JP3082285B2 - 4サイクルエンジンの動弁装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの動弁装置

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JP3082285B2
JP3082285B2 JP03092275A JP9227591A JP3082285B2 JP 3082285 B2 JP3082285 B2 JP 3082285B2 JP 03092275 A JP03092275 A JP 03092275A JP 9227591 A JP9227591 A JP 9227591A JP 3082285 B2 JP3082285 B2 JP 3082285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】この発明は、運転状況に応じて吸
・排気バルブのバルブリフト量や開弁時期等を変化させ
ることができる4サイクルエンジンの動弁装置に係り、
特にロッカシャフトを回動する油圧アクチュエータの構
造を改良した4サイクルエンジンの動弁装置に関する。
【0003】
【従来の技術】一般に、自動車および自動二輪車等の車
両に搭載される4サイクルエンジンでは、燃焼室上方に
吸・排気バルブが配設されており、これらのバルブは動
弁装置によって駆動される。すなわち、上記動弁装置
は、エンジンのクランクシャフトに連動するカムシャフ
トを備え、このカムシャフトに形成されたカムによって
上記吸・排気バルブを所定のタイミングで上下動させて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記4サイ
クルエンジンは、低回転数域から中・高回転数域にかけ
ての広い回転数域内で高い出力が得られること、つまり
パワーバンドが広帯域であることが望ましい。
【0005】しかし、従来の動弁装置では、バルブの開
閉タイミングおよびリフト量が固定されているため、特
定のエンジン回転数域においてピーク値を有する出力特
性しか得られず、したがって低回転数域の出力特性に重
点を置くか、もしくは中・高回転数域の出力特性に重点
を置くかの選択を余儀なくされる。
【0006】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、広い回転数域内でエンジン出力を向上さ
せることができると共に、油圧アクチュエータの作動油
中の異物を除去して、油圧アクチュエータの性能を向上
させることができる4サイクルエンジンの動弁装置を提
供することを目的とする。 〔発明の構成〕
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
回動可能に支持されるとともにエキセントリック大径部
が形成された一対のロッカシャフトと、このロッカシャ
フトに直接嵌挿された第1のロッカアームと、この第1
のロッカアームの両側に配置されて上記エキセントリッ
ク大径部に嵌挿された第2および第3のロッカアーム
と、上記第1、第2および第3のロッカアームをそれぞ
れ作動する第1、第2および第3のカムと、上記ロッカ
シャフトに作動的に連結されて作動油の油圧により上記
ロッカシャフトを回動させる油圧アクチュエータと、を
有し、上記第2および第3のカムが同じカムプロフィー
ルに形成され、上記第1のカムのカムプロフィールが上
記カムプロフィールと異なって形成され、上記油圧アク
チュエータは、そのアクチュエータボディに形成された
シリンダ内に、上記一対のロッカシャフトにそれぞれ連
結された一対のピストンを対向配置すると共に摺動可能
に収容する一方、上記シリンダ下方に、このシリンダ内
にダスト孔を介して連通されたダスト室を形成し、この
ダスト孔を、上記一対のピストンが上記シリンダ内にそ
れぞれ最も後退したときのこれらピストンの対向端同士
の間にて開口させたことを特徴とするものである。請求
項2に係る発明は、上記ダスト室は、アクチュエータボ
ディをシリンダヘッドに設置するマウンティングプレー
トと上記アクチュエータボディとに囲まれて構成される
一方、このマウンティングプレートとの間に上記作動油
をリークさせる間隙を形成していることを特徴とするも
のである。
【0008】
【作用】請求項1の発明に係る4サイクルエンジンの動
弁装置によれば、一対のロッカシャフトを所定角度回動
させてエキセントリック大径部を回動させることによ
り、上記第2および第3ロッカアームのカムフロア面を
第1ロッカアームのカムフロア面に対し上下方向に相対
的に位置変化させる。第1および第3ロッカアームのカ
ムフロア面を第1ロッカアームのカムフロア面に対し下
方へ位置変化させたときには、第2および第3ロッカア
ームと第2および第3カムとの当接が解除され、第1ロ
ッカアームと第1カムとが当接して、4サイクルエンジ
ンのバルブはこの第1カムにより駆動する。
【0009】また、第2および第3ロッカアームのカム
フロア面を第1ロッカアームのカムフロア面に対しほぼ
上方へまたは同一位置に位置変化させたときには、第1
ロッカアームと第1カムとの当接が解除され、第2およ
び第3ロッカアームと第2および第3カムとがそれぞれ
当接して、4サイクルエンジンのバルブはこの第2およ
び第3のカムにより作動する。このようにロッカシャフ
トを回動させることによるカムの選択によって、広い回
転数域に亘りエンジン出力を向上させることができる。
【0010】さらに、油圧アクチュエータのシリンダ内
に作動油が流出入してピストンを摺動させ、一対のロッ
カシャフトを正逆方向に回動させるが、この作動油の流
動中に、作動油中の鉄粉等の異物は、その重量によりダ
スト孔を通ってダスト室へ流下して堆積する。このた
め、シリンダ内に残留する鉄粉等の異物を著しく低減で
きるので、ピストンの摺動が滑かになり、ピストンおよ
びシリンダ間の摩耗を低減できる。そして、ダスト室に
連通するダスト孔を、一対のピストンが1つのシリンダ
内にそれぞれ最も後退したときのこれらピストンの対向
端同士の間にて開口させているので、シリンダ内の底部
に沈殿した作動油中の異物を、各ピストンの後退時に各
ピストンの対向端によりダスト孔ないしその近傍に掻き
寄せ、ダスト孔からダスト室に排出させることができ
る。これにより、作動油中の異物の除去効率を向上させ
ることができる。また、請求項2の発明によれば、ダス
ト室と、その底面開口を閉塞するマウンティングプレー
トとの間に作動油をリークさせる間隙を形成しているの
で、この間隙から、ダスト室内の作動油が滲み出る等に
よりリークする。このためにダスト室内に流入する作動
油に流れが発生するので、その流動により作動油中の異
物をダスト室内に集める集塵効率を向上させることがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0012】図2は、この発明に係る4サイクルエンジ
ンの動弁装置の一実施例を示す斜視図、図6は図2の動
弁装置が適用されたシリンダヘッドの部分平面図、図1
は図6のI−I線に沿う断面図である。
【0013】この動弁装置は、エンジンの1つのシリン
ダにおける吸気側と排気側にそれぞれ配設される。した
がって、図2〜図5に示すバルブ1,2は吸気または排
気を行なうために配置されている。
【0014】この一実施例は、第1カムとしての低速用
カム3、並びにこの低速用カム3の一側方および他側方
にそれぞれ配置された第2カムとしての中高速用カム4
および第3カムとしての同じく中高速用カム5を有した
カムシャフト6(図4、図5)と、カム3,4および5
のそれぞれの下方に位置された第1ロッカアームとして
の低速用ロッカアーム7、第2ロッカアームとしての中
高速用ロッカアーム8および第3ロッカアームとしての
同じく中高速用ロッカアーム9と、これらのロッカアー
ム7,8および9の支持部7a,8aおよび9aが嵌挿
され、かつ後述のロッカシャフト軸受部18(図6)に
よって回動自在に支承されたロッカシャフト11と、を
備えて構成される。
【0015】低速用ロッカアーム7の先端は2方に分岐
し、これらの両分岐先端部7bは、図示しないエンジン
の燃焼室を開閉する上記バルブ1および2のステム頭部
にそれぞれ当接している。また、低速用ロッカアーム7
の支持部7aは、ロッカシャフト11に直接嵌挿され
て、回動可能に設けられる。
【0016】中高速用ロッカアーム8の支持部8aは、
ロッカシャフト11よりも大径の偏心ブッシュ12を介
して、ロッカシャフト11に対し回動可能に嵌挿され
る。この偏心ブッシュ12は、図4に示す如く、軸心が
ロッカシャフト11の中心から偏心しており、ブッシュ
ピン10によってロッカシャフト11に着脱自在に固定
される。したがって、この偏心ブッシュ12は、ロッカ
シャフト11におけるエキセントリック大径部として機
能する。
【0017】図3に示す如く、中高速用ロッカアーム9
の支持部9aも、上記偏心ブッシュ12と同一の形状を
有しかつ同一方向に偏心する偏心ブッシュ13を介し
て、ロッカシャフト11に対し回動可能に嵌挿される。
この偏心ブッシュ13もブッシュピン10によりロッカ
シャフト11に着脱自在に固定され、エキセントリック
大径部として機能する。
【0018】また、中高速用ロッカアーム8および9の
各先端部8aおよび9aの下面は、低速用ロッカアーム
7の一方および他方の分岐先端部7bに、シム14aを
介してそれぞれ当接される。これらの低速用ロッカアー
ム7の分岐先端部7bと中高速用ロッカアーム8および
9の先端部8bおよび9bとの接触点は、バルブ1およ
び2の略軸線上に設定される。
【0019】したがって、図4に示すように、低速用カ
ム3が低速用ロッカアーム7のカムフロア面7cを押下
して、その各先端部7bを下降させた場合(低速用カム
3の作動時)には、ロッカアーム8および9の各先端部
8bおよび9bは、分岐先端部7bとともに押下される
には至らない。一方、図5に示すように中高速用カム4
および5が中高速用ロッカアーム8および9のカムフロ
ア面8cおよび9cをそれぞれ押下した場合(中高速用
カム8および9の作動時)には、これらのロッカアーム
8および9の先端部8bおよび9bが低速用ロッカアー
ム7の各分岐先端部7bを押下することから、この分岐
先端部7bは強制的に下降される。
【0020】なお、このシム14aは、縦断面T字形状
のシムであり、低速用ロッカアーム7の両分岐先端部7
bに上方から嵌装される。また、バルブ1および2のバ
ルブステム頭部には有蓋円筒形状のシム14bが被冠さ
れ、このシム14bに、低速用ロッカアーム7の分岐先
端部7b下面が当接する。これらのシム14aおよび1
4bは、バルブ1および2のタペットクリアランス調整
用に用いられる。
【0021】また、前記カム3,4および5のうち、中
高速用カム4および5は同一のカムプロフィールを有
し、また低速用カム3はこれらの中高速用カム4および
5のカムプロフィールとは異なるカムプロフィールを有
する。つまり、低速用カム3は、エンジンが低回転数域
で運転されているときに適したバルブリフト量および開
閉弁時期が得られるようにそのカムプロフィールが設定
される。また、中高速用カム4および5は、エンジンが
中・高回転数域で運転されているときに適したバルブリ
フト量および開閉弁時期が得られるようにそのカムプロ
フィールが設定される。
【0022】上記バルブリフト量は、バルブ1および2
のストローク長であり、カムリフト量に対応する。図1
5には、低速用カム3のカムプロフィールを実線A(カ
ムリフト量la)で示し、また中高速用カム4および5
のカムプロフィールを破線B(カムリフト量lb)で示
している。この図15から明らかなように、中高速用カ
ム4および5は、低速用カム3よりも大きなバルブリフ
ト量が得られるようにそのカムプロフィールが設定され
ている。
【0023】なお、図15の二点鎖線Cは、ロッカシャ
フト11を回動して偏心ブッシュ12および13の厚肉
頂部12aおよび13aを図4に示すように斜め前方へ
位置させたとき(低速用カム3の作動時)の中高速用カ
ム4および5におけるカムプロフィールを示す。
【0024】ところで、ロッカシャフト11の回動は、
図2に示すように、エンジンオイルを作動油として作動
する油圧アクチュエータ15によってなされる。この油
圧アクチュエータ15は、図6に示すように、シリンダ
ヘッド16の車両左右方向中央位置にあるカムチェーン
室17に設置される。
【0025】また、ロッカシャフト11は、シリンダヘ
ッド16の車両前後および左右に1本ずつ計4本配置さ
れ、それぞれが車両左右方向に延びて配設される。各ロ
ッカシャフト11は、シリンダヘッド16に形成された
ロッカシャフト軸受部18により、回動可能に支持され
る。そして、1本のロッカシャフト11に、低速用ロッ
カアーム7並びに中高速用ロッカアーム8および9が2
組ずつ設置される。各組の低速用ロッカアーム7並びに
中高速用ロッカアーム8および9は、ロッカシャフト1
1に介装された位置決めスプリング19によって、ロッ
カシャフト11と共にその位置が規制される。
【0026】なお、図6中の符号20は、ロッカシャフ
ト軸受部18の上部に形成されて、カムシャフト6を支
持する下半軸受孔である。また、符号21はバルブガイ
ド、符号22はスタッドボルト挿通孔である。
【0027】上記油圧アクチュエータ15は、図1、図
7、図11および図12に示すように、2つのシリンダ
23が並設されたアクチュエータボディ24と、1つの
シリンダ23に2個ずつ収容されたピストン25と、ア
クチュエータボディ24の上部を覆う蓋26と、を有し
て構成される。この蓋26は、蓋取付ボルト44を用い
てアクチュエータボディ24に固定される。
【0028】ピストン25は、シリンダ23内を摺動可
能に設けられ、先端部にラック27が一体形成される。
このラック27は、ロッカシャフト11の端部に形成さ
れたピニオン28に噛み合される。また、アクチュエー
タボディ24の上部には、図1、図6および図7に示す
ように、2つのシリンダ23の軸方向中央位置に連通し
た中高速用油路30が形成されると共に、2つのシリン
ダ23のそれぞれ両端部に連通された低速用油路29が
形成される。蓋26には低速用油路29に連通した低速
用油圧ポート31と、中高速用油路30に連通した中高
速用油圧ポート32とがそれぞれ形成される。
【0029】一方、図1に示すように、シリンダヘッド
16を覆うヘッドカバー33Aに油路切換ソレノイドバ
ルブ33が設置される。この油路切換ソレノイドバルブ
33は、低速用油圧ホース34および中高速用油圧ホー
ス35を介して低速用油圧ポート31または中高速用油
圧ポート32に選択的に油圧を供給する。
【0030】油圧切換ソレノイドバルブ33は、バルブ
ボディ36内にスプールバルブ37が配設され、このス
プールバルブ37を電磁石38の励磁および消磁によっ
て摺動させるものである。バルブボディ36には、さら
にオイルポンプ(図示せず)によって昇圧されたエンジ
ンオイルが作動油として流入する給油ポート39が形成
される。また、バルブボディ36にはリリーフポート4
0が形成されると共に、低速用給油ポート41および中
高速用給油ポート42も形成される。低速用給油ポート
41と油圧アクチュエータ15の低速用油圧ポート31
とが低速用油圧ホース34によって接続される。また、
中高速用給油ポート42と油圧アクチュエータ15の中
高速用油圧ポート32とが中高速用油圧ホース35によ
って接続される。
【0031】電磁石38の励磁および消磁はエンジン回
転数に基づいて制御される。つまり、エンジン回転数の
上昇時には、エンジン回転数が例えば約9500r.p.m.
以下の低回転数域で電磁石38が励磁し、約9500r.
p.m.以上の中高回転数域でこの電磁石38が消磁する。
【0032】電磁石38が励磁すると、スプールバルブ
37が図1の矢印Q方向に移動し、給油ポート39と低
速用給油ポート41とが連通し、かつ中高速用給油ポー
ト42がリリーフポート40に連通する。このため、作
動油は給油ポート39から低速用給油ポート41、低速
用油圧ホース34および低速用油圧ポート31を経て低
速用油路29へ導入され、ピストン25は図7に示す矢
印M方向に押し戻されて、ピニオン28が矢印O方向に
回動する。これにより、図4に示すように、偏心ブッシ
ュ12および13の厚肉頂部12aおよび13aが斜め
前方へ移動して、低速用カム3が低速用ロッカアーム7
を作動する。
【0033】また、電磁石38が消磁すると、ソレノイ
ドリターンスプリング43の付勢力によってスプールバ
ルブ37が図1に示す位置へ移動し、その結果、給油ポ
ート39と中高速用給油ポート42とが連通し、かつ低
速用給油ポート41とリリーフポート40とが連通す
る。このため、作動油は給油ポート39から中高速用給
油ポート42、中高速用油圧ホース35および中高速用
油圧ポート32を経て中高速用油路30へ導入され、ピ
ストン25は図1に示す矢印N方向へ押し出されて、ピ
ニオン28が矢印P方向に回動する。これにより、図5
に示すように、偏心ブッシュ12および13の厚肉頂部
12aおよび13aが斜め後方へ移動して、中高速用カ
ム4および5が中高速用ロッカアーム8および9を作動
する。
【0034】さて、油圧アクチュエータ15のアクチュ
エータボディ24は、図1および図7に示すように、マ
ウンティングプレート45を介してシリンダヘッド16
に固定される。このマウンティングプレート45は、図
13および図14に示すように略矩形状の厚肉プレート
であり、4つの膨出したコーナ部にボルト挿通孔46が
貫通される。このボルト挿通孔46にプレート取付ボル
ト47(図1、図7)が挿通されて、マウンティングプ
レート45がシリンダヘッド16に固定される。
【0035】また、このマウンティングプレート45に
は、位置決めピン48(図1、図7)植設用のピン孔4
9が、図13に示すように点対称位置に設けられる。さ
らにマウンティングプレート45には、左右の幅方向中
央位置に複数のボルト孔50が並設され、これらの各ボ
ルト孔50の内周に雌ねじ51が刻設される。
【0036】一方、図1、図7および図8に示すよう
に、アクチュエータボディ24の下面には、位置決め孔
52が形成される。また、アクチュエータボディ24の
左右方向中央位置に、図6、図8、図10および図11
に示すように、軸線に沿って複数のボルト挿通孔53
が、貫通状態で穿設される。
【0037】したがって、油圧アクチュエータ15の組
付に際しては、マウンティングプレート45のピン孔4
9に植設された位置決めピン48を、アクチュエータボ
ディ24の位置決め孔52に嵌入して位置決めした後、
アクチュエータボディ24のボルト挿通孔53に図示し
ない取付ボルトを挿通し、この取付ボルトの先端部をマ
ウンティングプレート45におけるボルト孔50の雌ね
じ51に螺合して、油圧アクチュエータ15がシリンダ
ヘッド16に組み付けられる。
【0038】さらに、油圧アクチュエータ15のアクチ
ュエータボディ24には、図1、図7、図8、図10お
よび図12に示すように、その下部に凹部54が形成さ
れる。油圧アクチュエータ15の組付後には、この凹部
54の開口がマウンティングプレート45によって覆わ
れて、ダスト室55が形成される。このダスト室55
は、ダスト孔56により1つのシリンダ23の軸方向中
間位置に連通される。すなわち、1つのシリンダ23内
に、2つのピストン25,25を背中合せに所定の間隔
を置いて対向配置すると共に摺動可能に収容し、これら
両ピストン25,25がそれぞれシリンダ23内に最も
後退して、これら両ピストン25,25の対向端同士に
より形成される油室が最小になるときの当該油室の底
部、つまり、シリンダ23の軸方向中間部の底部にダス
ト孔56を開口させている。このダスト孔56を通って
ダスト室55内に、シリンダ23内へ流出入する作動油
中の微細な鉄粉等の異物が、その重量により堆積するよ
う設けられる。
【0039】なお、鉄粉等の異物とともにダスト室55
内に流入した作動油は、アクチュエータボディ24とマ
ウンティングプレート54との隙間からダスト室55外
へ滲み出るので、ダスト室55内には異物のみを堆積さ
せることができる。
【0040】次に、作用効果を説明する。
【0041】エンジンが低回転数域にあるときに、油路
切換ソレノイドバルブ33の励磁により、図7に示すよ
うに油圧アクチュエータ15のピストン25が矢印M方
向に押し戻されて、ロッカシャフト11が矢印O方向に
回動すると、偏心ブッシュ12および13のそれぞれの
厚肉頂部12aおよび13aが図4に示すように斜め前
方に位置する。これにより、中高速用ロッカアーム8お
よび9のカムフロア面8cおよび9cが低速用ロッカア
ーム7のカムフロア面7cに対し相対的に下方へ移動す
る。したがって、中高速用カム4および5の周面と中高
速用ロッカアーム8および9のカムフロア面8cおよび
9cとの間に隙間が形成されることになり、その結果、
中高速用カム4および5は空転する。
【0042】また、このとき、低速用ロッカアーム7
は、バルブスプリング57(図4)の付勢力によって、
ロッカシャフト11の軸心を中心として常時上方へ押し
上げられているので、そのカムフロア面7cが低速用カ
ム3の周面と当接する。したがって、カムシャフト6が
回転すると、バルブ1および2は図15に示した低速用
カム3のリフト特性Aに基づいて上下動する。つまり、
バルブ1および2は、低エンジン回転数域に適したバル
ブのリフト量を確保しつつ、燃焼室を開閉する。
【0043】一方、エンジンが中・高回転域にあるとき
に、図1に示す流路切換ソレノイドバルブ33の消磁に
よって、油圧アクチュエータ15のピストン25が矢印
N方向に押し出されて、ロッカシャフト11が矢印P方
向に回動すると、偏心ブッシュ12および13のそれぞ
れ厚肉頂部12aおよび13aが図5に示すように斜め
後方に位置する。これにより、中高速用ロッカアーム8
および9のカムフロア面8cおよび9cが低速用ロッカ
アーム7のカムフロア面7cに対して相対的に略上方ま
たは同一位置まで移動し、このカムフロア面8cおよび
9cがそれぞれ中高速用カム4および5の周面に当接す
る。
【0044】ここで、図15に示したように、中高速用
カム4および5は低速用カム3よりもカムリフト量が大
きく形成されているので、図5に示す状態下でカムシャ
フト6が回転された場合、低速用カム3は空転し、一
方、中高速用カム4および5がそれぞれ中高速用ロッカ
アーム8および9を介して、図15のリフト特性Bに基
づきバルブ1および2を駆動する。この結果、バルブ1
および2は、エンジンの中・高回転数域に適したバルブ
リフト量を確保しつつ、燃焼室を開閉する。
【0045】上記実施例によれば、低速用カム3にエン
ジンの低回転数域に適したカムプロフィールが形成さ
れ、中高速用カム4および5にエンジンの中・高回転数
域に適したカムプロフィールが形成され、さらにロッカ
シャフト11の偏心ブッシュ12および13に中高速用
ロッカアーム8および9をそれぞれ回動自在に嵌挿し、
ロッカシャフト11に低速用ロッカアーム7を直接嵌挿
して、ロッカシャフト11の回動により、低速用カム3
と低速用ロッカアーム7との当接、中高速用カム4およ
び5と中高速用ロッカアーム8および9とのそれぞれの
当接を選択できるので、バルブ1および2を低速用カム
3あるいは中高速用カム4,5にて選択的に駆動させる
ことができる。したがって、エンジンの低回転数域から
中・高回転数域にかけての広い回転数域で、4サイクル
エンジンの出力を向上させることができる。
【0046】また、低速用カム3、中高速用カム4およ
び5の選択を偏心ブッシュ12および13の回動によっ
て行なっているので、カム3,4,5の選択時に各部に
大きなストレスが生ずることがない。このため、カム
3,4,5をスムーズに選択することができる。
【0047】さらに、一対のロッカシャフト11を正逆
方向に回動させる油圧アクチュエータ15は、エンジン
オイルを作動油とし、この作動油を油圧切換ソレノイド
バルブ33を介してシリンダ23内へ導き、ピストン2
5を摺動させているが、この作動油中には微細な鉄粉等
の異物が混在する。油圧アクチュエータ15のアクチュ
エータボディ24には、凹部54およびマウンティング
プレート45に囲まれてダスト室55が形成されている
ので、上記作動油中の異物は、その重量によって、作動
油とともにダスト孔56を経てダスト室55内に堆積す
る。したがって、油圧アクチュエータ15のシリンダ2
3内に残留する鉄粉等の異物の残存量を低減でき、この
ため、ピストン25を滑かに摺動させることができる。
この結果、シリンダ23およびピストン25間の摩耗を
低減でき、油圧アクチュエータ15の性能を向上させる
ことができる。そして、ダスト室55に連通するダスト
孔56を、一対のピストン25が1つのシリンダ23内
にそれぞれ最も後退したときのこれらピストン25の対
向端同士の間にて開口させているので、シリンダ23内
の底部に沈殿した作動油中の異物を、各ピストン25の
後退時に各ピストン25の対向端によりダスト孔56な
いしその近傍に掻き寄せ、ダスト孔56からダスト室5
5に排出させることができる。これにより、作動油中の
異物の除去効率を向上させることができる。また、ダス
ト室55と、その底面開口を閉塞するマウンティングプ
レート54との間に作動油をリークさせる間隙を形成し
ているので、この間隙から、ダスト室55内の作動油が
滲み出る等によりリークする。このためにダスト室55
内に流入する作動油に流れが発生するので、その流動に
より作動油中の異物をダスト室55内に集める集塵効率
を向上させることができる。
【0048】なお、上記実施例では、中高速用カム4お
よび5のカムプロフィールが図15の破線Bに示すもの
である場合につき述べたが、この中高速用カム4および
5のカムプロフィールを図16の破線B′あるいは図1
7の破線B″に示すものとして、エンジンの中・高回転
時におけるバルブ1および2のリフトを変更してもよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る4サイク
ルエンジンの動弁装置によれば、回動可能に支持された
ロッカシャフトにエキセントリック大径部が形成され、
第2および第3ロッカアームがこのエキセントリック大
径部に嵌挿されると共に、第1ロッカアームが第2およ
び第3ロッカアームの間に配置されて直接ロッカシャフ
トに嵌挿されたことから、ロッカシャフトの回動による
上記カムの選択によって、広い回転数域に亘りエンジン
出力を向上させることができる。
【0050】また、一対のロッカシャフトに作動的に連
結されて作動油の油圧により上記ロッカシャフトを回動
させる油圧アクチュエータには、アクチュエータボディ
に形成されたシリンダの下方に、このシリンダ内に連通
されたダスト室が形成されたことから、作動油中の微細
な鉄粉等の異物はこのシリンダ内からダスト室内へ流動
して堆積する。このため、油圧アクチュエータ内の作動
油中の異物を除去でき、シリンダおよびピストン間の摩
耗を低減できるので、油圧アクチュエータの性能を向上
させることができる。そして、ダスト室に連通するダス
ト孔を、一対のピストンが1つのシリンダ内でそれぞれ
最も後退したときのこれらピストンの対向端同士の間に
て開口させているので、シリンダ内の底部に沈殿した作
動油中の異物を、各ピストンの後退時に各ピストンの対
向端によりダスト孔ないしその近傍に掻き寄せ、ダスト
孔からダスト室に排出させることができる。これによ
り、作動油中の異物の除去効率を向上させることができ
る。また、請求項2の発明によれば、ダスト室と、その
底面開口を閉塞するマウンティングプレートとの間に作
動油をリークさせる間隙を形成しているので、この間隙
から、ダスト室内の作動油が滲み出る等によりリークす
る。このためにダスト室内に流入する作動油に流れが発
生するので、その流動により作動油中の異物をダスト室
内に集める集塵効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図6のI−I線に沿う断面図であり、中高速用
カムを作動させるべく作動した油圧アクチュエータを示
す断面図。
【図2】この発明に係る4サイクルエンジンの動弁装置
の一実施例を示す斜視図。
【図3】図2の動弁装置の平面図。
【図4】図2の動弁装置の低速用カム作動状態を示す動
作状態図。
【図5】図2の動弁装置の中高速用カム作動状態を示す
動作状態図。
【図6】図2の動弁装置が適用されたシリンダヘッドの
部分平面図であり、吸・排気バルブおよびバルブスプリ
ングを省略して示す図。
【図7】図1の油圧アクチュエータにおいて低速用カム
を作動させるべく作動した油圧アクチュエータを示す断
面図。
【図8】図7の油圧アクチュエータを示す背面図。
【図9】図7の油圧アクチュエータの右側面図。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図。
【図11】図9のXI−XI線に沿う断面図。
【図12】図11のXII −XII 線に沿う断面図。
【図13】図1および図7のマウンティングプレートを
示す平面図。
【図14】図13のXIV −XIV 線に沿う断面図。
【図15】図2のカムのカムプロフィールを示すグラ
フ。
【図16】図15に示すカムプロフィールの第1変形例
を示すグラフ。
【図17】図15に示すカムプロフィールの第2変形例
を示すグラフ。
【符号の説明】
1,2 バルブ 3 低速用カム 4,5 中高速用カム 7 低速用ロッカアーム 8,9 中高速用ロッカアーム 11 ロッカシャフト 12,13 偏心ブッシュ 15 油圧アクチュエータ 23 シリンダ 24 アクチュエータボディ 25 ピストン 27 ラック 28 ピニオン 45 マウンティングプレート 54 凹部 55 ダスト室 56 ダスト孔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動可能に支持されるとともにエキセン
    トリック大径部が形成された一対のロッカシャフトと、
    このロッカシャフトに直接嵌挿された第1のロッカアー
    ムと、この第1のロッカアームの両側に配置されて上記
    エキセントリック大径部に嵌挿された第2および第3の
    ロッカアームと、上記第1、第2および第3のロッカア
    ームをそれぞれ作動する第1、第2および第3のカム
    と、上記ロッカシャフトに作動的に連結されて作動油の
    油圧により上記ロッカシャフトを回動させる油圧アクチ
    ュエータと、を有し、上記第2および第3のカムが同じ
    カムプロフィールに形成され、上記第1のカムのカムプ
    ロフィールが上記カムプロフィールと異なって形成さ
    れ、上記油圧アクチュエータは、そのアクチュエータボ
    ディに形成されたシリンダ内に、上記一対のロッカシャ
    フトにそれぞれ連結された一対のピストンを対向配置す
    ると共に摺動可能に収容する一方、上記シリンダ下方
    に、このシリンダ内にダスト孔を介して連通されたダス
    ト室を形成し、このダスト孔を、上記一対のピストンが
    上記シリンダ内にそれぞれ最も後退したときのこれらピ
    ストンの対向端同士の間にて開口させたことを特徴とす
    る4サイクルエンジンの動弁装置。
  2. 【請求項2】 上記ダスト室は、アクチュエータボディ
    をシリンダヘッドに設置するマウンティングプレートと
    上記アクチュエータボディとに囲まれて構成される一
    方、このマウンティングプレートとの間に上記作動油を
    リークさせる間隙を形成していることを特徴とする請求
    項1記載の4サイクルエンジンの動弁装置。
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