JP4787427B2 - 防水型電子機器のシール構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防水型電子機器などのケーブルの接続部から装置内部への浸水を防ぐためのシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
は従来技術を示す分解斜視図である。
1は内部に基板2や装置などを具備して水密に密閉される防水型電子機器である。
3、4は機器の筐体を構成する2分したカバーである。カバー3の接合周面に溝を形成し、カバー4の接合周面に、カバー3の接合周面の溝と嵌合する凸条を形成している。さらに、カバー3、4には、互いに接合して一体にするためのネジ穴5と基板2を安定に保つための突起6が内部に形成されている。
【0003】
30―aはカバー3に突出形成したケーブル導入部であり、その凸部外周にはネジが形成されており、後述するケーブルの接続部30―bと螺合してケーブルを水密に固定する。
10はパッキンであり、カバー3の接合周面の溝に入れ込んで、カバー4の凸条を嵌めることにより、カバー3、4の接合部に介在させ、設定した寸法分だけ押圧されて密着して、カバー内部を密閉する。
【0004】
図6は防水型電子機器を上述した方法により密閉して組み立てた時の断面図である。カバー3の溝にパッキン10を這わせてカバー4の凸部を嵌め、パッキン10は所定圧に押圧されて水密を保持して嵌合する。
一方、13は外部と交信するためのケーブルである。ケーブル13には、接続部30―b、および接続コネクタ14が装着される。
【0005】
接続部30―bは凹状に形成され、その凹部の内周面にはカバー3に突出形成したケーブル導入部30―aの凸部と螺合するようにネジが形成されており、ケーブル13に嵌めている。
このケーブル13を機器内に設置する手順を説明する。
まず、ケーブル13に接続部30―bを所定位置まで装着する。そして、ケーブル13をケーブル導入部30―aに貫通して、接続部30―bをケーブル導入部30―aの外側から螺合して固定する。そのあと、機器内でケーブル13の先端に接続コネクタ14を取り付ける。そして接続コネクタ14を信号入出力部15に繋いで基板2と接続する。
【0006】
以上の方法により、ケーブルの接続部を閉塞して水密保持を行なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術によれば、カバーにケーブルを導入するためのトンネル形状を形成しなければならず、工数および費用がかかる。
また、ケーブルを機器内に導入した後に、機器内で接続コネクタをケーブルに取り付ける作業を行なわなければならず、作業性が悪く工数がかかるという問題がある。
【0008】
さらに、ケーブルの接続部の水密は、カバーに設けたケーブル導入部と、ケーブルに設けた接続部の螺合のみで行われるため、完全に密閉することは困難であるという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、子部品を内部に備えた防水型電子機器のシール構造において、機器の筐体を、2分した第1のカバーおよび第2のカバーで構成し、それぞれのカバーの端部に内部の電子部品に接続するケーブルの接続部を係止するための半円形の係止部を設け、第1のカバーの接合周面に溝を形成し、これに嵌合する凸条を第2のカバーの接合周面に設け、 さらに、第1のカバーの係止部および第2のカバーの係止部に嵌合するリング部を有し、このリング部と連続して第1のカバーの接合周面の溝に嵌合する形状に形成したパッキンを設け、上記第1のカバーの溝内に前記パッキンを嵌めると共に、上記第1のカバーの係止部および第2のカバーの係止部に上記パッキンのリング部を嵌めたケーブルの接続部を嵌め、この第1のカバーの接合周面に上記第2のカバーの凸条を嵌め込んで上記パッキンおよびケーブルの接続部を押圧して密着し、カバー内部を密閉することを特徴とする
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。なお、以下の説明において、従来技術と同様の部位は同一の符号を用いて説明する。
【0011】
第1の実施の形態例
は第の実施の形態を示す分解斜視図である。図は係止部と係止凹部の拡大図、図3はパッキンの詳細図である。
1は内部に基板2や装置などを具備して水密に密閉される防水型電子機器である。
【0012】
3、4は機器の筐体を構成する2分したカバーである。カバー3の接合周面に溝を形成し、カバー4の接合周面に、カバー3の接合周面の溝と嵌合する凸条を形成している。さらに、カバー3、4には、互いに接合して一体にするためのネジ穴5と基板2を安定に保つための突起6が内部に形成されている。
50、51はカバー3、4の端部に半円形に形成された係止部である。係止部50にはカバー3の接続周面の溝が連続して溝17が施されており、後述するパッキンを嵌めてケーブルを固定するためのものである。
【0013】
係止部51には、カバー4の接続周面の凸条と連続周面に溝18が設けられており、後述するパッキンを嵌めてケーブルを固定するためのものである。7、8は係止部50、51に突出形成した係止凹部であり、互いに接合して後述するケーブルを水密を保持して固定するためのものである。
10はパッキンであり、図に示す如くカバー3、4の接合周面全周に沿った部分と、カバーの接合平面に対して垂直な平面に成るリング部10―(3)より形成する。パッキン10は、そのリング部10―(3)をケーブルの所定位置に装着させた後、パッキン10のカバー3、4の接合周面全周に沿った部分をカバー3の接合周面の溝に入れ込んで、ケーブルを介在させてカバー4の凸条を嵌め込むことにより、カバー3、4の接合部に介在させ、設定した寸法分だけ押圧されて密着し、ネジ11でカバー3、4を接合してカバー内部を密閉する。
【0014】
なお、リング部10―(3)は接合周面に対してどのような平面に形成されてもよく、パッキンを嵌める際は、リング部10―(3)を所望の角度に曲げて溝に嵌めることも可能である。
図6は防水型電子機器を上述した方法により密閉して組み立てた時の断面図である。
【0015】
組立に際し、カバー3の溝にパッキン10を這わせてカバー4の凸条を嵌め込むことにより、パッキン10は所定圧に押圧されて水密を保持して嵌合する。
13は外部と交信するためのケーブルである。図に本実施例におけるケーブルの詳細図を示す。20、21、22および23は、係止部50、51と係止凹部7、8の接合面と互いに一致して密着するように、異なる大きさの径で構成したケーブル13の接続部である。14は接続コネクタであり、基板2と基板に設置されている信号入出力部15を介して接続されて、ケーブルを介して機器の外部と交信する。
【0016】
接続部20はその外表面を塩化ビニル等の弾力性のある材料で構成し、ケーブル13と略同等の径から徐々に大きな径となるように形成されている。
接続部21はその外表面を塩化ビニル等の弾力性のある材料で構成し、ケーブル13の軸方向への移動を抑制して外れるのを防ぐようにしている。
接続部22はその外表面を塩化ビニル等の弾力性のある材料で構成し、接続部23は、接続部21とほぼ同等の径を持ち、円周の2箇所は対向する位置を平面に切断している。ケーブルが回転してねじれたり引きちぎれたりすることを防止するようにしている。
【0017】
また閉塞部24はその外表面を塩化ビニル等の弾力性のある材料で構成し、接続部21と22の間に施されており、係止部17より若干大きな径でこの係止部17を封じて密閉する。
以上のように形成したケーブル13を図に示す如く係止部50、51および係止凹部7、8で挟んで圧着して、水密を保持する。
【0018】
接続部21と閉塞部24の合計厚み寸法Xは、係止凹部7、8の幅Yよりもやや厚くなるようにして、弾力性のある材料で構成した接続部21と閉塞部24が、係止凹部7および8によって圧入となって固定されるようにする。なお、閉塞部24を設けず、接続部21の厚さを係止凹部7および8の幅Yよりもやや厚くなる程度に厚くしても良い。
【0019】
は第の実施の形態を示す要部断面図であり、カバー3の溝にパッキン10を入れてカバー4の接続周面の凸条で押圧する。
接続部22はパッキン10のリング部10―(3)が装着されており、そのリング部10―(3)は係止部50、51の溝17、18に圧入して密着する。
つまり、接続部22の全円周で係止部50、51にパッキンを介して密着する。このとき、溝17、18はパッキンの径よりも若干浅く形成され、パッキンが圧入となるようにする。
【0020】
組み立てる際は、まずパッキン10のリング部10―(3)を接続部22に装着する。パッキン10をカバー3の溝に全周にわたって嵌入させる。同時にケーブル13の接続部20、21、22、23および閉塞面24が係止部50と係止凹部7に嵌合するようにケーブル13を設置する。次に基板2をカバー3の突起6に合わせて嵌合する。そして、接続コネクタ14と基板2の信号入出力部15とを接続する。
【0021】
これに、カバー4の凸条とカバー3の溝とを嵌め合わせ、ネジ11により接合して、防水性を保持する。以上説明したケーブルの接続部のシール構造により、水密を保持して機器にケーブルを備え付ける。
【0022】
【発明の効果】
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、カバーを接続するパッキンにリング部を設けてケーブルの接続部に嵌めて、ケーブルを係止部および係止凹部の所望の位置に介在させて密着させることにより、ケーブルの接続部の全周でパッキンが嵌合されて高い防水レベルを得ることができる。
また、Oリングを使用する必要がなくなり、Oリング用の金型を個別に製造することが無くなり、製造費用が安価になるとともに、工数が減る効果がある。
【0023】
また、ケーブルに、係止部の径よりも若干大きな径で閉塞部を設け、係止部を外側から封じて圧着させたことで、より高い水密を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す分解斜視図
【図2】第1の実施の形態を示す係止部と係止凹部の拡大図
【図3】第1の実施の形態におけるパッキンの詳細図
【図4】第1の実施の形態におけるケーブルの詳細図
【図5】第1の実施の形態を示す側面断面図
【図6】組み立て時の断面図
【図7】第1の実施の形態を示す要部断面図
【図8】従来技術を示す分解斜視図
【符号の説明】
1 防水型電子機器
2 基板
3、4 カバー
5 ネジ穴
6 突起
7、8 係止凹部
10 パッキン
10―(3) リング部
11 ネジ
13 ケーブル
14 接続コネクタ
15 信号出入力部
17、18 溝
20、21、22、23 接続部
24 閉塞面
30―a ケーブル導入部
30―b 接続部
50、51 係止部

Claims (4)

  1. 子部品を内部に備えた防水型電子機器のシール構造において、
    機器の筐体を、2分した第1のカバーおよび第2のカバーで構成し、それぞれのカバーの端部に内部の電子部品に接続するケーブルの接続部を係止するための半円形の係止部を設け、
    第1のカバーの接合周面に溝を形成し、これに嵌合する凸条を第2のカバーの接合周面に設け、
    さらに、第1のカバーの係止部および第2のカバーの係止部に嵌合するリング部を有し、このリング部と連続して第1のカバーの接合周面の溝に嵌合する形状に形成したパッキンを設け、
    上記第1のカバーの溝内に前記パッキンを嵌めると共に、上記第1のカバーの係止部および第2のカバーの係止部に上記パッキンのリング部を嵌めたケーブルの接続部を嵌め、この第1のカバーの接合周面に上記第2のカバーの凸条を嵌め込んで上記パッキンおよびケーブルの接続部を押圧して密着し、カバー内部を密閉することを特徴とする防水型電子機器のシール構造。
  2. 請求項1において、
    パッキンは第1のカバーと第2のカバーのそれぞれの接合周面全周に沿った部分と、リング部により成型することを特徴とする防水型電子機器のシール構造。
  3. 請求項1において、
    第2のカバーに設けた係止部に溝を設け、該溝内にパッキンを嵌めて圧入することを特徴とする防水型電子機器のシール構造。
  4. 請求項1において、
    第1および第2のカバーのそれぞれに設けた係止部に係止凹部を突出形成し、また、ケーブルの接続部に閉塞面を設け、
    前記ケーブルに装着した閉塞面を上記係止凹部内に圧入密着させ、ケーブルの接続部およびカバー内部を密閉することを特徴とする防水型電子機器のシール構造。
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