JP2905811B2 - 自動二輪車のスイングアーム - Google Patents

自動二輪車のスイングアーム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動二輪車のスイングアームの改良に関す
るものである。
(従来の技術) 自動二輪車は、図示しないが、そのフレームにスイン
グアームの前端が揺動自在に軸着されるとともに、この
スイングアームの前寄り部分とフレームの上部との間に
サスペンションが連結され、スイングアームの後端に後
輪を回転自在に支承した車軸が締着され、サスペンショ
ンの伸縮クッションにより、スイングアームを揺動させ
て後輪をクッションさせている。
ところで、一般に、スイングアームは、所望強度のパ
イプ材を選定して溶着結合して製造されている。また、
左右のホーク部分を、二つに分割して板材でプレス成形
したものを最中状に合せて溶着したものもある。さら
に、軽合金等で鋳造して製造されたものもある。
なお、この種の先行技術文献として、例えば特開昭63
−154483号公報や実開昭61−111892号公報等があげられ
る。
(発明が解決しようとする課題) スイングアームは、前寄りのサスペンションを連結す
る部分に最も大きい荷重が作用し、そこから前又は後に
向かうにしたがい荷重が小さくなる。パイプ材で製造さ
れる場合、サスペンションを連結する最も大きい荷重を
受ける部分で、十分な強度を有する太さに決定される。
また、荷重が小さい部分は、過剰強度で重いものにな
る。
また、左右のホークを二つ割りの板材プレス製にし、
最中状に合せて溶着するものは、プレス時に、荷重の大
きさに合せて断面が変化するものにでき、軽量とするこ
とができる。しかしながら、溶着長さが長く、溶着コス
トが高くつき、しかも、溶着跡が実に見苦しい。さら
に、鋳造製のものは、パイプ材に較べて材質が粗である
ので、自由な形状とすることができる。しかし、肉厚を
厚くする必要があるので、重量の軽減が困難である。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、パイプ材と前
部の鋳造軸筒の組合せで、必要強度に断面を変化させて
軽量にでき、溶着コストも安価で体裁の良い自動二輪車
のスイングアームを得ることを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明においては、上記目的を達成するため、自動二
輪車のフレームに揺動自在に軸着される軸筒の左右両側
部に、後方に突出するアームをそれぞれ一体成形し、各
アームの突出端部に後輪を軸支するホークの前端部を溶
着するとともに、この一対のホークの対向面間にブリッ
ジを架設溶着してその上部両側にはサスペンションの下
部を支持するサスペンションボスを配設し、上記各アー
ムと上記ホークとの溶着箇所を、上記軸筒と上記ブリッ
ジのほぼ中間点に位置させ、該ホークを断面四角形のパ
イプ材から構成し、このホークの断面積を前端部から後
端部に向かうにしたがい徐々に減少させるようにしたこ
とを特徴としている。
(作 用) 本発明によれば、荷重に合せた太さに左右のホークの
太さを変化させることができ、軽量化が期待できる。ま
た、左右ホークの前部の太い部分にサスペンションボス
を設けたブリッジを溶着することにより、強度を保つこ
とができる。また、軽合金で鋳造する軸筒部分は、スイ
ングアームの前部だけで、全体として強度を保持しなが
ら軽量で安価にすることが可能になる。さらに、各アー
ムとホークとの溶着箇所がモーメントの低い軸筒とブリ
ッジのほぼ中間点に位置するので、耐久性が向上する。
(実施例) 以下、本発明に係る自動二輪車のスイングアームの実
施例を図面によって説明する。
自動二輪車の左右のホーク1の製造は、第3図に示す
ように、先ず、軽合金の押出しパイプ材2を(イ)に示
すように所望の長さに切断する。次いで、このパイプ材
2を焼なまししてスエージング加工によって(ロ)に示
すように、円形断面が裁頭円錐状に徐々に変化させて成
形する。そして、縮管される部分は減肉するように切削
する等によって肉厚を均一化する。
次いで、(ハ)に示すように、断面長四角形にスエー
ジング加工し、前部の太い部分を少し内側に曲げて
(ニ)に示すようなホーク1の形状に仕上げて焼入れす
る。このホーク1の後端には、車軸孔3が穿設される。
軸筒4は、軽合金で鋳造され、両側に後方に突出させ
てアーム5が一体成形される。このアーム5の後端は、
ホーク1の太い端に合せて太くなるように成形される。
左右のホーク1は、太い側をアーム5の先端に合せて溶
着される。そして、左右のホーク1の前部は、サスペン
ションボス6を上部両側に設けたブリッジ7で溶着連結
される。このブリッジ7は、断面角部のパイプ材であ
る。こうしてスイングアームを形成する。
なお、各アーム5とホーク1との溶着箇所は、第1図
に示すように、モーメントの低い軸筒4とブリッジ7の
ほぼ中間点に位置している。
軸筒4は、図示しないフレームの下部に軸着され、サ
スペンションボス6には、フレーム上部に取付けたサス
ペンションの下端が連結される。そして、ホーク1の後
端の車軸孔3に、後輪を回転自在に支承した車軸が通し
て締着される。こうして、サスペンションの伸縮によっ
て、左右のホーク1が揺動し、後輪がクッションされ
る。
上記構成によれば、左右のホーク及びブリッジをパイ
プ材で構成でき、しかも、左右のホークの断面を受ける
荷重に合わせて変化させ、軽量にすることができる。ま
た、溶着長さが短く、全体として軽量であるので、安価
で体裁の良いものにすることが可能である。さらに、ホ
ークをスエージング加工する場合、裁頭円錐形であるの
で、芯金の出し入れが可能で、小型の型で製造すること
ができる。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、自動二輪車のフレーム
に揺動自在に軸着される軸筒の左右両側部に、後方に突
出するアームをそれぞれ一体成形し、各アームの突出端
部に後輪を軸支するホークの前端部を溶着するととも
に、この一対のホームの対向面間にブリッジを架設溶着
してその上部両側にはサスペンションの下部を支持する
サスペンションボスを配設し、上記各アームと上記ホー
クとの溶着箇所を、上記軸筒と上記ブリッジのほぼ中間
点に位置させ、該ホークを断面四角形のパイプ材から構
成し、このホークの断面積を前端部から後端部に向かう
にしたがい徐々に減少させるので、パイプ材と前部の鋳
造軸筒の組合せにより、必要強度に断面を変化させて軽
量にすることができるという効果がある。
また、溶着コストも安価で、体裁の良い自動二輪車の
スイングアームを提供することが可能になる。さらに、
各アームとホークとの溶着箇所を、モーメントの低い軸
筒とブリッジのほぼ中間点に位置させるので、耐久性を
向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】 図は本発明に係る自動二輪車のスイングアームの一実施
例を示し、第1図は平面図、第2図は側面図、第3図は
(イ)〜(ニ)の順にホークの成形状態を示す成形説明
図である。 1……ホーク、2……パイプ材、4……軸筒、5……ア
ーム、6……サスペンションボス、7……ブリッジ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動二輪車のフレームに揺動自在に軸着さ
    れる軸筒の左右両側部に、後方に突出するアームをそれ
    ぞれ一体成形し、各アームの突出端部に後輪を軸支する
    ホークの前端部を溶着するとともに、この一対のホーク
    の対向面間にブリッジを架設溶着してその上部両側には
    サスペンションの下部を支持するサスペンションボスを
    配設し、上記各アームと上記ホークとの溶着箇所を、上
    記軸筒と上記ブリッジのほぼ中間点に位置させ、該ホー
    クを断面四角形のパイプ材から構成し、このホークの断
    面積を前端部から後端部に向かうにしたがい徐々に減少
    させるようにしたことを特徴とする自動二輪車のスイン
    グアーム。
JP30086589A 1989-11-21 1989-11-21 自動二輪車のスイングアーム Expired - Fee Related JP2905811B2 (ja)

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