JP3084199B2 - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP3084199B2
JP3084199B2 JP07041692A JP4169295A JP3084199B2 JP 3084199 B2 JP3084199 B2 JP 3084199B2 JP 07041692 A JP07041692 A JP 07041692A JP 4169295 A JP4169295 A JP 4169295A JP 3084199 B2 JP3084199 B2 JP 3084199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数本の電線を車体パ
ネルの取付孔内にシール状態で挿通させるグロメットに
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、実開昭64−38720号公報
に記載のグロメット1を示す。このグロメット1は、複
数本の電線3が挿通される電線挿通部5と、車体パネル
7の取付孔7aに嵌合される嵌合部9と、嵌合部9に形
成されて車体パネル7の取付孔7aの開口縁部が係合す
る環状取付溝11とからなる。
【0003】そして、環状取付溝11内に環状の水膨潤
材料部材13を嵌合した後に、車体パネル7の取付孔7
aの開口縁部を環状取付溝11に嵌め合わせる。取付孔
7aの開口縁部15を環状取付溝11に嵌めると、図4
に示すように、水膨潤材料部材13が取付孔7aの開口
縁部15と環状取付溝11の内壁11aとの間に挟まれ
る。この状態から開口縁部15と環状取付溝11の内壁
11aとの間に水が浸入すると、水膨潤材料部材13が
この水を吸収して膨潤しゼリー状に形態が変化して、開
口縁部15と環状取付溝11との間に密着する。
【0004】この水膨潤材料部材13を用いたグロメッ
ト1によれば、取付孔7aと環状取付溝11との間に浸
入してくる水を水膨潤材料部材13が吸収し膨潤するこ
とで、シール性が高められ、複数本の電線を取付孔7a
内にシール状態で挿通することが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記グ
ロメット1において、水膨潤材料部材13は浸入してき
た水を吸収し膨潤するまで時間がかかるため、膨潤する
までの間に環状取付溝11と取付孔7aの開口縁部との
隙間から水が浸入する。
【0006】また、浸入してきた水を吸収し膨潤してゼ
リー状になると、変形し易くなるため振動でその形態が
変化して、環状取付溝11と取付孔7aの開口縁部15
との間に隙間が生じ、シール機能が低下するという問題
がある。
【0007】そこで、本発明は、シール機能をより向上
することが出来るグロメットの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、複数本の電線が密着状態で挿通
する電線挿通部と、車体パネルの取付孔に嵌合する嵌合
部と、取付孔の開口周縁に密着・当接してパネルとの間
をシールするシール部とを備えたグロメットにおいて、
前記取付孔の開口周縁の全周にわたり密着・当接する断
面弧状の内側突起と、この内側突起の外側に設けられた
断面矩形状の外側突起とからなる突部で前記シール部を
形成し、少なくともこのシール部を含油ゴムで形成し、
前記取付孔の開口周縁に密着・当接した前記内側突起の
両側にしみ出た油が滞留する部分が形成されることを特
徴としている。
【0009】
【0010】
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、嵌合部を取付孔に嵌
合すると、内側突起と外側突起とが取付孔の開口周縁に
密着・当接する。内側突起と外側突起とが取付孔の開口
周縁に密着・当接すると含まれていた油がしみ出て、開
口周縁と内側突起及び外側突起との間に油が介在する。
この場合、内側突起が断面弧状に形成されているので、
内側突起の両側には、しみ出た油が滞留する。これによ
り、開口周縁と内側突起との間、開口周縁と外側突起と
の間がシールされる。
【0012】
【0013】
【0014】
【実施例】以下、本発明に係るグロメットの一実施例に
ついて図面を用いて説明する。図1はグロメット17の
内部を示す断面図、図2は図1のA部を拡大した断面図
である。
【0015】図1に示すように本実施例のグロメット1
7は、複数本の電線19が密着状態で挿通する電線挿通
部21と、車体パネル7の取付孔7aに嵌合する嵌合部
23と、取付孔7aの開口周縁15に密着・当接してパ
ネル7との間をシールするシール部25とを備えてい
る。
【0016】上記電線挿通部21は、筒状で内部に複数
本の電線が密着した状態で挿通される。この電線挿通部
21と一体に形成されて電線挿通部21より大径の嵌合
部23の外周部分は含油ゴム(含油シリコーンゴム、含
油NBR、含油CR)で成形されている。また含油ゴム
で形成されている外周には、外周全域に嵌合溝27が形
成されている。この嵌合溝27内には、取付孔7aの開
口周縁29が嵌合される。嵌合溝27の一方の内壁に
は、取付孔7aの開口周縁29の全周にわたり密着・当
接する環状の凸部31が形成されている。凸部31は、
断面弧状の内側突起33、35と、内側突起35の外側
に設けられた断面矩形状の外側突起37とからなる。
【0017】そして、嵌合溝27内に取付孔7aの開口
周縁29が嵌合すると、内側突起33、35及び外側突
起37が開口周縁29の一面側に密着・当接する。この
ため内側突起33、35及び外側突起37が撓むことに
より、図2に示すように、含まれていた油分39、41
がしぼり出されてパネル7の一面側と内側突起33、3
5、外側突起37との間に介在する。この場合、パネル
7に当接する内側突起33、35の頂部33a、35a
外側突起37aの両方に油分39、41が常に滞留して
いる。
【0018】本実施例によれば、シール部25を含油ゴ
ムで形成することにより、内側突起33、35、外側突
起37とパネル7との間を確実にシールして防水性を向
上することが出来る。
【0019】また、本実施例によれば、内側突起33、
35、外側突起37が環状に形成されているので、より
防水性を向上することが出来る。
【0020】さらに、本実施例によれば、嵌合部23の
外周部分を含油ゴムで一体に形成することにより、グロ
メットの外周面とパネルとの摩擦係数が低くなるので、
グロメット17のパネル7への組付性を向上することが
可能となる。
【0021】なお、本実施例では、嵌合部23の外周部
分を含油ゴムで形成したが、シール部25の内側突起3
3、35、外側突起37の部分のみを含油ゴムで形成し
ても防水性を向上することが出来る。
【0022】また、上記実施例では、内側突起33、3
5を設けた例について説明したが、内側突起33又は内
側突起35のみでも良い。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、嵌合部を取付孔に嵌合すると、内側突起と外側突
起とが取付孔の開口周縁に密着・当接する。内側突起と
外側突起とが取付孔の開口周縁に密着・当接すると含ま
れていた油がしみ出て、開口周縁と内側突起及び外側突
起との間に油が介在するので、シール部と取付孔の開口
周縁との間がシールされ、防水性を向上することができ
る。また、内側突起が断面弧状に形成されていること
で、内側突起の両側にしみ出た油が滞留する部分が形成
され、これによっても防水性がより向上する。
【0024】
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグロメットの実施例を示す断面図
である。
【図2】図1のA部を拡大した断面図である。
【図3】従来の水膨潤材料部材を用いたグロメットを示
す断面図である。
【図4】図3に示す従来のグロメットの一部を拡大した
断面図である。
【符号の説明】
7 車体パネル 7a 取付孔 17 グロメット 19 電線 21 電線挿通部 23 嵌合部 25 シール部 29 開口周縁 31 凸部 33、35 内側突起 37 外側突起 39、41 油分
フロントページの続き (72)発明者 野村 泉 静岡県御殿場市川島田252 矢崎部品株 式会社内 (56)参考文献 特開 平6−38339(JP,A) 特開 昭47−35542(JP,A) 特開 平6−217439(JP,A) 特開 平8−96642(JP,A) 実開 平6−88137(JP,U) 実開 昭64−31621(JP,U) 実開 平6−4487(JP,U) 実公 昭57−33534(JP,Y2) 実公 平1−27279(JP,Y2) 実公 平1−19431(JP,Y2) 実公 平3−10576(JP,Y2) 実公 平4−40298(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/22 - 3/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の電線が密着状態で挿通する電線
    挿通部と、車体パネルの取付孔に嵌合する嵌合部と、取
    付孔の開口周縁に密着・当接してパネルとの間をシール
    するシール部とを備えたグロメットにおいて、前記取付
    孔の開口周縁の全周にわたり密着・当接する断面弧状の
    内側突起と、この内側突起の外側に設けられた断面矩形
    状の外側突起とからなる突部で前記シール部を形成し、
    少なくともこのシール部を含油ゴムで形成し、前記取付
    孔の開口周縁に密着・当接した前記内側突起の両側にし
    み出た油が滞留する部分が形成されることを特徴とする
    グロメット。
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