JP3086707B2 - 車両におけるリヤスイングアームの取り付け構造 - Google Patents

車両におけるリヤスイングアームの取り付け構造

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JP3086707B2
JP3086707B2 JP03036155A JP3615591A JP3086707B2 JP 3086707 B2 JP3086707 B2 JP 3086707B2 JP 03036155 A JP03036155 A JP 03036155A JP 3615591 A JP3615591 A JP 3615591A JP 3086707 B2 JP3086707 B2 JP 3086707B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車等の車両に
おいて、特にそのリヤスイングアームをフレームに取り
付けるための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車の後輪を支持するリヤスイン
グアームは、その前端がフレームのブラケットに回動可
能に枢支されている。このフレームのブラケットは左右
一対設けられており、これらブラケットの間にリヤスイ
ングアームの前端部が介在されている。そして、ブラケ
ットの間には、リヤスイングアームの前端部を貫通する
ピボット軸が架設されており、このピボット軸の一端に
は、ナットがねじ込まれている。このため、ナットをね
じ込んでいくと、リヤスイングアームの前端部がブラケ
ットの間で挾み込まれ、フレームに対する左右方向の位
置決めがなされるようになっている。
【0003】ところで、フレームのブラケットとリヤス
イングアームの前端部との間には、これらブラケットや
リヤスイングアームの寸法公差が作用するため、上記ナ
ットを締め込んだ状態でも、上記ブラケットとリヤスイ
ングアームの前端部との間に隙間が生じることがあり得
る。しかも、この隙間は、製品毎に寸法が異なるから、
単にブラケットとリヤスイングアームの前端部との間
に、隙間を埋めるカラーを介在させるだけの構成では、
隙間を吸収しきれなくなるとともに、多種類のカラーを
用意しなくてはならなくなる。
【0004】このことから、従来、「実開平2−876
89号公報」には、フレームのブラケットとリヤスイン
グアームの前端部との間に、ピボット軸の軸方向に長さ
調節可能な調節カラーを介在させ、この調節カラーの長
さを千差万別な隙間の寸法に応じて自由に変えられるよ
うにした構成が開示されている。この調節カラーは、ピ
ボット軸の外周に装着される第1のねじ部材と、この第
1のねじ部材の外周にねじ込まれた第2のねじ部材とで
構成され、これら第1のねじ部材と第2のねじ部材の相
対的なねじ込み量を変えることで、軸方向に伸縮可能と
なっている。そして、この調節カラーは、第1のねじ部
材の一端面がリヤスイングアームの前端部の軸受に当接
されているとともに、第2のねじ部材の一端面がブラケ
ットに当接されており、これら二つのねじ部材でブラケ
ットとリヤスイングアームの前端部との間の隙間を埋め
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の構成によると、第1および第2のねじ部材は、共に
肉厚の薄い管状をなしているので、調節カラー全体の外
径がリヤスイングアームの前端部の外径よりもかなり小
さくなっている。このため、特に隙間が大きいような場
合には、調節カラーの外周上に、この調節カラーの外周
面、リヤスイングアームの前端部およびブラケットとで
囲まれるリング状の空間が形成されてしまう。したがっ
て、リヤアームの前端部の端面を広い面積で受けること
ができなくなり、上記空間がリヤスイングアームの取り
付け部分の剛性を高める上での妨げとなるといった不具
合がある。
【0006】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、リヤスイングアームの前端部とブラケッ
トとの間に大きな空間が生じるのを防止でき、リヤスイ
ングアームの取り付け剛性を高めることができる車両に
おけるリヤスイングアームの取り付け構造の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明において
は、左右一対のブラケットの間に、このブラケットの後
方に延びるリヤスイングアームの前端部を介在させると
ともに、このリヤスイングアームの前端部を軸回り方向
に回動可能に貫通するピボット軸を上記ブラケットの間
に掛け渡し、このピボット軸の一端をナットで締め付け
ることにより、上記リヤスイングアームの前端部をブラ
ケットの間で挾み込むようにした車両において、上記ナ
ットを、ピボット軸がねじ込まれる内側部材と、この内
側部材の外側に摺動可能に嵌合される円筒状の外側部材
とで構成し、これら内側部材と外側部材の相互接触面
を、上記リヤスイングアームの前端部に近づくに従い径
方向外側に向って傾斜された傾斜面とすることにより、
上記内側部材のリヤスイングアーム側の一端を大径に形
成するとともに、これら内側部材と外側部材を、上記傾
斜面を貫通してピボット軸の軸方向に延びる複数のボル
トを介して互いに連結し、上記内側部材の大径な一端
に、上記一方のブラケットとの間でリヤスイングアーム
の前端部を挾み込む押圧面を形成する一方、上記外側部
材には、その外周面および上記内側部材と接する内周面
に開口するすり割りを形成して、この外側部材を径方向
に拡開可能に構成し、上記内側部材の押圧面と一方のブ
ラケットとの間でリヤスイングアームの前端部を挾み込
んだ状態で、上記ボルトを締め付けることにより、上記
外側部材を軸方向にスライドさせて、この外側部材を上
記傾斜面の傾斜に沿わせて径方向外側に拡径させるとと
もに、このナット側に位置する他方のブラケットには、
ナットの外側部材が嵌合する嵌合孔を形成し、この嵌合
孔の内周面に上記拡開される外側部材の外周面を押し付
けて固定したことを特徴としている。
【0008】
【作用】この構成において、ブラケットの嵌合孔にナッ
トを嵌合し、その内側部材にリヤスイングアームの前端
部を貫通するピボット軸をねじ込んでいくと、この内側
部材の押圧面と一方のブラケットとの間でリヤスイング
アームの前端部が左右方向から挾み込まれる。この状態
でボルトを締め込むと、ナットの外側部材が内側部材の
外周面に沿ってリヤスイングアームに近づく方向にスラ
イドする。この際、内側部材と外側部材の相互接触面
は、リヤスイングアームに近づくに従い径方向外側に向
って拡開するように傾斜された傾斜面をなしているの
で、外側部材は上記ボルトの締め込みに応じて順次押し
広げられ、この外側部材の外周面が嵌合孔の内面に押し
付けられる。このことにより、ナットがブラケットに対
し移動不能に固定され、リヤスイングアームの前端部が
一方のブラケットとナットの内側部材との間で強固に挾
み込まれる。
【0009】したがって、上記構成によれば、ナットの
内側部材の押圧面がブラケットとの間でリヤスイングア
ームの前端部を挾み込むので、リヤスイングアームの前
端部とボルトとの間に大きな空間が生じることはなく、
従来に比べてリヤスイングアームの前端部を広い面積で
受けることができる。
【0010】その上、外側部材の外周面が嵌合孔の内周
面に接触するので、従来に比べてナットとブラケットと
の接触面積も増大する。このため、ナットの取り付け強
度が向上し、上記リヤスイングアームの前端部を広い面
積で受けられることと合わせて、リヤスイングアームの
前端部をピボット軸の軸方向に強固に締め上げることが
できる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例を、自動二輪車に適用
した図面にもとづいて説明する。
【0012】図6において、符号1で示すフレームは、
その前端にステアリングヘッドパイプ2を備えている。
ステアリングヘッドパイプ2には、フロントフォーク3
が枢支されており、このフロントフォーク3の下端部に
は前輪4が支持されている。ステアリングヘッドパイプ
2には、後方斜め下向きに延びる左右一対のメインパイ
プ5が連結されている。メインパイプ5の前部下面に
は、下向きに延びるダウンチューブ6が連結され、この
ダウンチューブ6とメインパイプ5との間にエンジン7
が搭載されている。
【0013】メインパイプ5の後端部には、下向きに延
びる左右一対のスイングアームブラケット8a,8bが
連結されている。スイングアームブラケット8a,8b
は、所定の肉厚を有する薄い箱形に形成され、これらス
イングアームブラケット8a,8bに、リヤスイングア
ーム9が揺動可能に枢支されている。リヤスイングアー
ム9は、スイングアームブラケット8a,8bの後方に
向って延びる左右一対のアーム部材10を備えている。
これらアーム部材10の後端部には、後輪11が支持さ
れている。アーム部材10の前端部間は、図1に示すよ
うに、丸パイプからなるピボットパイプ12によって連
結されている。ピボットパイプ12は、リヤスイングア
ーム9の前端部に位置されており、このピボットパイプ
12が上記スイングアームブラケット8a,8bの間に
介在されている。そして、このピボットパイプ12は、
中空のピボット軸13を介してスイングアームブラケッ
ト8a,8bに回動可能に枢支されており、以下この枢
支構造について詳細に説明する。
【0014】すなわち、図1に示すように、上記スイン
グアームブラケット8a,8bには、上記ピボット軸1
3よりも大径な嵌合孔15a,15bが形成されてい
る。嵌合孔15a,15bは同軸状に位置されており、
これら嵌合孔15a,15bは、スイングアームブラケ
ット8a,8bの外側面および内側面に開口されてい
る。自動二輪車の進行方向右側に位置する嵌合孔15a
は、スイングアームブラケット8aの外側面から内側面
に向うに従い小径に形成され、この嵌合孔15aの内周
面は、円錐状に傾斜された傾斜面16をなしている。こ
れに対し進行方向右側に位置する嵌合孔15bは、口径
が一定に形成され、この嵌合孔15bの内周面は、嵌合
孔15a,15bの軸線X1 と平行をなしている。
【0015】ピボット軸13は、左側のスイングアーム
ブラケット8aの嵌合孔15aから上記ピボットパイプ
12を貫通して右側のスイングアームブラケット8bの
嵌合孔15bに導かれている。このピボットパイプ12
の左右両端部には、ピボット軸13を回転自在に受ける
ニードル軸受17a,17bが装着されている。このニ
ードル軸受17a,17bとピボット軸13との間に
は、左右のブシュ18a,18bが介在されている。ブ
シュ18a,18bは、肉厚の薄い円筒状をなし、これ
らブシュ18a,18bの一端は、ピボットパイプ12
の両端から外方に導出されている。これらブシュ18
a,18bの導出端には、ピボット軸13の径方向外側
に向って一体に折り返されたフランジ部19a,19b
が形成されている。左側のブシュ18aのフランジ部1
9aは、ピボットパイプ12よりも大径に形成され、左
側のスイングアームブラケット8aの内側面に当接され
ている。フランジ部19aとピボットパイプ12との間
には、スラスト軸受20が介在されている。このスラス
ト軸受20は、フランジ部19aの外周縁部とピボット
パイプ12の左側開口縁部との間に跨がるダストカバー
21により覆われている。
【0016】また、右側のブシュ18bのフランジ部1
9bは、ピボットパイプ12よりも僅かに小径に形成さ
れ、このフランジ部19bとピボットパイプ12との間
には、スラスト軸受22が介在されている。このスラス
ト軸受22は、フランジ部19bの外周縁部とピボット
パイプ12の右側開口縁部との間に跨がるダストカバー
23により覆われている。
【0017】なお、ピボット軸13の外周には、上記ブ
シュ18a,18bの間隔を一定に保つ円筒状のスペー
サ24が装着されており、このスペーサ24の両端は、
ブシュ18a,18bに当接している。
【0018】左側の嵌合孔15aには、カラー26が軸
回り方向に回動可能に嵌合されている。カラー26の外
周面は、嵌合孔15aの傾斜面16に沿うように傾斜さ
れており、このカラー26自体が円錐台状をなしてい
る。カラー26には、ピボット軸13が挿通される軸孔
27が形成されている。軸孔27は、カラー26の中心
からオフセットした位置に設けられており、この軸孔2
7の軸線X2 は、嵌合孔15aの軸線X1 に対し偏心し
ている。カラー26の外側面は、スイングアームブラケ
ット8aの外側面と略面一をなしており、このカラー2
6の外側面には、ピボット軸13の一端の大径な頭部1
3aを収容するための凹部28が形成されている。
【0019】そして、本実施例の場合、図4および図5
に示すように、カラー26の外周面の四箇所には、円弧
状に抉られた位置決め凹部29が周方向に等間隔を存し
て形成されており、これら四つの位置決め凹部29は、
カラー26の外側面に連続して開口されている。カラー
26の外周面と接する嵌合孔15aの内周面には、上記
位置決め凹部29のいずれか一つと対向し合う嵌合凹部
30が形成されている。嵌合凹部30は、スイングアー
ムブラケット8aの外側面に連続して開口されており、
上記位置決め凹部29と対向した時に、円形のボルト穴
31を形成するようになっている。また、嵌合凹部30
の底面には、ねじ穴32が形成されている。ねじ穴32
には、ソケットボルトからなる固定ボルト33がねじ込
まれており、この固定ボルト33の頭部33aは、ボル
ト穴31に嵌合されている。したがって、固定ボルト3
3の頭部33aの一部は、カラー26の位置決め凹部2
9に入り込んで、カラー26の回り止めをなしている。
このことにより嵌合孔15a内でのピボット軸13の挿
通位置が決定されるとともに、嵌合孔15aからのカラ
ー26の脱落が阻止されている。
【0020】ところで、図1に示すように、上記ピボッ
ト軸13の右端部には、ねじ部36が形成されている。
ねじ部36にはナット37がねじ込まれている。このナ
ット37は、右側の嵌合孔15b内に軸回り方向に回動
可能に嵌合されている。ナット37は、ねじ部36がね
じ込まれるねじ孔38を有する内側部材39と、この内
側部材39の外周に同軸状をなして摺動可能に重なり合
い、上記右側の嵌合孔15bに嵌合する円筒状の外側部
材40とで構成され、この外側部材40の全長は、嵌合
孔15bの軸長と略同等に形成されている。内側部材3
9のねじ孔38は、内側部材39の中心からオフセット
した位置に設けられており、このねじ孔38の軸線X3
は、嵌合孔15bの軸線X1 に対し偏心している。ねじ
孔38の偏心量は、上記軸孔27の偏心量と一致してお
り、これらねじ孔38と軸孔27とは同軸状に位置され
ている。そして、内側部材39と外側部材40の相互接
触面は、ピボットパイプ12に近づくに従い径方向外側
に向けて拡開するように傾斜された傾斜面41をなして
いる。このことから、内側部材39はピボットパイプ1
2と対向する側が大径となった円錐台状に形成されてい
る。
【0021】内側部材39のピボットパイプ12と対向
し合う大径な端面は、平坦な押圧面42をなしている。
押圧面42はピボットパイプ12よりも大径に形成さ
れ、上記ピボット軸13をナット37の内側部材39に
ねじ込んだ状態では、この押圧面42がブシュ18bの
フランジ部19bに当接している。また、外側部材40
には、図3に示すように、すり割り43が形成されてい
る。すり割り43は外側部材40の外周面と内周面に開
口されており、このすり割り43の存在により、外側部
材40が径方向に拡開可能となっている。
【0022】内側部材39と外側部材40とは、ソケッ
トボルトからなる四本の固定ボルト44によって連結さ
れている。固定ボルト44は、ピボット軸13と平行を
なしており、上記外側部材40の外側面から傾斜面41
を貫通した後、内側部材39にねじ込まれている。そし
て、これら四本の固定ボルト44は、ナット37の周方
向に等間隔を存して配置されており、この固定ボルト4
4の配置間隔は、上記位置決め凹部29の配置間隔と等
しくなっている。外側部材40の外側面は、内側部材3
9の外側面よりも側方に突出されて、スイングアームブ
ラケット8bの外側面と略面一をなしており、この外側
部材40の外側面には、固定ボルト44の頭部44aを
収容する四つの窪み45が形成されている。これら窪み
45は、外側部材40の外周面にも連続して開口されて
おり、この外側部材40の外周面が接する嵌合孔15b
の内周面には、四つの窪み45のうちのいずれか一つと
対向し合う係合凹部46が形成されている。この係合凹
部46は、スイングアームブラケット8bの外側面にも
連続して開口されており、上記左側のスイングアームブ
ラケット8aの嵌合凹部30と対応した位置に形成され
ている。
【0023】四つの窪み45のうちの一つには、リング
状をなす回り止め部材48が嵌合され、上記固定ボルト
44によって共締めされている。回り止め部材48の外
周面の一部は、係合凹部46に入り込んで、ナット37
の回り止めをなしており、このことにより嵌合孔15b
内でのピボット軸13の挿通位置が決められている。次
に、リヤスイングアーム9をスイングアームブラケット
8a,8bの間に組み付ける手順について説明する。
【0024】まず、スイングアームブラケット8a,8
bの嵌合孔15a,15b内に、カラー26とナット3
7を嵌合する。そして、カラー26の位置決め凹部29
のいずれか一つを嵌合凹部30に合わせ、この嵌合凹部
30のねじ穴32に固定ボルト33をねじ込むことによ
り、カラー26の脱落防止と回り止めをなす。同様にナ
ット37側においても、外側部材40の窪み45のいず
れか一つを係合凹部46に合わせ、この状態で固定ボル
ト44を締め込んで、回り止め部材48を係合凹部46
に係合させることにより、ナット37の回り止めをな
す。このことにより、カラー26の軸孔27とナット3
7のねじ孔38が同一直線上に揃い、ピボット軸13の
挿通位置が決定される。
【0025】次に、リヤスイングアーム9の前端部のピ
ボットパイプ12を、スイングアームブラケット8a,
8bの間に介在させ、左側の嵌合孔15a側からピボッ
ト軸13を挿通する。そして、このピボット軸13をピ
ボットパイプ12を通して反対側のナット37のねじ孔
38にねじ込んでいく。すると、ナット37が嵌合孔1
5b内を摺動し、ピボットパイプ12側に引き寄せられ
るので、その内側部材39の押圧面42が右側のブシュ
18bのフランジ部19bに当接するとともに、左側の
ブシュ18aのフランジ部19aがスイングアームブラ
ケット8aの内側面に当接する。このため、ピボットパ
イプ12は、フランジ部19a,19bを介してナット
37の内側部材39とスイングアームブラケット8aの
間で挾み込まれた状態で仮止めされる。
【0026】引き続いてナット37の四本の固定ボルト
44を締め付ける。この締め付けにより、外側部材40
がピボットパイプ12側に向って押されるので、外側部
材40は内側部材39の外周をピボットパイプ12に近
づく方向にスライドされる。この場合、内側部材39と
外側部材40の相互接触面は、ピボットパイプ12側に
向けて拡開するように傾斜された傾斜面41をなしてい
るので、外側部材40は、この傾斜面41の傾斜に沿っ
て順次押し広げられることになり、この外側部材40の
外周面が嵌合孔15bの内周面に押し付けられる。この
ことにより、ナット37がピボットパイプ12の全長に
応じてスイングアームブラケット8bに固定される。
【0027】そして、最後に再度ピボット軸13をナッ
ト37のねじ孔38にねじ込み、このピボット軸13の
頭部13aでカラー26を押圧する。すると、カラー2
6と嵌合孔15aとの相互接触面は、テーパ状に傾斜さ
れた傾斜面16をなしているので、カラー26が嵌合孔
15aに食い込んだ状態となり、ピボット軸13が軸方
向に締め付け固定される。
【0028】このような本発明の一実施例によれば、ピ
ボット軸13をねじ込んでいくと、ナット37の内側部
材39がリヤスイングアーム9のピボットパイプ12の
端面に向って引き寄せられ、ブシュ18bのフランジ部
19bを介してピボットパイプ12の端面を押圧するの
で、このピボットパイプ12の端面とスイングアームブ
ラケット8bとの間に大きな空間が生じるのを防止でき
る。
【0029】しかも、ピボットパイプ12を押圧する内
側部材39の押圧面42は、このピボットパイプ12よ
りも大径であるとともに、押圧面42とピボットパイプ
12との間に介在されるフランジ部19bも、ピボット
パイプ12と略同径であることから、従来に比べてピボ
ットパイプ12の前端部を広い面積で受けることができ
る。
【0030】その上、固定ボルト44を締め込むと、嵌
合孔15bと同等の長さの外側部材40が拡径されて、
この嵌合孔15bの内周面に押し付けられ、ナット37
がスイングアームブラケット8bに固定されるので、従
来に比べてスイングアームブラケット8bとナット37
との接触面積も増大することになる。
【0031】したがって、ナット37の取り付け強度が
向上し、上記ピボットパイプ12の端面とスイングアー
ムブラケット8bとの間に大きな空間が生じないことと
合わせて、リヤスイングアーム9の前端部をスイングア
ームブラケット8a,8bの間で強固に締め上げること
ができ、このリヤスイングアーム9の取り付け部分の剛
性を高めることができる。
【0032】また、本実施例の場合、カラー26の軸孔
27およびナット37のねじ孔38は、スイングアーム
ブラケット8a,8bの嵌合孔15a,15bに対し偏
心しており、しかも、これらカラー26やナット37
は、固定ボルト33と回り止め部材48とによって嵌合
孔15a,15b内での位置が周方向に四段階に亘って
変えられるようになっているので、ピボット軸13の挿
通位置を嵌合孔15a,15bの内側で前後と上下の四
箇所に亘って変えることができる。
【0033】このため、前輪4と後輪11との間のホイ
ールベースやエンジン7の位置を、運転者の好みやサー
キットのコース状況に応じて自由に変えることができる
利点がある。なお、本発明に係る車両は、自動二輪車に
特定されるものではなく、例えば後輪が二輪の自動四輪
車でも同様に実施することができる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、ナットの
内側部材が反対側のブラケットとの間でリヤスイングア
ームの前端部を挾み込むので、このリヤスイングアーム
とナットとの間に大きな空間が生じることはなく、リヤ
スイングアームの前端部を広い面積で受けることができ
る。
【0035】その上、ナットの外側部材の外周面を嵌合
孔の内周面に押し付けることで、このナットがブラケッ
トに固定されるので、ナットとブラケットとの接触面積
も増大することになり、ナットの取り付け強度が向上す
る。したがって、上記リヤスイングアームの前端部を広
い面積で受けられることと合わせて、リヤスイングアー
ムの前端部をピボット軸の軸方向に強固に締め上げるこ
とができ、このリヤスイングアームの取り付け部の剛性
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リヤスイングアームの取り付け部分の断面図。
【図2】図3のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1のB線方向から見たリヤスイングアームの
取り付け部分の側面図。
【図4】図5のC−C線に沿う断面図。
【図5】図1のD線方向から見たリヤスイングアームの
取り付け部分の側面図。
【図6】自動二輪車の側面図。
【符号の説明】 8a,8b…ブラケット(シングアームブラケット)、
9…リヤスイングアーム、12…前端部(ピボットパイ
プ)、13…ピボット軸、15b…嵌合孔、37…ナッ
ト、39…内側部材、40…外側部材、41…傾斜面、
42…押圧面、43…すり割り、44…ボルト(固定ボ
ルト)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のブラケットの間に、このブラ
    ケットの後方に延びるリヤスイングアームの前端部を介
    在させるとともに、このリヤスイングアームの前端部を
    軸回り方向に回動可能に貫通するピボット軸を上記ブラ
    ケットの間に掛け渡し、このピボット軸の一端をナット
    で締め付けることにより、上記リヤスイングアームの前
    端部をブラケットの間で挾み込むようにした車両におい
    て、上記ナットを、ピボット軸がねじ込まれる内側部材
    と、この内側部材の外側に摺動可能に嵌合される円筒状
    の外側部材とで構成し、これら内側部材と外側部材の相
    互接触面を、上記リヤスイングアームの前端部に近づく
    に従い径方向外側に向って傾斜された傾斜面とすること
    により、上記内側部材のリヤスイングアーム側の一端を
    大径に形成するとともに、これら内側部材と外側部材
    を、上記傾斜面を貫通してピボット軸の軸方向に延びる
    複数のボルトを介して互いに連結し、上記内側部材の大
    径な一端に、上記一方のブラケットとの間でリヤスイン
    グアームの前端部を挾み込む押圧面を形成する一方、上
    記外側部材には、その外周面および上記内側部材と接す
    る内周面に開口するすり割りを形成して、この外側部材
    を径方向に拡開可能に構成し、上記内側部材の押圧面と
    一方のブラケットとの間でリヤスイングアームの前端部
    を挾み込んだ状態で、上記ボルトを締め付けることによ
    り、上記外側部材を軸方向にスライドさせて、この外側
    部材を上記傾斜面の傾斜に沿わせて径方向外側に拡径さ
    せるとともに、このナット側に位置する他方のブラケッ
    トには、ナットの外側部材が嵌合する嵌合孔を形成し、
    この嵌合孔の内周面に上記拡開される外側部材の外周面
    を押し付けて固定したことを特徴とする車両におけるリ
    ヤスイングアームの取り付け構造。
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