記請求項6に記載のテレビジョンの集積回路において、上記ロー パスフィルター回路は、フェライトコアにて形成される構成としてある。 上記のように構成した請求項8にかかる考案においては、ローパスフィルター 回路をフェライトコアにて形成する。
【0017】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は、各回路を集積化後に、適宜ローパスフィルター 回路の定数を設定して取り付けることによって、特定の高調波周波数を減衰させ ることが可能なテレビジョンを提供することができる。 また、請求項2にかかる考案によれば、集積化後、他の信号に影響を与えるこ となく、局部発振回路とVCO回路との間にて発生する特定の高調波周波数成分 のみを減衰させることが可能なテレビジョンの集積回路を提供することができる 。 さらに、請求項3にかかる考案によれば、VCO回路と映像出力回路との間に て発生する特定の高調波周波数成分を減衰させることが可能になる。 さらに、請求項4にかかる考案によれば、各回路間に適宜ローパスフィルター 回路を取り付けることが可能になる。 さらに、請求項5にかかる考案によれば、ローパスフィルター回路の構成の一 例を提示することができる。 さらに、請求項6にかかる考案によれば、特定の高調波周波数成分を有する不 要輻射信号を減衰させることが可能なテレビジョンの集積回路を提供することが できる。 さらに、請求項7にかかる考案によれば、ローパスフィルター回路の構成の一 例を提示することができる。 さらに、請求項8にかかる考案によれば、ローパスフィルター回路の構成の他 の一例を提示することができる。
【0018】
【考案の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本考案の実施形態について説明する。 (1)集積回路の概略構成: (2)テレビジョンの構成: (3)ローパスフィルター回路の構成: (4)まとめ:
【0019】 (1)集積回路の構成 図1は、本考案にかかる集積回路の概略構成を示した構成図である。 同図において、集積回路Aは発振回路A1と、この発振回路A1から出力され る発振信号を適宜分周可能な分周回路A2と、VCO回路A3とから構成されて いるとともに、発振回路A1は基準クロック周波数を出力する水晶発振回路A4 に接続されている。発振回路A1と分周回路A2とにより局部発振回路が構成さ れる。本考案は、このように各回路を集積化したことによって発生し得る高調波 周波数成分を各回路の間にローパスフィルター回路を介在させることによって減 衰させる。
【0020】 ここで、図2は、発振回路A1から出力される発振信号の高調波周波数成分の レベルを示した周波数対信号レベル図である。同図においては、縦軸を信号レベ ルに設定し、横軸を周波数(MHz)に設定する。かかる場合、基本周波数は2 5MHzである。このように、基本周波数を1次高調波周波数成分とすると、5 0MHzが2次高調波周波数成分となり、100MHzが3次高調波周波数成分 となることを示している。以下、150MHzが4次高調波周波数成分、200 MHzが5次高調波周波数成分、250MHzが6次高調波周波数成分、300 MHzが7次高調波周波数成分、350MHzが8次高調波周波数成分、400 MHzが9次高調波周波数成分、450MHzが10次高調波周波数成分、50 0MHzが11次高調波周波数成分となることを示している。当該周波数対信号 レベルは一例であるが、特に、5次〜7次高調波周波数成分の信号レベルが高く なっている。本考案においては、この5次〜7次高調波周波数成分をターゲット を当てて減衰させるようにローパスフィルター回路を設定する。
【0021】 このローパスフィルター回路を介在させる位置は特に限定されるものではない が、本考案においては、発振回路A1と分周回路A2との間にあるポイントP1 に配設したり、あるいは、分周回路A2から発振信号が出力されるポイントP2 ,P3に配設する。さらに、本考案においては、このポイントP1〜P3に配設 するローパスフィルター回路を上述したように5次〜7次高調波周波数成分とい った高調波周波数成分を減衰可能に構成するとともに、減衰させたい高調波周波 数成分を適宜設定可能に構成する。これによって、各回路を組み付けて完成させ た集積回路Aから発生し得る不要な高調波周波数成分を低減させることを可能に する。また、このように集積回路A自体から発生する不要な高調波周波数成分を 抑制することによって、電気回路設計の余裕度や融通さを広げることを可能にす る。
【0022】 (2)テレビジョンの構成: 図3は、上述した集積回路Aを適用するテレビジョンの構成を示したブロック 図である。なお、利用者が使用する操作パネル、リモコン等は図示を省略してい る。同図において、テレビジョンは、概略、チューナ回路10aと、チューナ回 路10aに接続されたSAW(Surface Acoustic Wave) フィルター回路10bと、SAWフィルター回路10bに接続されたクロマ回路 10cと、水晶発振回路20とチューナ回路10aに接続された直列共振回路3 0と、チューナ回路10aとクロマ回路10cに接続されたマイコン40とから 構成されている。なお、チューナ回路10aとクロマ回路10cとマイコン40 は、IICバス50に接続されている。本実施形態においては、チューナ回路1 0a、SAWフィルター回路10b、クロマ回路10cは集積回路10としてワ ンチップのICに組み込まれている。そして、かかる構成において、マイコン4 0がシリアルデータ通信によって全体を制御することによってテレビジョンの機 能を実現している。
【0023】 図4は、テレビジョンの構成をブロック図により示している。なお、IICバ ス50の図示は省略している。チューナ回路10aは、周波数シンセサイザ方式 のチューナであり、マイコン40の制御によりテレビジョン放送の放送電波を受 信して中間周波信号に変換し出力する。同図において、チューナ回路10aは、 アンテナ11とマイコン40に接続された高周波増幅回路10a1と、直列共振 回路30とマイコン40に接続された局部発振回路10a2と、局部発振回路1 0a2と高周波増幅回路10a1に接続された混合回路10a3と、混合回路1 0a3とSAWフィルター回路10bとマイコン40に接続された可変フィルタ ー回路10a4とを備えている。なお、高周波増幅回路10a1、局部発振回路 10a2、混合回路10a3は、従来から採用されている種々のテレビジョン用 の回路を適用することができる。
【0024】 次に、各回路の動作を説明する。高周波増幅回路10a1は、図示しないバン ドパスフィルタを有しており、マイコン40の制御に基づいて、アンテナ11か らこのバンドパスフィルタを介して所望周波数に対応する放送電波を受信し、増 幅して高周波信号を生成する。この高周波信号の周波数は、選局した放送の放送 電波と同じ周波数である。高周波増幅回路10a1は、生成した高周波信号を混 合回路10a3に出力する。局部発振回路10a2は、内部にPLL(Phas e Locked Loop)回路を有する構成とされており、このPLL回路 により放送電波の所望周波数に対応する局部発振周波数の局部発振信号を生成し て混合回路10a3に出力する。かかる場合、局部発振回路10a2から出力さ れる局部発振信号は、所定の分周器にて適宜分周されて所望周波数に対応する局 部発振周波数とされる。
【0025】 混合回路10a3は、高周波増幅回路10a1からの出力と局部発振回路10 a2からの局部発振信号とを混合して中間周波信号に変換し、可変フィルター回 路10a4に出力する。ここで、中間周波信号の周波数は、局部発振信号の局部 発振周波数から高周波信号の周波数を差し引いたものとなる。例えば、アメリカ でテレビジョン放送を受信する設定の場合、中間周波信号の周波数は45.75 MHzとなる。なお、アメリカのテレビジョン放送における中間周波信号の音声 成分の周波数は、41.25MHzとしている。可変フィルター回路10a4は 、内部にバンドパスフィルターを有しており、中間周波信号が通過する場合、こ の中間周波信号の周波数帯域をこのバンドパスフィルターにて制限する。
【0026】 SAWフィルター回路10bは、可変フィルター回路10a4を通過した中間 周波信号を通過させる広帯域のバンドパスフィルタである。SAWフィルター回 路10bは、圧電体基板にくし形電極が形成されており、中間周波信号がくし形 電極間を移動する際に所定周波数帯域外の成分が除去される。その結果、中間周 波信号がSAWフィルター回路10bを通過すると、所定周波数帯域外の妨害成 分が除去される。むろん、SAWフィルター回路10bの代わりに、従来からテ レビジョン用の回路に採用されている種々の帯域フィルター回路を適用すること ができる。
【0027】 クロマ回路10cは、SAWフィルター回路10bに接続された中間周波増幅 (VIF)回路10c1と、マイコン40に接続されたVCO(Voltage Controled Oscillator)回路10c2と、VCO回路1 0c2とVIF回路10c1に接続された映像音声信号出力回路10c3と、映 像音声信号出力回路10c3に接続された同期回路10c4とを備えている。ま た、水晶発振回路20は、所定発振周波数の基準発振信号を発振して、直列共振 回路30を介して局部発振回路10a2に出力している。なお、VIF回路10 c1、VCO回路10c2、映像音声信号出力回路10c3、同期回路10c4 は、従来から採用されている種々のテレビジョン用の回路を適用することができ る。
【0028】 かかる構成にて、VIF回路10c1は、SAWフィルター回路10bを通過 した中間周波信号を中間周波増幅する。中間周波増幅された中間周波信号は、映 像音声信号出力回路10c3に入力される。VCO回路10c2は、入力される 電圧に応じて、局部発振回路10a2から入力する局部発振信号の発振周波数を 変更することが可能であり、同電圧に対応した発振周波数で発振信号を出力する 。ここで、マイコン40は受信する放送電波の種類に応じて対応する発振周波数 となるように、VCO回路10c2に入力する電圧を制御する。映像音声信号出 力回路10c3は、VCO回路10c2が出力する発振信号の発振周波数に基づ いて、VIF回路10c1にて中間周波増幅された中間周波信号を検波して映像 信号としてのRGB信号と、音声信号としてのAUDIO信号とを出力する。 成している。
【0029】 さらに、映像音声信号出力回路10c3は、検波の過程で発振信号の発振周波 数に基づいて水平・垂直同期信号(SYNC)も生成して同期回路10c4に出 力する。その後、映像音声信号出力回路10c3から出力されたRGB信号はカ ソードアンプ61に出力され、このカソードアンプ61にて増幅されて受像管( CRT)に供給される。すると、受像管62は、増幅されたRGB信号に基づい て画面表示を行う。一方、AUDIO信号についてはオーディオアンプ63に出 力され、このオーディオアンプ63で増幅されてスピーカ64に供給される。そ して、スピーカ64は、増幅されたAUDIO信号に基づいて音声を出力する。 同期回路64は、入力される水平・垂直同期信号に基づいてのこぎり波状の水平 ・垂直ドライブ信号(DRIVE)を作成し、水平偏向回路と垂直偏向回路とか らなる偏向回路65に出力する。
【0030】 偏向回路65は、水平・垂直ドライブ信号に対応した所定の水平・垂直ドライ ブ電流を作成し、受像管62に取り付けられた偏向コイル66に供給することに より、電子ビームを水平・垂直方向にドライブさせる。また、水平偏向回路で生 じる高周波信号は、フライバックトランス(FBT)67に供給され、受像管8 2に供給する高電圧が発生するようになっている。その結果、受像管62ではR GB信号に応じた電子ビームがドライブされながら放出され、受像管62の管面 に画像が現れることになる。
【0031】 ここで、本実施形態においては、局部発振回路10a2とVCO回路10c2 との間に外付けのローパスフィルター回路13を取付可能な取付回路12を配設 するとともに、VCO回路10c2と映像音声信号出力回路10c3との間に外 付けのローパスフィルター回路15を取付可能な取付回路14を配設する。そし て、集積回路10にて発生する不要な高調波周波数成分に応じて、適宜ローパス フィルター回路13,15を設定するとともに、適宜取付回路12,14に取り 付けることによって、この高調波周波数成分を減衰させる。この取付回路12, 14は、ローパスフィルター回路13,15を取り付けた場合、このローパスフ ィルター回路13,15を介在させて、局部発振回路10a2とVCO回路10 c2、VCO回路10c2と映像音声信号出力回路10c3を接続し、ローパス フィルター回路13,15が取り付けられない場合、局部発振回路10a2とV CO回路10c2、VCO回路10c2と映像音声信号出力回路10c3を直接 接続可能な構造に形成されている。
【0032】 (3)ローパスフィルター回路の構成: 図5は、ローパスフィルター回路13,15の構成の一例を示した構成図であ る。同図において、ローパスフィルター回路13,15は、π(パイ)型で構成 された直列接続したコイルL1と、同コイルL1の両端から設置された二つのコ ンデンサC1,C2によって形成されている。かかる場合、コイルL1を集積回 路10に対して外付け接続し、コンデンサーC1,C2を集積回路10に内蔵す る。このように、コイルL1を外付け接続することによって、当該コイルL1の 定数を変更可能にする。そして、このコイルL1の定数を適宜変更することによ って、減衰させたい高調波周波数成分を設定する。これにより、集積回路10の 実装状態に対応して適宜発生する高調波周波数成分にターゲットを絞って、当該 高調波周波数成分を減衰させることが可能になる。ここで、図6は、取付回路1 2あるいは14に適宜減衰させたい高調波周波数成分を設定したローパスフィル ター回路13,15を取り付けた場合の高調波周波数成分のレベルを示した周波 数対信号レベル図である。同図においては、特に3次高調波周波数成分が改善さ れていることを認識することができる。
【0033】 図7は、ローパスフィルター回路13,15の他の構成の一例を示した構成図 である。同図において、ローパスフィルター回路13,15は、コンデンサーC 3と抵抗R1とコンデンサーC4と抵抗R2と抵抗R3とをこの順番にて直列に 接続している。ここで、OPアンプ1は、コンデンサーC3の抵抗R1との接続 端子とは反対の端子に+端子が接続され、抵抗R1側の端子に−端子が接続され 、出力がコンデンサーC4の抵抗2との接続側の端子に接続されている。また、 OPアンプ2は、抵抗R2の抵抗R3側の端子に+端子が接続され、抵抗R1の コンデンサーC4側の端子に−端子が接続され、出力が抵抗R1のコンデンサー C3側の端子に接続されている。かかる場合、コンデンサーC3,C4を集積回 路10に対して外付け接続し、他の構成(抵抗R1〜R3およびOPアンプ1, 2)を集積回路10に内蔵する。このように、コンデンサーC1,C2を外付け 接続することによって、当該コンデンサーC1,C2の定数を変更可能にする。 そして、コンデンサーC3,C4の定数を適宜変更することによって、減衰させ たい高調波周波数成分を設定する。これにより、集積回路10の実装状態に対応 して適宜発生する高調波周波数成分にターゲットを絞って、当該高調波周波数成 分を減衰させることが可能になる。
【0034】 上述した実施形態においては、集積回路10内部にローパスフィルター回路1 3,15を取り付けることによって、ターゲットにした所望の高調波周波数成分 を減衰させる構成を採用した。このような高調波周波数成分は、集積回路10内 部における発生に限らず、輻射信号としても発生する。そこで、この高調波周波 数成分を有する輻射信号を減衰させることを可能にすると好適である。この輻射 信号は図8の周波数対信号レベル図に示すように、200MHz〜300MHz 付近に発生する。そこで、図9にかかる機能を実現可能な構成を示す。同図にお いて、局部発振回路10a2のグランド端子T1と、VCO回路10c2のグラ ンド端子T4とを接続するとともに、局部発振回路10a2の信号端子T2とV CO回路10c2の信号端子T3とを接続する。
【0035】 接続したグランド端子T1およびグランド端子T4は、テレビジョンの筐体の グランドG1に接続される。本実施形態においては、接続した各端子T1〜T4 間に介在するようにローパスフィルター回路16を設置する。ここで、本実施形 態ではこのローパスフィルター回路16として、トロイダルコイル16aを採用 する。そして、このトロイダルコイル16aの定数を適宜設定することによって 、図10に示すように、200MHz〜300MHz付近に発生していた高調波 周波数成分の輻射信号を減衰させることを可能にする。上述した構成においては 、ローパスフィルター回路16にトロイダルコイル16aを採用したが、むろん 、これに限定されるものではなく、図11に示すようなフェライトコア16bを 採用しても同様の効果を得ることが可能である。
【0036】 (4)まとめ: このように、局部発振回路10a2を有し、特定の高調波周波数成分を発生し 得る集積回路10において、この局部発振回路10a2から出力される局部発振 信号を入力するVCO回路10c2と当該局部発振回路10a2との間に取付回 路12を介して、この高調波周波数成分を減衰可能な設定がなされたローパスフ ィルター回路13を外付けにて取り付けることによって、この高調波周波数成分 以外の信号には影響を与えることなく、特定の高調波周波数成分のみを減衰させ ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる集積回路の概略構成を示した構
成図である。
【図2】発振回路から出力される発振信号の高調波周波
数成分のレベルを示した周波数対信号レベル図である。
【図3】集積回路を適用するテレビジョンの構成を示し
たブロック図である。
【図4】テレビジョンの構成を示したブロック図であ
る。
【図5】ローパスフィルター回路の構成の一例を示した
構成図である。
【図6】高調波周波数成分のレベルを示した周波数対信
号レベル図である。
【図7】ローパスフィルター回路の他の構成の一例を示
した構成図である。
【図8】輻射信号についての高調波周波数成分のレベル
を示した周波数対信号レベル図である。
【図9】不要輻射信号を減衰可能な構成を示した構成図
である。
【図10】輻射レベルが減衰した場合の高調波周波数成
分のレベルを示した周波数対信号レベル図である。
【図11】ローパスフィルター回路の他の構成の一例を
示した構成図である。
【符号の説明】
10…集積回路 10a…チューナ回路 10b…SAWフィルター回路 10c…クロマ回路 11…アンテナ 12…取付回路 13…ローパスフィルター回路 14…取付回路 15…ローパスフィルター回路

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望周波数に対応する放送電波を受信
    し、増幅して出力する高周波増幅回路と、上記放送電波
    の所望周波数に対応する局部発振周波数の局部発振信号
    をPLL回路により生成して出力する局部発振回路と、
    上記高周波増幅回路からの出力に上記局部発振回路から
    の局部発振信号を混合して中間周波信号に変換し同中間
    周波信号を出力する混合回路と、この出力された中間周
    波信号の周波数帯域を変化させるとともに同中間周波信
    号の所定帯域を通過させる可変フィルター回路と、上記
    通過した中間周波信号を中間周波増幅する中間周波増幅
    回路と、上記局部発振信号を入力するとともに同局部発
    振信号の周波数を変更した発振信号を出力するVCO回
    路と、同VCO回路から出力される発振信号の発振周波
    数に基づいて上記中間周波増幅回路にて増幅された中間
    周波信号から映像信号および音声信号を検波しつつ出力
    する映像出力回路とが集積化されたICを有するテレビ
    ジョンにおいて、 所定のコンデンサーおよびコイルの配列によって形成さ
    れるとともに、同コンデンサーあるいはコイルの定数を
    変更することによって減衰可能な特定の高調波周波数成
    分を設定可能なローパスフィルター回路と、 少なくとも上記局部発振回路とVCO回路との間に配設
    されるとともに、上記ローパスフィルター回路を取付可
    能な取付回路とを具備することを特徴とするテレビジョ
    ン。
  2. 【請求項2】 個別の機能を有する複数の回路を集積化
    したテレビジョンの集積回路であって、 受信する放送電波に対応した受信周波数に基づく局部発
    振信号を生成する局部発振回路と、 上記生成された局部発振信号を入力するとともに同局部
    発振信号の周波数を変更した発振信号を出力するVCO
    回路と、 減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定可能なローパ
    スフィルター回路と、 上記局部発振回路とVCO回路との間に配設されるとと
    もに、上記ローパスフィルター回路を取付可能な取付回
    路とを具備することを特徴とするテレビジョンの集積回
    路。
  3. 【請求項3】 上記VCO回路と接続し、同VCO回路
    から出力される発振信号の発振周波数に基づいて入力し
    た中間周波信号から映像信号および音声信号を検波しつ
    つ出力する映像出力回路を有し、上記取付回路は、上記
    VCO回路と映像出力回路との間に配設され、上記ロー
    パスフィルター回路を取付可能なことを特徴とする上記
    請求項2に記載のテレビジョンの集積回路。
  4. 【請求項4】 上記取付回路は、上記局部発振回路と上
    記VCO回路との間および同局部発振回路と上記映像出
    力回路との間以外の各回路の間に配設され、上記ローパ
    スフィルター回路を取付可能なことを特徴とする上記請
    求項2または請求項3のいずれかに記載のテレビジョン
    の集積回路。
  5. 【請求項5】 上記ローパスフィルター回路は、π(パ
    イ)型で構成された直列接続したコイルと、同コイルの
    両端から設置された二つのコンデンサで形成されるとと
    もに、同コンデンサーの電気容量あるいはコイルのイン
    ダクタンスを変更することによって上記高調波周波数成
    分を設定可能なことを特徴とする上記請求項2〜請求項
    4のいずれかに記載のテレビジョンの集積回路。
  6. 【請求項6】 個別に機能を有する複数の回路を集積し
    たテレビジョンの集積回路であって、 受信する放送電波に対応した受信周波数に基づく局部発
    振信号を生成する局部発振回路と、 上記生成された局部発振信号を入力するとともに同局部
    発振信号の周波数を変更した発振信号を出力するVCO
    回路と、 テレビジョンの筐体を接地する筐体接地回路と、 上記局部発振回路および上記VCO回路を接地するに際
    して、同局部発振回路およびVCO回路を上記筐体接地
    回路に接続する接続回路と、 減衰可能な特定の高調波周波数成分を設定可能なローパ
    スフィルター回路と、 上記接続回路にて上記筐体接地回路と局部発振回路およ
    びVCO回路との間に介在して配設されるとともに、上
    記ローパスフィルター回路を取付可能な取付回路とを具
    備することを特徴とするテレビジョンの集積回路。
  7. 【請求項7】 上記ローパスフィルター回路は、トロイ
    ダルコイルにて形成されることを特徴とする上記請求項
    6に記載のテレビジョンの集積回路。
  8. 【請求項8】 上記ローパスフィルター回路は、フェラ
    イトコアにて形成されることを特徴とする上記請求項6
    に記載のテレビジョンの集積回路。
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