JP3085223U - 耐震補強装置 - Google Patents

耐震補強装置

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JP3085223U JP2001007349U JP2001007349U JP3085223U JP 3085223 U JP3085223 U JP 3085223U JP 2001007349 U JP2001007349 U JP 2001007349U JP 2001007349 U JP2001007349 U JP 2001007349U JP 3085223 U JP3085223 U JP 3085223U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の耐震補強装置以上の耐荷重性能を有する
耐震補強装置を提供する。 【解決手段】耐震補強装置Aは、基礎B、土台C、柱D
及び外壁Eを有する木造住宅の側面部に設置されてお
り、基礎Bに固定される基礎固定部材1と、柱Dに外壁
Eの表面側から固定される上部固定部材2と、この上部
固定部材2に一部が重合し他の部分が土台Cに外壁の表
面側から固定される土台補強部材3とを備えている。基
礎固定部材1は第1連結部として前方に突出する内筒部
5を備えており、上部固定部材2は、第2固定部8と第
2連結部9とからなる。第2連結部9には内筒部5に円
筒状のゴム部材30を介して外嵌する外筒部15が設け
られている。基礎固定部材1と第2連結部9は互いに離
反しないように離反防止部材21で連結されている。本
考案では、土台補強部材3により壁倍率が向上し、離反
防止部材21により上下方向の耐荷重性能が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術の分野】
本考案は、大規模な地震の際に木造建築物の倒壊を防止する耐震補強装置に関 する。
【0002】
【従来の技術】
既存の木造建築物において地震による倒壊を防止する耐震補強装置として、本 願考案者等は、基礎に固定される基礎固定部材と、少なくとも柱に固定される上 部固定部材とを有し、基礎固定部材の表面側に突出する内筒部と、該内筒部に弾 性部材を介して外嵌され上部固定部材に連結される外筒部とを備え、さらに内筒 部と外筒部との相対的な回動を抑止した耐震補強装置を考案した。
【0003】 本願考案者等の上記従来の耐震補強装置は、木造建築物の土台から柱が垂直方 向に抜けるいわゆるほぞ抜けを防止することができると共に、柱と土台との左右 方向のずれや左右方向の揺動及び前後方向への揺動を前記弾性部材により抑制す ることができるものである。また、上記従来の耐震補強装置は、本願考案者等が 試験を行ったところ、マグニチュード7クラスの地震からほぞ抜けを防止するた めに必要な上下方向の耐荷重である4トンを越える性能を有していた。 しかしながら、当該試験においてさらに上下方向の荷重を増やしたところ、前 記内筒から外筒が抜ける方向に移動していくことが知見された。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、耐震補強装置の改良を目的とし、さらに詳しくは従来の耐震補強装 置以上の耐荷重性能を有する耐震補強装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本考案の耐震補強装置は、基礎上に土台が固定さ れ、該土台上に柱が結合されてなる木造建築物を補強する耐震補強装置であって 、前記基礎に固定される基礎固定部材と、少なくとも前記柱に固定される上部固 定部材と、前記基礎固定部材に前記上部固定部材と連結するために設けられた第 1連結部と、前記上部固定部材に前記基礎固定部材と連結するために設けられた 第2連結部とを備え、前記第1連結部又は前記第2連結部のいずれか一方の連結 部に他方の連結部に向けて突出する内筒部が設けられ、他方の連結部に前記内筒 部と間隔を存して該内筒部に外嵌される外筒部が設けられ、前記内筒部と前記外 筒部との間隔に弾性部材を配設し、前記第1連結部と前記第2連結部とに前記内 筒部と前記外筒部との相対的な回動を抑止する回動抑止部が設けられ、前記第1 連結部と前記第2連結部とが前記内筒部及び前記外筒部の軸方向に互いに離反し ないように相互の移動を抑止する離反防止部材が設けられていることを特徴とす る。
【0006】 本考案の耐震補強装置によれば、前記第1連結部と前記第2連結部との間に上 下方向に互いに離反する方向の荷重が生じた場合は、前記内筒部と前記外筒部と の間隙に配設された弾性部材によって荷重が緩衝される。また、前記内筒部と前 記外筒部とが前記弾性部材を介して係止されるので、地震による荷重によって柱 が土台から抜けることを防止することができる。さらに、前記離反防止部材によ り前記外筒が前記内筒から抜ける方向への移動が抑止されるので、仮にマグニチ ュード7以上の地震が発生した場合であっても前記外筒が前記内筒から抜けるこ とがない。このように、本考案の耐震補強装置は、従来の耐震補強装置に離反防 止部材を付加するのみで従来以上の上下方向の耐荷重性能を備えることができる 。このため、耐荷重性能向上のために従来の耐震補強装置全体を大型化する等の 必要がない。
【0007】 本願考案者等が本考案の耐震補強装置について試験を行ったところ、上下方向 に加える荷重が130.5KN(約13トン)になったところで本考案の耐震補 強装置と試験機とを連結するジグが破損し、測定が不可能となった。このように 、本考案の耐震補強装置は、従来の耐震補強装置に離反抑止部材を付加するのみ で、大幅な耐荷重性能の向上が図ることができる。
【0008】 また、前記内筒部と前記外筒部とは上下方向のみならず左右方向又はこれらの 複合方向にも係止される。さらに、前記第1連結部と前記第2連結部とに設けら れた前記回動抑止部によって前記内筒部と前記外筒部との相対的な回動方向の動 きを抑制することができる。これにより柱と土台との左右方向又は上下左右の複 合方向の動きと揺動も抑止することができる。この回動抑止部は、前記内筒部及 び前記外筒部を例えば四角形、六角形或いは八角形等の角筒状に形成した場合は 、前記内筒部及び前記外筒部自体が回動抑止部となる。
【0009】 また、前記内筒部及び前記外筒部が円筒状の場合は、前記回動抑止部が、前記 第1連結部又は前記第2連結部のいずれか一方の連結部に設けられた前記内筒部 の内周面に設けられた第1平面部と、他方の連結部に設けられ前記外筒部の内部 から突出して前記内筒部の内部に挿入され前記第1平面部と間隔を存して対向す る第2平面部を有する突出部とからなり、前記第1平面部と前記第2平面部との 間に弾性部材を配設してもよい。これによれば、前記内筒部と前記外筒部との相 対的な回動が前記第1平面部と前記第2平面部とによって抑止されるので、柱と 土台との揺動を抑止することができる。
【0010】 本考案の耐震補強装置においては、前記上部固定部材に沿って縦方向に重合し て固定されると共に前記土台に沿って横方向に延設される略L字状又は略逆T字 状の土台補強部材を備えることが好ましい。また、この土台補強部材は、前記上 部固定部材に重合され2箇所以上で前記上部固定部材に係止される重合部と前記 土台に固定される土台固定部と前記重合部と前記土台固定部とを連結する補強連 結部とからなり、前記重合部はその高さが前記土台固定部の高さよりも高く前記 上部固定部材の高さよりも低く形成され、それぞれ対面する前記重合部の側縁部 と前記土台固定部の側縁部とを斜め方向に連結する傾斜部を備えることが好まし い。
【0011】 前記土台補強部材は、前記上部固定部材に2箇所以上で係止されており、さら に前記傾斜部がそれぞれ対面する前記重合部の側縁部と前記土台固定部の側縁部 とを連結するものであるため、前記上部固定部材が固定されている柱に前記土台 補強部材が固定されている土台方向に傾く荷重が加わった場合であっても前記土 台補強部材により当該方向の荷重を支えることができる。このため、基礎、土台 及び柱の補強のみならず、土台と柱とによって形成される壁の補強も行うことが でき、木造建築物をより強固に補強することができる。
【0012】 また、本考案の耐震補強装置において、前記上部固定部材を外壁材で覆われて いる前記土台又は前記柱に螺着部材により固定するときは、前記螺着部材が配設 される箇所の近傍の外壁材を前記土台又は前記柱まで取り除いて凹部を設け、該 凹部に補強部材を設け、該補強部材を介して前記上部固定部材を前記土台又は前 記柱に螺着部材により固定することが好ましい。
【0013】 上部固定部材と土台又は柱との結合を強固なものとするためには、上部固定部 材の取付面の外壁材を取り除いて土台や柱と直接結合させることが有効であるが 、外壁材を取り除く作業が必要となるため施工が煩雑となる。そこで、本考案の 耐震補強装置では、前記上部固定部材を前記土台又は柱に固定する螺着部材の近 傍の外壁材のみを取り除き、土台又は柱と前記上部固定部材との間に補強部材を 装着する。これにより、外壁材を取り除く面積を小さくすることができるので上 部固定部材の取付面の外壁材を取り除く場合に比べて施工が容易となると共に、 前記上部固定部材と土台又は柱との結合を強固なものとすることができる。
【0014】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の耐震補強装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説 明する。図1は本考案の実施形態の一例である耐震補強装置を示す斜視図、図2 は図1のII−II線断面図、図3は図2の一部拡大断面図、図4は本考案の耐 震補強装置の分解斜視図である。
【0015】 本実施形態の耐震補強装置Aは、図1に示すように、基礎B、土台C、柱D及 び外壁Eを有する木造住宅の側面部に設置されており、基礎Bに固定される基礎 固定部材1と、柱Dに外壁Eの表面側から固定される上部固定部材2と、この上 部固定部材2に一部が重合し他の部分が土台Cに外壁の表面側から固定される土 台補強部材3とを備えている。
【0016】 基礎固定部材1は、図4に示すように、基礎Bに固定される第1固定部4が金 属板により大略長方形に形成されており、第1連結部として前方に突出する内筒 部5を備えている。この内筒部5の内面上方には、図2乃至図4に示すように第 1平面部6が設けられている。また、第1固定部4の下方には後述する第1サラ ねじが挿通されるサラねじ用の第1テーパ孔7が設けられている。
【0017】 上部固定部材2は、第2固定部8と第2連結部9とからなる。第2固定部8は 、柱Dに沿って縦方向に延設される。この第2固定部8の下端部には、図3に示 すように後述する第2連結部9を固定ボルト10によって取り付けるフランジ部 11が設けられている。このフランジ部11には、固定ボルト10を挿通するた めの取付孔12が設けられており、このフランジ部11と縦方向に延設される第 2固定部8とはリブ13によって補強されている。
【0018】 第2連結部9は、図1乃至図3に示すように、柱Dに沿って縦方向に延設され た前面板14と、この前面板14から基礎Bに向けて延設され、内筒部5に間隔 を存して外嵌される外筒部15と、前面板14の上端部から基礎Bに向けて延設 される上面板16と、外筒部15の側部と上面板16の側部と前面板14とを連 結する一対の側面板17とを備えている。この上面板16には、前後方向に長尺 の長穴に形成され、固定ボルト10が挿通される取付孔16aが設けられている 。また、外筒部15の内部には、図2及び図4に示すように、断面形状が略半円 形状であり前面板14から基礎Bに向けて延設される突出部18が設けられてい る。この突出部18の上面は、内筒部5に設けられた第1平面部6と間隔を存し て対向する第2平面部19となっている。本実施形態では、この第1平面部6と 第2平面部19とによって回動抑止部が形成されている。また、前面板14の下 方には、後述する第2サラねじ24が挿通されるサラねじ用の第2テーパ孔20 が設けられている。
【0019】 本実施形態においては、さらに第1連結部である内筒部5と第2連結部9の外 筒部15とが軸方向に互いに離反しないように相互の移動を抑止する離反防止部 材21を備えている。この離反防止部材21は、第1固定部4を貫通し第1固定 部4の裏面に係止される第1サラねじ22と、この第1サラねじ22によって第 1固定部4に固定される中空のロングナット23と、第2連結部9の前面板14 を貫通し前面板14の表面に係止される第2サラねじ24と、前面板14の裏面 とロングナット23の先端部とに挟持され第2サラねじ24が挿通されるスプリ ング25とからなる。
【0020】 土台補強部材3は、上部固定部材2と重合する重合部26と、土台Cの表面に 固定される土台固定部27と、重合部26と土台固定部27とを連結する補強連 結部28とを備えている。重合部26は、その高さが上部固定部材2よりも低く 、土台固定部27よりも高くなっている。また、重合部26は第2固定部8に重 合され2本の木ねじ29によって柱Dに固定される。土台固定部27は、土台C に沿って横方向に延設されており3本の木ねじ29によって土台Cに固定される 。補強連結部28は、重合部26及び土台固定部27と一体に形成され、重合部 26の側縁と土台固定部27の側縁とを斜め方向に連結する傾斜部28aが形成 されており、正面視で台形状となっている。
【0021】 本実施形態における弾性部材は、外筒部15と内筒部5との間隙に配設される 円筒状のゴム部材30と、第1平面部6と第2平面部19との間隙に配設される ゴムシート31とからなる。本実施形態においては、円筒形のゴム部材30は外 筒部15の内周面に固定されており、ゴムシート31は第1平面部6に固定され ている。
【0022】 また、本実施形態においては、図2に示すように第2固定部8に設けられた連 通孔32の周囲の裏面に柱Dの表面まで外壁Eを円形に削り取って凹部33を形 成し、この凹部33には外壁Eとほぼ同じ厚さを有し幅方向が肉厚の円筒形に形 成された金属製のスペーサ(補強部材)34を設置している。このスペーサ34 により第2固定部8が外壁Eを介することなく柱Dと結合されるため、外壁Eの 材質に左右されずに両者を強固に結合することができる。また、第2固定部8の 裏面には、防水のためのゴムシート35が一面に設けられている。
【0023】 上記構成を備えた本実施形態の耐震補強装置Aは、以下のようにして木造住宅 に設置される。まず、各部材が設置される場所を位置決めし、基礎Bの第1固定 部4のボルト孔に対応する箇所にドリルで穴を開けると共に、その穴の内部を特 殊コンクリートで補強して植え込みボルト36(ケミカルアンカー)を設置する 。次に、第1固定部4の裏面から第1テーパ孔7に第1サラねじ22を通し、第 1固定部4の表面にロングナット23を第1サラねじ22で締め付けて固定する 。また、第2固定部8の連通孔32の周囲の外壁Eを円形に取り除いて凹部33 を形成し、この凹部33にスペーサ34を嵌合させる。この状態で上部固定部材 2の第2固定部8を上方の3本の木ねじ29により柱Dに取付ける。次に、土台 補強部材3の重合部26を第2固定部8に重ね合わせ、2本の木ねじ29により 土台C及び柱Dに取付けると共に、土台固定部27を3本の木ねじ29により土 台Cに取り付ける。
【0024】 次に、第1連結部である内筒部5の前方から第2連結部9を装着する。このと き、外筒部15の内部に内筒部5が挿入され、且つ、内筒部5の内部に突出部1 8が挿入されるようにする。これにより、図3に示すように、外筒部15と内筒 部5との間隙にゴム部材30が配設され、第1平面部6と第2平面部19との間 隙にゴムシート31が配設される。
【0025】 次に、第2連結部9の上面板16と第2固定部8のフランジ部11とを固定ボ ルト10により固定する。このとき、上面板16に設けられた取付孔16aは長 穴となっているので、第2連結部9を容易にフランジ部11に取り付けることが できる。さらに、第2固定部8の前面板14の裏面とロングナット23の先端部 との間にスプリング25を配設し、前面板14の表側から第2テーパ孔20に第 2サラねじ24を挿入すると共にスプリング25の内部を通してロングナット2 3に螺着させる。このとき、第2サラねじ24は、ロングナット23に完全に締 め込まないで、スプリング25により若干付勢される状態で止めておく。
【0026】 本実施形態の耐震補強装置Aは、上記のように木造住宅に設置されているので 、地震の縦揺れによって基礎Bと土台C及び柱Dとの間で離反する方向に荷重が 生じ、第2連結部9が第1連結部である内筒部5と離反するように移動すると、 外筒部15と内筒部5との間隙に配設されている円筒形のゴム部材30と、第1 平面部6と第2平面部19との間隙に配設されているゴムシート31とが収縮し て衝撃を緩和する。また、基礎固定部材1と上部固定部材2とは外筒部15と内 筒部5との間隙又は第1平面部6と第2平面部19との間隙以上は離間しない。 これにより、柱Dと土台Cとが基礎Bから離反されることを防止することができ る。
【0027】 また、仮に地震の規模が大きい場合、第2連結部9の外筒部15が第1連結部 である内筒部5から離反して抜ける方向に力が加わるが、本実施形態においては 第2連結部9の前面板14と第1固定部4とが離反防止部材21により連結され ているため、両者の離反が抑止される。これにより、内筒部5と外筒部15とに よって確実に上下方向の荷重を支えることができるため、地震の規模が大きい場 合であっても確実に柱Dのほぞ抜けを防止することができる。また、本実施形態 では、リブ13によってフランジ部11と縦方向に延設される第2固定部8とが 補強されており、第2連結部9の外筒部15と前面板14とが側面板17により 上面板16に連結されて補強されているため、柱D及び土台Cと基礎Bとを弾性 部材を介して強固に連結することができる。
【0028】 また、本実施形態では、外筒部15と内筒部5との間隙に設けられているゴム 部材30が円筒状に形成されているため、上下方向に振動が続いた場合も、当該 振動を減衰させることができる。また、地震の横揺れによって左右の揺れや、前 後、左右の揺動があった場合であっても、ゴム部材30及びゴムシート31によ り衝撃を緩和することができる。また、基礎固定部材1と上部固定部材2とは、 弾性部材介して連結されているので、柱Dの上部の梁(図示せず)との結合部等 の他の箇所に地震による荷重が集中することがない。
【0029】 ところで、基礎B、土台C及び柱Dを補強するためには、これらを剛体により 結合することも考えられるが、このようにすると柱Dと梁(図示せず)の結合部 等の他の箇所へ荷重が集中するおそれがある。また、この種の耐震補強装置は、 建築物の施工後に取付けるものであるため、当該装置を木ネジ等の螺着部材で外 壁を介して木材で形成されている土台Cや柱Dに固定する必要がある。従って、 例えば道路脇に建築された建築物では車が通る度に建築物自体に振動が加わるた め、基礎B、土台C及び柱Dを剛体により補強すると螺着部材と木材との結合部 分に振動が加わり、時間の経過により装置の結合状態が悪化するおそれがある。
【0030】 本実施形態の耐震補強装置Aでは、木造住宅の近くの道路からの振動が木造住 宅に伝達され、基礎固定部材1と上部固定部材2との間に細かい振動が生じた場 合であっても、このような振動は弾性部材により吸収されるので、木ねじ29及 び植え込みボルト36には振動が伝わりにくいため、木ねじ29及び植え込みボ ルト36の結合状態が良好に維持される。
【0031】 さらに、離反防止部材21は、第2サラねじ24がロングナット23に締め込 まれておらず、スプリング25により保持されている状態となっている。従って 、第2連結部9の前面板14と第1固定部4に相互に離反する方向へ荷重が加わ った場合は第1サラねじ22とロングナット23と第2サラねじ24との結合に よって相互の離反を抑止するが、その他の方向に細かい振動が加わった場合は基 礎固定部材1と上部固定部材2との間の相互の細かい動きを抑止することはない 。このように、離反防止部材21を設けた場合であっても、木ねじ29及び植え 込みボルト36には細かい振動が伝わりにくいため、木ねじ29及び植え込みボ ルト36の結合状態が良好に維持される。
【0032】 また、上部固定部材の第2固定部8が縦方向に延設されると共に土台補強部材 3が横方向に延設されており、縦方向に延設される第2固定部8と横方向に延設 される土台補強部材3とは、重合部26により重合され2箇所の木ねじ29で係 止されている。また、補強連結部28によって重合部26及び土台固定部27と が強固に連結されている。このため、柱Dが土台Cに向けて傾くような荷重が加 わった場合であっても、第2固定部8と土台補強部材3とが強固に結合され、こ れらの部材により当該荷重を吸収することができるため、土台Cと柱Dとの結合 状態が補強されて壁倍率も上昇する。これにより、土台Cと柱Dとを含む壁の補 強も行うことができる。
【0033】 尚、上記実施形態では、外筒部15及び内筒部5を円筒状にしているが、これ に限らず断面が多角形の筒状としてもよい。この場合は、外筒部15の内壁と内 筒部5の外壁とによって外筒部15と内筒部5の回動が抑止されるので、上記実 施形態のように第1平面部6及び第2平面部19を設けなくてもよい。
【0034】 また、本実施形態においては、基礎固定部材1に第1連結部である内筒部5を 設け、上部固定部材2に第2連結部9の外筒部15を設けているが、これに限ら ず、基礎固定部材1に外筒部を設け、上部固定部材2に内筒部を設けてもよい。
【0035】 また、土台補強部材3の傾斜部28aは上記実施形態においては直線上に形成 されているが、これにかぎらず円弧状に傾斜するものであってもよい。また、土 台補強部材3の重合部26は2本の木ねじ29により第2固定部8に固定されて いるが、3本以上の木ねじ29を用いてもよく、重合部26と第2固定部8のみ を螺着するボルト等で2箇所以上固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施形態の一例である耐震補強装置を
示す斜視図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図2の一部拡大断面図。
【図4】本考案の耐震補強装置の分解斜視図。
【符号の説明】
1…基礎固定部材、2…上部固定部材、3…土台補強部
材、5…内筒部(第1連結部)、6…第1平面部(回動
抑止部)、9…第2連結部、15…外筒部、19…第2
平面部(回動抑止部)、21…離反防止部材、30…円
筒状のゴム部材(弾性部材)、31…ゴムシート(弾性
部材)、A…耐震補強装置、B…基礎、C…土台、D…
柱。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎上に土台が固定され、該土台上に柱が
    結合されてなる木造建築物を補強する耐震補強装置であ
    って、 前記基礎に固定される基礎固定部材と、少なくとも前記
    柱に固定される上部固定部材と、前記基礎固定部材に前
    記上部固定部材と連結するために設けられた第1連結部
    と、前記上部固定部材に前記基礎固定部材と連結するた
    めに設けられた第2連結部とを備え、 前記第1連結部又は前記第2連結部のいずれか一方の連
    結部に他方の連結部に向けて突出する内筒部が設けら
    れ、他方の連結部に前記内筒部と間隔を存して該内筒部
    に外嵌される外筒部が設けられ、前記内筒部と前記外筒
    部との間隔に弾性部材を配設し、前記第1連結部と前記
    第2連結部とに前記内筒部と前記外筒部との相対的な回
    動を抑止する回動抑止部が設けられ、前記第1連結部と
    前記第2連結部とが前記内筒部及び前記外筒部の軸方向
    に互いに離反しないように相互の移動を抑止する離反防
    止部材が設けられていることを特徴とする耐震補強装
    置。
  2. 【請求項2】前記内筒部及び前記外筒部が円筒状に形成
    され、前記回動抑止部は、前記内筒部の内周面に設けら
    れた第1平面部と、前記外筒部の内部から突出して前記
    内筒部の内部に挿入され前記第1平面部と間隔を存して
    対向する第2平面部を有する突出部とからなり、前記第
    1平面部と前記第2平面部との間に弾性部材を配設して
    なることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強装置。
  3. 【請求項3】前記上部固定部材に沿って縦方向に重合し
    て固定されると共に前記土台に沿って横方向に延設され
    る略L字状又は略逆T字状の土台補強部材を備え、 該土台補強部材は前記上部固定部材に重合され2箇所以
    上で前記上部固定部材に係止される重合部と前記土台に
    固定される土台固定部と前記重合部と前記土台固定部と
    を連結する補強連結部とからなり、 前記重合部はその高さが前記土台固定部の高さよりも高
    く前記上部固定部材の高さよりも低く形成され、それぞ
    れ対面する前記重合部の側縁部と前記土台固定部の側縁
    部とを斜め方向に連結する傾斜部を備えていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の耐震補強装置。
  4. 【請求項4】前記上部固定部材を外壁材で覆われている
    前記土台又は前記柱に螺着部材により固定するときは、
    前記螺着部材が配設される箇所の近傍の外壁材を前記土
    台又は前記柱まで取り除いて凹部を設け、該凹部に補強
    部材を設け、該補強部材を介して前記上部固定部材を前
    記土台又は前記柱に螺着部材により固定することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐震補強
    装置。
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