JP3086324U - 携帯電話の電磁波防止カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】箱型の電磁波遮蔽材で携帯電話Ｐの裏面と
側面とを包み込むカバー本体１を設ける。カバー本体１
は、銅製薄板で形成された基板２と、該基板２の表面に
接着された不織布又は布地からなるバインダー層３と、
該バインダー層３の表面に設けられると共に、該バイン
ダー層３を浸透して基板２に接触する導電性に優れた備
長紛炭のポリアミド樹脂系塗料組成物からなる導電層４
とを有する。カバー本体１を携帯電話Ｐに固定する面フ
ァスナー５をカバー本体１と携帯電話Ｐとの間に設けた
ことにある。 【効果】携帯電話より発せられる電磁波を遮蔽、吸収し
電磁波による人体への影響を最大限除去する。携帯電話
が誰でも安心して使用できるよう安価で提供することが
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、携帯電話の着信、通話時における電磁波を遮蔽吸収する携帯電話用 電磁波防止カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

国内外の携帯電話の普及は増加の一途をたどり、現在、日本国内ではおよそ70 0万台が使用されている。携帯電話は、その安全性が明確に確認されない段階で 必需品になってしまった特殊な例だとともいわれている。このため、わが国では 、携帯電話の人体への影響が懸念される電磁波の強さを、市販の携帯電話の機種 ごとに測定した電磁波強度データ（ＳＡＲ値）を2001年5月に初めて公表してい る。

【０００３】 携帯電話は、病院内や航空機内での使用が禁止されているが、これは周知の通 り、携帯電話が発する強度の電磁波により、機器の誤動作を発生させる恐れがあ るためである。パソコン操作時に形態電話を近くに置いておくと、着信時にパソ コン画面が揺れたり、又、携帯電話をバッグに入れておくと、一緒にいれられた キャッシュカード等の磁気カードに変調を来たすことも確認されている。

【０００４】 携帯電話の発する電磁波の影響が、人体に対して解明されていないこともあり 、英国では１６歳以下の子供たちに対し、国として使用しないように呼びかけて いる程である。これは、脳組織が発達する時期に携帯電話からの電磁波の影響を 受けて脳症の危険を防止するためである。わが国の携帯電話メーカーやマスコミ では、ユーザーに対して携帯電話を使用するときには、アンテナを長く伸ばして 使用することで、頭部に受ける電磁波が減少されるとしている程度である。

【０００５】 現在、一部の病院内で、医師や看護婦が業務連絡用に携帯電話を使用している が、この携帯電話はＰＨＳ方式である。その出力は、最大で200mmＷなので、発 生する電磁波が弱いことにより医療機器に影響を及ぼすことが無いからである。 一方、携帯電話の多くは、出力が最大で0.8Ｗと高く、ＰＨＳ方式に比較すると 、４０倍の出力であるため、今後、長期間に亘って長時間使用する人は、人体に 対する電磁波が及ぼす健康被害が心配される。

【０００６】 携帯電話から発生する電磁波を遮断して電磁波の影響を受けないようにするた め、携帯電話の本体全面をカバーするケースが特開平10-145076号公報に開示さ れている。また、実用新案登録第3041016号公報には、音声出力部の全面に炭素 を分散させたシートを取付ける方法が記載されている。さらに、実用新案登録第 3056302号公報には音声出力口に導電積層体を取付ける方法が開示されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

前者の携帯電話の本体全面をカバーするケースには、全体として大きくなり過 ぎ、ポケットに収納して使用するには難があること。また、取扱に不便があり、 製造コストも高くなることなどで実用性に乏しいことが挙げられる。

【０００８】 一方、後者の各考案のように、携帯電話の音声出力部に炭素を分散させたシー トや、導電性積相体のみを取付けた構成では、仮に胸ポケットに収納していて着 信を受けた場合、アンテナ部や裏面からの電磁波を肌の近くで浴びることになり 安全とは言い難い。

【０００９】 本考案は、上述した不具合を解決すべく成されたものであり、その目的は、携 帯電話より発せられる電磁波を遮蔽、吸収し電磁波による人体への影響を最大限 除去して、携帯電話が誰でも安心して使用できるよう安価で提供するための携帯 電話の電磁波防御カバーである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するため、本発明の第１の手段は、箱型の電磁波遮蔽材で 携帯電話Ｐの裏面と側面とを包み込むカバー本体１を設けたことにある。

【００１１】 第２の手段のカバー本体１は、銅製薄板で形成された基板２と、該基板２の表 面に接着された不織布又は布地からなるバインダー層３と、該バインダー層３の 表面に設けられると共に、該バインダー層３を浸透して基板２に接触する導電性 に優れた備長紛炭のポリアミド樹脂系塗料組成物からなる導電層４とを有する。

【００１２】 第３の手段におけるカバー本体１は、携帯電話Ｐの裏面に接する面に前記導電 層４が設けられ、該カバー本体１を携帯電話Ｐに固定する面ファスナー５をカバ ー本体１と携帯電話Ｐとの間に設けたことにある。

【００１３】 第４の手段は、カバー本体１の外側面に、キャラクターシール、イメージカラ ー用フィルム、布地、皮革のいずれか又はいずれかの組み合わせで形成された装 飾被覆材６を設けたことを課題解消のための手段とする。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。 本考案の携帯電話の電磁波遮蔽カバーは、箱型の電磁波遮蔽材で携帯電話Ｐの 裏面と側面とを包み込むカバー本体１を形成している。このカバー本体１は、基 板２の表面にバインダー層３と導電層４とを設けたものである（図１参照）。

【００１５】 基板２は、銅の薄板（0.2mm〜0.3mm）を採用している。銅は電気抵抗値が小さ く、電磁波の遮蔽効果も優れており、薄板は加工性に富み、又携帯電話の電磁波 遮蔽カバーの軽量化が計られるからである。又、この基板２は、両側面を折り曲 げて両サイドからの電磁波の漏洩を防止する形状で、裏面の大きさは最大値の電 磁波が発生するアンテナ部をカバーする寸法にしている（図５、図７参照）。

【００１６】 バインダー層３は、基板２の表面に接着されるもので、不織布又は布地を使用 している（図１参照）。このバインダー層３は、基板２を曲げ加工した場合に、 後述する導電層４が割れたり、剥がれたりするのを防止する。

【００１７】 導電層４は、バインダー層３の表面に設けられ、該バインダー層３を浸透して 基板２に接触する導電性に優れた備長紛炭のポリアミド樹脂系塗料組成物からな る。このとき、電磁波カバーの内側、つまり携帯電話の裏側が接する面は備長紛 炭の導電層４を剥き出しの状態にすることで、不要電磁波の吸収効果を高めてい る（図２参照）。

【００１８】 また、導電層４は、ポリアミド樹脂（ナイロン）に木炭粉末を配合しているの で、ナイロン樹脂の有する特性である透湿性、透明性、柔軟性と、木炭の特性で ある調湿作用、脱臭作用、防虫作用、電磁波除去作用、空気の浄化作用等を併せ 有し、衣服等を汚すことなく、炭の効果を充分発揮している（特許第3133962号 参照）。また、塗膜硬化後は、不織布又は布地の目を通して基板２に固着され、 導電層４とバインダー層３と基板２とを一体に固定するものである。図示例では 、基板２の表裏面にバインダー層３を設け、このバインダー層３の上に導電性に 優れた備長紛炭の塗料組成物を、粉炭重量で各500ｇ／m²以上厚塗りして炭の機 能の一つである磁場の安定効果を引き出し、携帯電話にかかる電磁波を抑制して 着信、通話時の安定化を計っている（図１参照）。尚、導電層４に使用する備長 紛炭の塗料は、備長炭量の厚付け調整が可能であり、またポリアミド樹脂特性の 通気性により、備長炭の機能は空気と接触し、その効果が充分発揮できるので、 既存の高価な電波試験装置等への技術応用にも期待される。

【００１９】 携帯電話に電磁波遮蔽カバーを固定する方法として携帯電話の充電時に支障を きたさない部分に面ファスナーを貼って、携帯電話が電磁波遮蔽カバーから外れ ないようにしてある（図３参照）。すなわち、携帯電話Ｐの裏面に接する面に前 記導電層４が設けられ、該カバー本体１を携帯電話Ｐに固定する面ファスナー５ をカバー本体１と携帯電話Ｐとの間に設けてある（図４、図６参照）。

【００２０】 カバー本体１は、携帯電話の裏面全体を覆う形状となるため、カバー本体１の 外側面に、キャラクターシール、イメージカラー用フィルム、布地、皮革のいず れか又はいずれかの組み合わせで形成された装飾被覆材６を設ける（図２参照） 。この装飾被覆材６は、使用する人の個性に合わせてさまざまなキャラクターシ ールや色柄で装飾するプラスチックや布生地での化粧材を施すものである。

【００２１】 図５、図７は、携帯電話Ｐがカバー本体１にセットされた状態を示している。 このとき、カバー本体１のサイズを、携帯電話Ｐのアンテナ部分よりも５mm程度 大きくして、胸ポケットに収納された携帯電話Ｐから、着信時における有害電磁 波を肌の近くで浴びるのを防止している。また、二つ折りタイプの携帯電話Ｐに は、アンテナ装着側のみにカバーする形状でもよい（図示せず）。

【００２２】

【表１】 表１は、携帯電話の受信時、通話時における磁束密度値を測定した結果を示し ている。実験は、米国F．WBELL社製のTRIAXTAL ELF MAGNETIC FIELD METERのMOD EL4090型を使用し、携帯電話と測定機との間隔を３cm開けて実施した。

【００２３】

【発明の効果】

本発明は上述の如く構成したことにより、当初の目的を達成した。すなわち、 箱型の電磁波遮蔽材で携帯電話Ｐの裏面と側面とを包み込むカバー本体１を設け たことにより、携帯電話より発せられる電磁波を遮蔽、吸収することができる。

【００２４】 また、銅製薄板で形成された基板２と、該基板２の表面に接着された不織布又 は布地からなるバインダー層３と、該バインダー層３の表面に設けられると共に 、該バインダー層３を浸透して基板２に接触する導電性に優れた備長紛炭のポリ アミド樹脂系塗料組成物からなる導電層４とを有するカバー本体１を設けたこと で、基板２の銅製薄板と導電層４の備長紛炭との相乗効果により、着信時、発信 時、通話時における電磁波の値を大幅に減少させることができる。

【００２５】 この結果、着信時における高レベルの電磁波を防止し、特に多くの男性が、ポ ケットに常時収納して肌の近くに位置する携帯電話が着信しても、この高レベル の着信電磁波を大幅に減少させることができる。また、携帯電話から発生する電 磁波は、通話口のある前面からの数値が高くなるが、この部分から発せられる電 磁波も打ち消して使用者の健康を守ることができる。

【００２６】 さらに、導電層４は、備長紛炭のポリアミド樹脂系塗料組成物からなるので、 超速乾で途膜は水に強く、表面が濡れた状態でも備長炭特有の汚れ等は発生せず に、安定した途膜を形成する。

【００２７】 また、携帯電話Ｐの裏面に接する面に前記導電層４が設けられ、該カバー本体 １を携帯電話Ｐに固定する面ファスナー５をカバー本体１と携帯電話Ｐとの間に 設けたことにより、携帯電話Ｐに対するカバー本体１の装着固定を確実にする。 また、カバー本体１の着脱を容易にして、携帯電話Ｐの充電等に支障を来たさず に済む。

【００２８】 そして、カバー本体１の外側面に、キャラクターシール、イメージカラー用フ ィルム、布地、皮革のいずれか又はいずれかの組み合わせで形成された装飾被覆 材６を設けたことにより、利用者の好みに合わせた使用が可能になり、アクセサ リーや装飾用品としての使用ができる。

【００２９】 このように本発明によると、携帯電話より発せられる電磁波を遮蔽、吸収し、 磁波による人体への影響を最大限除去して、携帯電話が誰でも安心して使用でき るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す横断面図である。

【図２】本発明の他の実施例を示す横断面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す要部斜視図である。

【図４】本発明の使用例を示す分解斜視図である。

【図５】本発明の使用例を示す斜視図である。

【図６】本発明における他の実施例の使用例を示す分解
斜視図である。

【図７】本発明にける他の実施例の使用例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

Ｐ 携帯電話 １ カバー本体 ２ 基板 ３ バインダー層 ４ 導電層 ５ 面ファスナー ６ 装飾被覆材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱型の電磁波遮蔽材で携帯電話の裏面と
   側面とを包み込むカバー本体を設けたことを特徴とする
   携帯電話の電磁波防止カバー。
2. 【請求項２】 前記カバー本体は、銅製薄板で形成され
   た基板と、該基板の表面に接着された不織布又は布地か
   らなるバインダー層と、該バインダー層の表面に設けら
   れると共に、該バインダー層を浸透して基板に接触する
   導電性に優れた備長紛炭のポリアミド樹脂系塗料組成物
   からなる導電層とを有する請求項１記載の携帯電話の電
   磁波防止カバー。
3. 【請求項３】 前記カバー本体は、携帯電話の裏面に接
   する面に前記導電層が設けられ、該カバー本体を携帯電
   話に固定する面ファスナーをカバー本体と携帯電話との
   間に設けた請求項１記載の携帯電話の電磁波防止カバ
   ー。
4. 【請求項４】 前記カバー本体の外側面に、キャラクタ
   ーシール、イメージカラー用フィルム、布地、皮革のい
   ずれか又はいずれかの組み合わせで形成された装飾被覆
   材を設けた請求項１記載の携帯電話の電磁波防止カバ
   ー。