JP3083217U - 曲げ及びねじり応力に対して高い耐性を有する、自転車用上方後部フォークユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレームの全ての部分への力の配分を改善し
て、サイクリストによりペダルに加えられる力をより効
率的に利用できる、自転車用フレームの上部後方フォー
クユニットを提供する。 【解決手段】 上方後部フォークユニット１が、一体構
造体１０からなり、自転車の下方後部フォークユニット
４に接続されるフォーク１３を備え、この上方後部フォ
ークユニット１は、上方後部ユニット１を自転車フレー
ム２の他の部分に接続するサドル接続部材５と組み合わ
されるように設けられる円筒形端部１２を備え、一体構
造体１０は、フォーク１３の円筒形端部１２とアーム１
４との間に設けられる、実質的に三角形状部１５を構成
する。サドル接続部材５は、その少なくとも一部が、上
方後部フォークユニット１の円筒形端部１２を収容し、
円筒形端部１２は、サドル接続部材５の収容部から、三
角形状部１５の円筒形端部側の頂点１７から計って、最
大２ｃｍの距離まで、突出することにより、曲げ及びね
じり応力に対する高い耐性を確保する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、一体構造体からなり、下方後部フォークユニットに接続されるフ ォークを備える、自転車用上方後部フォークユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自転車用フレームは、互いに接続された、下方及び上方後部フォークからなる ことが知られている。上方後部フォークユニットは、サドル接続部材と接続され る。

【０００３】 自転車用上方後部フォークユニットとして、種々のものが知られている。この 種のフォークユニットにおいて、公知のタイプのものとして、サドル接続部材に 接続され、横方向補強部材又は補強接続部により互いに接続される管状アームに より構成されるフォークがある。このタイプの後部フォークユニットは、数種類 の部品を組立てる必要があるため、組立が複雑で費用が掛かり、さらに、後部フ ォークユニットは、フレームの他の部分よりも、断面積が極めて小さいため、こ の種のフォークユニットは、曲げ又はねじり応力に対して高い耐性をもたらすこ とができず、サイクリストにより自転車のペダルに加わる力の効率的な伝達に悪 影響を与えている。自転車の後部フォークユニットとして他のタイプのものも、 公知であるが、これらのものは、曲げ又はねじり応力に対して限られた耐性をも たらすに過ぎず、サイクリストのペダル対する運動の効率、ひいてはサイクリス トの運動能率に制限をもたらしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、フレームの全ての部分への力の配分を改善して、サイクリス トによりペダルに加えられる力をより効率的に利用できる、自転車用フレームの 上部後方フォークユニットを提供することにある。 本考案のもう一つの目的は、曲げ又はねじり応力に対して高い耐性を持ちなが ら、重量が極めて軽いため、サイクリストによりペダルに加えられる力を最適活 用できる、上述したタイプの後部フォークユニットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

これらの目的、及び当業者には明らかである他の目的は、一体構造体からなり 、自転車の下方後部フォークユニットに接続されるフォークを備える、自転車用 上方後部フォークユニットであって、上方後部ユニットを自転車フレームの他の 部分に接続するサドル接続部材と組み合わされるように設けられる円筒形端部を 備え、一体構造体は、フォークの円筒形端部とアームとの間に設けられる、実質 的に三角形状部を構成し、円筒形端部は、その少なくとも一部が、サドル接続部 材の一部に貫入し、このサドル接続部材の一部は、三角形状部の円筒形端部側の 頂点となる箇所と、サドル接続部材の一部が、頂点から２ｃｍ離れた箇所との間 の位置まで届くように円筒形端部に位置付けられる、上方後部フォークユニット により達成される。

【０００６】 前記フォークのアームの各々は、前記三角形状部と自転車の後輪ハブとの間に 位置するとよい。 前記フォークのアームの各々は、自転車の後輪のハブ側にある自由端の断面が 、円形であるとよい。 前記アームの各々は、前記自由端では断面が円形であり、その他の箇所では断 面が楕円形であり、アームは、前記三角形状部の付近で断面積が最大となるとよ い。 前記三角形状部を構成する部材の一つは、前記フォークを横断するように設け られて、自転車の後部制動部品用の台座を構成するとよい。

【０００７】

【考案の実施の形態】

添付図面には、自転車のフレーム２の一部を構成する、上方後部フォークユニ ット１を示してある。 上方後部フォークユニット１は、これに接続される管状部７を備えるとともに 円筒部材６により構成されるサドル接続部材５と、下方後部フォークユニット４ とに接続される。 上方後部フォークユニット１は、一体構造体１０からなり、好ましくは、極め て軽量で機械的応力に対してかなりの耐性がある複合材料（たとえば、炭素繊維 ）からなるとよい。

【０００８】 一体構造体１０は、断面が円形の円筒形端部１２とアーム１４により構成され るフォーク１３とからなる。アームと円筒形端部との間には、部材１５Ａ、１５ Ｂ、１５Ｃと中央穴１５Ｄを構成する、実質的に三角形状をなす部分１５が設け られる。部材１５Ｃには、自転車の後輪用に通常の制動部品を固定する台座が、 設けられる。

【０００９】 円筒形端部１２は、サドル接続部材５の管状部７内に貫入し、公知の手段で固 定される。管状部７は、円筒形端部１２の少なくとも一部を覆い、特に、管状部 は、一体構造体１０の三角形状部１５の円筒形端部１２側頂点１７まで、または 、この頂点から最大で２ｃｍ、好ましくは最大で１ｃｍ離れる箇所まで届くとよ い。

【００１０】 フォーク１３を構成する各アーム１４は、断面が一定でなく、自転車の後輪ハ ブ（図示せず）付近の端部１８では、各アームは、断面が円形であるが、他の箇 所では、各アームは、断面が楕円形である。また、各アームは、自転車の後輪ハ ブ付近にある端部１８の方に向かって細くなる、実質的に円錐形状を有する。さ らに、各アーム１４の両側１４Ａ間の幅は、アームの縦方向厚さ（図３において 紙面に垂直な方向におけるアーム厚さ）よりも大である。これは、アームの断面 が、楕円形をしているためである。各アームは、三角形状部１５付近の方が、断 面積が大きくなっている。

【００１１】

【考案の効果】

このように、自転車用後部フォークユニット１が、独特の形状をしており、後 部フォークユニットが、サドル接続部材５に、独特の手段で接続されるので、本 考案による上方後部フォークユニットは、後部に加わる曲げ及びねじり応力に対 して高い耐性をもたらす。このため、ペダルに加わる力が、フレーム全体に均等 に配分され、上方後部フォークユニットに大きな曲げ又はねじりが生じないので 、サイクリストは、ペダルに伝える力を最大限に利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による上方後部フォークを備えた自転
車フレームの側面図である。

【図２】 本考案による後部フォークユニットの斜視図
である。

【図３】 図２の後部フォークユニットの正面図であ
る。

【図４】 図１に示した自転車フレームの後部の斜視図
である。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一体構造体（１０）からなり、自転車の
   下方後部フォークユニット（４）に接続されるフォーク
   （１３）を備える、自転車用上方後部フォークユニット
   （１）であって、上方後部ユニット（１）を自転車のフ
   レーム（２）の他の部分に接続するサドル接続部材
   （５）と組み合わされるように設けられる円筒形端部
   （１２）を備え、一体構造体（１０）は、フォーク（１
   ３）の円筒形端部（１２）とアーム（１４）との間に設
   けられる、実質的に三角形状部（１５）を備え、円筒形
   端部（１２）は、その少なくとも一部が、サドル接続部
   材（５）の一部（７）に貫入し、このサドル接続部材の
   一部（７）は、三角形状部（１５）の円筒形端部側の頂
   点（１７）となる箇所と、サドル接続部材（５）の一部
   （７）が、頂点（１７）から２ｃｍ離れた箇所との間の
   位置まで届くように円筒形端部に位置付けられる、上方
   後部フォークユニット。
2. 【請求項２】 前記フォーク（１３）のアーム（１４）
   の各々は、前記三角形状部（１５）と自転車の後輪ハブ
   との間に位置することを特徴とする、請求項１に記載の
   上方後部フォークユニット。
3. 【請求項３】 前記フォーク（１３）のアーム（１４）
   の各々は、自転車の後輪のハブ側にある自由端（１８）
   の断面が、円形であることを特徴とする、請求項２に記
   載の上方後部フォークユニット。
4. 【請求項４】 前記アーム（１４）の各々は、前記自由
   端（１８）では断面が円形であり、その他の箇所では断
   面が楕円形であり、アームは、前記三角形状部（１５）
   の付近で断面積が最大となることを特徴とする、請求項
   ３に記載の上方後部フォークユニット。
5. 【請求項５】 前記三角形状部（１５）を構成する部材
   の一つ（１５Ｃ）は、前記フォーク（１３）を横断する
   ように設けられて、自転車の後部制動部品用の台座（１
   ６）を構成することを特徴とする、請求項１に記載の上
   方後部フォークユニット。