JP3087204U - 開封キャップ付チューブ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【技術課題】 破断片が中に入ったりせず、キャップを
取っただけでは開封せず、金型の製作コストの低減が可
能な開封キャップ付チューブ容器を提供する。 【解決手段】 チューブ本体１の口頚部２に破断部５を
介してチューブ側嵌合部６を形成する。一方、キャップ
８側には、外天面９の中央に、前記チューブ側嵌合部６
に嵌合するキャップ側嵌合部１０を形成する。開封に際
しては、前記キャップ本体８をチューブ本体１から取り
外した後、このキャップ本体８を逆さにしてその嵌合部
１０をチューブ本体１側の嵌合部６に係合し、その上で
キャップ本体８を回転させる。こうすると、チューブ本
体１の口頚部２が破断部５で破断し、開封する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、キャップを用いて口頚部に形成した破断部を破断して開封するよう に構成されたチューブ容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

密封されたチューブ容器の開封手段としては、次のような方法がある。 １．キャップ側に開封用の尖頭形状の突起を形成しておき、この突起をチューブ 側の密封膜に突き刺して開封（開口）する方式（実開平７−２４７３９号）。 この方式は、手軽に開封できるが、突き刺した時に密封膜の破断片が口頚部 内に入り込んだりすることがある。 ２．口頚部上に蓋板を形成し、この蓋板に嵌合する嵌合部をキャップ内に形成し ておき、開封のためにキャップを回転すると前記蓋板の基部の処で口頚部が破 断して開口する方式（実開平７−３７９５０号）。 この方式は、キャップを回転（取る）すると、これと一緒に開封が行われて しまうため、キャップを取っても開封したくないような場合に、これができな いと云う不便がある。又、キャップ内に嵌合部を形成する必要があるため、キ ャップの成形金型が複雑になり、金型の製作コストが嵩むと云う欠点がある。 又、何れの開封方式の場合も一旦開封した後、再キャップしてしまうと、最初 のうちは、既開封のものか否かが判らない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、開封時に破断片が口頚部内に入ったり、キャップを取っただ けでは開封せず、キャップ成形用金型の構造を簡単化してこの製作コストを低減 し、加えて開封状態をキャップした後で目視により確認できる開封キャップ付チ ューブ容器を提案することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、請求項１に記載の考案においては、開封キャップ付 チューブ容器において、胴体部の上端中央より口頚部を突出させると共にこの口 頚部の上端面には破断部を介してチューブ側嵌合部を形成して成るチューブ本体 と、外天面の中央に、前記チューブ側の嵌合部に嵌合するキャップ側嵌合部を形 成して成るキャップ本体と、開封に際して、前記キャップ本体をチューブ本体か ら取り外した後、このキャップ本体を逆さにしてそのキャップ側嵌合部をチュー ブ側嵌合部に係合し、その上でキャップ本体又はチューブ本体を回転させること により、チューブ本体の口頚部を破断し、開封することができるように構成して 成ることを特徴とする。

【０００５】 更に、請求項２に記載の考案においては、請求項１に記載の考案において、チ ューブ側嵌合部は、等間隔で放射状に形成された６ヶの係合突縁で形成され、キ ャップ側嵌合部は、上記係合突縁が係合する６ヶの係合溝で構成されていること を特徴とするものである。

【０００６】 更に、請求項３に記載の考案においては、請求項１に記載の考案において、チ ューブ側嵌合部は、楕円又は多角形に形成され、キャップ側嵌合部は上記楕円又 は多角形に係合する楕円または多角形の穴で構成されていることを特徴とするも のである。

【０００７】 更に、請求項４に記載の考案においては、請求項１に記載の考案において、チ ューブ側嵌合部は口頚部の上端面から突出した複数の突起で形成され、キャップ 側嵌合部は、上記突起が嵌合する複数の嵌合穴で構成されていることを特徴とす るものである。

【０００８】 更に、請求項５に記載の考案においては、請求項１〜４に記載の何れか１項の 考案において、チューブ側嵌合部にキャップ側嵌合部を嵌合して口頚部側を破断 して開封したのち、再キャップしたときに、キャップ側嵌合部に破断して取れた チューブ側嵌合部が残っていて、これにより既開封であることが目視で確認でき ることを特徴とするものである。

【０００９】 上記構成において、請求項２及び３に記載した嵌合手段は例示であって、キャ ップ本体側のキャップ側嵌合部とチューブ本体側のチューブ側嵌合部が係合し、 回転時に滑らない形状ならば、どのような形状でも良い。

【００１０】

【実施例】

図１〜図４に基づいて、請求項１及び請求項２に記載した考案の実施例を詳述 する。符号の１は内部に歯磨き粉等の粘性物を充填した絞り出しチューブ本体、 ２はこのチューブ本体の口頚部であって、この口頚部２の外周にはスパイラルね じ３が設けられている。又、口頚部２の上面には破断部５を介して封塞板４が存 在し、この封塞板４からは放射状に等間隔で突起７を水平方向に突出させたチュ ーブ側嵌合部６が封塞板４と一体に形成されている。

【００１１】 ８は上記チューブ本体１の口頚部２に設けられたスパイラルねじ３に螺合して 口頚部２に被冠することができるキャップ本体であって、このキャップ本体８の 外天面９には上記口頚部２に形成されたチューブ側嵌合部６の突起７が係合する キャップ側嵌合部１０が設けられている。 上記チューブにおいて、開封を行う場合には、図１に示すようにキャップ本体 ８をチューブ本体１から取り外し、図２に示すように反転させてキャップ本体８ 側嵌合部１０をチューブ側嵌合部６の突起７に係合させる。この状態を図３、図 ４に示した。このようにして嵌合させたのち、キャップ本体８を左又は右の何れ かの方向に回転すると、チューブ側嵌合部６が無理に回転し、口頚部２に形成さ れた破断部５で破断し、口頚部２の密封板４が切り取られ、開口する。

【００１２】 図５〜図７はチューブ側嵌合部６とキャップ側嵌合部１０を例示した請求項３ 〜５の実施例であって、図５は、チューブ側嵌合部６が楕円形に突出し、キャッ プ側嵌合部１０が楕円形穴の例（請求項３）、図６はチューブ側嵌合部６が四角 形でキャップ側嵌合部１０が四角形穴の例（請求項３）、図７はチューブ側嵌合 部６が２本の突起で、キャップ側嵌合部１０が２個の穴の例（請求項４）である 。なお、実施例のキャップ本体８とチューブ本体１は、スパイラルねじ３で嵌合 させているが、このキャップ本体８とチューブ本体１とは、ねじ方式ではなく押 し込んで嵌合させる方式であってもよく、この嵌合方式は限定されない。又、実 施例の場合、破断したチューブ側嵌合部６はキャップ側嵌合部１０に嵌合したま ま残らないが、これを残るように嵌合させておくために、寸法あるいは形状に工 夫を凝らしておくことにより、再キャップしたときに、既開封であることを目視 により確認できるようにしても良い。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は以上のように、口頚部開封用の嵌合部をキャップ本体の外天面に形成 したことにより、次の効果を奏する。 １．開封口に突き刺したりして開封しないため、破断片が口頚内に入らない。 ２．キャップ側嵌合部をキャップ本体の外天面に形成したため、キャップ本体を 口頚部から取り外しただけでは開封しない。このため、キャップを取っての陳 列等を行うときに便利であると共に、未だ開封したくない時に、不用意にキャ ップを回転させたりして開封してしまうことがない。 ３．キャップ本体の内部に嵌合部を形成していないため、キャップ本体の成形用 金型が簡単になる。よって、金型の製作コストを低減できる。 ４．キャップ本体の外天面に嵌合部を形成したため、キャップ本体の外天面は平 らとなる。このため、キャップ本体をチューブ本体に取り付けたまま、チュー ブ本体を倒立させることができる。この結果、ディスプレー効果を高めたり、 中味を常に口頚部側に移動させておくことができ、使い勝手が良くなる。 ５．破断して取れたチューブ側嵌合部がキャップ側嵌合部に残るようにすると、 既開封であることを目視により確認できるため、悪戯防止あるいは新品（未使 用）か否かの判別が直ぐにつき、便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るチューブ容器において、キャップ
本体を取り外した状態の説明図。

【図２】本考案に係るチューブ容器において、キャップ
本体を反転させてキャップ側嵌合部をチューブ側嵌合部
に嵌合する直前の説明図。

【図３】キャップ側嵌合部をチューブ側嵌合部に嵌合さ
せた状態の嵌合部の横断平面図。

【図４】キャップ側嵌合部をチューブ側嵌合部に嵌合さ
せた状態の嵌合部のＡ−Ａ´線縦断側面図。

【図５】楕円形から成る嵌合部の説明図。

【図６】四角形から成る嵌合部の説明図。

【図７】２本の突起から成る嵌合部の説明図。

【符号の説明】

１ チューブ本体 ２ 口頚部 ３ スパイラルねじ ４ 封塞板 ５ 破断部 ６ チューブ側嵌合部 ７ 突起 ８ キャップ本体 ９ 外天面 １０ キャップ側嵌合部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴体部の上端中央より口頚部を突出させ
   ると共にこの口頚部の上端面には破断部を介してチュー
   ブ側嵌合部を形成して成るチューブ本体と、外天面の中
   央に、前記チューブ側嵌合部に嵌合するキャップ側嵌合
   部を形成して成るキャップ本体と、開封に際して、前記
   キャップ本体をチューブ本体から取り外した後、このキ
   ャップ本体を逆さにしてそのキャップ側嵌合部をチュー
   ブ側嵌合部に係合し、その上でキャップ本体又はチュー
   ブ本体を回転させることにより、チューブ本体の口頚部
   を破断し、開封することができるように構成して成る開
   封キャップ付チューブ容器。
2. 【請求項２】 チューブ側嵌合部は、等間隔で放射状に
   形成された６ヶの係合突縁で形成され、キャップ側嵌合
   部は、上記係合突縁が係合する６ヶの係合溝で構成され
   ていることを特徴とする請求項１に記載の開封キャップ
   付チューブ容器。
3. 【請求項３】 チューブ側嵌合部は、楕円又は多角形に
   形成され、キャップ側嵌合部は上記楕円又は多角形に係
   合する楕円または多角形の穴で構成されていることを特
   徴とする請求項１に記載の開封キャップ付チューブ容
   器。
4. 【請求項４】 チューブ側嵌合部は、口頚部の上端面か
   ら突出した複数の突起で形成され、キャップ側嵌合部
   は、上記突起が嵌合する複数の嵌合穴で構成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の開封キャップ付チュ
   ーブ容器。
5. 【請求項５】 チューブ側嵌合部にキャップ側嵌合部を
   嵌合して口頚部側を破断して開封したのち、再キャップ
   したときに、キャップ側嵌合部に破断して取れたチュー
   ブ側嵌合部が残っていて、これにより既開封であること
   が目視で確認できることを特徴とする請求項１〜４に記
   載の何れか１項に該当する開封キャップ付チューブ容
   器。