JPS6338155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、オートバイの車体の改良に関す
る。

一般に、オートバイの車体は、鋼管を用い、所
定の形状に曲げ加工したものを、溶接で結合して
作る。車体の剛性を高くしようとすると、直径の
大きいサイズや、管の肉厚さの厚い鋼管に変更す
ることになり、重量が重くなる。このように剛性
と重量とは相反するけれども、剛性の高い車体を
求める一方で、軽量で車両性能が高いオートバイ
を求められる。

この考案は、断面四角形の角パイプと、断面円
形の丸パイプの断面係数が異ることに着目し、こ
れら二種類のパイプを場所に適するように組合せ
て使用することによつて、強度、剛性が高く、軽
量で車両性能も高くできるオートバイの車体を得
ることができるように改善したもので、以下本考
案を図面に示す実施例について説明する。

ヘツドパイプ１は、断面円形の鋼管でできてい
て、両端にベアリングを挿入して、前ホークのス
テアリングシヤフトを回動自在に支承するもので
ある。左右の下パイプ２は、断面四角形の鋼管の
角パイプを略Ｕ字状に曲げ加工し、前端をヘツド
パイプ１に溶着し、後端を左右の上パイプ３の中
央部に溶着する。左右の後パイプ４は、断面四角
形の鋼管の角パイプを使用し、左右の下パイプ２
の後部と、左右の上パイプ３の後部に両端を溶着
して連結する。左右の上パイプ３は、複雑に曲げ
加工した断面円形の鋼管の丸パイプで、前端を左
右の下パイプ２の前部に溶着し、ブリツジパイプ
５で、左右の上パイプ３が数個所で連結してあ
る。上部連結パイプ６は、断面円形の鋼管の丸パ
イプで、ヘツドパイプ１と、上パイプ３のブリツ
ジパイプ５に溶着する。左右の下パイプ２の後下
部には、ブラケツト７が溶着されて、門形の後ホ
ーク８の前端が揺動自在に軸支される。９はクツ
シヨンユニツトで、後ホーク８の後端には後輪の
車軸が取着される。

なお、第１図においては、ブラケツト７を下パ
イプ２の後下部の屈曲部に添設したものを示した
が、第２図に示すように、ブラケツト７を下パイ
プ２の一部となるように構成してもよい。

作用について説明する。

同一重量の角パイプと丸パイプを比較した場
合、角パイプの方が断面係数が大きくとれる。こ
のため、曲げ強度に対しては、角パイプの方が有
利である。一方、捩り強度に対しては、丸パイプ
の方が有利である。したがつて左右の下パイプ２
と左右の後パイプ４を角パイプとし、左右の上パ
イプ３と上部連結パイプ６を丸パイプにすること
によつて、曲げ強度を上げながら捩り強度に対し
ても丈夫にできて、バランスを保つことができ
る。尚、捩り力は、前ホークを支持するヘツドパ
イプ１と、後輪の車軸を支持する後ホーク８の後
端とで、第１図に矢印で示すような捩りが働く。
こうして、車体の重量を上げることなく、曲げ強
度も、捩り強度も十分な車体ができる。又、左右
の上パイプ３は、複雑な曲げ加工をするが、丸パ
イプであるので、曲げ加工が容易にできる。

以上説明したように、この考案は、略Ｕ字形に
曲げ加工し、前端をヘツドパイプに溶着し、後端
を左右の上パイプの中央に溶着する左右の下パイ
プと、左右の下パイプの後部と左右の上パイプの
後部を連結する左右の後パイプを断面四角形の角
パイプで構成し、左右の上パイプ及び、ヘツドパ
イプと左右の上パイプのブリツジパイプを連結す
る上部連結パイプを断面円形の丸パイプで構成
し、車体の下側を角パイプ、車体の上側を丸パイ
プと分けて、組合せることによつて、曲げ強度、
捩り強度も十分に得られる剛性の高い車体が軽量
にできて車両性能も高くできる。そして、複雑な
曲げ加工をする左右の上パイプは丸パイプである
ので、曲げ加工も容易にできる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は側面図、
第２図は本考案の他の実施例を示す斜視図であ
る。 １……ヘツドパイプ、２……下パイプ、３……
上パイプ、４……後パイプ、５……ブリツジパイ
プ、６……上部連結パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略Ｕ字形に曲げ加工し、前端をヘツドパイプに
   溶着し、後端を左右の上パイプの中央に溶着する
   左右の下パイプと、左右の下パイプの後部と左右
   の上パイプの後部を連結する左右の後パイプを断
   面四角形の角パイプで構成し、左右の上パイプ及
   び、ヘツドパイプと左右の上パイプのブリツジパ
   イプを連結する上部連結パイプを断面円形の丸パ
   イプで構成したことを特徴とするオートバイの車
   体。